JP2008070343A - 位置計測システム - Google Patents

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Yasuji Seko
保次 瀬古
Yasuyuki Saguchi
泰之 佐口
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Abstract

【課題】 複数の光源の位置または指示位置を計測することができる位置計測システムを提供する。
【解決手段】 位置計測システムは、ポインタ1,2と、ポインタ1,2の発光を制御する発光制御装置3と、ポインタ1,2から放射された光を撮像するCCDイメージセンサ4,5と、イメージセンサ4,5が撮像した画像に基づいてポインタ1,2の指示位置を演算するPC6とを備える。ポインタ1,2は同心円模様光9を投影する。PC6はディスプレイ10に接続され、ポインタ1,2が指し示した位置にカーソル7を表示させる。発光制御装置3は、イメージセンサ4,5の撮像フレームに対応してポインタ1,2を順次選択して発光させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、位置計測システムに関するものである。
従来から点光源の位置やポインタ光源の指示位置を計測する位置計測システムが知られている。この種のシステムは、点光源の3次元(3D)位置の計測やポインタ光源の指示位置の計測に利用できるほか、これを用いて物を誘導する位置情報システムや、ロボットの位置の自動制御システムなどに利用することができる。
例えば、従来提案されているポインタ光源の指示位置を計測する位置計測システムでは、同心円模様を投影する投影装置をポインタ本体として利用し、ポインタで指示される対象物の比較的近傍に同心円模様を検出するセンサを設置している(特許文献1)。従来のシステムでは、例えば、ポインタの指示位置の移動をディスプレイ画面におけるカーソル移動に適用する場合には、画面の端部に複数のセンサを設置し、ユーザが使用するポインタ側に同心円模様の投影装置を設けるように構成される。
特開2004−28977号公報
従来の光源の位置やポインタ光源の指示位置を計測する位置計測システムでは、多数の光源位置や多数のポインタの指示位置を計測することができない。すなわち、従来の位置計測システムでは、複数の光源を配置して利用することが困難であり、またポインタはユーザが1人しか利用できず、同時に複数人が利用できることが困難であるという問題がある。
本発明の目的は、複数の光源の位置または指示位置を計測することができる位置計測システムを提供することにある。
上記目的は、複数の光源の発光を制御する発光制御装置と、前記光源から放射された光を撮像する撮像装置と、前記撮像装置が撮像した画像に基づいて前記光源の位置または指示位置を演算する演算装置とを備え、前記発光制御装置が前記撮像装置の撮像フレームに対応して前記光源を順次選択して発光させる位置計測システムにより、達成される。
ここで、前記光源の発光と前記撮像装置に設けられたシャッターの開閉とを同期させて前記光源からの光を撮像することができる。前記発光制御装置は、前記撮像装置のシャッターの開閉タイミングにあわせて前記光源を発光させることができる。また、前記光源からの光を受光する受光装置を備え、前記受光装置が検知した前記光源の発光にあわせて前記撮像装置のシャッターを開閉することができる。
また、前記発光制御装置がどの光源も発光させない非発光撮像フレームを介在させ、前記演算装置が前記非発光撮像フレームの画像を他の画像との背景差分を撮るための背景画像として使用することができる。前記非発光撮像フレームは、前記複数の光源の発光の撮像終了後に撮像することができる。
本発明によれば、複数の光源の位置または指示位置を計測することができる位置計測システムを得ることができる。複数の光源を制御装置により制御して時系列で発光させ、その発光タイミングにあわせて光源の発光により形成される同心円模様や光リング像をイメージセンサが撮像し、光源の位置やポインタの指示位置を計測することができる。本発明では、発光制御装置が複数の光源や複数のポインタに割り当てられた識別番号(ID番号)を識別しながら光源を発光させることにより、複数の光源や複数のポインタが存在する場合であってもID番号を識別しながら容易に各光源の位置や各ポインタの指示位置を計測することができる。
以下、本発明に係る位置計測システムの実施例を説明する。
(実施例1)
