JP2008067006A - 通信装置及び通信制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 複数の通信装置同士で無線通信する通信装置が、直接通信可能な隣接装置と通信し、隣接する通信端末装置の存在を検出する隣接端末確認モジュール101、隣接端末確認モジュール101による隣接装置検出のための通信に使用されるパケットのパケット長を制御する制御パケット管理モジュール102を備える。また、隣接端末確認モジュール101が、制御されたパケット長に基づいて、隣接装置との間に確立された無線リンクのデータ運搬能力を検出する。さらに、検出されたデータ運搬能力に基づいて、自通信装置から他の通信装置へデータをパケット単位で送信するためのルートを決定するルーティングモジュール103を備える。
【選択図】 図2
Description
ところで、現在、コンピュータの通信機能を階層構造に分割して表すOSI参照モデルが通信の分野で用いられている。無線通信において、OSI参照モデルでは、第1層が無線空間の電波到達範囲を調べる。第1層は物理層であって、通信端末装置から電波を送信し、その到達範囲を計算することが可能である。また、物理層は、送信した電波を受信した通信端末装置の応答によって送信側の電力を調整することもできる。
さらに、モバイルアドホックネットワーク等のネットワークでは、無線空間の性能がルーティングに関わる大きな問題となる。ルーティングは、ネットワーク層によって実行される。適正にルーティングするためには、ネットワーク層が無線リンクの安定性やデータ運搬能力を把握することが必要となる。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、OSI参照モデルでいう各層間の独立性を保持し、かつ、ネットワーク層が無線リンクのデータ運搬能力を把握することによって適正なルーティングをし、パケットエラー率が低い通信装置及び通信制御方法を提供することを目的とする。
(ネットワークの概念)
図1は、本実施形態の通信装置が適用された無線ネットワークの概念図である。図示したネットワークは、任意の数の通信端末装置10a〜10e(以下、特に通信端末装置を特定する必要がない場合には単に通信端末装置10と記す)を含む。通信端末装置10同士をつなぐ直線Lは、双方向リンクを示していて、直線Lの両端に位置する通信端末装置同士が互いに通信可能(パケット到達可能)な範囲にあることを示している。
また、各通信端末装置10は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、データ入力装置、データ出力装置、無線通信のインターフェースを備えている。さらに、通信端末装置は、有線による通信のインターフェースを備えるものであってもよい。
図2は、通信端末装置10の構成を説明するための図である。本実施形態では、通信端末装置10a〜10eを同一の構成とし、一の通信端末装置についてのみ説明するものとする。
通信端末装置10は、隣接端末確認モジュール101、制御パケット管理モジュール102、ルーティングモジュール103、データ運搬能力情報保持モジュール104、データ通信モジュール105、アプリケーションモジュール106を備え、外部ネットワークNWの通信端末装置と通信する。
以上の構成において、隣接端末確認モジュール101は本実施形態の隣接装置検出手段及びデータ運搬能力検出手段を持つ。また、制御パケット管理モジュール102は本実施形態のパケット長制御手段、ルーティングモジュール103は本実施形態のルーティング手段に相当する。
ルーティングモジュール103は、外部ネットワークNWに、一の通信端末装置10から任意の通信端末装置10までend−to−end(e2e)ルートを作成するモジュールである。e2eルートの作成は、データ運搬能力情報保持モジュール104に保持されている隣接通信端末装置間の無線リンクの伝搬運搬能力情報に基づいて行われる。
データ運搬能力情報保持モジュール104は、前記したように、隣接端末確認モジュール101によって確認された隣接通信端末装置間の無線リンクの運搬情報を保持している。データ運搬能力情報保持モジュール104によって保持される情報は、隣接通信端末装置を特定するためのIPアドレス等のIDと、その隣接通信端末装置との間の無線リンクのデータ運搬能力とを対応付ける構造を有している。なお、データ運搬能力は、パケット長のバイト数によって表されるものとした。
アプリケーションモジュール106は、ユーザが利用する通信アプリケーションを指し、例えば、e−mailや電話等が考えられる。他通信端末装置と通信する場合、ユーザがアプリケーションによってデータを生成し、生成されたデータがデータ通信モジュール105に渡される。
次に、以上述べた構成を有する通信端末装置の動作を説明する。
