JP2008069820A - 断熱体 - Google Patents

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千恵 平井
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Abstract

【課題】窒素等活性の低い気体を吸着可能である吸着材を得ることにより、生産効率の向上、及び断熱性能のよい断熱体を提供する。
【解決手段】断熱体1Aは、吸着材を構成する気体吸着性物質2Aと無機繊維集合体からなる板状の芯材5とを、内側から順に熱融着層、ガスバリア層、表面保護層を有するラミネートフィルムからなる2枚の外被材4Aで覆って外被材4A内部を減圧密封したものである。気体吸着性物質2Aは、LiとMgOとを、ステンレス製容器・ボールによる振動ボールミルを用いてメカニカルアロイングを行い混合して得た。例えば、ある程度の真空度までは真空ポンプで排気し、後は吸着材で残存気体を吸着して所定の真空度を得ることができるので、断熱体1Aの生産効率を高めることができる。また、外被材4A内部の活性の低い気体を吸着することから、断熱体1Aの断熱性能の向上が図れる。
【選択図】図2

Description

本発明は、断熱を必要とするもの、例えば冷蔵庫、保温保冷容器、自動販売機、電気湯沸かし器、蓄熱容器、自動車、鉄道車両、及び住宅等の断熱体として使用可能な断熱体に関するものである。
近年、地球温暖化防止の観点から省エネルギーが強く望まれており、家庭用電化製品についても省エネルギー化は緊急の課題となっている。特に、保温保冷機器では熱を効率的に利用するという観点から、優れた断熱性能を有する断熱材が求められている。
一般的な断熱材として、グラスウールなどの繊維材やウレタンフォームなどの発泡体が用いられている。しかし、これらの断熱材の断熱性能を向上するためには断熱材の厚さを増す必要があり、断熱材を充填できる空間に制限があって省スペースや空間の有効利用が必要な場合には適用することができない。
そこで、高性能な断熱材として、真空断熱体が提案されている。これは、スペーサの役割を持つ芯材を、ガスバリア性を有する外被材中に挿入し内部を減圧にして封止した断熱体である。
真空断熱体内部の真空度を上げることにより、高性能な断熱性能を得ることができるが、真空断熱体内部に存在する気体には大きくわけて次の三つがある。一つは、真空断熱体作製時、排気できずに残存する気体、他の一つは、減圧封止後、芯材や外被材から発生する気体(芯材や外被材に吸着している気体や、芯材の未反応成分が反応することによって発生する反応ガス等)、残りの一つは、外被材を通過して外部から侵入してくる気体である。
これらの気体を吸着するため、吸着材を真空断熱体に充填する方法が考案されている。
例えば、真空断熱体内の二酸化炭素や水分を、汎用的な吸着材であるシリカアルミナ等で吸着するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、真空断熱体内の気体を、Ba−Li合金を用いて吸着するものがある(例えば、特許文献2参照)。真空断熱体内の吸着材が吸着すべき気体のうち、吸着困難な気体のひとつが窒素である。これは、窒素分子が約940kJ/molという大きい結合エネルギーを有する非極性分子であるから、活性化させるのが困難なためである。しかし、Ba−Li合金により窒素を吸着可能とし、真空断熱体内部の真空度を維持するのである。
また、酸素吸収剤として鉄粉、酸化促進物質、フィラー、水分供与体からなるものがある(例えば、特許文献3参照)。
これは、食品、医薬品等の品質保持用途に利用される酸素吸収剤であり、酸素吸収には水分が必要である。
特開昭61−103090号公報 特表平9−512088号公報 特許第3252866号公報
しかしながら、特許文献1に記載の上記従来の構成では、窒素等活性の低い気体は吸着することができない。
また、特許文献2に記載の上記従来の構成では、活性化のための熱処理を必要とせず常温で窒素吸着可能であるが、さらなる高活性化、大容量化が望まれている。
また、作製のため合金を溶融する必要があり、製造にかかるエネルギーが大きくなる。
