JP2008076110A - 希ガス光源及び光電子システム - Google Patents

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Abstract

【課題】強度が高い単色光を放つ希ガス光源及びその希ガス光源を用いた光電子システムを提供する。
【解決手段】開口部(4)を有する容器(2)と、容器(2)内に配置されておりかつ希ガスを導入することによって発光する希ガス発光体(3)とを含み、単色光を放つ希ガス光源(1)であって、開口部(4)を閉口する窓部(5)と、希ガス発光体(3)と窓部(4)との間に配置されたイオン結晶フィルター(6a,6b,6c)とを含み、イオン結晶フィルター(6a,6b,6c)が、希ガス発光体(3)の放つ光のうち単色光を透過することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、希ガス光源、及びこれを用いた光電子システムに関する。
希ガス光源は、化学分析等で研究に幅広く利用されている。例えば、固体の電子的・物理的性質を決定しているのは、主にフェルミ準位近傍にある電子状態であり、前記希ガス発光体を用いて、この固体の電子状態を分析することは、機能性物質の開発に欠かせない。
従来、希ガス光源としては、水素、重水素、He、Ne、Ar、Kr及びXe光源がある。特に、高効率の(入射するマイクロ波のエネルギーに対して出力される光の強度が高い)希ガス光源としては、マイクロキャビティを用いたマイクロ波励起型光源がある。マイクロ波励起型光源は、希ガス圧を低くできる上、マイクロキャビティに閉じ込められた発光ガス気体部の長さを短くできるので、自己吸収を抑制することができる(例えば、特許文献1等)。希ガス光源から放たれる発光線のエネルギーは、希ガスの種類によって相違する。また、1種類の希ガスからは、複数の発光線が放たれるが、これらの発光線を分離することによって、自己吸収による強度の低下が少なく、分解能の高い光を放つ希ガス光源となる。例えば、希ガスがHeであれば、発光線HeI(21.2eV)と発光線HeII(40.8eV)とが放たれる。マイクロキャビティを用いたHe光源は、これらの発光線を分離することによって、最低エネルギー発光線である発光線HeIだけを1meV未満の分解能で取り出すことができる。同様に、希ガスがAr、Kr及びXeであれば、最低エネルギー発光線は11.62eV、10.03eV及び8.44eVである。発光線の分離には、回折格子、例えば反射型回折格子分光器等を用いることによって発光線を分離できる。
特開平8−161911号公報
しかしながら、希ガス光源は、発光線の分離に回折格子を用いると、発光線の強度の一部しか利用できないので、放出される光の強度が低下するという課題があった。また、希ガス光源は、希ガスを入れ替えることによって2種類以上の単色光を放つ装置となるが、回折格子を用いると、希ガスの種類によって回折格子への光の入射角度を微調整しなければならない上、劣化した回折格子を新しい回折格子に取り換える度に調整しなければならないという課題もあった。
本発明は、強度が高い単色光を放つ希ガス光源及びその希ガス光源を用いた光電子システムを提供する。
本発明の希ガス光源は、開口部を有する容器と、前記容器内に配置されておりかつ希ガスを導入することによって発光する希ガス発光体とを含み、単色光を放つ希ガス光源であって、
前記開口部を閉口する窓部と、前記希ガス発光体と前記窓部との間に配置されたイオン結晶フィルターとを含み、
前記イオン結晶フィルターは、前記希ガス発光体の放つ光のうち前記単色光を透過することを特徴とする。
本発明の光電子システムは、本発明の希ガス光源と、開口部を有し、かつ測定試料が配置される密封容器とを含む光電子システムであって、
前記開口部を閉口する窓部を含み、
前記窓部は、前記希ガス光源から放たれる単色光を透過することを特徴とする。
本発明の希ガス光源によれば、強度の高い単色光を放つことができる。
