JP2008075465A - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

エンジンの空燃比制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、学習値を用いて制御する際に、エンジンの運転領域が変わり、異なる学習領域同士を参照して制御を変更する過程の過渡状態で、エミッションの悪化を防止すること、そのために最適な学習値を得ることを目的としている。
【解決手段】このため、運転条件検知手段と基本燃料噴射量設定手段と空燃比フィードバック制御手段と空燃比学習制御手段と燃料噴射量制御手段と空燃比学習値更新手段とを備えたエンジンの空燃比制御装置において、互いに隣接する所定の学習領域のそれぞれについて学習値の標準偏差を演算する学習偏差値演算手段を設け、学習値の標準偏差に基づいてこれらの学習領域がそれぞれ占有する領域の配分を変更するように学習領域を区切る格子位置を移動する学習領域移動量算出手段を設ける。
【選択図】図1

Description

この発明はエンジンの空燃比制御装置に係り、特に空燃比を学習し、学習値を用いてエミッションの悪化を防止すべく制御するエンジンの空燃比制御装置に関するものである。
エンジンの電子制御燃料噴射システム、例えばエンジンの空燃比制御装置においては、空燃比を理論空燃比などの目標空燃比に制御するために、空燃比フィードバック制御を行っている。
特開昭61−190138号公報 特開平7−247889号公報
ところで、従来のエンジンの空燃比制御装置においては、燃料システム部品の生産ばらつきと経時変化、あるいはエンジンの運転条件によって制御する空燃比が目標空燃比からはずれると、排気ガス特性または燃費が悪化するという不都合がある。
この不都合を回避するために、空燃比フィードバック制御中の補正係数を学習値として運転領域毎に記憶させ、同じ運転領域に入ったときにこの補正係数を利用する空燃比学習制御が行われている。
このとき、この運転領域を大きくすると、学習の機会は増加するが精度が低下するという不都合があり、反対に運転領域を小さくすると、精度は高くなるが学習が収束するまでに大なる時間を要するという不都合がある。
また、上述した不都合を解決するために、機関運転状態の平均値が空燃比学習領域の中心となるように、領域を区画する格子軸を修正する技術(上記の特許文献1参照)、あるいは学習領域の中央部分で機関運転された時の学習値に重きを置く技術(上記の特許文献2参照)がある。
しかし、特許文献1または特許文献2の実機での採用例が見受けられない。
この発明の目的は、学習値を用いて制御する際に、エンジンの運転領域が変わり、異なる学習領域(「学習ゾーン」ともいう。)同士を参照して制御を変更する過程の過渡状態で、エミッションの悪化を防止すること、そのために最適な学習値を得るエンジンの空燃比制御装置を実現することにある。
また、この発明においては、隣接・近接する学習領域間の段差を解消すること、領域を設定するエンジン回転数及びエンジン負荷の変化割合に対して学習値の変化の度合いが様々あるのに合わせて学習領域の大きさを最適化すること、これらにより、全領域の学習(更新)時間を短く抑えること、必要とするメモリ容量を小さく抑えることを課題とする。
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、エンジンの運転状態を示す各種運転条件を検知する運転条件検知手段と、この運転条件検知手段の出力に基づいてエンジンに供給する燃料の基本燃料噴射量を算出する基本燃料噴射量設定手段と、エンジンの空燃比を検知し、検知されたエンジンの空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するための空燃比フィードバック補正量を設定する空燃比フィードバック制御手段と、エンジンの運転条件について領域毎に分割した空燃比学習領域を予め設定し、検知されたエンジンの運転条件に基づいて空燃比学習値を演算し、演算された空燃比学習値を運転条件に対応する空燃比学習領域に記憶する空燃比学習制御手段と、設定された基本燃料噴射量を、空燃比フィードバック補正量と空燃比学習値により補正して燃料噴射量を決定する燃料噴射量制御手段と、検知されたエンジンの運転状態に対応する空燃比学習領域の空燃比学習値を、空燃比フィードバック補正量と比較し、それらの相違分を低減させるようになまし補正しながら更新する空燃比学習値更新手段とを備えたエンジンの空燃比制御装置において、互いに隣接する所定の学習領域のそれぞれについて学習値の標準偏差を演算する学習偏差値演算手段を設け、学習値の標準偏差に基づいてこれらの学習領域がそれぞれ占有する領域の配分を変更するように学習領域を区切る格子位置を移動する学習領域移動量算出手段を設けたことを特徴とする。
