JP2008060339A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 APC駆動と素子の信頼性および周波数特性との両立を図り、最適な駆動電流で所望の光出力を得ることができる半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】 半導体レーザ装置10は、VCSEL110を搭載するステム100と、ステム100に取り付けられるキャップ120とを含み、キャップ120は、VCSEL110から発せられるレーザ光を透過する透過窓132に光透過率が変化する調光ガラス150を含むものである。調光ガラス150は、リード端子142および146に与えられた電圧に応じて光透過率を変化させる。好ましくは、印加電圧は、APC駆動回路の動作に応答する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光情報処理あるいは高速光通信の光源として利用される半導体レーザ装置に関し、特に、レーザ光を出射する透過窓の光透過率を変化させる技術に関する。
半導体レーザを通信分野等の光源に用いる場合、通信エラー等を抑制するためには一定以上の光出力が必要であり、その反面、アイセーフの観点から光出力を一定以下に抑える必要がある。半導体レーザの駆動方法には、定電流駆動(ACC)と定出力駆動(APC)の2種類がある。ACC駆動は、駆動電流が一定であるため、レーザ光の発振が安定化されるが、温度変化により光出力が変動するという欠点がある。APC駆動は、光出力が一定であるため、通常、半導体レーザの温度補償に用いられる。すなわち、APC駆動は、半導体レーザの温度が上昇すると光出力が低下するため、駆動電流を増加させて光出力を上げ、温度が低下すると光出力が上昇するため、駆動電流を低下させて光出力を下げるような駆動制御を行う。
一方、光通信や光記録等の技術分野において、面発光型半導体レーザ(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser diode:以下VCSELと呼ぶ)への関心が高まっている。VCSELは、しきい値電流が低く消費電力が小さい、円形の光スポットが容易に得られる、ウエハ状態での評価や光源の二次元アレイ化が可能であるといった、端面発光型半導体レーザにはない優れた特長を有する。これらの特長を生かし、通信分野における光源としての需要がとりわけ期待されている。
半導体レーザのAPC駆動に関する技術は、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。これらの文献によれば、半導体レーザ装置は、半導体レーザ素子からの出射光のうち窓ガラスで反射された反射光を受光する受光素子を有し、受光素子の出力に基づき駆動電流の制御を行っている。
特開2002−270952号 特開2004−72072号
特許文献1や特許文献2に示されるように、APC駆動が実用上頻繁に用いられている。APC駆動により光出力を安定化させることは可能であるが、高温になるにつれ駆動電流を高くしていくと、駆動電流の増加によりVCSELなどの半導体レーザの信頼性が低下し、あるいは寿命が短くなるという問題がある。一方、低温になるにつれ駆動電流を低くしていくと、周波数応答特性が低下するという問題がある。すなわち、半導体レーザをAPC駆動する場合には、駆動電流を一定の許容範囲内に収めることが要求される。
本発明は、このような課題を解決するものであり、APC駆動と素子の信頼性および周波数特性との両立を図り、最適な駆動電流で所望の光出力を得ることができる半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体レーザ装置は、半導体レーザ素子を搭載する搭載手段と、搭載手段に取り付けられる封止手段とを含み、封止手段は、半導体レーザ素子から発せられるレーザ光を透過する透過窓に光透過率が変化する調光ガラスを含むものである。
封止手段は、例えばステム上に搭載された半導体レーザ素子を封止し、素子を外部から保護する。封止は、必ずしも内部が気密状態になることを要せず、ステム上に取り付けられるキャップやカバーのようなものであってもよい。搭載手段は、半導体レーザ素子を固定するとともに、好ましくは、半導体レーザ素子に電気的に接続される外部端子を含むものであっても良い。
さらに好ましくは、調光ガラスは、電場によって光透過率が変化するエレクトロクロミック調光ガラスを用いることができる。この場合、エレクトロクロミック調光ガラスには電圧が印加され、これにより光透過率を変化させる。また、調光ガラスは、温度によって光透過率が変化するサーモトロピック調光ガラスであってもよい。さらに、光照射で光透過率が変化するフォトクロミック調光ガラスであってもよい。エレクトロクロミック調光ガラスの調光層は、例えば無機電解質とWOを含み、サーモトロピック調光ガラスの調光層は、VO膜を含む。
