JP2008075772A - クラッチユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】 構成部品の一部が押さえ治具に干渉することなく、シートリフタ部への組み付けを容易にする。
【解決手段】 入力側に設けられ、レバー操作により出力側への回転トルクの伝達・遮断を制御するレバー側クラッチ部11と、出力側に設けられ、レバー側クラッチ部11からの入力トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側からの逆入力トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部とからなり、レバー側クラッチ部11の外側センタリングばね19は円環状をなし、その両端にレバー側側板とブレーキ側側板に係止される一対の係止部19a,19aを有し、それら係止部19a,19aのうちの一方の係止部19aを、ブレーキ側側板23の外周に設けられたフランジ部23eに対して内径側へオフセットする。
【選択図】 図23

Description

本発明は、入力側からの回転トルクを出力側へ伝達するレバー側クラッチ部と、入力側からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に出力側からの逆入力トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部とを有するクラッチユニットに関する。
一般に、円筒ころやボール等の係合子を用いるクラッチユニットにおいては、入力側部材と出力側部材との間にクラッチ部が配設されるが、このクラッチ部は、前述の入力側部材と出力側部材間に形成される楔すきまに円筒ころやボール等の係合子を係合・離脱させることによって、入力トルクの伝達・遮断を制御する構成になっている。
この種のクラッチユニットは、レバー操作により座席シートを上下調整する自動車用シートリフタ部に組み込まれ、入力側からの回転トルクを出力側へ伝達するレバー側クラッチ部と、入力側からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に出力側からの逆入力トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部とを具備する(例えば、特許文献1,2参照)。
図24は前述の特許文献1,2に開示された従来のクラッチユニットの全体構成を示す断面図、図25は図24のO−O線に沿う断面図、図26は図24のP−P線に沿う断面図である。
図24および図25に示すように、レバー側クラッチ部111は、レバー操作によりトルクが入力される入力側部材としてのレバー側外輪114と、そのレバー側外輪114からのトルクをブレーキ側クラッチ部112に伝達する連結部材としての内輪115と、レバー側外輪114と内輪115間での係合・離脱によりレバー側外輪114からの入力トルクの伝達・遮断を制御する複数の係合子としての円筒ころ116と、各円筒ころ116を円周方向に所定間隔で保持する保持器117と、回転が拘束された静止側部材としてのブレーキ側外輪122と、保持器117とブレーキ側外輪122の間に設けられ、レバー側外輪114からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力で保持器を中立状態に復帰させる第一の弾性部材としての内側センタリングばね118と、レバー側外輪114とブレーキ側外輪122の間に設けられ、レバー側外輪114からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力でレバー側外輪114を中立状態に復帰させる第二の弾性部材としての外側センタリングばね119とで主要部が構成されている。
なお、図中、113はレバー側外輪114に加締め固定されてレバー側外輪114と共に入力側部材を構成するレバー側側板、130はウェーブワッシャ131を介して出力軸124に取り付けられたワッシャである。
一方、図24および図26に示すように、ブレーキ側クラッチ部112は、回転が拘束された静止側部材としてのブレーキ側外輪122と、レバー側クラッチ部111からのトルクが入力される連結部材としての内輪115と、ブレーキ側外輪122と出力軸124間のすきまに配設され、ブレーキ側外輪122と出力軸124間での係合・離脱により内輪115からの入力トルクの伝達と出力軸124からの逆入力トルクの遮断を制御する複数対の係合子としての円筒ころ125とで主要部が構成されている。
なお、内輪115のフランジ部は、円筒ころ125を円周方向に所定間隔で保持する保持器として機能する。図中、123はブレーキ側外輪122に加締め固定されてブレーキ側外輪122と共に静止側部材を構成するブレーキ側側板、126は各対の円筒ころ125間に配置された例えば断面N字形の板ばね、129はブレーキ側側板123に取り付けられた制動部材としての摩擦リングである。
特開2003−166555号公報 特開2003−97605号公報
ところで、特許文献1,2に開示された従来のクラッチユニットにおけるレバー側クラッチ部111を構成する一つの部品であるレバー側外輪114は、一枚の板状素材からプレス加工によりカップ状に成形されたものである。このレバー側外輪114は、前述したようにプレス加工によりカップ状に成形されることから、成形可能な板状素材の板厚に限度がある。つまり、ある一定以上の板厚を有する板状素材からレバー側外輪114をプレス加工により製作することが困難である。
そのため、レバー側外輪114の板厚を小さくせざるを得ず、その結果、レバー側外輪114の強度が低下し、また、弾性変形量が大きく、クラッチとしての破壊トルクの向上を図ることが困難であった。なお、破壊トルクとは、一般的に部品の強度の指標として、その部品が破壊に至る時点で負荷された最大トルクを意味する。
