JP2008071967A - プリント配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板上における配置領域を少なくして基板を小型化することができるとともに、並行配線の導体パターン間における配線線路長差を極力少なくし、伝送される信号の時間的なズレを少なくして性能を確保することができるプリント配線基板を提供する。
【解決手段】互いに分断されている第1の導体パターン3aと第2の導体パターン3bとを接続するために、互いに長さが異なる短ワイヤージャンパ線5と長ワイヤージャンパ線6とをスタック配置させて接続したことにより、各先端ランド4a〜4dを互いに略平行になるように形成することができる。これにより、プリント配線基板1の実装面上における配置占有領域を少なくすることができ、プリント配線基板1を小型化することができる。また、第2の並行配線3の導体パターンに伝送される信号の時間的ズレを低減させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、略平板状でかつ、一方の面に電子部品を実装可能な片面基板において、離間した配線パターン間をワイヤージャンパで接続したプリント配線基板に関する。
一般に、プリント配線基板には、基板の片面に導体パターンが形成されている片面配線基板と、基板の両面に導体パターンが形成されている両面配線基板とがある。片面配線基板は、導体パターンが形成されている面を第1面、導体パターンが形成されていない面を第2面とした時、第2面にコンデンサ,抵抗,ダイオード,トランジスタ等の電子部品や、接続線(いわゆるジャンパ線)等の各部品を配し、電子部品の接続端子を第1面に突出させ、第1面において導体パターンに半田付けする構成が一般的である。
ジャンパ線の構成には、金属製のワイヤーで導体パターン間を接続するワイヤージャンパや、導体パターン上に金属ペーストなどでジャンパ線の機能を持ったパターンを形成し導体パターン間を接続するパターンジャンパなどがある。ワイヤージャンパは、簡単かつ低コストに実現できるが、金属ワイヤーを用いるためプリント配線基板上にある程度大きなスペースが必要になる。したがって、ワイヤージャンパは、ポータブルオーディオ機器などの小型機器よりも、DVDレコーダーなどのように比較的大きな電気機器に用いられることが多い。一方、パターンジャンパは、金属ペーストにて実現するため、プリント配線基板上においてあまり大きなスペースを必要としない。したがって、パターンジャンパは小型機器に用いて有効である。しかし、パターンジャンパは、形成するのに手間やコストがかかってしまう。
近年、ワイヤージャンパを搭載する電気機器においても、小型化や多機能化に伴い、プリント配線基板上におけるワイヤージャンパが占める面積をできるだけ少なくすることが必要となってきている。その方法の一例として、例えば特許文献1に開示された構成がある。特許文献1には、複数のワイヤージャンパを交差させて立体配置したことにより、プリント配線基板上におけるワイヤージャンパの占有面積を少なくする構成が開示されている。
特許文献1に開示されている構成は、ワイヤージャンパを1本ずつ交差されている構成を示しているが、複数本のワイヤージャンパを交差させる場合の構成について説明する。
図4は、従来のプリント配線基板の構成を示す平面図である。図5は、図4に示すプリント配線基板にワイヤージャンパが接続されている状態を示す平面図である。図6は、図5におけるZ−Z部分の断面図である。
図4において、プリント配線基板101の一方の面には、第1の並行配線102、第2の並行配線103、先端ランド104、および孔部106a及び106bが形成されている。
プリント配線基板101は、例えばフェノール樹脂で形成されている略平板状の基板であり、本構成では一方の面のみに並行配線102及び103が印刷されている片面配線基板で構成されている。なお、プリント配線基板101において、図4に示すように並行配線102及び103などが形成されている面を第1面とし、第1面の裏側の面を第2面と定義する。
第1の並行配線102は、複数本(本例では18本)の導体パターンで構成され、略直線状の導体パターンが互いに平行に形成されている。第1の並行配線は、プリント配線基板101上に銅箔印刷することによって形成される。また、本構成では、第1の並行配線102は、18本の導体パターンで構成されているが、この本数に限定されない。
