JP2008075137A - めっき方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シランカップリング剤の残存及び除去不足を排除して、シランカップリング剤を用いた各種基板へのめっき不具合を解消する。
【解決手段】 水と有機溶剤の混合溶液に浸漬して、シランカップリング剤を分解、除去した後めっきする。シランカップリング剤は、加水分解し易い性質を持ち、且つ加水分解すると溶解しやすくなるので、水で分解させ、有機溶剤に溶解させることとした。これによって、どのようなシランカップリング剤でも除去可能となる。
【選択図】 なし
【解決手段】 水と有機溶剤の混合溶液に浸漬して、シランカップリング剤を分解、除去した後めっきする。シランカップリング剤は、加水分解し易い性質を持ち、且つ加水分解すると溶解しやすくなるので、水で分解させ、有機溶剤に溶解させることとした。これによって、どのようなシランカップリング剤でも除去可能となる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、リジット樹脂基板、フィルム樹脂基板、セラミックス基板、リードフレーム等の金属基板へのめっき方法に関するものである。
リジット樹脂基板、フィルム樹脂基板、セラミックス基板、リードフレーム等の金属基板は、信頼性向上のためシランカップリング剤を基板全面に塗布、または、シランカップリング剤を添加したプリプレグ、ソルダーレジスト、ガラス繊維、接着剤、ダイボンディング剤、封止剤もしくはシランカップリング剤を塗布したCu箔他を用いて作製されている。ところが、前記シランカップリング剤が塗布又は露出している基板に電解又は無電解めっきすると、無めっき、めっき密着不良、パターン外析出等の不具合を起こす。よってめっきに先立ち、シランカップリング剤を完全に分解または除去しなければならない。 ソルダーレジストや封止剤等にシランカップリング剤を添加する手段は数多く開示されているが、その後の工程で生じる副作用について記されているのは数件である。リードフレーム基板において、半田めっきを行うアウターリード部はマスキングしてシランカップリング剤を塗布する。また、シラン系の剥離剤で除去する技術も開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、通常の電解脱脂で分解すれば、副作用はない旨記載されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平2−229440号公報
特開平5−218265号公報
しかしながら、シランカップリング剤はマスキングしても滲んだり、シラン系の剥離剤は特定のシランカップリング剤のみしか除去できず、また高価である等の理由から実施されていない。通常の電解脱脂でも、シランカップリング剤層が厚かった場合や、他の樹脂との混合層では分解、除去できないのが現状である。また、無電解めっきの場合は、電解脱脂ではなく浸漬脱脂である。
よって、シランカップリング剤の残存及び除去不足にての事態が発生し、その後のめっきにおいて、無めっき、めっき密着不良、パターン外析出等の不具合を生じてしまう。
残存しているシランカップリング剤の露出している官能基が親油性ならば、無めっきを生じる。親水性ならば、めっきはなされるが密着不良となり、基板絶縁部であればパターン外析出不良となる。
よって、シランカップリング剤の残存及び除去不足にての事態が発生し、その後のめっきにおいて、無めっき、めっき密着不良、パターン外析出等の不具合を生じてしまう。
残存しているシランカップリング剤の露出している官能基が親油性ならば、無めっきを生じる。親水性ならば、めっきはなされるが密着不良となり、基板絶縁部であればパターン外析出不良となる。
例えば、リードフレーム基板の電解半田めっき工程について説明すると、リードフレーム基板は、部分Agめっきした後、信頼性向上のためシランカップリング剤を全面塗布する。あるいはシランカップリング剤を塗布しなくても、ICチップとの接着に際し、ダイボンディング剤にシランカップリング剤を添加している。このダイボンディング時のブリードアウトあるいはアウトガスでシランカップリング剤が半田めっき部に付着する。その後の封止工程ではモールディングが一般的で、同様にブリードアウトあるいはアウトガスでシランカップリング剤が付着する。特に半田めっきはモールディング領域以外にめっきするので、モールディングの際は肉眼でもわかる滲みが観察できる。この滲み部には多量のシランカップリング剤が存在している。通常、半田めっきでは電解脱脂及び高圧水洗で滲み部を除去してからめっきに入るが、シランカップリング剤は確実に安定して除去できないのが現状である。
前記したように、シランカップリング剤を用いた各種基板へのめっき不具合は、シランカップリング剤が残存したり除去不足によるもので、シランカップリング剤を用いた各種基板へのめっきでは、シランカップリング剤の残存及び除去不足を排除して不具合を解消する必要がある。
本発明者らはオールマイティな除去剤を検討した。その結果、水と有機溶剤を混合した溶液を使用すれば分解、除去できることを見出した。シランカップリング剤は、加水分解し易い性質を持ち、且つ加水分解すると溶解しやすくなる。よって、水で分解させ、有機溶剤に溶解させることとした。これによってどのようなシランカップリング剤でも除去可能となり、本発明を完成させた。
本発明者らはオールマイティな除去剤を検討した。その結果、水と有機溶剤を混合した溶液を使用すれば分解、除去できることを見出した。シランカップリング剤は、加水分解し易い性質を持ち、且つ加水分解すると溶解しやすくなる。よって、水で分解させ、有機溶剤に溶解させることとした。これによってどのようなシランカップリング剤でも除去可能となり、本発明を完成させた。
