JP2008080625A - 打滴点ずれ検出方法及び打滴点サイズ検出方法 - Google Patents

打滴点ずれ検出方法及び打滴点サイズ検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】正確かつ簡単に算出することができる打滴点ずれ検出方法及び打滴点サイズ検出方法を提供すること。
【解決手段】吐出部からそれぞれ複数のインク液滴を吐出させ、被記録媒体上に各吐出部毎に打滴線を形成し、被記録媒体上に形成された打滴線で構成される画像を読取画像として読み込み、読取画像を画像処理することにより、基準軸方向における各打滴線の両端の画素を、基準軸と直交する方向における所定間隔毎に検出して、その画素の座標を打滴線端部位置情報として算出し、打滴線端部位置情報に基づいて、1つの吐出部から形成された打滴線の一方の端部を結んだ近似直線及び他方の端部を結んだ近似直線を、吐出部毎に、全近似直線の傾きを共通として算出し、吐出部毎に得られた近似直線に基づいて打滴点間隔及び打滴点サイズを算出することで、上記課題を解決する。
【選択図】図11

Description

本発明は、インク液滴を吐出する吐出部を複数備える画像記録装置の各吐出部から吐出されるインク液滴の着弾位置のずれを検出する打滴点ずれ検出方法及び打滴点のサイズを検出する打滴点サイズ検出方法に関するものである。
被記録媒体に画像を記録する方法としては、画像信号に応じてインク液滴を吐出させ、被記録媒体上に着弾させ、画像を記録するインクジェット描画方式がある。
このようなインクジェット描画方式を用いた画像描画装置としては、インク液滴を吐出する吐出部(ノズル)を被記録媒体の1辺の全域に対応させてライン状に配置して、被記録媒体を吐出部に直交する方向に搬送することで、被記録媒体の全域に画像を記録するフルラインヘッド型の画像描画装置がある。
フルラインヘッド型の画像描画装置は、吐出部を移動させることなく被記録媒体を搬送することで、被記録媒体の全域に画像を描画することができ、記録速度を高速化することができる。
しかしながら、ラインヘッド型の画像描画装置は、吐出部の位置ずれ等の製造時のバラツキなどにより、被記録媒体に記録した画像にスジ、ムラが発生するという問題がある。
このようなスジ、ムラを低減させる方法として、特許文献1には、液滴飛翔方向がずれる異常ノズルを検出し、異常ノズルに隣合うノズルから打滴されるドットの一部はその大きさが大きい補償ドットを打滴し、補償ドットによりドット列とドット列との間にできる隙間を埋め、該隙間に起因するスジ、ムラを低減する画像形成装置が記載されている。
また、特許文献2には、ドットずれ検出方法として、被検査物上に形成されたドット列の電子画像を取得する画像取得ステップと、電子画像を画像処理することにより、電子画像において、ドット列に略平行な方向をX軸方向、該X軸方向に直交する方向をY軸方向としたときの各ドットの中心のX座標およびY座標を取得するドット座標取得ステップと、各ドットの中心のX座標およびY座標に基づいて最小二乗法により第1の基準直線を決定する第1の基準直線決定ステップと、第1の基準直線と各ドットの中心との距離を求めることにより、Y軸方向への各ドットの位置ずれ量に関する情報を取得するY軸方向ずれ量取得ステップとを備えるドットずれ検出方法が記載されている。
また、特許文献3には、インクジェットプリンタのドット位置を検出するドット位置検出装置であって、インクジェットプリンタで形成された画像におけるドット位置を予測するドット位置予測手段と、前記ドット位置予測手段によって予測されたドット位置に基づいて、前記画像におけるドットの位置を算出するドット位置算出手段と、前記ドット位置算出手段によって算出されたドットの位置に基づいて、ドットが形成されるべき理想位置を算出する理想位置算出手段と、前記ドット位置算出手段によって算出されたドットの位置と、前記理想位置算出手段によって算出されたドットの理想位置とのずれ量を算出するドット位置ずれ算出手段と、を備えることを特徴とするドット位置検出装置が記載されている。
また、ドット位置予測手段は、前記画像における第1の方向について輝度の値のヒストグラムを作成すると共に該ヒストグラムの極小点を通る第1の直線を求め、前記第1の方向と直交する第2の方向について輝度の値のヒストグラムを作成すると共に該ヒストグラムの極小点を通る第2の直線を求め、前記第1の直線と前記第2の直線との交点をドットの位置であると予測することも記載されている。
さらに、前記理想位置算出手段は、前記ドット位置検出手段によって算出されたドットの位置に基づいてドットを通る直線を近似して算出し、算出された直線の傾きの平均を傾きとする理想直線を算出し、算出された理想直線上をドットの理想位置とすることも記載されている。
特開2005−74956号公報 特開2006−130383号公報 特開2006−142546号公報
ここで、例えば、解像度が300dpi(ドットパーインチ)〜650dpiの画像を描画するインクジェット描画装置では、インク液滴の打滴位置の間隔は85〜42.5μmとなる。つまり、インクジェット描画装置の解像度が高くなるに従って、インク液滴の打滴位置の間隔は、短くなる。
このため、効率よく、正確にスジ、ムラを低減させるためには、吐出部から吐出されるインク液滴が着弾する位置(以下「打滴点」ともいう。)の位置ずれを正確に検出する必要がある。
しかしながら、特許文献1には、記録時にスジ、ムラを低減させる方法は記載されているが、ドットの打滴点位置ずれを算出する方法については、特に記載されていない。
また、特許文献2に記載されている検出方法では、打滴点の間隔を正確に算出するためには、高解像度の画像読取装置でドットを読み取り、ドットの中心位置を算出する必要があるという問題がある。
また、特許文献2に記載されている検出方法では、ドットが被記録媒体上でにじむ等により、隣接したドットと付着してしまうとドットの中心を判別することが困難となり、打滴位置の間隔を正確に算出することができないという問題もある。
また、特許文献3に記載されているドット位置検出装置も、ヒストグラムを直交する2方向に関して調べ、そのヒストグラムの極小点から直線を求め、算出された直線の交点を打滴点の位置とすることで、打滴点の位置を算出しているが、打滴点の間隔を正確に算出するためには、高解像度の画像読取装置でドットを読み取り、ドットの中心位置を算出する必要がある。なお、特許文献3のドット位置検出装置で算出している理想位置と打滴点位置とのずれは、ドットの平均位置とそのずれを算出しているものであり、打滴点の間隔を算出するものではないため、打滴点間隔を算出することはできない。
また、打滴点のサイズ、つまり、着弾したインク液滴のサイズが所望のサイズと異なる場合も、スジムラの原因となるため、打滴点のサイズに起因するスジムラを検出するためには、正確に打滴点のサイズを検出する必要がある。
しかしながら、特許文献1〜3のいずれも、ドットの外縁(外形、縁、境界線)を算出することで、ドットの大きさを算出することができるが、正確な大きさを算出するためには、高精度の画像読取装置でドットを読み取り、ドットの外縁を正確に算出する必要があるという問題がある。
本発明の目的は、上記従来技術に基づく問題点を解消し、打滴点の間隔、打滴点位置のずれを正確かつ簡単に算出することができる打滴点ずれ検出方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記従来技術に基づく問題点を解消し、打滴点のサイズを正確にかつ簡単に算出することができる打滴点サイズ検出方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、インク滴を吐出する複数の吐出部が列状に配列された記録ヘッドの各吐出部から吐出され、被記録媒体上に着弾するインク液滴の打滴点の位置ずれを検出する打滴点ずれ検出方法であって、前記吐出部から連続してインク液滴を吐出させ、同一の前記吐出部から吐出されたインク液滴で形成される隣接する打滴点と接触する位置にインク液滴を着弾させて打滴点を形成し、1つの前記吐出部により形成される打滴点を連結させて形成される打滴線を各吐出部毎に形成する打滴線形成ステップと、前記吐出部により形成された打滴線に略直交する方向を基準方向として、前記被記録媒体上に形成された前記打滴線で構成される画像を読取画像として読み取る画像読取ステップと、前記読込画像から、前記打滴線毎に、前記打滴線の前記基準方向における一方の端部位置及び他方の端部位置を、前記基準方向と直交する方向において所定間隔毎に、打滴線端部位置情報として算出する打滴線端部位置情報算出ステップと、前記打滴線端部位置情報から、複数の前記一方の端部位置を結ぶ近似直線、及び、複数の前記他方の端部位置を結ぶ近似直線を、前記近似直線の傾きが全打滴線で共通として前記打滴線毎に算出する近似直線演算ステップと、前記打滴線毎に算出した一方の端部位置の前記近似直線及び他方の端部位置の前記近似直線から吐出部の打滴点と他の吐出部の打滴点との間隔を算出する打滴点間隔算出ステップと、を備えることを特徴とする打滴点ずれ検出方法を提供するものである。
ここで、本発明の第1の態様において、前記近似直線演算ステップは、前記近似直線を、最小二乗法により算出することが好ましい。
また、前記打滴線形成ステップは、前記打滴線を、隣接する他の打滴線と非接触で形成することが好ましい。
また、前記打滴線形成ステップは、前記被記録媒体に形成する打滴線を、前記吐出部の配置位置に応じて、前記吐出部の配列方向に直交する方向において異なる位置に形成することが好ましい。
また、前記打滴線形成ステップは、前記複数の吐出部のうち1つおきの前記吐出部からインク液滴を吐出させ、前記被記録媒体上に前記打滴線を形成した後に、残りの前記吐出部からインク液滴を吐出させ、前記被記録媒体上に打滴線を形成することが好ましい。
また、前記打滴線形成ステップは、前記打滴線を、隣接する打滴線と相互に接触しない幅で形成することが好ましい。
さらに、吐出部毎に算出した一方の端部の前記近似直線と他方の端部の前記近似直線からそれぞれの前記吐出部により形成される前記打滴点のサイズを算出する打滴点サイズ算出ステップを有することが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の第2の態様は、インク滴を吐出する複数の吐出部が列状に配列された記録ヘッドの各吐出部から吐出され、被記録媒体上に着弾するインク液滴の打滴点のサイズを検出する打滴点サイズ検出方法であって、前記吐出部から連続してインク液滴を吐出させ、同一の前記吐出部から吐出されたインク液滴で形成される隣接する打滴点と接触する位置にインク液滴を着弾させて打滴点を形成し、1つの前記吐出部により形成される打滴点を連結させて形成される打滴線を各吐出部毎に形成する打滴線形成ステップと、前記吐出部により形成された打滴線に略直交する方向を基準方向として、前記被記録媒体上に形成された前記打滴線で構成される画像を読取画像として読み取る画像読取ステップと、前記読込画像から、前記打滴線毎に、前記打滴線の前記基準方向における一方の端部位置及び他方の端部位置を、前記基準方向と直交する方向において所定間隔毎に、打滴線端部位置情報として算出する打滴線端部位置情報算出ステップと、前記打滴線端部位置情報から、複数の前記一方の端部位置を結ぶ近似直線、及び、複数の前記他方の端部位置を結ぶ近似直線を、前記近似直線の傾きが全打滴線で共通として前記打滴線毎に算出する近似直線演算ステップと、吐出部毎に、算出した一方の端部の前記近似直線と他方の端部の前記近似直線からそれぞれの前記吐出部により形成される前記打滴点のサイズを算出する打滴点サイズ算出ステップと、を備えることを特徴とする打滴点サイズ検出方法を提供するものである。
本発明の第1の態様および第2の態様において、前記打滴点サイズ算出ステップは、一方の端部の前記近似直線と他方の端部の前記近似直線とから算出した打滴線の幅と、予め算出した打滴線の幅と前記打滴点のサイズとの関係に基づいて前記打滴点のサイズを算出することが好ましい。
また、前記打滴線形成ステップは、前記被記録媒体と前記吐出部とを前記吐出部の配列方向と略直交する方向に相対的に移動させながら、前記吐出部のそれぞれから複数のインク液滴を吐出させ、前記被記録媒体上に複数の打滴点が前記吐出部の配列方向と略直交する方向に連続して配置された打滴線を前記吐出部毎に形成することが好ましい。
本発明によれば、吐出部毎に打滴線を形成し、打滴線の位置を所定間隔毎に検出して、各打滴線の近似直線を算出し、打滴点間隔の位置ずれを算出することで、打滴点の間隔を正確に算出することができ、打滴点の位置ずれを正確に検出することができる。また、打滴線を低い解像度で画像を読み取った場合でも、打滴点の位置ずれを正確に検出することができる。
また、本発明によれば、打滴線の両端の位置を所定間隔毎に検出して、打滴点のサイズを算出することで、打滴点のサイズを正確に検出することができる。また、打滴線を低い解像度で画像を読み取った場合でも、打滴点のサイズを正確に検出することができる。
本発明に係る打滴点ずれ検出方法及び打滴点サイズ検出方法について、添付の図面に示す実施形態を基に詳細に説明する。
まず、本発明の打滴点ずれ検出方法及び打滴点サイズ検出方法をインクジェット描画装置を用いるデジタルラベル印刷装置に用いた一例を説明する。
図1は、デジタルラベル印刷装置100の一例を示す概略構成図であり、図2は、図1に示すデジタルラベル印刷装置100に用いるラベル印刷用被記録媒体の縦断面図であり、図3は、図1に示したデジタルラベル印刷装置100の描画部112を拡大して示す概略斜視図である。また、図4(A)は、記録ヘッド136Kの吐出部60の配置パターンを示す正面図であり、図4(B)は、記録ヘッド136Kの1つの吐出部60を示す拡大断面図であり、図5は、インクジェット描画装置100におけるインク供給系及びヘッド周辺部の構成を示す模式図であり、図6(A)は、画像面に凹凸がある被記録媒体の要部を示す断面図であり、図6(B)は、平滑化せずに箔押しされた被記録媒体の要部を示す断面図であり、図6(C)は、平滑化部により凹凸を平滑化して箔押した被記録媒体の要部を示す断面図である。
本実施形態のデジタルラベル印刷装置100は、活性エネルギー(活性光線)硬化型インクである紫外線硬化型インクを用いた紫外線硬化型インクジェットデジタルラベル印刷装置であり、箔押し部を有し、箔押し印刷可能なラベル印刷装置である。
ここで、箔押し印刷とは、書籍の表紙や背表紙などに金色箔、銀色箔、色箔などの箔を、加熱した凸版により相手部材に押圧して箔を加熱圧着(箔押し)させるもので、ホットスタンプとも言う。
また、本実施形態の被記録媒体Pは、図2に示すように、裏面に粘着剤180aが塗布された粘着シート180を、台紙である剥離紙182上に重ね合わせた2枚構造である。
図1に示すように、デジタルラベル印刷装置100は、基本的に搬送部110と、描画部112と、位置ずれ検出部114と、平滑化部116と、箔押し部118と、ラベル抜き部120と、制御部121とを有する。制御部121は、搬送部110、描画部112、位置ずれ検出部114、平滑化部116、箔押し部118、ラベル抜き部120の各種動作を制御する。
ここで、搬送部110は、連続紙状のラベル印刷用の被記録媒体P(以下「被記録媒体P」という。)を、一定方向(図1中左から右方向)に搬送するものであり、描画部112、位置ずれ検出部114、平滑化部116、箔押し部118、ラベル抜き部120は、被記録媒体Pの搬送方向順、つまり上流から下流方向に、描画部112、位置ずれ検出部114、平滑化部116、箔押し部118、ラベル抜き部120の順に配置されている。
搬送部110は、供給ロール122と、搬送ローラ対124、126、128、130、132と、製品巻取部134とを有する。
供給ロール122には、連続紙状のラベル印刷用の被記録媒体Pがロール状に巻き取られている。搬送ローラ対124、126、128、130、132は、図示しない搬送モータにより回転駆動され、被記録媒体Pを供給ロール122から繰り出して、描画部112、位置ずれ検出部114、平滑化部116、箔押し部118、ラベル抜き部120へと順次搬送する。
製品巻取部134は、被記録媒体Pの搬送方向の最下流に配置され、搬送ロール対124、126、128、130、132により搬送され、描画部112、位置ずれ検出部114、平滑化部116、箔押し部118、ラベル抜き部120を通過した被記録媒体Pを巻き取る。
描画部112は、記録ヘッドユニット135と、インク貯蔵/装填部137と、紫外線照射部138とを有する。
記録ヘッドユニット135は、上述した記録ヘッドユニット136と同様に記録ヘッド(インクジェットヘッド)136Y,136M,136C,136Kを有し、被記録媒体Pの搬送経路に対向する位置、つまり、インク吐出部先端が被記録媒体Pに対向して配置されている。
記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kは、それぞれ、吐出部からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)色のインクを吐出するインクジェットヘッドであり、被記録媒体Pの搬送方向の上流から下流に向かって、記録ヘッド136Y,記録ヘッド136M,記録ヘッド136C,記録ヘッド136Kの順に配置されている。また、記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kは、インク貯蔵/装填部137及び制御部121に接続されている。
記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kは、図3に示すように、被記録媒体Pの搬送方向に直交する方向の幅が、搬送する被記録媒体Pの最大幅を越える領域に複数の吐出部(ノズル)が列状に配置されているフルライン型のインクジェットヘッドである。インクジェットヘッドの構造は、インク貯蔵/装填部137との関係と合わせて後ほど詳細に説明する。
