JP2008064996A - 印刷装置及びその印刷装置を用いたカラーフィルタ製造方法とこの製造方法によって製造されたカラーフィルタ - Google Patents

印刷装置及びその印刷装置を用いたカラーフィルタ製造方法とこの製造方法によって製造されたカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】凹版印刷版の凹部以外の部分に付着したインキを的確に除去することのできる印刷装置とカラーフィルタ基板の製造方法及びこれにより製造される適切なカラーフィルタ基板を提供する。
【解決手段】凹版印刷版4の凹部10に対するインキ5の充填を行なうインキ充填ブレード2と凹部10から食み出した不要インキの掻き取りを行なうインキ掻き取りブレード3を設け、高い接触圧力を要さずにインキの充填と掻き取りを行えるようにすると共に、インキ掻き取りブレード3で確実に不要インキを除去することによって不要インキの積層や蓄積をなくし、混色の発生を抑制して汚染量が低く透過率の高いカラーフィルタ基板を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、カラーフィルタの製造に好適な印刷装置及びその印刷装置を用いたカラーフィルタ製造方法とこの製造方法によって製造されたカラーフィルタ、更には、このカラーフィルタを備えた液晶パネル、ならびに、この液晶パネルを備えた液晶表示装置に関する。
カラー液晶ディスプレイは、軽量,薄型,低消費電力という特徴を有する為、パソコンモニターやTVなどで従来使用されてきたCRTブラウン管に代わる表示デバイスとして注目を集めている。最近では表示サイズの大型化や低コスト化技術への取り組みが一段と活発になってきている。そのなかでも低コスト化技術はカラー液晶ディスプレイを広く一般に広げるための必須技術である。低コスト化技術の一つとしてカラーフィルタの新規製造方法が提案されている。従来はガラス等からなる透明基板上に黒及びRGBの合計4色をフォトリソグラフィーで形成するいわゆる顔料分散法が主流であったが、フォトリソグラフィー法の場合は塗布、露光,現像といった装置が高価であること、黒RGBといった主材料の利用効率が低いという欠点があった。
そこで顔料分散法にかわるカラーフィルタ製造方法としてインクジェット法や印刷法が提案されている。
インクジェット法は種々のカラーフィルタパターン配列をプログラム制御で対応できるメリットがある反面、ノズルの目詰まりが発生しやすいことや処理速度が遅いとった量産面での課題を抱えている。
一方、印刷法は一部の製品ではすでに適用が開始されており、顔料分散法の代替え法として有望視されている。
印刷法としては、印刷版の種類や印刷機構の違いにより凹版印刷,凸版印刷,平版印刷及び反転印刷などのものが存在するが、カラーフィルタに要求されるパターン寸法や量産性を考慮すると凹版印刷法が最も適した製造方法の一つであるといえる。
ここで、凹版印刷法を適用した従来型の印刷装置およびカラーフィルタ製造方法について詳しく説明する。
図6(a)に示すように、まず、深さ約8μmの凹部19を有する凹版印刷版20を使用する。この8μmという値は、凹部19からブランケット21へのインキの受け渡しに際してインキが分断されることを考慮し、凹部19の底部にインキが残存することを見越した深さである。深さ8μmの場合は、ブランケット21に受け渡されるインキ22の厚みは約2μm、凹部の底部に残存するインキは約6μmとなる。
次に図6(b)に示されるようにして凹版印刷版20の端部にインキ22を載置し、インキ充填ブレード23の先端を凹版印刷版20の端部に当接させて図6(c)に示されるようにしてインキ充填ブレード23を移動させることで凹版印刷版20の凹部19にインキ22を充填する。
その後、図6(d)に示されるようにして凹版印刷版20にブランケット21を押し付けて転動させ、凹部19のインキ22をブランケット21の外周面に取り上げる。
そして、最終的に、ブランケット21を透明基板24上で転動させることでブランケット21上のインキ22を図6(e)に示すようにして透明基板上24に転写する。これをピッチをずらせて3回繰り返すことでRGB3色のカラーフィルタを形成する。
しかし、この凹版印刷法には以下に示すような幾つかの問題点がある。
(問題点1)
凹版印刷版20の凹部19にRGBの着色インキを充填させる際に、インキ充填ブレード23を用いて凹版印刷版20の表面をスクイズすることで凹部19にインキは充填されるものの、凹部19以外の領域のインキ22は完全に除去できておらず、インキ22が薄い膜となって広く残ってしまう。
このように凹版印刷版20の凹部19以外の領域にインキ残り25が存在すると、インキ22をブランケット21に取り上げる工程でこのインキ残り25がブランケット21に付着し、さらにインキ転写工程でブランケット21上のインキ残り25が透明基板24に転写され、結果的に不要なインキ22が透明基板24上に付着するという問題点があった。
この透明基板24すなわちカラーフィルタ上の不要なインキが目で見えるような局所的な大きなインキ残りとなった場合は、色残りや混色等の初期不良となって現れ、カラーフィルタの歩留まりを落とす原因となっていた。
(問題点2)
この種の印刷方式の場合は短タクト(1サイクルの印刷処理の高速性)というメリットを最大限に引き出すために、また、インキ特性の経時変化を最小限に抑えるために、凹版印刷版20の凹部19へのインキの充填,ブランケット21へのインキの取り上げ,透明基板24へのインキの転写を停滞させることなく連続的に行うようにしている。