本発明は、シランカップリング剤を全面塗布された基板、又はシランカップリング剤を含む材料で形成された基板に電解めっき或いは無電解めっきするに際し、水に有機溶剤を混合した溶液に接触させてからめっきすることめっき方法を採用した。
この方法によれば、どのようなシランカップリング剤でも除去可能となり、めっきに際して、無めっき、めっき密着不良、パターン外析出等の不具合を生じることはない。
本発明では、前記水に有機溶剤を混合した溶液は、水:0.5〜20v%に対して有機溶媒:80〜99.5v%を混合した溶液であることが好ましい。
また、前記有機溶剤は、水溶性有機溶剤であることが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類の少なくとも1種以上を使用することができる。また、アセトン又はメチルエチルケトンを使用することもできる。
この方法によれば、どのようなシランカップリング剤でも除去可能となり、めっきに際して、無めっき、めっき密着不良、パターン外析出等の不具合を生じることはない。
本発明では、前記水に有機溶剤を混合した溶液は、水:0.5〜20v%に対して有機溶媒:80〜99.5v%を混合した溶液であることが好ましい。
また、前記有機溶剤は、水溶性有機溶剤であることが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類の少なくとも1種以上を使用することができる。また、アセトン又はメチルエチルケトンを使用することもできる。
本発明に係るめっき方法によれば、シランカップリング剤を用いた各種基板のめっきにおいて、無めっき、密着不良、パターン外析出不良等のめっき不良を確実に防止することができるので、各種基板の信頼性と製品合格率向上に大きく寄与することができる。
本発明に係るめっき方法は、シランカップリング剤を全面塗布された基板、又はシランカップリング剤を含む材料で形成された基板に電解めっき或いは無電解めっきするに際し、水に有機溶剤を混合した溶液に接触させてからめっきするものである。
本発明で使用する水に有機溶剤を混合した溶液は、水:0.5〜20v%に対して有機溶媒:80〜99.5v%を混合した溶液を使用するのが好ましい。シランカップリング剤は加水分解しないと溶解しないので水は必須である。
水と有機溶剤との比率が上記割合よりも水が少ないと溶解せず、逆に上記割合よりも水が多くなると溶解速度、溶解量の低下がみられるので好ましくない。
よって、水:0.5〜20v%で10v%が最適である。残りが有機溶剤で水:0.5〜20v%、有機溶剤:80〜99.5v%の割合とするのが適当である。
本発明で使用する水に有機溶剤を混合した溶液は、水:0.5〜20v%に対して有機溶媒:80〜99.5v%を混合した溶液を使用するのが好ましい。シランカップリング剤は加水分解しないと溶解しないので水は必須である。
水と有機溶剤との比率が上記割合よりも水が少ないと溶解せず、逆に上記割合よりも水が多くなると溶解速度、溶解量の低下がみられるので好ましくない。
よって、水:0.5〜20v%で10v%が最適である。残りが有機溶剤で水:0.5〜20v%、有機溶剤:80〜99.5v%の割合とするのが適当である。
また、前記有機溶剤は水溶性有機溶剤であることが好ましく、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類の少なくとも1種以上が使用できる。また、アセトン又はメチルエチルケトンも使用できる。
有機溶剤としてはエタノール、メタノール等のアルコール類が良く、人体に無害なエタノールを勧める。エタノールは危険物であるが、水を添加することで引火点も高くなる。アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類も良いが、操作性や経済性からエタノールが良いと思われる。
有機溶剤としてはエタノール、メタノール等のアルコール類が良く、人体に無害なエタノールを勧める。エタノールは危険物であるが、水を添加することで引火点も高くなる。アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類も良いが、操作性や経済性からエタノールが良いと思われる。
めっきを施そうとする基板に塗布されたり、ブリードアウト、アウトガスのシランカップリング剤を安定して確実に除去するため、前記の水と有機溶剤を混合した溶液に接触させるために、基板を溶液中に浸漬させることした。混合溶液の温度はやや暖かく50℃程度が好ましいが、室温程度でも浸漬時間を長くすることで同様の効果がある。浸漬時間は基板の形状や構造にもよるが、数分間で良い。尚、滲み部は通常の電解脱脂との併用によってより効果が増す。電解脱脂はアルカリ性の脱脂でないと効果がなく、酸性脱脂では全く除去されないことを付け加えておく。また、アルカリ電解脱脂の前に組み入れても、アルカリ電解脱脂の後に組み入れても、同様な効果が得られる。このめっき前処理によって、高品質な半田めっき品を作製することができるようになる。
銅貼りBTレジン基材にパターニング及びソルダーレジストを塗布した試験配線基板を水:エタノール=1:9の混合溶液に室温で5分間浸漬後、100g/L硫酸溶液にて酸洗浄し、過硫酸アンモニウム溶液でソフトエッチングし、Pd触媒付与した。
次に無電解NiPめっき液にて約5μmめっきした。その後、置換Auめっきを約0.03μm、その上に還元Auめっきを約0.5μmめっきした。
目視による外観観察をしたところ、パターン外析出及びブリッジ現象も皆無であった。 また、試験配線基板内の200μmピッチの櫛型パターンについて行ったの絶縁劣化試験(85℃、85%、5V印加)においては、1000時間経過後も劣化は認められなかった。
次に無電解NiPめっき液にて約5μmめっきした。その後、置換Auめっきを約0.03μm、その上に還元Auめっきを約0.5μmめっきした。