また、本発明の光電子システムによれば、希ガス光源の放つ強度の高い単色光を用いて、光電子分光分析をすることができる。
本発明の希ガス光源は、開口部を有する容器と、前記容器内に配置された希ガス発光体とを含み、単色光を放つ光源である。前記希ガス発光体は、前記容器内に希ガスを導入することによって発光する。前記開口部は、窓部によって閉口されている。前記希ガス発光体と前記窓部との間には、前記希ガス発光体の放つ光のうち前記単色光を透過するイオン結晶フィルターが配置されている。このような構成にすることによって、前記単色光は、まず希ガス発光体から放出されて、イオン結晶フィルターを透過して、開口部及び窓部を通って容器外へ放出される。
本発明の希ガス光源によれば、イオン結晶フィルターが配置されていることによって、希ガスの放つ発光線から強度の高い単色光を取り出して容器外へ放つことができる。また、イオン結晶フィルターは、従来の希ガス光源で用いられている回折格子に比べて小さいので、本発明の希ガス光源は、従来の希ガス光源よりも小型化できるという効果もある。さらに、イオン結晶フィルターは、前記回折格子に比べて安価なので、本発明の希ガス光源を安価に提供できるという効果もある。本発明の希ガス光源は、例えば、マイクロ波励起型光源、高圧放電管光源等であり、好ましくは5eV以上12eV以下の光を放つ光源、特に6eV以上の紫外光を放つ光源である。6eV以上の紫外光を放つ光源であれば、極低エネルギー光電子分光(Extremely low energy photoelectron spectroscopy:ELEPES)分析ができる光電子システムに用いることができる。
なお、本明細書において単色光とは、希ガス発光体の放つ光に含まれる複数の発光線の中で最もエネルギーの低い発光線を含み、かつ、1meV未満の分解能の光である。また、前記単色光は、希ガス発光体の放つ光に含まれる複数の発光線の一部なので、好ましくはエネルギーが6eV以上12eV以下の範囲、より好ましくは8.4eV以上11.7eV以下の範囲である。
前記希ガス発光体は、希ガスを導入することによって発光する発光体であれは特に限定されないが、例えば、マイクロキャビティ、高圧放電管等であり、好ましくは、RF(radio frequency)放電型マイクロキャビティ、マイクロ波励起マイクロキャビティ等である。RF放電型マイクロキャビティの放つ光は、200μeV未満の高い分解能を示すので、RF放電型マイクロキャビティを用いると、本発明の希ガス光源が放つ単色光の分解能も高くなる。強度が高くて分解能が200μeV未満の希ガス光源は、光電子分光分析に用いる光源に適用できる。
前記イオン結晶フィルターとしては、イオン結晶からなり、希ガス発光体から放射される光の中から前記単色光のみを透過するフィルターを使用できる。その形状やイオン結晶の種類等については特に限定されない。例えば、半径5mm以上100mm以下、厚さ0.5mm以上5mm以下の略円柱、好ましくは半径20mm以上50mm以下、厚さ0.5mm以上3mm以下の略円柱であればよい。イオン結晶フィルターの半径が前記範囲内であれば、前記容器内において容易に駆動できる。また、イオン結晶フィルターの厚さが前記範囲内であれば、シャープな吸収端を実現できる。また、イオン結晶フィルターは1つでもよいが、2以上組み合わせたイオン結晶フィルターユニットを用いてもよい。イオン結晶フィルターユニットを用いることによって、前記単色光のエネルギーに合ったイオン結晶フィルターを交換できる。導入する希ガスの種類によって、希ガス発光体の放つ光も、イオン結晶フィルターで透過させる単色光も変化する。
前記イオン結晶フィルターを構成するイオン結晶は、例えば、LiF、NaF、KF、RbF、MgF2、CaF2、NaCl、KCl、サファイア(Al23)等の単結晶であればよい。また、LiF、NaF、KF、RbF、MgF2、CaF2等を含む混晶、例えば、LiF−NaF−KF混晶系、MgF2−CaF2混晶系等であってもよい。混晶の製造方法としては、例えば、各イオン結晶を所望の比率に計量して、石英ガラス等のるつぼに封入して、結晶成長炉で生成すればよい。前記イオン結晶の純度は、特に限定されないが、例えば99%以上、好ましくは99.9%以上である。純度が高いイオン結晶は、劣化し難いので、長期間にわたって高い透光率を維持できるからである。