以上詳細に説明した如くこの本発明によれば、エンジンの運転状態を示す各種運転条件を検知する運転条件検知手段と、運転条件検知手段の出力に基づいてエンジンに供給する燃料の基本燃料噴射量を算出する基本燃料噴射量設定手段と、エンジンの空燃比を検知し、検知されたエンジンの空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するための空燃比フィードバック補正量を設定する空燃比フィードバック制御手段と、エンジンの運転条件について領域毎に分割した空燃比学習領域を予め設定し、検知されたエンジンの運転条件に基づいて空燃比学習値を演算し、演算された空燃比学習値を運転条件に対応する空燃比学習領域に記憶する空燃比学習制御手段と、設定された基本燃料噴射量を、空燃比フィードバック補正量と空燃比学習値により補正して燃料噴射量を決定する燃料噴射量制御手段と、検知されたエンジンの運転状態に対応する空燃比学習領域の空燃比学習値を、空燃比フィードバック補正量と比較し、それらの相違分を低減させるようになまし補正しながら更新する空燃比学習値更新手段とを備えたエンジンの空燃比制御装置において、互いに隣接する所定の学習領域のそれぞれについて学習値の標準偏差を演算する学習偏差値演算手段を設け、学習値の標準偏差に基づいてこれらの学習領域がそれぞれ占有する領域の配分を変更するように学習領域を区切る格子位置を移動する学習領域移動量算出手段を設けた構成を有している。
従いまして、領域毎の学習値のばらつきを比較できるとともに、領域間の偏差が均質化でき、そして、学習領域の大きさを最適化できる。
また、学習値を用いて制御する際に、エンジンの運転領域が変わり、異なる学習ゾーン同士を参照して制御する過程の過渡状態で、エミッションの悪化を防止することができる。
上述の如く発明したことにより、学習偏差値演算手段によって、互いに隣接する所定の学習領域のそれぞれについて学習値の標準偏差を演算し、学習領域移動量算出手段によって、学習値の標準偏差に基づいてこれらの学習領域がそれぞれ占有する領域の配分を変更するように学習領域を区切る格子位置を移動し、領域毎の学習値のばらつきを比較するとともに、領域間の偏差が均質化し、そして、学習領域の大きさを最適化している。
また、学習値を用いて制御する際に、エンジンの運転領域が変わり、異なる学習ゾーン同士を参照して制御する過程の過渡状態で、エミッションの悪化を防止している。
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
図1〜図8はこの発明の実施例を示すものである。
図2において、1はエンジン、2は吸気通路、3は排気通路である。
このエンジン1は、図2に示す如く、シリンダブロック4と、このシリンダブロック4の上面に装着されるシリンダヘッド5と、シリンダブロック4内を摺動するピストン6とを備える。
そして、前記シリンダブロック4とシリンダヘッド5とピストン6の頂部とによって、気筒数に合致した個数の燃焼室7を形成している。
また、この燃焼室7には、前記吸気通路2の下流側端部を連絡するとともに、前記排気通路3の上流側端部を連絡する。
このとき、前記吸気通路2の下流側端部を開閉する吸気バルブ8が配設されるとともに、前記排気通路3の上流側端部を開閉する排気バルブ9が配設される。
更に、前記燃焼室7の頂部には、点火プラグ10が配設される。
前記吸気通路2の上流端にエアクリーナ11を設ける。
そして、このエアクリーナ11よりも下流側の吸気通路2には、上流側から順次に、吸気温を検知して吸気温検知信号を出力する吸気温センサ12と、吸気流量を検知して吸気流量検知信号を出力するエアフローメータ13と、スロットルバルブ14のスロットル開度(「スロットル角」ともいう。)を検知してスロットル開度検知信号を出力するスロットル角センサ15とを配設する。
また、このスロットル角センサ15よりも下流側の吸気通路2には、前記燃焼室7側に指向させてインジェクタ16を配設する。