また、特許文献3に記載の上記従来の技術では、酸素吸収に水分が必要であり、微量の水分も嫌う雰囲気では使用することができない。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、窒素等活性度の低い気体を吸着可能である吸着材を得ることにより、断熱性能、生産性に優れた断熱体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、外被材で囲まれた空間内に備える吸着材が、窒化物とLiとを有して25℃常圧もしくは減圧下で少なくとも窒素を吸着する気体吸着性物質を含むことを特徴とする。
Liは、通常、常温で窒素を吸着する際、窒素の吸収開始までに時間が必要であること、あるいは低圧下では窒素吸収が起こり難いこと等、窒素吸着に対するコントロールは困難であった。
しかしながら、Liを先に一部窒化させておくことにより、実際に吸着材として使用する際、Liの窒素に対する活性を向上させることが可能となる。すなわち、先にLiに一部窒化リチウムの核を生成させておくことにより、実際に吸着材として機能するときは、前記窒化リチウムが反応核となり窒素に対する吸着活性が高まる。
これにより、吸着速度のさらなる向上、あるいはより低圧領域での窒素吸着量向上といったことが可能となる。
また、窒化によりLi表面に一部ひび割れが起こり、実際に吸着材として機能するときに内部まで速やかに気体を吸着することが可能となり、気体に対する吸着活性が高まることも考えられるので、窒素以外の気体についても吸着活性が向上すると考えられる。
このような気体吸着性物質を断熱体に用いることにより、断熱体中の窒素や酸素等の気体を吸着可能とし、生産性の向上及び断熱性能の向上を図ることができる。
すなわち、例えば工業的に到達容易な真空度まで外被材中を真空ポンプで排気し、その後の残存気体は気体吸着性物質で吸着することにより、効率よく断熱体を生産することができる。
また、断熱体作製時、排気できずに残存する気体等を吸着可能とすることから初期熱伝導率を低減し、また、外被材を通過して外部から侵入してくる気体等を経時的に吸着可能とすることから経時的な信頼性を向上させるのである。
さらに、一部窒化物を含むことにより、吸着速度のさらなる向上を図ることも可能となることから、より生産効率を向上させることも可能である。
また、気体吸着性物質は、窒化物とLiの他に酸化物を有しても良い。この場合、酸化物を用いることにより、Liの活性がより維持される傾向がある。これは、例えばLiと金属を組み合わせると、不純物として酸素を含有しやすい金属をLiが還元することにより、Liが劣化される可能性があることが考えられる。
従って、Liと、安定的に酸素を含む酸化物との構成にすることにより、上記Liの酸化をより抑制できると考える。
また、Liの少なくとも一部が、粒径1mm以下になっている場合は、Liの比表面積を増大し、気体に対する吸着活性が高まる。
また、前記窒化物と前記Li、もしくは前記窒化物と前記酸化物と前記Liとが、メカニカルミリングにより混合されていることが好ましい。
メカニカルミリングすることにより、Liを磨砕することができ、Liの比表面積を増大する。従って、リチウムの窒化を行う際、より均一に窒化が起こり、気体に対する吸着活性が高まる。
また、メカニカルミリングすることにより、機械的エネルギーがLiや固体物質に蓄積され、出発点で有するエネルギーよりもメカニカルミリング後に有するエネルギーの方が増大し、さらに高活性化することが考えられる。
また、本方法で作製することは、溶融等が必要なく熱エネルギーが必要でないため、環境的あるいはコスト的にも優れている。
このような構成の気体吸着性物質を断熱体に適用することにより、初期・経時的共に断熱性能に優れた断熱体を得ることができる。
本発明の断熱体は、断熱体中の窒素、酸素、水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水分等の気体、中でも特に窒素や酸素等の気体を吸着可能とし、断熱性能を向上することができる。すなわち、断熱体作製時、排気できずに残存する気体等を吸着可能とすることから初期熱伝導率を低減し、また、外被材を通過して外部から侵入してくる気体等を経時的に吸着可能とすることから経時的な信頼性を向上させるのである。
さらには、例えばある程度の真空度までは真空ポンプで排気し、後は本発明の吸着材で残存気体を吸着して所定の真空度を得る等の方法により、生産効率の高い断熱体を得ることができるのである。
本発明の請求項1に記載の断熱体の発明は、少なくとも、外被材で囲まれた空間内に、気体を吸着可能な吸着材を備え、前記吸着材が、窒化物とLiとを有して25℃常圧もしくは減圧下で少なくとも窒素を吸着する気体吸着性物質を含むことを特徴とする。