本実施形態のように、記録ヘッドをフルライン型とすることで、被記録媒体Pと描画部112を記録ヘッドの吐出部の延在方向と直交する方向(副走査方向)に相対的に1度、移動させることで(すなわち1回の走査で)、被記録媒体Pの全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが主走査方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
また、被記録媒体Pを搬送しつつ、各記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kからそれぞれ色インクを吐出することにより被記録媒体P上にカラー画像を形成することができる。
インク貯蔵/装填部137は、各記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kに対応する色のインクを貯蔵するインク供給タンクを有する。
インク供給タンクとしては、例えば、インク残量が少なくなった場合に、補充口(図示せず)からタンク内にインクを補充する方式や、タンクごと交換するカートリッジ方式を用いることができる。
インク貯蔵/装填部137の各インク供給タンクは、図示しない管路を介して各記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kと連通されており、各記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kにインクを供給する。
次に、記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kの構造について説明する。ここで、記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kは、吐出するインクの色を除いて、構成は同一であるので、以下、代表して記録ヘッド750Kについて説明する。
図4(A)は、記録ヘッド136Kの吐出部60の配置パターンを示す正面図であり、図4(B)は、記録ヘッド136Kの1つの吐出部60を示す拡大断面図である。
図4(A)に示すように記録ヘッド136Kは、複数の吐出部60が一定間隔で列状に配置されている。
図4(B)に示すように1つの吐出部60は、インク室ユニット61と、アクチュエータ66とを有する。さらに、インク室ユニット61は、共通流路65に接続している。この共通流路65は、複数の吐出部60のインク室ユニット61と接続している。
インク室ユニット61は、ノズル62と、圧力室63と、供給口64とを有する。
ノズル62は、インク液滴を吐出する開口部であり、一端が被記録媒体Pと対向する面に開口し、他端が圧力室63に接続している。
圧力室63は、インク液滴を吐出する方向に垂直な面の平面形状が概略正方形の直方体形状であり、対角線上の両隅部がノズル62と供給口64とに接続されている。
供給口64は、一端が圧力室63と接続し、他端が共通流路65と連通している。
アクチュエータ66は、圧力室63のノズル62および供給口64との接続面とは反対側の面(天面)に配置され、加圧板67と、個別電極68とを有する。
このアクチュエータ66は、個別電極68に駆動電圧を印加することで、加圧板67が変形する。
吐出部60のインク吐出方法について説明する。
インクは、共通流路65から共通口64を介して、圧力室63及びノズル62に供給される。
圧力室63及びノズル62にインクが満ちている状態で、個別電極68に駆動電圧が印加されると、加圧板67が変形し、圧力室63が加圧されて、ノズル62からインクが吐出される。このようにアクチュエータ66を駆動させることでノズル62からインク液滴を吐出させることができる。
また、インクが吐出されると、共通流路65から供給口64を通って新しいインクが圧力室63に供給される。
なお、本発明の吐出部の配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ66の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明はこれに限定されず、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾ方式に代えて、ヒーターなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
次に、記録ヘッドユニット135とインク貯蔵/装填部137との関係をより詳細に説明する。
図5は、デジタルラベル印刷装置100におけるインク供給系及びヘッド周辺部の構成を示す模式図である。なお、記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kの各記録ヘッドとインク貯蔵/装填部137との関係は、インクの種類を除いて同様の構成であるので、以下、記録ヘッド136Kとインク貯蔵/装填部137との関係のみを説明し、記録136Y,136M,136Cと、インク貯蔵/装填部137との関係の説明は省略する。
インク供給タンク70は、記録ヘッド136Kに対応する色、つまり黒色のインクを貯蔵するタンクであり、インク貯蔵/装填部137の内部に配置されている。また、記録ヘッド136Kとインク供給ヘッド70とは、供給管で連結されている。
インク供給タンク70と記録ヘッド136Kとを接続する流路の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルター72が設けられている。フィルター72のフィルター・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
記録ヘッド136Kの近傍又は記録ヘッド136Kと一体にサブタンクを設けることが好ましい。サブタンクを設けることで、ヘッドの内圧変動を防止するダンパ効果を得ることができ、リフィルを改善することができる。
また、図5に示すように、デジタルラベル印刷装置100には、ノズル62の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ74、吸引ポンプ77及び回収タンク78と、記録ヘッド136Kのノズル面、つまり、ノズル62の開口が形成されている面の清掃手段としてのクリーニングブレード76とが設けられている。
キャップ74及びクリーニングブレード76を含むメンテナンスユニットは、図示しない移動機構によって記録ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から記録ヘッド136Kの下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ74は、メンテナンス位置において、記録ヘッド136Kに対向する位置に配置され、図示しない昇降機構によって記録ヘッドユニット135に対して相対的に昇降可能に支持されている。
キャップ74は、電源OFF時や印刷待機時に図示しない昇降機構によって所定の上昇位置まで上昇され、記録ヘッド136Kに密着し、記録ヘッド136Kのノズル面をキャップ74で覆う。
このように、キャップ74により、記録ヘッド136Kのノズル面を覆い、密封状態とすることで、ノズル内のインクが乾燥し、固着すること、及び、インク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなることを防止できる。
また、メンテナンス時、又は一定期間毎に、記録ヘッド136Kにキャップ74を装着し、アクチュエータ66を駆動させて、ノズル62からインクを吐出させてもよい。
記録ヘッド136Kは、描画中又は待機中において、特定のノズル62の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまい、ノズル62からインクを吐出できなくなってしまうことがあるが、キャップ74にインクを予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き)することで、ノズル62内の劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)をノズル62内から排出することができる。これにより、ノズル62にインクが目詰まりすることを防止でき、また、ノズル62によって、異なるインク粘度となり、吐出特性が変化することも防止できる。これにより安定してインク液滴を吐出させることができる。
吸引ポンプ77は、一端がキャップ74に、他端が回収タンク78に接続されている。キャップ74が記録ヘッド136Kに装着され、キャップ74と記録ヘッド136Kとが密着された状態で、吸引ポンプ77により吸引することで、ノズル62内のインクは吸い出される。また、吸引ポンプ77により吸引されたインクは回収タンク78に送られる。
このように、吸引ポンプ77によりインクを吸引することで、例えば、記録ヘッド136K内のインク(圧力室63内)に気泡が混入し、アクチュエータ66を動作させてもノズルからインクを吐出させることができない場合でも、吸引ポンプ67によりインクを吸引することで、圧力室63内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去することができる。つまり、インク液滴を吐出できる状態にすることができる。
なお、吸引ポンプ77による吸引は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出すために行うことが好ましい。
また、吸引ポンプ77による吸引は、圧力室63内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には叙述したキャップ74へのインク液滴の吐出(予備吐出)を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード76は、ゴムなどの弾性部材で形成されており、メンテナンス時は、記録ヘッド136Kのノズル面に、接触した状態で配置されている。また、クリーニングブレード76は、図示しないブレード移動機構(ワイパー)に接続されており、このブレード移動機構により、ノズル面を摺動される。クリーニングブレード76がノズル面を摺動することで、ノズル面に付着したインク滴、異物は、拭き取り除去される。つまり、ノズル面を清掃することができる。
なお、該ブレード機構によりインク吐出面の汚れを清掃した際に、該ブレードによってノズル62内に異物が混入することを防止するために予備吐出が行うことが好ましい。
図1に戻り、デジタルラベル印刷装置100の他の部分を説明する。
紫外線照射部138は、活性エネルギー照射光源であり、各記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kに対応して、それぞれの記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kの下流側に配置されている。紫外線照射部138としては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、UVLED等の種々の紫外線光源を用いることができる。
紫外線照射部138は、各記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kを対向する位置を通過し、画像が形成された被記録媒体Pに紫外線を照射する。つまり、紫外線照射部138は、記録ヘッドから吐出され被記録媒体P上に乗ったインクが直後に硬化するエネルギーを被記録媒体上のインクに与え、被記録媒体P上のインクを硬化させる。
ここで、紫外線照射部138は、射出した紫外線が被記録媒体Pに乗ったインクに照射され、かつ、記録ヘッド136Y、136M、136C、136Kのインクの吐出口には照射されない位置または構成とすることが好ましい。このように、インクの吐出口に紫外線が照射されるのを防止することで、吐出口でインクが硬化することを防止できる。
また、紫外線照射部138近傍の各部には、光反射防止の処置(例えば、つや消しの黒色処理)を施すのが好ましい。
位置ずれ検出部114は、被記録媒体Pの搬送経路において、記録ヘッド136Kに対応する紫外線照射部138の下流側に、被記録媒体Pに対向して配置されている。位置ずれ検出部114は、描画部112の打滴結果を撮像するためのイメージセンサー(ラインセンサー等)を有し、該イメージセンサーによって読み取った打滴画像データを制御部121に送る。制御部121は、より具体的には、制御部121の図示しない演算装置は、位置ずれ検出部114から送られた画像データから打滴点位置のずれ及び打滴点のサイズを検出する。打滴点位置のずれ及び打滴点のサイズの検出については後ほど詳細に説明する。
本実施形態の位置ずれ検出部114は、各記録ヘッド136Y、136M、136C、136Kによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサーで構成される。このラインセンサーは、赤(R)の色フィルターが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサー列と、緑(G)の色フィルターが設けられたGセンサー列と、青(B)の色フィルターが設けられたBセンサー列と、を備える色分解ラインCCDセンサーである。なお、ラインセンサーに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサーを用いることも可能である。
次に、平滑化部116は、被記録媒体Pの搬送方向において、描画部の下流側に配置され、被記録媒体P表面に透明な活性エネルギー(本実施形態では紫外線)硬化型液(以下「活性エネルギー硬化型透明液」または、単に「透明液」ともいう。)を供給する透明液供給手段であるニスコーター142と、被記録媒体Pの後述する箔供与範囲を押圧して平滑にする平面加圧部材146と、透明液に活性エネルギーを照射して硬化させる活性エネルギー照射手段である紫外線照射部148とを有する。
ニスコーター142は、一対の塗布ローラ144,145を有する。
塗布ロール144,145は、表面に透明液が付着して(含浸されて)おり、搬送手段110により搬送される被記録媒体Pを挟持する位置に配置されている。塗布ロール144,145は、被記録媒体Pを挟持しつつ、被記録媒体Pの移動に対応して(同期して)回転することで、描画部112を通過し画像が形成された被記録媒体Pの表面(画像が形成されている面)に透明液を塗布する。
ここで、ニスコーター142によって塗布される透明液は、紫外線照射により硬化可能な活性エネルギー硬化型透明液であり、主成分として、少なくとも重合性化合物と光開始剤を含む、例えば、カチオン重合系組成物、ラジカル重合系組成物、水性組成物などである。詳しくは後述する。
平面加圧部材146は、被記録媒体Pの搬送方向において、ニスコーター142の下流側に、平滑な表面146aを被記録媒体Pに向けて、上下方向(図に示す矢印方向)に移動可能な状態で配置されている。
平面加圧部材146は、上下方向に移動し、被記録媒体Pと接触して、平滑な表面146aで少なくとも被記録媒体Pの箔供与範囲の表面(画像面)を押圧し、被記録媒体Pの表面に吐出され、画像を形成するインクを平滑にする。
なお、平滑な表面146aは、少なくとも箔供与範囲より大きな面積を有する。
紫外線照射部148は、被記録媒体Pの搬送方向において、平面加圧部材146の下流側に配置されている。紫外線照射部148は、活性エネルギー(本実施形態では、紫外線)を被記録媒体Pに照射して、被記録媒体Pの表面に塗布され且つ平滑化された透明液を硬化させる。紫外線照射部148としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、UV―LEDなどを用いることができる。
なお、ニスコーター142および紫外線照射部148は、被記録媒体Pの箔供与範囲を平滑にするための必須装置ではないが、透明液を塗布した方が、良好な平滑面が得られるため設置することが好ましい。
箔押し部118は、箔供給ロール150と、箔巻取ロール152と、ローラ154,156と、箔158と、ホットスタンプ版160とを有し、被記録媒体Pの搬送方向において、平滑化部116の下流側に配置されている。
箔供給ロール150と箔巻取ロール152とは、所定間隔離間して配置されている。また、ローラ154とローラ156とは、所定間隔離間して、ローラ154とローラ156を結んだ面が被記録媒体Pの表面と平行となり、かつ、箔供給ロール150と箔巻取ロール152よりも被記録媒体Pに近接した位置に配置されている。また、ローラ154及びローラ156は、被記録媒体Pに非常に近い位置に配置されている。
箔158は、箔供給ロール150から供給され、ローラ154及びローラ156に巻き掛けられた後、箔巻取ロール152に巻き取られるように張架されている。ここで、ローラ154とローラ156との間の箔158は、被記録媒体Pと平行となる。
ホットスタンプ版(凸版)160は、ローラ154とローラ156との間で、箔158を介して被記録媒体Pと対向する位置に配置されている。ホットスタンプ版160は、被記録媒体P側の面に箔158と接触し、箔押しする凸版部160aを備え、亜鉛、真鍮等で形成されている。さらに、ホットスタンプ版160は、凸版部160aを加熱する加熱装置(図示せず)と、ホットスタンプ版160を被記録媒体Pに接近または離間する方向に移動させる移動機構とを有する。
ホットスタンプ版160は、加熱した状態の凸版部160aを箔158を介して被記録媒体Pと接触させ、押圧することにより、凸版部160aの形状に従って、箔158を被記録媒体P上に加熱圧着する。
ここで、本実施形態では、平滑化部116と箔押し部118との間に、搬送バッファが設けられている。
搬送バッファを設けることで、平滑化部116と箔押し部118との搬送速度の差によって生じる連続紙状のラベル印刷用の被記録媒体Pの弛みを吸収することができ、効率よくラベルを製造することができる。