そのため凹版印刷版20の凹部19以外の領域に残った不要なインキ25は処理枚数の増加に従い徐々に凹版印刷版20上に蓄積されていくことになる。そして、蓄積した色の異なる不要インキが混練りされて混じり合った状態でブランケット21に付着し、このインキがブランケット21から透明基板24上に転写されるようになると、透明基板24上のカラーフィルタ層に汚染が生じ、信頼性が低いカラーフィルタとなってしまう。具体的には、カラーフィルタ層の汚染によって表示シミや残像といった表示上の不具合が生じるという問題点があった。
(問題点3)
凹版印刷版20上の不要インキ25が一連の印刷プロセスを経て透明基板24に転写された際、その不要インキ25が目で見えないような薄膜な場合であっても、透過率は10〜20%ダウンするという問題点があった。
凹版印刷版の凹部にインキを充填する際の充填不良や凹版印刷版上でのインキの残留に関する不都合を改善するための技術としては、これまでのところ、特許文献1,特許文献2,特許文献3に開示されるような技術が知られている。
特許文献1では、インキ充填ブレードとして機能するスキージをスキージ刃とその裏側側に位置するシリコンゴム等の弾性体で一体化して構成することによりスキージと凹版印刷版を加圧接触可能とし、この加圧力でスキージの先端と凹版印刷版との接触面積を増大させることによって、不要なインキが残留することを防いでいる。
しかしながら、この方法では粘度の高いカラーフィルタ用RGBインキ、例えば、CFインキのような高粘度のインキではうまく行かず、凹部以外の領域にインキの残留が依然として発生する。
特許文献2でもほぼ同様な方法を提案しており、低硬度部材と高硬度部材の2種類の部材を密着させた二重構造のブレードを特徴としている。
しかしながら、この方法では低硬度部材を有効に機能させるためにはブレードと凹版印刷版の接触圧力を高い状態で保持させなければならず、それによってブレードの磨耗が進行するため、頻繁にブレードを交換する必要があり、ブレード交換のためのメンテナンス時間が必要となるため短タクトのメリットを十分に引き出すことができていない。
特許文献3では印刷剤への空気の混入による気泡の発生を防ぐことで印刷不良を防止し、往復印刷を可能にしている。
具体的には、2つのスキージに挟まれた空間に印刷剤を充填させて往路印刷を行い、次に往路印刷から復路印刷へのスキージの移動方向の切り替えに際し、スキージの先端部と印刷マスク表面とを接触させた状態でスキージの移動方向を変えることでスキージ先端部と印刷マスク表面との間から周囲の空気が印刷剤に巻き込まれることを防止し、印刷剤への空気混入を防ぐことを特徴としている。
この文献では印刷マスクの凹部以外に残留した印刷剤の除去方法については全く触れていないし、印刷マスク上における印刷剤の残留を防止する格別の手段についても開示されておらず、単に、ブレード状のスキージを2つ併設した点が本願発明の印刷装置の構造に見かけ上で類似しているに過ぎない。
特開平6−126924号公報 特開2003−285416号公報 特開2003−220685号公報
本発明の課題は、前記従来技術の不都合を改善し、高い接触圧力によるブレードの磨耗が起こりにくく、凹版印刷版の凹部以外の部分に付着したインキを的確に除去することのできる印刷装置及びその印刷装置を用いたカラーフィルタ製造方法を提供すること、最終的には、透明基板への不要インキの付着や不要インキの混色および汚染による不良をなくして色純度および透過率の高いカラーフィルタを得て、このカラーフィルタを備えた液晶パネル、ならびに、この液晶パネルを備えた液晶表示装置を提供することにある。
本発明の印刷装置は、カラーフィルタ層を形成するためのインキを凹部に充填された凹版印刷版上でブランケットを転動させて前記凹部内のインキを前記ブランケットの外周面に取り上げ、更に、このブランケットを透明基板上で転動させて該ブランケット上のインキを前記透明基板に転写するようにした印刷装置であり、前記課題を達成するため、特に、
前記凹版印刷版に先端を当接させた状態で該凹版印刷版上を移動することにより該凹版印刷版の端部に載せられたインキをスクイズして凹版印刷版の凹部に充填するインキ充填ブレードと、
前記凹版印刷版に先端を当接させた状態で該凹版印刷版上を移動することにより該凹版印刷版の平坦部に残留したインキを掻き取るインキ掻き取りブレードとを備えたことを特徴とする構成を有する。
凹版印刷版の凹部に対するインキの充填と凹部から食み出した不要インキの掻き取りを各々異なったブレードを使用して独立した工程で行うため、インキ充填ブレードやインキ掻き取りブレードに高い接触圧力を作用させなくても凹版印刷版の凹部へのインキの充填と凹部以外の部分に付着した不要インキの除去とを確実に実行することができる。
また、高い接触圧力を要さないことから、インキ充填ブレードやインキ掻き取りブレードの磨耗が軽減される。
ここで、インキ充填ブレードの移動方向前方における凹版印刷版の面と該インキ充填ブレードの面とが成す角を90°以下とし、かつ、インキ掻き取りブレードの移動方向前方における凹版印刷版の面と該インキ掻き取りブレードの面とが成す角を90°以上となるように構成することが望ましい。
凹版印刷版の端部に載置されたインキをスクイズして凹版印刷版の凹部に充填するためにはインキを凹部に押し込むようにしながらインキ充填ブレードを移動させるのが効果的であるから、凹部へのインキの充填を主目的とするインキ充填ブレードの取り付け角度はインキ充填ブレードの移動方向前方における凹版印刷版の面と該インキ充填ブレードの面との成す角が90°以下となるようにする。
一方、インキ掻き取りブレードは凹版印刷版の表面に残った不要インキの除去を主目的とするものであるから、余分なインキを凹版印刷版から削ぐようにしながら凹版印刷版上を移動するように、インキ掻き取りブレードの取り付け角度はインキ掻き取りブレードの移動方向前方における凹版印刷版の面と該インキ掻き取りブレードの面との成す角が90°以上となるようにする。
また、インキ充填ブレードとインキ掻き取りブレードとは少なくとも其の基部において一体化され、両者が一定の間隔を置いて一体的に同方向に移動することが望ましい。
