JP2008059854A - 色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物およびそれを用いた色素増感型太陽電池用封止材 - Google Patents

色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物およびそれを用いた色素増感型太陽電池用封止材 Download PDF

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Abstract

【課題】色素増感型太陽電池に使用される電解液に対して優れた耐性を有し、ガスバリア性に優れ、作業性の良い一液硬化が可能な、信頼性の高いシール性能を有した色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物およびそれを用いた色素増感型太陽電池用封止材の提供する。
【解決手段】色素増感型太陽電池の電解液を封止する封止材用樹脂組成物であって、下記の(A)からなる主剤と(B)からなる硬化剤との反応生成物を主成分とすることを特徴とする色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物。
(A)1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状フルオロポリエーテル化合物。
(B)シリケート化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、色素増感型太陽電池内に封入される電解液の封止に用いられ、電解液のシール性能等に優れた封止材を形成しうる色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物およびそれを用いた色素増感型太陽電池用封止材に関するものである。
1991年にグレッツェルらが発表した色素増感型太陽電池は、シリコン半導体のpn接合型の太陽電池とは異なるメカニズムによって作動し、CVDなどの設備投資が不要な為、製造コストが安いという利点がある。この太陽電池は、内部に電解液を封入してあることから湿式太陽電池とも呼ばれる。上記色素増感型太陽電池は、具体的には、図1に示すような構造を有する。すなわち、図において、1は、ガラス等からなる透明基板であり、上記透明基板1の片方の面に透明導電膜2が形成され、上記透明導電膜2の上に酸化チタンの粒子を均一に塗布、加熱して多孔質膜3が形成され、さらに上記多孔質膜3に、ルテニウム錯体等といった太陽光を効率的に吸収することのできる増感色素4が吸着されている。このようにして、陰極となる電極基板が構成されている。陽極となる電極基板は、上記と同様の透明基板1’の片方の面に透明導電膜2’が形成されたものであり、これら二枚の電極基板は、その導電膜側を、図示のように対峙させた状態で封止材7を介して接合され、両基板と封止材7とによって形成された密閉空間に電解液5が注入され、図示のような色素増感型太陽電池が構成されている。
図1の色素増感型太陽電池が電気を発生する仕組みは、つぎのとおりである。すなわち、陰極側において、透明基板1に光が当たると、増感色素4が光を吸収し、電子を放出する。この電子は、酸化チタン粒子を用いてなる多孔質膜3に移動し透明導電膜2(電極)に伝わる。そして、この電子が、陽極側の透明導電膜2’(電極)に移動することにより、電解液5中のイオンを還元する。その還元されたイオンが、電解液5中を移動し、陰極側の増感色素4上で再び酸化される。これを繰り返すことにより、電気が発生する。
このように、色素増感型太陽電池では、電子の授受のために必要な電解液5が用いられる。この液体の電解液5以外にも、例えばゲル電解質や固体電解質もあるが、発電効率の点から、通常、図1のように電解液5が用いられる。上記電解液5として、好ましくは、ヨウ素溶液、臭素溶液、未結合電子を運搬する遷移金属錯体溶液が用いられ、これらの溶液には、アセトニトリルなどの有機溶媒が使用されている。
そして、封止材7は、図1に示すように、上記電解液を封入する空間を形成すると同時に、封入された電解液の漏れ止めを行う。すなわち、封止材7には、二枚の電極基板の間に電解液を封入する空間を構成するためのスペーサーとしての機能だけでなく、電解液が電池から漏れないようにするためのシール材としての機能も要求される。ここで、従来の封止材の一例として、電解液の溶媒に溶解しにくい樹脂製のガスケットがあげられる。このガスケットは、電極基板に密着してシールしているだけであるため、接合界面からの漏れを起こしやすい。上記のような漏れを生じる個所を塞ぐには、通常、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の液状硬化性樹脂が用いられる(特許文献1参照)。このエポキシ樹脂やシリコーン樹脂は、色素増感型太陽電池の電解液に長期間接触すると、膨潤したり、劣化するため、ガスケットと電極基板との接合界面を塞ぐことができなくなり、その界面から、電解液が漏洩するおそれがある。そして、このような液状硬化性樹脂は、一般に、樹脂と硬化剤との混合直後からの硬化進行が早く、作業性が悪いという問題もある。
一方、上記封止材7の形成材料として、ポリイソブチレン系、イソプレン系またはメタアクリレート系の弾性材料を使用することも提案されている。このような弾性材料の使用により、電極基板の重量に対する耐圧縮永久歪み性や、電極基板の変形に追従する低モジュラス性も得られることから、良好なシール性が得られるようになる(特許文献2〜4参照)。しかしながら、ポリイソブチレン系、イソプレン系またはメタアクリレート系の弾性材料を用いて封止材を形成した場合、電解液に用いられているアセトニトリル等の有機溶楳に対する耐性が低いため、やはり、電解液漏洩という問題を生じ、発電特性の低下を招く。