そこで、本出願人は前述の問題点に鑑み、レバー側外輪114の強度を向上させ、弾性変形量を小さくして破壊トルクの向上を容易に実現し得るクラッチユニットを先に提案している(特願2006−115218)。図27は本出願人が先に提案したクラッチユニットの全体構成を示す断面図、図28は図27の右側面図である。
このクラッチユニットでは、ブレーキ側クラッチ部212の構成部品であるブレーキ側側板223の外周に、上方に延びる二つのフランジ部223eと下方に延びる二つのフランジ部223eが設けられている(図28参照)。これら四つのフランジ部23eには、自動車用シートリフタ部への取付用孔223eが穿設されてその取付孔223eを囲撓するように円筒部223eが軸方向に突設されている。
このクラッチユニットをシートリフタ部に組み付けるに際しては、ブレーキ側側板223に設けられたフランジ部223eをシートリフタ部のシートフレーム(図示せず)に加締め固定する。つまり、ブレーキ側側板223のフランジ部223eの一方の面、すなわち、円筒部223eを形成していない面に押さえ治具(図示せず)を当接させた状態で、フランジ部223eの他方の面、すなわち、円筒部223eを形成した面側に配置された加締め治具(図示せず)を円筒部223eの取付用孔223eに圧入することにより、その円筒部223eの先端部分を外側へ拡径させるように塑性変形させることでシートフレームに加締め固定している。
この時、レバー側クラッチ部211の構成部品である外側センタリングばね219(図24の外側センタリングばね119に相当するもの)の両端に設けられた一対の係止部219aの近傍部位が径方向外側へ突出する形状となっていることから(図28参照)、ブレーキ側側板223のフランジ部223eの円筒部223eを加締める際に、その係止部219aが押さえ治具と干渉することになる。その結果、クラッチユニットをシートリフタ部に組み付ける作業が困難になる。
そこで、本発明は前述の点を改善するために提案されたもので、その目的とするところは、構成部品の一部が押さえ治具に干渉することなく、シートリフタ部への組み付けを容易にし得るクラッチユニットを提供することにある。
本発明に係るクラッチユニットは、入力側に設けられ、レバー操作により出力側への回転トルクの伝達・遮断を制御するレバー側クラッチ部と、出力側に設けられ、レバー側クラッチ部からの入力トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側からの逆入力トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部とからなる構成を具備する。
このクラッチユニットにおけるレバー側クラッチ部は、レバー操作によりトルクが入力される入力側部材と、入力側部材からのトルクをブレーキ側クラッチ部に伝達する連結部材と、入力側部材と連結部材間での係合・離脱により入力側部材からの入力トルクの伝達・遮断を制御する複数の係合子と、各係合子を円周方向に所定間隔で保持する保持器と、回転が拘束された静止側部材と、保持器と静止側部材の間に設けられ、入力側部材からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力で保持器を中立状態に復帰させる第一の弾性部材と、入力側部材と静止側部材の間に設けられ、入力側部材からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力で入力側部材を中立状態に復帰させる第二の弾性部材とを備えている。
前述の目的を達成する技術的手段として、本発明におけるレバー側クラッチ部の第二の弾性部材は円環状をなし、その両端に入力側部材と静止側部材に係止される一対の係止部を有し、それら係止部のうちの一方の係止部を、静止側部材の外周に設けられたクラッチ取付部に対して内径側へオフセットしたことを特徴とする。ここで、オフセットとは、位置をずらすことを意味する。
本発明に係るクラッチユニットは、レバー側クラッチ部およびブレーキ側クラッチ部を自動車用シートリフタ部に組み込むことで自動車用途として適している。その場合、入力側部材が操作レバーに結合され、出力側部材が自動車用シートリフタ部の回転部材に連結された構造となる。
本発明では、レバー側クラッチ部における円環状の第二の弾性部材の両端に設けられた一対の係止部のうち、一方の係止部を、静止側部材の外周に設けられたクラッチ取付部に対して内径側へオフセットしたことにより、クラッチユニットを自動車用シートリフタ部に組み付けるに際して、第二の弾性部材の係止部が押さえ治具と干渉することを回避できる。
このクラッチユニットにおけるブレーキ側クラッチ部は、レバー側クラッチ部からのトルクが入力される連結部材と、トルクが出力される出力側部材と、回転が拘束された静止側部材と、その静止側部材と出力側部材間の楔すきまに配設され、両部材間での係合・離脱により連結部材からの入力トルクの伝達と出力側部材からの逆入力トルクの遮断を制御する複数対の係合子とを備えた構成とすることが可能である。
本発明によれば、レバー側クラッチ部における円環状の第二の弾性部材の両端に設けられた一対の係止部のうち、一方の係止部を、静止側部材の外周に設けられたクラッチ取付部に対して内径側へオフセットしたことにより、クラッチユニットを自動車用シートリフタ部に組み付けるに際して、第二の弾性部材の係止部が押さえ治具と干渉することを回避できる。その結果、クラッチユニットを自動車用シートリフタ部に組み込む作業が容易となり、作業性の向上が図れる。
図1は本発明の実施形態におけるクラッチユニットXの全体構成を示し、図2のC−C線に沿う断面図、図2は図1に示すクラッチユニットXの左側面図、図3は図1に示すクラッチユニットXの右側面図、図4は図1のA−Aに沿う断面図、図5は図1のB−B線に沿う断面図である。