目視による外観観察をしたところ、パターン外析出及びブリッジ現象も皆無であった。 また、試験配線基板内の200μmピッチの櫛型パターンについて行ったの絶縁劣化試験(85℃、85%、5V印加)においては、1000時間経過後も劣化は認められなかった。
ダイボンディング及びワイヤボンディングを施した後モールディングされたリードフーム基板を、水:メタノール=1:9の混合溶液に室温で10分間浸漬後、アルカリ電脱脂(50℃、5A/dm2 、5分間)を行った後、高圧水洗でモールド樹脂のバリを除去し、めっき前処理、Sn合金めっきを約8μm施した。目視による外観観察をしたところ、無めっき部分や異常析出等の不具合は全く認められなかった。
その後、リード加工、マザーボードへの搭載試験を行ったが、めっき剥れ等の不良は皆無であった。
その後、リード加工、マザーボードへの搭載試験を行ったが、めっき剥れ等の不良は皆無であった。
シランカップリング剤を含む導電ペーストで回路形成されたセラミックス基板を、水:イソプロピルアルコール=1:9の混合溶液に5分間浸漬後、酸性浸漬脱脂、酸洗浄、化学研磨を施した後、電解Niめっき5μm、電解Auめっき0.5μmを施した。目視による外観観察では、無めっき、剥れ、パターン外析出等の不具合が認められなかった。
また、その後の組立てにおける、ワイヤボンディングも良好であった。
また、その後の組立てにおける、ワイヤボンディングも良好であった。
(比較例1)
実施例1において、水とエタノールの混合溶液に接触させないものは、めっき後の外観観察でパターン外析出が認められた。よって、絶縁性試験も行わなかった。
実施例1において、水とエタノールの混合溶液に接触させないものは、めっき後の外観観察でパターン外析出が認められた。よって、絶縁性試験も行わなかった。
(比較例2)
実施例2において、水とメタノール溶液に接触させなかったものは、外観観察において無めっきは認められなかったが、その後のリード加工時で剥れが発生した。また、リード加工時で剥れが観察されなかったものを部品搭載し、半田付けを行ったところ、剥れが発生した。
実施例2において、水とメタノール溶液に接触させなかったものは、外観観察において無めっきは認められなかったが、その後のリード加工時で剥れが発生した。また、リード加工時で剥れが観察されなかったものを部品搭載し、半田付けを行ったところ、剥れが発生した。
(比較例3)
実施例3において、水とイソプロピルアルコール溶液に接触させなかったものは、無めっき、パターン外析出が観察され、その後のワイヤボンディング試験においても不着が多かった。
実施例3において、水とイソプロピルアルコール溶液に接触させなかったものは、無めっき、パターン外析出が観察され、その後のワイヤボンディング試験においても不着が多かった。
Claims (5)
- シランカップリング剤を全面塗布された基板、又はシランカップリング剤を含む材料で形成された基板に電解めっき或いは無電解めっきするに際し、水に有機溶剤を混合した溶液に接触させてからめっきすることを特徴とするめっき方法。
- 前記水に有機溶剤を混合した溶液は、水:0.5〜20v%に対して有機溶媒:80〜99.5v%を混合した溶液であることを特徴とする請求項1記載のめっき方法。
- 前記有機溶剤は、水溶性有機溶剤であることを特徴とする請求項1又は2記載のめっき方法。
- 前記有機溶剤は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類の少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のめっき方法。
- 前記有機溶剤は、アセトン又はメチルエチルケトンであることを特徴と請求項1〜4のいずれか1項に記載のめっき方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006256514A JP2008075137A (ja) | 2006-09-21 | 2006-09-21 | めっき方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006256514A JP2008075137A (ja) | 2006-09-21 | 2006-09-21 | めっき方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008075137A true JP2008075137A (ja) | 2008-04-03 |
Family
ID=39347492
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006256514A Pending JP2008075137A (ja) | 2006-09-21 | 2006-09-21 | めっき方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008075137A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010071028A1 (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | 富士フイルム株式会社 | めっき用触媒液、めっき方法、金属膜を有する積層体の製造方法 |
-
2006
- 2006-09-21 JP JP2006256514A patent/JP2008075137A/ja active Pending
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WO2010071028A1 (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | 富士フイルム株式会社 | めっき用触媒液、めっき方法、金属膜を有する積層体の製造方法 |
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