第2の並行配線103は、複数本(本例では7本)の導体パターンで構成されている。また、第2の並行配線103は、第1の並行配線102を挟んで分断されており、分断された一方を第1の導体パターン103a、他方を第2の導体パターン103bとしている。また、第1の導体パターン103a、第2の導体パターン103bのそれぞれの先端には、先端ランド104a及び104bが一体的に形成されている。また、第1の導体パターン103aは、他の回路から先端ランド104a近傍までの部分は、略平行でかつ互いに狭間隔に形成され、先端ランド104aに近くなるにしたがい、その間隔が広がるように形成されている。また、第2の導体パターン103bは、他の回路から先端ランド104b近傍までの部分は、略平行でかつ互いに狭間隔に形成され、先端ランド104bに近くなるにしたがい、その間隔が広がるように形成されている。
先端ランド104a及び104bは、略円形に形成されている。先端ランド104a及び104bは、複数のランドが、それぞれ第1の並行配線102の長手方向に沿って並ぶように形成されている。また、先端ランド104aの列と先端ランド104bの列とは、互いに略平行で、かつ第1の並行配線102を挟むような位置に形成されている。また、先端ランド104a及び104bの略中央には、孔部106a及び106bが形成されている。なお、先端ランド104a及び104bの形状は、円形に限定されるものではない。
孔部106a及び106bは、先端ランド104a及び104bと、プリント配線基板101を挿通するように形成されている。孔部106a及び106bは、少なくともワイヤージャンパ105を挿通可能な内径で形成されている。
ワイヤージャンパ105は、金属製の導線で構成され、本構成では第1の導体パターン103aと第2の導体パターン103bとを電気的に接続するものである。ワイヤージャンパ105は、プリント配線基板101に配置される前の状態は、略直線状でもよいし、図6に示すような略コ字状に折り曲げておいてもよい。
上記のように構成されたプリント配線基板101にワイヤージャンパ105を配置させる際は、ワイヤージャンパ105の一方の端部を先端ランド104aに形成されている孔部106aに挿通させ、他方の端部を先端ランド104bに形成されている孔部106bに挿通させる。この時、ワイヤージャンパ105は、プリント配線基板101の第2面側から孔部106a及び106bに挿通させる。また、本例では、先端ランド104a及び104bにおいて、互いに対向する先端ランド同士が対となっているので、ワイヤージャンパ105を孔部106a及び106bに挿通させる際は、対になっている先端ランドの孔部に挿通させる。
次に、ワイヤージャンパ105の両端を互いに対向する方向へ折り曲げる。この時、折り曲げた先端部分が、先端ランド104a及び104bに電気的に接続可能なように折り曲げる。
次に、ワイヤージャンパ105の一方の先端と先端ランド104aとを半田付けし、ワイヤージャンパ105の他方の先端と先端ランド104bとを半田付けして、ワイヤージャンパ105を先端ランド104に電気的に接続する。
図4に示す構成では、第2の並行配線103及び先端ランド104は複数対形成されているため、上記のワイヤージャンパ105装着手順に従って、他の先端ランド104にもワイヤージャンパ105を接続する。
このようにして、ワイヤージャンパ105の装着が完了する。装着後の状態を図5及び図6に示す。図6に示すように、ワイヤージャンパ105は、第1の並行配線102を跨ぐようにして、第1の導体パターン103aと第2の導体パターン103bとを接続している。
なお、先端ランド104a及び104bの配置については、図4に示す配置以外に、図7に示す千鳥配置がある。
特開平6−334290号公報
しかしながら特許文献1に開示されている構成では、先端ランド104a及び104bを並行配線103の長手方向に対して直交する方向に並べて配置しているため、並行配線103の引き回しが長い部分が発生する。図4に示す構成では、並行配線103のうち上端及び下端の導体パターンが、最も引き回しが長い。このような構成では、装置外への電波の輻射が多くなり、ノイズが増加してしまうという問題点がある。