また、図6〜図19はクラッチユニットXの各構成部品を示す図、図20および図21はクラッチユニットXを組み込む自動車用シートリフタ部を示す図、図22および図23はクラッチユニットをシートリフタ部に組み込む要領を説明するための図である。
クラッチユニットXは、例えばレバー操作により座席シートの高さ調整を行う自動車用シートリフタ部(図20および図21参照)に組み込まれる。このクラッチユニットXは、図1に示すように入力側に設けられたレバー側クラッチ部11と、出力側に設けられた逆入力遮断機能のブレーキ側クラッチ部12とで構成されている。
レバー側クラッチ部11は、図1に示すように、例えばレバー(図示せず)が連結された入力側部材としてのレバー側外輪14(図8参照)およびレバー側側板13(図9参照)と、連結部材としての内輪15(図13参照)と、係合子としての例えば複数の円筒ころ16と、円筒ころ16を保持する保持器17(図14参照)と、保持器17を中立状態に復帰させるための第一の弾性部材である内側センタリングばね18(図6参照)と、レバー側外輪14を中立状態に復帰させるための第二の弾性部材である外側センタリングばね19(図7参照)とを有する。なお、内輪15の有底筒状部15aの端部にワッシャ30を圧入することにより、構成部品の抜け止めとしている。
レバー側外輪14は、打ち抜き加工された厚肉の板状部材で構成されている。このレバー側外輪14の内周には、複数のカム面14aが円周方向等間隔に形成されている(図4参照)。内輪15は、その外径にレバー側外輪14のカム面14aとの間に楔すきま21を形成する外周面15aを備えている。保持器17は、円筒ころ16を収容する複数のポケット20を有する。
内側センタリングばね18は、図6(a)(b)に示すように径方向内側に屈曲させた一対の係止部18aを有する断面円形状の部材からなり、外側センタリングばね19の内径側に位置する(図1参照)。内側センタリングばね18は断面円形を有することから、軸方向寸法が小さく、レバー側クラッチ部11とブレーキ側クラッチ部12との間で内側センタリングばね18が配置される空間の軸方向寸法を小さくすることでクラッチユニットのコンパクト化を実現している。
この内側センタリングばね18は、保持器17とブレーキ側クラッチ部12の静止側部材であるブレーキ側外輪22(カバー22b)との間に配設され、両係止部18aが保持器17に係止されると共にブレーキ側外輪22(カバー22b)に設けられた爪部22b(図1参照)に係止されている。
この内側センタリングばね18では、レバー側外輪14からの入力トルクの作用時、一方の係止部18aが保持器17の一部に、他方の係止部18aがブレーキ側外輪22(カバー22b)の爪部22bにそれぞれ係合するので、レバー側外輪14の回転に伴って内側センタリングばね18が押し拡げられて弾性力が蓄積され、レバー側外輪14からの入力トルクの開放時、その弾性復元力により保持器17を中立状態に復帰させる。
外側センタリングばね19は、図7(a)〜(c)に示すように円環状をなし、その両端を軸方向の一方に屈曲させた一対の係止部19a,19aを有し、内側センタリングばね18の外径側に位置する(図1参照)。外側センタリングばね19は、一方の係止部19aを円環部19bとほぼ同径位置から軸方向に屈曲させ、他方の係止部19aを円環部19bから径方向外側へ突出した位置で軸方向に屈曲させた形状をなす。また、外側センタリングばね19は、ブレーキ側側板23に延設されたストッパ部23d(図1および図2参照)により軸方向移動(図1左側への移動)が規制されている。
なお、この外側センタリングばね19は、円環部19bおよび係止部19a,19aを持つ螺旋状であることから、内側センタリングばね18よりも大きな軸方向寸法を有することになるが〔図7(b)参照〕、レバー側クラッチ部11の入力側部材を構成するレバー側外輪14およびレバー側側板13の外側に配置されるため、前述したように内側センタリングばね18を断面円形にしたことによるクラッチユニットXのコンパクト化を阻害するものではない。
外側センタリングばね19は、レバー側外輪14に加締め固定されたレバー側側板13とブレーキ側クラッチ部12のブレーキ側外輪22に加締め固定されたブレーキ側側板23との間に配設され、両係止部19a,19aがレバー側側板13に設けられた爪部13aから延びる折曲部13a11に係止されると共にブレーキ側側板23に設けられた爪部23aから延びる起立部23aに係止されている(図2および図3参照)。この係止部19a,19aは、内側センタリングばね18の係止部18aに対して円周方向の位相をずらせて配置されている。
この外側センタリングばね19では、レバー側外輪14から入力トルクが作用してレバー側外輪14の回転に伴ってレバー側側板13が回転した場合、一方の係止部19aがレバー側側板13の爪部13aから延びる折曲部13a11に、他方の係止部19aがブレーキ側側板23の爪部23aから延びる起立部23aにそれぞれ係合するので、レバー側外輪14の回転に伴って外側センタリングばね19が押し拡げられて弾性力が蓄積され、レバー側外輪14からの入力トルクを開放すると、その弾性復元力によりレバー側外輪14を中立状態に復帰させる。
ロック型と称されるタイプで逆入力遮断機能を有するブレーキ側クラッチ部12は、図5に示すようにレバー側クラッチ部11からのトルクが入力される連結部材としての内輪15(図13参照)と、出力側部材としての出力軸24(図18参照)と、回転が拘束された静止側部材としてのブレーキ側外輪22(図15,16参照)およびブレーキ側側板23(図17参照)と、そのブレーキ側外輪22と出力軸24間の楔すきま28に配設され、両部材間での係合・離脱により内輪15からの入力トルクの伝達と出力軸24からの逆入力トルクの遮断を制御する複数対の係合子としての円筒ころ25と、各対の円筒ころ25間に介挿され、それら円筒ころ25同士に離反力を付勢する弾性部材としての例えば断面M字形の板ばね26とで主要部が構成されている。
