JP2008060128A - 配線基板用積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、フレキシブルプリント配線板やHDDサスペンション等に用いられる配線基板用積層体に関するものである。
近年、電子機器の高性能化、高機能化及び小型化が急速に進んでおり、これに伴い電子機器に用いられる電子部品やそれらを実装する基板に対しても、より高密度で高性能なものへの要求が高まっている。フレキシブルプリント配線板(以下、FPCという)に関しては、細線加工、多層形成等が行われるようになり、FPCを構成する材料についても、薄型化及び寸法安定性が厳しく要求されるようになってきた。
一般的にFPCの絶縁フィルムには、諸特性に優れるポリイミド樹脂からなるフィルムが広く用いられており、絶縁フィルムと金属間の絶縁接着層には、低温加工性に優れるエポキシ樹脂やアクリル樹脂が用いられている。しかし、これらの接着層は耐熱性や熱的寸法安定性の低下の原因となるという問題があった。
このような問題を解決するため、最近では、接着層を形成しないで金属箔上に直接ポリイミド樹脂層を塗工形成する方法が採用されてきている。特許文献1には、ポリイミド樹脂層を熱膨張係数の異なる複数のポリイミド樹脂で多層化することにより、接着力及び熱的寸法安定性に優れたFPC用基板を提供する方法が開示されている。しかしながら、そこで使用されているポリイミド樹脂は吸湿性が大きいため、半田浴に浸漬する際の膨れや、細線加工時の吸湿後の寸法変化による接続不良、吸湿後の寸法変化に伴う積層体の反り等、不具合の原因となることが懸念されていた。
このような背景から近年、優れた低吸湿性・吸湿後寸法安定性を有するポリイミド樹脂への要求が高まっており、それに対する検討が種々行われている。例えば、特許文献2〜3では、フッ素系樹脂を導入することにより、疎水性を向上し低吸湿性を発現するポリイミド樹脂が提案されているが、製造コストがかさんだり、金属材料との接着性が悪いという欠点がある。そのほかの低吸湿化について取り組んだものも、特許文献4〜5などに示されるように、低吸湿性・低熱膨張係数などのポリイミドの持つ良好な特性を示すものの、高耐熱性を保持することはできなかった。
非特許文献1及び非特許文献2においては、フルオレン骨格を有するジアミンを用いたポリイミド樹脂についての報告がなされている。しかし、これらに記載のポリイミド樹脂は、精密な電気・電子機器の材料に用いるための性能を満足するものではなかった。
ところで、一般にフレキシブルプリント配線板に用いられる配線基板用積層体への孔あけ加工は、紫外線レーザ加工法やプラズマ加工法によるドライエッチング法が一般的に行われているが、これらに用いられる加工装置は高価な上、使用するガス代などランニングコストが高く、また、量産性が悪いなどという問題がある。ドライエッチング法を代替する方法として、有機アルカリやアルカリ水溶液による湿式エッチングが可能な材料が要望されてきたが、一般的にポリイミド樹脂のエッチング速度が速いと吸湿率も大きくなるため、エッチング速度が速く、同時に吸湿率も少ない材料の開発が望まれてきた。
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決し、優れた耐熱性、熱的寸法安定性を有し、かつ低吸湿性、低湿度膨張係数、良エッチング性のポリイミド樹脂層を有する配線基板用積層体を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、ポリイミド樹脂を構成する構造単位に特定の構造を導入することで上記課題を解決し得ることを見出し本発明をするに至った。すなわち、本発明は、ポリイミド樹脂層の片面又は両面に金属箔を有する積層体において、前記ポリイミド樹脂層の少なくとも一層が下記一般式(1)で表される構造単位を10モル%以上含有することを特徴とする配線基板用積層体である。
(式中、Ar1は芳香環を1個以上有する4価の有機基である。)
以下に、本発明の配線基板用積層体について説明する。
本発明の配線基板用積層体は、一層又は多層のポリイミド樹脂層の片面又は両面に、金属箔が積層されている構造を有する。金属箔としては、フレキシブルプリント配線板用途に使用するものには、厚みが5〜50μmの銅箔が適しており、また、HDDサスペンション用基板として使用する場合には、厚みが5〜70μmのステンレス箔が適している。上記ポリイミド樹脂層の少なくとも一層は、上記一般式(1)で表される構造単位を10モル%以上含有するものである。
一般式(1)で表される構造単位において、Ar1は芳香環を1個以上有する4価の有機基であり、芳香族テトラカルボン酸又はその酸二無水物等から生じる芳香族テトラカルボン酸残基ということができる。したがって、使用する芳香族テトラカルボン酸を説明することによりAr1が理解される。通常、上記構造単位を有するポリイミド樹脂又はポリアミド酸を合成する場合、芳香族テトラカルボン酸二無水物が使用されることが多いので、好ましいAr1を、芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いて以下に説明する。