更に、前記排気通路3に触媒17を設けるとともに、この触媒17よりも上流側の排気通路3には、空燃比検出手段である排気センサ、例えば排気ガス中の酸素濃度を検知し、空燃比(「空気過剰率」ともいう。)を出力する酸素センサ18を配設する。
そして、前記吸気温センサ12と、エアフローメータ13と、スロットル角センサ15と、酸素センサ18とを入力側に接続する制御手段(「ECU」ともいう。)19を設ける。
このとき、この制御手段19の入力側には、上記以外にも、クランクシャフト20のクランク角を検知し、
エンジン回転数(「回転速度」ともいう。)を出力するクランク角センサ21や前記エンジン1の運転状態に応じて変化する温度を検知する温度センサ、例えば冷却水温度である水温(「エンジン温度」ともいう。)を検知する水温センサ22、ノックを検知し、ノッキング信号を出力するノックセンサ23、吸気側カムシャフト24のカム角を検知するカム角センサ25、車速を検知する車速センサ26を夫々接続する。
また、前記制御手段19の出力側には、噴射量信号を入力するインジェクタ16や点火時期信号を入力して前記点火プラグ10に飛火させる点火コイル27を夫々接続する。
前記制御手段19は、各種センサ等からの検知信号を入力するとともに、各種部品に制御信号を出力し、前記エンジン1の空燃比制御装置28を構成している。
このとき、この空燃比制御装置28は、図3に示す如く、エンジン1の運転状態を示す各種運転条件を検知する運転条件検知手段29と、この運転条件検知手段29の出力に基づいてエンジン1に供給する燃料の基本燃料噴射量を算出する基本燃料噴射量設定手段30と、エンジン1の空燃比を検知し、検知されたエンジン1の空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するための空燃比フィードバック補正量を設定する空燃比フィードバック制御手段31と、エンジン1の運転条件について領域毎に分割した空燃比学習領域を予め設定し、検知されたエンジン1の運転条件に基づいて空燃比学習値を演算し、演算された空燃比学習値を運転条件に対応する空燃比学習領域に記憶する空燃比学習制御手段32と、設定された基本燃料噴射量を、空燃比フィードバック補正量と空燃比学習値により補正して燃料噴射量を決定する燃料噴射量制御手段33と、検知されたエンジンの運転状態に対応する空燃比学習領域の空燃比学習値を、空燃比フィードバック補正量と比較し、それらの相違分を低減させるようになまし補正しながら更新する空燃比学習値更新手段34とを備えている。
また、前記空燃比制御装置28には、互いに隣接する所定の学習領域(あるいは「学習領域の組」ともいう。)のそれぞれについて学習値の標準偏差を演算する学習偏差値演算手段35を設け、学習値の標準偏差に基づいてこれらの学習領域がそれぞれ占有する領域の配分を変更するように学習領域を区切る格子位置を移動する学習領域移動量算出手段36を設ける構成とする。
なお、格子とは、縦横各軸方向の境界線である。
詳述すれば、前記運転条件検知手段29は、エンジン1の運転状態を示すエンジン回転数や負荷等からなる各種運転条件を検知するものであり、前記吸気温センサ12やエアフローメータ13、スロットル角センサ15、クランク角センサ21、水温センサ22、ノックセンサ23、カム角センサ25、車速センサ26からなる。
また、前記基本燃料噴射量設定手段30は、前記運転条件検知手段29の出力に基づいてエンジン1に供給する燃料の基本燃料噴射量を算出するものである。
更に、前記空燃比フィードバック制御手段31は、前記排気通路3に設けた空燃比検出手段、例えば酸素センサ18により検知されたエンジン1の空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するための空燃比フィードバック補正量を設定するものである。
更にまた、前記空燃比学習制御手段32は、エンジン1の運転条件について領域毎に分割した空燃比学習領域を予め設定し、検知されたエンジン1の運転条件に基づいて目標空燃比になるように燃料をフィードバック補正値により補正している際の空燃比学習値を演算し、演算された空燃比学習値を運転条件に対応する空燃比学習領域毎に記憶するものである。
ここで、空燃比学習領域は、エンジン回転数とエンジン負荷(単に「負荷」ともいう。)とにより設定される領域である。
また、前記燃料噴射量制御手段33は、設定された基本燃料噴射量を、空燃比フィードバック補正量と空燃比学習値により補正して燃料噴射量を決定するものである。