出力軸24の外径に複数のカム面24a(例えば4面)が円周方向等間隔に形成され、ブレーキ側外輪22の内周面22aとの間で設けられた楔すきま28に円筒ころ25および板ばね26が配されている。内輪15の拡径部15b(図1および図13参照)は、円筒ころ25および板ばね26を収容するポケット27aが円周方向等間隔に形成された保持器としても機能する。
なお、ブレーキ側側板23には、楔すきま28(図5参照)に配された円筒ころ25を位置規制するための凸部23fが形成されている(図1参照)。つまり、楔すきま28では、円筒ころ25の軸方向位置を安定化させる必要があることから、ブレーキ側側板23の円筒ころ25と対向する面を突出させて凸部23fを形成し、その凸部23fを円筒ころ25の端面に当接させる。この凸部23fにより円筒ころ25の軸方向位置が規制され、その円筒ころ25の軸方向位置の安定化が図れる。
この出力軸24の外径に形成されたカム面24aは、図5および図18(a)に示すように板ばね26が位置する中央部位を境界に分割することにより断面山型をなす二つの斜面部24aで構成されている。このように、カム面24aを断面山型をなす二つの斜面部24aで構成すれば、コンパクト化を目的として、ブレーキ側外輪22の内径を小さくした場合であっても、楔すきま28における楔角が大きくなることはなく、適正な楔角を持つ楔すきま28とすることができる。その結果、ブレーキ側外輪22の内周面と出力軸24のカム面24aとの間で円筒ころ25を係合させることが容易となって適正なタイミングで回転トルクの伝達あるいは遮断を実行させることができる。
ブレーキ側側板23には、図1に示すように制動部材として樹脂製の摩擦リング29(図19参照)が取り付けられており、その摩擦リング29を出力軸24の大径部24dに形成された環状凹部24bの内周面24eに締め代をもって圧入している(図18参照)。これにより、摩擦リング29の外周面29cを出力軸24の環状凹部24bの内周面24eに圧接することで、出力軸24に制動力を作用させるようにしている(図5参照)。
摩擦リング29の端面には、その円周方向に沿って等間隔に円形の突起29aが複数個設けられ、この突起29aをブレーキ側側板23の孔23cに圧入して嵌合させることによりブレーキ側側板23に固着される(図2参照)。この突起29aの圧入時、樹脂材による突起29aの弾性変形でもって孔23cとの嵌合状態が得られる。このように突起29aと孔23cの圧入嵌合構造を採用することにより、搬送時などの取り扱いで摩擦リング29がブレーキ側側板23から脱落することを未然に防止でき、組立時のハンドリング性を向上させることができる。
この突起29aの断面形状としては、円柱状に限らず、円錐台形状あるいは段付き円柱状などが可能である。図19(d)は円柱状の突起29a、同図(e)は円錐台形状の突起29a、同図(f)は段付き円柱状の突起29aをそれぞれ例示する。摩擦リング29の突起29aの形状を円錐台形状や段付き円柱状とすれば、円柱状に比べてブレーキ側側板23の孔23cに対する挿入作業が容易であり、かつ、圧入による嵌合構造における脱落防止がより一層確実となる。
ブレーキ側外輪22は、打ち抜き加工された厚肉の板状部材22aと、プレス加工されたカバー22bとの二部材で構成され、その板状部材22aとカバー22bをブレーキ側側板23により一体的に加締め固定した構造を有する。このブレーキ側外輪22の内周面22aと出力軸24のカム面24aとの間に楔すきま28が形成されている。ブレーキ側外輪22のカバー22bには、レバー側クラッチ部11の内側センタリングばね18と係合する係止部22b(図1参照)が形成されている。
出力軸24には、図5および図18(a)に示すように外径方向に突出する複数(図では4つ)の凸部24cを円周方向に沿って配設し、円筒ころ25および板ばね26が収容されていないポケット27bに円周方向に隙間を設けた状態で挿入配置している。このように出力軸24の大径部24dの外径に凸部24cを設けたことにより、その凸部24cをブレーキ側外輪22(板状部材22a)の内径に当接させて出力軸24をブレーキ側外輪22(板状部材22a)の内径で支持することができる。その結果、出力軸24とブレーキ側外輪22との間の楔すきま28で円筒ころ25が係合・離脱を繰り返しても、出力軸24の偏心を抑止することができ、楔すきま28での円筒ころ25の係合・離脱を安定化させることができる。
以上の構成からなるクラッチユニットXにおけるレバー側クラッチ部11およびブレーキ側クラッチ12の動作を説明する。
レバー側クラッチ部11では、レバー側外輪14に入力トルクが作用すると、円筒ころ16が楔すきま21に係合し、その円筒ころ16を介して内輪15にトルクが伝達されて内輪15が回転する。この時、レバー側外輪14および保持器17の回転に伴って両センタリングばね18,19に弾性力が蓄積される。その入力トルクがなくなると、両センタリングばね18,19の弾性力によりレバー側外輪14および保持器17が中立状態に復帰する一方で、内輪15は、与えられた回転位置をそのまま維持する。従って、このレバー側外輪14の回転繰り返し、つまり、レバーのポンピング操作により、内輪15に回転量が重畳的に蓄積される。
ブレーキ側クラッチ部12では、出力軸24に逆入力トルクが入力されると、円筒ころ25が楔すきま28と係合して出力軸24がブレーキ側外輪22に対してロックされる。従って、出力軸24からの逆入力トルクは、ブレーキ側クラッチ部12によってロックされてレバー側クラッチ部11への逆入力トルクの還流が遮断される。
