JP2008066035A - ワーク処理装置 - Google Patents

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和弘 吉田
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龍一 岩崎
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Abstract

【課題】プラズマ処理によってワークに汚れが残存しているか否かをユーザに速やかに認識させることができるワーク処理装置を提供すること。
【解決手段】ラインセンサ101は、光源102から照射される光のワークWの透過光を受光し、プラズマ処理後のワークWの透過光を受光する。判定部943は、ラインセンサ101により受光されたワークWの透過光に、所定レベル以下の受光データが含まれるか否かを判定し、所定レベル以下の受光データが含まれる場合、ワークWに汚れが残存していると判定し、そのことを示す情報を表示部96に表示する。
【選択図】図10

Description

本発明は、プラズマをワークに放出してワークを改質するワーク処理装置に関するものである。
近年、プラズマディスプレイパネルや液晶パネルに用いられるガラス基板等の透明なワークに対してプラズマを照射し、その表面に付着した微細な汚れ(パーティクル)を除去したり、ワークの表面を粗くしたりする等してワークを改質するワーク処理装置が知られている。また、本発明に関連する技術として、マグネトロンの高寿命化を図ることを目的として、マグネトロンに印加するマイクロ波電力パルスのデューティー比及びそのデューティー比の繰り返し周波数が各々一定となるように制御する技術が開示されている(特許文献1)。
特開平07−41955号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、プラズマ処理が実行された後のワークが十分に改質されているか否かを検査することが行われておらず、ユーザはワークが改質されているか否かを速やかに認識することができなかった。
本発明の目的は、プラズマ処理によってワークが十分に改質されたか否かをユーザに速やかに認識させることができるワーク処理装置を提供することである。
本発明によるワーク処理装置は、ワークを搬送するワーク搬送手段と、前記搬送手段により搬送されるワークにプラズマを照射するプラズマ照射手段と、前記プラズマ照射手段によりプラズマ処理が実行された後のワークであって、前記ワーク搬送手段により搬送されるワークに光を照射する光照射手段と、前記光照射手段により照射された光による前記ワークの透過光又は反射光を受光する受光手段と、前記受光手段により、受光された反射光又は透過光のレベルに従って、前記ワークが改質されているか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする(請求項1)。
この構成によれば、光照射手段によりプラズマ処理された後のワークに対して光が照射され、受光手段によりワークの透過光又は反射光が受光され、受光された反射光又は透過光のレベルに従って、ワークが改質されているか否かが判定される。そのため、ユーザはプラズマ処理によってワークが改質されているか否かを速やかに認識することができる。また、これにより、ユーザはプラズマ処理工程の実行中に、ワークが改質されているか否かを認識することが可能となり、別途、プラズマ処理されたワークに対し、改質効果を確認するための検査工程を実行する必要がなくなる。
前記受光手段は、前記ワーク搬送手段によるワークの搬送方向と直交する主走査方向を長手方向とするラインセンサから構成されることが好ましい(請求項2)。
この構成によれば、主走査方向を長手方向とするラインセンサが、主走査方向に配設されているため、ワーク全域に亘って、ワークが十分に改質されたか否かを検出することができる。
前記光源は、前記ワークの前記主走査方向の幅の全域に光を照射することが好ましい(請求項3)。
この構成によれば、光源がワークの主走査方向の全域に光を照射しているため、受光手段は、ワークが十分に改質されたか否かを広範囲に亘ってより正確に検出することができる。
前記プラズマ照射手段は、前記ワーク搬送手段によるワークの搬送方向と直交する主走査方向に配列された複数のプラズマ発生ノズルを備えることが好ましい(請求項4)。
この構成によれば、ワークの全域にプラズマを照射することができる。
前記判定手段によりワークが改質されていないと判定された場合、そのことを報知する報知手段を更に備えることが好ましい(請求項5)。