更に、前記空燃比学習値更新手段34は、検知されたエンジン1の運転状態に対応する空燃比学習領域の空燃比学習値を、空燃比フィードバック補正量と比較し、それらの相違分を低減させるようになまし補正しながら更新するものである。
また、前記学習領域移動量算出手段36は、2つの標準偏差の大小を比較し、標準偏差が大きい方の領域を狭め標準偏差が小さい方の領域を広げるように格子位置を変更するものである。
更に、学習領域の全体マップは、比較的小さな占有領域を有する複数の小領域に分割されるとともに、これら複数の小領域の組を含む比較的大きな占有領域を有する複数の大領域に分割され、前記学習領域移動量算出手段36は、互いに隣接する任意の複数の小領域の組2つに対する標準偏差についてそれぞれ占有する領域の配分を変更するように学習領域を区切る格子位置を移動し、移動対象とする格子の選定を、この任意の複数の小領域の組に含まれる小領域の数が多い方から少ない方となるように設定するものである。
標準偏差を比較する際には、2つの領域を比較する。
つまり、2つの領域はそれぞれが小領域の組となります。
例えば、大縦格子N2を大縦格子N2’に移動する場合に、図4及び図5に示す如く、大領域の組A+Cの標準偏差と、大領域の組B+Dの標準偏差とを比較する。
このとき、これらの大領域の組A+Cと大領域の組B+Dとの比較は、合計16個からなる小領域の組A11+A12+A21+A22+C11+C12+C21+C22の標準偏差と、小領域の組B11+B12+B21+B22+D11+D12+D21+D22の標準偏差とを比較することとなる。
これは、大領域Aの中で小縦格子N12を小縦格子N12’に移動する場合でも同様であり、小領域の組A11+A21と、小領域の組A12+A22とで比較することになる。
そして、2つの領域を区画する格子を、比較した2つの領域の標準偏差が大きい方を狭める方向へ移動する際には、少しの所定エンジン回転数分だけ、あるいは少しの所定負荷分だけ動かすように設定する。
このとき、この設定を繰り返し学習する方策に組み合わせるなどして少しずつ更新すると、前記学習領域移動量算出手段36の演算能力を過度に高める必要を回避できるものである。
逆に、一回の格子の移動によって、比較する領域の標準偏差が一致するようにするためには、非常に高い前記学習領域移動量算出手段36の演算能力を必要とする。
また、対象領域を変更しながら格子位置を変更することで、偏差が均質化されるされるように学習領域の大きさが最適化される。
この学習制御方策によって、例えばエンジン制御部品の個体差を吸収し、排気ガス特性及び燃費特性のばらつきの小さいエンジン制御システムとすることが可能である。
なお、可動格子である大格子を、小格子のように、縦格子と横格子とをもとに分割して可動とすることは、格子が交差する中心付近に新たな領域を生み出してしまう場合があるので、分割移動は不可能に設定した方が制御や演算が簡略となって好ましいものである。
このような場合には、図4〜図8に示す如く、大格子を移動した後で、小格子の移動を行うことになる。
つまり、図4に開示される初期設定である4個の大領域A、B、C、Dが等間隔な格子状態から、図5に示す如く、大縦格子N2を大縦格子N2’に移動させ、その後に、図6に示す如く、大横格子L2を大横格子L2’に移動させて大格子の移動を終了する。
そして、この大格子の移動の終了後に、図7に示す如く、小格子の小縦格子N12、N23を小縦格子N12’、N23’に移動させる。
このとき、小縦格子N12の移動としては、小縦格子N12’(L1−L2’)や小縦格子N12’(L2’−L3)があり、小縦格子N23の移動としては、小縦格子N23’(L1−L2’)(図7においては変化なし)や小縦格子N23’(L2’−L3)がある。
また、小縦格子N12、N23の小縦格子N12’、N23’への移動終了後には、図8に示す如く、小横格子L12、L23を小横格子L12’、L23’に移動させる。
このとき、小横格子L12の移動としては、小横格子L12’(N1−N2’)や小横格子L12’(N2’−N3)があり、小横格子L23の移動としては、小横格子L23’(N1−N2’)や小横格子L23’(N2’−N3)がある。
なお、小格子を各大領域A、B、C、Dについて移動した後では、大格子を移動させることが難しくなる場合があるので、大格子を挟んだ領域間の標準偏差があまりばらつかない範囲の中心付近に、初期の大格子を設定する方策とすることが好ましい。
また、領域同士の比較を、標準偏差に代えて、分散を用いて比較することも可能である。
