JP2008053030A - 入射角制限板及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】コントラストを向上させる入射角制限板及びそれを用いたプラズマディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】入射角制限板100は、外光の入射側に鋭角の頂角及び出射側に平面を有するプリズム形状に形成された複数の光学部材110と、光学部材のうち鋭角の頂点及び頂点の近傍領域を遮光する遮光部120とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルの前面に配置される入射角制限板に関する。
近年、CRTディスプレイに代わるフラットディスプレイへの期待が高まり、奥行きを抑えた薄型の液晶ディスプレイやプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)等が普及しつつある。特に、大画面の薄型ディスプレイにはPDPが用いられることも多い。しかし、PDPは液晶ディスプレイと比べてコントラストが低いことが問題とされている。例えば、蛍光灯の下や太陽光など明るい場所にPDPが設置されると、蛍光体層が形成された発光部内部に外光が入射して反射されるため、コントラストがより低下するという問題があった。
これに対して、発光部の観察者側の面に透過率の低いフィルタが配置されたPDPが知られている。かかるPDPにおいて、外光はフィルタを透過した後、プラズマ発光部で反射され、再度フィルタを透過して観察者により観察される。一方、プラズマ発光部から発光された映像光は一度だけフィルタを透過して観察者により観察される。このように、外光は透過率の低いフィルタを二度透過することになるので、映像光と比べてフィルタによる影響を大きく受ける。すなわち、外光の光量低下は映像光よりも大きくなるので、明るい場所でのコントラストの低下を軽減できる。
また、明るい場所でも高いコントラストを実現する別の方法として、例えば特許文献1のカラープラズマディスプレイパネルが提案されている。特許文献1のPDPは、対応する画素毎にカラーフィルタを設けている。すなわち、特許文献1のPDPは、誘電体層に接するか、あるいは誘電体層の内部に、無機顔料微粒子を主成分とする薄いカラーフィルター層が形成された構造を有している。これにより、特許文献1は外光の反射を抑え、明るい場所でもコントラストの低下が軽減されたPDPを提供できるとしている。
特開平10−69859号公報
しかしながら、外光が発光部内部に入射することを防ぐために透過率の低いフィルタを発光部前面に配置すると、観察されるべき映像光もフィルタにより減衰されるため、パネル輝度が低下するという問題があった。また、特許文献1のPDPについても同様に、発光部で発光された映像光はカラーフィルタ層を通過して減衰されるのでパネル輝度が低下するという問題があった。
そこで本発明の目的は、コントラストを向上させる入射角制限板及びそれを用いたプラズマディスプレイパネルを提供することにある。
本発明の目的は、以下の構成を備えた入射角制限板によって達成される。入射角制限板は、外光の入射側に鋭角の頂角及び出射側に平面を有するプリズム形状に形成された複数の光学部材と、
光学部材のうち鋭角の頂点及び頂点の近傍領域を遮光する遮光部とを備える。
本発明の目的は、以下の構成を備えたプラズマディスプレイパネルによって達成される。互いに離隔して配置される前面板及び背面板と、
前面板と背面板との間に形成される放電空間を区画する隔壁と、
隔壁により区画された放電セル内に形成される蛍光体層と、
前面板及び背面板にそれぞれ配列され、放電セル内で放電を発生させるための電極とを備えるプラズマディスプレイパネルにおいて、
前面板上に、
外光の入射側に鋭角の頂角及び出射側に平面を有するプリズム形状に形成された複数の光学部材と、
光学部材のうち鋭角の頂点及び頂点の近傍領域を遮光する遮光部とを備える入射角制限板を含む。
本発明により、コントラストを向上させる入射角制限板及びそれを用いたプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
(実施の形態1)
本実施の形態に係るプラズマディスプレイパネル(PDP)について図面を参照しながら説明する。室内の蛍光灯の下や太陽光が入射する明るい環境において、PDPには全方位からの外光が入射すると考えられるが、特にコントラストの低下に大きく影響を与える外光はPDPに対して斜め方向から入射する光であると考えられる。したがって、本実施の形態のPDPは、入射する外光のうち、斜め上下方向から入射する外光が発光部内部へ流入することを防止して、コントラストを向上させる点に特徴がある。以下、本実施の形態のPDPの構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係るPDPの概略断面図である。図1に示すように、PDPは互いに離隔して配置される前面板1と背面板2とを備える。また、前面板1上(観察者側)にはプリズム110が形成されている。なお、図1では本実施の形態の特徴的な構成を示しており、その他の部分については一部省略している。
