JP2008060000A - 電池パックおよび電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池の漏液をより確実に検出することができるようにする。
【解決手段】電池パック1は、電解質として電解液を有する電池17と、電池17を収容する筐体3と、筐体3内に離間して配設され、電圧が印加される複数の検出電極5a,5aと、検出電極5a,5a間の電位差の変化に基づき電池17の漏液を検出する漏液検出部3とを備える。電池17から電解液が漏れると、離間された検出電極5a,5aがマイグレーションにより電気的に接続されるので、検出電極5a,5a間の電位差が変化する。
【選択図】図1
【解決手段】電池パック1は、電解質として電解液を有する電池17と、電池17を収容する筐体3と、筐体3内に離間して配設され、電圧が印加される複数の検出電極5a,5aと、検出電極5a,5a間の電位差の変化に基づき電池17の漏液を検出する漏液検出部3とを備える。電池17から電解液が漏れると、離間された検出電極5a,5aがマイグレーションにより電気的に接続されるので、検出電極5a,5a間の電位差が変化する。
【選択図】図1
Description
この発明は、電池パックおよび電子機器に関する。詳しくは、電池の漏液を検出する電池パックおよび電子機器に関する。
近年、ノート型パーソナルコンピュータ(以下、ノート型PCと称する)などの情報機器や、携帯電話などの移動通信機器の需要が急増している。これらの電子機器の電源としては、二次電池を筐体に収容した電池パックが多く採用されている。電池パック内に収容される二次電池は、正極、電解質、負極を基本構成とするものが一般的であり、その電解質としては、電解質塩を溶媒に溶解してなる電解液が広く用いられている。
ところで、電池パックでは、電池パックに収容された二次電池が漏液すると、電池パック内に収容された制御回路基板の回路がショートすることがある。また、組み合わされた複数の二次電池を電池パック内に収容している場合には、電池同士がショートすることもある。このようなショートが発生すると、電池パックの発煙や発火を招く可能性がある。
そこで、溶解導電剤により電極同士を電気的に接触した状態に保持し、電池から電解液が漏れると、電解液により溶解導電剤が溶解して電極同士が離れることにより、電池の漏液を検出する漏液センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述の漏液センサでは、電池パックに加えられた振動などによって、電極同士が離れてしまう恐れがある。また、電池から多量の電解液が漏れた場合には、離れた電極同士がマイグレーションにより導通の状態となってしまうこともある。
したがって、この発明の目的は、より確実に電池の漏液を検出することができる電池パックおよび電子機器を提供することにある。
上述の課題を解決するために、この発明の第1の発明は、
電解質として電解液を有する電池と、
電池を収容する筐体と、
筐体内に離間して配設され、電圧が印加される複数の検出電極と、
検出電極間の電位差の変化に基づき電池の漏液を検出する漏液検出部と
を備えることを特徴とする電池パックである。
電解質として電解液を有する電池と、
電池を収容する筐体と、
筐体内に離間して配設され、電圧が印加される複数の検出電極と、
検出電極間の電位差の変化に基づき電池の漏液を検出する漏液検出部と
を備えることを特徴とする電池パックである。
この発明の第2の発明は、
筐体を備え、該筐体内に電解質として電解液を有する電池を収容可能である電子機器であって、
筐体内に離間して配設され、電圧が印加される複数の検出電極と、
検出電極間の電位差の変化に基づき電池の漏液を検出する漏液検出部と
を備えることを特徴とする電子機器である。
筐体を備え、該筐体内に電解質として電解液を有する電池を収容可能である電子機器であって、
筐体内に離間して配設され、電圧が印加される複数の検出電極と、
検出電極間の電位差の変化に基づき電池の漏液を検出する漏液検出部と
を備えることを特徴とする電子機器である。
この発明では、電池から電解液が漏れると、離間された複数の検出電極がマイグレーションにより電気的に接続されるので、検出電極間の電位差が変化する。したがって、検出電極間の電位差の変化に基づき電池の漏液を検出することができる。
この発明において、電解液を吸収する電解液吸収材を筐体内にさらに備え、電解液吸収材の少なくとも一部が、検出電極の上方に配設されていることが好ましい。このように電解液吸収材を備えると、電池から漏れた電解液が電解液吸収材により検出電極の上方まで導かれるので、検出電極間においてマイグレーションが発生しやすくなる。