ラベル抜き部120は、被記録媒体Pの搬送方向において、紫外線照射部164の下流側に配置されており、活性エネルギー硬化型透明液(本実施形態では、紫外線硬化型透明液)を画像面に塗布して光沢を改善するためのニスコータ162及び紫外線照射部164と、連続紙状の被記録媒体Pにラベル形状の切れ目を入れるダイカッタ166と、不要部剥離部であるカス取り部172とを有する。
ニスコーター162は、被記録媒体Pの搬送方向において、箔押し手段118の下流側に配置されている。
ニスコーター162は、その表面に紫外線硬化型透明液が付着した(含浸された)一対の塗布ロールを有し、被記録媒体Pを挟持しつつ、被記録媒体Pの移動に対応して(同期して)回転することで、箔押しされた被記録媒体Pの表面(画像が形成されている面)に紫外線硬化型透明液を塗布する。
紫外線照射部164は、被記録媒体Pの搬送方向において、ニスコーター162の下流側に配置されている。紫外線照射部164は、活性エネルギー(本実施形態では、紫外線)を被記録媒体Pに照射して、被記録媒体Pの表面に塗布された紫外線硬化型透明液を硬化させる。
被記録媒体Pの表面に紫外線硬化型透明液を塗布し、硬化することで、被記録媒体Pの画像面に光沢を付与することができ、画像品質を向上することができる。
ダイカッタ166は、図2に示すように、印刷された連続紙状のラベル印刷用の被記録媒体Pの粘着シート180のみに、所望のラベル形状の切れ目180bを入れるものであり、被記録媒体Pの搬送方向において、紫外線照射部164の下流側に配置され、被記録媒体Pの画像面側に配置されたシリンダカッタ168と、被記録媒体Pを挟んでシリンダカッタ168の反対側に配置された受けローラ170とを有する。
シリンダカッタ168は、円筒形状のシリンダ168aと、シリンダ168aの円筒面上に巻き付けられ、ラベル状に形成された複数の切抜き刃168bとで構成される。
ダイカッタ166は、シリンダカッタ168と受けローラ170とで被記録媒体Pを挟持しつつ、被記録媒体Pの搬送速度に同期して間欠的に揺動回転することにより、切抜き刃168bが被記録媒体Pの粘着シート180のみにラベル形状の切れ目を入れる。
ここで、ダイカッタ166が間欠的に揺動回転するのは、シリンダ168aの円筒面の円周方向長さと、必要とされる切抜き刃168bの長さとの不一致により生じる問題を解消するためである。即ち、ダイカッタ166を連続回転させてラベル形状の切れ目180bを入れると、シリンダカッタ168の切抜き刃168bがない部分に対応する被記録媒体Pも空送りされて、被記録媒体Pが無駄になる。しかし、ダイカッタ166を揺動回転させることにより、切れ目180bを連続して形成させることができ、被記録媒体Pの無駄をなくすことができる。
カス取り部172は、ラベル(製品)Lとならない粘着シート180の不要部分(ラベルLの周辺部)を、剥離紙182から剥離させて巻き取る。
不要部分が巻き取られた被記録媒体P、つまり、ラベルLのみが剥離紙182に貼付された状態の被記録媒体Pは、製品巻取り部134に巻き取られて製品とされる。
次に、デジタルラベル印刷装置100によりラベルを作成する方法を説明する。
図1に示すように、ロール状に巻かれた供給ロール122から送り出された被記録媒体Pは、搬送ローラ対124,126により、描画部112に搬送される。
記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kは、制御部121による制御に基づいて、対向する位置を通過する被記録媒体Pに紫外線硬化型インクのインク液滴を吐出する。インクが吐出された被記録媒体Pは、さらに搬送され、紫外線照射部138に対向する位置を通過し、紫外線が照射され、インクが硬化される。
つまり、被記録媒体Pは、記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kに対向する位置の通過時に、記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kから被記録媒体Pに向け、インク液滴が吐出され、その後、紫外線照射部138から紫外線が照射され、インクが硬化される。これにより、被記録媒体Pの表面に画像が形成される。
画像記録された被記録媒体Pは、平滑化部116に搬送され、ニスコーター142により、図6(A)に示すように、被記録媒体P上に形成された画像184の全体を覆うように厚さ5〜30μm程度(乾燥膜厚)の透明液186が塗布される。
透明液186が塗布された被記録媒体Pは、平面加圧部材146に対向する位置に搬送される。平面加圧部材146は、被記録媒体Pに近づく方向に移動し、平滑な表面146aにより被記録媒体Pを押圧する。平滑な表面146aで被記録媒体Pを押圧することで、被記録媒体P上のインクは押し潰される。これにより、被記録媒体P上のインク(画像)は、平滑になる。ここで、平面加圧部材146の平滑な表面146aの面積は、箔供与範囲よりも大きい。
画像が平滑化された被記録媒体Pは、搬送バッファ経由し、箔押し部118に搬送される。箔押し部118に搬送された被記録媒体Pは、箔158を介してホットスタンプ版160により押圧される。ホットスタンプ版160により押圧された被記録媒体Pには、その表面上にホットスタンプ版160の凸版部160aの形状に従って箔158が加熱圧着される。
箔158が加熱圧着された、つまり箔押しされた被記録媒体Pは、ラベル抜き部120に搬送されて、ニスコーター162により紫外線硬化型透明液が塗布され、その後、紫外線照射部164により紫外線が照射されて塗布された紫外線硬化型透明液が硬化される。
紫外線硬化型透明液が硬化された被記録媒体Pは、ダイカッタ166に搬送され、シリンダカッタ168と、受けローラ170によって粘着シート180にのみラベルLの形状に切れ目180bが入れられる。
このとき、ダイカッタ166は、上述したように、間欠的に揺動しながらラベルLの形状の切れ目180bを入れるので、切れ目180bを連続して形成することができ、被記録媒体Pに無駄になる部分が発生することはない。
その後、被記録媒体Pの粘着シート180のラベルL以外の不要部分は、剥離紙182から剥離されてカス取り部172によって巻き取られる。ラベルLのみが剥離紙182上に貼付された状態の被記録媒体Pは、製品巻取り部134に巻き取られて製品となる。
以上のようにして、ラベルが作成される。
ここで、図6(A)に示すように、被記録媒体Pの画像面は、硬化した複数色のインク184が重なり合って盛り上り、立体的になっている。インクの盛上り高さは、被記録媒体Pのインク吸収性によっても異なるが(吸収性が低いほど高くなる)、一色あたり略10μm程度であり、一箇所の多色のインクが使用された場合には、略40μmとなる場合もある。そして、被記録媒体Pの画像面は、凹凸となっている。この凹凸は、被記録媒体Pの画像面に箔押しするとき、箔158と被記録媒体P(より詳細には、被記録媒体P上のインク184)との密着性に大きな影響を与える。
つまり、図6(B)に示すように、箔供与範囲が平滑化されていない画像面(換言すれば、描画部112において紫外線硬化型インクが吐出、硬化されたままの状態)に箔押しすると、箔158は凹凸の山部分にのみ加熱圧着され、谷部分には圧着されていない状態となる。即ち、箔158と被記録媒体Pとの密着度は低く、剥がれやすい。
これに対して、本実施形態は、平面加圧部材146によって予め箔供与範囲を平滑化した後に、被記録媒体Pに箔押しする。これにより、図6(C)に示すように、箔158を広い面積の平滑な面に加熱圧着することができ、被記録媒体Pと箔158との密着度が高く剥がれ難い箔押しを行うことができる。
つまり、本実施形態のデジタルラベル印刷装置100によれば、箔押し部118の上流に被記録媒体P上の少なくとも箔供与範囲のインク184、透明液186を平面加圧部材146により平滑にする平滑化部116を配置することで、平滑化部116により平滑にされた範囲に箔158を供与して箔押しすることができる。
これにより、被記録媒体Pと箔158との密着度を向上させて良好な箔押し印刷を行うことができる。また、平面加圧部材146により平滑にするので、短時間で平滑化することができ、生産性の向上を図ることができる。
また、平滑化部116に、被記録媒体P上の画像面に透明な活性エネルギー硬化型液を供給する透明液供給手段(ニスコーター)142と、供給後の活性エネルギー硬化型液(透明液)に活性エネルギーを照射する活性エネルギー照射手段(紫外線照射部)148とを設け、画像面表面を透明な活性エネルギー硬化型液で覆って平滑化することで、画像面が大きな凹凸を有していても、平面度の良好な箔供与範囲を形成することができる。
更に、透明液供給手段としてニスコーターを用いることで、簡単且つ安価な機構で、凹凸のある画像が形成された被記録媒体Pの表面に安定して透明液186を塗布することができる。
ここで、ニスコーター162および紫外線照射部164による紫外線硬化型透明液の膜の形成は、画像面に光沢を付与して高画質の画像とするのが目的であるので必ずしも必要ではなく、光沢付与が不要の場合、紫外線硬化型透明液の膜の形成を行わないように設定することもできる。
ここで、図7(A)及び図7(B)に示すように、記録ヘッドユニット135による画像描画時に吐出部から吐出されるインク液滴が他の吐出部から吐出されるインク液滴と異なる方向に吐出されると、後述する吐出部の番号がA5の吐出部60により形成された打滴点のように、インク液滴の打滴点の位置がずれ、つまり、インク液滴の着弾位置がずれ、形成された画像にスジ、ムラが生じる。
また、図7(A)及び図7(B)に示すように、吐出部から吐出されるインク液滴のインク量が所望の量よりも少なくなると、後述する吐出部の番号がA11の吐出部60により形成された打滴点のように、打滴点のサイズが小さくなる。このように、打滴点のサイズが所望のサイズと異なるサイズとなるときも、形成された画像にスジ、ムラが生じる。
デジタルラベル印刷装置100による、スジ、ムラの原因となる打滴点の位置ずれ(打滴点ずれ)の検出方法及び打滴点サイズの検出方法について説明する。ここで、打滴点サイズの検出方法及び打滴点の位置ずれ(打滴点ずれ)の検出方法は、記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kのいずれでも同様の方法で行うため、以下、代表して記録ヘッド136Kで説明する。
まず、記録ヘッド136Kで被記録媒体Pに打滴点位置ずれ検出に用いる画像を描画する。
本実施形態では、列状に配置された複数の吐出部を一端から他端までを順にA1、A2、A3・・・、Anと定義したとき(図7及び図8参照)に、A1、A3、A5、・・・と奇数番の吐出部のみから、インク液滴を連続して吐出し、同一吐出部で形成された隣接する打滴点に接触する位置に打滴点を形成する。このようにして、同一吐出部で形成された複数の打滴点が連結した打滴線を吐出部毎に形成する。より詳細には、吐出部の配列方向と直交する方向に被記録媒体Pを搬送しつつ、それぞれの吐出部が複数のインク液滴を連続して吐出して、被記録媒体P上に、吐出部の配列方向と略直交する方向(搬送方向)に複数の打滴点が連結した打滴線を各吐出部毎に形成する。
なお、このとき、A1の吐出部とA3の吐出部で吐出されたインク液滴の打滴点は互いに接触しない。すなわち、各吐出部毎に形成された打滴線は互いに接触しない。
奇数番の吐出部からインク液滴を吐出させて打滴線を形成した後、同様に、A2、A4、A6、・・・の偶数番の吐出部からも同様に連続的にインク液滴を吐出して、被記録媒体P上に吐出部毎に打滴線を形成する。ここで、偶数番の吐出部から所定数のインク液滴を吐出させて形成した打滴線も同様に各打滴線が他の打滴線と接触しない位置に形成されている。
図8は、打滴点位置ずれ検出に用いる画像(テストパターン)の一例を示す上面図である。
このようにして、被記録媒体P上に画像を描画し、つまり各吐出部毎に打滴線を形成し、図8に示すように、1枚の被記録媒体P上に、奇数番の吐出部からインク液滴を吐出させて形成した打滴線の集合体Gと、偶数番の吐出部からインク液滴を吐出させて形成した打滴線の集合体Gとを形成する。つまり、全吐出部から同時にインク液滴を吐出させることなく、複数の吐出部から選択的にインク液滴を吐出させ、被記録媒体上の吐出部の延在方向(配列方向)に直交する方向において、異なる複数の部分に打滴線を形成する。つまり、被記録媒体に形成する打滴線を、吐出部の配置位置に応じて、吐出部の配列方向に直交する方向において異なる位置に形成する。ここで、吐出部の延在方向とは、複数の吐出部が配置されている方向、つまり、吐出部を結んだ線が延びる方向、言い換えれば、記録ヘッド(インクジェットヘッド)の長手方向であり、本実施形態では、被記録媒体の幅方向となる。
次に、位置ずれ検出部114により、被記録媒体Pに形成された画像を読み取る。つまり位置ずれ検出部114により、各打滴線を読み取る。読み取った画像データは、制御部121に送られる。
図9(A)は、位置ずれ検出部114で読み取った画像(読取画像)の1つの打滴線の一部を示す模式図であり、図9(B)は、図9(A)に示した画像データを2値化した一例を示す模式図である。ここで、図9(A)及び図9(B)において、升目の1つ1つが1つの画素である。読み取り画素密度、つまり読み取りの解像度を高くすることで、1つ1つの升目を小さくすることができ、打滴線をより細かく読み取ることができる。
制御部121の図示しない演算装置は、位置ずれ検出部114で読み取った打滴線の画像(図9(A)参照)を、図9(B)に示すように、各画素毎に2値化する。つまり、各画素のインク濃度、つまり、読み取った画像の濃度が閾値以上の濃度であるか否かを判断し、閾値以上の濃度の画素は、インク成分ありと判断して、一定より低い濃度の画素はインク成分なしとする。つまり、読み取った各画素をインク成分ありか色成分なしの2つの値のみとする。
次に、2値化して、打滴線を構成するとした画素、つまり、画素内のインク濃度が一定以上の画素のみを取り出し、打滴線と略平行な方向に直交する方向(基準方向)における打滴線の一方の端部(以下単に「一方の端部」ともいう。)と、打滴線の基準方向における他方の端部(以下単に「他方の端部」ともいう。)の画素の座標を算出する。ここで、打滴線の一方の端部の画素の座標と他方の端部の画素の座標は、上記基準方向と直交する方向の所定間隔毎に算出する。つまり、各打滴線毎に一方の端部の座標と他方の端部の座標のそれぞれについて、基準方向と直交する方向の所定間隔毎に複数点算出する。
ここで、算出する座標の座標軸は、位置ずれ検出部114の延在方向、つまり、被記録媒体Pの搬送方向に略直交する方向(打滴線と略平行な方向に直交する方向)を上述の基準方向(X軸方向)とし、基準方向に直交する方向、つまり、被記録媒体Pの搬送方向に略平行な方向をY軸方向とし、任意の一点を原点とする。この座標軸は、全ての打滴線、すなわち打滴線を形成する全ての打滴点に共通の座標軸である。
以下、本実施形態では、座標軸を、全ての打滴線、すなわち打滴線を構成する全ての打滴点がX軸及びY軸の正の領域に位置するように、かつ、最初に形成された打滴点(すなわち、搬送方向の最も下流側に形成された打滴点)が最もX軸に近くなるように設定した場合として説明する。
打滴線の端部の座標の検出は、具体的に、以下のようにして行う。
図10(A)に示すように、打滴線の基準方向における一方の端(図中の左端)の画素190を検出し、この検出した画素190の座標を打滴線の一方の端部(図中の左側端部)の座標とする。この一方の端の画素190の検出を、1本の打滴線について、Y軸方向の所定の間隔α毎に行い、Y軸方向において複数の位置での一方の端部の座標を検出する。
また、打滴線の他方の端部も同様に、他方の端(図中の右端)の画素192を検出し、それぞれ他方の端部(図中の右側端部)の座標とする。他方の端の画素192の検出も同様に、1本の打滴線について、Y軸方向の所定の間隔α毎に行い、Y軸方向において複数の位置での他方の端部の座標を検出する。
このようにして、各打滴線について、打滴線の両方の端部の座標をY軸方向の所定の間隔ごとに検出する。ここで、本実施形態では、上記のように座標軸を設定しているため、打滴線の一方の端部(図10中の左側端部)が、Y軸に近い側の端部となり、他方の端部(図10中の右側端部)が、Y軸に遠い側の端部となる。
なお、打滴線の両方の端部の位置を検出する際のY軸方向の所定の間隔αは、種々の値とすることができるが、一つの打滴線を構成している打滴点のY軸方向における打滴点間隔よりも小さい距離とすることが好ましい。間隔αを一つの打滴線を構成する打滴点のY軸方向における打滴点間隔よりも小さくすることで、後述する、打滴線の両方の端部のそれぞれについて算出した近似直線を用いて打滴線の幅をより高精度に算出するのに十分な打滴線端部位置情報を得ることができる。
上述のように、本実施形態では、相互に接触することなく配列した複数の打滴線から構成される画像から、それぞれ複数点の端部位置情報を算出(検出)する。これにより、一つの吐出部によって形成された打滴線を構成する画素を容易に判別することができる。すなわち、隣接する吐出部により形成された打滴線を構成する画素を、それぞれの吐出部毎に容易に区別することができ、打滴線端部位置情報の検出の際に、打滴線を形成する各画素がどの吐出部によって描画されたかを容易に区別することができる。
つまり、本実施形態では、吐出部毎に形成された打滴線の複数点の端部を検出するため、同一打滴線の端部を検出した値を容易に判別することができる。つまり、連続した打滴線から複数位置の端部を算出しているため、算出した端部位置情報を吐出部(打滴線)毎に容易に分類することができる。
また、一方向に連続して延在する打滴線を用いることにより、打滴線端部位置情報の検出の際に、同一吐出部により形成された打滴線の両方の端部を、一方の端部と、他方の端部とに容易に区別することができる。
次に、算出した各打滴線の両方の端部の座標(打滴線端部位置情報)から、各打滴線毎に一方の端部及び他方の端部のそれぞれについて最小二乗法を用いて直線近似し、図11に示すように、各打滴線毎に一方の端部(図11中、打滴線の左端)を結んだ近似直線と、他方の端部(図11中、打滴線の右端)を結んだ近似直線とを算出する。