凹版印刷版上の不要インキを的確に除去するためには、溶媒の揮発によって不要インキの硬化が進行して凹版印刷版の表面からの不要インキの除去に支障が生じる前に、インキ掻き取りブレードを凹版印刷版に沿って移動させることが効果的である。
インキ充填ブレードとインキ掻き取りブレードを独立して移動できる構成とし、インキ充填ブレードを移動させてから上記条件を満たす許容時間の範囲内でタイミングを遅らせてインキ充填ブレードの移動を開始させることも考えられるが、インキ充填ブレードとインキ掻き取りブレードの間に一定の間隔を置いて両者の基部を一体化し、インキ充填ブレードとインキ掻き取りブレードを同時に移動させる構造を適用することで装置の構造が簡略化される。
更に、インキ充填ブレードが有機樹脂によって形成され、インキ掻き取りブレードは金属材料によって形成されているとよい。
インキ充填ブレードの素材としては、凹版印刷版の表面の傷付きを防止する必要上、テフロン(登録商標)やシリコン等のように弾性を有する有機樹脂系の材料が望ましく、また、インキ掻き取りブレードの素材としては、鋭利な先端を形成する場合の加工性の点から、有機樹脂系の材料よりもステンレスやアルミニウム合金等の金属材料の方が有利である。
インキ掻き取りブレードの先端部の硬度はインキ充填ブレードの先端部の硬度に比べて高めにすることが望ましい。
前述した通り、インキ掻き取りブレードの先端部の硬度を高めにするのはブレードの先端で余分なインキを確実に削ぐようにして掻き取るためであり、インキ充填ブレードの先端部の硬度を低めにするのは凹版印刷版の表面の傷付きを防止するためである。
より具体的には、インキ掻き取りブレードの先端部にシャープエッジを形成することが望ましい。
インキ掻き取りブレードの先端部にシャープなエッジを形成することで、当該エッジを楔のように作用させて凹版印刷版上の余分なインキを確実に削ぐことができる。特に、金属材料でインキ掻き取りブレードを形成した場合では、研削等の加工を適用することで非常に鋭利なシャープエッジを形成することが可能である。
インキ掻き取りブレード先端部のシャープエッジは、インキ掻き取りブレードの先端部における移動方向前方側に形成するようにする。
インキ掻き取りブレードの先端部における移動方向前方側にシャープエッジを形成することにより、インキ掻き取りブレードの先端部の形状が片刃状の楔型となり、凹版印刷版上の余分なインキを更に効果的に削ぐことができる。
あるいは、インキ充填ブレードに代え、凹版印刷版に外周を当接させた状態で該凹版印刷版上を移動しつつ該移動方向と反発する方向に回転することにより該凹版印刷版の端部に載せられたインキをスクイズして凹版印刷版の凹部に充填するインキ充填ローラーを備えた構成としてもよい。
この場合、凹版印刷版の凹部に対するインキの充填がインキ充填ローラーによって行われることになるが、凹版印刷版の凹部に対するインキの充填と凹部から食み出した不要インキの掻き取りが独立した工程で行わる点に関しては前記と同様である。
従って、前記と同様、インキ充填ローラーやインキ掻き取りブレードに高い接触圧力を作用させなくても凹版印刷版の凹部へのインキの充填と凹部以外の部分に付着した不要インキの除去とを確実に実行することができ、また、インキ充填ローラーやインキ掻き取りブレードの磨耗も軽減される。
このように、インキ充填ブレードに代えてインキ充填ローラーを採用した場合にいても、インキ掻き取りブレードの移動方向前方における凹版印刷版の面とインキ掻き取りブレードの面とが成す角が90°以上となるように構成することが望ましい。
前述した通り、インキ掻き取りブレードは凹版印刷版の表面に残った不要インキの除去を主目的とするものであるから、余分なインキを凹版印刷版から削ぐようにしながら凹版印刷版上を移動するように、インキ掻き取りブレードの取り付け角度はインキ掻き取りブレードの移動方向前方における凹版印刷版の面と該インキ掻き取りブレードの面との成す角が90°以上となるようにする。
また、インキ充填ローラーとインキ掻き取りブレードとが一定の間隔を置いて一体的に同方向に移動するように構成することが望ましい。
既に述べた通り、凹版印刷版上の不要インキを的確に除去するためには、溶媒の揮発で不要インキの硬化が進行して凹版印刷版の表面からの不要インキの除去に支障が生じる前にインキ掻き取りブレードを凹版印刷版に沿って移動させて不要インキを掻き取ることが効果的であり、インキ充填ローラーとインキ掻き取りブレードの間に一定の間隔を置いて両者を一体的に同方向に移動させる構成を採用することにより、印刷装置の構造を複雑化することなく、この目的を達成できる。
この場合も、インキ掻き取りブレードは金属材料によって形成するとよい。
インキ掻き取りブレードの素材は、鋭利な先端を形成する場合の加工性の点から、ステンレスやアルミニウム合金等の金属材料が有利である。
また、インキ掻き取りブレードの先端部にはシャープエッジを形成することが望ましい。
インキ掻き取りブレードの先端部にシャープなエッジを形成することで、当該エッジを楔のように作用させて凹版印刷版上の余分なインキを確実に削ぐことができる。
更に、インキ掻き取りブレード先端部のシャープエッジは、インキ掻き取りブレードの先端部における移動方向前方側に形成するようにする。
インキ掻き取りブレードの先端部における移動方向前方側にシャープエッジを形成することにより、インキ掻き取りブレードの先端部の形状が片刃状の楔型となり、凹版印刷版上の余分なインキを更に効果的に削ぐことができる。
本発明のカラーフィルタ製造方法は、透明基板上にブラックマトリクスのパターを形成するブラックマトリクス形成工程と、
カラーフィルタ層を形成するためのインキを凹部に充填した凹版印刷版上でブランケットを転動させて前記凹部内のインキを前記ブランケットの外周面に取り上げ、ブラックマトリクスを形成された前記透明基板上でブランケットを転動させて該ブランケット上のインキを前記透明基板に転写するカラーフィルタ層形成工程と、