特開2000−30767号公報 特開2004−95248号公報 特開2004−311036号公報 特開2005−30264号公報
このような従来の封止材料の欠点の解消を目的として、本発明者らは、これまで、耐有機溶媒性等の点でフッ素系ポリマーを用いた弾性材料の使用を検討してきたが、ガスバリア性および作業性において依然として改善の余地がある。ここで、ガスバリア性が不充分だと、外部からの酸素の透過により、増感色素の分解が生じやすく、その結果、発電特性の低下が引き起こされる。
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、耐有機溶媒性に優れるフッ素系ポリマーを用いつつ、そのガスバリア性を高めるとともに、作業性も高め、信頼性の高いシール性能を発揮しうる色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物およびそれを用いて得られる色素増感型太陽電池用封止材の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、色素増感型太陽電池の電解液を封止する封止材用樹脂組成物であって、下記の(A)からなる主剤と(B)からなる硬化剤との反応生成物を主成分とする色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物を第一の要旨とする。また、この第一の要旨の色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物を用いて形成されている色素増感型太陽電池用封止材を第二の要旨とする。
(A)1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状フルオロポリエーテル化合物。
(B)シリケート化合物。
すなわち、本発明者らは、耐有機溶媒性に優れるフッ素系ポリマーであるパーフルオロポリエーテルを中心に一連の研究を行った結果、色素増感型太陽電池用封止材として、特定のパーフルオロポリエーテル系フッ素ポリマーを、その硬化剤とともに用いた場合には、アセトニトリル等の有機溶媒に対する耐性が得られるとともに、電極基板との接着性も得られることを突き止めた。しかしながら、上記フッ素系ポリマー自体は、先に述べたように、電解液から発生するガス(昇華ヨウ素、揮発有機溶媒等)のバリア性に改善の余地があり、太陽電池の発電特性低下の要因となるおそれがある。一方、上記封止材が二液硬化タイプの場合には、一般に、二液混合直後からの硬化進行が早いため、封止材形成の直前に二液を混合し、素早く塗布・貼り合わせ等行わなければならず、作業性に改善の余地がある。そこで、本発明者らは、フッ素系ポリマーの優位性を保持したまま、上記問題を解決するため、さらに研究を重ねた結果、有機無機ハイブリッド構造が有用であると想起するに至った。すなわち、硬化剤としてシリケート化合物を用いることにより、特定のパーフルオロポリエーテル系フッ素ポリマーの末端にシリケート化合物を導入した有機無機ハイブリット構造形成用の樹脂化合物が得られる。そして、この樹脂化合物は、それ自体もしくはそれと加工助剤等の任意成分とから色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物となる。この組成物は、基板上に塗布等することにより、樹脂化合物中のアルコキシシリル基が、基板上に存在する水酸基や空気中の水分と反応することによって硬化するという、一液硬化性を有する。また、この樹脂組成物を用いて形成した封止材は、アルコキシシラン化合物が分子レベルで分散され、この無機成分であるアルコキシシラン化合物の遮断作用によって、ガスの低透過性(フッ素系ポリマーのみでは達成できないレベル)も効果的に得られるようになる。
以上のように、本発明の色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物は、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状フルオロポリエーテル化合物(A)と、シリケート化合物(B)との反応生成物を主成分とする封止材用樹脂組成物である。そのため、色素増感型太陽電池内に封入される電解液(アセトニトリル等)に対して優れた耐性を有し、電極基板に対する優れた接着性を有するとともに、電解液から発生するガス(揮発溶媒、昇華ヨウ素等)等の低透過性を有し、上記ガス等の漏洩による酸化還元能力低下に起因する発電特性の低下を防止することができるという封止材を構成することが可能となる。また、上記(A)および(B)からなる反応生成物は、パーフルオロポリエーテルの末端にシリケート化合物を導入した樹脂化合物であり、この樹脂化合物中のアルコキシシリル基が、基板上に存在する水酸基や空気中の水分によって反応し架橋するため、一液硬化が可能となり、作業性の向上を図ることができる。
また、上記水酸基を有する特定の直鎖状フルオロポリエーテル化合物(A)が、下記一般式(1)で示されるものである場合には、本発明の色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物は、耐電解液性に、より優れた封止材を形成することができるようになる。