上記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。具体例を挙げると、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-テトラクロロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3'',4,4''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3'',4''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン-2,3,8,9-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-4,5,10,11-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-5,6,11,12-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,7,8-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,9,10-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物などが挙げられる。また、これらは単独で使用してもよく又は2種以上併用することもできる。
これらの中でも、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、ナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物(NTCDA)、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、3,3",4,4"-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物、3,3'4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及びビス(2,3-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物から選ばれる少なくとも1種の芳香族テトラカルボン酸が好ましく、その中でも特に、PMDA、NTCDA及びBPDAから選ばれるものが好ましい。テトラカルボン酸二無水物の選定にあたっては、具体的には重合加熱して得られるポリイミドの熱膨張係数、ガラス転移温度、湿度膨張係数などを測定して好適なものを選択することが好ましい。
本発明で用いられるポリイミド樹脂の合成で必須の成分として使用されるジアミンは、下記式(2)で表される芳香族ジアミンである。
式(2)で表される芳香族ジアミンは、1,5-ジニトロフルオレノンのケトン部分を過酸によりエステル基に酸化して、3,8-ジニトロジベンゾピラノンを合成する工程及び、二つのニトロ基を還元してジアミンとし、目的とする芳香族ジアミンとしての3,8-ジアミノジベンゾピラノンを得る工程から得ることができる。
本発明においては、上記式(2)で表される芳香族ジアミンと共に、それ以外の他のジアミンを90モル%以下の範囲で使用することができる。そして、そのことによって、共重合型のポリアミド酸又はポリイミド樹脂とすることができる。一般式(1)で表される構造単位は、ポリイミド樹脂中に10〜100モル%、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%含むことがよい。
一般式(1)で表される構造単位を与える芳香族ジアミン以外に、共重合に使用されるジアミンとしては、特に限定されるものではないが、例を挙げると、4,6-ジメチル-m-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノメシチレン、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,5,3',5'-テトラメチル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、2,4-トルエンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルプロパン、3,3'-ジアミノジフェニルプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエタン、3,3'-ジアミノジフェニルエタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、3,3'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメトキシベンジジン、4,4"-ジアミノ-p-ターフェニル、3,3"-ジアミノ-p-ターフェニル、ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノペンチル)ベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノトルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾール、ピペラジンなどが挙げられる。これらは単独でも又は2種以上併用することもできる。