サーモトロピック調光ガラスは、素子および/または周囲温度が上昇したとき、それに追従して光透過率が上昇し、反対に、素子および/または周囲温度が低下したとき光透過率が低下する。温度が上昇すると、半導体レーザ素子の光出力が低下するので、サーモトロピックガラスの光透過率を上昇させ、透過窓からのレーザ光の出射を促進させる。温度が低下すると、半導体レーザ素子の光出力が増加するので、サーモトロピックガラスの光透過率を低下させ、透過窓からのレーザ光の出射を制限させる。
半導体レーザ素子としては、プレーナーストライプ形、酸化物ストライプ形、内部ストライプ形、埋め込みストライプ形、横接合ストライプ形、三日月埋め込みストライプ形、DFBレーザ、多重量子井戸型レーザ、面発光型レーザなどの公知のものを使用することができるが、中でも前述したように面発光型半導体レーザは低消費電力、円形のビームプロファイルによるファイバとの結合が容易である点において好ましい。
好ましくは、半導体レーザ装置はさらに、半導体レーザ素子が発したレーザ光のうち透過窓で反射された光を受光する受光素子と、受光素子からの出力に基づき半導体レーザ素子の駆動を制御する駆動制御回路と、調光ガラスに印加される電圧を制御する電圧制御回路とを含み、電圧制御回路は、駆動制御回路が半導体レーザ素子への駆動電流を増加するとき、調光ガラスの光透過率が上昇するように印加電圧を制御する。これにより、素子または周囲温度が上昇した場合に、光出力の低下により駆動電流を増加させるが、透過窓の光透過率を上昇させることで、その分だけ駆動電流の増加を削減することができる。一方、電圧制御回路は、駆動制御回路が半導体レーザ素子への駆動電流を減少するとき、調光ガラスの光透過率が低下するように印加電圧を制御する。これにより、素子または周囲温度が低下した場合に、光出力の増加により駆動電流を減少させるが、透過窓の光透過率を低下させることで、その分だけ駆動電流の減少を削減することができる。
本発明によれば、透過窓に光透過率が変化する調光ガラスを設けたことにより、APC駆動において半導体レーザ素子を所定の駆動電流の範囲内で動作させることができ、光出力の安定定を図りつつ、素子の信頼性および周波数特性の低下を防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施例に係る半導体レーザ装置の概略構成を示す断面図である。本実施例に係る半導体レーザ装置10は、金属製の円盤状のステム100と、ステム100上に搭載されたVCSEL110および受光素子120と、ステム100を覆うキャップ130と、ステム100に取り付けられた複数の導電性金属からなるリード端子140〜148と、印加電圧によって光透過率を変化させる調光ガラス(エレクトロクロミック調光ガラス)150を含んでいる。
ステム100の中央に、サブマウントを介してVCSEL110が固定されている。VCSEL110は、図2に示すように、n型のGaAs基板210の裏面にn側電極220を含み、基板210上に、n型のGaAsバッファ層224、n型のAlGaAsの半導体多層膜からなる下部DBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ型反射鏡)226、活性領域228、p型のAlAsの外縁を酸化させた電流狭窄層230、p型のAlGaAsの半導体多層膜からなる上部DBR232、p型のGaAsコンタクト層234を含む半導体層が積層されている。基板210には、コンタクト層234から下部DBR226の一部に到達する深さのリング状の溝236が形成され、この溝236によりレーザ光の発光部である円筒状のポストPとパッド形成領域238とが規定されている。ポストPの頂部には、コンタクト層234にオーミック接続されたp側電極242が設けられ、p側電極242の中央には、レーザ光の出射領域を規定する円形状の出射口244が形成されている。また、パッド形成領域238には、層間絶縁膜240を介して円形状の電極パッド246が形成され、電極パッド246はp側電極242に電気的に接続されている。このように構成されたVCSEL110は、ポストPの出射口244から約850nmの波長のレーザ光を出射する。
