JP2008072397A - 多重アクセス通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】競合端末数に関わらず、高いスループットを確保すると同時に、短期的・長期的の何れの視点でも全端末が同程度の送信機会を得られる公平性を確保することができる多重アクセス通信方法を提供することにある。
【解決手段】端末の各送信制御部2では、バックオフ時間をrand(0,CW)+CWoffsetの値で設定し、例えば電力線L上の競合端末数に応じてオフセット値(CWoffset)を動的に変化させ、競合端末数が予め定めた値未満場合は、オフセット値(CWoffset)をCW未満となる値を選択し、競合端末数が予め定めた値以上の場合はオフセット値CWoffset)をCW以上となる値を選択する。
【選択図】図1

Description

本発明は、メディア共有型伝送方式において複数端末が非同期で送信を行うために用いる、適応バックオフ型の多重アクセス通信方法に関する。
メディア共有型の伝送方式においては、端末間のアクセス競合を解決するためのアクセス方法が必要である。特に、基地局などの中央制御装置を必要としない、分散型のアクセス通信方法として、アロハ(ALOHA)やCSMA(Carrier Sense Multiple Access)などがよく知られている。無線や電力線通信など、信号減衰が大きく、衝突検出が困難な伝送方式では、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれる衝突回避型のキャリアセンス多重アクセス通信方法が用いられる。
代表的なものとして、IEEE802.11で定められているDCF(Distributed Coordination Function)と呼ばれるアクセス方式が挙げられる。この方式では図7(a)に示すようにSIFS(Short Inter Frame Space)とDIFS(Distributed access Inter Frame Space)の2つのフレーム間隔が用い、各端末ではDATAフレームを正しく受信したことを知らせるACKフレームの送信をSIFSが経過した後に行い、DATAフレームを送信する場合にはDIFS時間が経過し,且つアイドル時間を経てパケットを送信する前に、通信メディア上で他端末が送信しているかどうかを検出するキャリアセンスを行い、通信メディアが空き状態になった後、所定時間(DIFS)が経過するのを待ち、その後0〜コンテンション・ウィンドウ値(以下CW<Contention Window>と略す)の範囲からランダムなバックオフ時間の値を選択し、スロット時間を最小単位として、バックオフ時間の値×スロット時間が経過した後に送信を開始する。2台以上の複数端末が同時に送信しようとした場合でも、バックオフ値をランダムに選択することによって、衝突を避けることができる。
すなわち、最も小さいバックオフ値を選択した端末が最初に送信を開始し、他の端末は、前記端末が送信開始したことをキャリアセンスによって検出すると、バックオフ処理を中断して、再び通信メディアが空き状態になった後にバックオフ処理を再開するのである。
バックオフ値はランダムに選択されるが、偶然に同一値を選択した場合は、衝突が発生する。衝突が発生する度にCWを2倍にし、ランダム値の範囲を拡大して衝突確率を低下させる指数バックオフが行われる。
同時に送信しようとする端末(競合端末)数が多くなれば、同一のバックオフ値を選択する確率が高くなり、衝突が多発し、スループットが低下する。IEEE802.11aでは、CWの初期値は15と規定されており、衝突毎に31,63,127,…,1023まで指数的に増加させる。
CWの初期値を大きくしておけば衝突確率が低減し、競合端末が多い場合でもスループットの低下を抑制できるが、一方競合端末が少ない場合に無駄な待ち時間が多くなり、スループットが低下してしまう(図7(b)はCWの最小値を3,7,…,127,255と変化させた場合における端末数とスループットの関係を示す)。
これらを解決するため、通信メディアの使用状況を測定して、それに応じてバックオフ値のランダム範囲を動的に変更する方法が提供されている(例えば特許文献1)。
また、衝突確率を低下させるため、ランダムなバックオフ値に端末毎に異なるオフセット値を加算し、バックオフ値が一致するのを回避する方法が提供されている。(例えば特許文献2)。これらの方法によれば、競合端末数に応じて適切なバックオフ値を選択して、スループットを高めることが可能である。
