JP2008064408A - カートリッジ爆薬及び爆薬の装填方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、流動性爆薬を用いたトンネル発破において、流動性爆薬を孔底まで容易かつ確実に密装填できるカートリッジ爆薬を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るカートリッジ爆薬の代表的な構成は、流動性爆薬とともに発破孔20に装填して起爆する親ダイ10であって、前記カートリッジ爆薬の径は、発破孔20の径の44%以下で、かつ前記カートリッジ爆薬の径は、発破孔20の径の200%以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係るカートリッジ爆薬の代表的な構成は、流動性爆薬とともに発破孔20に装填して起爆する親ダイ10であって、前記カートリッジ爆薬の径は、発破孔20の径の44%以下で、かつ前記カートリッジ爆薬の径は、発破孔20の径の200%以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、発破孔に装填された流動性爆薬を起爆する際のカートリッジ爆薬及び爆薬の装填方法に関するものである。
従来、硝安油剤爆薬(以下ANFOという)やバルクエマルション爆薬やスラリー爆薬などの流動性がある流動性爆薬を発破孔に装填して起爆する為に、予め発破孔の孔底に、爆薬を紙やプラスチックフィルムなどで包装したカートリッジ爆薬を装填しておいて、これを親ダイとして起爆させている。
親ダイの代表例として、薬包(カートリッジ爆薬)に電気雷管を取り付けたものが非特許文献1に記載されている。
近年、例えば特許文献1に記載されているスラリー爆薬や非特許文献2に記載されているバルクエマルション爆薬など、装填機およびそれに装着されたホースあるいはパイプ(以下、装填パイプという)を介して流動性爆薬を発破孔に直接装填する方法がトンネル発破に使用されている。
ここで言うトンネル発破とは鉄道、自動車道、人道、水、電気、ガス、通信を目的としたもの、水力地下発電所、石油地下備蓄基地、LPガス地下備蓄基地、地下空洞ダムなどの地下や山復に建設された空間、更に、炭坑や鉱山などの坑内を掘削する発破も含む。
流動性爆薬を用いたトンネル発破においては、発破孔の一番奥である孔底に親ダイを装填し、それに密着するように流動性爆薬を装填していく。具体的には、まず、親ダイを装填パイプで孔底まで押し込むか、流動性爆薬の排出で押し出されるように装填パイプ先端内部に排出口から親ダイを挿入しておき、装填パイプを孔底まで挿入する。その後、装填パイプ先端より流動性爆薬を排出しながら装填パイプを引き抜いて流動性爆薬を装填する。
流動性爆薬のメリットは、発破孔に隙間無く密に爆薬を装填する事ができるため、爆薬の爆発エネルギーを岩盤に直接伝えられ、岩盤の起砕が良くなるのである。発破にカートリッジ爆薬のみを用いた場合は、発破孔とカートリッジ爆薬の間に隙間ができるため、爆薬の爆発エネルギーを岩盤に直接伝えられず、流動性爆薬を用いた場合に比べ、岩盤の起砕が良くない。
労働省安全衛生部安全課編、「発破技士テキスト」、第10版、中央労働災害防止協会、平成2年3月5日、p.61
特開2003−146789号公報
田口琢也他、「バルク装填エマルション爆薬」、社団法人火薬学会1999年度年会講演要旨集、社団法人火薬学会、1999年5月13日、通巻第50号、p.165−166
しかしながら、流動性爆薬を用いた発破においても、親ダイを装填した後に流動性爆薬を装填していく場合、親ダイと発破孔の内壁の隙間が小さいため流動性爆薬が親ダイの周囲に回り込む事ができず、親ダイ周囲に隙間ができるため孔底周囲の起砕が悪くなるという問題があった。トンネル発破では、現在は削孔に用いるビットの径は43mm、45mm、50mmなどで、実際の発破孔の径はそれらよりも約5mm大きくなる。一般的に用いられるカートリッジ爆薬の径は、25mm、30mmなどで、長さは100mm以上である。