前記イオン結晶は、材料と温度によって決まった透過エネルギーをもつ。よって、前記イオン結晶を含む前記イオン結晶フィルターは、希ガス発光体から放射される光のうち、前記イオン結晶の透過エネルギーの上限値よりもエネルギーの高い光を遮断して、透過エネルギーの上限値以下の発光線を透過させることができる。従って、前記イオン結晶フィルターは、希ガス発光体の放つ光に含まれる複数の発光線のうち、最低エネルギーの発光線のみ含む単色光を透過できるように、イオン結晶の種類と温度とを適宜選択すればよい。なお、イオン結晶が混晶の場合、材料及び温度だけでなく、含有する各イオン結晶の比率の違いによって、固有の透過エネルギーの上限値をもつこととなる。
前記イオン結晶の透過エネルギーの上限値は、例えば、室温(25℃)において、LiF:11.8eV、NaF:11.5〜11.7eV、KF:10.8〜10.9eV、RbF:10.3〜10.4eV、MgF2:10.8eV、CaF2:10.1eV、NaCl:8.5〜8.6eV、KCl:8.5〜8.7eV、サファイア:8.5eVである。NaF等の透過エネルギーの上限値に範囲があるのは、イオン結晶の厚さ等によっても透過エネルギーの上限値が変わるからである。例えば、イオン結晶が厚いほど透過エネルギーは小さくなる。室温において、希ガス発光体に導入する希ガスがArであれば、最低エネルギーの発光線は11.62eVなので、イオン結晶フィルターはLiF又はNaFからなることが好ましい。前記希ガスがKrであれば、最低エネルギーの発光線は10.03eVなので、イオン結晶フィルターはKF、RbF、MgF2及びCaF2から選ばれる1つのイオン結晶からなることが好ましい。前記希ガスがArであれば、最低エネルギーの発光線は8.44eVなので、イオン結晶フィルターはLiF又はNaFからなることが好ましい。また、イオン結晶フィルターが混晶からなる場合に、透過エネルギーの上限値を最適条件で実現できることもある。
前記容器は、開口部を有し、希ガスを導入できる構造であれば、その形状、材料等によって特に限定されない。前記容器は、例えば、ステンレス鋼、チタン鋼、無酸素銅等であればよい。前記容器の大きさは、前記イオン結晶フィルターを前記容器内で十分に移動させることができる大きさであれば、より小型であることが好ましい。使用時の減圧が容易だからである。前記容器の大きさは、例えば、直径10cm〜40cm、長さ10cm〜30cm、好ましくは、直径10cm〜20cm、長さ10cm〜20cmであればよい。また、前記開口部は、前記イオン結晶フィルターを透過した単色光が通過できる大きさであれば、特に限定されないが、例えば半径10mm〜50mm、好ましくは10mm〜40mmであればよい。
前記窓部は、特に限定されず、前記イオン結晶フィルターを透過した単色光を透過する透光性材料からなればよい。前記透光性材料は、イオン結晶、ガラス、透明樹脂等であればよい。前記窓部は、好ましくはイオン結晶からなり、より好ましくはLiFからなる。イオン結晶は透光率が高いので、希ガス発光体から放たれる単色光の強度を下げることなく透過させて、容器外に放射できる。特に、LiFは、導入する希ガスの種類によらず希ガス発光体の放つ単色光を高い透光率で透過させることができるため好ましい。
前記イオン結晶フィルターは、前記容器から着脱可能に配置されていることが好ましい。光が照射されるとイオン結晶は次第に劣化するので、前記単色光の透光率が低下することとなるが、このような構成にすることによって、イオン結晶フィルターを容易に交換できる。前記着脱可能に配置するには、例えば、イオン結晶フィルターを備えた部材を、フランジ等を設けた開閉可能な前記容器の中に配置して、前記部材を取り出せるようにすればよい。または、前記窓部と前記開口部との間に弾性体を配置して、前記窓部を取り外すことによって前記イオン結晶フィルターを交換できるようにしてもよい。