また、並行配線103を構成している複数の配線パターンにおいて、導体パターン間の配線線路長差が大きくなり、高速信号を束配線する際に性能確保が困難になるという問題点がある。すなわち、図4に示す並行配線103において、最も配線線路長が長い上端及び下端の導体パターンと、最も配線線路長が短い中央の導体パターンとは、配線線路長の差が大きい。このような構成において、例えば、第1の導体パターン103aを構成している7本の導体パターンに同じタイミングで信号が入力された場合、ジャンパ線105を介して第2の導体パターン103bに伝送された時には、7本の導体パターンにおける信号のタイミングが大きくずれてしまうことになる。すなわち、配線線路長が長ければ長いほど、タイミングが遅れてしまう。
また、配線線路長が長い導体パターンがあるため、その分プリント配線基板101上における配置領域が大きくなり、プリント配線基板101の小型化をする上で弊害になる。
また、図7に示すような千鳥配置であっても、同様の問題がある。
本発明は、上記問題点を鑑み、基板上における配置領域を少なくして基板を小型化することができるとともに、並行配線の導体パターン間における配線線路長差を極力少なくし、伝送される信号の時間的なズレを少なくして性能を確保することができるプリント配線基板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明のプリント配線基板は、基板上にプリント配線により複数のリード配線が並行に配置された並行配線同士をワイヤージャンパ線によって交差させるようにしたプリント配線基板であって、前記交差される第1及び第2の並行配線が施された基板の第1面において、連続して配線される前記第1の並行配線に対して直交する前記第2の並行配線の各リード配線を当該第1の並行配線を挟んで途切れさせ、その途切れた各リード配線の先端にはジャンパー線半田付け用の先端ランドを配置形成し、前記第1の並行配線を挟んで配置された先端ランドは、一方において隣り合うリード配線同士の前記先端ランドが、前記第1の並行配線と直交する方向の同一線上に近接して配置され、前記第1の並行配線を挟んで対向する位置に配置された先端ランドは、前記第1の並行配線に近い側同士の先端ランドを接続する短ワイヤージャンパ線と、遠い側同士の先端ランドを接続する長ワイヤージャンパ線とによって接続され、かつ、前記短ワイヤージャンパ線と長ワイヤージャンパ線とは重ね合わせて配置するように構成されているものである。
本発明は、複数のジャンパ線をスタック配置させたことにより、基板上における導体パターンを占有面積を少なくすることができ、基板を小型化できる。
また、導体パターンに伝送される信号の時間的なズレを低減させることができ、回路の性能確保を実現することができる。
本発明のプリント配線基板は、前記先端ランドは、前記第1の並行配線から遠い側の隣り合う先端ランド間を、近い側の先端ランドに配線するリード配線を形成するに必要な最小間隔とした構成とすることができる。この構成により、先端ランドを基板上に高密度に配置形成することができ、基板を小型化することができる。
また、前記短ワイヤージャンパ線と長ワイヤージャンパ線は、絶縁体を介在させて重ね合わせた構成とすることができる。この構成により、短ワイヤージャンパ線と長ワイヤージャンパ線とを電気的に絶縁することができる。
また、前記絶縁体は、基板により構成され、前記短ワイヤージャンパ線に対向する部分のスリットと、長ワイヤージャンパ線挿入用の貫通孔とが形成されている構成とすることができる。よって、スリットを設けることで短ワイヤージャンパ線を内在させることができるとともに、長ワイヤージャンパ線を貫通孔と基板の孔とを挿通させることができるので、絶縁体と基板とを密着して接合させることができるとともに、絶縁体と基板との間のガタツキを低減させることができる。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1のプリント配線基板の構成を示す平面図であり、ワイヤージャンパが接続されている状態を示している。図2は、図1におけるZ−Z部分の断面図である。