具体的には、吐出部の番号をmとすると、吐出部mにより形成された打滴点の一方の端部の近似直線は、上述した座標軸に基づいて、y=ax+bと表される。さらに、他方の端部の近似直線は、y=ax+cと表される。
なお、aは、近似直線の傾きであり、bは、一方の端部の近似直線の切片であり、cは、他方の端部の近似直線の切片である。近似直線の傾きaは、全近似直線に共通の傾きとして算出する。従って、近似直線は、全て互いに平行な直線となる。
傾きaと切片bと切片cは、以下の式(1)、式(2)、式(3)で算出される。
Figure 2008080625
ここで、Mは、全吐出部数であり、mは、吐出部の番号であり、Nmは、吐出部mが描画した打滴線から検出した一方の端部(または、他方の端部)の数であり、(xlmn,ylmn)は、吐出部mが描画した打滴線から検出したn番目の一方の端部の座標であり、(xrmn,yrmn)は、吐出部mが描画した打滴線から検出したn番目の他方の端部の座標である。
次に、算出した近似直線のa、b、cから打滴線の間隔を算出する。吐出部mの打滴線と吐出部m+1の打滴線との間隔をdとしたとき、dは、下記式(4)で算出する。
Figure 2008080625
ここで、打滴線の間隔は、打滴点の間隔と略同等の値である。従って、以上のようにして打滴線の間隔を算出することにより打滴点の間隔を得ることができる。これにより、各吐出部から吐出されるインク液滴の打滴点の位置ずれを算出(検出)することができる。
次に、算出した近似直線のa、b、cから、吐出部mで形成される打滴線の幅を算出する。吐出部mで形成される打滴線の幅をRとすると、打滴線の両方の端部についてそれぞれ算出した近似直線から下記式(5)で算出する。
Figure 2008080625
以上のようにして、吐出部mで形成される複数の打滴点からなる打滴線の両方の端部の座標に基づいて、それぞれ算出した2つの近似直線から打滴線の幅Rを検出し、この打滴線の幅Rから、吐出部mが形成する打滴点のサイズを算出する。
ここで、図12に示すのは、打滴線の幅(打滴線幅)を横軸に、打滴点のサイズ(打滴点サイズ)を縦軸にとった打滴線幅と打滴点サイズとの対応関係を表すグラフである。本実施形態では、図12に示すような予め算出した打滴線の幅と打滴点のサイズとの対応関係を用いて、打滴線の幅から打滴点のサイズを検出する。
なお、打滴線の幅から打滴点のサイズを算出する方法は、上記方法に限定されず、打滴線の幅と打滴点との対応関係を算出した関係式やテーブルを用い、この予め用意した関係式やテーブル等を用いて、打滴線の幅から打滴点サイズを算出してもよい。
このように、各吐出部ごとに形成される打滴線から近似直線を算出し、算出した近似直線同士を比較して打滴線間隔を算出し、この打滴線間隔から打滴点間隔を得ることにより、正確に打滴点の位置ずれを算出(検出)することができ、スジ、ムラ等の原因となる打滴点位置がずれている吐出部の情報(液滴飛翔方向異常情報)を正確に得ることができる。
また、各吐出部毎に形成される打滴線の長さは、任意の長さとすることができる。すなわち各打滴線を構成する打滴点数は、任意の数とすることができ、求める精度に応じて、打滴線の読み取り長さ及び打滴線の端部の読み取り間隔(所定の間隔α)等を各種設定することができる。さらに、打滴線の読み取りに、読み取り精度の低い、つまり、解像度の低い読取装置を用いる場合も読み取る打滴点数を増加させることで、高い精度で打滴点の位置ずれを検出することができる。
また、各打滴線の両端の近似直線を算出し、両端の近似直線、つまり2本の近似直線に基づいて、打滴線間隔を算出して、打滴点間隔を算出することで、より正確な打滴点間隔を算出することができる。また、打滴線の端部のみの座標で打滴点間隔を算出することができるため、計算も簡単にすることができる。
また、各吐出部毎に形成した連続した打滴線の複数の端部を検出して近似直線を算出するため、検出した端部を吐出部毎(打滴線毎)に容易に分類することができる。また、端部を検出する間隔を任意の間隔とすることができ、間隔を調整することで、任意の数の端部の位置情報を検出することができる。従って、同一長さの打滴線を形成した場合でも、必要に応じて端部の位置情報の数を調整することができる。
また、打滴線のそれぞれの端部の複数の座標に基づいて算出した近似直線から打滴線幅を検出して、打滴点サイズを算出(検出)することで、打滴点のサイズを正確に算出(検出)することができ、スジ、ムラ等の原因となる打滴点サイズが所望のサイズとは異なるサイズである、つまり、所望の量とは異なる量のインクが吐出される吐出部の情報(液滴サイズ異常情報)を正確に得ることができる。
また、打滴点のサイズの検出も、位置ずれの検出と同様に、打滴点数を増やして打滴線の読み取り長さを増やすことにより、また、打滴線の端部の読み取り間隔を短くすることにより、高い精度で算出することができる。また、解像度の低い読取装置も好適に用いることができる。
また、同一被記録媒体上に打滴線を描画すれば、吐出部の延在方向(被記録媒体の搬送方向に直交する方向)の同一直線上に全吐出部の打滴線を形成しなくても、例えば、被記録媒体上の吐出部の延在方向に直交する方向(被記録媒体の搬送方向)において、異なる複数の部分に打滴線を形成しても、好適に打滴点間隔及び打滴点サイズを算出することができる。
また、搬送方向に平行な方向における打滴線の位置をずらすことにより、吐出部の配置密度が高く、隣接する打滴線(打滴点)が重なる場合でも、打滴線の幅を狭くする、すなわち打滴点を小さくする等をすることなく、打滴点間隔及び打滴点サイズを算出することができる。
ここで、各吐出部毎に読み取る打滴線の一方の端部(あるいは、他方の端部)の数と、打滴点の大きさ(記録ヘッドにより描画される画像の解像度)と、位置ずれ検出部の画像読取装置(ラインセンサー)の解像度との関係は、[1つの吐出部により描画された打滴線の一方の端部(あるいは、他方の端部)の測定数]×[打滴点の解像度(記録ヘッドにより描画される画像の解像度、最小間隔)]/[画像読取装置の読取解像度(最小読取間隔)]>100を満たすことが好ましい。
上記式を満足することで、打滴点の間隔を正確に算出することができ、打滴点の位置ずれを正確に算出することができることができる。
ここで、本実施形態では、図10(A)及び(B)に示すように、打滴線の端部の座標を検出する際に、一方の端部と他方の端部とが異なるy座標を有する点を検出しているが、同一のy座標を有する点を検出してもよい。
また、上述のように、座標軸の原点の位置に応じて、打滴線の一方の端部をY軸に近い側の端部、打滴線の他方の端部をY軸に遠い側の端部とすることができるが、これに限定されず、打滴線の一方の端部をY軸に遠い側の端部、打滴線の他方の端部をY軸に近い側の端部としてもよい。
また、本実施形態では、被記録媒体P上に形成する打滴点を、奇数の吐出部により形成される打滴線の集合体Gと、偶数の吐出部により形成される打滴線の集合体Gとに分けたが、本発明はこれに限定されず、3つに分けて打滴線の列を形成しても、4つに分けて打滴線の列を形成してもよい。
また、隣接する打滴線が被記録媒体上で接触しない状態、つまりある吐出部により形成される打滴線と、隣接する吐出部により形成される打滴線とが非接触であれば、全吐出部により形成される打滴線を被記録媒体の搬送方向に垂直な方向に配列させてもよい。
例えば、吐出するインク液滴の大きさを調整できる、つまり、打滴点の大きさ(打滴線の幅)を調整できる場合は、吐出するインク液滴を小さくして打滴点を小さくすることで、打滴線と隣接する打滴線とを接触させないようにしてもよい。
このように、打滴線と隣接する打滴線を接触させないことで、各打滴線の基準方向の両端を正確に検出することができる。
また、本実施形態では、奇数の吐出部のみで打滴線を形成し、偶数の吐出部のみで打滴線を形成した画像を形成したが、本発明はこれに限定されず、奇数の吐出部と偶数の吐出部とで交互に各吐出部毎に複数本の打滴線を形成した画像としてもよい。
このように各吐出部の打滴線を離間させて複数本形成しても、つまり、基準方向に直交する方向において、同じ吐出部により形成された2つの打滴線の間に他の吐出部により形成された打滴線を形成しても、同様に吐出部毎の近似直線を算出することができ、打滴点間隔及び打滴点サイズを算出(検出)することができる。
また、全吐出部同士の打滴点を正確に算出するためには、1つの被記録媒体に全ての打滴線を被記録媒体の搬送方向に垂直な方向に配列させることが好ましいが、これに限定されず、複数の被記録媒体に打滴線を形成して、打滴点間隔を算出してもよい。この場合は、一部の吐出部からは常にインク液滴を吐出させて、つまり複数の被記録媒体の全てに打滴線を形成して、基準となる打滴線を形成しておき、各被記録媒体同士で対応をとることにより、全吐出部間の打滴点位置ずれと全吐出部の打滴点サイズを検出することができる。
また、近似直線の算出方法は、最小二乗法に限定されず、種々の算出方法を用いることができる。例えば、隣接する2点、つまり、同一吐出部で形成された打滴線から検出された一方の端部のうちの任意の一点と、上記任意の一点と隣接する他の一点とから演算される直線(y=ax+b)の傾き(a)と切片(b)を平均して近似直線の傾き(α)、切片(β)を算出してもよい。より具体的には、1つの吐出部により形成された打滴線から検出した一方の端部もしくは他方の端部の数をNとし、i番目の一方もしくは他方の端部の点のx座標をxiとし、打滴点のi番目の点の一方もしくは他方の端部のy座標をyiとして、下記式(6)を用いて近似直線を算出することもできる。
Figure 2008080625
また、本実施形態では、打滴点の位置ずれ(打滴点の間隔)と、打滴点のサイズの両方を検出したが、本発明はこれに限定されず、打滴点の位置ずれのみを検出しても打滴点のサイズのみを検出してもよい。
また、本実施形態では、インクとして活性エネルギー硬化型インクを用い、記録ヘッドから活性エネルギー硬化型インクを吐出させ、被記録媒体P上に活性エネルギー硬化型インクの画像を形成し、その後、活性光光線を照射し、画像を硬化させて、被記録媒体上に画像を定着させるデジタルラベル印刷装置として説明したが、本発明はこれに限定されず、後ほど具体例とともに詳細に説明するが、例えば、被記録媒体P上に記録した画像を加熱・加圧することで、被記録媒体P上に画像を定着させるインクジェット描画装置も用いることができる。
また、上記実施形態では、描画部の記録ヘッドを吐出部が1列にライン状に配置されたフルラインヘッド型としたが、単列配置に限定されず、図13に示すように、記録ヘッド640を複数列の吐出部を一定ピッチずつずらして千鳥状に配置してもよい。このように吐出部60を千鳥状に配置し、1列の打滴点を複数列の吐出部で形成することで、より高い解像度の画像を形成することが可能となる。
ここで、本実施形態では、位置ずれ検出部で検出した画像データを制御部に送り、制御部の演算装置で画像データを処理し、打滴点の位置ずれ及び打滴点サイズを検出したが、本発明はこれに限定されず、位置ずれ検出部に演算装置を設けてもよい。
また、本実施形態では、インクジェット描画装置の内部に位置ずれ検出部及び制御部に演算装置を設けたが、本発明はこれに限定されず、インクジェット描画装置の内部に位置ずれ検出部を設けずに、インクジェット描画装置で画像を描画した被記録媒体を画像読取装置で読み取り、上記と同様の方法で打滴点の位置ずれを検出する位置ずれ検出装置とすることもできる。
一例としては、図14に示すように、デジタルラベル印刷装置650と、演算装置660と、画像読取装置670とを別々の装置としても、打滴点の位置ずれ及び打滴点サイズを検出することができる。
デジタルラベル印刷装置650は、フルラインヘッド型のインクジェットヘッドにより被記録媒体Pに画像を形成する装置であり、演算装置660は、入力された画像データから被記録媒体に画像を形成するための吐出信号を算出する装置であり、画像読取装置670は、デジタルラベル印刷装置650により被記録媒体Pに形成された画像を読み取る装置である。ここで、吐出信号とは、被記録媒体Pの搬送に応じて、記録ヘッドの複数ある吐出部のうち駆動させる吐出部、吐出部からインク液滴を吐出させるタイミング、吐出させる液滴の量等を制御する信号であり、例えば、ピエゾ型のインクジェットヘッドの場合は、アクチュエータに印加する電圧の高さ、長さ、タイミング等を吐出部毎に制御する信号である。
このような装置構成の場合は、まず、演算装置660に打滴点位置ずれ及び打滴点サイズ検出用画像データを入力する。具体的には、上述の図8に示すような画像の画像データを入力する。
演算装置660は、入力された画像データから吐出信号を算出し、デジタルラベル印刷装置650に送る。デジタルラベル印刷装置650は、演算装置660で算出された吐出信号に基づいて、被記録媒体Pに画像を形成する。このようにして、打滴点位置ずれ及び打滴点サイズ検出用の画像が形成される。なお、打滴点位置ずれ及び打滴点サイズ検出用の画像は、図8に示すような、1枚の被記録媒体上に、吐出部毎に形成され、吐出部の配列方向に隣接する打滴線が互いに接触しない位置に形成した画像である。
次に、画像読取装置670で打滴点位置ずれ及び打滴点サイズ検出用の画像を読み取る。画像読取装置670は、読み取った画像から打滴点の位置ずれ(間隔)及び打滴点サイズを算出し、算出した情報を演算装置660に送る。なお、読み取った画像データから打滴点の位置ずれ及び打滴点サイズを算出する方法は上述と同様である。
演算装置660は、取得した打滴点の位置ずれ及び打滴点サイズ情報に基づいて、補正値を算出する。
その後、演算装置660は、通常の画像データが入力された場合は、算出した補正値を加味しつつ、入力された画像データから吐出信号を算出する。
デジタルラベル印刷装置650は、取得した吐出信号に基づいて、被記録媒体Pに画像を形成する。
このように、打滴点の位置ずれ及び打滴点サイズを加味して吐出信号を算出し、デジタルラベル印刷装置で画像を描画することで、スジ、ムラのない画像を描画することができる。
ここで、本実施形態では、演算装置と、デジタルラベル印刷装置と、画像読取装置の3つに分けたが、本発明はこれに限定されず、演算装置とデジタルラベル印刷装置を1つの装置としてもよい。また、画像読取装置は、打滴点位置ずれ及び打滴点サイズ検出用の画像を読み取るのみとして、演算装置で、読み取った画像データから打滴点の位置の算出、打滴点の位置ずれ(間隔)の算出、打滴点サイズの算出及び打滴点と記録ヘッドの吐出部との対応等を算出するようにしてもよい。
また、本実施形態では、デジタルラベル印刷装置を用いたが、デジタルラベル印刷装置をインクジェット描画装置とした場合も同様に上記と同様に各装置を別々の装置とすることができる。
以下、具体的実施例とともに、打滴点位置ずれ検出方法及び打滴点サイズ検出方法についてより詳細に説明する。
図15(A)は、本実施例に用いた打滴点位置ずれ検出及び打滴点サイズ検出に用いる画像(テストパターン)を示した概略上面図であり、図15(B)は、図15(A)をより詳細に示した概略上面図である。
本実施例では、デジタルラベル印刷装置と、打滴点の位置ずれ及び打滴点サイズ検出用の打滴点が形成された被記録媒体を読み取る画像読取装置とを別々の装置とした。
デジタルラベル印刷装置の記録ヘッドユニットは、42.3μm間隔で打滴点が形成されるように設計された吐出部を2544個有し、UV硬化型(紫外線硬化型)インクを吐出する。また、本実施例では、記録ヘッドユニットのうち、紫外線硬化型のシアンインクを吐出する記録ヘッドのみの打滴点の位置ずれ及び打滴点サイズを検出する。
また、画像読取装置には、解像度4800dpi(測定間隔=5.29μm)の汎用スキャナーを用いた。
さらに、被記録媒体Pには、コート紙(EPSON社製、写真用紙(光沢)、KA4100PSK)を用いた。
次に、被記録媒体Pを400mm/sで搬送し、記録ヘッドからインク液滴を吐出させ、吐出部毎に長さ11.8mmの打滴線を被記録媒体P上に作成した。
具体的には、吐出部を吐出部の番号の基づいて、4k−3、4k−2、4k−1、4k(k=1,2,3,・・・・)の4つのグループに分け、吐出部の番号が4k−3となる吐出部からインク液滴を吐出させ、吐出部毎に長さ11.8mmの打滴線を形成し、その後、吐出部の番号が4k−2となる吐出部からインク液滴と吐出させ、吐出部毎に長さ11.8mmの打滴線を形成し、その後、同様に、吐出部の番号が4k−1の吐出部、吐出部の番号が4kの吐出部についても、吐出部毎に長さ11.8mmの打滴線を形成する。
つまり、図15(A)及び図15(B)に示すように、被記録媒体P上には、被記録媒体Pの搬送方向に長さ11.8mmの打滴線が、被記録媒体Pの幅方向に間隔169.2μmで配列される打滴線列が、吐出部の4つのグループに対応して、4つ(G1,G2,G3,G4)形成される。また、この4つの格子は、被記録媒体Pの幅方向において、隣接する格子と42.3μmずつずれた位置に形成される。
このようにして、打滴点が作成された被記録媒体Pを上述した解像度4800dpiの読取装置で読み取り、打滴点の間隔及び打滴点サイズを算出した。
なお、打滴点の間隔(位置ずれ)の算出方法及び打滴点サイズの算出方法は上述したように、読み取った画像の各打滴線の両端の座標を所定の間隔で算出し、各吐出部に対応する打滴線の一方の端部を結んだ近似直線と他方の端部を結んだ近似直線を算出し、算出した近似直線から打滴点間隔と打滴点サイズを算出する。
ここで、本実施例では、各打滴線の端部を検出する際の、基準方向と直交する方向における隣接する端部の検出間隔は、42μmとした。つまり、基準方向と直交する方向において、42μm毎に打滴線の両端の座標を検出した。
図16(A)に打滴点間隔の算出結果を、図16(B)に打滴点サイズの算出結果を示す。
図16(A)に示すように、各打滴点の間隔と設計値とのずれを正確に検出することができることがわかる。また、図16(B)に示すように、打滴点サイズと所望の打滴点サイズとのずれも正確に検出することができることがわかる。
次に、デジタルラベル印刷装置の他の一例を図17に基づいて説明する。