特開2005−12275号公報(段落0023) 特開2005−64795号公報(段落0025〜0028)
ところで、IEEE802.11のアクセス方法は、ランダムなバックオフ時間の値を選択しているため、長期間で考えると各端末の平均バックオフ時間はCW/2となり、公平に送信機会を得られるが、短時間で考えると、小さいバックオフ時間値を連続して選択する端末の送信機会が増え、公平性が低くなる。
また、衝突を起こした端末は指数バックオフに待ち時間が激増するのに対して、たまたま衝突せずに送信できた端末は、次回もCWの初期値の範囲からランダムなバックオフ時間の値を選択するため小さい待ち時間となり、送信成功した端末が連続して送信する確率が低くない。図8(a)はIEEE802.11のアクセス方式において、競合端末数を16台とした場合の1秒毎の各端末の送信成功パケット数を計算機シミュレーションにより求めた結果であるが、50パケット/秒〜250パケット/秒の範囲でばらついており、最大5倍もの差が見られる。
前記の特許文献1,特許文献2に開示されている方法では、飽くまで伝送効率(合計スループット)の改善が目的であり、公平性は改善されていない。例えば、図7(b)において競合端末数が16の場合に、IEEE802.11のデフォルトCW=15に対して、CW=63にすれば、伝送効率は改善されている(合計スループットが高くなる)のが分かるが、この場合の送信成功パケット数は図8(b)のようになり、図8(a)と比べて若干ばらつきの幅は小さくなったものの、70パケット/秒〜210パケット/秒と依然として3倍程度のばらつきがある。
本発明は、上述の点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、競合端末数に関わらず、高いスループットを確保すると同時に、短期的・長期的の何れの視点でも全端末において同程度の送信機会が得られる公平性を確保することができる多重アクセス通信方法を提供することにある。
上述の目的を達成するために、請求項1の多重アクセス通信方法に係る発明では、0からコンテンション・ウィンドウ値までの整数から、一様にランダムな値を選択し、該選択した値とオフセット値とを加算した値をバックオフ時間とし、各端末は、通信メディア上のトラフィック負荷状況を所定の指標で観測し、トラフィック負荷状況に応じて前記オフセット値を動的に変化させ、トラフィック負荷が予め定めた値よりも少ない場合には、前記オフセット値としてコンテンション・ウィンドウ値未満となる値を選択し、トラフィック負荷が予め定めた値以上の場合には、前記オフセット値としてコンテンション・ウィンドウ値以上となる値を選択することを特徴とする。
請求項2の多重アクセス通信方法に係る発明では、請求項1の発明において、トラフィック負荷状況を、アイドル時間を基に推定した競合端末数を所定の指標として観測することを特徴とする。
請求項3の多重アクセス通信方法に係る発明では、請求項1の発明において、トラフィック負荷状況を、アイドル時間を所定の指標として観測することを特徴とする。
請求項4の多重アクセス通信方法に係る発明では、請求項1の発明において、トラフィック負荷状況を、バックオフを中断した回数を所定の指標として観測することを特徴とする。
請求項5の多重アクセス通信方法に係る発明では、請求項1の発明において、トラフィック負荷状況を、一定時間内に送信を行った端末数を所定の指標として観測することを特徴とする。
請求項6の多重アクセス通信方法に係る発明では、請求項1乃至5の何れか1項の発明において、送信パケットのヘッダに、現在の前記オフセット値を示すフィールドを設け、前記送信パケットを受信した各端末は、トラフィック負荷状況を観測する際に、送信した前記ヘッダ内の前記オフセット値を用いて所定の指標を算出することを特徴とする請求項1乃至5の何れかの1項に記載の多重アクセス通信方法。
請求項7の多重アクセス通信方法に係る発明では、請求項1乃至5の何れか1項の発明において、送信パケットのヘッダに、現在の前記オフセット値を示すフィールドを設け、前記送信パケットを受信した各端末は、トラフィック負荷状況を観測する際に、受信した前記ヘッダ内の前記オフセット値によって重み付けを行うことを特徴とする。