図1及び図2に示すように、プリント配線基板1は、基板11と絶縁体12とから構成されている。基板11の第1面には、第1の並行配線2、第2の並行配線3、先端ランド4a〜4dが形成されている。先端ランド4a〜4dは、4a−1,4a−2,4a−3,4b−1,4b−2,4b−3,4c−1,4c−2,4c−3,4d−1,4d−2,及び4d−3に示すように、各々3個の先端ランドから構成されている。また、基板11には、孔部11a,11b,11c及び11dが貫通して形成されている。また、絶縁体12には、孔部12a,12b及び12cが貫通して形成されている。
基板11は、例えばフェノール樹脂で形成されている略平板状の基板であり、本実施の形態では、一方の面のみに第1の並行配線2及び第2の並行配線3が印刷されている片面配線基板で構成されている。なお、基板11において、第1の並行配線2及び第2の並行配線3などが形成されている面を第1面とし、第1面の反対面を第2面と定義する。
絶縁体12は、基板11の第2面に配されている。また、絶縁体12は、短ワイヤージャンパ線5と長ワイヤージャンパ線6とを電気的に絶縁するとともに、長ワイヤージャンパ線6を位置決めするために配されているため、基板11のように配線パターンなどは形成されていない。本実施の形態では、絶縁体12に配線パターンなどは形成されていないが、配線パターンが形成されている基板を用いてもよい。
第1の並行配線2は、複数本(本例では18本)の導体パターンで構成され、略直線状の導体パターンが互いに平行に形成されている。第1の並行配線2は、プリント配線基板1上に銅箔印刷することによって形成されている。なお、本実施の形態では、第1の並行配線2は、18本の導体パターンで構成されているが、この本数に限定されない。
第2の並行配線3は、複数本(本例では6本)の導体パターンで構成されている。また、第2の並行配線3は、その長手方向が、第1の並行配線2に対して略直交する方向に形成されている。また、第2の並行配線3は、第1の並行配線2を挟んで分断されており、分断された一方を第1の導体パターン3a、他方を第2の導体パターン3bとしている。また、第1の導体パターン3aの先端には、先端ランド4a及び4cが一体的に形成されている。また、第2の導体パターン3bの先端には、先端ランド4b及び4dが一体的に形成されている。また、第1の導体パターン3aは、他の回路から先端ランド4a及び4c近傍に至るまでの部分は、略平行でかつ互いに狭間隔に形成され、先端ランド4a及び4cに近づくにつれ、その間隔が広がるように形成されている。また、第2の導体パターン3bは、他の回路から先端ランド4b及び4d近傍に至るまでの部分は、略平行でかつ互いに狭間隔に形成され、先端ランド4b及び4dに近づくにつれ、その間隔が広がるように形成されている。なお、第1の導体パターン3a及び第2の導体パターン3bにおいて、各パターンの幅寸法は、本実施の形態では約0.15mmに設定されている。
先端ランド4a〜4dは、並行配線3の先端に一体的に形成され、略円形に形成されている。各先端ランド4a〜4dは、それぞれ複数の先端ランド(本実施の形態では、先端ランド4a−1〜4d−3に示すように、第1の並行配線2に平行な方向に並んで配されている3個のランド)を一組としている。また、先端ランド4a及び4bは、第1の並行配線2から離れた位置に配され、先端ランド4c及び4dは、先端ランド4a及び4bよりも第1の並行配線2に近い位置に配されている。また、先端ランド4aにおける先端ランド4a−1と先端ランド4a−2との間隔は、先端ランド4c−1に接続されている第1の導体パターン3aの幅寸法よりも大きくなるように配置されている。また、先端ランド4a−2と先端ランド4a−3との間隔は、先端ランド4c−2に接続されている第1の導体パターン3aの幅寸法よりも大きくなるように、先端ランド4a−2及び4a−3が配置されている。すなわち、先端ランド4cに接続されている第1の導体パターン3aは、先端ランド4aの各先端ランド4a−1〜4a−3の間を通って先端ランド4cに接続されている。また、先端ランド4bにおける先端ランド4b−1と先端ランド4b−2との間隔は、先端ランド4d−1に接続されている第2の導体パターン3bの幅寸法よりも大きくなるように配置されている。また、先端ランド4b−2と先端ランド4b−3との間隔は、先端ランド4d−2に接続されている第2の導体パターン3bの幅寸法よりも大きくなるように、先端ランド4b−2及び4b−3が配置されている。すなわち、先端ランド4dに接続されている第2の導体パターン3bは、先端ランド4bの各先端ランド4b−1〜4b−3の間を通って先端ランド4dに接続されている。