カラーフィルタ層を形成された前記透明基盤の最表面全面を覆うように透明導電膜を形成する透明導電膜形成工程とを有するカラーフィルタ製造方法であり、
前記課題を達成するため、特に、
前記カラーフィルタ層形成工程において、前述した何れかの印刷装置を使用して前記凹版印刷版の凹部にインキを充填し、かつ、前記凹版印刷版上の凹部以外の部分に付着したインキを除去して、前記透明基板への不要インキの付着を防止することを特徴とした構成を有する。
本発明の印刷装置は、前述のように、インキの充填に必要とされるインキ充填ブレードやインキ充填ローラーとは異なる別のインキ掻き取りブレードを凹版印刷版に当接させ、インキ充填ブレードやインキ充填ローラーとの間に一定の間隔を置くか、もしくは、移動の開始タイミングをインキ充填ブレードやインキ充填ローラーの移動開始タイミングよりも僅かに遅らせて、該インキ掻き取りブレードを凹版印刷版の上面に沿って移動させることによって凹版印刷版上の平坦部に残留したインキを掻き取るようにして凹版印刷版上の凹部以外の部分から余分なインキを効果的に除去する構成であるので、この印刷装置を使用してカラーフィルタ層形成工程を実施することにより、凹版印刷版上の凹部以外の部分に付着したインキが及ぼす悪影響、つまり、不要なインキが透明基板上に転写されることによって生じる色残りや凹版印刷版上の凹部以外の部分に付着したインキが混じり合った状態で透明基板上に転写されることによって生じるカラーフィルタ層の汚染が防止され、カラーフィルタの製造に係る歩留まりが向上する。
ブラックマトリクス形成工程,透明導電膜形成工程に関しては従来公知の方法を利用すればよく、格別の制限事項はない。
本発明のカラーフィルタは、上述のカラーフィルタ製造方法によって製造されたカラーフィルタである。
このようにして製造されたカラーフィルタには、カラーフィルタ層形成工程において不要なインキが透明基板上に転写される不都合が発生しないので、透明基板への不要なインキの転写に起因する色残り等の不良やRGB各色の不要インキの混色によるカラーフィルタ表面の汚染量が低減し、信頼性が向上すると共にカラーフィルタ基板の色純度や透過率も向上する。
本発明の液晶パネルは、このカラーフィルタを備えた液晶パネルである。
カラーフィルタは液晶パネルの一部を構成するものであり、独立した製造工程で製造されるものであるから、液晶パネルの駆動部の構造つまり液晶駆動方式やTFT構造による制限を受けることなく、様々な仕様の液晶パネルに適用することができる。
本発明の液晶表示装置は、上述の液晶パネルを備えた液晶表示装置である。
前記と同様、液晶表示装置の回路構成の制限を受けることなく、様々な仕様の液晶表示装置に、この液晶パネルを適用することができる。
本発明の印刷装置及びその印刷装置を用いたカラーフィルタ製造方法は、凹版印刷版の凹部にインキを充填し、凹部以外の部分から余分なインキを確実に除去してから凹版印刷版上でブランケットを転動させて凹部内のインキをブランケットの外周面に取り上げるようにしているので、不要なインキをブランケットに付着させることなく凹版印刷版上の凹部に充填されたインキのみを的確にブランケットの外周面に取り上げることができる。
このため、透明基板上で転動するブランケットによりインキを転写して製造されるカラーフィルタから不要インキの転写に起因した色残り等の不良や凹版印刷版上におけるRGB各色の不要インキの積層・蓄積に起因した混色の発生が取り除かれ、フィルタ表面の汚染が低く透過率の高いカラーフィルタを得ることができる。
本発明を実施するための最良の形態について幾つかの例を挙げて具体的に説明する。
図1は本発明を適用した一実施形態の印刷装置1の主要部を構成するインキ充填ブレード2とインキ掻き取りブレード3および其の周辺構造の概略について示した断面図、図2は同実施形態の印刷装置1を用いて行われるカラーフィルタの製造方法を示す工程図であり、図2(a)は凹版印刷版4の断面図,図2(b)はインキ5が供給された凹版印刷版4の断面図,図2(c)はインキの充填及び掻き取りがなされた凹版印刷版4の断面図,図2(d)は凹版印刷版4からブランケット6へのインキの取り上げが行なわれた後の断面図,図2(e)は透明基板7へのインキの転写が行なわれた後の断面図である。
また、図3は同実施形態の印刷装置1を利用して製造されたカラーフィルタ8の断面図であり、図4はインキ掻き取りブレード2の先端形状を現す断面図である。
次に、カラーフィルタ8の構成及び製造方法について全体の工程を通して簡単に説明する。
この実施形態においては、まず、ブラックマトリクス(BM)をフォトリソグラフィー法により形成し(ブラックマトリクス形成工程)、次に、RGBからなるカラーフィルタ層を本発明による凹版オフセット印刷法により形成し(カラーフィルタ層形成工程)、その後、オーバーコート(OC)層をスピン塗布法により形成してから、最後にITO(Indium Tin Oxide)膜をスパッタ法により形成する(透明導電膜形成工程)。
本発明はRGBからなるカラーフィルタ層の形成方法である凹版オフセット印刷法に関して特徴を有するものであるから、その前後の工程であるブラックマトリクスの生成とオーバーコート層およびITO膜の形成については簡単に説明するにとどめる。
最初に、ブラックマトリクスの形成方法(ブラックマトリクス形成工程)について説明する。
まず、図3に例示するように、板厚0.7mmの無アルカリガラスなどの透明絶縁性材料からなる透明基板7上にブラックマトリクス9を所望の形状になるようにパターニングする。このブラックマトリクス9は光漏れの防止及びTFT(Thin Film Transistor)半導体層の遮光の観点から必要となる。ブラックマトリクス9は遮光性のある顔料を分散させたネガ型感光性アクリルレジスト(例えばJSR(株)製オプトマーCRシリーズ)やカーボン系レジスト材料などを透明基板7上に塗布し、所望の形状になるように露光・現像することで形成する。このとき、塗布された膜の厚みが約1〜3μmとなるように形成する。