図1は、本発明に係る位置計測システムの一実施例を示す図である。本実施例では、図示のように、複数の光源としてのポインタ1,2と、ポインタ1,2の発光を制御する発光制御装置3と、ポインタ1,2から放射された光を撮像する撮像装置としてのCCDイメージセンサ4,5と、イメージセンサ4,5が撮像した画像に基づいてポインタ1,2の指示位置を演算する演算装置としてのパソコン(PC)6等のコンピュータとを備える。ポインタ1,2は同心円模様光9を投影する。このポインタの構成例については後述する。イメージセンサ4,5は、ポインタ1,2が同心円模様光9を投影する対象物である例えばディスプレイ10の端部に設けられる。PC6はディスプレイ10に接続され、ポインタ1,2が指し示した位置にカーソル7を表示させることができる。
発光制御装置3は、イメージセンサ4,5の撮像フレームに対応してポインタ1,2を順次選択して発光させる。これは、例えば、各ポインタにそれぞれ識別番号(ID番号)を付与し、発光制御装置3がそのID番号に対応する信号を順次送信することで実現することができる。ポインタ1,2の発光とイメージセンサ4,5に設けられたシャッターの開閉とは同期してポインタ1,2からの光を撮像する。この場合、発光制御装置3が、イメージセンサ4,5のシャッターの開閉タイミングにあわせてポインタ1,2を発光させることができる。また、ポインタ1,2からの光を受光する受光装置(PD)8を備え、これをイメージセンサ4,5に接続し、PD8が検出したポインタ1,2の発光にあわせてイメージセンサ4,5のシャッターを開閉することができる。
本実施例では、ディスプレイ10の画面に向かって同心円模様の光を投影する2台のポインタ1,2の指示位置を計測する例を示している。ディスプレイ10の上端部にイメージセンサ4,5が設置される。イメージセンサ4,5は、例えば30フレーム/秒の撮像速度を持つIEEE1394カメラとする。それにより撮像した画像は画像データとしてIEEE1394ケーブルを通じてPC6に入力され、画像解析によりポインタ1,2の指示位置が計測される。また、PC6には無線の発光制御装置3が連結されており、PC6の指示により発光制御装置3は、ポインタ1または2に発光するように信号を送信し、発光すべきポインタだけが発光するように制御する。
ポインタ1,2は、発光制御装置3から信号を受信して、同心円模様の光を発光する機能を備える。その発光はイメージセンサ4,5が撮像可能な時間、即ち撮像フレームがオンのタイミングの時に発光するようにする。また、ポインタの発光に同期してイメージセンサ4,5の撮像シャッターが切られるようにPC6がイメージセンサ4,5を制御する。図2はイメージセンサとポインタの制御シーケンスの一例を示す図で、(a)はイメージセンサ撮像フレーム、(b)はポインタ1の発光、(c)はポインタ2の発光、(d)はイメージセンサ撮像シャッターの制御シーケンスである。イメージセンサ撮像フレームは1/30秒間隔である。図示のように、ある撮像フレームがオンの期間にポインタ1が発光(オン)し、これに同期してイメージセンサ撮像シャッターがオンにされ、次の撮像フレームがオンの期間にポインタ2が発光(オン)し、これに同期してイメージセンサ撮像シャッターがオンにされ、これが繰り返される。この場合、イメージセンサ撮像シャッターのオンに同期してポインタをオンすることもできる。ポインタの発光期間および撮像シャッターのオン期間は例えば1μsである。これらの制御シーケンスは発光制御装置3により実行される。このようなシーケンスにしたがって、ポインタが投影する同心円模様の光をイメージセンサで撮像する。
図3は同心円模様を光の干渉で形成するポインタの一例を示す図で、(a)は概略構成図、(b)は干渉レンズの例を示す図である。ポインタ30は、図示のように、レーザ光源2、コリメータレンズ1cおよび干渉レンズ1−3を備える。干渉レンズは、図3(b)の断面図1−3および平面図1−3uに示すように、前面リング凸面/後面凹面の光学レンズであり、前面のリング凸面1−2uは、x=0.3*(y−1.5)^1.55の断面を持つ非球面レンズである。後面の凹レンズは曲率半径−62mmの球面レンズである。レンズ直径はΦ6mmで、レンズ厚さ3mm、屈折率1.51である。
このように構成したポインタにおいて、レーザ光源2からの光はコリメータレンズ1cにより平行光にされ、この光が干渉レンズ1−3により同心円干渉模様として前方の例えばディスプレイ10に投影される。干渉レンズ1−3は、光軸を通る平面において1個のレーザ光源2をあたかも2個の光源2−1,2−2であるかのように光を屈折させるため、図中の地点5に示す位置等において干渉が起きる。ここでxは光軸であり、yは光軸に垂直でレンズの半径方向の軸である。レーザ光源2からの光の波長を850nmとし、レンズ後面から投影平面までの距離を3mとした場合に、投影平面に形成される同心円干渉模様は円中心から外周部に至るまで、そのピッチが全て0.816mmになることがシミュレーション結果から分かっている。