前面板1と背面板2との間の空間にはプラズマ放電を発生させる放電空間が形成される。放電空間にはヘリウム(He)、ネオン(Ne)、キセノン(Xe)、アルゴン(Ar)などを混合した放電ガスが封入される。放電空間は隔壁130により複数の区画に仕切られており、単位発光領域となる複数の放電セル200が形成されている。そして3つの隣り合う放電セル200の内壁及び側面に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各蛍光体が放電セル毎に色分け塗布され蛍光体層135が形成される。
前面板1には、PDPとしての機能を実現するために各電極や誘電体層、保護膜等の各構成要素がそれぞれ適切な位置に形成される(図示せず)。例えば、前面板1には、走査電極と維持電極とで対をなすストライプ状の表示電極が複数形成され、表示電極を覆うように、例えばガラス等からなる誘電体層が形成される。さらに誘電体層上に例えば酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層が形成される。なお、これらの構成は一例であり、様々な変形例を適用することができる。
入射角制限板100は、複数のプリズム110と遮光部120を含み、入射角度の大きな外光が放電セル200内に流入することを防止する。プリズム110は、断面三角形状であり、外光の入射側に鋭角の頂角を有し、かつ出射側が平面に形成された光学部材である。各プリズム110は稜線の方向が水平方向になるよう互いに平行に配置される。これにより、遮光すべき外光の入射角度の方向をPDPに対して上下方向にすることができ、左右方向の視野角特性に影響を与えることがない。なお、放電セル200から出射される映像光がプリズムで散乱されて解像度が低下する場合があるため、プリズム110のピッチは、映像の画素ピッチよりも小さいことが好ましい。さらに望ましいピッチは、画素ピッチの10分の1以下である。
各プリズム110の頂点及び頂点を含む斜面の一部には遮光部120が形成される。遮光部120は、例えばプリズムの斜面に黒色塗料が塗布されたものであり、入射した光を吸収する。なお、遮光部120は、黒色塗料を塗布したものだけではなく、例えば黒色材料を添加したガラスやアクリル等を用いてもよいし、斜面の一部に反射防止膜を蒸着させてもよい。
背面板2は、データ電極150と絶縁体層140とを含む。すなわち、背面板2には絶縁体層140で覆われたデータ電極150及び、データ電極150と平行してストライプ状の複数の隔壁130が前面板1と背面板2との間に形成される。隔壁130は、前面板1と背面板2との間に形成される放電空間を区画し、放電セル200を形成する。放電セル200の内壁及び側面には蛍光体層135が色分け塗布される。
このように構成されたPDPにおいて、電極間に電圧が印加されると、放電セル200に放電が発生し、励起された例えば混合ガス中のヘリウム(He)原子から紫外線が生じる。そして蛍光体層135が励起されて可視光が発生し表示動作が行われる。すなわち、表示電極とデータ電極150との交点となる複数の放電セルで構成される領域において表示動作を行って画像が表示される。
次に、PDPに入射する外光の光路について説明する。図2は、PDPに外光が入射した場合の光路図を示す。図2において、前面板1に入射する外光のうち、斜め上方から入射する入射角度の大きな外光はプリズム110に入射するが、プリズム110の斜面には遮光部120が形成されているため、入射した外光は遮光部120に吸収される。このように、プリズム110の頂点を含む斜面の一部に遮光部120を設けているので、入射角度の大きな外光が放電セル200内に入射することを防ぐことができるので、コントラストの向上を図ることができる。なお、放電セル200から出射される映像光の一部は遮光部120により遮光されることになるが、遮光部120はプリズム斜面の一部に形成されるにすぎないので、出射される映像光に与える影響は小さい。また、より影響を小さくするためにはプリズム110をさらに小さなピッチで配置すればよい。
