JP2008073777A - 軟質材加工用回転工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加工材を加工した際に発生する削り屑の排出を促進して、この削り屑に起因する被加工材の加工効率の低下や加工面の面粗さの悪化を確実に防止でき、軟質材である被加工材を効率良く、安定的に加工・調整できる軟質材加工用回転工具を提供する。
【解決手段】軟質材よりなる被加工材が移動され、この被加工材に対して加工を施す軟質材加工用回転工具であって、基板11の表面11Aには、上方に突出する切刃凸部が形成され、切刃凸部の上面は、一方側から他方側に向かうにしたがい基板11の底面11Bからの高さが段々と低くなるように段状をなして、前記底面11Bからの高さが最も高い最上面13と少なくとも一つの中間棚部14とを備えており、最上面13の他方側の辺稜部を除く辺稜部に切刃17が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】軟質材よりなる被加工材が移動され、この被加工材に対して加工を施す軟質材加工用回転工具であって、基板11の表面11Aには、上方に突出する切刃凸部が形成され、切刃凸部の上面は、一方側から他方側に向かうにしたがい基板11の底面11Bからの高さが段々と低くなるように段状をなして、前記底面11Bからの高さが最も高い最上面13と少なくとも一つの中間棚部14とを備えており、最上面13の他方側の辺稜部を除く辺稜部に切刃17が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、多孔性の樹脂・ゴム・ポリウレタンラバー等からなるパッド、例えば、半導体ウエハの研磨用パッド等の軟質材の表面を加工・調整するための回転工具に関するものである。
近年、半導体産業の進展とともに、金属、半導体、セラミックスなどの表面を高精度に仕上げる加工方法の必要性が高まっており、特に、半導体ウエハでは、その集積度の向上とともにナノメーター(1/1000ミクロン)オーダーの表面仕上げが要求されてきている。このような高精度の表面仕上げに対応するために、半導体ウエハに対して、多孔性のパッド(研磨布)を用いたCMP研磨(ケミカルメカニカルポリッシュ)が一般的に行われている。CMP研磨とは、砥粒等を用いる機械的な研磨と、アルカリ液、酸性液等でエッチングする化学的研磨を組み合わせたものである。
半導体ウエハ等の研磨に用いられるパッドは、研磨時間が経過していくにつれ、目詰まりや圧縮変形を生じ、その表面状態が次第に変化していく。すると、研磨速度の低下や不均一研磨等の好ましくない現象が生じるので、パッドの表面を定期的に加工・調整することにより、パッドの表面状態を一定に保って、良好な研磨状態を維持する工夫が行われている。
このパッドを加工・調整するために用いられる軟質材加工用回転工具の一例として、特許文献1及び2に開示されているように、基板の表面に、上方に突出する複数の切刃凸部が形成されたものが提供されている。また、特許文献3では、切刃凸部を方向性のある形状とし、回転工具の基板の周方向の一方(工具回転方向前方側)に向けてすべての切刃凸部を一定の配置としたものが開示されている。
図6に、従来の軟質材加工用回転工具によってパッドPを加工している状態を示す。この軟質材加工用回転工具は、その基板1の表面1Aを、軸線回りに回転方向Rに向けて回転させられているパッドPの表面に対して一定の荷重で押し当てることにより、この基板1がパッドPの回転運動にともなって回転軸中心に工具回転方向Tに向けて回転運動を行い、パッドPの表面に圧入されている切刃凸部2によってパッドPの表面を加工・調整していくものである。
特開平7−328937号公報
特開平10−44023号公報
特開2004−34266号公報
ところで、パッドPはウレタンフォームなどの軟質材で構成されているため、回転工具を押し付けた際にパッドPの表面が変形して逃げてしまい、切刃凸部2による加工が十分に行うことができないことがあった。
また、切刃凸部2をパッドPの表面に無理やり押し付けて加工した場合には、パッドPの表面がつぶれるように加工されて、パッドP表面の空孔部がつぶれてしまい、半導体ウエハの研磨に使用できなくなってしまうといった問題があった。
また、切刃凸部2をパッドPの表面に無理やり押し付けて加工した場合には、パッドPの表面がつぶれるように加工されて、パッドP表面の空孔部がつぶれてしまい、半導体ウエハの研磨に使用できなくなってしまうといった問題があった。
また、切刃凸部2の上面3が平坦に形成されている場合には、図6に示すように、切刃凸部2とパッドPとが面で接触してしまい、削り屑の排出が十分に行うことができず、残存した削り屑によってパッドP表面を効率良く研磨できなくなるといった問題があった。
さらに、切刃凸部2の上面3辺稜部に形成された切刃4によってのみパッドPを切削することになるので、パッドP表面の加工面の面粗さが悪くなってしまうといった問題があった。
さらに、切刃凸部2の上面3辺稜部に形成された切刃4によってのみパッドPを切削することになるので、パッドP表面の加工面の面粗さが悪くなってしまうといった問題があった。
また、特許文献3に開示された軟質材加工用回転工具のように、切刃凸部に方向性を持たせたものでは、パッドと回転工具との相対移動方向及び切刃凸部の配置とによっては、パッドの接触方向が所定の方向にならずに、パッドを十分に除去できない場合があった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、被加工材を加工した際に発生する削り屑の排出を促進して、この削り屑に起因する被加工材の加工効率の低下や加工面の面粗さの悪化を確実に防止でき、軟質材である被加工材を効率良く、安定的に加工・調整できる軟質材加工用回転工具を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、この発明は、軟質材よりなる被加工材が移動され、この被加工材に対して加工を施す軟質材加工用回転工具であって、基板の表面には、上方に突出する切刃凸部が形成され、該切刃凸部の上面は、一方側から他方側に向かうにしたがい前記基板の底面からの高さが段々と低くなるように段状をなして、前記底面からの高さが最も高い最上面と少なくとも一つの中間棚部とを備えており、前記最上面の他方側の辺稜部を除く辺稜部に切刃が形成されていることを特徴としている。