これらの中でも、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-Q)、ジアミノジフェニルエーテル(DAPE)、2,7-ビス(4-アミノフェノキシ)ナフタレン(NBOA)などが好ましく用いられる。また、これらのジアミンを用いる場合、その好ましい使用割合は、全ジアミンの0〜50モル%、より好ましくは0〜30モル%の範囲である。
ポリイミド樹脂層を形成するための芳香族ポリアミド酸は、上記に示した芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸二無水物成分とを実質的に等モル使用し、有機極性溶媒中で重合する公知の方法によって製造することができる。すなわち、窒素気流下N,N-ジメチルアセトアミドなどの有機極性溶媒に芳香族ジアミンを溶解させた後、芳香族テトラカルボン酸二無水物を加えて、室温で3時間程度反応させることにより得られる。
上記反応により得られたポリアミド酸溶液を、支持体となる金属箔上に、あるいは金属箔上に形成された接着層上に、アプリケータを用いて塗布し、150℃以下の温度で2〜20分予備乾燥した後、通常130〜360℃程度の温度で2〜30分程度熱処理して溶剤除去、イミド化することにより、本発明の配線基板用積層体が得られる。このとき、用いられる金属箔としては、銅箔又はSUS箔が好ましく、その好ましい厚み範囲も50μm以下、有利には5〜40μmである。金属箔厚みは、薄い方がファインパターンの形成に適し、そのような観点からは8〜30μmの範囲が好ましい。
ポリアミド酸及びポリイミドの重合度は、ポリアミド酸溶液の重量平均分子量(Mw)として50,000〜800,000であり、好ましくは60,000〜300,000の範囲にあることがよい。重量平均分子量は、GPCにより測定することができる。
ポリイミド樹脂層は単層であっても多層であってもよい。多層のポリイミド樹脂層の場合は、ポリアミド酸溶液を塗布して乾燥する操作を繰り返した後、熱処理して溶剤除去し、これを更に高温で熱処理してイミド化することにより、多層構造のポリイミド樹脂層を形成できる。この時、形成されるポリイミド樹脂層の総厚みは、3〜75μmの範囲が好ましい。多層である場合は、その少なくとも1層が一般式(1)で表される構造単位を10モル%以上含有するポリイミド樹脂層(以下、ポリイミド樹脂層(1)ともいう。)である必要があり、その厚みはポリイミド樹脂層全体の30%以上、好ましくは50%以上とすることがよい。
また、両面に金属箔を有する配線基板用積層体を製造する場合は、上記方法により得られた片面配線基板用積層体のポリイミド樹脂層上に、直接あるいは接着層を形成した後、金属箔を加熱圧着することにより得られる。この加熱圧着時の熱プレス温度については、特に限定されるものではないが、使用されるポリイミド樹脂のガラス転移温度以上であることが望ましい。また、熱プレス圧力については、使用するプレス機器の種類にもよるが、1〜500kg/cm2の範囲であることが望ましい。更に、このとき用いられる好ましい金属箔は、上記した金属箔と同様のものを用いることができ、その好ましい厚みも50μm以下、より好ましくは5〜40μmの範囲である。
本発明の配線基板用積層体を構成するポリイミド樹脂層は、一般式(2)で表される芳香族ジアミンと、これと併せて使用される他の芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸又はその酸二無水物との種々の組み合わせにより特性を制御することができるが、中でも、耐熱性の指標となるガラス転移温度が300℃以上であり、線膨張係数が30ppm/℃以下、有利には25ppm/℃以下で、かつ、吸湿率が1.0wt%以下、有利には0.7wt%以下のポリイミド樹脂層とすることが好ましい。特に、好ましいポリイミド樹脂層は、ガラス転移温度が350〜450℃、線膨張係数が5〜25ppm/℃、吸湿率が0.01〜0.7wt%で、湿度膨張係数が9ppm/%RH以下、エチレンジアミン11wt%とエチレングリコール22 wt%を添加した30wt%水酸化カリウム水溶液をエッチング液として使用し、80℃でエッチングしたときのエッチング速度が10μm/min以上であるものである。ポリイミド樹脂層が単層である場合は、ポリイミド樹脂層(1)を使用すること又はポリイミド樹脂層(1)中の一般式(1)で表される構造単位を増加させることにより、上記を容易に満足させることができる。ポリイミド樹脂層がポリイミド樹脂層(1)以外の他のポリイミド樹脂層を含む2層以上からなる場合は、他のポリイミド樹脂層の種類、厚みを適当に調整する。
本発明の配線基板用積層体は、ポリイミド樹脂層が耐熱性に優れ、低吸湿、かつ寸法安定性にも優れており、接着層由来の諸問題を伴わずに湿度による反りを抑制する効果をも有する。また、絶縁層のポリイミド樹脂層のエッチング速度が優れるという特徴を有し、電子材料分野の部品に広く適用することができる。特に、FPCやHDDサスペンション用基板等の用途に有用である。
以下、実施例に基づいて、本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。
実施例等に用いた略号を下記に示す。
・DADBP:3,8-ジアミノジベンゾピラノン
・DAF:2,7-ジアミノフルオレン
・PMDA:ピロメリット酸二無水物
・APAB:4-アミノフェニル-4-アミノベンゾエート
・DAPE:ジアミノジフェニルエーテル
・BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