本発明の希ガス光源において、前記イオン結晶フィルターは、前記容器内において移動可能に配置されていることが好ましい。イオン結晶フィルターは、光が照射された範囲だけが次第に劣化するが、このような構成にすることによって、イオン結晶フィルターの光が照射される範囲を照射面全体に分散させることができるので、イオン結晶フィルターの寿命が長くなる。
本発明の希ガス光源において、前記イオン結晶フィルターの温度を制御する制御部をさらに含むことが好ましい。イオン結晶フィルターの透過エネルギーの上限値を変化させることができるからである。前記制御部は、熱電対による温度測定によって温度制御できればよく、例えば、サーモスタット、液体窒素を導入することによって冷却する部材及び加熱ヒーターを組み合わせた制御部等であればよい。
本発明の希ガス光源において、前記開口部と前記窓部との間に配置された弾性体をさらに含むことが好ましい。弾性体が配置されていることによって、前記容器内の気密性を保持できる上、前記窓部の着脱が容易となるからである。
本発明の光電子システムは、上述した希ガス光源と、開口部を有し、かつ測定試料が配置される密封容器とを含む光電子システムである。
前記密封容器は、前記開口部が窓部によって閉口されている。前記窓部は、前記希ガス光源から放たれる単色光を透過する。
本発明の光電子システムによれば、希ガス光源の放つ強度の高い単色光を用いて、光電子分光分析をすることができる。特に、分解能が200μeV未満の単色光を放つ希ガス光源を用いることによって、極低エネルギー光電子分析(ELEPES分析)をすることができる。
前記密封容器は、開口部を有し、その内部に測定試料を配置できる構造であれば、その形状等によって特に限定されない。前記密封容器は、超真空に耐えることのできる材料からなるものであれば特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、チタン鋼等からなるものであればよい。また、前記密封容器の内側には、内部へのもれ磁場を軽減するために、ミューメタルシールド等の磁気遮蔽材を設けることが好ましい。前記密封容器の大きさは、例えば、直径150mm〜300mm、好ましくは、直径150mm〜200mmであればよい。市販の電子エネルギー分析器を取り付けることができるからである。また、前記開口部は、前記希ガス光源から放たれる単色光が通過できる大きさであれば、特に限定されないが、例えば半径20mm〜50mm、好ましくは20mm〜35mmであればよい。市販の超高真空コンフラットフランジを取り付けることができるからである。
前記窓部は、透光性材料からなり、前記希ガス光源から放たれる単色光を透過させるものであれば特に限定されない。前記透光性材料としては、ガラス、光学樹脂、イオン結晶等であればよい。特に、イオン結晶が好ましく、LiFからなることがより好ましい。イオン結晶であれば、透光率がより高く、LiFであれば、前記希ガス光源から放たれる単色光を95%以上透過させることができるからである。
また、前記窓部は、前記単色光の光軸に対し移動可能に配置されていることが好ましい。窓部は、単色光が照射された範囲が次第に劣化するが、このような構成にすることによって、単色光が照射される範囲を変えることができるので、窓部の寿命が長くなる。
本発明の光電子システムは、前記窓部の前記密封容器側及び前記窓部の前記密封容器とは反対側の少なくとも一方に配置された複数の鏡を更に含むことが好ましい。上述のように、窓部は単色光が照射された範囲が次第に劣化するが、このような構成にすることによって、窓部の光が照射される範囲を照射面全体に分散させることができるので、窓部の寿命が長くなる。
本発明の光電子システムでは、前記密封容器内に配置された、レンズと前記測定試料が設置される設置部とをさらに含み、前記レンズは、前記設置部と前記窓部との間に配置されていることが好ましい。前記レンズにより前記単色光を集光して、前記測定試料に照射できるからである。前記レンズは、前記窓部と同様にイオン結晶であることが好ましく、LiFからなることがより好ましい。