この構成によれば、ワークが改質されていない場合、そのことがユーザに報知されるため、ユーザはより確実にワークが改質されたか否かを認識することができる。
本発明によれば、光照射手段によりプラズマ処理された後のワークに対して光が照射され、受光手段によりワークの透過光又は反射光が受光され、受光された反射光又は透過光のレベルに従って、ワークが改質されているか否かが判定される。そのため、ユーザはプラズマ処理によってワークが改質されているか否かを速やかに認識することができる。また、これにより、ユーザはプラズマ処理工程の実行中に、ワークが改質されているか否かを認識することが可能となり、別途、プラズマ処理されたワークに対し、改質効果を確認するための検査工程を実行する必要がなくなる。
以下、本発明の実施の形態によるワーク処理装置Sについて図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係るワーク処理装置Sの全体構成を示す斜視図である。このワーク処理装置Sは、プラズマを発生し、処理対象となるワークWに前記プラズマを照射するプラズマ発生ユニットPUと、ワークWを前記プラズマの照射領域を経由する所定のルートで搬送する搬送手段Cとを備えている。本実施の形態では、ワークWとして、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに採用される透明なガラス基板が採用されている。図2は、図1とは視線方向を異ならせたプラズマ発生ユニットPUの斜視図、図3は一部透視側面図である。なお、図1〜図3において、X−X方向を前後方向、Y−Y方向を左右方向、Z−Z方向を上下方向というものとし、−X方向を前方向、+X方向を後方向、−Yを左方向、+Y方向を右方向、−Z方向を下方向、+Z方向を上方向として説明する。
プラズマ発生ユニットPUは、マイクロ波を利用し常温常圧でのプラズマ発生が可能なユニットであって、大略的に、マイクロ波を伝搬させる導波管10、この導波管10の一端側(左側)に配置され所定波長のマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置20、導波管10に設けられたプラズマ発生部30、導波管10の他端側(右側)に配置されマイクロ波を反射させるスライディングショート40、導波管10に放出されたマイクロ波のうち反射マイクロ波がマイクロ波発生装置20に戻らないよう分離するサーキュレータ50、サーキュレータ50で分離された反射マイクロ波を吸収するダミーロード60、及びインピーダンス整合を行うスタブチューナ70を備えて構成されている。
搬送手段Cは、図略の駆動モータにより回転駆動される搬送ローラ80を含む。搬送経路上、プラズマ発生ユニットPUの近傍の下流側であって、ワークWの下側にはプラズマ発生ユニットPUによってプラズマ処理が施された後のワークWの透過光を受光するラインセンサ101が配設されている。
ラインセンサ101は、左右方向(主走査方向)を長手方向とし、主走査方向に沿って複数配列された受光素子を含むCCDラインセンサから構成されている。そして、ラインセンサ101は、光源102から照射される光のうちワークWを透過する光を受光する。なお、ラインセンサ101の長手方向の長さは、本ワーク処理装置Sが搬送することができるワークのうち、主走査方向の長さが最大のワークとほぼ同じ寸法であることが好ましい。
光源102は、ワークWを挟んでラインセンサ101と対向する位置に配設されている。光源102は、例えば、主走査方向に複数配列された発光ダイオードから構成され、プラズマ処理が実行されたワークWの主走査方向の全域に光を照射する。なお、光源102の長手方向の長さは、本ワーク処理装置Sが搬送することができるワークのうち、主走査方向の長さが最大のワークとほぼ同じ長さであることが好ましい。
導波管10は、例えば非磁性金属(アルミニウム等)からなり、断面矩形の長尺管状を呈し、マイクロ波発生装置20により発生されたマイクロ波をプラズマ発生部30へ向けて、その長手方向に伝搬させるものである。導波管10は、分割された複数の導波管ピースが互いのフランジ部同士で連結された連結体で構成されており、一端側から順に、マイクロ波発生装置20が搭載される第1導波管ピース11、スタブチューナ70が組み付けられる第2導波管ピース12及びプラズマ発生部30が設けられている第3導波管ピース13が連結されてなる。なお、第1導波管ピース11と第2導波管ピース12との間にはサーキュレータ50が介在され、第3導波管ピース13の他端側にはスライディングショート40が連結されている。