一方、レバー側外輪14からの入力トルクがレバー側クラッチ部11を介して内輪15に入力され、内輪15が円筒ころ25と当接して板ばね26の弾性力に抗して押圧することにより、その円筒ころ25が楔から離脱して出力軸24のロック状態が解除され、出力軸24は回転可能となる。内輪15がさらに回転すると、内輪15と出力軸24の凸部24cとの隙間が詰まって内輪15が出力軸24の凸部24cと当接することにより、内輪15からの入力トルクが凸部24cを介して出力軸24に伝達され、出力軸24が回転する。
次に、このクラッチユニットXにおけるレバー側クラッチ部11およびブレーキ側クラッチ部12の主要な構成部品について詳述する。
図8(a)(b)はレバー側クラッチ部11のレバー側外輪14を示す。このレバー側外輪14は、一枚の素材を打ち抜き加工した厚肉の板状部材で構成されている。レバー側外輪14の外周には、レバー側側板13の爪部13b〔図9(a)(b)参照〕が挿入される複数(図では3つ)の切欠き凹部14bが形成されている。この切欠き凹部14bに挿入されたレバー側側板13の爪部13bを加締めることによりレバー側側板13とレバー側外輪14が連結されている。レバー側外輪14とそのレバー側外輪14に加締め固定されたレバー側側板13とでレバー側クラッチ部11の入力側部材を構成している。
また、レバー側外輪14の外周に設けられた複数(図では3つ)の切欠き凹部14c,14cのうち、1つの切欠き凹部14cには、レバー側側板13の一つの爪部13aが挿入される〔図9(a)(b)参照〕。この爪部13aを径方向外側に延在させてその先端を逆U字状に折り曲げ成形し、その折曲部13a11を外側センタリングばね19の係止部19aと19a間に配置している。残り2つの切欠き凹部14cには、レバー側側板13の爪部13aが挿入される。
レバー側側板13の爪部13aは、レバー側外輪14が回転すると共に回転し、ブレーキ側外輪22のカバー22bの回転ストッパであるストッパ部22bと周方向接触することで、レバーの操作角度を規制することができる。なお、この爪部13aは、ストッパ部22bと繰り返し接触することから応力が作用して変形し易いことから、そのレバー操作の繰り返し応力に対する強度を確保するため、リブ13a21が形成されている。このリブ13a21により、爪部13aの強度を確保することができるので、レバー操作の繰り返し応力や過大応力などにより爪部13aが変形することを抑制できる。
ここで、レバー側クラッチ部11の入力側部材を構成するレバー側外輪14とレバー側側板13の加締め構造では、レバー側外輪14を構成する板状部材が打ち抜き加工により成形されていることから、レバー側外輪14における一方の面側にダレが存在し、他方の面側にバリが存在することになる。
そこで、図10に示すようにレバー側外輪14の打ち抜き加工によるダレα側でレバー側側板13と接合させ、レバー側外輪14の打ち抜き加工によるバリ側に面取り部14dを形成してその面取り部14dでレバー側側板13をレバー側外輪14に加締めるようにする。この面取り部14dは、図11に示すC面取り14dあるいは図12に示すR面取り14dのいずれであってもよい。なお、図11および図12は、図10の要部を下方から見た図である。
この加締め構造では、そのレバー側外輪14の切り欠き凹部14bにレバー側側板13の爪部13bを挿入した上で、図11あるいは図12に示すようにそのレバー側側板13の爪部13bの二股状部分を円周方向外側へ塑性変形させることにより、レバー側外輪14にレバー側側板13を加締め固定する。
レバー側外輪14とレバー側側板13を接合するに際して、レバー側外輪14の打ち抜き加工によるダレ側でレバー側側板13と接合させることにより、レバー側外輪14とレバー側側板13を密着させ、レバー側外輪14の打ち抜き加工によるバリ側でレバー側側板13を加締める。この時、レバー側外輪14の打ち抜き加工によるバリ側で面取り部14d(14d,14d)を形成したことにより、レバー側外輪14の切り欠き凹部14bの周縁部でバリがなくなっていることから、レバー側側板13の加締め部分に折損や変形などが発生してその加締め部分がレバー側外輪14から外れることを抑制できる。その結果、レバー側外輪14とレバー側側板13の密着度を確保することも容易となる。
内輪15は、図13(a)(b)に示すように有底筒状部15aの開口端に拡径部15bを形成し、その拡径部15bの外周縁に円周方向に沿って、円筒ころ25および板ばね26が収容される複数(4個)のポケット27aと出力軸24の凸部24cが収容される複数(4個)のポケット27bが交互に形成されている。前述の有底筒状部15aの底面には、空気孔15cが形成されている。なお、円筒ころ25および板ばね26が収容されるポケット27aは幅広で、出力軸24の凸部24cが収容されるポケット27bは幅狭となっている。
この内輪15の形状を有底筒状としたことにより、強度の向上を図っている。また、その有底筒状部15aに設けられた空気孔15cは、出力軸24の組み付け時に空気抜きの作用を発揮する。
図14(a)〜(c)はレバー側クラッチ部11における樹脂製の保持器17を示す。保持器17は、その円周方向等間隔に円筒ころ16を回転自在に収容する複数のポケット20を形成した円筒状部材である。この保持器17の一方の端部には、二つの切欠き凹部17aが形成され、それぞれの切欠き凹部17aの隣接する端面17aに前述の内側センタリングばね18の係止部18aが係止される。
保持器17は、その切欠き凹部17aの隣接する端面17aに内側センタリングばね18の係止部18aが係止されることから、その内側センタリングばね18からの応力負荷を受けて保持器17にクラックが発生する可能性がある。