また、先端ランド4aと先端ランド4bとが対になっており、長ワイヤージャンパ線6で電気的に接続させる必要がある。また、先端ランド4cと先端ランド4dとが対になっており、短ワイヤージャンパ線5で電気的に接続させる必要がある。また、先端ランド4aの略中央には孔部11aが形成され、先端ランド4bの略中央には孔部11bが形成され、先端ランド4cの略中央には孔部11cが形成され、先端ランド4dの略中央には孔部11dが形成されている。なお、先端ランド4a〜4dの形状は、円形に限定されるものではなく、多角形や半円形で形成されていても同様に機能する。また、本実施の形態では、先端ランド4a〜4dは直径約2mmに形成されている。また、先端ランド4aにおける各ランド間のピッチは約0.75mmに設定されている。また、先端ランド4bにおける各ランド間のピッチは約0.75mmに設定されている。また、先端ランド4aの間を通るように配置されている導体パターンは、先端ランド4aを構成している各ランド間において中央に配され、この時の導体パターンの両側に配されている先端ランド4aとの間隔は約0.3mmに設定されている。先端ランド4bと導体パターンとの間隔も同様である。また、先端ランド4aと先端ランド4cとの間隔、先端ランド4bの中心と先端ランド4dの中心との間隔は、それぞれ約2.5mmに設定されている。
短ワイヤージャンパ線5は、金属線で構成され、先端ランド4cと先端ランド4dとを電気的に接続するものである。具体的には、先端ランド4c−1と4d−1とを接続する短ワイヤージャンパ線と、先端ランド4c−2と4d−2とを接続する短ワイヤージャンパ線と、先端ランド4c−3と4d−3とを接続する短ワイヤージャンパ線とから構成されている。
長ワイヤージャンパ線6は、金属線で構成され、先端ランド4aと先端ランド4bとを電気的に接続するものである。具体的には、先端ランド4a−1と4b−1とを接続する長ワイヤージャンパ線と、先端ランド4a−2と4b−2とを接続する長ワイヤージャンパ線と、先端ランド4a−3と4b−3とを接続する長ワイヤージャンパ線とから構成されている。
短ワイヤージャンパ線5及び長ワイヤージャンパ線6は、図2に示すように側面視で略コの字状に折り曲げて、プリント配線基板1に装着される。長ワイヤージャンパ線6は、短ワイヤージャンパ線5よりも長い導線で構成されており、図2に示すように折り曲げられた状態でも短ワイヤージャンパ線5の接続部5a,5bの間隔よりも、長ワイヤージャンパ線6の接続部6a,6bの間隔の方が大きくなるように構成されている。
孔部11a〜11dは、基板11の第1面から第2面まで貫通して形成されている。また、孔部11a〜11dは、短ワイヤージャンパ線5または長ワイヤージャンパ線6をプリント配線基板1に実装するためのものであり、少なくとも短ワイヤージャンパ線5または長ワイヤージャンパ線6の先端付近を挿通可能な内径で形成されている。孔部11a及び11bに、長ワイヤージャンパ線6の接続部6a,6bが挿通される。また、孔部11c及び11dに、短ワイヤージャンパ線5の接続部5a,5bが挿通される。なお、本実施の形態では、孔部11a〜11dの内径は約1mmに設定されている。
孔部12a及び12bは、絶縁体12の第1面から第2面まで貫通して形成されている。また、孔部12a及び12bは、長ワイヤージャンパ線6の接続部6a,6bが挿通される。これにより、絶縁体12を長ワイヤージャンパ線6によって、基板11に保持させることができる。なお、本実施の形態では、孔部12a及び12bの内径は約1mmに設定されている。
孔部12cは、絶縁体12の第1面から第2面まで貫通して形成されている。また、孔部12cは、絶縁体12を基板11に接合させた時に、短ワイヤージャンパ線5が内在するように形成されている。
以下、本実施の形態のプリント配線基板の組立方法について説明する。
図3A〜図3Eは、実施の形態1におけるプリント配線基板の組立手順を示している断面図である。なお、図3A〜図3Eに示す断面図は、図1におけるY−Y部分の断面であるものとする。また、図3A〜図3Eは、便宜上、図2の断面図に対して天地逆転させて描画している。