この構成の軟質材加工用回転工具では、切刃凸部の上面が少なくとも一つの中間棚部を有する段状に形成されているので、パッドと切刃凸部の接触が、最上面の一方側に形成された切刃と最上面の他方側の辺稜部とこの中間棚部の他方側の辺稜部でそれぞれ線接触することになる。したがって、パッドと切刃凸部との間に空隙が生じることになり、被加工材の削り屑の排出を促進して削り屑の残存に起因する被加工材の加工効率の低下や加工面の面粗さの悪化を防止できる。
また、前述したように、切刃凸部の最上面に形成された切刃以外に、中間棚部の他方側の辺稜部が被加工材と接触することになるので、この中間棚部の他方側の辺稜部が補助刃の役割を果たし、被加工材の加工面の面粗さを向上させることができる。
また、被加工材と回転工具との相対移動方向及び切刃凸部の配置とによって、この切刃凸部の他方側、つまり切刃凸部の基板底面からの高さが低い方から被加工材に接触する場合でも、中間棚部及び最上面の他方側の辺稜部によって被加工材を研削することができ、被加工材の加工効率が著しく低下することを防止できる。
また、被加工材と回転工具との相対移動方向及び切刃凸部の配置とによって、この切刃凸部の他方側、つまり切刃凸部の基板底面からの高さが低い方から被加工材に接触する場合でも、中間棚部及び最上面の他方側の辺稜部によって被加工材を研削することができ、被加工材の加工効率が著しく低下することを防止できる。
ここで、前記中間棚部の他方側の辺稜部と前記最上面の他方側の辺稜部とを結んだ直線と、前記基板の底面に平行な平面とがなす角度θが5°よりも小さい場合には、最上面の一方側の辺稜部に形成された切刃を、被加工材の深くまで入り込ませることができず、被加工材を効率良く加工することができなくなってしまうおそれがあり、前記角度θが30°よりも大きい場合には、切刃凸部自体の強度が不足して、切刃凸部が欠損したり変形したりするおそれがある。したがって、本発明においては、前記中間棚部の他方側の辺稜部と前記最上面の他方側の辺稜部とを結んだ直線と、前記基板の底面に平行な平面とがなす角度θは、5°≦θ≦30°の範囲となるように規定するのが好ましい。なお、前記角度θを10°≦θ≦25°の範囲とすると切刃強度がより安定するとともに効率のよいパッド加工が可能となる。
また、前記中間棚部の数を2から30の範囲内とし、前記最上面と前記中間棚部の間及び前記中間端部同士の間に段差壁を形成して、隣接する前記段差壁同士の距離を5.0μmから50μmの範囲内に設定することにより、中間棚部の他方側の辺稜部の数を確保して効率良く加工することができるとともに、最上面と中間棚部及び中間棚部同士の間に空隙を確保して削り屑排出を効率良く排出することができる。さらに、中間棚部の数を4から19の範囲、隣接する段差壁同士の距離を7.5μmから30μmの範囲内に設定すると、さらに適正な空隙を確保でき、削り屑排出の効率が一層向上する。
また、前記段差壁の高さを1.0μmから25μmの範囲内に設定することにより、中間棚部の数を確保できるとともに、最上面と中間棚部及び中間棚部同士の間の空隙を確実に確保することができる。さらに、段差壁の高さを2.5μmから10μmに設定すると、より適正な空隙が確保できるとともに中間棚部の他方側の辺稜部の補助刃効果が増し、効率のよいパッド加工が可能となる。
さらに、前記最上面を、該最上面に対向する方向から見て、多角形あるいは円形をなし、前記最上面がなす多角形面の外接円の半径あるいは円形面の半径を、0.03mmから1.0mmの範囲内に設定することにより、切刃として作用する辺稜部の長さが確保されて効率良く加工できるとともに、切刃として作用する辺稜部が多くなりすぎず、これら辺稜部に対して適正な荷重を加えることができる。また、前記外接円の半径あるいは円形面の半径を0.05mmから0.8mmとすると、辺稜部へ適正な荷重を加えることができ、さらに好適である。
また、前記切刃凸部を、耐摩耗材料で構成することにより、切刃凸部の耐摩耗性を向上させて、長期間に亘って被加工材を安定して加工することができ、この回転工具の寿命延長を図ることができる。ここで、耐摩耗性材料の具体例としては、炭化けい素(SiC)、窒化けい素(SiN)などが挙げられる。
また、前記切刃凸部の表面を、ダイヤモンド膜により被覆することにより、切刃凸部の耐摩耗性をさらに向上することができ、この回転工具のさらなる寿命延長を図ることができる。
また、前記の軟質材加工用回転工具をCMP研磨用パッドを加工・調整してコンディショニングするパッドコンディショナーに使用した場合には、パッドの表面全体を安定して加工することができ、パッド表面の調整を効率良く確実に行うことができる。
本発明によれば、被加工材を加工した際に発生する削り屑の排出を促進して、この削り屑に起因する被加工材の加工効率の低下や加工面の面粗さの悪化を確実に防止でき、軟質材である被加工材を効率良く、安定的に加工・調整できる軟質材加工用回転工具を提供することができる。
本発明の実施形態について説明する。図1から図3に本発明の実施形態である軟質材加工用回転工具を示す。