ブラックマトリクス9に要求される特性としては、光学濃度(OD値;Optical Density)が3以上であり、かつ膜厚は薄いものが望ましい。
次いでクリーンオーブンにより230℃で60分の焼成を行ってブラックマトリクス9を熱硬化させる。この実施形態では有機樹脂をベースとしたいわゆる樹脂ブラックマトリクスを使用しているが、これに限定されるものではなく、クロムや2層クロムなどの無機膜からなるブラックマトリクス9であっても何ら問題は無い。
次に、RGBカラーフィルタ層を形成する方法(カラーフィルタ層形成工程)について詳細に説明する。
まず、凹版印刷版4としてはソーダライムガラス,無アルカリガラス,石英などが考えられるが、この実施形態ではインキ充填ブレード2及びインキ掻き取りブレード3を用いたインキ充填の際の作業性やコスト面からソーダライムガラスを用いている。
凹版印刷版4にはRGB(Red、Green、Blue)カラーフィルタのパターン配列に対応した凹部10が図2(a)に示されるようにして形成されている。
特に、RGBカラーフィルタがストライプパターンの場合には凹版印刷版4にはRパターンに対応する部分にのみ凹部10を形成するようにする。Gパターン及びBパターンを印刷形成する際には、凹版印刷版4をワンピッチ分ずらして印刷形成することにより一つの凹版印刷版4でRGBの3色のカラーフィルタパターンに対応することができる。
凹版印刷版4の凹部形成方法としては、表面にエッチングレジストを塗布し、露光,現像,エッチング処理を行うことで所望の印刷パターンに対応した箇所に凹部10を形成する。ここで、凹部10の深さはRGBカラーフィルタ膜厚に相当するインキの厚みと凹部10に残存するインキの量を考慮して決める。この例では、凹部10の深さを約8.0μmとし、また、凹部10の開口部の幅は、RGBパターンのストライプ幅に合わせて、約90〜110μmになるようにエッチングを制御している。
次に、図2(b)に示されるようにして凹版印刷版4の端部にディスペンス法などを用いてRインキ5を乗せ、インキ充填ブレード2の先端を凹版印刷版4に押し当てた状態で図2(c)に示されるようにしてインキ充填ブレード2を凹版印刷版4上で他端側に向けて移動させることにより凹部10にRインキ7を充填させる。
インキ充填ブレード2としてはテフロンやシリコンなどの有機樹脂製のものを使用しているが、凹部10へのインキの充填性がよく、凹版印刷版表面に傷をつけないものであればその他の材質であっても構わない。
また、インキ充填ブレード2の移動方向前方における凹版印刷版4の面と該インキ充填ブレード2の面とのなす角度を90度以下の鋭角にすることでRインキ5が凹部10へ充填されやすくしている(以上、カラーフィルタ層形成工程におけるインキ充填工程)。
そして、インキ充填ブレード2を移動させた直後に更にインキ掻き取りブレード3を凹版印刷版4に押し当てて凹版印刷版4上を移動させてスクイズすることで、凹部10以外の領域の表面に残ったRインキ5を除去する。
インキ掻き取りブレード3としてはSUSやALなどの金属材料系のものを使用しているが、表面に残った残存インキ11が除去されやすく、凹版印刷版4の表面にキズがつきにくいものであればその他の材質であっても構わない。またインキ掻き取りブレード3の移動方向前方における凹版印刷版4の面と該インキ掻き取りブレード3の面とのなす角度を90度以上の鈍角にすることで表面残存インキ11を除去しやすくしている。Rインキ5には熱硬化型の着色インキを使用している。例えば、赤色有機顔料をポリエステル系樹脂バインダー及びPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)溶剤に分散させて粘度がおおよそ600〜800mPasになるように調整した熱硬化型インキを使用する(以上、カラーフィルタ層形成工程におけるインキ掻き取り工程)。
次に、Rインキ5が充填された凹版印刷版4に図2(d)に示されるようにしてブランケット6を押し当て、凹版印刷版4が載るステージ12を移動させながらブランケット6を転動させ、凹部10に充填されているRインキ5をブランケット6上に取り上げる。
ここで、凹版印刷版4とブランケット6の押し当て量つまりニップ幅は10mm、また、Rインキ5の取り上げ速度は20mm/secである。ブランケット6はステージ12とラック&ピニオン等の機構でかみ合っているため、Rインキ5の取り上げ速度とブランケット6の回転速度(周速)は等しいことになる。ブランケット6としてはシリコンゴムや二トリルゴム等の既に公知のものが使用できるが、RGBインキの溶剤として使用されているPGMEA溶剤に対する耐性、凹版印刷版4,インキ5,ブランケット6,透明基板7相互間の接着性の最適化を考慮すると少なくとも表面がシリコンゴムからなるブランケット6を使用することが望ましい(以上、カラーフィルタ層形成工程におけるインキ取り上げ工程)。
接着性の最適順序としては、インキ5をブランケット6から引き剥がして透明基板7に確実に転写する必要性とインキ5を凹版印刷版4から引き剥がしてブランケット6に確実に取り上げる必要性を満たすため、強い方から、インキ5と透明基板7の接着性>ブランケット6とインキ5の接着性>凹版印刷版4とインキ5の接着性といった順序となる。
次に、透明基板7にブランケット6を押し当て、透明基板7が載るステージ12を移動させながらブランケット6を転動させることで、図2(e)に示されるようにして、ブランケット6上に取り上げられているRインキ5を透明基板7上に転写する。このときのブランケット6と透明基板7との押し当て量つまりニップ幅は10mm、Rインキ5の転写速度は80mm/sec、ブランケット6の回転速度(周速)はRインキ5の取り上げの場合と同様にRインキ5の転写速度に等しい(以上、カラーフィルタ層形成工程におけるインキ転写工程)。