ポインタ30からはこのような干渉模様が投影され、ディスプレイ10に設置した2台のイメージセンサ4,5(図1)がこの同心円干渉模様を撮像する。干渉模様は同心円状に投影されているので、イメージセンサが撮像する画像は縞模様となる。この縞方向の法線上に同心円中心、即ち指示位置が存在するので、2台のイメージセンサが撮像した縞方向の法線の交点を求めることで指示位置を計測することができる。図4は、この同心円中心を求める方法の一例を示す図である。図4において、イメージセンサ4,5には同心円干渉模様の一部分である円弧が多数投影される。この円弧の画像をPC6により画像処理し、同心円中心を算出する。円弧から任意の3点5−1,5−2,5−3をとり、2本の線分を決める。数学の定理より、その各々の線分の垂直2等分線の交点が円中心5−0となる。この円中心がポインタの指示点となる。円弧の任意の3点は、イメージセンサが検出した全ての円弧情報から抽出することができるので、その点数を多くすればするほど、ノイズ成分がキャンセルされ高い位置精度で中心点を求めることができる。
本実施例では、ポインタの発光を制御する方法として、無線による発光制御装置3を使用したが、有線で発光制御装置とポインタを接続して操作することもできる。
本実施例では、ポインタが多数個あっても、ポインタを時系列で順次発光させるので、イメージセンサが撮像する画像には各ポインタが放出する同心円模様が重ならず、各々のポインタの指示位置を計測することができる。ポインタが投影する同心円干渉縞はセンサ上では高速に移動するので、速いシャッター速度でなければ像がぼやけてしまい、鮮明な像を撮像することができないが、本方式により高速シャッターで撮像できるので、鮮明な像を撮像することができる。また、ポインタが発光している場合だけイメージセンサは撮像信号を取り込むので、照明や環境光などのノイズ光の影響を低減することができる。
(実施例2)
図5はイメージセンサとポインタの制御シーケンスの他の例を示す図で、(a)はイメージセンサ撮像フレーム、(b)はポインタ1の発光、(c)はポインタ2の発光、(d)はイメージセンサ撮像シャッターの制御シーケンスである。本実施例は、実施例1と同様の構成、すなわち図1に示すポインタ1,2や無線制御装置3、イメージセンサ4,5、PC6等を用いて、ポインタの指示位置を計測するものである。本実施例では、図5に示すように、ポインタの発光とイメージセンサの制御シーケンスを工夫し、ノイズ光の影響をさらに除去するシーケンスを実施する。
図5において、イメージセンサ撮像フレームは1/30秒間隔であるが、ポインタの発光はイメージセンサ撮像フレーム内で複数回発光させ、これに同期してシャッターを開閉し、あるいはシャッターをイメージセンサ撮像フレーム内で複数回開閉させ、これに同期してポインタを複数回発光させる。すなわち、図示のように、ある撮像フレームがオンの期間にポインタ1が複数回発光(オン)し、これに同期してイメージセンサ撮像シャッターが複数回オンされ、次の撮像フレームがオンの期間にポインタ2が複数回発光(オン)し、これに同期してイメージセンサ撮像シャッターが複数回オンされ、これが繰り返される。ポインタの発光周期および撮像シャッターのオン周期は例えば1万Hz〜100万Hzに相当する。これらの制御シーケンスは発光制御装置3により実行される。このようなシーケンスにしたがって、ポインタが投影する同心円模様の光をイメージセンサで撮像する。
図6(a)、(b)はイメージセンサの構成例を示す図である。図6(a)において、イメージセンサ61は、CCD撮像素子62と、その撮像を制御する撮像制御装置63とを備える。撮像された画像は画像データとして撮像制御装置63からPC6に送られる。本例では、イメージセンサ61の光入射窓には液晶シャッター64が設置される。液晶シャッター64の開閉制御は、PC6からの制御信号により行われ、発光制御装置3はそのシャッターの開閉タイミングにあわせてポインタを発光させるように制御する。一方、図6(b)において、イメージセンサ65は、CMOS撮像素子66と、その撮像を制御する撮像制御装置67とを備える。撮像された画像データは撮像制御装置67からPC6に送られる。本例では、液晶シャッターは備えず、図1のPD(受光装置)8を用いてポインタが投影した光を検出し、撮像制御装置67によりPD8が検知したポインタの発光にあわせて自動的にシャッターを開閉する。このように、シャッターとして液晶シャッターを用いることもできるが、センサの撮像シャッターそのものを用いることもできる。その場合には、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサの各画素に対して電荷蓄積領域を設け、シャッターの開閉ごとに画素に蓄積した電荷がこの電荷蓄積領域に貯められ、フレーム毎に転送する仕組みとされる。これらのイメージセンサは実施例1,2において用いることができる。