軟質材加工用回転工具の基板11は、SiC(炭化けい素)で構成され、回転軸線を中心として、工具回転方向Tに向けて回転される概略円板状をなしており、互いに平行な表面11A及び底面11Bを有している。基板11の表面11Aにおける中央領域を除いた径方向外周側の周縁領域には、上方に向けて突出する少なくともひとつの切刃凸部12が形成されており、本実施形態では、図1に示すように、上方に向けて突出する複数の切刃凸部12が周方向で略等間隔に配置されるとともに千鳥配置となるように複数列形成されている。
軟質材加工用回転工具の基板11は、SiC(炭化けい素)で構成され、回転軸線を中心として、工具回転方向Tに向けて回転される概略円板状をなしており、互いに平行な表面11A及び底面11Bを有している。基板11の表面11Aにおける中央領域を除いた径方向外周側の周縁領域には、上方に向けて突出する少なくともひとつの切刃凸部12が形成されており、本実施形態では、図1に示すように、上方に向けて突出する複数の切刃凸部12が周方向で略等間隔に配置されるとともに千鳥配置となるように複数列形成されている。
切刃凸部12は、図1に示すように、上面視して四角形をなす概略四角柱状をなしている。切刃凸部12の上面は、図2に示すように、一方側(図2において左側)から他方側(図2において右側)に向かうにしたがい、基板11の底面11Bからの高さが段々と低くなるように階段状をなしており、前記底面11Bからの高さが最も高い最上面13と少なくとも一つの中間棚部14が備えられている。なお、本実施形態では、図2に示すように、最上面13と5つの中間棚部14A、14B、14C、14D、14Eが備えられている。
また、切刃凸部12の最上面13は、最上面13に対向する側から見て正方形をなしており、この正方形の外接円の半径が0.03mmから1.0mmの範囲内となるように設定されている。
また、切刃凸部12の最上面13は、最上面13に対向する側から見て正方形をなしており、この正方形の外接円の半径が0.03mmから1.0mmの範囲内となるように設定されている。
また、最上面13及び複数の中間棚部14は、基板11の表面11A及び底面11Bと平行に延びるように形成されており、最上面13及び複数の中間棚部14の間には、最上面13及び中間棚部14と直交するような段差壁15が形成されている。
本実施形態では、最上面13と中間棚第1部14Aとの間に第1段差壁15Aが形成されており、第1中間棚部14Aと中間第2棚部14Bとの間に第2段差壁15B、第2中間棚部14Bと第3中間棚部14Cとの間に第3段差壁15C、第3中間棚部14Cと第4中間棚部14Dとの間に第4段差壁15D、第4中間棚部14Dと第5中間棚部14Eとの間に第5段差壁15Eがそれぞれ形成されている。
本実施形態では、最上面13と中間棚第1部14Aとの間に第1段差壁15Aが形成されており、第1中間棚部14Aと中間第2棚部14Bとの間に第2段差壁15B、第2中間棚部14Bと第3中間棚部14Cとの間に第3段差壁15C、第3中間棚部14Cと第4中間棚部14Dとの間に第4段差壁15D、第4中間棚部14Dと第5中間棚部14Eとの間に第5段差壁15Eがそれぞれ形成されている。
切刃凸部12の4つの側面16は基板11表面11Aから略垂直に延びており、この4つの側面16のうち一方側を向く側面16と最上面13との交差稜線部に切刃17が形成され、さらに一方側を向く側面と交差する他の2つの側面16と最上面13との交差稜線部にも切刃17が形成されている。つまり、最上面13の他方側の辺稜部を除く他の辺稜部に切刃17が形成されているのである。
なお、すべての切刃凸部12の切刃17の高さ(基板11の表面11Aからの高さ)は互いに等しくされている。
なお、すべての切刃凸部12の切刃17の高さ(基板11の表面11Aからの高さ)は互いに等しくされている。
ここで、切刃凸部12の側面視した場合に、最上面13の他方側の辺稜部、すなわち、最上面13及び第1段差壁15Aの交差稜線部と、第1中間棚部14Aの他方側の辺稜部、すなわち、第1中間棚部14A及び第2段差壁15Bの交差稜線部とを結んだ直線と、基板11底面11Bと平行な第1中間棚部14Aとがなす角度θは、5°≦θ≦30°の範囲内となるように形成されている。
本実施形態では、図2に示すように、最上面13及び第1段差壁15Aの交差稜線部と、第1中間棚部14A及び第2段差壁15Bの交差稜線部と、第2中間棚部14B及び第3段差壁15Cの交差稜線部と、第3中間棚部14C及び第4段差壁15Dの交差稜線部と、第4中間棚部14D及び第5段差壁15Eの交差稜線部と、第5中間棚部14E及び切刃凸部12の他方側を向く側面16Bの交差稜線部とが一直線上に並ぶようにそれぞれ配置されており、この直線と基板11表面11Aとがなす角度が上記θとされている。
また、基板11の表面11Aと一体に形成された切刃凸部12における少なくとも上面側には、気相合成ダイヤモンド膜18がコーティングされており、本実施形態においては、複数の切刃凸部12を含む基板11の表面11Aの全面が、気相合成ダイヤモンド膜18でコーティングされている。
このような気相合成ダイヤモンド膜18は、前記のような複数の切刃凸部12を有する基板11に対して、例えば、マイクロ波プラズマを利用する方法や熱フィラメントを利用する方法等の公知の方法を用いることにより、複数の切刃凸部12とを含む基板11の表面11Aの全面に亘って形成される。
このような気相合成ダイヤモンド膜18は、前記のような複数の切刃凸部12を有する基板11に対して、例えば、マイクロ波プラズマを利用する方法や熱フィラメントを利用する方法等の公知の方法を用いることにより、複数の切刃凸部12とを含む基板11の表面11Aの全面に亘って形成される。
このように構成された軟質材加工用回転工具は、基板11の底面11Bにステンレスや樹脂等からなる板材が貼り付けられたり、基板11がステンレス等の板材に形成された凹みに焼き嵌めされたりして組み付けられてから、実際の加工に用いられることになる。