以上に述べたようにカラーフィルタ層形成工程におけるインキ充填工程,インキ掻き取り工程,インキ取り上げ工程及びインキ転写工程を経ることで図3に示されるRパターン13の形成が完了する。
Gパターン14とBパターン15はピッチをずらせて前記と同様にインキ充填工程からインキ転写工程までを繰り返すことで形成できる。
その後、RGBパターンが形成された透明基板7をクリーンオーブンにより230℃で60分の焼成を行い、RGBパターンを熱硬化させる。各RGBパターンは順次隣接して形成すれば良く、形成順序は特に限定されない(以上、カラーフィルタ層形成工程におけるカラーフィルタ層焼成工程)。
また、RGBパターンの平坦性が悪い場合には必要に応じてアクリル樹脂などからなる熱硬化性有機膜オーバーコート16を塗布形成し平坦性を向上させる。このときのオーバーコート16の膜厚は1.0μm〜2.0μmの範囲で使用する。
最後に、透明基板7の最表面全面を覆うように対向電極17となる透明導電膜たとえばITO膜をスパッタ法で成膜する。パターニングが必要な場合はフォトリソ法により対処した。膜厚としては150nm程度とした(以上、透明導電膜形成工程)。
このようにして製造されたカラーフィルタ8はカラー液晶パネルの一部を構成するものであり、液晶パネルの駆動部の構造つまり液晶駆動方式やTFT構造等によって製造上の制限を受けるものではないから、様々な仕様の液晶パネルに適用することができる。
また、最終的な製品となる液晶表示装置についてもこれと同様であり、液晶表示装置の回路構成の制限はなく、様々な仕様の液晶表示装置に、この液晶パネルを適用することができる。
ここで、本実施形態で使用した図1の印刷装置1の特徴について述べる。
まず、インキ充填ブレード2を移動させてからインキ掻き取りブレード3を移動させるまでの待機時間を短縮させる為、図4に示されるように、インキ充填ブレード2とインキ掻き取りブレード3を其の基部において一体化させ、両者が一定の間隔を置いて一体的に同方向に移動するようにしている。
つまり、凹版印刷版4上の不要インキを除去するには、凹部10へのインキの充填後、溶媒の揮発によるインキの硬化によって不要インキの除去に支障が生じる前にインキ掻き取りブレード3を移動させる方がより効果的に除去できるため、インキ充填ブレード2とインキ掻き取りブレード3を一体化し、一定の間隔をおいて移動させることにより、不要インキが過剰に硬化する前に当該不要インキを除去できるようにしている。
なお、インキ充填ブレード2とインキ掻き取りブレード3が独立的に移動できる構成とし、インキ掻き取りブレード3の移動の開始タイミングをインキ充填ブレード2の移動開始タイミングよりも僅かに遅らせてインキ掻き取りブレード3を凹版印刷版4の上面に沿って移動させることで凹版印刷版4上の平坦部つまり凹部10を除いた部分に残留したインキを掻き取る構成とすることも技術的には可能であるが、構造の簡略化の点から、図4のように両者を一体化して移動させる方が望ましい。
また、インキ充填ブレード2の材質と比べてインキ掻き取りブレード3の材質を硬くし、さらに図4に示すようにインキ掻き取りブレード3の先端部18を尖った形状のシャープエッジとしている。このシャープエッジは、インキ掻き取りブレード3の先端部における移動方向前方側に形成されたシャープエッジであり、インキ掻き取りブレード3の先端面3aとインキ掻き取りブレード3の移動方向前方側の面3bとによって形成される片刃状の楔型となっているから、凹版印刷版4上の余分なインキを効果的に削ぐことができる。
また、凹版印刷版4の凹部10にインキ5を充填させる際にインキ充填ブレード2の移動方向前方における凹版印刷版4の面と該インキ充填ブレード2の面との成す角が90°以下となる一方、凹版印刷版4の凹部10以外の表面に残ったインキを除去する際にインキ掻き取りブレード3の移動方向前方における凹版印刷版4の面と該インキ掻き取りブレード3の面との成す角が90°以上となるように、核ブレード2,3の姿勢が保持されるようにして両者の基部を一体的に固定している。
つまり、インキ充填ブレード2は凹版印刷版4の凹部10へのインキ5の充填を主目的とするため、より効率的にインキ5を充填させるためには、凹版印刷版4の上面に先端部を押し付けながら移動方向のインキ充填ブレード2の移動方向前方における凹版印刷版4の面に対して90°以下の角度で移動させ、インキ5を上から下に向けて押し込むようなかたちで凹部10へインキ5を充填する必要がある。この際に凹版印刷版4の表面を傷つけないためにテフロンやシリコンなどのある程度の弾性力を有する有機樹脂系を用いている。
一方、インキ掻き取りブレード3は凹版印刷版4の表面に残った不要インキの除去を主目的とするため、より効率的に不要インキを除去させるためには、インキ掻き取りブレード3の移動方向前方における凹版印刷版4の面に対して90°以上の角度で当接させて不要インキを削ぐようにして移動させることが望ましく、先端部18を図4に示すような尖った形状とする必要がある。先端部18を鋭利に形成するためには、極薄部分つまり此の場合ではエッジの先端部分への樹脂の充填が難しくショートショットや樹脂焼け等の問題を生じやすい射出成形作業を要する有機樹脂系の素材よりも、SUSやALなどのように研削等の機械加工で十分に鋭利なエッジを形成できる金属材料系の素材を用いた方が加工性の面から有利である。ただし、凹版印刷版4の表面を傷つけずに不要インキを除去できるものであれば金属材料系に限定されるものでなく、少なくとも材料硬度で表した場合、インキ充填ブレード2よりもインキ掻き取りブレード3の硬度が高い材質であれば効率的に除去できる。