以下、本発明の実施形態の一例について、図面を用いて説明する。なお、同一の部分には同一の記号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
(実施形態1)
図1に、本発明の希ガス光源の一例の断面図を示す。また、図2に、図1のI−I矢視方向から見た断面図を示す。
本実施形態の希ガス光源1は、容器2と、容器2内に配置された希ガス発光体3と、容器2内に配置されたイオン結晶フィルターユニット6と、窓部5と、発光体容器11と、光学調整窓12とを含む。
容器2は、開口部4を有し、開口部4は、窓部5によって閉口されている。希ガス発光体3は、希ガスを導入することによって発光するものであり、発光体容器11内に配置されている。イオン結晶フィルターユニット6は、容器2内の希ガス発光体3と窓部5との間に配置され、光学調整窓12は、容器2の開口部4とは反対面に配置されている。つまり、光学調整窓12、希ガス発光体3、イオン結晶フィルターユニット6、開口部4及び窓部5は、この順に一直線上に配置されている。
また、容器2内は、希ガス発光体3とイオン結晶フィルターユニット6との間に、希ガス発光体3の放つ発光線が通る穴を備えたステンレス鋼製の壁2dが配置され、希ガス発光体3が配置された分室2e及びイオン結晶フィルターユニット6が配置された分室2fに区切られている。分室2eは、マイクロ波導入口2aと、希ガス導入口2bとを含み、分室2fは、ガス排気口2cを含む。また、分室2fには、イオン結晶フィルターユニット6を交換するためのコンフラットフランジ7と、イオン結晶フィルターユニット6を図中上下方向に移動させるための溶接ベローズ8が配置されている。溶接ベローズ8の図中上面には、動力伝達部9(後述する)が接続されている。
分室2e,2fは、使用時には減圧されている。この減圧条件は、例えば、分子軸流ポンプによる排気により、希ガスを導入していない状態で1×10-7〜1×10-5Pa、希ガスを導入した状態で1×10-4〜1×10-2Paであればよい。
希ガス発光体3は、マイクロキャビティであり、マイクロ波導入口2aから分室2e内にマイクロ波を導入し、希ガス導入口2bから分室2e内に希ガスを導入することによって発光線を放つ。希ガス発光体3は発光体容器11に収容されているので、放電が発光体容器11内で起こるように放電領域を限定できる。
前記希ガスは、Ar、Kr、Xeのいずれかであり、希ガス発光体3を発光させる際に、排気速度に応じた最適流量で、分室2e内に導入すればよい。なお、導入された希ガスは、希ガス発光体3の発光に利用された後、ガス排気口2cから排気される。
前記マイクロ波は、10GHz帯のものを使用すればよい。
窓部5は、LiFのイオン結晶からなり、Oリング等の弾性体10を介して開口部4を着脱可能に閉口している。そのため、イオン結晶の劣化に伴う窓部5の交換が容易である。
イオン結晶フィルターユニット6は、図2に示すように、イオン結晶フィルター6a〜6cからなる。イオン結晶フィルター6a〜6cは、銅板14にはめ込まれ、金属爪15で留められている。銅板14には、イオン結晶フィルターユニット6の温度を測定するための熱電対18が配置されている。銅板14の外側には、液体窒素溜16が配置され、液体窒素溜16内には、加熱ヒーター17が配置されている。