次に、図1の前記エンジン1の空燃比制御装置28の制御用フローチャートに沿って作用を説明する。
前記エンジン1の空燃比制御装置28の制御用プログラムがスタート(101)すると、前記空燃比フィードバック制御手段31のフィードバック(「F/B」ともいう。)条件が成立するか否かの判断(102)に移行する。
このとき、フィードバック条件としては、以下の項目がある。
・始動後、所定時間経過している。
・エンジン水温が所定値(第一)以上である。
・O2センサが活性状態と判定されている。
・燃料カットまたはエンリッチモードではない。など
そして、判断(102)がNOの場合には、後述するリターン(110)に移行する。
また、この判断(102)がYESの場合には、前記空燃比フィードバック制御手段31により空燃比フィードバック補正量を設定した後に、前記エンジン1(1)の空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するフィードバック制御の処理(103)に移行する。
このフィードバック制御の処理(103)の後には、空燃比(「A/F」とも記載する。)学習条件が成立するか否かの判断(104)に移行する。
このとき、空燃比学習条件としては、以下の項目がある。
・フィードバックモード中である。
・エンジン水温が所定値(第二)以上である。(この第二所定値は、フィードバック条件における第一所定値よりも高く設定された温度である。)
・加減速時の燃料補正が0である。など
そして、判断(104)がNOの場合には、後述するリターン(110)に移行する。
また、この判断(104)がYESの場合には、空燃比学習制御の処理(105)に移行する。
この空燃比学習制御の処理(105)においては、前記空燃比学習制御手段32によって、エンジン1の運転条件について領域毎に分割した空燃比学習領域を予め設定し、検知されたエンジン1の運転条件に基づいて空燃比学習値を演算し、演算された空燃比学習値を運転条件に対応する空燃比学習領域に記憶する処理を行う。
更に、この空燃比学習制御の処理(105)の後には、学習偏差値演算条件が成立するか否かの判断(106)に移行する。
このとき、学習偏差値演算条件としては、以下の項目がある。
・空燃比学習条件が成立している。
・各領域が所定回数以上学習されている。など
そして、学習偏差値演算条件が成立するか否かの判断(106)において、この判断(106)がNOの場合には、後述するリターン(110)に移行する。
また、この判断(106)がYESの場合には、偏差値演算の処理(107)に移行する。
このとき、偏差値演算の処理(107)は、前記学習偏差値演算手段35によって、学習開始条件成立後に、n回学習毎に互いに隣接する所定の学習領域、例えばエンジン回転数の大縦格子N2で区切られる学習領域である大領域の組A、Cと大領域の組B、Dとの2つの領域で学習された学習値から領域毎に学習値の標準偏差値を求め、2つの標準偏差値の大きさからエンジン回転数の大縦格子N2’を演算するものである。
同様に、噴射量等で代表されるエンジン負荷による学習領域の区切りについても、大横格子L2に対する大横格子L2’が演算される。
また、偏差値演算の処理(107)の後には、前記学習領域移動量算出手段36による学習領域移動量算出の処理(108)に移行し、学習領域格子の処理(108)に移行する。
この学習領域移動量算出の処理(108)及び学習領域格子の処理(108)においては、前記学習偏差値演算手段35によって演算された学習偏差値に基づいて、学習領域移動量算出手段36によって学習領域の移動量を算出し、学習値の標準偏差に基づいてこれらの学習領域がそれぞれ占有する領域の配分を変更するように学習領域を区切る格子位置を移動する。
つまり、図5に示す如く、エンジン回転数の大縦格子N2をエンジン回転数の大縦格子N2’に移動させ、再区画する。
同様に、図6に示す如く、エンジン1の負荷の大横格子L2をエンジン負荷の大横格子L2’に移動させ、再区画する。
そして、大領域A〜Dにおける再区画がされた後には、合計16個からなる小領域A11、A12、A21、A22、B11、B12、B21、B22、C11、C12、C21、C22、D11、D12、D21、D22についても、図7及び図8に示す如く、同様な処理が実行され、最終的には図8に示すような学習領域の区画となる。
更に、学習領域格子の処理(108)の後には、リターン(110)に移行する。