また、第1導波管ピース11、第2導波管ピース12及び第3導波管ピース13は、それぞれ金属平板からなる上面板、下面板及び2枚の側面板を用いて角筒状に組み立てられ、その両端にフランジ板が取り付けられて構成されている。なお、このような平板の組み立てによらず、押し出し成形や板状部材の折り曲げ加工等により形成された矩形導波管ピース若しくは非分割型の導波管を用いるようにしても良い。また、断面矩形の導波管に限らず、例えば断面楕円の導波管を用いることも可能である。さらに、非磁性金属に限らず、導波作用を有する各種の部材で導波管を構成することができる。
マイクロ波発生装置20は、例えば2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロン等のマイクロ波発生源と、このマイクロ波発生源にて発生されたマイクロ波の強度を所定の出力強度に調整するアンプとを具備する装置本体部21と、装置本体部21で発生されたマイクロ波を導波管10の内部へ放出するマイクロ波送信アンテナ22とを備えて構成されている。本実施形態に係るプラズマ発生ユニットPUでは、例えば1W〜3kWのマイクロ波エネルギーを出力できる連続可変型のマイクロ波発生装置20が好適に用いられる。
図3に示すようにマイクロ波発生装置20は、装置本体部21からマイクロ波送信アンテナ22が突設された形態のものであり、第1導波管ピース11に載置される態様で固定されている。詳しくは、装置本体部21が第1導波管ピース11の上面板11Uに載置され、マイクロ波送信アンテナ22が上面板11Uに穿設された貫通孔111を通して第1導波管ピース11内部の導波空間110に突出する態様で固定されている。このように構成されることで、マイクロ波送信アンテナ22から放出された例えば2.45GHzのマイクロ波は、導波管10により、その一端側(左側)から他端側(右側)に向けて伝搬される。
プラズマ発生部30は、第3導波管ピース13の下面板13Bに、左右方向へ一列に整列して突設された8個のプラズマ発生ノズル31を具備して構成されている。このプラズマ発生部30の幅員、つまり8個のプラズマ発生ノズル31の左右方向の配列幅は、平板状のワークWの搬送方向と直交する幅方向のサイズtと略合致する幅員とされている。これにより、ワークWを搬送ローラ80で搬送しながら、ワークWの全表面(下面板13Bと対向する面)に対してプラズマ処理が行えるようになっている。
なお、8個のプラズマ発生ノズル31の配列間隔は、導波管10内を伝搬させるマイクロ波の波長λに応じて定めることが望ましい。例えば、波長λの1/2ピッチ、1/4ピッチでプラズマ発生ノズル31を配列することが望ましく、2.45GHzのマイクロ波を用いる場合、矩形の導波管10の断面サイズが2.84インチ×1.38インチのとき、λ=230mmであるので、115mm(λ/2)ピッチ、或いは57.5mm(λ/4)ピッチでプラズマ発生ノズル31を配列すれば良い。
図4は、2つのプラズマ発生ノズル31を拡大して示す側面図(一方のプラズマ発生ノズル31は分解図として描いている)、図5は、図4のA−A線側断面図である。プラズマ発生ノズル31は、中心導電体32、ノズル本体33、ノズルホルダ34、シール部材35及び保護管36を含んで構成されている。
中心導電体32は、良導電性の金属から構成された棒状部材からなり、その上端部321の側が第3導波管ピース13の下面板13Bを貫通して導波空間130に所定長さだけ突出(この突出部分を受信アンテナ部320という)する一方で、下端部322がノズル本体33の下端縁331と略面一になるように、上下方向に配置されている。この中心導電体32には、受信アンテナ部320が導波管10内を伝搬するマイクロ波を受信することで、マイクロ波エネルギー(マイクロ波電力)が与えられるようになっている。当該中心導電体32は、長さ方向略中間部において、シール部材35により保持されている。
ノズル本体33は、良導電性の金属から構成され、中心導電体32を収納する筒状空間332を有する筒状体である。また、ノズルホルダ34も良導電性の金属から構成され、ノズル本体33を保持する比較的大径の下部保持空間341と、シール部材35を保持する比較的小径の上部保持空間342とを有する筒状体である。一方、シール部材35は、テフロン(登録商標)等の耐熱性樹脂材料やセラミック等からなる絶縁性部材からなり、前記中心導電体32を固定的に保持する保持孔351をその中心軸上に備える筒状体からなる。
ノズル本体33は、上方から順に、ノズルホルダ34の下部保持空間341に嵌合される上側胴部33Uと、後述するガスシールリング37を保持するための環状凹部33Sと、環状に突設されたフランジ部33Fと、ノズルホルダ34から突出する下側胴部33Bとを具備している。また、上側胴部33Uには、所定の処理ガスを前記筒状空間332へ供給させるための連通孔333が穿孔されている。