Liは、通常、常温で窒素を吸着する際、窒素の吸収開始までに時間が必要であること、あるいは低圧下では窒素吸収が起こり難いこと等、窒素吸着に対するコントロールは困難であった。
しかしながら、Liを先に一部窒化させておくことにより、実際に吸着材として使用する際、Liの窒素に対する活性を向上させることが可能となる。すなわち、先にLiに一部窒化リチウムの核を生成させておくことにより、実際に吸着材として機能するときは、前記窒化リチウムが反応核となり窒素に対する吸着活性が高まる。
これにより、吸着速度のさらなる向上、あるいはより低圧領域での窒素吸着量向上といったことが可能となる。
また、窒化によりLi表面に一部ひび割れが起こり、実際に吸着材として機能するときに内部まで速やかに気体を吸着することが可能となり、気体に対する吸着活性が高まることも考えられるので、窒素以外の気体についても吸着活性が向上すると考えられる。
このような気体吸着性物質を断熱体に用いることにより、断熱体中の窒素や酸素等の気体を吸着可能とし、生産性の向上及び断熱性能の向上を図ることができる。
すなわち、例えば工業的に到達容易な真空度まで外被材中を真空ポンプで排気し、その後の残存気体は気体吸着性物質で吸着することにより、効率よく断熱体を生産することができる。
また、断熱体作製時、排気できずに残存する気体等を吸着可能とすることから初期熱伝導率を低減し、また、外被材を通過して外部から侵入してくる気体等を経時的に吸着可能とすることから経時的な信頼性を向上させるのである。
さらに、一部窒化物を含むことにより、吸着速度のさらなる向上を図ることも可能となることから、より生産効率を向上させることも可能である。
窒化物とは、窒化リチウム、窒化ケイ素等であり、また、Liの一部を窒化させたものでもよい。
また、上記固体物質の確認方法としては、例えばX線回折にて、Liと窒化物のピークが確認できる等の方法で行ってもよいが、特に指定するものではない。
また、上記Liの一部とは、好ましくは50mol%以下であり、さらに好ましくは30mol%以下、さらに好ましくは10mol%以下である。最初に吸着させる量が多くなると、実際の使用時に気体を吸着する量が減少する。
また、製造の際に、その他の成分を添加しても構わない。
また、本発明において吸着とは、表面への吸着の他に内部への吸収、あるいは収着も含むものとする。
また、本発明における気体吸着性物質は、少なくとも窒素を吸着可能とするものであるが、窒素以外に吸着する気体については、特に指定するものではない。
また、本発明における気体吸着性物質は、少なくとも25℃常圧もしくは減圧下で吸着可能であればよく、常温あるいはLiの融点以下の雰囲気にて、常圧以下、特に低圧領域での吸着が可能である。また、加圧下での吸着も当然ながら可能である。
また、気体吸着性物質の使用形態としては、粉体、圧縮成型、ペレット化、シート状、薄膜状、あるいは別容器への収容、他物質への蒸着といった使用方法をあげられるが、特に指定するものではない。
また、外被材としては、金属やプラスチック、ガラス等の容器、あるいはプラスチックフィルム、プラスチックへ金属、無機物、酸化物、炭素を蒸着したフィルム、金属箔等を有するラミネートフィルムからなるラミネート袋、あるいはそれらの組み合わせ等を利用できる。
また、このような断熱体は、外被材中に気体吸着性物質を挿入して外被材中を真空排気し、その後外被材を密閉化することにより真空断熱空間を作りだし、気体吸着性物質にて外被材中の真空度を維持すること、あるいは外被材中を工業的に到達容易な程度の真空排気をし、その後外被材を密閉化し、その際に残存する外被材中の気体を気体吸着性物質で吸着することにより、二段減圧のような働きをすること、あるいは気体吸着性物質は別容器に密閉しておき外被材内を所定圧に真空排気後、気体吸着性物質を何らかの方法で外被材内と通じることを可能とすることにより、気体吸着性物質をより高活性に保ったまま二段減圧のような働きをさせることも可能であるが、使用方法については特に指定するものではない。
このとき、前記二段減圧のような働き、特に後者の場合、所定圧に真空排気後、気体吸着性物質を何らかの方法で外被材と通じることを可能とするとあるが、例えば所定圧に達したあと、外部からの物理的刺激により、気体吸着性物質を密閉した容器に通気孔を設け外被材内と通じさせること、また、気体吸着性物質を、Ar等と共に容器・袋に充填し、前記容器・袋を外被材内部に配設して減圧し、減圧により圧力差で開口部を形成させる等の方法があるが、特に指定するものではない。
また、外被材内部に多孔質体からなる芯材を有することも可能である。