まず、図3Aに示すように、孔部11a〜11dが形成されている基板11に、略コの字状に折り曲げられている短ワイヤージャンパ線5を装着する。具体的には、短ワイヤージャンパ線5の両端の接続部5a,5bを、基板11の第2面側から孔部11c及び11dに挿入し、基板11の第1面側に突出するように挿通させる。
次に、図3Bに示すように、基板11に装着された短ワイヤージャンパ線5の接続部5a,5bを、各々対向する方向へ折り曲げる。この時、接続部5a,5bが、基板11の第1面に配されている先端ランド4c及び4dに接続可能なように折り曲げる。また、基板11に装着された状態では、短ワイヤージャンパ線5の中部は、基板11の第2面側に露出した状態になっている。なお、接続部5a,5bの折り曲げ方向は、本実施の形態では各々対向する方向に折り曲げる構成したが、少なくとも接続部5a,5bが先端ランド4c及び4dに接続可能であれば、他の方向に折り曲げてもよい。
次に、図3Cに示すように、絶縁体12を基板11に装着する。具体的には、基板11の第2面に絶縁体12を面当接させる。この時、絶縁体12に形成されている孔部12c内に、短ワイヤージャンパ線5の中部(基板11の第2面において突出した部分)を内在させる。また、絶縁体12に形成されている孔部12a及び12bは、基板11に形成されている孔部11a及び11bと、位置及び内径がほぼ同じになるように形成されている。
次に、図3Dに示すように、略コの字状に折り曲げられている長ワイヤージャンパ線6を、基板11及び絶縁体12に装着する。具体的には、長ワイヤージャンパ線6の接続部6a,6bを、絶縁体12の第2面側から孔部12a及び12bに挿入し、孔部12a及び12bと孔部11a及び11bとを挿通させて、基板11の第1面側に突出させる。
次に、図3Eに示すように、長ワイヤージャンパ線6の接続部6a,6bを互いに対向する方向へ折り曲げる。この時、接続部6a,6bが、基板11の第1面に配されている先端ランド4a及び4bに接続可能なように折り曲げる。なお、接続部6a,6bの折り曲げ方向は、本実施の形態では各々対向する方向に折り曲げる構成したが、少なくとも接続部6a,6bが先端ランド4a及び4bに接続可能であれば、他の方向に折り曲げてもよい。
最後に、接続部5a,5bと先端ランド4c及び4dとを半田付けし、接続部6a,6bと先端ランド4a及び4bとを半田付けする。これにより、短ワイヤージャンパ線5及び長ワイヤージャンパ線6によって、図1及び図2に示す第1の導体パターン3aと第2の導体パターン3bとの電気的接続が完了する。
以上のように本実施の形態によれば、互いに分断されている第1の導体パターン3aと第2の導体パターン3bとを接続するために、従来のように同じ長さのジャンパ線を用いるのではなく、図2に示すように互いに長さが異なる短ワイヤージャンパ線5と長ワイヤージャンパ線6とをスタック配置させて接続したことにより、図1に示すように、各先端ランド4a〜4dを互いに略平行になるように配置形成することができる。これにより、プリント配線基板1の実装面上における配置占有領域を少なくすることができ、プリント配線基板1を小型化することができる。また、高密度な配線を実現することができる。
また、短ワイヤージャンパ線5と長ワイヤージャンパ線6とをスタック配置させることにより、先端ランド4aから4dを図1に示すように平行配置させることができるので、第1の導体パターン3a及び第2の導体パターン3bの長さを短くすることができるので、装置外への不要電波の輻射を少なくすることができ、ジャンパ線近傍の回路におけるノイズを低減させることができる。
また、先端ランド4c−1〜4c−3のそれぞれに接続されている第1の導体パターン3aが、先端ランド4aを構成している各先端ランド4a−1〜4a−3のそれぞれの間を通るように形成され、先端ランド4d−1〜4d−3のそれぞれに接続されている第2の導体パターン3bが、先端ランド4bを構成している各先端ランド4b−1〜4b−3のそれぞれの間を通るように形成されていることにより、先端ランド4a及び4bに接続されている導体パターンと、先端ランド4c及び4dに接続されている導体パターンとの、長さの差を少なくすることができるので、導体パターンを構成している各パターンに伝送される信号の時間的なズレを少なくすることができ、性能を確保することができる。特に、高速信号を束配線する場合、束信号間の配線線路長差を小さくすることができるので、性能を確保することができる。