そして、組み付けられた状態の軟質材加工用回転工具は、図3に示すように、その基板11の表面11Aを、パッド回転方向Rに向けて回転させられている多孔性の樹脂・ゴム・(独立気泡を有する)ポリウレタンラバー等からなるパッドPの表面に略平行に対向させて一定の荷重で押し当てることにより、基板11がパッドPの回転運動にともなって工具回転方向Tに向けて前記表面11A及び底面11Bに垂直な回転軸線回りに回転運動を行い、パッドP表面に接地して圧入している複数の切刃凸部12に形成された切刃17で、被加工材としてのパッドP表面を加工する。
ここで、パッドPの回転速度が軟質材加工用回転工具の回転速度と同じとなってパッドPと軟質材加工用回転工具との相対速度がゼロとなると、パッドPを加工することができなくなってしまうので、パッドPの回転速度は、軟質材加工用回転工具の回転速度と所定の速度差が生じるように設定されている。なお、図3においては、パッドPの回転方向Rと工具回転方向Tとの関係から、切刃凸部12の一方側(図3において右側)からパッドPと接触することとされている。
本実施形態である軟質材加工用回転工具によれば、切刃凸部12の上面が、少なくとも一つの中間棚部14を有する階段状に形成されているので、パッドPにこの軟質材加工用回転工具を押し当てた際に、パッドPと切刃凸部12との接触が、この中間棚部14の他方側の辺稜部で線接触することになる。
本実施形態では、5つの中間棚部14A、14B、14C、14D、14Eを有しているため、パッドPと切刃凸部12との接触部分は、図3に示すように、最上面13の辺稜部に形成された切刃17部分と、最上面13の他方側の辺稜部、第1中間棚部14Aの他方側の辺稜部、第2中間棚部14Bの他方側の辺稜部、第3中間棚部14Cの他方側の辺稜部、第4中間棚部14Dの他方側の辺稜部、第5中間棚部14Eの他方側の辺稜部である。したがって、パッドと切刃凸部12との間に空隙が生じることになり、パッドPの削り屑をこの空隙から外部へと排出することができ、削り屑の残存に起因するパッド除去レートの低下や加工後のパッドP表面の面粗さの劣化を防止できる。
また、切刃凸部12の最上面13に形成された切刃17以外にも、これら中間棚部14の他方側の辺稜部がパッドPと接触することになるので、この中間棚部14の他方側の辺稜部が補助刃の役割を果たし、切刃17によって削ったパッド表面をさらに削りこむことになり、加工後のパッドP表面の面粗さを向上させることができる。
また、パッドPとこの軟質材加工用回転工具との相対移動方向及び切刃凸部12の配置とによって、図3とは反対に、この切刃凸部12の他方側、つまり切刃凸部12の基板11底面11Bからの高さが低い方からパッドPに接触する場合でも、中間棚部14及び最上面13の他方側の辺稜部によってパッドPを研削することができ、加工が不十分な部分をなくすことができる。
また、中間棚部14の他方側の辺稜部と最上面13の他方側の辺稜部とを結んだ直線と、前記基板の底面に平行な平面、すなわち基板11の前記回転軸線に垂直な平面とがなす角度θが5°≦θ≦30°の範囲となるように設定されているので、切刃凸部12の強度を確保できて切刃凸部12が欠損することを防止できるとともに、最上面13の一方側の辺稜部に形成された切刃17を、パッドPの深くまで入り込ませることができ、パッドPを効率良く加工することができる。
また、切刃凸部12の最上面13が、最上面13に対向する側から見て正方形をなし、この正方形の外接円の半径が0.03mmから1.0mmの範囲内となるように設定されているので、切刃として作用する辺稜部の長さが確保されて効率良く加工できる。また、切刃として作用する辺稜部が多くなりすぎず、これら辺稜部に適正な荷重を加えることができる。
また、切刃凸部12が耐摩耗材料であるSiCで構成されるとともに、切刃凸部12の表面が気相合成ダイヤモンド膜18でコーティングされているので、切刃凸部12の耐摩耗性が向上されており、長期間に亘ってパッドPを安定して加工することができ、この回転工具の寿命を長くすることができる。
以上、本発明の実施形態である軟質材加工用回転工具について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、切刃凸部に中間棚部及び段差壁をそれぞれ5つ備えたものとして説明したが、これに限定されることはなく、中間棚部及び段差壁の個数は適宜設定することができ、図4に示すように9つの中間棚部及び段差壁を有するものであってもよいし、図5に示すように4つの中間棚部及び段差壁を有するものであってもよい。
一般的な軟質材加工用回転工具及び切刃凸部のサイズを考慮した場合、中間棚部及び段差壁の数は2から30の範囲内とすることが好ましい。同様に、隣接する段差壁の距離、つまり、中間棚部の一方側から他方側に向けての長さは、5μmから50μmの範囲内が好ましく、段差壁の高さは0.5μmから25μmの範囲内が好ましい。
中間棚部及び段差壁の数が30より多くとなると中間棚部の前記長さ及び段差壁の高さが小さくなり、パッドと切刃凸部との間の空隙の大きさが小さくなって削り屑排出の効果が低下してしまう。一方、中間棚部及び段差壁の数が2よりも少ない場合には、中間棚部の前記長さ及び段差壁の高さが大きくなり、中間棚部の他方側の辺稜部の数が少なく補助刃としても効果が低下してしまうためである。
中間棚部及び段差壁の数が30より多くとなると中間棚部の前記長さ及び段差壁の高さが小さくなり、パッドと切刃凸部との間の空隙の大きさが小さくなって削り屑排出の効果が低下してしまう。一方、中間棚部及び段差壁の数が2よりも少ない場合には、中間棚部の前記長さ及び段差壁の高さが大きくなり、中間棚部の他方側の辺稜部の数が少なく補助刃としても効果が低下してしまうためである。
また、最上面及び中間棚部を基板の底面と平行なものとして説明したが、これに限定されることはなく、基板底面に対して傾斜していてもよい。