特に、上記シリケート化合物(B)が、下記一般式(2)で示されるメトキシシラン化合物を、部分的に加水分解、縮合して得られるメトキシシランオリゴマーである場合には、本発明の色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物は、耐電解液性および電極基板に対する接着性に、より優れた封止材を形成することができるようになる。
また、上記シリケート化合物(B)の配合量が、上記A成分100重量部に対して、11〜44重量部の範囲内である場合には、本発明の色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物は、ガスバリア性および電極基板に対する接着性に、さらに一層優れた封止材を形成することができるようになる。
さらに、上記(A)成分と(B)成分との反応が、エステル交換触媒の存在下で行われる場合には、本発明の色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物は、耐電解液性、電極基板に対する接着性、およびガスバリア性に、さらに優れた封止材を形成することができるようになる。
そして、上記色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物を用いて形成された本発明の色素増感型太陽電池用封止材は、色素増感型太陽電池内に封入される電解液(アセトニトリル等)に対して優れた耐性を有し、電解液漏洩による発電特性の低下を防止することができるとともに、電解液から発生するガス(揮発溶媒、昇華ヨウ素等)に対する低透過性を有し、上記ガス漏洩による酸化還元能力低下起因の発電特性の低下も防止することができる。さらに、本発明の封止材は、電極基板に対し、強固に接着一体化するため、色素増感型太陽電池の構造の強化も実現することができる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物は、下記の(A)からなる主剤と(B)からなる硬化剤との反応生成物を主成分とする。ここで主成分とは、色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物全体の過半を占める成分のことをいい、全体が主成分のみからなる場合も含める趣旨である。
(A)1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状フルオロポリエーテル化合物。
(B)シリケート化合物。
上記(A)成分の、水酸基を有する特定の直鎖状フルオロポリエーテル化合物としては、特に限定はないが、好ましくは、下記の一般式(1)に示すようなものがあげられる。
Figure 2008059854
上記水酸基を有する特定の直鎖状フルオロポリエーテル化合物(A)とともに用いられるシリケート化合物(B)は、シリケートであれば特に限定はないが、アルコキシシラン化合物を部分的に加水分解、縮合して得られるアルコキシシランオリゴマーが好ましい。
上記アルコキシシラン化合物のアルコキシ基は、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、炭素数1又は2のアルコキシ基であることが特に好ましい。炭素数が2を超えると、加水分解性が低下する傾向にあるからである。特に好ましくは、下記一般式(2)で示されるメトキシシラン化合物である。
Figure 2008059854
そして、上記のようなアルコキシシラン化合物を部分的に加水分解、縮合して得られるアルコキシシランオリゴマーとしては、例えば、メトキシシラン化合物縮合体、エトキシシラン化合物縮合体、n−プロポキシシラン化合物縮合体、iso−プロポキシシラン化合物縮合体、n−ブトキシシラン化合物縮合体、sec−ブトキシシラン化合物縮合体、tert−ブトキシシラン化合物縮合体、n−ペントキシシラン化合物縮合体、iso−ペントキシシラン化合物縮合体、ネオペントキシシラン化合物縮合体等があげられる。特に好ましくは、メトキシシラン化合物縮合体、エトキシシラン化合物縮合体であり、最も好ましいものは、下記一般式(3)で示されるメトキシシラン化合物縮合体である。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
Figure 2008059854
上記アルコキシシランオリゴマーとしては、例えば、上記一般式(3)においてnで表される平均縮合度が2〜10であるアルコキシシラン化合物縮合体が好ましい。10を超えると、作成後の封止材が白濁する等の不具合が生じる傾向にあるためである。なお、平均縮合度が1であるものは、アルコキシシランそのものである。シリケート化合物を適度な粘度とする観点から、平均縮合度2〜6が特に好ましい。
このアルコキシシランオリゴマーを有する化合物は、(B)成分のシリケート化合物として用いられるが、その際、そのアルコキシシランオリゴマーだけでなく、他のシリケート化合物(例えば、メトキシシラン等のアルコキシシラン)と併用されてもよい。その場合、アルコキシシランオリゴマーは、(B)成分のシリケート化合物全体の過半を占めるよう設定される。
(A)成分の直鎖状フルオロポリエーテル化合物と(B)成分のシリケート化合物との配合割合は、直鎖状フルオロポリエーテル化合物(A)100重量部(以下、「部」と略す)に対して、シリケート化合物(B)を11〜44部の範囲に設定することが好ましい。すなわち、11部未満であると、架橋が充分に行われないため、ガスバリア性と接着性が低くなる傾向があり、逆に44部を超えると、架橋密度が高くなりすぎ、硬く脆くなったりする傾向がみられるからである。