多孔質体からなる芯材とは、繊維、粉体、発泡樹脂、薄膜積層体等、あるいはそれらの混合物等、特に指定するものではない。
また、外被材だけで形状が保てる場合は、芯材はなくてもよい。
また、上記気体吸着性物質の他に吸着材を併用することも可能である。
他の吸着材とは、水分や酸素等を吸着可能であるもの、例えば酸化カルシウム、酸化マグネシウム、ゼオライト、シリカゲル、不飽和脂肪酸、鉄や鉄化合物等があげられるが、特に指定するものではない。また、複数使用することも可能である。
本発明の請求項2に記載の断熱体の発明は、少なくとも、外被材で囲まれた空間内に、気体を吸着可能な吸着材を備え、前記吸着材が、窒化物と酸化物とLiとを有して25℃常圧もしくは減圧下で少なくとも窒素を吸着する気体吸着性物質を含むことを特徴とする。
本発明において酸化物とは、例えば、LiO、Al、MgO、CaO、SiO、TiO等である。
本発明は、請求項1に記載の発明の作用・効果に加えて、酸化物を用いることにより、Liの活性がより維持される傾向がある。これは、例えばLiと金属を組み合わせると、不純物として酸素を含有しやすい金属をLiが還元することにより、Liが劣化される可能性があることが考えられる。
従って、Liと、安定的に酸素を含む酸化物との構成にすることにより、上記Liの酸化をより抑制できると考える。
本発明の請求項3に記載の断熱体の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記Liの少なくとも一部が、粒径1mm以下である気体吸着性物質を含むことを特徴とするものであり、Liの少なくとも一部が、粒径1mm以下になっていることにより、Liの比表面積を増大し、気体に対する吸着活性が高まる。
本発明において粒径1mm以下とは、少なくとも一部の粒径が1mm以下となっていればよく、一般的な確認方法で確認することが可能である。また、気体吸着前の粒径であっても、吸着後の粒径であっても、特に指定するものではない。
本発明の請求項4に記載の断熱体の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明における前記窒化物として、少なくとも窒化リチウムを含むことを特徴とする。
Liを先に一部窒化させておくことにより、実際に吸着材として使用する際、Liの窒素に対する活性を向上させることが可能となる。すなわち、先にLiに一部窒化リチウムの核を生成させておくことにより、実際に吸着材として機能するときは、前記窒化リチウムが反応核となり窒素に対する吸着活性が高まる。
これにより、吸着速度のさらなる向上、あるいはより低圧領域での窒素吸着量向上といったことが可能となる。
また、窒化によりLi表面に一部ひび割れが起こり、実際に吸着材として機能するときに内部まで速やかに気体を吸着することが可能となり、気体に対する吸着活性が高まることも考えられるので、窒素以外の気体についても吸着活性が向上すると考えられる。
本発明の請求項5に記載の断熱体の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、少なくとも前記窒化物と前記Li、もしくは前記窒化物と前記酸化物と前記Liとが、メカニカルミリングにより混合されていることを特徴とする。
メカニカルミリングすることにより、Liを磨砕することができ、Liの比表面積を増大する。従って、リチウムの窒化を行う際、より均一に窒化が起こり、気体に対する吸着活性が高まる。
また、メカニカルミリングすることにより、機械的エネルギーがLiや固体物質に蓄積され、出発点で有するエネルギーよりもメカニカルミリング後に有するエネルギーの方が増大し、さらに高活性化することが考えられる。
また、本方法で作製することは、溶融等が必要なく熱エネルギーが必要でないため、環境的あるいはコスト的にも優れている。
本発明においてメカニカルミリングによる混合とは、機械的に混合することを指し、特に指定するものではない。また、高活性な気体吸着性物質を作製するため、不活性気体中、例えばAr、He等の雰囲気中、あるいは真空下でメカニカルミリングを行うことが好ましい。
また、メカニカルミリングを行う際、別にCを添加したり、冷却下で行ったり、アルコール等を少量滴下したりして、容器への付着を防いだりしても構わない。
また、断熱体は、冷凍機器及び冷温機器、保冷車や電子冷却を利用した冷蔵庫等にも使用できる。また、自動販売機などの、より高温までの範囲で温冷熱を利用した冷・温機器を指す。また、ガス機器、蓄熱・蓄冷容器、あるいはクーラーボックス等の動力を必要としない機器も含むものである。