図1に戻り、ステム100には、図示しない複数の貫通孔が形成されており、それぞれの貫通孔内にリード端子140〜148が挿入される。リード端子140〜148は、ガラス樹脂等により貫通孔内おいてステム100と電気的に絶縁されている。VCSEL110のn側電極220は、導電性接着剤等を介してサブマウント上に固定され、サブマウントは、リード端子144に電気的に接続されている。また、p側電極242に接続される電極パッド246は、ボンディングワイヤ112によりリード端子140に電気的に接続されている。リード端子140および144間に駆動電圧を印加することで、VCSEL110が駆動され、ポストPの出射口244からレーザ光が出射され、出射されたレーザ光はキャップ130の中央に設けられた透過窓132を介して外部へ出力される。
VCSEL110から一定の距離だけ離された位置に受光素子120が取り付けられている。受光素子120は、VCSEL110から出射されたレーザ光のうち透過窓132で反射されたレーザ光の一部を受光する。受光素子120は、例えば、フォトダイオードまたはフォトトランジスタから構成される。受光素子120のカソード電極は、リード端子144に電気的に接続され、アノード電極はリード端子148に電気的に接続される。受光素子120の出力信号はリード端子144と148間に出力される。
キャップ130は、円形状の金属部材であり、その周縁の脚部134がステム100に溶接等により固定されている。キャップ130の内部空間136内にVCSEL110および受光素子120が封止されている。封止は、完全な気密状態であることは要しない。
キャップ130の中央には、円形状の透過窓132が形成されており、透過窓132内には、電圧によって光透過率を変化させる調光ガラス150が取り付けられている。調光ガラス150は、図3に示すように、一対のガラス152a、152bと、一対のガラス152a、152bの対向面に蒸着された透明導電膜(ITO)154a、154bと、一対の透明導電膜154a、154bに挟まれた調光層とから構成されている。調光層は、例えば、酸化タングステン(WO)薄膜156aと、無機電解質158と、対極156bとから構成される。
ガラス152bには、図1に示すように、透明導電膜154bを露出するための貫通孔が形成され、この貫通孔内にリード端子142が挿入され、リード端子142が透明導電膜154bと電気的に接続されている。さらに、ガラス152bから対極156aに至るまで貫通孔が形成され、この貫通孔内にリード端子146が挿入され、リード端子146と透明導電膜154aが電気的に接続されている。リード端子142とリード端子146との間に電圧を印加することで調光層へ電界が与えられる。
図4は、調光ガラスの印加電圧と光透過率の関係を示すグラフである。対極156bの材料として、Nb/Fe−oxideを用いている。印加電圧が1.6Vの印加電圧のとき、波長850nmの光透過率は約55%であり、印加電圧が−2.6Vの電圧印加のとき、光透過率は約10%に低下する。電圧が印加されていない初期状態では、印加電圧が1.6Vの時よりも幾分だけ光透過率が低い。また、印加電圧を−2.8Vにすると、光透過率はさらに低下する。詳細は、B. Orel, et al, RECENT PROGRESS IN SOL-GEL DERIVED ELECTROCHROMIC DEVICE National Institute of Chemistry, Hajdrihova 19, Ljubljana, Slovenia, 1988, 45(4), pp.487-506に記載されている。なお、調光層の材料を変更することにより電圧と光透過率の関係を適宜選択することができる。
図5は、本実施例の好ましい面発光型半導体レーザ装置の駆動回路を示す図である。受光素子120は、VCSEL110のレーザ光出力をモニタするため、透過窓132で反射されたレーザ光の一部を受光し、その受光量に応じた出力信号をAPC駆動回路260に供給する。APC駆動回路260は、受光素子120からの出力信号に基づき、レーザ光出力が一定となるように駆動電流をVCSEL110に供給する。調光ガラス駆動回路270は、APC駆動回路260からの制御信号に基づきリード端子142、146を介して調光ガラス150に電圧を印加する。
図6は、APC駆動回路および調光ガラス駆動回路の動作フローを示す図である。先ず、調光ガラス駆動回路270により調光ガラス150の初期光透過率Toの設定が行われる(ステップS101)。APC駆動における許容最大印加電圧Vmax時の光透過率をTmax、許容最小印加電圧Vmin時の光透過率をTminとすると、初期の光透過率Toは、例えば、To=1/2(Tmin+Tmax)となるように電圧が調光ガラス150に印加される。
次に、APC駆動回路260はVCSEL110に駆動電流を供給し、VCSEL110を発振させる(ステップS102)。VCSEL110からのレーザ光の一部は、調光ガラス150を透過して外部へ出力され、その一部が透光窓132で反射され、受光素子120により光出力がモニタされる(ステップS103)。