この発明において、電解液を吸収する電解液吸収材を筐体内にさらに備え、電解液吸収材は、検出電極を覆うように設けられていることが好ましい。このように電解液吸収材を備えると、電池から漏れた電解液が電解液吸収材により吸収されるので、検出電極間においてマイグレーションが発生しやすくなる。
この発明において、筐体は、電池の漏液を収容する漏液収容部をさらに備え、検出電極は、漏液収容部内に配設されていることが好ましい。このように漏液収容部を設けることにより、電池から漏れた電解液を漏液収容部により収容することができるので、電池パック内におけるショートの発生を抑制できる。
この発明において、電池および検出電極の組が複数備えられ、複数の検出電極の組はそれぞれ、異なる電池の近傍に配設されていることが好ましい。このように複数の電池および検出電極の組を備えることにより、複数の電池のうちいずれかの電解液が漏れると、漏液した電池の近傍に配設された検出電極がマイグレーションにより電気的に接続されので、漏液をより確実に検出できる。
この発明において、検出電極の組が複数備えられ、複数の検出電極の組はそれぞれ、電池の近傍に配設されていることが好ましい。このように複数の検出電極の組を備えることにより、電池のいずれかの箇所から電解液が漏れると、電解液が漏れた箇所の近傍に配設された検出電極がマイグレーションにより電気的に接続されるので、漏液をより確実に検出できる。
以上説明したように、この発明によれば、離間された複数の検出電極がマイグレーションにより電気的に接続されたか否かに基づき電池の漏液を検出するので、より確実に電池の漏液を検出することができる。したがって、電池パックの漏液による発煙や発火をより確実に回避できる。すなわち、電池パックの安全性を向上できる。
(1)第1の実施形態
(1−1)電池パックの構成
以下、図1〜図3を参照しながら、この発明の第1の実施形態による電池パックの構成の一例について説明する。この電池パック1は、図1および図2に示すように、複数の電池17と、複数の電池17の充放電を制御する制御回路基板3と、複数の電池17および制御回路基板3を収容する筐体2とを備える。この電池パック1は、ノート型PCなどの電子機器の電源として使用されるものであり、ノート型PCなどの電子機器に対して着脱可能な構成を有している。
(1−1)電池パックの構成
以下、図1〜図3を参照しながら、この発明の第1の実施形態による電池パックの構成の一例について説明する。この電池パック1は、図1および図2に示すように、複数の電池17と、複数の電池17の充放電を制御する制御回路基板3と、複数の電池17および制御回路基板3を収容する筐体2とを備える。この電池パック1は、ノート型PCなどの電子機器の電源として使用されるものであり、ノート型PCなどの電子機器に対して着脱可能な構成を有している。
電池パック1は、正極端子11および負極端子12を備え、充電時には、正極端子11、負極端子12がそれぞれ充電器の正極端子、負極端子に接続され、充電が行われる。また、電子機器使用時には、正極端子11、負極端子12がそれぞれ電子機器の正極端子、負極端子に接続され、放電が行われる。
複数の電池17は、並列および/または直列に接続されて組電池となっている。電池17は、電解質として電解液を用いる一次電池または二次電池であり、例えばリチウムイオン二次電池である。電池17は、例えば、電池缶に電池素子を収容してなる電池、または、ラミネートフィルムなどの外装材により電池素子を被覆してなる電池である。また、複数の電池17のうちのいずれか1つに対して、温度検出素子18の検出部がテープ18aにより密着されている。
筐体2は、例えば、上ケースと下ケースとを備え、上ケースと下ケースとを組み合わせることにより収容空間が形成される。筐体2の材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂、アクリロ・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、PC−ABS樹脂などのプラスチックが挙げられる。
筐体2内には、その内側の面に沿って線状または帯状などの検出電極5a,5aが配設され、この検出電極5a,5aの一端が制御回路基板3に電気的に接続されている。検出電極5a,5a上には、この検出電極5a,5aの少なくとも一部を覆うようにして電解液吸収材6が配設されている。この電解液吸収材6としては、吸水性および難燃性に優れているものが好ましい。このような材料としては、例えば、バルカナイズド・ファイバーが挙げられる。このように吸水性に優れた材料を用いることで、漏液時にショートが発生する恐れがある部分に電解液が流入することを抑えるとともに、漏液検出をしやすくできるからである。