図17に示すデジタルラベル印刷装置101は、バッファの位置を除いて他の構成は、図1に示すデジタルラベル印刷装置100と同じ構成のものである。従って、両者で同一の構成要素には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略し、以下に、デジタルラベル印刷装置101に特有の点を重点的に説明する。
図17に示すデジタルラベル印刷装置101は、描画部112と平滑化部116との間バッファが配置されている。このように、搬送バッファの位置は特に限定されず、種々のいちとすることができる。また、搬送バッファの配置位置を描画部112と平滑化部116との間に配置してもよいことは、以下の各実施形態においても同様である。
上記実施形態では、デジタルラベル印刷装置を紫外線硬化型インクジェットヘッドラベル印刷機として説明したが、これに限定されるものではなく、箔押し印刷可能な任意の形式の印刷装置に適用することができ、同様の効果を奏する。
また、上記実施形態では、本発明をデジタルラベル印刷装置に用いた一例を説明したが、本発明はこれに限定されず、また、活性光線硬化型インクを用いる記録ヘッドにも限定されず、各種インクを用いる各種方式のインクジェット描画装置に用いることができる。
図18は、本発明の打滴点ずれ検出方法を用いる他の一例インクジェット描画装置710の概略構成を示す正面図であり、図19は、図18に示したインクジェット描画装置710の吸着ベルト搬送部736と記録ヘッドユニット750を示す上面図である。
インクジェット描画装置710は、基本的に、被記録媒体Pを供給する供給部712と、供給部712から供給された被記録媒体Pを平面性を保持しながら、搬送する搬送部714と、搬送部714に対向して配置され、被記録媒体Pに画像を描画する記録ヘッドユニット750及び記録ヘッドユニット750に供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部752等を有する描画部716と、画像が描画された被記録媒体Pを加熱・加圧する加熱加圧部718と、画像が描画された被記録媒体Pを外部に排出する排出部720と、描画部716により被記録媒体Pに記録された画像を読み取る位置ずれ検出部724と、これらを制御する制御部722とを有する。
供給部712は、マガジン730と、加熱ドラム732と、カッタ734とを有する。
マガジン730は、ロール状の被記録媒体Pが収納されている。画像描画時には、被記録媒体Pがマガジン730から加熱ドラム732に供給される。
加熱ドラム732は、被記録媒体Pの搬送経路において、マガジン730の下流側に配置され、マガジン730から送り出された被記録媒体Pを、マガジン730に収納されていた方向と逆の方向に曲げた状態で加熱する。
被記録媒体Pを加熱ドラム732により加熱することで、マガジン730に収納されている間に被記録媒体Pについた巻きクセを除去する。つまり、加熱ドラム732は、被記録媒体Pのデカール処理を行う。
このとき、被記録媒体Pが、印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御することが好ましい。
カッタ734は、被記録媒体Pの搬送路幅以上の長さの固定刃734Aと、固定刃734Aに沿って移動する丸刃734Bとを有し、被記録媒体Pの画像が描画される面側に丸刃734bが配置され、搬送路を挟んで対向する面に固定刃734Aが配置されている。
カッタ734は、加熱ドラム732を通過して供給された被記録媒体Pを所望のサイズにカットする。
ここで、本実施形態では、供給部のマガジンを1つとしたが、本発明はこれに限定されず、例えば、紙幅、紙質や種類が異なる被記録媒体を収納したマガジンを複数配置してもよく、また、マガジンに替えて、または、加えて、予め所定長さに切断されている被記録媒体が多数枚積層されたカセットも用いることができる。また、被記録媒体Pとして、予め所定長さに切断されている被記録媒体Pのみを用いる場合は、上述の加熱ローラ及びカッタを必ずしも設ける必要はない。
また、複数のマガジン及び/又はカセットを用い、複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジン及び/又はカセットに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
搬送部714は、吸着ベルト搬送部736、吸着チャンバー739、ファン740、ベルト清掃部742及び加熱ファン744を有し、供給部712でデカール処理され、所定長さにカットされた被記録媒体Pを描画位置つまり、後述する描画部716により画像が描画される位置に搬送する。
吸着ベルト搬送部736は、被記録媒体Pの搬送経路において、カッタ734の下流側に配置されており、ローラ737a、ローラ737b及びベルト738とを有する。
ベルト738は、被記録媒体Pの幅よりも広い幅寸法を有する無端状のベルトであり、ローラ737aとローラ737bとで張架されている。また、ベルト738は、ベルト面に多数の吸引孔(不図示)が形成されている。
また、吸着ベルト搬送部736の少なくとも画像描画(印字)位置、つまり、描画部716の後述する記録ヘッドユニット750のノズル面、及び、画像検出位置、つまり、後述する位置ずれ検出部724のセンサ面に対向する部分は、ノズル面及びセンサ面に対して水平(フラット)に保持されている。
ベルト738が巻かれているローラ737a、737bの少なくとも一方は、図示しないモータに接続されており、モータの動力がローラ737a、737bの少なくとも一方を介してベルト738に伝達されることにより、ベルト738は図18上の時計回り方向に駆動され、ベルト738上に保持された被記録媒体Pは図18の左から右へと搬送される。
ここで、被記録媒体Pの搬送手段は特に限定されず、吸着ベルト搬送部736に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いることもできる。しかしながら、描画領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラーが接触するので画像が滲み易いという問題があるため、印字領域では、本実施形態のように、画像面と接触しない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着チャンバー739は、ベルト738の内側において描画部716の後述する記録ヘッドユニット750のノズル面及び位置ずれ検出部724のセンサ面に対向する位置に設けられる。また、ファン740は吸着チャンバー739に接続されている。吸着チャンバー739をファン740で吸引して負圧にすることによってベルト738上の被記録媒体Pがベルト738に吸着保持される。
被記録媒体Pをベルトに吸着させることで、被記録媒体Pを安定して保持することができる。
ベルト清掃部742は、ベルト738の外側、つまりリング形状の外周面と対向する側で、かつ、被記録媒体Pの搬送経路から外れた位置に配置されている。つまり、ベルト738は、描画部716を通過し、被記録媒体Pを後述する加圧ローラ754に排出した後、ベルト清掃部742に対向する位置を通過する。
ベルト清掃部742は、縁無しプリント等を行うことによりベルト738上に付着したインクを除去する。ベルト清掃部742としては、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
加熱ファン744は、ベルト738の外側で、かつ被記録媒体Pの搬送経路上において描画部716の後述する記録ヘッドユニット750の上流側に配置されている。
加熱ファン744は、描画前の被記録媒体Pに加熱空気を吹き付け、被記録媒体Pを加熱する。描画直前に被記録媒体Pを加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
描画部716は、画像を描画(印字)する記録ヘッドユニット750と、記録ヘッドユニット750にインクを供給するインク貯蔵/装填部752とを有する。
記録ヘッドユニット750は、記録ヘッド750K,750C,750M,750Yを有し、ベルト738の被記録媒体Pが載置される面に対向して配置されている。
記録ヘッド750K,750C,750M,750Yは、それぞれ、吐出部から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)色のインクを吐出するピエゾ型のインクジェットヘッドであり、ベルト738の被記録媒体Pが載置される面に対向して、加熱ファン744よりの被記録媒体Pの搬送方向下流側に、加熱ファン744に近い順に、記録ヘッド750K,750C,750M,750Yの順で配置されている。
また、記録ヘッド750K,750C,750M,750Yは、図19に示すように、被記録媒体Pの搬送方向に直交する方向の幅が、搬送する被記録媒体Pの最大幅を越える領域に複数の吐出部(ノズル)が列状に配置されているフルライン型のインクジェットヘッドである。記録ヘッド750K,750C,750M,750Yの吐出部周辺の構成は、上述した記録ヘッド136Y,136M,136C,136Kと同様であるので詳細な説明は省略する。
また、被記録媒体Pを搬送しつつ、各記録ヘッド750K,750C,750M,750Yからそれぞれ色インクを吐出することにより被記録媒体P上にカラー画像を形成することができる。
ここで、本実施形態では、記録ヘッドユニットをKCMYの標準色(4色)の構成としたが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、例えば、淡インク、濃インクを追加してもよい。より具体的には、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する記録ヘッドを追加する構成も可能である。
また、記録ヘッドユニットをK(黒)インクを吐出する記録ヘッドのみ、つまり、単色の記録ヘッドユニットとし、単色の画像を描画する画像描画装置として用いることもできる。
インク貯蔵/装填部752は、各記録ヘッド750K,750C,750M,750Yに対応する色のインクを貯蔵するインク供給タンクを有する。
インク供給タンクとしては、例えば、インク残量が少なくなった場合に、補充口(図示せず)からタンク内にインクを補充する方式や、タンクごと交換するカートリッジ方式を用いることができる。
インク貯蔵/装填部752の各インク供給タンクは、図示しない管路を介して各記録ヘッド750K,750C,750M,750Yと連通されており、各記録ヘッド750K,750C,750M,750Yにインクを供給する。
ここで、インク貯蔵/装填部752は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有することが好ましい。
また、使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式を用いることが好ましい。また、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
加熱・加圧部718は、後乾燥部746と、加圧ローラ対754とを有し、描画部716で画像が描画された被記録媒体Pを加熱・加圧し、画像部を乾燥し定着させる。
後乾燥部746は、被記録媒体Pの搬送経路において、記録ヘッドユニット750の下流側でかつ、ベルト738に対向する位置に配置されている。後乾燥部746は、加熱ファン等であり、被記録媒体Pの画像面に熱風を吹き付け、描画された画像を乾燥させる。
ここで、後乾燥部746には、加熱ファンを用い、熱風を吹き付けることが好ましい。
加熱ファンにより、被記録媒体上の画像部のインクを乾燥させることで、画像部に接触することなく乾燥させることができる。これにより、被記録媒体Pに描画された画像に画像欠陥、画像汚れが生じることを防止できる。
また、加圧ローラ対754は、被記録媒体Pの搬送経路において、後乾燥部746の下流側に配置されている。加圧ローラ対754は、後乾燥部746を通過した後、ベルト738から分離された被記録媒体Pを、挟持搬送する。
加圧ローラ対754は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、吸着ベルト搬送部736で搬送されてきた被記録媒体Pの画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ754で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
また、多孔質のぺーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことができ、画像の耐候性が向上させることができる。
さらに、インクジェット描画装置710は、被記録媒体Pの搬送経路において、加熱・加圧部718の下流側にカッタ(第2のカッタ)756が配置されている。
カッタ756は、固定刃756Aと丸刃756Bとから構成され、被記録媒体Pに通常の画像と位置ずれ検出用の画像を形成した場合に、通常の画像部分と位置ずれ検出用の画像部分とを切り離す。
排出部720は、第1排出部758A、第2排出部758Bを有し、被記録媒体Pの搬送方向において、カッタ756の下流側に配置されている。排出部720は、加熱・加圧部718で画像が定着された被記録媒体Pを排出する。
ここで、本実施形態では、被記録媒体Pに記録された画像により、図示しない選別手段が被記録媒体Pを排出する排出部を切換、第1排出部758Aには、通常の画像が描画された被記録媒体が排出され、第2排出部758Bには、位置ずれ検出に用いた画像が描画された被記録媒体や、不要な被記録媒体が排出される。
また、排出部720には、オーダ別に画像を集積するソーターが設けることが好ましい。
なお、本実施形態のように、排出部を2つ設け、目的に応じて排出部を選択できるようにすることが好ましいが、これに限定されず、排出部を1つとし、全ての被記録媒体を1つの排出部から排出させてもよい。また、排出部を3つ以上設けてもよい。
次に、制御部722は、供給部712、搬送部714、描画部716、加熱・加圧部718、排出部720、位置ずれ検出部724による被記録媒体の搬送、加熱、描画、位置ずれ検出等を制御する。制御部722の構成については、後ほど詳細に説明する。
位置ずれ検出部724は、ベルト738の外側(外周面)に対向し、かつ、記録ヘッドユニット750と後乾燥部746と間となる位置に配置されている。位置ずれ検出部724は、描画部716の打滴結果を撮像するためのイメージセンサー(ラインセンサー等)を有し、該イメージセンサーによって読み取った打滴画像から打滴位置のずれ、打滴点のサイズ(大きさ)を検出する。
本実施形態の位置ずれ検出部724は、各記録ヘッド750K,750C,750M,750Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサーで構成される。このラインセンサーは、赤(R)の色フィルターが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサー列と、緑(G)の色フィルターが設けられたGセンサー列と、青(B)の色フィルターが設けられたBセンサー列と、を備える色分解ラインCCDセンサーである。なお、ラインセンサーに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサーを用いることも可能である。
位置ずれ検出部724は、各色の記録ヘッド750K,750C,750M,750Yにより描画されたテストパターンを読み取り、各記録ヘッドの打滴点間隔を検出し、打滴点の位置ずれを検出する。
図20はインクジェット描画装置710の制御部722のシステム構成を示す要部ブロック図である。
制御部722は、通信インターフェース780、システムコントローラ782、画像メモリ784、モータドライバ786、ヒータードライバ788、プリント制御部790、画像バッファメモリ792、ヘッドドライバ794等を備え、上述したように、供給部712、搬送部714、描画部716、加熱・加圧部718、排出部720、位置ずれ検出部724による被記録媒体Pの搬送、加熱、描画、位置ずれ検出等を制御する。
システムコントローラ782は、通信インターフェース780、画像メモリ784、モータドライバ786、ヒータードライバ788等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ782は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピューター796との間の通信制御、画像メモリ784の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ798やヒーター799を制御する制御信号を生成する。
通信インターフェース780は、ホストコンピューター796から送られてくる画像データを受信し、システムコントローラ782に送信する。通信インターフェース780としては、USB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを用いることができる。さらに、通信を高速化するためのバッファメモリを搭載してもよい。
画像メモリ784は、通信インターフェース780を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ782を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ784は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
ホストコンピューター796から送出された画像データは通信インターフェース780を介してインクジェット描画装置710に取り込まれ、システムコントローラ782を通じて、画像メモリ784に記憶される。
モータドライバ786は、システムコントローラ782からの指示にしたがってモータ798を駆動するドライバ(駆動回路)である。
ヒータードライバ788は、システムコントローラ782からの指示にしたがって後乾燥部746等のヒーター799を駆動するドライバである。