同様に、段差壁についても、最上面や中間棚部と直交するものとして説明したが、これに限定されることはなく、傾斜して交差するようにしてもよい。
同様に、段差壁についても、最上面や中間棚部と直交するものとして説明したが、これに限定されることはなく、傾斜して交差するようにしてもよい。
また、本実施形態では、切刃凸部12が形成される基板11をSiC(炭化けい素)で構成したものとして説明したが、基板11を構成する材料に関しては、気相合成ダイヤモンド膜18の生成のしやすさと、切刃凸部12の形成のし易さと、実用に耐えるための機械的特性との観点から、例えば、以下に示すようなものが適しており、これらの材料で構成されていれば良い。
(1)
4a族、5a族、6a族のうちのいずれかの金属もしくはシリコンとの炭化物、窒化物もしくは炭窒化物、
4a族、5a族、6a族のうちのいずれかの金属とシリコンとの炭化物、窒化物もしくは炭窒化物、
シリコン、のうちのいずれか1種、または、これらの複合体。
(2)
4a族、5a族、6a族のうちのいずれかの金属もしくはシリコンとの炭化物、窒化物もしくは炭窒化物のうちの少なくとも1種と、
鉄、ニッケルもしくはコバルトのうちの少なくとも1種との複合体からなる超硬合金。
(3)
シリコンもしくはアルミニウムの窒化物もしくは酸化物のうちいずれか1種、またはこれらの複合体。
(1)
4a族、5a族、6a族のうちのいずれかの金属もしくはシリコンとの炭化物、窒化物もしくは炭窒化物、
4a族、5a族、6a族のうちのいずれかの金属とシリコンとの炭化物、窒化物もしくは炭窒化物、
シリコン、のうちのいずれか1種、または、これらの複合体。
(2)
4a族、5a族、6a族のうちのいずれかの金属もしくはシリコンとの炭化物、窒化物もしくは炭窒化物のうちの少なくとも1種と、
鉄、ニッケルもしくはコバルトのうちの少なくとも1種との複合体からなる超硬合金。
(3)
シリコンもしくはアルミニウムの窒化物もしくは酸化物のうちいずれか1種、またはこれらの複合体。
また、本実施の形態では、切刃凸部12の形状を概略四角柱状のものとしたが、これに限定されることはなく、円柱状や三角柱状等の他の形状であっても良い。
また、切刃凸部12の個数、配置、基板11の直径等は、加工条件などを考慮して適宜設定することが好ましい。
さらに、切刃を、基板11表面11Aから延びる一方側を向く側面16Aの辺稜部に形成することにより、これらの辺稜部によってもパッドPを加工することができるので効果的である。
また、切刃凸部12の個数、配置、基板11の直径等は、加工条件などを考慮して適宜設定することが好ましい。
さらに、切刃を、基板11表面11Aから延びる一方側を向く側面16Aの辺稜部に形成することにより、これらの辺稜部によってもパッドPを加工することができるので効果的である。
以下に、本発明の一例を用いて比較試験を行うことにより、本発明の有効性を検証した結果を示す。
試験工具として、炭化けい素(SiC)で構成された直径100mm、厚さ6mmの基板の表面外周部に切刃凸部が円周上等間隔で放射状に54個設けられたものを供した。ここで、切刃凸部は、切刃凸部の最も高い部分の基板表面からの高さH2を0.05mm、一辺が0.15mmの四角柱状のものとした。さらに、切刃凸部の表面には、膜厚がおよそ20μmの気相合成ダイヤモンド膜をコーティングした。
試験工具として、炭化けい素(SiC)で構成された直径100mm、厚さ6mmの基板の表面外周部に切刃凸部が円周上等間隔で放射状に54個設けられたものを供した。ここで、切刃凸部は、切刃凸部の最も高い部分の基板表面からの高さH2を0.05mm、一辺が0.15mmの四角柱状のものとした。さらに、切刃凸部の表面には、膜厚がおよそ20μmの気相合成ダイヤモンド膜をコーティングした。
試験機として研磨装置(ムサシノ電子製MA−300)を用い、被切削材として発泡ウレタン質パッド(Rodel社製IC1400)を用い、メタル研磨用スラリー(3%H2O2)を用いた。
試験条件は、プラテン回転数(ウレタンパッドの回転数)を45rpm、切削工具の回転数を43rpm、荷重を39.2N、スラリー流量を100ml/minとして、パッドの研削を行った。
試験条件は、プラテン回転数(ウレタンパッドの回転数)を45rpm、切削工具の回転数を43rpm、荷重を39.2N、スラリー流量を100ml/minとして、パッドの研削を行った。
比較例1として、切刃凸部の上面に段差、中間棚部がなく、前記上面部が基板の底面に対して傾斜しており、その傾斜角度を2°としたものを試験に供した。
比較例2として、切刃凸部の上面に段差、中間棚部がなく、前記上面部が基板の底面に対して傾斜しており、その傾斜角度を10°としたものを試験に供した。
本発明例1として、切刃凸部の上面を段状に形成し、中間棚部を9ヶ備え、中間棚部同士の段差壁の高さを2.5μmとし、これら中間棚部の他方側の辺稜部と切刃凸部の最上面の他方側の辺稜部とを結んだ直線が基板の底面なす角度θ=10°としたものを試験に供した。
本発明例2として、前記中間棚部を9ヶ備え、前記段差壁の高さを5μmとし、前記角度θ=25°としたものを試験に供した。
本発明例3として、前記中間棚部を9ヶ備え、前記段差壁の高さを10μmとし、前記角度θ=40°としたものを試験に供した。
比較例2として、切刃凸部の上面に段差、中間棚部がなく、前記上面部が基板の底面に対して傾斜しており、その傾斜角度を10°としたものを試験に供した。
本発明例1として、切刃凸部の上面を段状に形成し、中間棚部を9ヶ備え、中間棚部同士の段差壁の高さを2.5μmとし、これら中間棚部の他方側の辺稜部と切刃凸部の最上面の他方側の辺稜部とを結んだ直線が基板の底面なす角度θ=10°としたものを試験に供した。
本発明例2として、前記中間棚部を9ヶ備え、前記段差壁の高さを5μmとし、前記角度θ=25°としたものを試験に供した。