イオン結晶フィルター6aは、LiF又はNaFからなり、前記希ガスとしてArを導入したときに希ガス発光体3が放つ発光線のうち、最低エネルギー発光線である11.62eVの単色光を透過させ、他の発光線を透過させない。この単色光の強度は、希ガス発光体3が例えばRF放電型マイクロキャビティであるときに放出された最低エネルギーの発光線の強度の50%以上である。イオン結晶フィルター6bは、KF、RbF、MgF2及びCaF2から選ばれるいずれか1つからなり、前記希ガスとしてKrを導入したときに希ガス発光体3が放つ発光線のうち、最低エネルギー発光線である10.03eVの単色光を透過させ、他の発光線を透過させない。この単色光の強度は、希ガス発光体3が例えばRF放電型マイクロキャビティであるときに放出された最低エネルギーの発光線の強度の50%以上である。イオン結晶フィルター6cは、NaCl、KCl及びサファイアから選ばれるいずれか1つからなり、前記希ガスとしてXeを導入したときに希ガス発光体3が放つ発光線のうち、最低エネルギー発光線である8.44eVの単色光を透過させ、他の発光線を透過させない。この単色光の強度は、希ガス発光体3が例えばRF放電型マイクロキャビティであるときに放出された最低エネルギーの発光線の強度の50%以上である。つまり、イオン結晶フィルターの換わりに回折格子を用いた従来の希ガス光源の放つ単色光よりも、強度が5倍以上の単色光を放つ。なお、最低エネルギー発光線とは、希ガス発光体3の放つ複数の発光線を、x軸をエネルギー、y軸を強度としてグラフに表したときに、高い強度(発光ピーク)を示す発光線のうち、エネルギーの最も低い発光線のことである。
イオン結晶フィルター6a〜6cの配置形態は、特に限定されず、イオン結晶フィルター6a〜6cの順序をかえて配置してもよいし、イオン結晶フィルター6a〜6cを容器2の幅方向に配置してもよい。
イオン結晶フィルターユニット6は、銅板14の周囲に配置された液体窒素溜16内に、液体窒素を導入することによって冷却でき、加熱ヒーター17を用いることによって加熱できる。このような構成にすることによって、イオン結晶フィルターユニット6は、−196〜100℃の温度制御が可能となる。可能な限り室温付近で最高性能を出せるイオン結晶混晶を使用すると、±100meV程度の範囲で高エネルギーカットオフのエネルギー制御を行うことができるため好ましい。
図2に示すように、銅板14には、動力伝達部9に接続された液体窒素容器13が接続されている。動力伝達部9は、ステッピングモーター19に接続された軸22とかみ合っており、ステッピングモーター19を回転させることによって、図中左右方向に移動するようになっている。また、軸22は、ステッピングモーター20に接続された軸23とかみ合っており、ステッピングモーター20を回転させることによって、図中上下方向に移動するようになっている。軸22が図中上下方向に移動することによって、動力伝達部9は回転することなく図中上下に移動するようになっている。上述のように動力伝達部9を図中上下左右に移動させることによって、銅板14及び銅板14にはめ込まれたイオン結晶フィルターユニット6も、容器2内で図中上下左右に移動させることができる。イオン結晶フィルターユニット6の移動範囲は、例えば左右に±15mm、上下に±40mmとすればよい。このような構成によって、イオン結晶フィルターユニット6を移動させることができるので、希ガス発光体3の放つ光が照射されたことによって劣化したイオン結晶フィルターユニット6の劣化部分を希ガス発光体3からの光の光路上から外して、イオン結晶フィルターユニット6の劣化していない部分を前記光路上に配置ことができる。また、希ガスの種類に合ったイオン結晶フィルター6a〜6cを前記光路上に配置することができる。なお、軸21は、軸22を支える支柱である。
容器2は、溶接ベローズ8の接続部分の下に、1対のフランジ片からなるコンフラットフランジ7を備える。そのためイオン結晶の劣化に伴うイオン結晶フィルターユニット6の交換を容易に行うことができる。
本実施形態の希ガス光源1は、希ガス発光体3の放つ発光線をイオン結晶フィルターユニット6で透過させて強度の高い単色光を取り出し、放つことができる。
(実施形態2)
図3に、本発明の光電子システムの一例の断面図を示す。
本実施形態の光電子システム30は、実施形態1で説明した単色光を放つ希ガス光源1と、測定試料を配置するための密封容器31とを備える。密封容器31にはフランジ32が配置されている。