本発明の封止材用組成物は、上記(A)成分と(B)成分との反応生成物(シリケート変性ポリフルオロポリエーテル化合物)を主成分とするものであり、使用(封止材の形成)に先立って、または使用に際して両成分を反応させることが行われる。この場合、両成分の反応が、エステル交換触媒の存在下で行われるときには、このエステル交換触媒としては、例えば、有機酸、金属酸化物、有機金属、金属錯体、金属アルコキシド等が用いられる。
上記エステル交換触媒における、有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸等があげられる。また、金属酸化物、有機金属、金属錯体、金属アルコキシド等の金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、砒素、セリウム、硼素、カドミウム、マンガン等があげられ、特に好ましくは、有機錫である。このような有機錫としては、例えば、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジラウリン酸ジブチル錫等があげられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記エステル交換触媒の配合割合は、上記水酸基を有する特定の直鎖状フルオロポリエーテル化合物(A)100部に対して、0.1〜5部の範囲に設定することが好ましい。
さらに、本発明の色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物(以下、「封止材用樹脂組成物」という)には、上記(A)、(B)およびエステル交換触媒の各成分以外にも、必要に応じて、界面活性剤、加硫促進剤、可塑剤、充填剤、加硫遅延剤、加工助剤、難燃剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等の他の添加剤を適宜に配合することができる。
本発明の封止材用樹脂組成物は、上記(A)成分および(B)成分を配合し、さらに必要に応じて、エステル交換触媒および上記の添加剤を配合し、20〜300℃、好ましくは60〜100℃の温度範囲で、0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間加熱混合(攪拌羽根等により混練)することにより、例えば、下記一般式(4)で示されるような反応生成物を調製し、これを主成分とするものである。
Figure 2008059854
上記(A)成分と(B)成分との反応生成物は、直鎖状フルオロポリエーテル化合物(A)の水酸基と、シリケート化合物(B)に存在するアルコキシシリル基とが反応してなるものである。
このようにして得られた本発明の封止材用樹脂組成物は、基板上に存在する水酸基や空気中の水分等によって、樹脂化合物中のアルコキシシリル基が架橋反応を起こし硬化するため、硬化過程で硬化剤を添加する等の特別な処理を必要としない一液硬化が可能な封止材形成材料である。
本発明の封止材用樹脂組成物を色素増感型太陽電池の封止材として用いることは、例えば、つぎのようにして行う。すなわち、上記樹脂組成物を、色素増感型太陽電池の基板上周縁部に塗布等し、図1に示すように基板1および1’を、この樹脂組成物により貼り合わせる。その後、放置(例えば、常温で24時間放置等)することにより、完全硬化させ、色素増感型太陽電池用封止材7にする。また、放置に換えて、加熱処理(例えば、150℃で3時間の加熱等)を行うことにより、短時間で色素増感型太陽電池用封止材7にすることもできる。
本発明の封止材用樹脂組成物は、二枚の電極基板の間に電解液を封入する空間を構成するためのスペーサー等としての役割を果たす封止材7の形成材料として用いられるものであるが、その接着性等の高さから、従来技術であるガスケットと電極基板との接合界面からのガス漏れや液漏れを塞ぐための封止材(接着剤)としても、作業性よく利用することができる。なお、本発明の色素増感型太陽電池用封止材は、図1に示す封止材7のような形状や使用形態に、特に限定されるものではない。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状フルオロポリエーテル化合物(ソルベイソレクシス社製、フルオロリンクE10H)100部と、シリケート化合物(多摩化学株式会社製、MS−51)22部と、エステル交換触媒(ジラウリン酸ジ−n−ブチルすず、片山化学製)0.1部とを、攪拌羽根を用いて80℃で4時間加熱混練することにより、封止材用樹脂組成物を調製した。
シリケート化合物の配合量を、11部にした。これ以外は、実施例1と同様にして、封止材用樹脂組成物を調製した。
シリケート化合物の配合量を、44部にした。これ以外は、実施例1と同様にして、封止材用樹脂組成物を調製した。
〔比較例1〕
二液硬化タイプであるポリイソブチレン系シーリング材(コニシ株式会社、エクシールIB)を使用した。
このようにして得られた実施例1〜3および比較例1の材料を用いて、下記の基準に従ってサンプルを作製し、各特性の評価を行った。また、これらの結果を、後記の表1に併せて示した。
〔耐溶剤性〕