さらには、パソコン、ジャーポット、炊飯器、あるいは自動車エンジンの保温・蓄熱の外装材等、保温・蓄熱・断熱を目的とするさらに温度の高い領域でも使用することも可能である。
また、冷凍・冷蔵機器に用いる場合、圧縮機や霜取りヒーター付近に前記気体吸着性物質を配置することも可能である。
さらに、断熱体だけではなく、減圧、あるいは窒素、酸素等の除去を必要とする構造体として用いることができる。例えば減圧状態を保持、あるいは特定の成分を嫌うようなディスプレイ、例えばPDP、SED、有機EL、CRB等としても利用できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における断熱体の一例を示す斜視図である。
図1に示すように、断熱体1は、気体を吸着可能な吸着材を構成する気体吸着性物質2と、気体吸着性物質2を収める容器3と、中心軸が共通で高さと経が異なる金属の2重の有底円筒容器からなる外被材4とからなり、2重の有底円筒容器の大径の側壁と小径の側壁との間に気体吸着性物質2を収めた容器3が配置され、2重の有底円筒容器の大径の開口部と小径の開口部との間が連結されて、壁内部が空洞で減圧密閉された有底円筒容器になっている。
気体吸着性物質2として、1molのLiと1.1molのAlとを、Ar雰囲気中、ステンレス製容器・ボールによる振動ボールミルを用いてメカニカルミリングを行い混合して、気体吸着性物質2(Li−Al)を得た。
気体吸着性物質2の吸着量を測定するため、気体吸着性物質2(Li−Al)をQuantachrome社製Autosorb−1−Cにより、窒素吸着量評価を行った。
低圧側から順に窒素吸着量を評価することにより、約750Paで1.2cm/gSTP、約40000Paで30.2cm/gSTP吸着することを確認した。
また、気体吸着性物質2に対し、窒素吸着量評価前に、密閉系内で常温にて窒素を約58000Paから吸着させ、約55000Paとなったところで密閉系内を真空排気し、気体吸着性物質2と窒素との接触を停止した。これにより、窒化リチウムを一部生成させた。
引き続き、前述の窒素を一部吸着させた気体吸着性物質2(Li−Al)に対し、同様の窒素吸着量評価を行った。
低圧側から順に窒素吸着量を評価することにより、約250Paで11.0cm/gSTP、約40000Paにて23.2cm/gSTP吸着することを確認した。
先に窒素を吸着させておくことにより、低圧下での窒素吸着量が向上することを確認した。
また、断熱体1における気体吸着の評価結果を以下に示す。
まず、壁内部が空洞の有底円筒容器を構成する外被材4中に、密閉された容器3に封入した気体吸着性物質2を静置し、外被材4内を約750Paまで真空排気した後、気体吸着性物質2を封入した容器3に通気性をもたせて外被材4内の残存気体を吸着できるようにした。
気体吸着性物質2として、前述のように、窒素を先に吸着させたもの、及び吸着させていないものを用いて評価を行った。
その後、外被材4内の圧力変化を観察すると、先に窒素を吸着させた気体吸着性物質2を用いることにより、雰囲気圧力の減少速度が向上した。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における断熱体の一例を示す断面図である。
図2に示すように、断熱体1Aは、気体を吸着可能な吸着材を構成する気体吸着性物質2Aを中に埋め込んだ無機繊維集合体からなる板状の芯材5を、内側から順に熱融着層、ガスバリア層、表面保護層を有するラミネートフィルムからなる上下2枚の外被材4Aで覆って外被材4A内部を減圧密封したものである。
気体吸着性物質2Aとして、1molのLiと2molのMgOとを、ステンレス製容器・ボールによる振動ボールミルを用いてメカニカルアロイングを行い混合して、気体吸着性物質(Li−MgO)を得た。
また、目視により、Liの少なくとも一部が1mm以下の粉末になっていることを確認した。
また、本気体吸着性物質2Aの吸着量を測定するため、気体吸着性物質2A(Li−MgO)をQuantachrome社製Autosorb−1−Cにより、窒素吸着量評価を行った。
低圧側から順に窒素吸着量を評価することにより、約10Paで0.5cm/gSTP、約100Paで6.1cm/gSTP、約1000Paで12.3cm/gSTP吸着することを確認した。
また、気体吸着性物質2Aに対し、窒素吸着量評価前に、密閉系内で窒素を約2000Paから吸着させ、約1200Paとなったところで密閉系内を真空排気し、気体吸着性物質2Aと窒素との接触を停止した。