APC駆動回路260は、受光素子120の出力信号に基づき、光出力が予め決めれた設定値Pに一致するか否かを判定する(ステップS104)。なお、光出力が設定値Pを含む一定の範囲内にあるとき、一致すると判定しても良い。設定値Pに一致せず、設定値Pよりも小さいと判定した場合には(ステップS105)、APC駆動回路260は、VCSEL110への駆動電流を増加させる(ステップS106)。同時に、APC駆動回路260は、調光ガラス駆動回路270に対して調光ガラス150の光透過率を向上させる制御信号を出力する。これに応答して、調光ガラス駆動回路270は、印加電圧を増加させ、調光ガラス150の光透過率を上昇させる(ステップS107)。VCSEL110やその周囲温度が上昇すると、VCSELの光出力が低下するが、この際、APC駆動回路260は、調光ガラス150の光透過率が上昇されるため、この分を考慮してVCSEL110の駆動電流を増加させればよいことになる。その結果、VCSELへの許容最大駆動電流を小さくすることができ、大電流によるVCSELの信頼性や寿命の低下を抑制することができる。
一方、レーザ光の光出力が設定値Pよりも大きいと判定した場合には(ステップS105)、APC駆動回路260は、VCSEL110への駆動電流を低下させる(ステップS108)。同時に、APC駆動回路260は、調光ガラス駆動回路270に対して調光ガラス150の光透過率を低下させる制御信号を出力する。これに応答して、調光ガラス駆動回路270は、印加電圧を減少させ、調光ガラス150の光透過率を低下させる(ステップS109)。VCSEL110やその周囲温度が低下すると、VCSELの光出力が増加し、この際、APC駆動回路260は、調光ガラス150の光透過率が低下するため、この分を考慮してVCSEL110の駆動電流を減少させればよいことになる。その結果、VCSELへの許容最小駆動電流を大きくすることができ、周波数応答性の低下を抑制することができる。
次に、本発明の第2の実施例に係る半導体レーザ装置について説明する。第1の実施例は、エレクトロクロミック調光ガラスを用いたが、第2の実施例は、サーモトロピック調光ガラスを用いている。図7は、第2の実施例の半導体レーザ装置の概略断面図であり、第1の実施例と共通する部分には同一番号を付してある。
キャップ130の中央の透過窓132にサーモトロピック調光ガラス280が取り付けられている。サーモトロピック調光ガラス280は、、上下一対のガラス282と、ガラスによって挟まれた有機ポリマー284とを含み、温度の変化によって光透過率を変化させるものである。サーモトロピック調光ガラス280は、エレクトロクロミック調光ガラスと異なり外部電圧を必要としないため、パッケージに用いられるリード端子140、144、148の3つである。
サーモトロピック調光ガラス280の光透過率の変化を図8に示す。同図は、VoとVoを用いたときの25℃および80℃の光透過率を示している。波長が約500から850nmの範囲(範囲Kで示す)において、25℃のとき光透過率は約50%、80℃のとき光透過率は60%である。詳細はElizabeth E. Chain OPTICAL PROPERTIES OF VANADIUM DIOXIDE AND VANDIUM PENTOXIDE THIN FILMS, Applied Optics, Vol.30,No.19,pp2782-2787に記載されている。VCSELまたはその周囲温度が上昇したとき、光出力が低下するが、その一方でサーモトロピック調光ガラス280の光透過率が範囲Kにおいては上昇するため、APC駆動回路260は、光透過率の上昇を加味してVCSEL110の駆動電流を増加させればよい。その反対に、温度が低下したとき、光出力が増加するが、サーモトロピック調光ガラス280の光透過率が低下するため、APC駆動回路260は、その低下分を加味して駆動電流を減少させればよい。
第2の実施例によれば、温度変化に応じてサーモトロピック調光ガラス280の光透過率を自動的に可変することができるため、第1の実施例のように外部からの電圧供給が不要となり、半導体レーザ装置の簡素化、および低コスト化を図ることができる。なお、サーモトロピック調光ガラスの材料を変更することにより変化する所望の温度と光透過率の関係を適宜選択することが可能である。
第1および第2の実施例では、エレクトロクロミック調光ガラスおよびサーモトロピック調光ガラスを用いたが、これら以外にも、例えば、光照射に応じて光透過率を可変するフォトクロミック調光ガラスや、電界を与えて光透過率を変化させる液晶調光ガラス(ポリマー分散型液晶)などを調光ガラスに用いることもできる。