本発明例3として、前記中間棚部を9ヶ備え、前記段差壁の高さを10μmとし、前記角度θ=40°としたものを試験に供した。
図7にパッド除去レートと加工時間との関係を示す。比較例1では、加工初期段階からパッド除去レートが著しく低くパッドの加工を十分に行うことができない。上面の傾斜角度を10°と大きくしたものでも、それほど高いパッド除去レートは得られない。
一方、切刃凸部の上面を段状に形成して中間棚部を10ヶ備えた本発明例1〜3においては、パッド除去レートが大きく向上することが確認された。ただし、段差壁の高さを大きくして中間棚部の他方側の辺稜部と切刃凸部の最上面の他方側の辺稜部とを結んだ直線が基板の底面なす角度θを大きくした本発明例3においては、最も高いパッド除去レートを示すものの刃先の欠損が認められた。
一方、切刃凸部の上面を段状に形成して中間棚部を10ヶ備えた本発明例1〜3においては、パッド除去レートが大きく向上することが確認された。ただし、段差壁の高さを大きくして中間棚部の他方側の辺稜部と切刃凸部の最上面の他方側の辺稜部とを結んだ直線が基板の底面なす角度θを大きくした本発明例3においては、最も高いパッド除去レートを示すものの刃先の欠損が認められた。
以上の比較実験の結果から、本発明例においてはパッド除去レートを向上させることができることが確認された。
また、中間棚部の他方側の辺稜部と切刃凸部の最上面の他方側の辺稜部とを結んだ直線が基板の底面なす角度θが大きすぎると刃先の欠損が生じるため、θ≦30°とすることが好ましい。
また、中間棚部の他方側の辺稜部と切刃凸部の最上面の他方側の辺稜部とを結んだ直線が基板の底面なす角度θが大きすぎると刃先の欠損が生じるため、θ≦30°とすることが好ましい。
次に、中間棚部の数について評価するために、中間棚部の数及び前記角度θを変更した回転工具を用いて比較実験を行った。なお、切刃凸部以外の形状やサイズ、研削条件等は、実施例1と同様とした。
本発明例4として、中間棚部の数を1とし、最上面と中間棚部との段差壁の高さを25μmとし、前記角度θ=10°としたものを試験に供した。
本発明例5として、中間棚部の数を9とし、中間棚部同士の段差壁の高さを2.5μmとし、前記角度θ=10°としたものを試験に供した。
本発明例6として、中間棚部の数を9とし、中間棚部同士の段差壁の高さを5μmとし、前記角度θ=20°としたものを試験に供した。
本発明例7として、中間棚部の数を39とし、中間棚部同士の段差壁の高さを1.2μmとし、前記角度θ=20°としたものを試験に供した。
本発明例4として、中間棚部の数を1とし、最上面と中間棚部との段差壁の高さを25μmとし、前記角度θ=10°としたものを試験に供した。
本発明例5として、中間棚部の数を9とし、中間棚部同士の段差壁の高さを2.5μmとし、前記角度θ=10°としたものを試験に供した。
本発明例6として、中間棚部の数を9とし、中間棚部同士の段差壁の高さを5μmとし、前記角度θ=20°としたものを試験に供した。
本発明例7として、中間棚部の数を39とし、中間棚部同士の段差壁の高さを1.2μmとし、前記角度θ=20°としたものを試験に供した。
図8にパッド除去レートと加工時間との関係を示す。中間棚部が1つしか形成されていない本発明例4と、中間棚部が40ヶ形成された本発明例7においてパッド除去レートが低くなることが確認された。
中間棚部の数が少ないと中間棚部の他方側の辺稜部の数が少なく補助刃としても効果が低下してしまうためである。一方、中間棚部の数が多すぎると、中間棚部の辺稜部の数が多くなりすぎて十分な荷重を加えることができず効率良くパッドを加工できないためである。
以上の比較実験の結果から、中間棚部の数については、2から30の範囲内に設定することが好ましい。
中間棚部の数が少ないと中間棚部の他方側の辺稜部の数が少なく補助刃としても効果が低下してしまうためである。一方、中間棚部の数が多すぎると、中間棚部の辺稜部の数が多くなりすぎて十分な荷重を加えることができず効率良くパッドを加工できないためである。
以上の比較実験の結果から、中間棚部の数については、2から30の範囲内に設定することが好ましい。
次に、中間棚部の段差壁の高さについて評価するために、中間棚部の段差壁の高さを変更した回転工具を用いて比較実験を行った。なお、切刃凸部以外の形状やサイズ、研削条件等は、実施例1及び実施例2と同様とした。
本発明例8として、中間棚部の数を19とし、中間棚部同士の段差壁の高さを0.75μmとし、前記角度θ=5°としたものを試験に供した。
本発明例9として、中間棚部の数を9とし、中間棚部同士の段差壁の高さを1.25μmとし、前記角度θ=5°としたものを試験に供した。
本発明例10として、中間棚部の数を4とし、中間棚部同士の段差壁の高さを2.5μmとし、前記角度θ=5°としたものを試験に供した。
本発明例11として、中間棚部の数を2とし、中間棚部同士の段差壁の高さを50μmとし、前記角度θ=20°としたものを試験に供した。
本発明例8として、中間棚部の数を19とし、中間棚部同士の段差壁の高さを0.75μmとし、前記角度θ=5°としたものを試験に供した。
本発明例9として、中間棚部の数を9とし、中間棚部同士の段差壁の高さを1.25μmとし、前記角度θ=5°としたものを試験に供した。
本発明例10として、中間棚部の数を4とし、中間棚部同士の段差壁の高さを2.5μmとし、前記角度θ=5°としたものを試験に供した。
本発明例11として、中間棚部の数を2とし、中間棚部同士の段差壁の高さを50μmとし、前記角度θ=20°としたものを試験に供した。
図9にパッド除去レートと加工時間との関係を示す。段差壁の高さが0.75μmと小さい本発明例8と、段差壁の高さが50μmと比較的大きな本発明例11においてパッド除去レートが低くなることが確認された。