凹版印刷版4の凹部10に対するインキの充填と凹部10から食み出した不要インキの掻き取りが各々異なったブレードで行われるため、高い接触圧力を要さずにインキの充填と掻き取りを行うことができ、インキ充填ブレード2およびインキ掻き取りブレード3共に磨耗が生じにくい。
次に、このようにして製造されたカラーフィルタ8の特徴について述べる。
前述した通り、凹版印刷版4の凹部10以外の領域に不要なインキが残存しなくなるので、ブランケット6に不要なインキが付着することもなくなり、透明基板7に不要なインキが転写される弊害が解消され、この結果として、製品であるカラーフィルタ基板8に色残り等の初期不良が発生する確率も著しく減少する。
また、凹版印刷版4の凹部10以外の領域に不要なインキが残存しなくなるので、RGB各色の繰り返し印刷により不要なインキが凹版印刷版4上で混練りされて混じり合った状態でブランケット21に付着することがなくなり、結果的に、複数種の色のインキが混じり合った状態で透明基板24上に転写されるといった不都合が防止される。このため、透明基板24上のカラーフィルタ層に不用意な汚染が生じることがなく、カラーフィルタ層の汚染による表示シミや残像といった表示上の不具合が解消され、カラーフィルタ表面の汚染量が低減しカラーフィルタとしての信頼性が向上する。
このように凹版印刷版4の凹部10以外の領域の不要なインキが確実に除去されるため、凹版印刷版4上においてもブランケット6上においてもRGB3色の不要なインキが積層・蓄積されることがなくなり、色の混色発生が抑えられてカラーフィルタ基板8の透過率が向上する。
つまり、凹版印刷版4の凹部10にインキ充填ブレード2を用いてインキ5を充填させた直後にインキ掻き取りブレード3で凹部10以外の表面部に残存する不要なインキを除去するようにしているので、インキは凹版印刷版4の凹部10のみに選択的に充填されることになり、これにより、凹版印刷版4からブランケット6に取り上げられる不要なインキもなくなり、さらには、ブランケット6から透明基板7への不要インキの転写も確実に防止されるということである。
図6に示されるような従来技術を適用した場合、凹版印刷版4の凹部10以外の表面部に不要なインキが残ってしまうので、ブランケット6を介して透明基板7に不要インキが転写されてしまう。この種の従来技術を適用した場合、XYZ表色系の透過率Yを指標として比較した場合、Rインキ単体のY値(Y値の説明を色純度を加味しながら説明する。)が21.0(膜厚1.2μm)であるのに対して、ガラス基板転写後のRインキ部のY値は17.8(膜厚1.2μm)とおよそ15%低下する。ガラス基板に転写されたRインキについて分光スペクトル及び色度特性を測定した結果、他の色インキが混入することで色純度の低下を招いていることが判明した。つまり、透過率Yの低下が色インキの混色に起因していることは明らかであり、他の不要な色インキを除去することにより各色の色インキ本来の色特性を再現できることは間違いない。従って、本実施形態のようにして不要なインキの積層・蓄積や混色を回避して原因を取り除くことによって純度および透過率の高いカラーフィルタ8を製造できることは明らかである。
次に、図5を参照して他の実施形態について簡単に説明する。
図5に示した印刷装置26は、前述したインキ充填ブレード2に代え、凹版印刷版4に外周を当接させた状態で凹版印刷版4上を移動しつつ該移動方向と反発する方向に回転することによって凹版印刷版4の端部に載せられたインキを凹版印刷版4の凹部10に充填するインキ充填ローラー27を備えた印刷装置である。
この実施形態では、凹版印刷版4の左端部に載置されたインキ5の載置位置よりも更に左寄りの位置でインキ充填ローラー27が凹版印刷版4に当接し、このインキ充填ローラー27が凹版印刷版4の上面に沿って凹版印刷版4の右端部に向けて移動しながら其の移動方向と反発する方向つまり図5中で反時計方向に回転することによって凹版印刷版4の凹部10にインキを充填するようになっているが、インキ掻き取りブレード3を始めとする他の部分の構造および作用・効果に関しては、前述した図1の実施形態の場合と同様である。
インキ充填ローラー27の材質としては本目的を実現できかつ凹版印刷版4の表面を傷つけないものであれば有機樹脂系あるいは金属系いずれでも良い。
本発明を適用した一実施形態の印刷装置の主要部を構成するインキ充填ブレードとインキ掻き取りブレードおよび其の周辺構造の概略について示した断面図である。 同実施形態におけるカラーフィルタ基板の製造方法を示す工程図であり、図2(a)は凹版印刷版の断面図、図2(b)はインキが供給された凹版印刷版の断面図、図2(c)はインキの充填及び掻き取りがなされた凹版印刷版の断面図、図2(d)は凹版印刷版からブランケットへのインキの取り上げが行なわれた後の断面図、図2(e)は透明基板7へのインキの転写が行なわれた後の断面図である。 同実施形態の印刷装置を利用して製造された印刷カラーフィルタ基板の断面図である。 同実施形態のインキ掻き取りブレードの先端形状を現す断面図である。 凹版印刷版に外周を当接させた状態で凹版印刷版上を移動しつつ其の移動方向と反発する方向に回転することでインキを凹部に充填するインキ充填ローラーを備えた印刷装置の構成について簡略化して示した図である。 凹版印刷法を適用した従来型のカラーフィルタ製造方法について簡略化して示した工程図であり、図6(a)は凹版印刷版の載置状態を示した図、図6(b)は凹版印刷版にインキを載置する工程を示した図、図6(c)は凹版印刷版の凹部にインキを充填する工程を示した図、図6(d)はインキを凹版印刷版からブランケットに取り上げる工程を示した図、図6(e)はブランケットから透明基板上にインキを転写する工程を示した図である。
符号の説明
1 印刷装置
2 インキ充填ブレード
3 インキ掻き取りブレード
3a 凹版印刷版の上面と平行を成すインキ掻き取りブレードの先端面
3b インキ掻き取りブレードの移動方向前方側の面
4 凹版印刷版