このノズル本体33は、中心導電体32の周囲に配置された外部導電体として機能するもので、中心導電体32は所定の環状空間H(絶縁間隔)が周囲に確保された状態で筒状空間332の中心軸上に挿通されている。ノズル本体33は、上側胴部33Uの外周部がノズルホルダ34の下部保持空間341の内周壁と接触し、またフランジ部33Fの上端面がノズルホルダ34の下端縁343と接触するようにノズルホルダ34に嵌合されている。なお、ノズル本体33は、例えばプランジャやセットビス等を用いて、ノズルホルダ34に対して着脱自在な固定構造で装着されることが望ましい。
ノズルホルダ34は、第3導波管ピース13の下面板13Bに穿孔された貫通孔131に密嵌合される上側胴部34U(上部保持空間342の位置に略対応する)と、下面板13Bから下方向に延出する下側胴部34B(下部保持空間341の位置に略対応する)とを備えている。下側胴部34Bの外周には、処理ガスを前記環状空間Hに供給するためのガス供給孔344が穿孔されている。図示は省略しているが、このガス供給孔344には、所定の処理ガスを供給するガス供給管の終端部が接続するための管継手等が取り付けられる。かかるガス供給孔344と、ノズル本体33の連通孔333とは、ノズル本体33がノズルホルダ34への定位置嵌合された場合に互いに連通状態となるように、各々位置設定されている。なお、ガス供給孔344と連通孔333との突き合わせ部からのガス漏洩を抑止するために、ノズル本体33とノズルホルダ34との間にはガスシールリング37が介在されている。
シール部材35は、その下端縁352がノズル本体33の上端縁334と当接し、その上端縁353がノズルホルダ34の上端係止部345と当接する態様で、ノズルホルダ34の上部保持空間342に保持されている。すなわち、上部保持空間342に中心導電体32を支持した状態のシール部材35が嵌合され、ノズル本体33の上端縁334でその下端縁352が押圧されるようにして組み付けられているものである。
保護管36(図5では図示省略している)は、所定長さの石英ガラスパイプ等からなり、ノズル本体33の筒状空間332の内径に略等しい外径を有する。この保護管36は、ノズル本体33の下端縁331での異常放電(アーキング)を防止して後述するプルームPを正常に放射させる機能を有しており、その一部がノズル本体33の下端縁331から突出するように、前記筒状空間332に内挿されている。なお、保護管36は、その先端部が下端縁331と一致するように、或いは下端縁331よりも内側へ入り込むように、その全体が筒状空間332に収納されていても良い。
プラズマ発生ノズル31は上記のように構成されている結果、ノズル本体33、ノズルホルダ34及び第3導波管ピース13(導波管10)は導通状態(同電位)とされている一方で、中心導電体32は絶縁性のシール部材35で支持されていることから、これらの部材とは電気的に絶縁されている。従って、図6に示すように、導波管10がアース電位とされた状態で、中心導電体32の受信アンテナ部320でマイクロ波が受信され中心導電体32にマイクロ波電力が給電されると、その下端部322及びノズル本体33の下端縁331の近傍に電界集中部が形成されるようになる。
かかる状態で、ガス供給孔344から例えば酸素ガスや空気のような酸素系の処理ガスが環状空間Hへ供給されると、前記マイクロ波電力により処理ガスが励起されて中心導電体32の下端部322付近においてプラズマ(電離気体)が発生する。このプラズマは、電子温度が数万度であるものの、ガス温度は外界温度に近い反応性プラズマ(中性分子が示すガス温度に比較して、電子が示す電子温度が極めて高い状態のプラズマ)であって、常圧下で発生するプラズマである。
このようにしてプラズマ化された処理ガスは、ガス供給孔344から与えられるガス流によりプルームPとしてノズル本体33の下端縁331から放射される。このプルームPにはラジカルが含まれ、例えば処理ガスとして酸素系ガスを使用すると酸素ラジカルが生成されることとなり、有機物の分解・除去作用、レジスト除去作用等を有するプルームPとすることができる。本実施形態に係るプラズマ発生ユニットPUでは、プラズマ発生ノズル31が複数個配列されていることから、左右方向に延びるライン状のプルームPを発生させることが可能となる。
スライディングショート40は、各々のプラズマ発生ノズル31に備えられている中心導電体32と、導波管10の内部を伝搬されるマイクロ波との結合状態を最適化するために備えられているもので、マイクロ波の反射位置を変化させて定在波パターンを調整可能とするべく第3導波管ピース13の右側端部に連結されている。従って、定在波を利用しない場合は、当該スライディングショート40に代えて、電波吸収作用を有するダミーロードが取り付けられる。