制御回路基板3は、コネクタなどの外部接続部4を備え、この外部接続部4に対してノート型PCなどの外部機器が接続され、外部接続部4を介して充放電などが行われる。また、制御回路基板3は、電池17の充放電の制御や電池17の監視を行う制御回路を有している。
図3に示すように、制御回路基板3は、スイッチ回路14、複数の電池17、温度検出素子18、電流検出抵抗19、AFE20、MPU21およびヒューズ22を備える。温度検出素子18は、例えばサーミスタであり、電池17の温度を測定してAFE20に供給する。電流検出抵抗19は、充放電電流を検出してAFE20に供給する。
スイッチ回路14は、充電制御FET(Field Effect Transistor)15と、放電制御FET16とを備える。スイッチ回路14は、電池電圧が過充電検出電圧となったときは、充電制御FET15をOFFとし、充電電流が流れないように制御される。なお、充電制御FET15のOFF後は寄生ダイオード15aを介することによって放電のみが可能となる。また、スイッチ回路14は、電池電圧が過放電検出電圧となったときは、放電制御FET16をOFFとし、放電電流が流れないように制御される。なお、放電制御FET16のOFF後は寄生ダイオード16aを介することによって充電のみが可能となる。
AFE20は、各電池17の電圧を測定し、この測定電圧をA/D変換してMPU21に供給する。AFE20は、電流検出抵抗19により電流を測定し、この測定電流をA/D変換してMPU21に供給する。AFE20は、温度検出素子18により温度を測定し、この測定温度をA/D変換してMPU21に供給する。
MPU21は、AFE20から供給される電圧が所定電圧を越える場合には、ヒューズ22を溶断する。MPU21は、AFE20を介してスイッチ回路14を制御して、充電電流をON/OFFする。例えば、MPU21は、電池17のいずれかの電圧が過充電検出電圧になったときや、電池17のいずれかの電圧が過放電検出電圧以下になったとき、AFE20を介してスイッチ回路14に制御信号を送ることにより、過充電および過放電を防止する。ここで、リチウムイオン二次電池の場合、過充電検出電圧が例えば4.2V±0.5Vと定められ、過放電検出電圧が例えば2.4V±0.1Vと定められる。
MPU21の検出ポートに対して一方の検出電極5aが接続され、他方の検出電極5aがグランド(GND)に接続される。検出電極5a,5aは、例えば5mm程度の間隔を離して配設される。電池17が漏液すると、検出電極5a,5a間がマイグレーション5cにより電気的に接続される。なお、マイグレーションとは、金属成分が非金属媒体の上や中を横切って移動する現象である。検出電極5a,5aを構成する材料としては、マイグレーションが発生しやすいものを用いることが好ましく、このような材料としては、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、錫(Sn)、鉛(Pd)、ニッケル(Ni)、金(Au)などを挙げることができる。
MPU21は、検出ポートのレベルを監視し、例えば、検出ポートがGNDレベルとなった場合には、電池17の漏液が発生していると判断する。MPU21は、漏液が発生していると判断した場合には、ヒューズ22を溶断する、または、スイッチ回路14をAFE20を介して制御して、充放電をOFFの状態とする。これにより、電池パック1が永久故障モードになり、電池パック1が使用不可能状態になる。
(1−2)電池パックの動作
以下、図4を参照しながら、漏電時における電池パック1の動作の一例について説明する。
以下、図4を参照しながら、漏電時における電池パック1の動作の一例について説明する。
ステップS1において、MPU21は、通常使用モードにて動作する。次に、ステップS2において、MPU21は、例えば、検出ポートがGNDレベルとなったか否かに基づき、漏液があるか否かを判断する。ステップS2において漏液がないと判断された場合には、MPU21は、ステップS1において通常使用モードを維持する。ステップS2において漏液があると判断された場合には、ステップS3において、MPU21は、永久故障モードに遷移する。具体的には例えば、MPU21が、ヒューズ22を溶断し、または、充電制御FET15および放電制御FET16をともにOFFにする。ここで、永久故障モードとは、電池パック1が使用不可能な状態となるモードのことである。