そこで、内側センタリングばね18からの応力負荷によるクラックの発生を抑制するため、保持器17は、その主成分である樹脂材、例えばPA(ポリアミド)、PP(ポリプロピレン)、POM(ポリアセタール)あるいはPBT(ポリブチレンテレフタレート)などにグラスファイバを25%以上、好ましくは25%〜40%配合した素形材で成形する。保持器17の素形材を前述のような組成とすることにより、保持器17の強度を向上させることができる。
なお、前述のグラスファイバの配合比が25%よりも小さいと、保持器17にクラックが発生する可能性があり、強度を向上させることが困難となる。また、グラスファイバの配合比が40%よりも大きいと、保持器17が脆くなって所望の強度を確保することが困難となる。
次に、図15(a)(b)および図16(a)(b)はブレーキ側外輪22を構成する板状部材22aおよびカバー22bを示す。ブレーキ側外輪22は、一枚の素材を打ち抜き加工した厚肉の板状部材22aと、一枚の別素材をプレス加工したカバー22bとの二部材で構成され、その板状部材22aとカバー22bを、図17(a)(b)に示すブレーキ側側板23により一体的に加締め固定した構造を有する。
ブレーキ側外輪22を構成する板状部材22aの外周には複数(3個)の切欠き凹部22aが形成されると共に、カバー22bの外周にも複数(3個)の切欠き凹部22bが形成され、これら切欠き凹部22a,22bにブレーキ側側板23の爪部23b〔図17(a)(b)参照〕が挿入される。これら切欠き凹部22a,22bに挿入されたブレーキ側側板23の爪部23bを加締めることにより板状部材22aとカバー22bを連結してブレーキ側外輪22としてブレーキ側側板23と共に一体化する。
また、板状部材22aの外周に形成された切欠き凹部22aとカバー22bの外周に形成された切欠き凹部22bには、ブレーキ側側板23の爪部23aが挿入される。このブレーキ側側板23の爪部23aを径方向外側へ屈曲された起立部23aが外側センタリングばね19の係止部19aと19a間に配置される(図2参照)。
カバー22bには軸方向に突出する爪部22bが形成され、その爪部22bを内側センタリングばね18の係止部18a間に配置している。このカバー22bの爪部22bは、その爪部形成位置の外径側を面起こしすることにより形成されている。このように、カバー22bの爪部形成位置の外径側を面起こしすることにより爪部22bを形成すれば、カバー22bの中央に形成された打ち抜き孔22bの真円度を悪化させることなく、その打ち抜き孔22bの精度(真円度)を確保することが可能となる。
なお、図15(a)および図16(a)に示す符号22aおよび22bは、ブレーキ側側板23に延設されたストッパ部23d(図1参照)の逃げとして、ブレーキ側外輪22の板状部材22aおよびカバー22bに設けられた切欠き凹部である。また、図16(a)に示す符号22bは、カバー22bの外周に突設されたストッパ部で、このストッパ部22bとレバー側側板13の爪部13aとの間に所定の周方向すきまをもっており、レバー操作によりレバー側外輪14に加締め固定されたレバー側側板13が回転した場合、このレバー側側板13の爪部13aがカバー22bのストッパ部22bに当接することによりレバー側外輪14の回転を規制することでレバーの操作角度を規制するようにしている。
前述のようにブレーキ側外輪22を、打ち抜き加工された板状部材22aとカバー22bとの二部材で構成したことにより、その板状部材22aを厚肉とすることができ、ブレーキ側外輪22の強度を向上させ、弾性変形量を小さくして破壊トルクの向上を容易に実現することができる。このブレーキ外輪22では、強度を必要とする板状部材22aのみを熱処理し、カバー22bは、強度を比較的要求されないため、熱処理を行わなくてもよく、低コスト化が図れる。高強度が必要となった場合は、熱処理を行えばよい。
前述したブレーキ側側板23の外周には、シートリフタ部へのクラッチ取付部として、図17(a)(b)に示すように上方に延びる一つのフランジ部23eと下方に延びる二つのフランジ部23eが設けられている(図1〜図4参照)。これら三つのフランジ部23eの先端部には、シートリフタ部への取付用孔23eが穿設されてその取付孔23eを囲撓するように円筒部23eが軸方向に突設されている。
ここで、レバー側側板13の爪部13aから延びる折曲部13a11をブレーキ側側板23の爪部23aから延びる起立部23aに当接させると共に、レバー側側板13の二つの爪部13aをブレーキ側外輪22のカバー22bに当接させる。つまり、レバー側側板13の折曲部13a11におけるブレーキ側側板23の起立部23aとの対向面(図9のクロスハッチング部位)をブレーキ側側板23の起立部23aに当接させると共に、レバー側側板13の二つの爪部13aの先端面(図9のクロスハッチング部位)をカバー22bに当接させる。レバー側側板13を、その折曲部13a11と二つの爪部13aからなる三つの面当たりでもってブレーキ側側板23およびカバー22bに位置決め配置した構造としている。このような支持構造とすることにより、ブレーキ側側板23およびカバー22bに対するレバー側側板13の組み付け状態を安定化させることができる。
図18(a)(b)は出力軸24を示す。出力軸24の軸方向中央部位に一体的に設けられた大径部24dの外周面に4つのカム面24aが円周方向等間隔に形成され、隣接するカム面24aの間に凸部24cが配設されている。各カム面24aは、断面山型をなす二つの斜面部24aで構成されている。凸部24cは、その出力軸24をブレーキ側外輪22の内径で支持される。この大径部24dの一方の端面には、摩擦リング29が収容配置される環状凹部24bが形成されている。