図7は、スライディングショート40の内部構造を示す透視斜視図である。図7に示すように、スライディングショート40は、導波管10と同様な断面矩形の筐体構造を備えており、導波管10と同じ材料で構成された中空空間410を有する筐体部41と、前記中空空間410内に収納された円柱状の反射ブロック42と、反射ブロック42の基端部に一体的に取り付けられ前記中空空間410内を左右方向に摺動する矩形ブロック43と、この矩形ブロック43に組み付けられた移動機構44と、反射ブロック42にシャフト45を介して直結されている調整ノブ46とが備えられている。
反射ブロック42は、マイクロ波の反射面となる先端面421が第3導波管ピース13の導波空間130に対向するよう左右方向に延在する円柱体である。この反射ブロック42は、矩形ブロック43と同様な角柱状を呈していても良い。前記移動機構44は、調整ノブ46の回転操作により矩形ブロック43及びこれと一体化された反射ブロック42を左右方向に推進若しくは後退させる機構であって、調整ノブ46を回転させることで反射ブロック42が中空空間410内において矩形ブロック43にてガイドされつつ左右方向に移動可能とされている。かかる反射ブロック42の移動による先端面421の位置調整によって、定在波パターンが最適化される。なお、調整ノブ46の回転操作を、ステッピングモータ等を用いて自動化することが望ましい。
サーキュレータ50は、例えばフェライト柱を内蔵する導波管型の3ポートサーキュレータからなり、一旦はプラズマ発生部30へ向けて伝搬されたマイクロ波のうち、プラズマ発生部30で電力消費されずに戻って来る反射マイクロ波を、マイクロ波発生装置20に戻さずダミーロード60へ向かわせるものである。このようなサーキュレータ50を配置することで、マイクロ波発生装置20が反射マイクロ波によって過熱状態となることが防止される。
図8は、サーキュレータ50の作用を説明するためのプラズマ発生ユニットPUの上面図である。図示するように、サーキュレータ50の第1ポート51には第1導波管ピース11が、第2ポート52には第2導波管ピース12が、さらに第3ポート53にはダミーロード60がそれぞれ接続されている。そして、マイクロ波発生装置20のマイクロ波送信アンテナ22から発生されたマイクロ波は、矢印aで示すように第1ポート51から第2ポート52を経由して第2導波管ピース12へ向かう。一方、第2導波管ピース12側から入射する反射マイクロ波は、矢印bで示すように、第2ポート52から第3ポート53へ向かうよう偏向され、ダミーロード60へ入射される。
ダミーロード60は、上述の反射マイクロ波を吸収して熱に変換する水冷型(空冷型でも良い)の電波吸収体である。このダミーロード60には、冷却水を内部に流通させるための冷却水流通口61が設けられており、反射マイクロ波を熱変換することにより発生した熱が前記冷却水に熱交換されるようになっている。
スタブチューナ70は、導波管10とプラズマ発生ノズル31とのインピーダンス整合を図るためのもので、第2導波管ピース12の上面板12Uに所定間隔を置いて直列配置された3つのスタブチューナユニット70A〜70Cを備えている。図9は、スタブチューナ70の設置状況を示す透視側面図である。図示するように、3つのスタブチューナユニット70A〜70Cは同一構造を備えており、第2導波管ピース12の導波空間120に突出するスタブ71と、該スタブ71に直結された操作棒72と、スタブ71を上下方向に出没動作させるための移動機構73と、これら機構を保持する外套74とから構成されている。
スタブチューナユニット70A〜70Cに各々備えられているスタブ71は、その導波空間120への突出長が各操作棒72により独立して調整可能とされている。これらスタブ71の突出長は、例えばマイクロ波電力パワーをモニターしつつ、中心導電体32による消費電力が最大となるポイント(反射マイクロ波が最小になるポイント)を探索することで決定される。なお、このようなインピーダンス整合は、必要に応じてスライディングショート40と連動させて実行される。このスタブチューナ70の操作も、ステッピングモータ等を用いて自動化することが望ましい。
搬送手段Cは、所定の搬送路に沿って配置された複数の搬送ローラ80を備え、図略の駆動手段により搬送ローラ80が駆動されることで、処理対象となるワークWを、前記プラズマ発生部30を経由して搬送させるものである。