プリント制御部790は、システムコントローラ782の制御に従い、画像メモリ784内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ794に供給する制御部である。プリント制御部790において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ794を介して記録ヘッド750のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部790には画像バッファメモリ792が備えられており、プリント制御部790における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ792に一時的に格納される。なお、図20において画像バッファメモリ792はプリント制御部790に付随する態様で示されているが、画像メモリ784と兼用することも可能である。また、プリント制御部790とシステムコントローラ782とを統合して一つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ794はプリント制御部790から与えられる画像(印字)データに基づいて各色の記録ヘッド750K,750C,750M,750Yの各吐出部のアクチュエータを駆動する。ヘッドドライバ794にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
次に、インクジェット記録装置710によりプリント、印刷物を作成する方法を説明する。
供給部712のマガジン730から供給された被記録媒体Pは、加熱ドラム732でデカール処理され、平坦化される。その後、カッタ734で所定長さに切断された後、搬送部714に供給される。
搬送部714に供給された被記録媒体Pは、吸着ベルト搬送部736のベルト738上に載置され、ベルト738の回転と共に搬送される。
吸着ベルト搬送部736により搬送される被記録媒体Pは、加熱ファン744に対向する位置を通過して、所定温度に加熱され、その後、記録ヘッドユニット750に対向する位置を通過し、その表面に各記録ヘッドにより、K、C、M、Yの順でインク液滴が吐出され、被記録媒体P上に画像が形成される。なお、被記録媒体Pが記録ヘッドユニット750と対向する位置を通過する時は、吸着チャンバー739により吸引されており、被記録媒体Pと記録ヘッドユニット750との距離は一定となる。
記録ヘッドユニット750で画像が形成された被記録媒体Pは、さらに、ベルト738により搬送され、後乾燥部746に対向する位置を通過して、インクで形成された画像部が乾燥され、加圧ローラ754で定着されたのち第1排出部758Aから排出される。
インクジェット描画装置710は、このように被記録媒体P上に画像を描画(記録)し、プリント、印刷物を作製する。
また、本実施形態のインクジェット描画装置710においても記録ヘッドとしてフルライン型のインクジェットヘッドを用いているため、デジタルラベル印刷装置100と同様に、各吐出部から吐出されるインク液滴の打滴点がずれるとスジ、ムラの原因となる。
これに対して、インクジェット描画装置710においても、位置ずれ検出部724を用い、上述したデジタルラベル印刷装置100と同様の方法で打滴点ずれを検出することで、正確、且つ簡単に打滴点のずれを検出すること、さらには、打滴点のサイズを検出することができ、検出した位置ずれ、打滴点サイズに基づいての補正を行うことで、スジ、ムラのない高画質な画像を形成することができる。
なお、打滴点の位置ずれの検出方法及び打滴点のサイズの検出方法、つまり、検出用の画像の形成方法、打滴点の検出方法、間隔の算出方法、打滴点サイズの算出方法は、本実施形態のインクジェット描画装置の場合も上述したデジタルラベル印刷装置の場合と同様の方法であるのでその説明は省略する。
以下、本発明の打滴点位置ずれ検出方法及び打滴点サイズ検出方法に用いることができるインクジェット描画装置及びデジタルラベル印刷装置に用いることができる被記録媒体、インクとして、活性光線硬化型インクを用いる場合の好適な活性光源及び好適なインクについて説明する。
ここで、被記録媒体は、特に制限はなく、通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料或いは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等を挙げることができる。その他、被記録媒体材料として使用しうるプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが挙げられる。また、金属類や、ガラス類も被記録媒体として使用可能であり、被記録媒体として印刷版の基板となる表面処理された支持体を用い、支持体の表面に撥インク性のインクにより画像を形成して、印刷版を形成することもできる。
インク組成物において、硬化時の熱収縮が少ない材料を選択した場合、硬化したインク組成物と被記録媒体との密着性に優れるため、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいフィルム、例えば、熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムなどにおいても、高精細な画像を形成しうるという利点を有する。
また、上記実施形態では、インクおよび透明液として、紫外線硬化型インク及び紫外線硬化型透明液を用い、インクおよび液体を硬化させるための光源として、紫外線光源を用いたが、本発明はこれに限定されず、インクとして、各種活性エネルギー硬化型インク及び活性エネルギー硬化型の透明液を用いることができ、また、インクおよび透明液を硬化させるための光源として、活性エネルギーを照射する光源を用いることができる。
ここで、本発明で言う「活性エネルギー」とは、その照射によりインク及び透明液中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限はなく、広く、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含するものである。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点からは、紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。従って、活性エネルギー硬化型インクおよび活性エネルギー硬化型透明液としては、紫外線を照射することにより硬化可能なインク及び透明液であることが好ましい。
以下、本発明の打滴点位置ずれ検出方法及び打滴点サイズ検出方法を用いるインクジェット描画装置の中で上記実施形態のように活性エネルギー硬化型インクを用いるインクジェット描画装置に好適に用いることができる活性エネルギー硬化型インク及び透明液と、インクを硬化させる活性エネルギーについて詳細に説明する。なお、活性エネルギー型透明液は、色材を有さない点以外は、活性エネルギー硬化型インクと同様であるので、以下は、活性エネルギー型インクを主に説明する。
活性エネルギーのピーク波長は、インク(以下「インク組成物」ともいう。)中の増感色素の吸収特性にもよるが、例えば、200〜650nm、好ましくは、300〜450nm、より好ましくは、350〜450nmであることが適当である。また、本発明のインクの(a)電子移動型開始系は、低出力の活性エネルギーであっても十分な感度を有するものである。従って、活性エネルギーの出力は、例えば、2,000mJ/cm2以下、好ましくは、10〜2,000mJ/cm2、より好ましくは、20〜1,000mJ/cm2、更に好ましくは、50〜800mJ/cm2の照射エネルギーであることが適当である。また、活性エネルギーは、露光面照度(被記録媒体表面の最高照度)が、例えば、10〜2,000mW/cm2、好ましくは、20〜1,000mW/cm2で照射されることが適当である。
特に、本発明に用いるインクジェット記録装置では、活性エネルギー照射が、発光波長ピークが390〜420nmであり、かつ、前記被記録媒体表面での最高照度が10〜1,000mW/cm2となる紫外線を発生する発光ダイオードから照射されることが好ましい。
また、本発明を用いるインクジェット描画装置では、活性エネルギーは被記録媒体上に吐出されたインク組成物に対して、例えば、0.01〜120秒、好ましくは0.1〜90秒照射することが適当である。
更に、本発明を用いるインクジェット描画装置では、インクを一定温度に加温するとともに、インクの被記録媒体への着弾から活性エネルギーの照射までの時間を、0.01〜0.5秒とすることが望ましく、好ましくは0.02〜0.3秒、更に好ましくは0.03〜0.15秒である。このようにインクの被記録媒体への着弾から活性エネルギーの照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾したインクが硬化前に滲むことを防止することが可能となる。
なお、本発明を用いるインクジェット記録装置を用いてカラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。このように重ねることにより、下部のインクまで活性エネルギーが到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、臭気の低減、密着性の向上が期待できる。また、活性エネルギーの照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
また、上述したように、活性エネルギー硬化型インクは、吐出されるインクを一定温度にすることが望ましいことから、インク供給タンクから記録ヘッド(インクジェットヘッド)部分までは、断熱及び加温による温度制御を行うことが好ましい。また、加熱する記録ヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、或いは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
また、活性エネルギー源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクを硬化させるための紫外線照射部には、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。更には、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更にLED(UV−LED),LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、活性エネルギー硬化型インクジェット用放射源(活性光光源)として好適に用いることができる。
また、上記のように、活性エネルギー源として、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に、一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性エネルギーを放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性エネルギー源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
以下に、本発明で好適に用いることができる活性エネルギー硬化型インクに用いられる各構成成分について順次説明する。
本発明に好適にも用いることができる活性エネルギーの照射により硬化可能なインクとしては、例えば、カチオン重合系インク組成物、ラジカル重合系インク組成物、水性インク組成物等が挙げられる。これら組成物について以下詳細に説明する。
(カチオン重合系インク組成物)
カチオン重合系インク組成物は、(a)カチオン重合性化合物と、(b)活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物、(c)着色剤を含有する。所望により、更に紫外線吸収剤、増感剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、界面活性剤等を含有してもよい。
以下、カチオン重合系インク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
〔(a)カチオン重合性化合物〕
活性エネルギー硬化型インクに用いられる(a)カチオン重合性化合物は、後述する(b)活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物から発生する酸により重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892、同2001−40068、同2001−55507、同2001−310938、同2001−310937、同2001−220526などの各公報に記載されている、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、脂肪族エポキシドなどが挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここで、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等が挙げられる。その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここで、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
エポキシ化合物は、単官能であっても多官能であってもよい。
活性エネルギー硬化型インクに好適に用いることができる単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
また、多官能エポキシ化合物の例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物の中でも、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物は、単官能であっても多官能であってもよい。
具体的には、単官能ビニルエーテルの例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
また、多官能ビニルエーテルの例としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
本発明におけるオキセタン化合物とは、オキセタン環を有する化合物を指し、特開2001−220526、同2001−310937、同2003−341217の各公報に記載される如き、公知オキセタン化合物を任意に選択して使用できる。
また、オキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物を用いることが好ましい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインク組成物と被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
このようなオキセタン環を有する化合物については、前記特開2003−341217公報、段落番号〔0021〕乃至〔0084〕に詳細に記載され、ここに記載の化合物は本発明にも好適に使用しうる。
本発明で使用するオキセタン化合物の中でも、インクの粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1個有する化合物を使用することが好ましい。
活性エネルギー硬化型インクには、これらのカチオン重合性化合物を、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよいが、インク硬化時の収縮を効果的に抑制するといった観点からは、オキセタン化合物とエポキシ化合物とから選ばれる少なくとも1種の化合物と、ビニルエーテル化合物とを併用することが好ましい。
インク中の(a)カチオン重合性化合物の含有量は、組成物の全固形分に対し、10〜95質量%が適当であり、好ましくは30〜90質量%、更に好ましくは50〜85質量%の範囲である。
[(b)活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物]
本発明に用いることができる活性エネルギー硬化型インクは、活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物(以下、適宜、「光酸発生剤」と称する。)を含有する。
本発明に用いうる光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、或いはマイクロレジスト等に使用されている光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどの照射により酸を発生する化合物を適宜選択して使用することができる。
このような光酸発生剤としては、例えば、活性エネルギーの照射により分解して酸を発生する、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルフォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
光酸発生剤としては、また、特開2002−122994公報、段落番号〔0029〕乃至〔0030〕に記載のオキサゾール誘導体、s−トリアジン誘導体なども好適に用いられる。更に、特開2002−122994公報、段落番号〔0037〕乃至〔0063〕に例示されるオニウム塩化合物、スルホネート系化合物も、光酸発生剤として、好適に使用しうる。
(b)光酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