本発明の多重アクセス通信方法は、競合端末数に応じた適切なバックオフ値を動的に選択でき、そのため競合端末数に関わらず、高いスループットを確保すると同時に、短期的・長期的の何れの視点でも全端末が同程度の送信機会を得られ、伝送効率の改善と、端末間での公平性の確保との両立が可能となるという効果がある。
以下本発明を実施形態により説明する。
(実施形態1)
本実施形態の方法は、例えば電力線を伝送路として用いて、該電力線上に電力線搬送信号を重畳させて通信を行う通信システムに採用しており、図1(a)はその通信システムに使用する電力線搬送通信用の端末の回路構成を示す。
この端末は、信号処理部(図示せず)で作成した送信パケットを送信バッファ1と送信制御部2とを介して変調部3に送って変調した後、送信AFE(アナログフロントエンド)部4から結合器5を介して電力線搬送信号により電力線L上に送信する送信機能と、結合器5を介して電力線L上の電力線搬送信号を受信AFE部6に取り込み、この取り込んだ電力線搬送信号から復調部7によって受信パケットを復調し、この受信パケットが自己宛の場合には受信制御部8を通じて信号処理部(図示せず)に取り込む受信機能とを備えている。また受信AFE部3を通じて電力線L上の電力線搬送信号の検出がなくなると、空き状態となったことを示す信号を送信制御部2に出力するキャリア検出部9を備えている。
送信制御部2は図1(b)に示すようキャリア検出部9から空き状態を示す信号が出力されてから、DIFSの経過からパケットの送信若しくは受信開始されるまでのアイドル時間を観測して計測し、その計測値からトラフィック負荷状況に対応した指標として競合端末数Mを算出するアイドル時間観測部21と、このアイドル時間観測部21で算出した競合端末数Mを用いて後述するようにオフセット値を求めるオフセット値設定部22と、0〜CWまでの整数から一様にランダムな値を選択してその値と、上述のオフセット値とを加算してバックオフ時間とし、そのバックオフ時間が経過した後に上述の送信パケットの送信を開始する制御を行うパケット送信処理部23とを備えている。図2(a)はパケットの送受信のタイミングに対するアイドル時間の観測状況を示す。
また受信制御部8は正しく自己宛の受信パケットを受信したときにACK信号をSIFSの経過時にACK信号を送信バッファ1に送り、送信制御部2,変調部3,送信AFE部4、結合器5を通じて電力線搬送信号として送信させる機能を備えている。
ここで、上述のバックオフ時間をBackoff、選択されるランダムな値をrand(0,CW)、オフセット値をCWoffsetとすると、バックオフ時間は、
Backof=rand(0,CW)+CWoffsetf
となる。
ここでCWを仮に15とし、競合端末数Mが2乃至16台の場合について、オフセット値(CWoffset)をIEEE802.11の規格から0,3,7,15,31,63,127の各スロットまで変化させた場合の合計スループットを計算機シミュレーションにより求めたところ、図2(b)に示すような結果が得られた。
この結果では競合端末数Mが少ない場合は、オフセット値(CWoffset)が小さい方が待ち時間が少なく伝送効率が高い(スループットが高い)が、競合端末数Mが8台の場合はCWoffset=31、競合端末数Mが16台の場合はCWoffset=63とした場合が最も高効率となった。これは、バックオフ時間が大きくなることにより、衝突が低減されるためである。
本実施形態の方法では上述したアイドル時間観測部21で競合端末数Mを動的に推定して求め、オフセット値設定部22で、オフセット値(CWoffset)を適切に設定することで、高いスループットを確保しつつ衝突を低減する点に特徴があり、次に競合端末数Mを動的に推定する方法を説明する。
まず、CWoffsetが0の場合、バックオフ時間は0からCWまでのランダム値であるから、あるスロットで送信する確率Pは、下記の式(1)で求まる。
Figure 2008072397
また、競合端末数がM台の場合、あるスロットで1台以上が送信する確率qは下記の式(2)で求まる。
Figure 2008072397
また平均アイドル時間は、下記の式(3)で求まる。
Figure 2008072397
さらにCWoffsetを考慮すれば、平均的にはCWoffset/Mだけアイドル時間が長くなるため、この場合の平均アイドル時間は、下記の式(4)で求まる。
Figure 2008072397