フランジ32は、イオン結晶からなる窓部32aと、開口部を含むフランジ片32bとが係合した構造であるため、窓部32aを容易に交換することができる。なお、フランジ片32bの開口部は、窓部32aで閉口されている。
密封容器31内は、キャピラリ−34、レンズ35、及び測定試料が設置される設置部36が配置され、使用時には減圧されている。この減圧条件は、1×10-9〜1×10-7Paである。キャピラリー34は、ガラス製の中空管であり、前記単色光をその内壁に反射させることによって、前記単色光が外に広がるのを防ぐことができる。レンズ35は、LiFからなる集光レンズであり、キャピラリ−34を通った前記単色光を集光して、設置部36に設置される測定試料に照射できる。
密封容器31には、動力伝達部38が接続された溶接ベローズ37が配置されており、窓部32aを通った前記単色光が、溶接ベローズ37中を通ってキャピラリ-34に入るようになっている。動力伝達部38は、ステッピングモーター40に接続された軸39とかみ合っており、ステッピングモーター40を回転させることによって、図中上下方向に移動するようになっている。また、動力伝達部38は、ステッピングモーター41に接続された図3の紙面に垂直方向の軸(図示せず)とかみ合っており、ステッピングモーター41を回転させることによって、図3の紙面に垂直方向に移動するようになっている。上述のように動力伝達部38を移動させることによって、窓部32aも図中上下方向及び紙面に垂直方向に移動させることができる。窓部32aは、希ガス光源1からの光の光路上の部分が次第に劣化して透光率が低下するが、このような構成にすることによって窓部32aを移動させることにより、窓部32aの照射面全体を有効に利用できる。なお、移動範囲は図中上下方向に±30mm、紙面垂直方向に±30mm程度とすればよい。
本実施形態の光電子システム30は、希ガス光源1の放つ強度の高い単色光でELEPES分析をすることができる。
(実施形態3)
図4に、本発明の光電子システムの他の一例の断面図を示す。
本実施形態の光電子システム50は、実施形態2の光電子システム30と比較して、ステッピングモーター40,41、軸39、動力伝達部38及び溶接ベローズ37の代わりに密封容器内に鏡42a,42bが配置されていることのみ異なるものである。
鏡42a,42bは、キャピラリー34の窓部32a側に配置されている。鏡42a,42bの単色光Lに対する角度を調節することによって、希ガス光源1から放たれた単色光Lは、窓部32aを透過し、鏡42aで反射し、さらに鏡42bで反射した後、キャピラリ−34に入射するようになっている。このような構成にすることによって、窓部32aを移動させずに、希ガス光源1を移動させることにより、窓部32aの単色光Lが透過する部分を移動させることができる。
(実施形態4)
図5に、本発明の光電子システムの他の一例の断面図を示す。
本実施形態の光電子システム60は、実施形態3の光電子システム50と比較して、窓部32aの希ガス光源1側に鏡42c,42dがさらに配置されていることのみ異なるものである。
鏡42a〜42dは、いずれも360度回転可能である。鏡42a〜42dの単色光Lに対する角度を調節することによって、希ガス光源1から放たれた単色光Lは、まず鏡42dで反射した後、鏡42cで反射して、窓部32aを透過する。そして、窓部32aを透過した単色光Lは、鏡42aで反射し、さらに鏡42bで反射して、キャピラリ−34に入射するようになっている。よって、窓部32aの単色光Lが透過する部分は、鏡42a〜42dの単色光Lに対する角度を調節することによって、移動させることができる。このような構成にすることによって、希ガス光源1及び窓部32aを移動させずに、窓部32aの単色光Lが透過する部分を移動させることができる。
本発明は、強度の高い単色光を放つ希ガス光源を提供できる。この希ガス光源は、マイクロキャビティを用いることによって、高い分解能を示す単色光を放つ。