図19(a)〜(c)は樹脂製の摩擦リング29を示す。摩擦リング29の端面には、その円周方向に沿って等間隔に円形の突起29aが設けられ、この突起29aをレバー側側板23の孔23cに嵌合させることによりレバー側側板23に取り付けられる。この摩擦リング29は出力軸24の大径部24dに形成された環状凹部24bの内周面24eに締め代をもって圧入される(図18参照)。摩擦リング29の外周面29cと出力軸24の環状凹部24bの内周面24eとの間に生じる摩擦力によって、出力軸24の回転方向の制動力が付与される。この制動力の大きさは、出力軸24に入力される逆入力トルクの大きさを勘案して適宜設定すればよい。
この摩擦リング29の外周面29cには、複数の凹溝状のスリット29bが円周方向等間隔に形成されている〔図5および図19(a)(c)参照〕。このようにスリット29bを設けることにより、摩擦リング29に弾性を持たせることができることから、出力軸24の内径公差および摩擦リング29の外径公差に対する摺動トルクの変化率が大きくなることはない。つまり、摩擦リング29の外周面29cと出力軸24の環状凹部24bの内周面24eとの間に生じる摩擦力によって付与される制動力の設定範囲を小さくすることができて制動力の大きさを適正に設定することが容易となる。また、そのスリット29bがグリース溜まりとなるので摩擦リング29の外周面29cが出力軸24の環状凹部24bの内周面24eとの摺動で摩耗することを抑制できる。
以上で詳述した構造を具備するクラッチユニットXは、例えば自動車用シートリフタ部に組み込まれて使用される。図20は自動車の乗員室に装備される座席シート40を示す。座席シート40は着座シート40aと背もたれシート40bとで構成され、着座シート40aの高さHを調整するシートリフタ部41などを備えている。着座シート40aの高さHの調整はシートリフタ部41の操作レバー41aによって行う。
図21(a)はシートリフタ部41の一構造例を概念的に示す。シートスライドアジャスタ41bのスライド可動部材41bにリンク部材41c,41dの一端がそれぞれ回動自在に枢着される。リンク部材41c,41dの他端はそれぞれ着座シート40aに回動自在に枢着される。リンク部材41cの他端はリンク部材41eを介してセクターギヤ41fに回動自在に枢着される。セクターギヤ41fは着座シート40aに回動自在に枢着され、支点41f回りに揺動可能である。リンク部材41dの他端は着座シート40aに回動自在に枢着される。
前述した実施形態のクラッチユニットXは、着座シート40aの適宜の部位に固定され、レバー側クラッチ部11のレバー側側板13に例えば樹脂製の操作レバー41aが結合され、ブレーキ側クラッチ部12の出力軸24に回転部材であるセクターギヤ41fと噛合するピニオンギヤ41gが設けられている。このピニオンギヤ41gは、図1および図18(a)(b)に示すように出力軸24の軸端に一体的に形成されている。
例えば、図21(b)において、操作レバー41aを反時計方向(上側)に揺動操作すると、その方向の入力トルクがクラッチユニットXを介してピニオンギヤ41gに伝達され、ピニオンギヤ41gが反時計方向に回動する。そして、ピニオンギヤ41gと噛合するセクターギヤ41fが時計方向に揺動して、リンク部材41cの他端をリンク部材41eを介して引っ張る。その結果、リンク部材41cとリンク部材41dが共に起立して、着座シート40aの座面が高くなる。
このようにして、着座シート40aの高さHを調整した後、操作レバー41aを開放すると、操作レバー41aが二つのセンタリングばね18,19の弾性力によって時計方向に回動して元の位置(中立状態)に戻る。なお、操作レバー41aを時計方向(下側)に揺動操作した場合は、上記とは逆の動作によって、着座シート40aの座面が低くなる。また、高さ調整後に操作レバー41aを開放すると、操作レバー41aが反時計方向に回動して元の位置(中立状態)に戻る。
このクラッチユニットXをシートリフタ部41の座席シート40の適宜の部位に固定するに際しては、図22に示すようにブレーキ側側板23に設けられた三つのフランジ部23eを座席シート40のシートフレーム40cに加締め固定する。つまり、同図に示すようにブレーキ側側板23のフランジ部23eの一方の面、すなわち、円筒部23eを形成していない面に押さえ治具50aを当接させた状態で、フランジ部23eの他方の面、すなわち、円筒部23eを形成した面側に配置された加締め治具50bを円筒部23eの取付用孔23eに圧入することにより、その円筒部23eの先端部分を外側へ拡径させるように塑性変形させることでシートフレーム40cに加締め固定する。
この時、図23に示すように外側センタリングばね19の両端を軸方向の一方に屈曲させた一対の係止部19a,19aのうち、一方の係止部19a(図中破線で示す)が他方の係止部19a(図中実線で示す)と同様に円環部19bよりも径方向外側へ突出する形状とした場合、ブレーキ側側板23のフランジ部23eの円筒部23eを加締める際に、その一方の係止部19aが押さえ治具50aと干渉することになる。
そこで、この実施形態のクラッチユニットXでは、外側センタリングばね19について、前述した一方の係止部19aを円環部19bとほぼ同径位置から軸方向に屈曲させた形状としている〔図7(a)〜(c)参照〕。このように外側センタリングばね19の一方の係止部19a、つまり、ブレーキ側側板23の上方に位置するフランジ部23e側に配置された係止部19aを内径側へオフセットする。つまり、その係止部19aを円環部19bとほぼ同径位置から軸方向に屈曲させた形状とする。これにより、ブレーキ側側板23のフランジ部23eの円筒部23eを加締める際に、外側センタリングばね19の係止部19aが押さえ治具50aと干渉することはない。