外部ネットワークNWがモバイルアドホックネットワークを構成する場合、通信端末装置が移動するため、ネットワークの形態が変化する。このため、各通信端末装置は、データ通信に先立ってネットワークの接続状況を把握する必要がある。
各通信端末装置10は、自通信端末装置でHELLOパケットを送信するとともに、他の通信端末装置が送信したHELLOパケットを受信する。そして、受信されたHELLOパケットに対して応答する。応答は、応答メッセージであるHELLOパケットを送信することで行われる。送信元の通信端末装置がこの応答のHELLOメッセージを受信すると、隣接端末との双方向リンクを確認する。このようなHELLOパケットの交換により、各通信端末装置10は、隣接通信端末装置の存在を把握する。
次に、制御パケット管理モジュール102によるHELLOパケットのパケット長調整について説明する。通常、HELLOパケットは、数十バイトの長さを持つ。一方、データパケット長は、数百バイトにもなり得る。このため、HELLOパケットを受信できた通信端末装置が、データパケットも同様に受信できるとは限らない。本実施形態は、以下の方法によってHELLOパケットより長いデータパケットの受信の可否を確認する。
図3は、ダミー・バイトの追加を説明するための図である。図示した例では、通常HELLOパケットの長さが20バイトであって、492バイトのダミー・バイトを追加することによって合計512バイトのパケット長を持った拡張隣接端末確認メッセージが生成される。
拡張隣接端末確認メッセージを受信した通信端末装置10は、自通信端末装置の制御パケット管理モジュール102によって同じパケット長の応答メッセージを生成し、送信する。先に拡張隣接端末確認メッセージを送信した通信端末装置10は、応答メッセージを送信してきた通信端末装置10との無線リンクが512バイトのデータ運搬能力を持つと判断する。
また、拡張隣接端末確認メッセージの送信後、一定時間の間に返信がない場合、制御パケット管理モジュール102は、隣接確認メッセージのパケット長を少なくして再送信する。拡張隣接端末確認メッセージのパケット長の低減及び再送信は、返信がないたびに繰り返される。そして、パケット長の低減によって拡張隣接端末確認メッセージのパケット長が既存ルーティングプロトコルにて定義された値に達した場合に終了する。既存ルーティングプロトコルにて定義された値とは、例えば従来のHELLOパケット長などである。あるいは、その他の閾値を予め設定しておいてもよい。
図4は、以上述べた通信装置の動作を説明するためのフローチャートであって、隣接通信端末装置間の無線リンクの運搬情報を獲得するための処理を示している。
以上説明した図4のフローチャートにおいて、ステップ42、S43は、隣接装置検出ステップ及び受信判定ステップ、ステップS44、ステップS45、ステップS42は再送信ステップ、ステップS46がデータ運搬能力検出ステップに相当する。
次に、以上述べた方法によって得た運搬情報に基づくルーティングの動作について説明する。図5は、本実施形態のルーティングの処理を説明するためのフローチャートであって、本実施形態のルーティングステップに相当する。
ルーティングモジュール103は、アプリケーションモジュール106からアプリケーションデータを受け取って通信対象のデータがあることを把握する(S51)。次に、データ通信モジュール105は、ルーティングモジュールに対し、最終的な宛先までのルートを要求する。ルーティングモジュール103は、運搬情報に基づいて、隣接通信端末装置を経由して最終的な宛先までパケットを送信するルートがあるか否か判断する(S52)。
そして、ルートが送信対象のデータ送信が可能であると確認できた場合(S56:Yes)、このルートをデータ通信モジュール105に通知する。データ通信モジュール105は、通知されたルートを使ってデータ通信を開始する。
また、ステップS52において、最終的な宛先までのルートがないと判断された場合(S52:No)、他の通信端末装置10からネットワークNWの接続に関する情報を取得できるか否か判断する(S53)。
図6のルーティングテーブルによれば、通信端末装置10aから通信端末装置10bにパケットを送信する場合、宛先は通信端末装置10bであり、通信端末装置10aから直接送信できる隣接通信端末装置も通信端末装置10bである。ルーティングテーブルでは、通信端末装置10aと通信端末装置10bとの間に無線リンクのデータ運搬能力が512バイトであることがわかる。
ルーティングモジュール103は、送信対象となるデータの最大パケット長と宛先となる通信端末装置までのルートのデータ運搬能力を比較し、採用可能なルートの選択やデータ分割の処理を実行する。
プロアクティブ型ルーティングプロトコルの場合、通信端末装置10bは、通信端末装置10b、10e間の無線リンクのデータ運搬能力が512バイトであることをネットワーク接続情報として送信する。また、通信端末装置10cは、通信端末装置10c、10e間の無線リンクのデータ運搬能力が256バイトであることをネットワーク接続情報として送信する。