次に、本実施の形態によるワーク処理装置Sの電気的構成について説明する。図10は、ワーク処理装置Sの制御系90を示すブロック図である。制御系90は、CPUや専用のハードウエア回路等から構成され、マイクロ波出力制御部91、ガス流量制御部92、モータ制御部93、全体制御部94、操作部95、及び表示部96を含む。
マイクロ波出力制御部91は、マイクロ波発生装置20から出力されるマイクロ波のON−OFF制御、出力強度制御を行い、所定のパルス信号を生成してマイクロ波発生装置20の動作制御を行う。具体的には、マイクロ波出力制御部91は、全体制御部94からマイクロ波停止信号を受信したとき、マイクロ波発生装置20にマイクロ波の出力を停止させ、全体制御部94からマイクロ波出力信号を受信したとき、マイクロ波発生装置20にマイクロ波の出力を開始させる。
ガス流量制御部92は、プラズマ発生部30の各プラズマ発生ノズル31へ供給する処理ガスの流量制御を行う。具体的には、ガス流量制御部92は、ガスボンベ等の処理ガス供給源921とプラズマ発生ノズル31との間を接続するガス供給管922に設けられた流量制御弁923の開閉制御乃至は開度調整を行う。また、ガス流量制御部92は、全体制御部94から閉信号を受信した場合、流量制御弁923を閉じ、開信号を受信した場合、流量制御弁を開け、開信号のレベルに応じて、流量制御弁923の開度を調整する。なお、図10においては、1つのガス流量制御部92と流量制御弁923としか示していないが、実際には、8本のプラズマ発生ノズル31の各々に対応する8つのガス流量制御部92と流量制御弁923とが存在する。そして、8つのガス流量制御部92は、全体制御部94によって個別に制御される。また、ガス流量制御部92と流量制御弁923の個数は、8つに限定されず、プラズマ発生ノズル31の個数に応じて適宜変更される。
モータ制御部93は、搬送ローラ80を回転駆動させる駆動モータ931の動作制御を行い、ワークWの搬送開始停止、及び搬送速度の制御等を行う。
ラインセンサ101は、全体制御部94の制御の下、光源102から照射された光のうちワークWを透過する光を受光し、左端の受光素子から右端の受光素子に向けて、又は右端の受光素子から左端の受光素子に向けて順番に、各受光素子により受光された光量データを全体制御部94に出力する。
以下、ワークWにプラズマを照射して、ワークWから汚れを除去することでワークWを改質する場合を例に挙げて説明する。なお、ワークWに付着した汚れは、光源102から照射された光を遮るため、ラインセンサ101を構成する受光素子が出力する光量データは、汚れが付着している箇所よりも汚れが付着していない箇所の方が大きくなる。光源102は、全体制御部94の制御の下、搬送手段Cによって搬送されるワークWに光を照射する。
全体制御部94は、CPU、ROM、RAM等から構成され、当該ワーク処理装置Sの全体的な動作制御を司り、操作部95から与えられる操作信号に応じて、マイクロ波出力制御部91、ガス流量制御部92及びモータ制御部93を、所定のシーケンスに基づいて動作制御する。すなわち、全体制御部94は、予め与えられた制御プログラムに基づいて、ワークWの搬送を開始させてワークWをプラズマ発生部30へ導き、所定流量の処理ガスを各プラズマ発生ノズル31へ供給させつつマイクロ波電力を与えてプラズマ(プルームP)を発生させ、ワークWを搬送しながらその表面にプルームPを放射させる。これにより、複数のワークWを連続的に処理することができる。
また、全体制御部94は、ROMに記憶された制御プログラムを実行することで、CPUを受光制御部941、光源制御部942、判定部943、及び表示制御部944として機能させる。
受光制御部941は、ワーク検出センサ103によりワークWの先端が検出されると、ラインセンサ101にワークWの透過光の受光を開始させる。また、受光制御部941は、ワーク検出センサ103によりワークWの後端が検出されると、ラインセンサ101にワークWの透過光の受光を終了させる。
光源制御部942は、ワーク検出センサ103によりワークWの先端が検出されると、光源102を点灯させ、ワーク検出センサ103によりワークWの後端が検出されると、光源102を消灯させる。
判定部943は、ラインセンサ101から出力された光量データに所定レベル以下の光量データが含まれているか否かを判定し、所定レベル以下の光量データが含まれている場合、ワークWに汚れが残存すると判定する。一方、判定部943は、ラインセンサ101から出力される光量データに所定レベル以下の光量データが含まれていない場合、ワークWに汚れが残存していないと判定する。
なお、判定部943は、ラインセンサ101から出力される光量データのうち所定レベル以下の光量データが一定の個数以上存在する場合、ワークWに汚れが残存すると判定し、ラインセンサ101から出力される光量データのうち所定レベル以下の光量データが一定の個数未満である場合、ワークWに汚れが残存していないと判定してもよい。