この発明の第1の実施形態では、電池17が漏液すると、電圧が印加された検出電極5a,5a間がマイグレーション5cにより電気的に接続されるので、検出電極5a,5a間の電位差が変化する。したがって、検出電極5a,5a間の電位差の変化を検出することで電池17の漏液を検出することができる。
また、検出電極5a,5a上に設けられた電解液吸収材6が、電池17から漏れた電解液を吸収するので、検出電極5a,5a間においてマイグレーションが発生しやすくなる。したがって、漏液の検出までの時間を短縮できる。すなわち、漏液の検出感度を向上することができる。
また、電池17が漏液すると、電解液吸収材6が電解液を吸収するので、電池17や制御回路基板3におけるショートの発生を抑えることができる。すなわち、電池パック1の安全性を向上することができる。
(2)第2の実施形態
次に、図5〜図6を参照しながら、第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態は、上述の第1の実施形態において、漏液収容部7を筐体2に設けたものである。この漏液収容部7は、筐体2に設けられた空洞部であり、その形状は特に限定されるものではない。筐体2の内側の面には、漏液収容部7内に漏液を収容するための収容口7aが設けられている。この収容口7aは、例えば、接続された複数の電池17のうちのいずれかの電池17の近傍に設けられる。制御回路基板3に一端が接続された検出電極5b,5bは、例えば、制御回路基板3から漏液収容部7の収容口7aまで筐体2の内側の面に沿って配設された後、収容口7aにおいて屈曲されて漏液収容部7の内部に導入される。また、漏液収容部7の収容口7aは電解液吸収材6により覆われる。
次に、図5〜図6を参照しながら、第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態は、上述の第1の実施形態において、漏液収容部7を筐体2に設けたものである。この漏液収容部7は、筐体2に設けられた空洞部であり、その形状は特に限定されるものではない。筐体2の内側の面には、漏液収容部7内に漏液を収容するための収容口7aが設けられている。この収容口7aは、例えば、接続された複数の電池17のうちのいずれかの電池17の近傍に設けられる。制御回路基板3に一端が接続された検出電極5b,5bは、例えば、制御回路基板3から漏液収容部7の収容口7aまで筐体2の内側の面に沿って配設された後、収容口7aにおいて屈曲されて漏液収容部7の内部に導入される。また、漏液収容部7の収容口7aは電解液吸収材6により覆われる。
この第2の実施形態では、電池17が漏液すると、まず、電解液吸収材6が電解液を吸収し、その後、電池17がさらに漏液して電解液吸収材6の吸収量を越えた場合には、漏液収容部7に電解液が流れ込むので、電解液を一時的に漏液収容部7に収容することができる。したがって、漏液の量が電解液吸収材6の吸収量を超えてしまった場合でも、電池17や制御回路基板3におけるショートの発生を抑えることができる。すなわち、電池パック1の安全性をより向上することができる。
(3)第3の実施形態
次に、図7を参照しながら、第3の実施形態について説明する。この発明の第3の実施形態は、上述の第2の実施形態において、複数の漏液収容部7を筐体2に設けたものである。複数の漏液収容部7の収容口7aは、例えば、接続された複数の電池の近傍にそれぞれ設けられる。また、上述の第2の実施形態と同様に、複数の漏液収容部7には検出電極5b,5bが導入され、漏液収容部7の収容口7aは電解液吸収材6により覆われる。
次に、図7を参照しながら、第3の実施形態について説明する。この発明の第3の実施形態は、上述の第2の実施形態において、複数の漏液収容部7を筐体2に設けたものである。複数の漏液収容部7の収容口7aは、例えば、接続された複数の電池の近傍にそれぞれ設けられる。また、上述の第2の実施形態と同様に、複数の漏液収容部7には検出電極5b,5bが導入され、漏液収容部7の収容口7aは電解液吸収材6により覆われる。
この第3の実施形態では、複数の電池17のうちのいずれかが漏液すると、まず、漏液した電池17の近傍に配設された電解液吸収材6が電解液を吸収し、マイグレーションにより検出電極5b,5b間が電気的に接続される。したがって、複数の電池17のうちのいずれの電解液が漏れた場合にも、漏液をより確実に検出することができる。すなわち、漏液の検出精度を向上することができる。