・TPE-Q:1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
・TPE-R:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
・APB:1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン
・DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
・DADBP:3,8-ジアミノジベンゾピラノン
・DAF:2,7-ジアミノフルオレン
・PMDA:ピロメリット酸二無水物
・APAB:4-アミノフェニル-4-アミノベンゾエート
・DAPE:ジアミノジフェニルエーテル
・BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
・TPE-Q:1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
・TPE-R:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
・APB:1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン
・DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
また、実施例中の各種物性の測定方法と条件を以下に示す。
[線膨張係数(CTE)の測定]
3mm ×15mmのサイズのポリイミドフィルムを、熱機械分析(TMA)装置にて5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度で30℃から260℃の温度範囲で引張り試験を行い、温度に対するポリイミドフィルムの伸び量から線膨張係数(ppm/K)を測定した。
[線膨張係数(CTE)の測定]
3mm ×15mmのサイズのポリイミドフィルムを、熱機械分析(TMA)装置にて5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度で30℃から260℃の温度範囲で引張り試験を行い、温度に対するポリイミドフィルムの伸び量から線膨張係数(ppm/K)を測定した。
[ガラス転移温度(Tg)の測定]
各実施例で得たポリイミドフィルム(10mm×22.6mm)を動的熱器械分析装置にて20℃から500℃まで5℃/分で昇温させたときの動的粘弾性を測定し、ガラス転移温度(tanδ極大値:℃)を求めた。
各実施例で得たポリイミドフィルム(10mm×22.6mm)を動的熱器械分析装置にて20℃から500℃まで5℃/分で昇温させたときの動的粘弾性を測定し、ガラス転移温度(tanδ極大値:℃)を求めた。
[吸湿率の測定]
4cm×20cmのポリイミドフィルム(各3枚)を、120℃で2時間乾燥した後、23℃/50%RHの恒温恒湿室で24時間以上静置し、その前後の重量変化から次式により求めた。
吸湿率(wt%)=[(吸湿後重量−乾燥後重量)/乾燥後重量]×100
4cm×20cmのポリイミドフィルム(各3枚)を、120℃で2時間乾燥した後、23℃/50%RHの恒温恒湿室で24時間以上静置し、その前後の重量変化から次式により求めた。
吸湿率(wt%)=[(吸湿後重量−乾燥後重量)/乾燥後重量]×100
[湿度膨張係数(CHE)の測定]
35cm×35cmのポリイミド/銅箔積層体の銅箔上に、エッチングレジスト層を設け、これを一辺が30cmの正方形の四辺に10cm間隔で直径1mmの点が16箇所配置するようにマスクを介して露光、現像を行い上記16箇所の銅箔残存点を有するCHE測定用ポリイミドフィルムを得た。このフィルムを120℃で2時間乾燥した後、23℃/30%RH・80%RHの恒温恒湿機で各湿度において24時間以上静置し、二次元測長機により測定した各湿度での銅箔点間の寸法変化から湿度膨張係数(ppm/%RH)を求めた。
35cm×35cmのポリイミド/銅箔積層体の銅箔上に、エッチングレジスト層を設け、これを一辺が30cmの正方形の四辺に10cm間隔で直径1mmの点が16箇所配置するようにマスクを介して露光、現像を行い上記16箇所の銅箔残存点を有するCHE測定用ポリイミドフィルムを得た。このフィルムを120℃で2時間乾燥した後、23℃/30%RH・80%RHの恒温恒湿機で各湿度において24時間以上静置し、二次元測長機により測定した各湿度での銅箔点間の寸法変化から湿度膨張係数(ppm/%RH)を求めた。
[エッチング速度の測定]
エッチング速度は、銅箔上にポリイミド層を形成した積層体を用い、基準エッチング液(エチレンジアミン11wt%、エチレングリコール22 wt%、水酸化カリウム30wt%及び水37wt%)を用いて測定する。測定は、まず、銅箔上にポリイミド層を形成した積層体全体の厚みを測定し、次いで銅箔を残したままの状態で80℃の上記基準エッチング液に浸漬してポリイミド樹脂が全てなくなる時間を測定し、初期の厚みをエッチングに要した時間で割った値をエッチング速度とした。なお、エッチング時間が長いポリイミド樹脂に関しては、膜厚が減った量をエッチングに要した時間で割った値をエッチング速度とした。