その結果、外側センタリングばね19の係止部19aが干渉することなく、押さえ治具50aをブレーキ側側板23に容易に当接させることができるので、ブレーキ側側板23のフランジ部23eの円筒部23eを加締め治具50bにより確実に加締めることができる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明の実施形態におけるクラッチユニットの全体構成で、図2のC−C線に沿う断面図である。 図1の左側面図である。 図1の右側面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図1のB−B線に沿う断面図である。 (a)は内側センタリングばねを示す側面図、(b)は(a)のD−D線に沿う断面図である。 (a)は外側センタリングばねを示す側面図、(b)は(a)の正面図、(c)は(b)の部分上面図である。 (a)はレバー側外輪を示す側面図、(b)は(a)のE−E線に沿う断面図である。 (a)はレバー側側板を示す側面図、(b)は(a)のF−F線に沿う断面図である。 レバー側外輪とレバー側側板の加締め構造を示す要部拡大断面図である。 図10の加締め構造において、面取り部をC面取りとした場合を示す下面図である。 図10の加締め構造において、面取り部をR面取りとした場合を示す下面図である。 (a)は内輪を示す側面図、(b)は(a)のG−G線に沿う断面図である。 (a)は保持器を示す側面図、(b)は(a)のH−H線に沿う断面図、(c)は(b)のI−I線に沿う断面図である。 (a)はブレーキ側外輪を示す側面図、(b)は(a)のJ−J線に沿う断面図である。 (a)はカバーを示す側面図、(b)は(a)のK−K線に沿う断面図である。 (a)はブレーキ側側板を示す側面図、(b)は(a)のL−L線に沿う断面図である。 (a)は出力軸を示す側面図、(b)は(a)のM−M線に沿う断面図である。 (a)は摩擦リングを示す側面図、(b)は(a)のN−N線に沿う断面図、(c)は(a)の反対側を示す側面図、(d)は(b)の円柱状の突起を示す要部拡大図、(e)は(b)の突起の変形例(テーパ状突起)を示す要部拡大図、(f)は(b)の突起の変形例(段付き突起)を示す要部拡大図である。 自動車の座席シートを示す概念図である。 (a)はシートリフタ部の一構造例を示す概念図、(b)はその要部拡大図である。 クラッチユニット(図1参照)をシートリフタ部に組み付けるに際して使用する押さえ治具および加締め治具を示す図である。 クラッチユニット(図3参照)をシートリフタ部に組み付けるに際して使用する押さえ治具を示す図である。 従来のクラッチユニットの全体構成を示す断面図である。 図24のO−O線に沿う断面図である。 図24のP−P線に沿う断面図である。 本出願人が先に提案したクラッチユニットの全体構成を示す断面図である。 図27の右側面図である。
符号の説明
11 レバー側クラッチ部
12 ブレーキ側クラッチ部
13 入力側部材(レバー側側板)
14 入力側部材(レバー側外輪)
15 連結部材(内輪)
16 係合子(円筒ころ)
17 保持器
18 第一の弾性部材(内側センタリングばね)
19 第二の弾性部材(外側センタリングばね)
19a,19a 係止部
22 静止側部材(ブレーキ側外輪)
23 静止側部材(ブレーキ側側板)
23e クラッチ取付部(フランジ部)
24 出力側部材(出力軸)
25 係合子(円筒ころ)

Claims (4)

  1. 入力側に設けられ、レバー操作により出力側への回転トルクの伝達・遮断を制御するレバー側クラッチ部と、出力側に設けられ、前記レバー側クラッチ部からの入力トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側からの逆入力トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部とからなり、
    前記レバー側クラッチ部は、レバー操作によりトルクが入力される入力側部材と、入力側部材からのトルクをブレーキ側クラッチ部に伝達する連結部材と、前記入力側部材と連結部材間での係合・離脱により入力側部材からの入力トルクの伝達・遮断を制御する複数の係合子と、各係合子を円周方向に所定間隔で保持する保持器と、回転が拘束された静止側部材と、前記保持器と静止側部材の間に設けられ、入力側部材からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力で保持器を中立状態に復帰させる第一の弾性部材と、前記入力側部材と静止側部材の間に設けられ、入力側部材からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力で入力側部材を中立状態に復帰させる第二の弾性部材とを備え、
    前記レバー側クラッチ部の第二の弾性部材は円環状をなし、その両端に前記入力側部材と静止側部材に係止される一対の係止部を有し、それら係止部のうちの一方の係止部を、前記静止側部材の外周に設けられたクラッチ取付部に対して内径側へオフセットしたことを特徴とするクラッチユニット。
  2. 前記ブレーキ側クラッチ部は、レバー側クラッチ部からのトルクが入力される連結部材と、トルクが出力される出力側部材と、回転が拘束された静止側部材と、その静止側部材と出力側部材間の楔すきまに配設され、両部材間での係合・離脱により前記連結部材からの入力トルクの伝達と出力側部材からの逆入力トルクの遮断を制御する複数対の係合子とを備えた請求項1に記載のクラッチユニット。
  3. 前記レバー側クラッチ部とブレーキ側クラッチ部が自動車用シートリフタ部に組み込まれている請求項1又は2に記載のクラッチユニット。
  4. 前記レバー側クラッチ部の入力側部材が操作レバーに結合され、前記ブレーキ側クラッチ部の出力側部材が自動車用シートリフタ部の回転部材に連結されている請求項3に記載のクラッチユニット。
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