これにより、前記エンジン1の運転状態を示す各種運転条件を検知する運転条件検知手段29と、この運転条件検知手段29の出力に基づいてエンジンに供給する燃料の基本燃料噴射量を算出する基本燃料噴射量設定手段30と、エンジンの空燃比を検知し、検知されたエンジン1の空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するための空燃比フィードバック補正量を設定する空燃比フィードバック制御手段31と、エンジン1の運転条件について領域毎に分割した空燃比学習領域を予め設定し、検知されたエンジン1の運転条件に基づいて空燃比学習値を演算し、演算された空燃比学習値を運転条件に対応する空燃比学習領域に記憶する空燃比学習制御手段32と、設定された基本燃料噴射量を、空燃比フィードバック補正量と空燃比学習値により補正して燃料噴射量を決定する燃料噴射量制御手段33と、検知されたエンジンの運転状態に対応する空燃比学習領域の空燃比学習値を、空燃比フィードバック補正量と比較し、それらの相違分を低減させるようになまし補正しながら更新する空燃比学習値更新手段34とを備えたエンジン1の空燃比制御装置28において、互いに隣接する所定の学習領域のそれぞれについて学習値の標準偏差を演算する学習偏差値演算手段35を設け、学習値の標準偏差に基づいてこれらの学習領域がそれぞれ占有する領域の配分を変更するように学習領域を区切る格子位置を移動する学習領域移動量算出手段36を設けている。
従いまして、領域毎の学習値のばらつきを比較できるとともに、領域間の偏差が均質化でき、そして、学習領域の大きさを最適化できる。
また、学習値を用いて制御する際に、エンジンの運転領域が変わり、異なる学習ゾーン同士を参照して制御する過程の過渡状態で、エミッションの悪化を防止することができる。
また、前記学習領域移動量算出手段36は、2つの標準偏差の大小を比較し、標準偏差が大きい方の領域を狭め標準偏差が小さい方の領域を広げるように格子位置を変更している。
従いまして、隣接・接近する学習領域間の段差を解消できる。
また、必要とするメモリ容量を小さく抑えることができる。
更に、学習領域の全体マップは、比較的小さな占有領域を有する複数の小領域に分割されるとともに、これら複数の小領域の組を含む比較的大きな占有領域を有する複数の大領域に分割され、前記学習領域移動量算出手段36は、互いに隣接する任意の複数の小領域の組2つに対する標準偏差についてそれぞれ占有する領域の配分を変更するように学習領域を区切る格子位置を移動し、移動対象とする格子の選定を、この任意の複数の小領域の組に含まれる小領域の数が多い方から少ない方となるように設定している。
従いまして、領域を設定するエンジン回転数及びエンジン負荷の変化度合いに対して学習値の変化の度合いが様々あるのに合わせ学習領域の大きさを最適化できる。
また、全領域の学習(更新)時間を短く抑えることができる。
なお、この発明は上述実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
例えば、この発明の実施例においては、大領域数を4個とするとともに、この大領域中の小領域数を4個とし、トータル小領域数を16個とする構成としたが、大領域数X及び小領域数Yを変更し、トータル小領域数(X・Y)を変更する特別構成とすることも可能である。
さすれば、前記学習領域移動量算出手段36の演算能力に合致する大領域数X及び小領域数Yに変更することが可能であり、効率の良い演算制御を実施することができるものである。
また、未学習領域の影響によって誤った領域変更を行わないようにするために、学習の進行度が高くなってから領域変更を行う特別構成とすることも可能である。
例えば、全領域が1回以上更新した後に領域変更を始める方策が考えられる。
さすれば、未学習領域の影響によって誤った領域変更を行うことがなく、制御の信頼性を向上させることができるものである。