本実施例では、シャッターの開閉に同期してポインタを複数回発光させることにより、照明や環境光などのノイズ光に対して、信号光(投影した同心円干渉模様)を強く検出することができ、ノイズ光の影響を受けにくいシステムとすることができる。これは、ノイズ光はランダムにセンサに到達するが、信号光はシャッターと同時に必ずセンサに到達するので、ランダムな成分の影響を低下することができるからである。
(実施例3)
図7は、本発明に係る位置計測システムの他の実施例を示す図である。本実施例では、図示のように、部屋内に、複数の光源としての発光ダイオード(LED)71,72と、LED71,72の発光を制御する発光制御装置73と、LED71,72から放射された光を撮像する撮像装置としてのCCDイメージセンサ74,75と、イメージセンサ74,75が撮像した画像のデータに基づいてLED71,72の位置を演算する演算装置としてのパソコン(PC)76等のコンピュータとを備える。イメージセンサ74,75は、例えば部屋の上端部に設けられる。PC76は発光制御装置73およびイメージセンサ74,75に接続される。ここで、図示のLED71,72は、例えば人が携帯可能なカード(図中の長方形)にLED素子(図中の丸印)を搭載したものである。これにより、本実施例によれば、LED71,72の3次元位置を計測することで、それを携帯する人の3次元位置を知ることができる。
発光制御装置73は、イメージセンサ74,75の撮像フレームに対応してLED71,72を順次選択して発光させる。これは、例えば、各LEDにそれぞれ識別番号(ID番号)を付与し、発光制御装置73がそのID番号に対応する信号を順次送信することで実現することができる。LED71,72の発光とイメージセンサ74,75に設けられたシャッターの開閉とは同期してLED71,72からの光を撮像する。この場合、発光制御装置73が、イメージセンサ74,75のシャッターの開閉タイミングにあわせてLED71,72を発光させることができる。
図8はイメージセンサの構成例を示す図である。図8において、イメージセンサ80は、球面収差の大きなレンズ81と、CCD撮像素子82と、その撮像を制御する撮像制御装置83とを備える。撮像された画像のデータは撮像制御装置83からPC6に送られる。本例では、イメージセンサ81の光入射窓には液晶シャッター84が設置される。液晶シャッター84の開閉制御は、例えばPC6からの制御信号により行われる。
イメージセンサ80は、LED等の点光源の3次元位置を計測可能な1台のカメラを用いることができる。このセンサには、例えば半球レンズのような球面収差が大きなレンズ81が搭載されており、点光源85からの光は図の光線経路に示すように液晶シャッター84を介してレンズ81で光線経路を変更してCCD撮像素子82に至り、CCD撮像素子82上に光リング像86が形成される。これはレンズの球面収差を利用するものであり、その原理は特開2004−212328号公報に記載のとおりである。CCD撮像素子82は、光リング像形成用のレンズ81の焦点位置よりレンズ81に近い位置に設置される。これにより点光源85から放出された光はこのレンズの球面収差により光リング像に変換されてCCD撮像素子82で撮像される。光リング像の直径は点光源までの距離により変化するので、光リング像の直径を検出することで点光源までの距離が計測できる。また、光リング像の画像位置から点光源が存在する方向が決定できるので、光リング像を解析することで点光源の3次元位置を計測することができる。光源位置が光軸から外れた場合、光リング像は円から楕円に変形することになるが、その楕円の中心位置、長軸および短軸の長さを測定することで光源の3次元位置を計測することができる。その測定原理を次に示す。
図9は、光源とレンズと光リング像の関係の一例を示す図である。いま、図のように、イメージセンサ82上の光リング像の中心位置を(y0,z0)とし、イメージセンサの光軸上の位置をx0とすると、光リング像の中心点の3次元位置は(x0,y0,z0)と表すことができる。光源85は概ねレンズ81の中心点(xL,yL,zL)と光リング像の中心点(x0,y0,z0)を結ぶ直線上に存在するので、光源85の座標を(x,y,z)とすると、次の式(1)のように表すことが出来る。
Figure 2008070343