5 インキ
6 ブランケット
7 透明基板
8 カラーフィルタ基板
9 ブラックマトリクス
10 凹部
11 残存インキ
12 ステージ
13 Rパターン(レッドパターン)
14 Gパターン(グリーンパターン)
15 Bパターン(ブルーパターン)
16 熱硬化性有機膜オーバーコート
17 対向電極
18 インキ掻き取りブレードの先端部
19 凹部
20 凹版印刷版
21 ブランケット
22 インキ
23 インキ充填ブレード
24 透明基板
25 インキ残り
26 印刷装置
27 インキ充填ローラー

Claims (17)

  1. カラーフィルタ層を形成するためのインキを凹部に充填された凹版印刷版上でブランケットを転動させて前記凹部内のインキを前記ブランケットの外周面に取り上げ、更に、このブランケットを透明基板上で転動させて該ブランケット上のインキを前記透明基板に転写するようにした印刷装置であって、
    前記凹版印刷版に先端を当接させた状態で該凹版印刷版上を移動することにより該凹版印刷版の端部に載せられたインキをスクイズして凹版印刷版の凹部に充填するインキ充填ブレードと、
    前記凹版印刷版に先端を当接させた状態で該凹版印刷版上を移動することにより該凹版印刷版の平坦部に残留したインキを掻き取るインキ掻き取りブレードとを備えたことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記インキ充填ブレードの移動方向前方における凹版印刷版の面と該インキ充填ブレードの面とが成す角が90°以下、かつ、前記インキ掻き取りブレードの移動方向前方における凹版印刷版の面と該インキ掻き取りブレードの面とが成す角が90°以上となるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記インキ充填ブレードと前記インキ掻き取りブレードとが少なくとも其の基部において一体化され、両者が一定の間隔を置いて一体的に同方向に移動することを特徴とする請求項1または請求項2記載の印刷装置。
  4. 前記インキ充填ブレードが有機樹脂によって形成され、前記インキ掻き取りブレードが金属材料によって形成されていることを特徴とする請求項1,請求項2または請求項3記載の印刷装置。
  5. 前記インキ掻き取りブレードの少なくとも先端部の硬度が前記インキ充填ブレードの先端部の硬度に比べて高く形成されていることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3または請求項4記載の印刷装置。
  6. 前記インキ掻き取りブレードの先端部にシャープエッジが形成されていることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3,請求項4または請求項5記載の印刷装置。
  7. 前記シャープエッジが、前記インキ掻き取りブレードの先端部における移動方向前方側に形成されていることを特徴とする請求項6記載の印刷装置。
  8. 前記インキ充填ブレードに代えて、前記凹版印刷版に外周を当接させた状態で該凹版印刷版上を移動しつつ該移動方向と反発する方向に回転することにより該凹版印刷版の端部に載せられたインキをスクイズして凹版印刷版の凹部に充填するインキ充填ローラーを備えたことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  9. 前記インキ掻き取りブレードの移動方向前方における凹版印刷版の面と該インキ掻き取りブレードの面とが成す角が90°以上となるように構成されていることを特徴とする請求項8記載の印刷装置。
  10. 前記インキ充填ローラーと前記インキ掻き取りブレードとが一定の間隔を置いて一体的に同方向に移動することを特徴とする請求項8または請求項9記載の印刷装置。
  11. 前記インキ掻き取りブレードが金属材料によって形成されていることを特徴とする請求項8,請求項9または請求項10記載の印刷装置。
  12. 前記インキ掻き取りブレードの先端部にシャープエッジが形成されていることを特徴とする請求項8,請求項9,請求項10または請求項11記載の印刷装置。
  13. 前記シャープエッジが、前記インキ掻き取りブレードの先端部における移動方向前方側に形成されていることを特徴とする請求項12記載の印刷装置。
  14. 透明基板上にブラックマトリクスのパターを形成するブラックマトリクス形成工程と、
    カラーフィルタ層を形成するためのインキを凹部に充填した凹版印刷版上でブランケットを転動させて前記凹部内のインキを前記ブランケットの外周面に取り上げ、ブラックマトリクスを形成された前記透明基板上でブランケットを転動させて該ブランケット上のインキを前記透明基板に転写するカラーフィルタ層形成工程と、
    カラーフィルタ層を形成された前記透明基盤の最表面全面を覆うように透明導電膜を形成する透明導電膜形成工程とを有するカラーフィルタ製造方法であって、
    前記カラーフィルタ層形成工程において、請求項1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5,請求項6,請求項7,請求項8,請求項9,請求項10,請求項11,請求項12,請求項13の何れか一項に記載の印刷装置を使用して前記凹版印刷版の凹部にインキを充填し、かつ、前記凹版印刷版上の凹部以外の部分に付着したインキを除去して、前記透明基板への不要インキの付着を防止することを特徴としたカラーフィルタ製造方法。
  15. 請求項14記載のカラーフィルタ製造方法によって製造されたカラーフィルタ。
  16. 請求項15記載のカラーフィルタを備えた液晶パネル。
  17. 請求項16記載の液晶パネルを備えた液晶表示装置。
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