段差壁の高さが小さいと、切刃凸部とパッドとの間に十分な空隙が生じず、削り屑を排出を十分に排出できなくなるためである。一方、段差壁の高さが大きすぎると、中間棚部の辺稜部をパッドに十分圧入させることができずにパッドを効率良く加工できなくなるためである。
以上の比較実験の結果から、段差壁の高さについては、1.0μmから25μmの範囲内に設定することが好ましい。
段差壁の高さが小さいと、切刃凸部とパッドとの間に十分な空隙が生じず、削り屑を排出を十分に排出できなくなるためである。一方、段差壁の高さが大きすぎると、中間棚部の辺稜部をパッドに十分圧入させることができずにパッドを効率良く加工できなくなるためである。
以上の比較実験の結果から、段差壁の高さについては、1.0μmから25μmの範囲内に設定することが好ましい。
次に、切刃凸部の形状を円柱形とし、この切刃凸部の大きさの影響について評価するために比較実験を行った。切刃凸部の基板表面からの高さH2を0.05mmとし、中間棚部を10ヶ形成し、段差壁高さを2.5μm、前記角度θ=10°とした。なお、切刃凸部以外の形状やサイズ、研削条件等は、実施例1から実施例3と同様とした。
本発明例12として、切刃凸部の最上面がなす円の半径を0.01mmとしたものを試験に供した。
本発明例13として、切刃凸部の最上面がなす円の半径を0.05mmとしたものを試験に供した。
本発明例14として、切刃凸部の最上面がなす円の半径を0.8mmとしたものを試験に供した。
本発明例15として、切刃凸部の最上面がなす円の半径を2.0mmとしたものを試験に供した。
本発明例12として、切刃凸部の最上面がなす円の半径を0.01mmとしたものを試験に供した。
本発明例13として、切刃凸部の最上面がなす円の半径を0.05mmとしたものを試験に供した。
本発明例14として、切刃凸部の最上面がなす円の半径を0.8mmとしたものを試験に供した。
本発明例15として、切刃凸部の最上面がなす円の半径を2.0mmとしたものを試験に供した。
図10にパッド除去レートと加工時間との関係を示す。前記円の半径が0.01mmとされた本発明例12及び前記円の半径が2.0mmとされた本発明例15において、パッド除去レートが低くなることが確認された。
前記円の半径が小さいと、切刃凸部の切刃として作用する辺稜部の長さが不足するためである。一方、前記円の半径が大きすぎると、パッドを変形させて切刃凸部をパッド内に圧入させることができなくなるためである。
以上の比較実験の結果から、円柱形の切刃凸部において前記切刃凸部の最上面がなす円の半径については、0.03μmから1.0μmの範囲内に設定することが好ましい。
前記円の半径が小さいと、切刃凸部の切刃として作用する辺稜部の長さが不足するためである。一方、前記円の半径が大きすぎると、パッドを変形させて切刃凸部をパッド内に圧入させることができなくなるためである。
以上の比較実験の結果から、円柱形の切刃凸部において前記切刃凸部の最上面がなす円の半径については、0.03μmから1.0μmの範囲内に設定することが好ましい。
次に、切刃凸部の形状を三角柱形とし、この切刃凸部の大きさの影響について評価するために比較実験を行った。切刃凸部の基板表面からの高さH2を0.05mmとし、中間棚部を10ヶ形成し、段差壁高さを2.5μm、前記角度θ=10°とした。なお、切刃凸部以外の形状やサイズ、研削条件等は、実施例1から実施例3と同様とした。
本発明例16として、切刃凸部の最上面がなす三角形の外接円の半径を0.01mmとしたものを試験に供した。
本発明例17として、切刃凸部の最上面がなす三角形の外接円の半径を0.05mmとしたものを試験に供した。
本発明例18として、切刃凸部の最上面がなす三角形の外接円の半径を0.8mmとしたものを試験に供した。
本発明例19として、切刃凸部の最上面がなす三角形の外接円の半径を2.0mmとしたものを試験に供した。
本発明例16として、切刃凸部の最上面がなす三角形の外接円の半径を0.01mmとしたものを試験に供した。
本発明例17として、切刃凸部の最上面がなす三角形の外接円の半径を0.05mmとしたものを試験に供した。
本発明例18として、切刃凸部の最上面がなす三角形の外接円の半径を0.8mmとしたものを試験に供した。
本発明例19として、切刃凸部の最上面がなす三角形の外接円の半径を2.0mmとしたものを試験に供した。
図11にパッド除去レートと加工時間との関係を示す。前記外接円の半径が0.01mmとされた本発明例16及び前記外接円の半径が2.0mmとされた本発明例19において、パッド除去レートが低くなることが確認された。
前記外接円の半径が小さいと、切刃凸部の切刃として作用する辺稜部の長さが不足するためである。一方、前記外接円の半径が大きすぎると、パッドを変形させて切刃凸部をパッド内に圧入させることができなくなるためである。
以上の比較実験の結果から、三角柱形の切刃凸部において前記切刃凸部の最上面がなす三角形の外接円の半径については、0.03μmから1.0μmの範囲内に設定することが好ましい。
前記外接円の半径が小さいと、切刃凸部の切刃として作用する辺稜部の長さが不足するためである。一方、前記外接円の半径が大きすぎると、パッドを変形させて切刃凸部をパッド内に圧入させることができなくなるためである。
以上の比較実験の結果から、三角柱形の切刃凸部において前記切刃凸部の最上面がなす三角形の外接円の半径については、0.03μmから1.0μmの範囲内に設定することが好ましい。
次に、切刃凸部の形状を四角柱形とし、この切刃凸部の大きさの影響について評価するために比較実験を行った。切刃凸部の基板表面からの高さH2を0.05mmとし、中間棚部を10ヶ形成し、段差壁高さを2.5μm、前記角度θ=10°とした。なお、切刃凸部以外の形状やサイズ、研削条件等は、実施例1から実施例4と同様とした。
本発明例20として、切刃凸部の最上面がなす四角形の外接円の半径を0.01mmとしたものを試験に供した。