インク組成物中の(b)光酸発生剤の含有量は、インク組成物の全固形分換算で、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
[(c)着色剤]
活性エネルギー硬化型インクは、着色剤を添加することで、可視画像を形成することができる。例えば、平版印刷版の画像部領域を形成する場合などには、必ずしも添加する必要はないが、得られた平版印刷版の検版性の観点からは着色剤を用いることも好ましい。
ここで用いることのできる着色剤には、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の色材、(顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。例えば、耐候性に優れた画像を形成する場合には、顔料が好ましい。染料としては、水溶性染料及び油溶性染料のいずれも使用できるが、油溶性染料が好ましい。
〔顔料〕
活性エネルギー硬化型インクに好ましく使用される顔料について述べる。
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、又は顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、或いは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
活性エネルギー硬化型インクにおいて使用できる有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
赤或いはマゼンタ色を呈するものとして、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
青或いはシアン色を呈する顔料として、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
緑色を呈する顔料として、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)等の如きアゾ金属錯体顔料等が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
黒色を呈する顔料として、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、更に、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、Zeneca社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
活性エネルギー硬化型インクにおいて、顔料などの諸成分の分散媒としては、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒で、低分子量成分である前記(a)カチオン重合性化合物を分散媒として用いてもよいが、インクを被記録媒体上に適用後、硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じるためである。このような観点から、分散媒としては、(a)カチオン重合性化合物を用い、中でも、最も粘度が低いカチオン重合性モノマーを選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
顔料の平均粒径は、0.02〜4μmにするのが好ましく、0.02〜2μmとするのが更に好ましく、より好ましくは、0.02〜1.0μmの範囲である。
顔料粒子の平均粒径を上記好ましい範囲となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。
〔染料〕
活性エネルギー硬化型インクに用いる染料は、油溶性のものが好ましい。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解する色素の質量)が1g以下であるものを意味し、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下である。従って、所謂、水に不溶性の油溶性染料が好ましく用いられる。
活性エネルギー硬化型インクに用いる染料は、インクに必要量溶解させるために上記記載の染料母核に対して油溶化基を導入することも好ましい。
油溶化基としては、長鎖、分岐アルキル基、長鎖、分岐アルコキシ基、長鎖、分岐アルキルチオ基、長鎖、分岐アルキルスルホニル基、長鎖、分岐アシルオキシ基、長鎖、分岐アルコキシカルボニル基、長鎖、分岐アシル基、長鎖、分岐アシルアミノ基長鎖、分岐アルキルスルホニルアミノ基、長鎖、分岐アルキルアミノスルホニル基及びこれら長鎖、分岐置換基を含むアリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールアミノカルボニル基、アリールアミノスルホニル基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。
また、カルボン酸、スルホン酸を有する水溶性染料に対して、長鎖、分岐アルコール、アミン、フェノール、アニリン誘導体を用いて油溶化基であるアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基、アリールアミノスルホニル基に変換することにより染料を得てもよい。
前記油溶性染料としては、融点が200℃以下のものが好ましく、融点が150℃以下であるものがより好ましく、融点が100℃以下であるものが更に好ましい。融点が低い油溶性染料を用いることにより、インク中での色素の結晶析出が抑制され、インクの保存安定性が良くなる。
また、退色、特にオゾンなどの酸化性物質に対する耐性や硬化特性を向上させるために、酸化電位が貴である(高い)ことが望ましい。このため、本発明で用いる油溶性染料として、酸化電位が1.0V(vsSCE)以上であるものが好ましく用いられる。酸化電位は高いほうが好ましく、酸化電位が1.1V(vsSCE)以上のものがより好ましく、1.15V(vsSCE)以上のものが特に好ましい。
イエロー色の染料としては、特開2004−250483号公報の記載の一般式(Y−I)で表される構造の化合物が好ましい。
特に好ましい染料は、特開2004−250483号公報の段落番号[0034]に記載されている一般式(Y−II)〜(Y−IV)で表される染料であり、具体例として特開2004−250483号公報の段落番号[0060]から[0071]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(Y−I)の油溶性染料はイエローのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
マゼンタ色の染料としては、特開2002−114930号公報に記載の一般式(3)、(4)で表される構造の化合物が好ましく、具体例としては、特開2002−114930号公報の段落[0054]〜[0073]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0084]から[0122]に記載されている一般式(M−1)〜(M−2)で表されるアゾ染料であり、具体例として特開2002−121414号公報の段落番号[0123]から[0132]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(3)、(4)、(M−1)〜(M−2)の油溶性染料はマゼンタのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
シアン色の染料としては、特開2001−181547号公報に記載の式(I)〜(IV)で表される染料、特開2002−121414号公報の段落番号[0063]から[0078]に記載されている一般式(IV−1)〜(IV−4)で表される染料が好ましいものとして挙げられ、具体例として特開2001−181547号公報の段落番号[0052]から[0066]、特開2002−121414号公報の段落番号[0079]から[0081]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0133]から[0196]に記載されている一般式(C−I)、(C−II)で表されるフタロシアニン染料であり、更に一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料が好ましい。この具体例としては、特開2002−121414号公報の段落番号[0198]から[0201]に記載の化合物が挙げられる。尚、前記式(I)〜(IV)、(IV−1)〜(IV−4)、(C−I)、(C−II)の油溶性染料はシアンのみでなく、ブラックインクやグリーンインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
これらの着色剤はインク中、固形分換算で1〜20質量%添加されることが好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
活性エネルギー硬化型インクには、前記の必須成分に加え、目的に応じて種々の添加剤を併用することができる。これらの任意成分について説明する。
〔紫外線吸収剤〕
活性エネルギー硬化型インクにおいては、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.5〜15質量%程度である。
〔増感剤〕
活性エネルギー硬化型インクには、光酸発生剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。増感剤としては、光酸発生剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものであれば、何れでもよい。好ましくは、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、光酸発生剤に対し0.01〜1モル%、好ましくは0.1〜0.5モル%で使用される。
〔酸化防止剤〕
インクの安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−267047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.1〜8質量%程度である。
〔褪色防止剤〕
活性エネルギー硬化型インクには、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.1〜8質量%程度である。
〔導電性塩類〕
活性エネルギー硬化型インクには、射出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
〔溶剤〕
活性エネルギー硬化型インクには、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
〔高分子化合物〕
活性エネルギー硬化型インクには、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。更に、高分子結合材の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
〔界面活性剤〕
活性エネルギー硬化型インクには、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
[インクの好ましい物性]
活性エネルギー硬化型インクは、射出性を考慮し、射出時の温度において、インク粘度が20mPa・s以下であることが好ましく、更に好ましくは10mPa・s以下であり、上記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが好ましい。
活性エネルギー硬化型インクの共通の表面張力としては、好ましくは20〜40mN/m、更に好ましくは25〜35mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点から40mN/m以下が好ましい。
活性エネルギー硬化型インクにより得られた印刷物は、画像部が紫外線などの活性エネルギー照射により硬化しており、画像部の強度に優れるため、インクによる画像形成以外にも、例えば、平版印刷版のインク受容層(画像部)の形成など、種々の用途に使用しうる。
[ラジカル重合系インク組成物]
ラジカル重合系インク組成物は、(d)ラジカル重合性化合物と(e)重合開始剤、(f)着色剤を含有する。所望により、更に、増感色素、共増感剤等を含有してもよい。
以下、ラジカル重合系インク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
(d)[ラジカル重合性化合物]
ラジカル重合性化合物としては、例えば、以下に挙げるような付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物が含まれる。
[付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物]
活性エネルギー硬化型インクに用い得る付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、上記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等があげられる。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、へキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、へキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネー卜等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。さらに、前述のエステルモノマーの混合物もあげることができる。また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−へキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−へキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の例としては、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加した1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等があげられる。CH2=C(R)COOCH2CH(R')OH(A)(ただし、RおよびR'はHあるいはCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号に記載されているようなウレタンアクリレー卜類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ぺージ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。本発明において、これらのモノマーはプレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態で使用しうる。
ラジカル重合性化合物の使用量はインクの全成分に対して、通常1〜99.99%、好ましくは5〜90.0%、更に好ましくは10〜70%である(ここで言う%は質量%である)。
(e)〔光重合開始剤〕
次に、ラジカル重合系インク組成物に使用される光重合開始剤について説明する。
本発明における光重合開始剤は光の作用、または、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、化学変化を生じ、ラジカル、酸および塩基のうちの少なくともいずれか1種を生成する化合物である。
好ましい光重合開始剤としては(イ)芳香族ケトン類、(ロ)芳香族オニウム塩化合物、(ハ)有機過酸化物、(ニ)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(ホ)ケトオキシムエステル化合物、(ヘ)ボレート化合物、(ト)アジニウム化合物、(チ)メタロセン化合物、(リ)活性エステル化合物、(ヌ)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。
(f)[着色剤]
カチオン重合系インク組成物に記載した(c)着色剤と同じものを利用することができる。
活性エネルギー硬化型インクには、前記の必須成分に加え、目的に応じて種々の添加剤を併用することができる。これらの任意成分について説明する。
〔増感色素〕
本発明においては、光重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感色素を添加しても良い。好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)。
〔共増感剤〕
さらに、活性エネルギー硬化型インクには、感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えても良い。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
別の例としてはチオールおよびスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特願平6−191605号記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
また、保存性を高める観点から、重合禁止剤を200〜20000ppm添加することが好ましい。活性エネルギー硬化型インクは、40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して射出することが好ましく、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
〔その他〕