また、判定部943は、所定レベル以下の光量データを出力した受光素子の主走査方向上での位置及び、その光量データの副走査方向(主走査方向に直交する方向)上での位置から、ワークWに残存している汚れの位置を特定する。
表示制御部944は、判定部943により、ワークWに汚れが残存していると判定された場合、そのことを示す情報を表示部96に表示する。また、表示制御部944は、判定部943により、ワークWに汚れが残存していると判定された場合、判定部943により特定された汚れの位置を示す情報を表示部96に表示する。
操作部95は、全体制御部94に対してユーザの操作に応じた操作信号を与える。表示部96は、ユーザにワークに汚れが残存しているか否かを報知する表示部96を備えている。ワーク検出センサ103は、例えばワークWの搬送経路上にワークWと当接可能に配設されたマイクロスイッチから構成され、ワークWが当接したときにオンし、ワークWが当接しないときにオフし、オフからオンに変化したとき、ワークの先端が通過したことを検出し、オンからオフに変化したとき、ワークの後端が通過したことを検出する。
なお、本実施の形態では、光源制御部942及び光源102が光照射手段に相当し、判定部943が判定手段に相当し、表示制御部944、及び表示部96が報知手段に相当する。
次に、本ワーク処理装置Sの動作について説明する。図11は、本ワーク処理装置Sが1枚のワークWに汚れが残存しているか否かを判定する際の動作を示すフローチャートである。
まず、モータ制御部93は、全体制御部94の制御の下、駆動モータ931を駆動させ、搬送ローラ80にワークWを搬送させる(ステップS1)。次に、マイクロ波発生装置20は、搬送ローラ80によって搬送されるワークWにプラズマを照射し、ワークWに付着する汚れを除去する(ステップS2)。
次に、ワーク検出センサ103によりワークWの先端が検出されると、光源102は、搬送ローラ80によって搬送されるワークWに光を照射し、ラインセンサ101はワークWの透過光の受光を開始する(ステップS3)。次に、判定部943は、ラインセンサ101から順次出力される光量データを受け、所定レベルよりも低い光量データが出力された場合(ステップS4でYES)、表示制御部944は、ワークWに汚れが残存していることを示す情報を表示部96に表示させる(ステップS6)。この場合、表示制御部944は、例えば、「ワークの汚れは十分に除去されていません。」という文言を表示部96に表示させる、又は、ワークWに汚れが残存することを示すマークを表示部96に表示させる。
更に、表示制御部944は、ワークWのどの箇所に汚れが残存しているかを示す情報を表示部94に表示させる。具体的には、表示制御部944は、ワークWの外枠を示す四角形を表示部94に表示し、実際に汚れが付着している位置に相当する四角形内の位置に、汚れが付着していることを示すマーク(例えば、「×」マーク)等を表示して、汚れが付着している位置をユーザに報知する。或いは、表示制御部944は、ワークWの外枠を示す四角形を複数の矩形領域に分割し、汚れが付着している位置を含む矩形領域を他の矩形領域と異なる色で表示して、汚れが付着している位置をユーザに報知する。
一方、ステップS4において、判定部943は、所定レベル以下の光量データを受けない場合(ステップS4でNO)、処理をステップS5に進める。
ステップS5において、ワーク検出センサ103がワークWの後端の通過を検出したとき、ラインセンサ101は、ワークWの透過光の受光を終了する。
以上説明したように、本ワーク処理装置Sによれば、プラズマ処理後のワークWに光を照射し、ワークWの透過光をラインセンサ101に受光させ、ラインセンサ101から所定レベル以下の光量データが出力された場合、ワークWに汚れが残存していると判定して、そのことを示す情報が表示部96に表示される。そのため、ユーザはワークWに汚れが残存しているか否かを速やかに認識することが可能となる。また、別途、ワークWに汚れが残存しているか否かを検出するための工程を実施しなくとも、プラズマ処理工程において、ワークWに汚れが残存するか否かを判定することができる。
なお、上記実施の形態では、ラインセンサ101はワークWの透過光を受光したが、反射光を受光してもよい。この場合、ラインセンサ101は、ワークWの上面側、すなわち光源102側に配設すればよい。また、この場合、ワークWに付着した汚れは、光源102から照射された光を乱反射させるため、ラインセンサ101を構成する受光素子が出力する光量データは、汚れが付着している箇所よりもよごれが付着していない箇所の方が大きくなる。そのため、判定部943は、ワークWの反射光を基に、ワークWに汚れが残存しているか否かを判定する場合は、ラインセンサ101から所定レベル以下の光量データが出力されたとき、ワークWに汚れが残存していると判定すればよい。