本発明例21として、切刃凸部の最上面がなす四角形の外接円の半径を0.05mmとしたものを試験に供した。
本発明例22として、切刃凸部の最上面がなす四角形の外接円の半径を0.8mmとしたものを試験に供した。
本発明例23として、切刃凸部の最上面がなす四角形の外接円の半径を2.0mmとしたものを試験に供した。
本発明例20として、切刃凸部の最上面がなす四角形の外接円の半径を0.01mmとしたものを試験に供した。
本発明例21として、切刃凸部の最上面がなす四角形の外接円の半径を0.05mmとしたものを試験に供した。
本発明例22として、切刃凸部の最上面がなす四角形の外接円の半径を0.8mmとしたものを試験に供した。
本発明例23として、切刃凸部の最上面がなす四角形の外接円の半径を2.0mmとしたものを試験に供した。
図12にパッド除去レートと加工時間との関係を示す。前記外接円の半径が0.01mmとされた本発明例20及び前記外接円の半径が2.0mmとされた本発明例23において、パッド除去レートが低くなることが確認された。
前記外接円の半径が小さいと、切刃凸部の切刃として作用する辺稜部の長さが不足するためである。一方、前記外接円の半径が大きすぎると、パッドを変形させて切刃凸部をパッド内に圧入させることができなくなるためである。
以上の比較実験の結果から、四角柱形の切刃凸部において前記切刃凸部の最上面がなす四角形の外接円の半径については、0.03μmから1.0μmの範囲内に設定することが好ましい。
前記外接円の半径が小さいと、切刃凸部の切刃として作用する辺稜部の長さが不足するためである。一方、前記外接円の半径が大きすぎると、パッドを変形させて切刃凸部をパッド内に圧入させることができなくなるためである。
以上の比較実験の結果から、四角柱形の切刃凸部において前記切刃凸部の最上面がなす四角形の外接円の半径については、0.03μmから1.0μmの範囲内に設定することが好ましい。
11 基板
12 切刃凸部
13 最上面
17 切刃
18 気相合成ダイヤモンド膜(ダイヤモンド膜)
12 切刃凸部
13 最上面
17 切刃
18 気相合成ダイヤモンド膜(ダイヤモンド膜)
Claims (8)
- 軟質材よりなる被加工材が移動され、この被加工材に対して加工を施す軟質材加工用回転工具であって、
基板の表面には、上方に突出する切刃凸部が形成され、該切刃凸部の上面は、一方側から他方側に向かうにしたがい前記基板の底面からの高さが段々と低くなるように段状をなして、前記底面からの高さが最も高い最上面と少なくとも一つの中間棚部とを備えており、前記最上面の他方側の辺稜部を除く辺稜部に切刃が形成されていることを特徴とする軟質材加工用回転工具。 - 前記中間棚部の他方側の辺稜部と前記最上面の他方側の辺稜部とを結んだ直線と、前記基板の底面と平行な平面がなす角度θが、5°≦θ≦30°の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の軟質材加工用回転工具。
- 前記中間棚部の数が2から30の範囲内とされ、前記最上面と前記中間棚部の間及び前記中間端部同士の間には、段差壁が形成されており、
隣接する前記段差壁同士の距離が、5.0μmから50μmの範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軟質材加工用回転工具。 - 前記段差壁の高さが、1.0μmから25μmの範囲内に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の軟質材加工用回転工具。
- 前記最上面は、該最上面に対向する方向から見て、多角形あるいは円形をなしており、前記最上面がなす多角形面の外接円の半径あるいは円形面の半径が、0.03mmから1.0mmの範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の軟質材加工用回転工具。
- 前記切刃凸部が、耐摩耗材料で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の軟質材加工用回転工具。
- 前記切刃凸部の表面が、ダイヤモンド膜により被覆されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の軟質材加工用回転工具。
- CMP研磨用パッドをコンディショニングするパッドコンディショナーに備えられたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の軟質材加工用回転工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006252617A JP2008073777A (ja) | 2006-09-19 | 2006-09-19 | 軟質材加工用回転工具 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008073777A true JP2008073777A (ja) | 2008-04-03 |
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JP2006252617A Withdrawn JP2008073777A (ja) | 2006-09-19 | 2006-09-19 | 軟質材加工用回転工具 |
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-
2006
- 2006-09-19 JP JP2006252617A patent/JP2008073777A/ja not_active Withdrawn
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