(4)第4の実施形態
次に、図8を参照しながら、第4の実施形態について説明する。この発明の第4の実施形態は、上述の第3の実施形態において、複数の漏液収容部7を1つの電池17の近傍に設けたものである。複数の漏液収容部7の収容口7aが、例えば、1つの電池17の近傍に電池17から異なる距離を離して設けられている。
次に、図8を参照しながら、第4の実施形態について説明する。この発明の第4の実施形態は、上述の第3の実施形態において、複数の漏液収容部7を1つの電池17の近傍に設けたものである。複数の漏液収容部7の収容口7aが、例えば、1つの電池17の近傍に電池17から異なる距離を離して設けられている。
この発明の第4の実施形態では、1つの電池17の近傍に複数の収容口7aが設けられ、この収容口7a内に検出電極5b、5bが配設され、これらの検出電極5b、5b上に収容口7aを覆うようにして電解液吸収材6が配設されているので、複数の収容口7aが近傍に設けられた電池17のいずれかの箇所から漏液すると、電解液が漏れた箇所の近傍に設けられた電解液吸収材6が電解液を吸収し、マイグレーションにより検出電極5b,5b間が電気的に接続される。したがって、複数の漏液収容部7が近傍に設けられた電池17が漏液した場合には、漏液をより確実に検出することができる。すなわち、漏液の検出精度を向上することができる。
(5)第5の実施形態
次に、図9を参照しながら、第5の実施形態について説明する。この発明の第5の実施形態は、上述の第1の実施形態において漏液収容部7をさらに設け、この漏液収容部7に検出電極5b,5bを配設したものである。
次に、図9を参照しながら、第5の実施形態について説明する。この発明の第5の実施形態は、上述の第1の実施形態において漏液収容部7をさらに設け、この漏液収容部7に検出電極5b,5bを配設したものである。
MPU21は、筐体2の内側の面に配設された検出電極5a,5aにより漏液が検出された場合には、通信端子13a、13bを介してノート型PCなどの電子機器に、漏液が発生したことを通知する。この通知を受けた電子機器は、この電子機器に設けられた液晶表示装置などの表示部に、漏液の発生をユーザに促す情報を表示する、または、この電子機器に設けられたスピーカなどの音声出力部から、漏液の発生をユーザに促すアラーム音などの音声情報を出力する。
MPU21は、漏液収容部7に導入された検出電極5b,5bにより漏液が検出された場合には、ヒューズ22を溶断し、または、充電制御FET15および放電制御FET16をともにOFFにする。これにより、電池パック1が使用不可能な状態となる。また、MPU21は、通信端子13a、13bを介してノート型PCなどの電子機器に、漏液により電池パックが使用不可能な状態になったことを通知する。この通知を受けた電子機器は、この電子機器に設けられた液晶表示装置などの表示部に、電池パック1が使用不可能となったことをユーザに促す情報を表示する、または、この電子機器に設けられたスピーカなどの音声出力部から、電池パック1が使用不可能となったことをユーザに促すアラーム音などの音声情報を出力する。
この第5の実施形態では、電池17が漏液すると、まず、電解液吸収材6が電解液を吸収し、その後、電池17がさらに漏液すると、漏液収容部7に電解液が流れ込む。したがって、電池17が漏液すると、まず、筐体2の内側の面に配設された検出電極5a,5a間がマイグレーションにより電気的に接続され、その後、電池17がさらに漏液すると、漏液収容部7内に配設された検出電極5b,5b間がマイグレーションにより電気的に接続される。すなわち、漏液の度合いを検出することができるので、漏液の度合いに基づき、ユーザに漏液を告知したり、電池パックを使用不可能な状態にしたりすることが可能となる。
以上、この発明の第1〜第5の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の第1〜第5の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の第1〜第5の実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。また、上述の第1〜第5の実施形態の各構成は、この発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、上述の第1〜第5の実施形態において、電池パック1にユーザに漏液が発生したことを告知する告知部を設けるようにしてもよい。例えば、電池パック1にLED(Light Emitting Diode)などの表示部を設け、MPU21が漏液を検出した場合には、LEDを点灯するなどして、ユーザに漏液が発生したことを告知するようにしてもよい。また、電池パック1にアラーム音などを出力する音声出力部を設け、MPU21が漏液を検出した場合には、アラーム音などの音声を出力するなどして、ユーザに漏液が発生したことを告知するようにしてもよい。