また、上記実施の形態では、ワークWを改質させる例として、ワークWから汚れを除去する場合を示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、プラズマを照射してワークWの表面を粗くすることをワークWの改質としてもよい。ワークWの表面が粗くなると、ガラス基板のワークWの表面で光が乱反射されるため、プラズマ処理により改質が十分になされて粗くされた箇所は、改質が十分になされていない滑らかな箇所よりも透過光の光量が減少する。従って、判定部943は、ラインセンサ101により受光された透過光が規定値よりも低い場合、ワークWの表面が粗くされ、ワークWが改質されたと判定する。
本発明に係るワーク処理装置は、半導体ウェハ等の半導体基板に対するエッチング処理装置や成膜装置、プラズマディスプレイパネル等のガラス基板やプリント基板の清浄化処理装置等に好適に適用することができる。
本発明に係るワーク処理装置の全体構成を示す斜視図である。 図1とは視線方向を異ならせたプラズマ発生ユニットの斜視図である。 ワーク処理装置の一部透視側面図である。 2つのプラズマ発生ノズルを拡大して示す側面図(一方のプラズマ発生ノズルは分解図として描いている)である。 図4のA−A線側断面図である。 プラズマ発生ノズルにおけるプラズマの発生状態を説明するための透視側面図である。 スライディングショートの内部構造を示す透視斜視図である。 サーキュレータの作用を説明するためのプラズマ発生ユニットの上面図である。 スタブチューナの設置状況を示す透視側面図である。 ワーク処理装置の制御系を示すブロック図である。 本実施の形態によるワーク処理装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10 導波管
20 マイクロ波発生装置
30 プラズマ発生部
31 プラズマ発生ノズル
32 中心導電体
33 ノズル本体
34 ノズルホルダ
344 ガス供給孔
36 保護管
40 スライディングショート
50 サーキュレータ
60 ダミーロード
70 スタブチューナ
80 搬送ローラ
101 ラインセンサ
102 光源
103 ワーク検出センサ
91 マイクロ波出力制御部
92 ガス流量制御部
921 処理ガス供給源
922 ガス供給管
923 流量制御弁
93 モータ制御部
931 駆動モータ
94 全体制御部
941 受光制御部
942 光源制御部
943 判定部
944 表示制御部
95 操作部
S ワーク処理装置
PU プラズマ発生装置
C 搬送手段
W ワーク

Claims (5)

  1. ワークを搬送するワーク搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送されるワークにプラズマを照射するプラズマ照射手段と、
    前記プラズマ照射手段によりプラズマ処理が実行された後のワークであって、前記ワーク搬送手段により搬送されるワークに光を照射する光照射手段と、
    前記光照射手段により照射された光による前記ワークの透過光又は反射光を受光する受光手段と、
    前記受光手段により、受光された反射光又は透過光のレベルに従って、前記ワークが改質されているか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とするワーク処理装置。
  2. 前記受光手段は、前記ワーク搬送手段によるワークの搬送方向と直交する主走査方向を長手方向とするラインセンサから構成されることを特徴とする請求項1に記載のワーク処理装置。
  3. 前記光源は、前記ワークの主走査方向の幅の全域に光を照射することを特徴とする請求項2に記載のワーク処理装置。
  4. 前記プラズマ照射手段は、前記ワーク搬送手段によるワークの搬送方向と直交する主走査方向に配列された複数のプラズマ発生ノズルを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のワーク処理装置。
  5. 前記判定手段によりワークが改質されていないと判定された場合、そのことを報知する報知手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のワーク処理装置。
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