上記実施例品および比較例品を用いて、ドクターブレード法により10mm×10mm×厚み5mmの膜を作製し、これを150℃×3時間加熱加硫して、サンプルを作製した。そして、このサンプルを、電解液(片山化学社製、アセトニトリル)に60℃の温度範囲にて100時間浸漬した。この浸漬前後のサンプルの重量変化率を、下記の数式(i)に基づき算出し、耐溶剤性の評価を行った。すなわち、本発明では、上記重量変化率が5%未満であるものを○と評価した。
Figure 2008059854
〔ヨウ素低透過性〕
上記実施例品および比較例品を用いて、ドクターブレード法により20mm×20mm×厚み100μmの膜を作製し、これを150℃×3時間加熱加硫して、サンプルを作製した。一方、容量7mlのガラス瓶を準備し、そのなかへヨウ素0.5gを入れた後、上記ガラス瓶の開口部を上記サンプルで蓋をし、これをエポキシ系接着剤で固定した。そして、上記サンプルの上に白紙を置き、室温(25℃)にて放置した。このとき、昇華したヨウ素が上記サンプルを透過し、上記白紙を着色するまでの時間を測定し、ヨウ素低透過性の評価を行った。すなわち、本発明では、上記着色にかかる時間が6時間未満であるものを×、24時間以上であるものを○と評価した。なお、本発明に要求されるヨウ素透過に必要な時間は24時間以上である。
〔揮発アセトニトリル低透過性〕
上記「ヨウ素低透過性」試験に使用のサンプルと同様のものを用い、揮発アセトニトリル低透過性の評価を行った。すなわち、容量7mlのガラス瓶を準備し、そのなかへアセトニトリル6mlを入れた後、上記ガラス瓶の開口部を上記サンプルで蓋をし、これをエポキシ系接着剤で固定した。そして、このものを、室温(25℃)にて168時間放置した。この放置前後の上記アセトニトリルの重量変化率を、下記の数式(ii)に基づき算出し、揮発アセトニトリル低透過性の評価を行った。すなわち、本発明では、上記重量変化率が5%以上であるものを×、重量変化率が1%未満であるものを○と評価した。なお、本発明に要求されるアセトニトリル重量変化率は、168時間経過後1%未満である。
Figure 2008059854
〔接着性〕
上記実施例品および比較例品をJIS K6850に準拠して、150℃×3時間加熱加硫することにより、剪断剥離用サンプルを作製し、この試験片の剪断剥離強度(剥離速度50mm/分)を測定し、評価した。すなわち、本発明では、上記剪断剥離強度が0.1MPa以上であるものを○、0.1MPa未満であるものを×と評価した。なお、比較例1の剪断剥離用サンプルを作製する際、シランカップリング剤系のエクシールIB専用プライマー(コニシ株式会社、シールプライマーGM)にて、前処理を行った。
Figure 2008059854
上記結果から、実施例1〜3品は、いずれも耐溶剤性、ヨウ素低透過性、揮発アセトニトリル低透過性および接着性の全ての機能において、優れていることがわかる。
これに対して、比較例1品は、ヨウ素低透過性、揮発アセトニトリル低透過性および接着性について、良好であるものの、耐溶剤性に劣る結果となった。
本発明の封止材用樹脂組成物は、色素増感型太陽電池の電極基板間に設けられ、上記電池内に電解液を封止するための封止材を形成する材料として用いられ、さらに、従来の色素増感型太陽電池におけるガスケットと電極基板との接合界面からのガス漏れや液漏れを塞ぐための封止材(接着剤)としても利用することができる。なお、上記封止材用樹脂組成物を用いた封止材は、封止用途以外にも、上記電解液を封入する空間を構成するためのスペーサー等としての役割を果たす。
色素増感型太陽電池の一例を示す断面図である。

Claims (6)

  1. 色素増感型太陽電池の電解液を封止する封止材用樹脂組成物であって、下記の(A)からなる主剤と(B)からなる硬化剤との反応生成物を主成分とすることを特徴とする色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物。
    (A)1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、その分子の主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する、直鎖状フルオロポリエーテル化合物。
    (B)シリケート化合物。
  2. 上記(A)成分が、下記の一般式(1)に示すものである請求項1記載の色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物。
    Figure 2008059854
  3. 上記(B)成分が、下記一般式(2)で示されるメトキシシラン化合物を、部分的に加水分解、縮合して得られるメトキシシランオリゴマーである請求項1または請求項2記載の色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物。
    Figure 2008059854
  4. 上記(B)成分の含有割合が、上記(A)成分100重量部に対して、11〜44重量部の範囲に設定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物。
  5. 上記(A)成分と(B)成分との反応が、エステル交換触媒の存在下で行われる請求項1〜4のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池の封止材用樹脂組成物を用いて形成されていることを特徴とする色素増感型太陽電池用封止材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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