上記実施例では、基板上に単一のポストP(発光部)が形成されたシングルスポット型のVCSELを例示したが、基板上に複数のポストが形成されたマルチスポット型のVCSELを搭載した半導体レーザ装置であってもよい。さらに、VCSELのレーザ光として850nmを例示したが、勿論、これ以外の波長であってもよく、レーザ光の波長に応じて調光ガラスの材質を適宜選択することができる。
図9は、図1に示す半導体レーザ装置を光送信装置に適用したときの構成を示す断面図である。光送信装置400は、ステム100に固定された円筒状の筐体410と、筐体410の端面に一体に形成されたスリーブ420と、スリーブ420の開口422内に保持されるフェルール430と、フェルール430によって保持される光ファイバ440とを含んで構成される。
ステム100の円周方向に形成されたフランジには、筐体410の端部が固定される。フェルール430は、スリーブ420の開口422に正確に位置決めされ、光ファイバ440の光軸が調光ガラス150のほぼ中央に整合される。フェルール430の貫通孔432内に光ファイバ440の芯線が保持されている。
VCSEL110の表面から出射されたレーザ光は、調光ガラス150を介して光ファイバ440の芯線に入射され、送信される。上記例では、調光ガラス150から光ファイバへレーザ光を入射させているが、その間に、ボールレンズやこれ以外にも両凸レンズや平凸レンズ等の他のレンズを用いることができる。さらに、光送信装置400は、APC駆動回路や調光ガラス駆動回路を搭載するものであってもよい。さらに、光送信装置400は、光ファイバ440を介して光信号を受信するための受信機能を含むものであってもよい。
図10は、図1または図9に示すパッケージを空間伝送システムに用いたときの構成を示す図である。空間伝送システム500は、パッケージ300と、集光レンズ510と、拡散板520と、反射ミラー530とを含んでいる。集光レンズ510によって集光された光は、反射ミラー530の開口532を介して拡散板520で反射され、その反射光が反射ミラー530へ向けて反射される。反射ミラー530は、その反射光を所定の方向へ向けて反射させ、光伝送を行う。空間伝送の光源の場合には、マルチスポット型のVCSELを用い、高出力を得るようにしてもよい。
図11は、VCSELを光源に利用した光伝送システムの一構成例を示す図である。光伝送システム600は、VCSEL110を含む光源610と、光源610から放出されたレーザ光の集光などを行う光学系620と、光学系620から出力されたレーザ光を受光する受光部630と、光源610の駆動を制御する制御部640とを有する。制御部640は、VCSELを駆動するための駆動パルス信号を光源610に供給する。光源610から放出された光は、光学系620を介し、光ファイバや空間伝送用の反射ミラーなどにより受光部630へ伝送される。受光部630は、受光した光をフォトディテクターなどによって検出する。受光部630は、制御信号650により制御部640の動作(例えば光伝送の開始タイミング)を制御することができる。
次に、光伝送システムに利用される光伝送装置の構成について説明する。図12は、光伝送装置の外観構成を示している。光伝送装置700は、ケース710、光信号送信/受信コネクタ接合部720、発光/受光素子730、電気信号ケーブル接合部740、電源入力部750、動作中を示すLED760、異常発生を示すLED770、DVIコネクタ780、送信回路基板/受信回路基板790を有している。
光伝送装置700を用いた映像伝送システムを図13に示す。映像伝送システム800は、映像信号発生装置810、画像表示装置820、DVI用電気ケーブル830、送信モジュール840、受信モジュール850、映像信号伝送光信号用コネクタ860、光ファイバ870、制御信号用ケーブルコネクタ880、電源アダプタ890、DVI用電気ケーブル900を含んでいる。映像信号発生装置810で発生された映像信号を液晶ディスプレイなどの画像表示装置820に伝送するため、図12に示す光伝送装置を利用している。
本発明に係る半導体レーザは、光情報処理や光高速データ通信の分野で利用することができる。
図1(a)は、本発明の実施例に係る半導体レーザ装置のX−X線概略断面図、図1(b)は平面図である。 図1のVCSELの構成を示す断面図である。 図1に示す調光ガラスの構成を示す断面図である。 調光ガラスの電圧と光透過率の一例を示すグラフである。 本実施例の半導体レーザ装置の駆動回路を示す図である。 本実施例のAPC駆動回路および調光ガラス駆動回路の動作フローを示す図である。 本発明の第2の実施例に係る半導体レーザ装置の概略断面図である。 サーモトロピック調光ガラスの光透過率の変化を示すグラフである。 図9に示すパッケージを用いた光送信装置の構成を示す概略断面図である。 図10に示すパッケージを空間伝送システムに用いたときの構成を示す図である。 光伝送システムの構成を示すブロック図である。 光伝送装置の外観構成を示す図である。 図12の光伝送装置を利用した映像伝送システムを示す図である。