この他に、必要に応じて公知の化合物を用いることができ、例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類等を適宜選択して用いることができる。また、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーを含有させることも好ましい。具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
また、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
また、インク色材の遮光効果による感度低下を防ぐ手段として、重合開始剤寿命の長いカチオン重合性モノマーと重合開始剤とを組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも好ましい態様の一つである。
[水性インク組成物]
水性インク組成物は、重合性化合物と活性エネルギーの作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤を含有する。所望により、更に、色材、等を含有してもよい。
[重合性化合物]
水性インク組成物に含まれる重合性化合物としては、公知の水性インク組成物に含まれる重合性化合物を用いることができる。
水性インク組成物は、硬化速度、密着性、柔軟性などのエンドユーザー特性を考慮した処方を最適化するために、反応性材料を加えることができる。このような反応性材料としては、(メタ)クリレート(即ち、アクリレート及び/又はメタクリレート)モノマー及びオリゴマー、エポキサイド並びにオキセタンなどが用いられる。
アクリレートモノマーの例としては、フェノキシエチルアクリレート、オクチルデシルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(例えば、テトラエチレングリコールジアクリレート)、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリ(プロピレングリコール)トリアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビス(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート、エトキシ化又はプロポキシ化グリコール及びポリオールのアクリレート(例えば、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート)、及びこれらの混合物が挙げられる。
アクリレートオリゴマーの例としては、エトキシ化ポリエチレングリコール、エトキシ化トリメチロールプロパンアクリレート及びポリエーテルアクリレート及びそのエトキシ化物、及びウレタンアクリレートオリゴマーが挙げられる。
メタクリレートの例としては、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、及びこれらの混合物が挙げられる。
オリゴマーの添加量は、インク全重量に対して1〜80重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。
〔活性エネルギーの作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤〕
活性エネルギー硬化型インクに用いることができる重合開始剤について説明する。一例としては、例えば、波長400nm前後までの光重合開始剤が挙げられる。このような光重合開始剤としては、例えば、長波長領域に官能性、即ち、紫外線を受けてラジカルを生成する感受性を持つ物質である下記一般式で表される光重合開始剤(以下、TX系と略称する)が挙げられ、本発明においては、これらの中から適宜に選択して使用することが特に好ましい。
Figure 2008080625
上記一般式TX−1〜TX−3中、R2は−(CH2)x−(x=0または1)、−O−(CH2)y−(y=1または2)、置換若しくは未置換のフェニレン基を表わす。またR2がフェニレン基の場合には、ベンゼン環中の水素原子の少なくとも1つが、例えば、カルボキシル基若しくはその塩、スルホン酸若しくはその塩、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、炭素数1〜4のアルコキシル基、フェノキシ基等のアリールオキシ基等から選ばれる1つまたは2つ以上の基や原子で置換されていてもよい。Mは、水素原子若しくはアルカリ金属(例えば、Li、Na、K等)を表わす。更に、R3及びR4は各々独立に、水素原子、または置換若しくは未置換のアルキル基を表わす。ここでアルキル基の例としては、例えば、炭素数1〜10程度、特には、炭素数1〜3程度の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。また、これらのアルキル基の置換基の例としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、シュウ素原子等)、水酸基、アルコキシル基(炭素数1〜3程度)等が挙げられる。また、mは1〜10の整数を表わす。
更に、本発明において、下記一般式からなる光重合開始剤 Irgacure2959(商品名:Ciba Specialty Chemicals製)の水溶性の誘導体(以下、IC系と略称する)を使用することもできる。具体的には、下記式からなるIC−1〜IC−3を使用することができる。
Figure 2008080625
〔クリアインクとする場合の処方〕
上述した水溶性重合性化合物は、上記したような色材を含有させることなく、透明な水性インクの形態とすることで、クリアインクとすることができる。特に、インクジェット記録特性を有するように調製すれば、水性光硬化型のインクジェット記録用のクリアインクが得られる。かかるインクを用いれば、色材を含有していないので、クリアな皮膜を得ることができる。色材を含有しないクリアインクの用途としては、画像印刷への適性を被記録材に付与するためのアンダーコート用としたり、或いは、通常のインクで形成した画像の表面保護、更なる装飾や光沢付与等を目的としたオーバーコート用としての用途等が挙げられる。クリアインクには、これらの用途に応じて、着色を目的としない無色の顔料や微粒子等を分散して含有させることもできる。これらを添加することによって、アンダーコート、オーバーコートいずれにおいても、印刷物の画質、堅牢性、施工性(ハンドリング性)等の諸特性を向上させることができる。
そのようなクリアなインクに適用する場合の処方条件としては、インクの主成分とする水溶性重合性化合物が10〜85%、光重合開始剤(例えば、紫外線重合触媒)を、上記水溶性重合性化合物100質量部に対して1〜10質量部含有され、同時に、インク100部に対して光重合開始剤が最低0.5部が含有されているように調製することが好ましい。
〔色材含有インクにおける材料構成〕
上述した水溶性重合性化合物を色材を含有するインクに利用する場合には、含有させた色材の吸収特性に合わせて、インク中における重合開始剤と重合性物質の濃度を調節することが好ましい。前記したように、配合量としては、水或いは溶剤の量を、質量基準で、40%〜90%の範囲、好ましくは60%〜75%の範囲とする。更に、インク中における重合性化合物の含有量は、インク全量に対して、質量基準で1%〜30%の範囲、好ましくは、5%〜20%の範囲とする。重合開始剤は、重合性化合物の含有量に依存するが、概ね、インク全量に対して、質量基準で0.1〜7%、好ましくは、0.3〜5%の範囲である。
インクの色材として顔料が使用される場合には、インク中における純顔料分の濃度は、概ね、インク全量に対して0.3質量%〜10質量%の範囲である。顔料の着色力は顔料粒子の分散状態に依存するが、約0.3〜1%の範囲であると、淡色のインクとして利用される範囲となる。また、それ以上であると、一般のカラー着色用に用いられる濃度を与える。
以上、本発明に係る打滴点ずれ検出方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。
本発明の打滴点ずれ検出方法を用いることができるデジタルラベル印刷装置の一例の概略構成を示す正面図である。 被記録媒体の層構成を示す縦断面図である。 図1に示したデジタルラベル印刷装置の描画部を拡大して示す概略斜視図である。 (A)は、記録ヘッドの吐出部の配置パターンを示す正面図であり、(B)は、(A)に示した記録ヘッドの1つの吐出部を示す拡大断面図である。 インクジェット描画装置におけるインク供給系及びヘッド周辺部の構成を示す模式図である。 箔押し状態を示し、(A)は画像面に大きな凹凸がある被記録媒体の要部断面図、(B)は平滑化せずに箔押しされた被記録媒体の要部断面図、(C)は平滑化手段により凹凸を平滑化して箔押した被記録媒体の要部断面図である。 (A)は、記録ヘッドの各吐出部と、インク液滴の着弾位置との関係を示す側面図であり、(B)は、(A)の上面図である。 打滴点位置ずれ検出に用いる画像(テストパターン)の一例を示す上面図である。 (A)は、位置ずれ検出部で読み取った画像の1つの打滴線の一部の一例を示す模式図であり、(B)は、(A)に示した画像データを2値化した一例を示す模式図である。 (A)及び(B)は、それぞれ、打滴線の両端の位置の算出方法の一例を説明する模式図である。 吐出部毎に算出した近似直線を示す模式図である。 打滴線幅と打滴点サイズとの関係を示すグラフである。 記録ヘッドの吐出部の配置パターンの他の一例を示す上面図である。 本発明の打滴点ずれ検出方法を用いることができる装置構成の他の一例を示す概略構成図である。 (A)は、本実施例に用いた打滴点位置ずれ検出に用いる画像(テストパターン)を示した概略上面図であり、(B)は、(A)をより詳細に示した概略上面図である。 (A)は、算出した打滴点間隔を示すグラフであり、(B)は、算出した打滴点サイズを示すグラフである。 図1に示すデジタルラベル印刷装置の変形例のデジタルラベル印刷装置の概略構成図である。 インクジェット描画装置の概略構成を示す正面図である。 図18に示したインクジェット描画装置の吸着搬送ベルと及び記録ヘッドユニットを示す上面図である。 図18に示した制御部のシステム構成を示す要部ブロック図である。
符号の説明
60 吐出部
61 インク室ユニット
62 ノズル
63 圧力室
64 供給口
65 共通流路
66 アクチュエータ
67 加圧板
68 個別電極
70 インク供給タンク
72 フィルタ
74 キャップ
76 クリーニングブレード
77 吸引ポンプ
78 回収タンク
80 通信インターフェース
82 システムコントローラ
84 画像メモリ
86 モータドライバ
88 ヒートドライバ
90 プリント制御部
92 画像バッファメモリ
94 ヘッドドライバ
96 ホストコンピュータ
98 モータ
99 ヒータ
100 デジタルラベル印刷装置
110、714 搬送部
112、716 描画部
114、724 位置ずれ検出部
116 平滑化部
118 箔押し部
120 ラベル抜き部
121、722 制御部
122 供給ロール
124、126、128、130、132 搬送ローラ対
134 製品巻取部
135、750 記録ヘッドユニット
136C、136M、136Y、136K、750K、750C、750M、750Y 記録ヘッド(インクジェットヘッド)
137、752 インク貯蔵/装填部
138 紫外線照射部
142 ニスコーター
144、145 塗布ローラ
146 平面加圧部材
148 紫外線照射部
150 箔供給ロール
152 箔巻取ロール
154、156、737a、737b ローラ
158 箔
160 ホットスタンプ版
162 ニスコーター
164 紫外線照射部
166 ダイカッタ
168 シリンダカッタ
170 受けローラ
172 カス取り部
710 インクジェット描画装置
712 供給部
718 加熱・加圧部
720 排出部
730 マガジン
732 加熱ドラム
734、756 カッター
734a、756a 固定刃
734b、756b 丸刃
736 吸着ベルト搬送部
738 ベルト
739 吸着チャンバー
740 ファン
742 ベルト清掃部
744 加熱ファン
746 後乾燥部
754 加圧ローラ
758 排出部
P 被記録媒体

Claims (12)

  1. インク滴を吐出する複数の吐出部が列状に配列された記録ヘッドの各吐出部から吐出され、被記録媒体上に着弾するインク液滴の打滴点の位置ずれを検出する打滴点ずれ検出方法であって、
    前記吐出部から連続してインク液滴を吐出させ、同一の前記吐出部から吐出されたインク液滴で形成される隣接する打滴点と接触する位置にインク液滴を着弾させて打滴点を形成し、1つの前記吐出部により形成される打滴点を連結させて形成される打滴線を各吐出部毎に形成する打滴線形成ステップと、
    前記吐出部により形成された打滴線に略直交する方向を基準方向として、前記被記録媒体上に形成された前記打滴線で構成される画像を読取画像として読み取る画像読取ステップと、
    前記読込画像から、前記打滴線毎に、前記打滴線の前記基準方向における一方の端部位置及び他方の端部位置を、前記基準方向と直交する方向において所定間隔毎に、打滴線端部位置情報として算出する打滴線端部位置情報算出ステップと、
    前記打滴線端部位置情報から、複数の前記一方の端部位置を結ぶ近似直線、及び、複数の前記他方の端部位置を結ぶ近似直線を、前記近似直線の傾きが全打滴線で共通として前記打滴線毎に算出する近似直線演算ステップと、
    前記打滴線毎に算出した一方の端部位置の前記近似直線及び他方の端部位置の前記近似直線から吐出部の打滴点と他の吐出部の打滴点との間隔を算出する打滴点間隔算出ステップと、
    を備えることを特徴とする打滴点ずれ検出方法。
  2. 前記近似直線演算ステップは、前記近似直線を、最小二乗法により算出する請求項1に記載の打滴点ずれ検出方法。
  3. 前記打滴線形成ステップは、前記打滴線を、隣接する他の打滴線と非接触で形成する請求項1または2に記載の打滴点ずれ検出方法。
  4. 前記打滴線形成ステップは、前記被記録媒体に形成する打滴線を、前記吐出部の配置位置に応じて、前記吐出部の配列方向に直交する方向において異なる位置に形成する請求項1〜3のいずれかに記載の打滴点ずれ検出方法。
  5. 前記打滴線形成ステップは、前記複数の吐出部のうち1つおきの前記吐出部からインク液滴を吐出させ、前記被記録媒体上に前記打滴線を形成した後に、残りの前記吐出部からインク液滴を吐出させ、前記被記録媒体上に打滴線を形成する請求項4に記載の打滴点ずれ検出方法。
  6. 前記打滴線形成ステップは、前記打滴線を、隣接する打滴線と相互に接触しない幅で形成する請求項1または2に記載の打滴点ずれ検出方法。
  7. さらに、吐出部毎に算出した一方の端部の前記近似直線と他方の端部の前記近似直線からそれぞれの前記吐出部により形成される前記打滴点のサイズを算出する打滴点サイズ算出ステップを有する請求項1〜6のいずれかに記載の打滴点ずれ検出方法。
  8. 前記打滴点サイズ算出ステップは、一方の端部の前記近似直線と他方の端部の前記近似直線とから算出した打滴線の幅と、予め算出した打滴線の幅と前記打滴点のサイズとの関係に基づいて前記打滴点のサイズを算出する請求項7に記載の打滴点ずれ検出方法。
  9. 前記打滴線形成ステップは、前記被記録媒体と前記吐出部とを前記吐出部の配列方向と略直交する方向に相対的に移動させながら、前記吐出部のそれぞれから複数のインク液滴を吐出させ、前記被記録媒体上に複数の打滴点が前記吐出部の配列方向と略直交する方向に連続して配置された打滴線を前記吐出部毎に形成する請求項1〜8のいずれかに記載の打滴点ずれ検出方法。
  10. インク滴を吐出する複数の吐出部が列状に配列された記録ヘッドの各吐出部から吐出され、被記録媒体上に着弾するインク液滴の打滴点のサイズを検出する打滴点サイズ検出方法であって、
    前記吐出部から連続してインク液滴を吐出させ、同一の前記吐出部から吐出されたインク液滴で形成される隣接する打滴点と接触する位置にインク液滴を着弾させて打滴点を形成し、1つの前記吐出部により形成される打滴点を連結させて形成される打滴線を各吐出部毎に形成する打滴線形成ステップと、
    前記吐出部により形成された打滴線に略直交する方向を基準方向として、前記被記録媒体上に形成された前記打滴線で構成される画像を読取画像として読み取る画像読取ステップと、
    前記読込画像から、前記打滴線毎に、前記打滴線の前記基準方向における一方の端部位置及び他方の端部位置を、前記基準方向と直交する方向において所定間隔毎に、打滴線端部位置情報として算出する打滴線端部位置情報算出ステップと、
    前記打滴線端部位置情報から、複数の前記一方の端部位置を結ぶ近似直線、及び、複数の前記他方の端部位置を結ぶ近似直線を、前記近似直線の傾きが全打滴線で共通として前記打滴線毎に算出する近似直線演算ステップと、
    吐出部毎に、算出した一方の端部の前記近似直線と他方の端部の前記近似直線からそれぞれの前記吐出部により形成される前記打滴点のサイズを算出する打滴点サイズ算出ステップと、
    を備えることを特徴とする打滴点サイズ検出方法。
  11. 前記打滴点サイズ算出ステップは、一方の端部の前記近似直線と他方の端部の前記近似直線とから算出した打滴線の幅と、予め算出した打滴線の幅と前記打滴点のサイズとの関係に基づいて前記打滴点のサイズを算出する請求項10に記載の打滴点サイズ検出方法。
  12. 前記打滴線形成ステップは、前記被記録媒体と前記吐出部とを前記吐出部の配列方向と略直交する方向に相対的に移動させながら、前記吐出部のそれぞれから複数のインク液滴を吐出させ、前記被記録媒体上に複数の打滴点が前記吐出部の配列方向と略直交する方向に連続して配置された打滴線を前記吐出部毎に形成する請求項10または11に記載の打滴点サイズ検出方法。
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