引き続き、前述の窒素を一部吸着させた気体吸着性物質2A(Li−MgO)に対し、同様の窒素吸着量評価を行った。
低圧側から順に窒素吸着量を評価することにより、約10Paで4.1cm/gSTP、約100Paにて9.3cm/gSTP、約1000Paで18.0cm/gSTP吸着することを確認した。
先に窒素を吸着させておくことにより、低圧下での窒素吸着量が向上することを確認した。
また、同装置を用いて酸素吸着評価を行った。
気体吸着性物質2A(Li−MgO)の酸素吸着量を評価することにより、約10Paで1.7cm/gSTP、約100Paで2.0cm/gSTP、約10000Paで4.5cm/gSTP吸着することを確認した。
また、気体吸着性物質2Aに対し、酸素吸着量評価前に、密閉系内で窒素を約2000Paから吸着させ、約1000Paとなったところで密閉系内を真空排気し、気体吸着性物質2Aと酸素との接触を停止した。これにより、窒化リチウムを一部生成させた。
引き続き、前述の窒素を一部吸着させた気体吸着性物質2A(Li−MgO)に対し、同様の酸素吸着量評価を行った。
酸素吸着量を評価することにより、約10Paで4.1cm/gSTP、約100Paで4.4cm/gSTP、約10000Paで4.5cm/gSTP吸着することを確認した。
先に窒素を吸着させておくことにより、低圧下での酸素吸着量が向上することを確認した。
また、断熱体1Aにおける気体吸着の評価結果を以下に示す。
まず、通気性のある袋材中に気体吸着性物質2Aを封入し、さらに、圧力差により膨らんだ後開口部を形成する充填袋に、約100000PaのArガスと共に封入されている。
気体吸着性物質2Aとして、前述のように、窒素を先に吸着させたもの、及び吸着させていないものを用いて評価を行った。
断熱体作製時、真空ポンプとつながれたチャンバー内に、開口部を有する外被材4A中に、芯材5と、充填袋中に封入された、気体吸着性物質2Aと通気性のある袋材とが配置されている。チャンバー内を減圧とし、チャンバー内部が約1000Paになった時点で充填袋は破裂し、チャンバー内と通気性を有し、封入されていたArガスも排気され、その後、外被材4Aの開口部をヒートシールにより密閉化した。
その後、外被材4A内の圧力変化を観察すると、先に窒素を吸着させた気体吸着性物質2Aを用いることにより、所定圧に到達する時間が減少した。
以上のように、本発明の断熱体に使用した気体吸着性物質は、気体吸着活性が高く、特に窒素に対する吸着性能が高いため、蛍光灯中のガスの除去、希ガス中の微量ガスの除去等様々な分野で用いることができる。
本発明の実施の形態1における断熱体の一例を示す斜視図 本発明の実施の形態2における断熱体の一例を示す断面図
符号の説明
1,1A 断熱体
2,2A 気体吸着性物質
4,4A 外被材

Claims (5)

  1. 少なくとも、外被材で囲まれた空間内に、気体を吸着可能な吸着材を備え、前記吸着材が、窒化物とLiとを有して25℃常圧もしくは減圧下で少なくとも窒素を吸着する気体吸着性物質を含むことを特徴とする断熱体。
  2. 少なくとも、外被材で囲まれた空間内に、気体を吸着可能な吸着材を備え、前記吸着材が、窒化物と酸化物とLiとを有して25℃常圧もしくは減圧下で少なくとも窒素を吸着する気体吸着性物質を含むことを特徴とする断熱体。
  3. 前記Liの少なくとも一部が、粒径1mm以下である気体吸着性物質を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の断熱体。
  4. 前記窒化物として、少なくとも窒化リチウムを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の断熱体。
  5. 少なくとも前記窒化物と前記Li、もしくは前記窒化物と前記酸化物と前記Liとが、メカニカルミリングにより混合されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の断熱体。
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CN106152491A (zh) * 2015-03-10 2016-11-23 中能世华(北京)节能科技有限公司 一种带有稀有气体的节能加热装置

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