本発明は、流動性爆薬を用いたトンネル発破において、流動性爆薬を孔底まで容易かつ確実に密装填できるカートリッジ爆薬及び爆薬の装填方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係るカートリッジ爆薬の代表的な構成は、流動性爆薬とともに発破孔に装填して起爆するカートリッジ爆薬であって、前記カートリッジ爆薬の径は、前記発破孔の径の44%以下で、かつ前記カートリッジ爆薬の長さは、前記発破孔の径の200%以下であることを特徴とする。
本発明に係る爆薬の装填方法の代表的な構成は、前記親ダイを発破孔の孔底に装填すると共に、前記発破孔に装填パイプを装入し、続いて該装填パイプを引きながら、前記親ダイと前記発破孔の間に流動性爆薬を装填することを特徴とする。
本発明のカートリッジ爆薬及び爆薬の装填方法を用いることにより、流動性爆薬を孔底まで容易かつ確実に密装填することができる。
本発明に係る爆薬の装填方法の実施形態について、図を用いて説明する。図1は本実施形態に係る親ダイ10の構成図である。図1に示すように、親ダイ10は、カートリッジ爆薬1、雷管3を有している。カートリッジ爆薬1は、雷管3を挿入し、紙や樹脂フィルムなどの包装材2で包装されている。
図2は親ダイ10を発破孔20に装填する図である。図2に示すように、親ダイ10を装填パイプ30内に挿入し、発破孔20の孔底に装填パイプ30を挿入し、装填機(不図示)のポンプを始動させて装填パイプ30を引きながら、親ダイ10と発破孔20の間に流動性爆薬を装填する。なお、親ダイ10の装填はこの方法に限定されるものではなく、親ダイ10を装填パイプ30先端で押しながら装填してもよい。
カートリッジ爆薬1には、雷管3で起爆できるものが使用可能であり、例えば膠質ダイナマイト、含水爆薬、ペントライト、高性能爆薬(ペンスリット、TNT、RDX、HMXなど)とワックスやプラスチックなどと混合した爆薬を用いることができる。確実に流動性爆薬を起爆することができ、安全性の点も考慮すれば、含水爆薬を使用する事が好ましい。特に流動性爆薬への起爆力が大きいという点ではペントライトやシート爆薬の使用が好ましい。いずれのカートリッジ爆薬1も包装材2で包装することができる。
カートリッジ爆薬1の寸法としては、カートリッジ爆薬1の径D10は、使用する雷管3の径D3より大きく、発破孔20の径D20の44%以下、好ましくは使用する雷管3の径D3より大きく、発破孔20の径D20の36%以下が良い。
また、カートリッジ爆薬1の長さL1は、使用する雷管3の長さL3より長く、発破孔20の径D20の200%以下、好ましくは使用する雷管3の長さL3より長く、発破孔20の径D20の160%以下が良い。
このような寸法であれば、カートリッジ爆薬1に雷管3を挿入して固定する事ができ、流動性爆薬を装填する際に、親ダイ10の周囲の隙間に流動性爆薬が回り込んで、発破孔20の孔底まで容易かつ確実に密装填することが可能で、孔底周囲の岩盤の起砕が良い。
装填パイプ30の内径D30は一般的に20mmから35mmであり、親ダイ10を装填パイプ30内に挿入して発破孔20に押し込む場合は、カートリッジ爆薬1の外径D10は装填パイプ30の内径D30に比べて小さいことが望ましい。
雷管3には、電気式雷管、非電気式雷管などがあり、いずれの雷管3を用いてもよい。雷管3の寸法と形状は、例えば径D3は6mmから10mm、長さL3は40mmから100mmの円筒状のものを使用する事ができる。
次にカートリッジ爆薬1の実施例、比較例について説明する。
[実施例1〜4]
旭化成ケミカルズ株式会社製6号瞬発電気雷管3をそれぞれ挿入した、径D10が18mmで長さL10が80mm(実施例1)と、径D10が18mmで長さL10が100mm(実施例2)と、径D10が22mmで長さL10が80mm(実施例3)と、径D10が22mmで長さL10が100mm(実施例4)との4種類の親ダイ10を用意する。
旭化成ケミカルズ株式会社製6号瞬発電気雷管3をそれぞれ挿入した、径D10が18mmで長さL10が80mm(実施例1)と、径D10が18mmで長さL10が100mm(実施例2)と、径D10が22mmで長さL10が80mm(実施例3)と、径D10が22mmで長さL10が100mm(実施例4)との4種類の親ダイ10を用意する。