而して、端末では、伝送路(通信メディア)が空き状態になってDIFSの経過時から他端末又は自己が送信するまでのアイドル時間を観測し、上述の(4)式を逆算することで競合端末数Mを推定するのである。また(4)式を逆算する際に、CWoffsetは自己の設定値を用いる。
次に図3のフローチャートにより本実施形態の方法を用いた端末での処理動作を詳説する。
まず、キャリア検出部9は、受信AFB部6を通じて電力線L上に電力線搬送信号の検出の有無により、伝送路(通信メディア)が空き状態になるか否かを常時監視し(ステップS1)、空き状態となるとその空き状態となったことを示す信号をパケット送信処理部23及びアイドル時間観測部21へ出力する。
パケット送信処理部23は、空き状態となってからDIFSを経過するまでの時間カウントを行い(ステップS2)、DIFSが経過すると送信バッファ1に送信パケットがあるか否かのチェックを行い(ステップS3)、送信パケットがあれば、バックオフ時間が未設定であるか否かのチェックを行い(ステップS4)、未設定であればオフセット値設定部22で、0〜CWまでのランダム値<rand (0,CW)>と、後述するように算出されるオフセット値(CWoffset)とを加算してバックオフ時間を設定する(ステップS5)。
ステップS3でのチェックで送信パケットがないと判定された場合、或いはステップS4でのチェックでバックオフ時間が設定されていると判定された場合、またステップS5が終了した場合には、キャリア検出部9の検出に基づいて他の端末からのパケットを受信しているか否かのチェックを行い(ステップS6)、受信していない場合には、再度バックオフ時間が未設定か否かのチェックをステップS7で行う。ここで未設定の場合にはステップS1に戻り、設定されている場合には、パケット送信処理部23は、1スロットの時間が経過するまでの時間カウントを行い(ステップS8)、この1スロットの時間が経過した後、バックオフ時間値のカウントダウンを行い(ステップS9)、このカウントダウンによってバックオフ時間値が”0”となったか否かを次のステップS10でチェックし、”0”でなければ、ステップ6に戻って、S6〜S10までの処理を繰り返す。そして、ステップS10のチェックでバックオフ時間値が”0”となったと判定された場合には、送信バッファ1内の送信パケットの送信処理を行う(ステップS11)。
このステップS11でのパケット送信又は、上述のステップS6で他端末からのパケット受信があると判定されると、アイドル時間観測部21は、パケット送信処理部23の下でDIFS経過時からパケット受信開始又は送信開始までのアイドル時間を計測し(ステップS12)、この計測結果から競合端末数Mを算出する。つまり、上述の式(4)によって競合端末数Mを逆算する。但し、実際にはバックオフ時間の値はランダムに選択されるため、アイドル時間は毎回ばらつき、そのため1回の観測値を基にMを算出するのは、精度が低い上に変動が大きい。従って、アイドル時間の計測(観測)値は、数10回〜数100回程度の平均値をとって、安定化を図ることが重要であり、例えばアイドル時間を直接平均化するか、算出したMを平均化する処理を行う(ステップS13)。
ステップS13で求められた競合端末数Mはオフセット値設定部22に取り込まれる。オフセット値設定部22は、競合端末数Mを用い、例えばCWoffset=a×M+b のような式に基づいてオフセット値を算出してパケット送信処理部23に設定する処理を行う(ステップS14)。
この際、競合端末数Mが多い場合に、公平性を確保するためには、オフセット値(CWoffset)がCW以上の値となるように設定する。例えば、CW=15の場合、a=4、b=−4としておけば、16台ではCWoffset=60となり、図2(b)で示した最適値に近い値にできる。
逆に競合端末数Mが少ない場合(例えば2台)には、オフセット値(CWoffset)=4となり、オフセット値がCW(=15)より十分小さい値となる。
また、M=1の場合はCWoffset=0となり、無駄な待ち時間を増やすことなく、伝送効率の低下を回避できる。
このように、本実施形態の方法では、競合端末数Mによって適当な値にオフセット値(CWoffset)を変えることにより、伝送効率を高めると同時に、高い公平性を確保できる。
この場合のスループットを図4(a)に示す。従来技術のIEEE802.11に比べて、競合端末数Mに関わらず、高いスループットを達成できていることが分かる。