また、短ワイヤージャンパ線5と長ワイヤージャンパ線6は、絶縁体12を介在させて重ね合わせた構成としたことにより、短ワイヤージャンパ線5と長ワイヤージャンパ線6とを電気的に絶縁することができる。
また、絶縁体12に、孔部12a〜12cが形成されていることにより、孔部12c内に短ワイヤージャンパ線5を内在させることができるとともに、長ワイヤージャンパ線6を孔部12a及び12bと孔部11a及び11bとを挿通させることができるので、基板11と絶縁体12とを密着して接合させることができ、基板11と絶縁体12との間のガタツキを低減させることができる。
なお、上記各寸法は一例であり、他の寸法で形成してもよい。
また、先端ランド4a〜4dの数は、本実施の形態のように各3個に限らず、4個以上であっても同様に配線することができ、同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、短ワイヤージャンパ線5と長ワイヤージャンパ線6の2種類のジャンパ線を用いたが、3種類の長さを有するジャンパ線をスタック配置させる構成であっても同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、基板11と絶縁体12とは、面当接させているのみであるが、接着剤等で両者を接着固定してもよい。
本発明のプリント配線基板は、分断された導体パターン間の電気的接続を行うジャンパ配線に関するものであり、様々な電気回路基板に有用である。
実施の形態1におけるプリント配線基板の平面図 実施の形態1におけるプリント配線基板の断面図 実施の形態1におけるプリント配線基板の組立工程を示す断面図 実施の形態1におけるプリント配線基板の組立工程を示す断面図 実施の形態1におけるプリント配線基板の組立工程を示す断面図 実施の形態1におけるプリント配線基板の組立工程を示す断面図 実施の形態1におけるプリント配線基板の組立工程を示す断面図 従来のプリント配線基板の構成を示す平面図 従来のプリント配線基板の構成を示す平面図 従来のプリント配線基板の構成を示す断面図 従来のプリント配線基板の構成を示す平面図
符号の説明
1 プリント配線基板
2 第1の並行配線
3 第2の並行配線
3a 第1の導体パターン
3b 第2の導体パターン
4a、4b、4c、4d 先端ランド
5 短ワイヤージャンパ線
6 長ワイヤージャンパ線
7 半田
11 基板
11a、11b、11c、11d 孔部
12 絶縁体
12a、12b、12c 孔部

Claims (4)

  1. 基板上にプリント配線により複数のリード配線が並行に配置された並行配線同士をワイヤージャンパ線によって交差させるようにしたプリント配線基板であって、
    前記交差される第1及び第2の並行配線が施された基板の第1面において、連続して配線される前記第1の並行配線に対して直交する前記第2の並行配線の各リード配線を当該第1の並行配線を挟んで途切れさせ、その途切れた各リード配線の先端にはジャンパー線半田付け用の先端ランドを配置形成し、
    前記第1の並行配線を挟んで配置された先端ランドは、一方において隣り合うリード配線同士の前記先端ランドが、前記第1の並行配線と直交する方向の同一線上に近接して配置され、
    前記第1の並行配線を挟んで対向する位置に配置された先端ランドは、前記第1の並行配線に近い側同士の先端ランドを接続する短ワイヤージャンパ線と、遠い側同士の先端ランドを接続する長ワイヤージャンパ線とによって接続され、かつ、前記短ワイヤージャンパ線と長ワイヤージャンパ線とは重ね合わせて配置するように構成されていることを特徴とするプリント配線基板。
  2. 前記先端ランドは、
    前記第1の並行配線から遠い側の隣り合う先端ランド間を、近い側の先端ランドに配線するリード配線を形成するに必要な最小間隔とした、請求項1記載のプリント配線基板。
  3. 前記短ワイヤージャンパ線と長ワイヤージャンパ線は、
    絶縁体を介在させて重ね合わせた構成とした、請求項1記載のプリント配線基板。
  4. 前記絶縁体は、
    基板により構成され、
    前記短ワイヤージャンパ線に対向する部分のスリットと、長ワイヤージャンパ線挿入用の貫通孔とが形成されている、請求項3記載プリント配線基板。
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