ここで、mは、光源85からレンズ81の中心点までの距離が、レンズ81の中心点からイメージセンサ82上の光リング像の中心点までの距離の何倍であるかを表す値であり、距離を表す係数と考えることができる。そしてこのmがリング像の長軸と短軸の長さから求められることがわかっているので、光源85の3次元座標を求めることができる。
このような位置計測システムにおいて、発光ダイオード光源であるLED71とLED72を発光制御装置73からの無線または有線による信号により発光させる。発光制御装置73はPC76に接続されており、PC76が発光制御装置73とセンサ74とセンサ75の制御シーケンスを管理する。
図10はイメージセンサとLEDの制御シーケンスの一例を示す図で、(a)はイメージセンサ74撮像フレーム、(b)はイメージセンサ75撮像フレーム、(c)はLED71の発光、(d)はLED72の発光、(e)はイメージセンサ74撮像シャッター、(f)はイメージセンサ75撮像シャッターの制御シーケンスである。イメージセンサ74,75は同期させて同じフレームで撮像させる。そのフレーム内でLED71とLED72を順次、複数回発光するように発光制御装置73で制御する。また、イメージセンサ74,75には液晶シャッターを設置し、LED71あるいはLED72の発光と同期してイメージセンサ74のシャッターおよびイメージセンサ75のシャッターが開閉するように制御する。イメージセンサ撮像フレームは1/30秒間隔である。図示のように、イメージセンサ74,75のある撮像フレームがオンの期間にLED71が複数回発光(オン)し、これに同期してイメージセンサ74,75の撮像シャッターが複数回オンされ、次の撮像フレームがオンの期間にLED72が複数回発光(オン)し、これに同期してイメージセンサ74,75の撮像シャッターが複数回オンされ、これが繰り返される。LEDの発光周期および撮像シャッターのオン周期は例えば1万Hz〜100万Hzに相当する。これらの制御シーケンスは発光制御装置73により実行される。このようなシーケンスにしたがって、LEDからの光により形成される光リング像をイメージセンサで撮像する。
本実施例では、多数のLED光源が存在しても、それらが順次発光するので、CCD撮像素子が撮像する光リング像は常に1個であり、演算装置における画像解析が単純で位置計測を行い易い。また、複数のセンサが同フレームで動作しているので、LEDが1つのセンサからは見えない位置にあっても他のセンサで撮像できるので、位置計測の範囲を広げることができる。さらに、LEDの発光に同期してセンサが撮像するので、ノイズ光の影響を低減することができる。
(実施例4)
図11は、本発明に係る位置計測システムのさらに他の実施例を示す図である。本実施例は、装置の設定は図7と同様であるが、LEDの個数が多数個存在する。その個数をnとする。すなわち、図示のように、光源としてのLEDがLED71〜LED7n個存在する。本実施例では、上記実施例3と同様にして、LED71〜LED7nの3次元位置を計測することで、それらを携帯する多数の人の3次元位置を知ることができる。さらに本実施例では、光源の3次元位置を計測する位置計測システムおいてノイズ除去を実施して高精度に位置計測を行うことができる。以下これについて説明する。
図12はイメージセンサとLEDの制御シーケンスの一例を示す図で、(a)はイメージセンサ撮像フレーム、(b)〜(d)はLED71〜LED7nの発光、(e)はLEDの発光なし、(f)はイメージセンサ撮像シャッターの制御シーケンスである。図示のように、ある撮像フレームがオンの期間にLED71が発光(オン)し、これに同期してイメージセンサ撮像シャッターがオンにされ、次の撮像フレームがオンの期間にLED72が発光(オン)し、これに同期してイメージセンサ撮像シャッターがオンにされ、・・・次の撮像フレームがオンの期間にLED7nが発光(オン)し、これに同期してイメージセンサ撮像シャッターがオンにされ、これが繰り返される。この場合、イメージセンサのシャッターのオンに同期してLEDを発光(オン)させてもよい。イメージセンサ撮像フレームは1/30秒間隔である。LEDの発光期間および撮像シャッターのオン期間は例えば1μsである。これらの制御シーケンスは発光制御装置73により実行される。このようなシーケンスにしたがって、LEDからの光により形成される光リング像をイメージセンサで撮像する。