また、16台の場合に、各端末の1秒毎の送信成功パケット数をシミュレーションによって算出した結果を図4(b)に示す。この図4(b)から分かるように全端末とも約150パケット/秒で安定し、図8(a)、(b)で示した従来例の場合と比べて、送信機会が極めて均等に割り当てられており、公平性が高い。
尚本実施形態の方法は、電力線搬送通信に適用させた場合であったが、無線通信においても適用でき、電力線搬送通信に限定されるものではない。
(実施形態2)
ところで、アイドル時間は全端末が同じように観測するため、通常はMの推定値は全端末で一致し、それに付随してオフセット値(CWoffset)の設定値も一致する。しかしながら、無線や電力線搬送通信などでは信号減衰やノイズが変動したり、端末の設置場所によって伝送特性が異なったりするため、キャリア検出漏れや受信エラーなどが発生することがあり、その結果、CWoffsetの設定値が端末間で異なる状態が起こりえる。また、受信エラー等がなくても、アイドル時間の安定化のために平均化処理を行っていると、途中で電源投入して参入した端末は、オフセット値(CWoffset)の設定値が異なる。また競合端末数Mを算出する際に(式4)を用いるが、オフセット値(CWoffset)が異なると、同じアイドル時間を元に計算しても異なる競合端末数Mが算出されてしまう。
これを防ぐため、本実施形態の方法では、図5(a)のように、MACヘッダに送信端末のオフセット値(CWoffset)を示すフィールドを設けておき、これを受信した他端末は、トラフィック負荷状況を観測する際に指標とする競合端末数Mを、受信パケット内のオフセット値(CWoffset)の値を用いて算出するのである。
而して本実施形態の方法では、受信パケット内のオフセット値(CWoffset)の値を用いて競合端末数Mを算出するので、端末間の差異を抑制できる。
(実施形態3)
実施形態1では、観測したアイドル時間を基に算出した競合端末数Mを所定の指標として用いてトラフィック負荷状況の観測を行っているが、競合端末数Mが多いほどアイドル時間が短くなることから、本実施形態の方法は、競合端末数Mを算出せずに、アイドル時間を所定の指標として用い、アイドル時間に基づいてオフセット値(CWoffset)を設定することで、複雑な競合端末数Mの算出が不要としている。
但し、同じ競合端末数でもオフセット値(CWoffset)によってアイドル時間は大幅に変わる。
図5(b)は、端末数が1〜16台の場合について、CWoffset=0の場合、CWoffset=31の場合、及びこれらの混在時のアイドル時間をシミュレーションにより求めた結果である。CW=15で、15を超えるアイドル時間は15とみなしている。同じ競合端末数であっても、オフセット値(CWoffset)の値によって、観測されるアイドル時間は大きく異なる。逆に、あるアイドル時間を観測しても、実際の競合端末数は特定できないため、必ずしも最適なオフセット値(CWoffset)を設定できない可能性がある。
しかしながら、競合端末数Mが8台程度までは公平性はあまり悪くなく、16台以上で極端に悪化するため、本実施形態の方法では、例えばアイドル時間=4を閾値として、それ以下の場合はCWoffset=0、それ以上の場合はCWoffset=31として、CWoffsetを0と、CW×2程度の2値で切り替えるようにしている。
(実施形態4)
実施形態3において、説明したように,同じ競合台数の場合に観測されるアイドル時間は、送信端末のオフセット値(CWoffset)によって大きく異なる。例えばオフセット値(CWoffset)が大きい値の端末が送信した場合は、アイドル時間が長くなり、オフセット値(CWoffset)が小さい値の端末が送信した場合はアイドル時間が短くなる傾向にある。
そこで本実施形態では、送信パケットのヘッダにオフセット値(CWoffset)を格納しておき、観測したアイドル時間を、ヘッダ内のオフセット値(CWoffset)によって重み付けをする。
例えば、実施形態3におけるCWoffset=0とCWoffset=31との2段階とした場合において、CWoffset=0の場合の観測アイドル時間を例えば2倍し、CWoffset=31の場合はそのままとすると、図6のようになる(混在の場合は図示せず)。本実施形態では、オフセット値(CWoffset)に対応してアイドル時間に重み付けを行うことで、オフセット値(CWoffset)によるアイドル時間のばらつき幅を図5(b)の結果と比べて少なくし、競合端末数の推定精度を向上させている。