符号の説明
10:半導体レーザ装置 100:ステム
110:VCSEL 112:ボンディングワイヤ
120:受光素子 130:キャップ
132:透過窓 140〜148:リード端子
150:調光ガラス 152a、152b:ガラス
154a、154b:透明導電膜 156a、156b:WO薄膜
158:電解質 260:APC駆動回路
270:調光ガラス駆動回路 280:サーモトロピック調光ガラス
282:ガラス 284:有機ポリマー

Claims (16)

  1. 半導体レーザ素子を搭載する搭載手段と、
    搭載手段に取り付けられる封止手段とを含み、
    前記封止手段は、半導体レーザ素子から発せられるレーザ光を透過する透過窓に、光透過率が変化する調光ガラスを含む、半導体レーザ装置。
  2. 前記調光ガラスは、電場または温度によって光透過率が変化する、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記調光ガラスは、電場によって光透過率が変化するエレクトロクロミック調光ガラスである、請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記調光ガラスは、温度によって光透過率が変化するサーモトロピック調光ガラスである、請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記調光ガラスは、光照射によって光透過率が変化するフォトクロミックガラスを含む、請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記エレクトロクロミック調光ガラスの調光層は、無機電解質とWOを含む、請求項3に記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記サーモトロピック調光ガラスの調光層は、VO膜を含む、請求項4に記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記エレクトロクロミック調光ガラスは、半導体レーザ素子の駆動電流を増加させるとき光透過率が上昇し、半導体レーザ素子の駆動電流を低下させるとき光透過率が減少する、請求項1、2、3または6に記載の半導体レーザ装置。
  9. 前記サーモトロピック調光ガラスは、温度が上昇したとき光光透過率が上昇し、温度が低下したとき光透過率が低下する、請求項1、2、4または7に記載の半導体レーザ装置。
  10. 前記半導体レーザ素子が面発光型半導体レーザ素子であることを特徴とする請求項1ないし9に記載の半導体レーザ装置。
  11. 半導体レーザ装置はさらに、面発光型半導体レーザ素子が発したレーザ光のうち透過窓で反射されたレーザ光を受光する受光素子と、受光素子からの出力に基づき面発光型半導体レーザ素子の駆動を制御する駆動制御回路と、調光ガラスに印加される電圧を制御する電圧制御回路とを含み、前記電圧制御回路は、前記駆動制御回路が面発光型半導体レーザ素子への駆動電流を増加するとき、調光ガラスの光透過率が上昇するように印加電圧を制御する、請求項8ないし10に記載の半導体レーザ装置。
  12. 前記電圧制御回路は、前記駆動制御回路が半導体レーザ素子への駆動電流を低下するとき、調光ガラスの光透過率が低下するように印加電圧を制御する、請求項8に記載の半導体レーザ装置。
  13. 請求項1ないし12いずれか1つに記載された半導体レーザ装置と、当該半導体レーザ装置から発せられたレーザ光を光媒体を介して送信する送信手段とを備えた、光送信装置。
  14. 請求項1ないし12いずれか1つに記載された半導体レーザ装置と、当該半導体レーザ装置から発せられた光を空間伝送する伝送手段とを備えた、光空間伝送装置。
  15. 請求項1ないし12いずれか1つに記載された半導体レーザ装置と、当該半導体レーザ装置から発せられたレーザ光を送信する送信手段とを備えた、光送信システム。
  16. 請求項1ないし12いずれか1つに記載された半導体レーザ装置と、当該半導体レーザ装置から発せられた光を空間伝送する伝送手段とを備えた、光空間伝送システム。
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