また、本発明は、希ガス光源の放つ強度の高い単色光を用いた光電子分光分析が可能な光電子システムを提供できる。本発明の光電子システムは、分解能の高い希ガス光源を用いることによって、極めて高価なレーザー光源を用いることなく、ELEPES分析ができるので、バルク敏感特性を利用した化学分析等に利用できる。
本発明の実施形態1に係る希ガス光源を示す断面図である。 図1のI−I矢視方向から見た断面図である。 本発明の実施形態2に係る光電子システムを示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る光電子システムを示す断面図である。 本発明の実施形態4に係る光電子システムを示す断面図である。
符号の説明
1 希ガス光源
2 容器
3 希ガス発光体
4 開口部
5,32a 窓部
6 イオン結晶フィルターユニット
6a,6b,6c イオン結晶フィルター
7 コンフラットフランジ
8,37 溶接ベローズ
9,38 動力伝達部
10 弾性体
11 発光体容器
12 光学調整窓
13 液体窒素容器
14 銅板
15 金属爪
16 液体窒素溜
17 加熱ヒーター
18 熱電対
19,20,40,41 ステッピングモーター
21,22,23,39 軸
30,50,60 光電子システム
31 密封容器
32 フランジ
32b フランジ片
34 キャピラリ−
35 レンズ
36 設置部
42a,42b,42c,42d 鏡

Claims (16)

  1. 開口部を有する容器と、前記容器内に配置されておりかつ希ガスを導入することによって発光する希ガス発光体とを含み、単色光を放つ希ガス光源であって、
    前記開口部を閉口する窓部と、前記希ガス発光体と前記窓部との間に配置されたイオン結晶フィルターとを含み、
    前記イオン結晶フィルターは、前記希ガス発光体の放つ光のうち前記単色光を透過することを特徴とする希ガス光源。
  2. 前記イオン結晶フィルターは、LiF、NaF、KF、RbF、CaF2、NaCl、KCl及びサファイアから選ばれる少なくとも1つを含む請求項1に記載の希ガス光源。
  3. 前記イオン結晶フィルターは、前記容器から着脱可能に配置されている請求項1に記載の希ガス光源。
  4. 前記イオン結晶フィルターは、前記容器内において移動可能に配置されている請求項1に記載の希ガス光源。
  5. 前記窓部は、イオン結晶からなる請求項1に記載の希ガス光源。
  6. 前記イオン結晶は、LiFからなる請求項5に記載の希ガス光源。
  7. 前記イオン結晶フィルターの温度を制御する制御部をさらに含む請求項1に記載の希ガス光源。
  8. 前記開口部と前記窓部との間に配置された弾性体をさらに含む請求項1に記載の希ガス光源。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載された希ガス光源と、開口部を有し、かつ測定試料が配置される密封容器とを含む光電子システムであって、
    前記開口部を閉口する窓部を含み、
    前記窓部は、前記希ガス光源から放たれる単色光を透過することを特徴とする光電子システム。
  10. 前記窓部は、イオン結晶からなる請求項9に記載の光電子システム。
  11. 前記イオン結晶は、LiFからなる請求項10に記載の光電子システム。
  12. 前記窓部は、前記単色光の光軸に対し移動可能に配置されている請求項9に記載の光電子システム。
  13. 前記窓部の前記密封容器側及び前記窓部の前記密封容器とは反対側の少なくとも一方に配置された複数の鏡をさらに含む請求項9に記載の光電子システム。
  14. 前記密封容器内に配置された、レンズと前記測定試料が設置される設置部とをさらに含み、
    前記レンズは、前記設置部と前記窓部との間に配置されている請求項9に記載の光電子システム。
  15. 前記レンズは、イオン結晶からなる請求項14に記載の光電子システム。
  16. 前記イオン結晶は、LiFからなる請求項15に記載の光電子システム。
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