このように、本実施例では、イメージセンサの撮像フレームに合わせてLED光源を順次発光させ、それらにより形成される光リング像を順次撮像する。これは、例えば、各LEDにそれぞれ識別番号(ID番号)を付与し、発光制御装置73がそのID番号に対応する信号を順次送信することで実現することができる。その次の撮像フレームではLEDは発光させずに撮像する。この画像はLED光源以外の光を撮像することになるので、背景画像とすることができる。これ以降の撮像画像に対して、各画素の輝度値からこの背景画像の輝度値を引き算する(背景差分)ことで、光リング像以外の背景画像を除去することができる。すなわち、発光制御装置がどの光源も発光させない非発光撮像フレームを介在させ、演算装置が非発光撮像フレームの画像を他の画像との背景差分を撮るための背景画像として使用する。非発光撮像フレームは、複数の光源の個数分の撮像を終了後に撮像される。これにより必要とする光リング像だけを撮像することができ、ノイズに影響されずに光源の3次元位置をロバストに計測することができる。また、この実施例では、n個のLEDを発光させた後に、LEDを発光させない背景画像を撮像したが、光源の数が1個の場合でもこの方式が利用できることはいうまでもない。この場合はリング像と背景画像を交互に撮像し、背景差分を行うことになる。
本実施例によれば、照明などの環境光の影響を除去でき、リング像だけをクリアーに撮像することができる。LEDが多数個ある場合でも背景差分によりクリアーにリング像を撮像することができる。
本発明は位置計測システムに関するものであり、産業上の利用可能性がある。
本発明に係る位置計測システムの一実施例を示す図である。 イメージセンサとポインタの制御シーケンスの一例を示す図で、(a)はイメージセンサ撮像フレーム、(b)はポインタ1の発光、(c)はポインタ2の発光、(d)はイメージセンサ撮像シャッターの制御シーケンスである。 同心円模様を光の干渉で形成するポインタの一例を示す図で、(a)は概略構成図、(b)は干渉レンズの例を示す図である。 同心円中心を求める方法の一例を示す図である。 イメージセンサとポインタの制御シーケンスの他の例を示す図で、(a)はイメージセンサ撮像フレーム、(b)はポインタ1の発光、(c)はポインタ2の発光、(d)はイメージセンサ撮像シャッターの制御シーケンスである。 (a)、(b)はイメージセンサの構成例を示す図である。 本発明に係る位置計測システムの他の実施例を示す図である。 イメージセンサの構成例を示す図である。 光源とレンズと光リング像の関係の一例を示す図である。 イメージセンサとLEDの制御シーケンスの一例を示す図で、(a)はイメージセンサ74撮像フレーム、(b)はイメージセンサ75撮像フレーム、(c)はLED71の発光、(d)はLED72の発光、(e)はイメージセンサ74撮像シャッター、(f)はイメージセンサ75撮像シャッターの制御シーケンスである。 本発明に係る位置計測システムのさらに他の実施例を示す図である。 イメージセンサとLEDの制御シーケンスの一例を示す図で、(a)はイメージセンサ撮像フレーム、(b)〜(d)はLED71〜LED7nの発光、(e)はLEDの発光なし、(f)はイメージセンサ撮像シャッターの制御シーケンスである。
符号の説明
1,2 ポインタ
3 発光制御装置
4,5 イメージセンサ
6 パソコン(PC)
7 カーソル
8 受光装置(PD)
9 同心円模様光
10 ディスプレイ

Claims (6)

  1. 複数の光源の発光を制御する発光制御装置と、前記光源から放射された光を撮像する撮像装置と、前記撮像装置が撮像した画像に基づいて前記光源の位置または指示位置を演算する演算装置とを備え、前記発光制御装置が前記撮像装置の撮像フレームに対応して前記光源を順次選択して発光させることを特徴とする位置計測システム。
  2. 前記光源の発光と前記撮像装置に設けられたシャッターの開閉とを同期させて前記光源からの光を撮像することを特徴とする請求項1記載の位置計測システム。
  3. 前記発光制御装置が、前記撮像装置のシャッターの開閉タイミングにあわせて前記光源を発光させることを特徴とする請求項2記載の位置計測システム。
  4. 前記光源からの光を受光する受光装置を備え、前記受光装置が検知した前記光源の発光にあわせて前記撮像装置のシャッターを開閉することを特徴とする請求項2または3記載の位置計測システム。
  5. 前記発光制御装置がどの光源も発光させない非発光撮像フレームを介在させ、前記演算装置が前記非発光撮像フレームの画像を他の画像との背景差分を撮るための背景画像として使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の位置計測システム。
  6. 前記非発光撮像フレームは、前記複数の光源の発光の撮像終了後に撮像されることを特徴とする請求項5記載の位置計測システム。
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