このため、RREQは、REFQの送信元となる通信端末装置が希望するデータ運搬能力条件を持つ無線リンクだけをたどる。そして、データ運搬能力条件を満たす通信端末装置だけが送信元にルート探索返信メッセージ(RREP)を送信する。このため、送信元となった通信端末装置は、送信対象となるパケットを送信するためのデータ運搬能力条件を満たすルートが発見できたか否か判断することが可能になる。
また、RREQ自体のパケット長を、512バイトに増やすことも可能である。その場合、上記の例において、512バイトのRREQパケットは、データ運搬能力256バイトの10c−10e間のリンク上、10eにおいて受信ができず、10aが宛先10eまでに発見できる経路は10a−10b−10eである。
以上説明した本実施形態は、送信したいデータのパケット長以上のパケット長を隣接端末確認メッセージを利用することにより、送信すべきパケットを受信できる隣接通信端末装置を正確に把握できる。また、このローカル情報を各通信端末装置がルート作成時に利用し、無線リンクのデータパケット運搬能力をルートに反映することができる。したがって、各通信端末装置においてパケットを確実に受信することができ、パケットエラー率を低減することができる。
また、本実施形態は、通信が特に高い信頼性を要する場合、隣接端末確認メッセージを複数回交換した結果を蓄積して得た情報を考慮することも考えられる。このようにすれば、隣接通信端末装置を確認した履歴を、ある時間の保管、蓄積した情報を参照して信頼性が高い運搬情報等を得ることができる。
また、アプリケーションデータの通信に先立ち、送信すべきデータのパケット長について無線リンクのデータ運搬能力を調べる時間がない場合、事前に何種類かのパケット長について無線リンクのデータ運搬能力を調べておくことも可能である。
また通信端末装置の構成でも、送受信モジュールを別に持ち、隣接端末確認モジュール101及びデータ通信モジュール105は、送受信モジュールを介して通信をおこなってもよい。
102 制御パケット管理モジュール
103 ルーティングモジュール
104 データ運搬能力情報保持モジュール
105 データ通信モジュール
106 アプリケーションモジュール
Claims (3)
- 複数の通信装置同士で無線通信する通信装置であって、
複数の通信装置のうちの直接通信可能な隣接装置と通信し、前記隣接装置の存在を検出する隣接装置検出手段と、
前記隣接装置検出手段による隣接装置検出のための通信に使用されるパケットのパケット長を制御するパケット長制御手段と、
前記パケット長制御手段によって制御されたパケット長に基づいて、前記隣接装置との間に確立された無線リンクのデータ運搬能力を検出するデータ運搬能力検出手段と、
前記データ運搬能力検出手段によって検出されたデータ運搬能力に基づいて、自通信装置から他の通信装置へデータをパケット単位で送信するためのルートを決定するルーティング手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。 - 前記データ運搬能力検出手段によって検出されたデータ運搬能力に関する運搬情報を保持する運搬情報保持手段をさらに備え、
前記ルーティング手段は、送信すべきパケットを送信できるデータ運搬能力を有するルートを構築できない場合、前記運搬情報保持手段に保持されている運搬情報に基づいて、送信すべきパケットをデータ運搬能力に応じて分割し、分割されたパケットを送信するルートを決定することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。 - 複数の通信装置同士で行われる無線通信を制御する通信制御方法であって、
複数の通信装置のうちの直接通信可能な隣接装置にパケットを送信し、前記隣接装置の存在を検出する隣接装置検出ステップと、
前記隣接装置検出ステップにおける送信に対する返信が受信されたか否か判定する受信判定ステップと、
前記受信判定ステップにおいて、返信が受信されないと判断された場合、パケット長を変更しながら繰り返しパケットを送信する再送信ステップと、
前記再送信ステップによる送信のうち、前記受信判定ステップにおいて返信が受信されたと判定された場合、返信が合った送信のパケット長に基づいて、前記隣接装置との間に確立された無線リンクのデータ運搬能力を検出するデータ運搬能力検出ステップと、
前記データ運搬能力検出ステップにおいて検出されたデータ運搬能力に基づいて、自通信装置から他の通信装置へデータをパケット単位で送信するためのルートを決定するルーティングステップと、
を含むことを特徴とする通信制御方法。
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