また、上述の第1〜第5の実施形態において、漏液が検出された場合に、電池パック1が漏液の発生をノート型PCなどの電子機器に通知するようにしてもよい。例えば、MPU21は、筐体2に配設された検出電極5a,5aまたは検出電極5b,5bにより漏液が検出された場合には、通信端子13a、13bを介してノート型PCなどの電子機器に、漏液が発生したことを通知する。この通知を受けた電子機器は、この電子機器に設けられた液晶表示装置などの表示部に、漏液の発生をユーザに促す情報を表示する、または、この電子機器に設けられたスピーカなどの音声出力部から、漏液の発生をユーザに促すアラーム音などの音声情報を出力する。
また、上述の第1〜第5の実施形態において、電池パックに対してこの発明を適用した場合を例として説明したが、1または複数の電池を収容する電子機器に対してもこの発明は適用可能である。この場合には、電子機器の筐体に、漏液を検出するための検出電極や、電解液を収容するための漏液収容部を設けるようにすればよい。
また、上述の第1〜第5の実施形態では、検出電極5a,5aまたは検出電極5b,5bを覆うように電解液吸収材6が配設されている場合を例として説明したが、電解液吸収材6と検出電極5a,5aまたは検出電極5b,5bとの位置関係は、離間された電極間においてマイグレーションが発生しやすいようになっていればよく、この例に限定されるものではない。例えば、検出電極5a,5aまたは検出電極5b,5bの上方または近傍に電解液吸収材6の一端が配設されるようにしてもよい。また、筐体2と、検出電極5a,5aまたは検出電極5b,5bとの間に電解液吸収材6が配設されるようにしてもよい。
また、上述の第1〜第5の実施形態において、電解液吸収材6が電池17と筐体2との間に挟まれるように、電解液吸収材6を筐体2内に配設するようにしてもよい。このようにすると、電池17が漏液すると、漏液が電解液吸収材6により直ぐに吸収されるので、漏液の検出までの時間を短縮できる。すなわち、漏液の検出感度を向上することができる。
1・・・電池パック、2・・・筐体、3・・・制御回路基板、4・・・外部接続部、5a,5b・・・検出電極、5c・・・マイグレーション、6・・・電解液吸収材、7・・・漏液収容部、7a・・・収容口、14・・・スイッチ回路、15・・・充電制御FET、16・・・放電制御FET、17・・・電池、18・・・温度検出素子、19・・・電流検出抵抗、20・・・AFE、21・・・MPU、22・・・ヒューズ
Claims (7)
- 電解質として電解液を有する電池と、
上記電池を収容する筐体と、
上記筐体内に離間して配設され、電圧が印加される複数の検出電極と、
上記検出電極間の電位差の変化に基づき電池の漏液を検出する漏液検出部と
を備えることを特徴とする電池パック。 - 電解液を吸収する電解液吸収材を上記筐体内にさらに備え、
上記電解液吸収材の少なくとも一部が、上記検出電極の上方に配設されていることを特徴とする請求項1記載の電池パック。 - 電解液を吸収する電解液吸収材を上記筐体内にさらに備え、
上記電解液吸収材は、上記検出電極を覆うように設けられていることを特徴とする請求項1記載の電池パック。 - 上記筐体は、上記電池の漏液を収容する漏液収容部をさらに備え、
上記検出電極は、上記漏液収容部内に配設されていることを特徴とする請求項1記載の電池パック。 - 上記電池および検出電極の組が複数備えられ、
上記複数の検出電極の組はそれぞれ、異なる上記電池の近傍に配設されていることを特徴とする請求項1記載の電池パック。 - 上記検出電極の組が複数備えられ、
上記複数の検出電極の組はそれぞれ、上記電池の近傍に配設されていることを特徴とする請求項1記載の電池パック。 - 筐体を備え、該筐体内に電解質として電解液を有する電池を収容可能である電子機器であって、
上記筐体内に離間して配設され、電圧が印加される複数の検出電極と、
上記検出電極間の電位差の変化に基づき電池の漏液を検出する漏液検出部と
を備えることを特徴とする電子機器。
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