そして、親ダイ10の装填には、内径22mm、外径26mm、長さ2mのポリカーボネート製の装填パイプ30を使用し、流動性爆薬にはスラリー爆薬を使用し、装填機には10kg/分の装填能力のあるものを使用した。発破孔には、一端が閉塞された内径50mmの透明アクリルパイプを使用した模擬の発破孔20を代用した。
第一の装填方法としては、作製したそれぞれの親ダイ10を装填パイプ30内に手で挿入し、模擬の発破孔20の底に装填パイプ30を挿入、装填機のポンプを始動させて装填パイプ30を引きながら、親ダイ10を排出させ、続いて流動性爆薬を装填する。
第二の装填方法としては、模擬の発破孔20の底に、作製したそれぞれの親ダイ10を装填パイプ30先端で押しながら装填し、続いて流動性爆薬を装填する。なお、径D10が22mm以上の実施例3、4では、第二の装填方法のみを行った。
装填が完了した後、親ダイ10の周囲を観察した結果、表1に示すように、いずれの場合も、隙間無く流動性爆薬が装填されている事を確認した。
[比較例1〜5]
比較例1では、径D10が25mmで長さL10が80mmの親ダイ10を使用した。比較例2では、径D10が25mmで長さL10が100mmの親ダイ10を使用した。比較例3では、径D10が18mmで長さL10が140mmの親ダイ10を使用した。比較例4では、径D10が22mmで長さL10が140mmの親ダイ10を使用した。
比較例1では、径D10が25mmで長さL10が80mmの親ダイ10を使用した。比較例2では、径D10が25mmで長さL10が100mmの親ダイ10を使用した。比較例3では、径D10が18mmで長さL10が140mmの親ダイ10を使用した。比較例4では、径D10が22mmで長さL10が140mmの親ダイ10を使用した。
その他の模擬の発破孔20、装填パイプ30、流動性爆薬にはスラリー爆薬、装填機、装填方法は、比較例1〜4と同様のもの、方法を用いた。なお、径D10が22mm以上の比較例1、2、4では、第二の装填方法のみを行った。
装填が完了した後、親ダイ10の周囲を観察した結果、表1に示すように、いずれの場合も隙間が存在し、流動性爆薬が密に装填されていない事を確認した。
本発明のカートリッジ爆薬は、流動性爆薬を用いたトンネル発破において、流動性爆薬を孔底まで容易かつ確実に密装填でき、孔底周囲の岩盤の起砕を向上させることに好適に利用できる。
D …径
L …長さ
1 …カートリッジ爆薬
2 …包装材
3 …雷管
10 …親ダイ
20 …発破孔
30 …装填パイプ
L …長さ
1 …カートリッジ爆薬
2 …包装材
3 …雷管
10 …親ダイ
20 …発破孔
30 …装填パイプ
Claims (3)
- 流動性爆薬とともに発破孔に装填して起爆するカートリッジ爆薬であって、前記カートリッジ爆薬の径は、前記発破孔の径の44%以下で、かつ前記カートリッジ爆薬の長さは、発破孔の径の200%以下であることを特徴とするカートリッジ爆薬。
- 請求項1記載のカートリッジ爆薬に雷管を挿入してなることを特徴とする親ダイ。
- 請求項2に記載の親ダイを発破孔の孔底に装填すると共に、前記発破孔に装填パイプを装入し、続いて該装填パイプを引きながら、前記親ダイと前記発破孔の間に流動性爆薬を装填することを特徴とする爆薬の装填方法。
Priority Applications (1)
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JP2006244790A JP2008064408A (ja) | 2006-09-08 | 2006-09-08 | カートリッジ爆薬及び爆薬の装填方法 |
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JP2006244790A Withdrawn JP2008064408A (ja) | 2006-09-08 | 2006-09-08 | カートリッジ爆薬及び爆薬の装填方法 |
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2006
- 2006-09-08 JP JP2006244790A patent/JP2008064408A/ja not_active Withdrawn
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