而して、本実施形態によれば、2段階よりも多く、オフセット値(CWoffset)の区分を設けて、より実際のトラフィック負荷状況に即したオフセット値(CWoffset)の設定を行うことが可能となる。
尚、実施形態3,4のようにアイドル時間を観測する以外に競合端末数Mを推定する方法としては、端末において自己がバックオフ動作に入ってから送信を行うまでの間に、他端末が先に送信を開始したためにバックオフを中断した回数を観測する方法や、予め定めた一定期間の間に受信したパケット数をカウントすることによりトラフィックの混雑度合いを推定する方法や、一定期間の間に受信したパケットのヘッダ内の送信元アドレスを観測して何台の端末が送信を行ったかを観測する方法も有効である。
(a)は実施形態1に用いる端末の構成図、(b)は端末の送信制御部の詳細構成図である。 (a)は実施形態1におけるアイドル時間の観測説明用のタイムチャート、(b)はオフセット値をシミュレーションにより変化させて得られた合計スループットの結果説明図である。 実施形態1の処理動作説明用フローチャートである。 (a)は実施形態1のオフセット値最適化によって得られたスループットと競合端末数の関係図、(b)は送信成功パケット数をシミュレーションによって算出した結果説明図である。 (a)は実施形態2に用いるMACヘッダのフォーマット図、(b)は実施形態3によるアイドル時間観測結果図である。 実施形態4によるアイドル時間観測結果図である。 (a)は従来例のアクセス方式の説明図、(b)はCWを変化させた場合の合計スループットの変化説明図である。 (a)は従来例のアクセス方式において送信成功パケット数を計算機シミュレーションにより求めた結果説明図、(b)はIEEE802.11のアクセス方式において、CWのデフォルト値を変化させた場合の送信パケット数の変化を示す説明図である。
符号の説明
1 送信バッファ
2 送信制御部
21 アイドル時間観測部
22 オフセット値設定部
23 パケット送信処理部
3 変調部
4 送信AFE部
5 結合器
6 受信AFE部
7 復調部
8 受信制御部
9 キャリア検出部

Claims (7)

  1. 各端末がキャリアセンスによって通信メディアの空き状態を検出してから、衝突回避のためのランダムなバックオフ時間が経過した後に送信を開始する多重アクセス通信方法であって、
    0からコンテンション・ウィンドウ値までの整数から、一様にランダムな値を選択し、該選択した値とオフセット値とを加算した値をバックオフ時間とし、
    各端末は、通信メディア上のトラフィック負荷状況を所定の指標で観測し、トラフィック負荷状況に応じて前記オフセット値を動的に変化させ、
    トラフィック負荷が予め定めた値よりも少ない場合には、前記オフセット値としてコンテンション・ウィンドウ値未満となる値を選択し、トラフィック負荷が予め定めた値以上の場合には、前記オフセット値としてコンテンション・ウィンドウ値以上となる値を選択することを特徴とする多重アクセス通信方法。
  2. トラフィック負荷状況を、アイドル時間を基に推定した競合端末数を所定の指標として観測することを特徴とする請求項1記載の多重アクセス通信方法。
  3. トラフィック負荷状況を、アイドル時間を所定の指標として観測することを特徴とする請求項1記載の多重アクセス通信方法。
  4. トラフィック負荷状況を、バックオフを中断した回数を所定の指標として観測することを特徴とする請求項1記載の多重アクセス通信方法。
  5. トラフィック負荷状況を、一定時間内に送信を行った端末数を所定の指標として観測することを特徴とする請求項1記載の多重アクセス通信方法。
  6. 送信パケットのヘッダに、現在の前記オフセット値を示すフィールドを設け、前記送信パケットを受信した各端末は、トラフィック負荷状況を観測する際に、送信した前記ヘッダ内の前記オフセット値を用いて所定の指標を算出することを特徴とする請求項1乃至5の何れかの1項に記載の多重アクセス通信方法。
  7. 送信パケットのヘッダに、現在の前記オフセット値を示すフィールドを設け、前記送信パケットを受信した各端末は、トラフィック負荷状況を観測する際に、受信した前記ヘッダ内の前記送信パオフセット値によって重み付けを行うことを特徴とする請求項1乃至5の何れかの1項に記載の多重アクセス通信方法。
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