エッチング速度は、銅箔上にポリイミド層を形成した積層体を用い、基準エッチング液(エチレンジアミン11wt%、エチレングリコール22 wt%、水酸化カリウム30wt%及び水37wt%)を用いて測定する。測定は、まず、銅箔上にポリイミド層を形成した積層体全体の厚みを測定し、次いで銅箔を残したままの状態で80℃の上記基準エッチング液に浸漬してポリイミド樹脂が全てなくなる時間を測定し、初期の厚みをエッチングに要した時間で割った値をエッチング速度とした。なお、エッチング時間が長いポリイミド樹脂に関しては、膜厚が減った量をエッチングに要した時間で割った値をエッチング速度とした。
合成例1〜9
実施例1〜7及び比較例1〜2に使用するポリアミド酸を合成した。
窒素気流下で、表1に示したジアミンを100mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAc85gに溶解させた。次いで、表1に示したテトラカルボン酸二無水物を加えた。その後、溶液を室温で3時間攪拌を続けて重合反応を行い、ポリイミド前駆体となる10種類のポリアミド酸A〜Iの黄〜茶褐色の粘稠な溶液を得た。それぞれのポリアミド酸溶液の重量平均分子量(Mw)は約10万〜25万の範囲内であり、高重合度のポリアミド酸が生成されていることが確認された。ポリアミド酸の固形分と溶液粘度を表1に示した。ここで、固形分はポリアミド酸と溶剤の合計量に対するポリアミド酸の重量比率である。溶液粘度はE型粘度計を用い測定した。
実施例1〜7及び比較例1〜2に使用するポリアミド酸を合成した。
窒素気流下で、表1に示したジアミンを100mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAc85gに溶解させた。次いで、表1に示したテトラカルボン酸二無水物を加えた。その後、溶液を室温で3時間攪拌を続けて重合反応を行い、ポリイミド前駆体となる10種類のポリアミド酸A〜Iの黄〜茶褐色の粘稠な溶液を得た。それぞれのポリアミド酸溶液の重量平均分子量(Mw)は約10万〜25万の範囲内であり、高重合度のポリアミド酸が生成されていることが確認された。ポリアミド酸の固形分と溶液粘度を表1に示した。ここで、固形分はポリアミド酸と溶剤の合計量に対するポリアミド酸の重量比率である。溶液粘度はE型粘度計を用い測定した。
実施例1〜7
合成例1〜7で得たポリアミド酸(ポリイミド前駆体)A〜Gの溶液を、それぞれ銅箔上にアプリケータを用いて乾燥後の膜厚が約15μmとなるように塗布し、130℃で2.4分間乾燥した後、更に130℃、160℃、200℃、230℃、280℃、320℃、360℃で各2〜12分段階的な熱処理によるイミド化を行って、銅箔上にポリイミド層を形成した。
続いて、この積層体を用い、ポリイミドエッチング速度を求めた。更に、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔を回路加工して、湿度膨張係数(CHE)を評価した。
また、積層体の銅箔を全面にエッチング除去してA〜Gのポリイミドフィルムを作成した。熱膨張係数(CTE)、ガラス転移温度(Tg)、吸湿率を測定した。なお、A〜Gのポリイミドフィルムは、A〜Gのポリアミド酸から得られたことを意味する。
合成例1〜7で得たポリアミド酸(ポリイミド前駆体)A〜Gの溶液を、それぞれ銅箔上にアプリケータを用いて乾燥後の膜厚が約15μmとなるように塗布し、130℃で2.4分間乾燥した後、更に130℃、160℃、200℃、230℃、280℃、320℃、360℃で各2〜12分段階的な熱処理によるイミド化を行って、銅箔上にポリイミド層を形成した。
続いて、この積層体を用い、ポリイミドエッチング速度を求めた。更に、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔を回路加工して、湿度膨張係数(CHE)を評価した。
また、積層体の銅箔を全面にエッチング除去してA〜Gのポリイミドフィルムを作成した。熱膨張係数(CTE)、ガラス転移温度(Tg)、吸湿率を測定した。なお、A〜Gのポリイミドフィルムは、A〜Gのポリアミド酸から得られたことを意味する。
合成例1〜7のポリイミド前駆体溶液から生じる実施例1〜7のポリイミドフィルムは、フレキシブルプリント積層板などの絶縁樹脂用途で必要とされる耐熱性、すなわち、ガラス転移温度が350℃以上を保持しながら、本発明の目的とする低吸湿性を与え、またエッチング速度を早くすることができた。
Claims (3)
- ポリイミド樹脂層が、線膨張係数が25ppm/K以下、吸湿率が0.7wt%以下、かつ30〜80%RHの湿度膨張係数が9ppm/%RH以下である請求項1記載の配線基板用積層体。
- ポリイミド樹脂層が、エチレンジアミン11wt%とエチレングリコール22 wt%を添加した30wt%水酸化カリウム水溶液をエッチング液として使用し、80℃でエッチングしたときのエッチング速度が10μm/min以上である請求項1記載の配線基板用積層体。
Priority Applications (2)
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-
2006
- 2006-08-29 JP JP2006231993A patent/JP2008060128A/ja not_active Withdrawn
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