この発明の実施例を示すエンジンの空燃比制御装置の制御用フローチャートである。 エンジンの空燃比制御装置のブロック図である。 エンジンの空燃比制御装置の構成図である。 初期設定における等間隔の格子によって区画される学習領域を示す図である。 エンジン回転数の大縦格子N2’を演算して再区画された学習領域を示す図である。 エンジン回転数の大縦格子N2’を演算して再区画された後に、エンジン負荷の大横格子L2’を演算して再区画された学習領域を示す図である。 エンジン回転数の大縦格子N2’の演算及びエンジン負荷の大横格子L2’の演算を行って再区画された後に、所定のエンジン負荷に対するエンジン回転数について小縦格子N12’(L1−L2’)、N12’(L2’−L3)、N23’(L1−L2’)、N23’(L2’−L3)を演算して再区画された学習領域を示す図である。 エンジン回転数の大縦格子N2’の演算及びエンジン負荷の大横格子L2’の演算を行って再区画され、所定のエンジン負荷に対するエンジン回転数について小縦格子N12’(L1−L2’)、N12’(L2’−L3)、N23’(L1−L2’)、N23’(L2’−L3)を演算して再区画された後に、小横格子L12’(N1−N2’)、L12’(N2’−N3)、L23’(N1−N2’)、L23’(N2’−N3)を演算して再区画された学習領域を示す図である。
符号の説明
1 エンジン
2 吸気通路
3 排気通路
12 吸気温センサ
13 エアフローメータ
15 スロットル角センサ
16 インジェクタ
17 触媒
18 酸素センサ
19 制御手段(「ECU」ともいう。)
21 クランク角センサ
22 水温センサ
23 ノックセンサ
25 カム角センサ
26 車速センサ
28 空燃比制御装置
29 運転条件検知手段
30 基本燃料噴射量設定手段
31 空燃比フィードバック制御手段
32 空燃比学習制御手段
33 燃料噴射量制御手段
34 空燃比学習値更新手段
35 学習偏差値演算手段
36 学習領域移動量算出手段

Claims (3)

  1. エンジンの運転状態を示す各種運転条件を検知する運転条件検知手段と、この運転条件検知手段の出力に基づいてエンジンに供給する燃料の基本燃料噴射量を算出する基本燃料噴射量設定手段と、エンジンの空燃比を検知し、検知されたエンジンの空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するための空燃比フィードバック補正量を設定する空燃比フィードバック制御手段と、エンジンの運転条件について領域毎に分割した空燃比学習領域を予め設定し、検知されたエンジンの運転条件に基づいて空燃比学習値を演算し、演算された空燃比学習値を運転条件に対応する空燃比学習領域に記憶する空燃比学習制御手段と、設定された基本燃料噴射量を、空燃比フィードバック補正量と空燃比学習値により補正して燃料噴射量を決定する燃料噴射量制御手段と、検知されたエンジンの運転状態に対応する空燃比学習領域の空燃比学習値を、空燃比フィードバック補正量と比較し、それらの相違分を低減させるようになまし補正しながら更新する空燃比学習値更新手段とを備えたエンジンの空燃比制御装置において、互いに隣接する所定の学習領域のそれぞれについて学習値の標準偏差を演算する学習偏差値演算手段を設け、学習値の標準偏差に基づいてこれらの学習領域がそれぞれ占有する領域の配分を変更するように学習領域を区切る格子位置を移動する学習領域移動量算出手段を設けたことを特徴とするエンジンの空燃比制御装置。
  2. 前記学習領域移動量算出手段は、2つの標準偏差の大小を比較し、標準偏差が大きい方の領域を狭め標準偏差が小さい方の領域を広げるように格子位置を変更することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの空燃比制御装置。
  3. 学習領域の全体マップは、比較的小さな占有領域を有する複数の小領域に分割されるとともに、これら複数の小領域の組を含む比較的大きな占有領域を有する複数の大領域に分割され、前記学習領域移動量算出手段は、互いに隣接する任意の複数の小領域の組2つに対する標準偏差についてそれぞれ占有する領域の配分を変更するように学習領域を区切る格子位置を移動し、移動対象とする格子の選定を、この任意の複数の小領域の組に含まれる小領域の数が多い方から少ない方となるように設定することを特徴とする請求項2に記載のエンジンの空燃比制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012031747A (ja) * 2009-09-03 2012-02-16 Denso Corp 空燃比制御装置
JP2017072613A (ja) * 2011-03-31 2017-04-13 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh 最適エンジン制御設定を確定するためにエンジン性能測定値を摂動させること

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