ここで、図2の場合よりも小さいな入射角度で外光が入射したときの光路図を図3に示す。図3において、斜め上方から入射する外光は、その一部が遮光部120に吸収され、残りの外光はプリズムの斜面で屈折された後、プリズム内面で反射される。図2、図3から分かるように、入射角度が大きくなるにつれて遮光部120で遮光される外光の割合は増大し、予め設定された角度以上の入射角度で入射した外光は全て遮光部120により吸収される。なお、遮光すべき外光の入射角度は、プリズム頂角と、プリズム斜面の長さに対する遮光部120の長さの比とから決定される。具体的には、プリズム頂角をより小さく(より鋭角に)すると、入射角度が小さい外光を遮光することになる。また、プリズム頂角を小さくし、プリズム斜面の長さに対する遮光部120の長さの比を大きくすれば、遮光すべき外光の入射角度を一定にすることができる。
以上のように、本実施の形態のプラズマディスプレイパネルは、前面板にプリズムと遮光部とを含む入射角制限板を備えているので、入射角度の大きな外光が放電セルに入射することを防止する。これにより、室内の蛍光灯や太陽光が入射する明るい場所にPDPが設置されてもコントラストが高く明るい映像を提供することができる。
また、本実施の形態のプラズマディスプレイパネルは、プリズム頂角と、プリズム斜面の長さに対する遮光部の長さの比とを変更することにより、遮光すべき外光の入射角度を変化させることができるので、PDPが設置される環境に応じてコントラストを向上させることができる。
(実施の形態2)
次に実施の形態2のPDPについて図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態のPDPの概略断面図及び光路図である。本実施の形態のPDPは、実施の形態1のPDPとほぼ同様の構成を備えるが、入射角制限板の構成が異なる。以下、実施の形態1と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
図4に示すように、本実施の形態のPDPにおいて、隣接する二つのプリズムで挟まれる谷部が平面になるよう各プリズムは間隔を隔てて配列されている。さらに、プリズムの頂点及び頂点に接する斜面の全てに遮光部120が形成される。この構成により、実施の形態1と同様に入射角度の大きな外光の全ては遮光部120により吸収されるが、予め定められた角度よりも入射角度が小さい外光は、その一部が遮光部120に吸収され、残りの外光は平板に入射する。すなわち、遮光部120により吸収されなかった外光は、実施の形態1と異なりプリズム110内に入射しないので屈折、反射されずに平板を透過する。この構成により、さらに入射角制限板100を、放電セル200の近傍だけではなく少し離れた位置に配置することができる。
また、映像光は平板を透過し、平面に形成された各プリズム間から出射されるので、散乱されることがなく解像度を低下させることがない。そのため、プリズム110のピッチは解像度低下の原因となりにくいが、モアレ等が発生しない程度に設定することが好ましい。
以上のように、本実施の形態のプラズマディスプレイパネルにおいて、各プリズムは所定の間隔を隔てて配列され、二つのプリズムに挟まれた谷部が平面に形成される。また、頂点及び頂点に接するプリズムの斜面の全てに遮光部が形成されているので、実施の形態1の効果に加えて、発光された映像光が散乱されず、解像度の低下を軽減できる。また、遮光部より吸収されなかった外光は、前面板内で散乱されることがないのでコントラストの低下を軽減することができる。また上記構成により、入射角制限板を放電セル近傍だけでなく、少し離れた位置に配置することが可能になるので、設計の自由度が向上する。
なお、実施の形態1及び2において、前面板及び背面板に含まれる各電極、誘電体層、保護層等の各要素の構成は一例であり、PDPとしての機能を実現可能な構成であれば、これに限られない。
なお、実施の形態1及び2において、外光が入射する光学部材としてプリズムを用いたが、これに限られない。PDPに対して斜め方向からの光をより多く入射させることができる突起形状の光学部材でもよく、例えば外光の入射側に曲面形状を有する光学部材でもよい。
本発明は、コントラストの向上が要望されるCRTディスプレイやプラズマディスプレイなどの映像表示部等に好適である。
実施の形態1に係るプラズマディスプレイパネルの概略断面図 実施の形態1に係るPDPに外光が入射した場合の光路図 実施の形態1において、入射角度が小さな外光がPDPに入射したときの光路図 実施の形態2のPDPの概略断面図及び光路図
符号の説明
1 前面板
2 背面板
100 入射角制限板
110 プリズム
120 遮光部
130 隔壁
135 蛍光体層
140 絶縁体層
150 データ電極
200 放電セル

Claims (4)

  1. 外光の入射側に鋭角の頂角及び出射側に平面を有するプリズム形状に形成された複数の光学部材と、
    前記光学部材のうち鋭角の頂点及び頂点の近傍領域を遮光する遮光部とを備える、入射角制限板。
  2. 前記複数の光学部材は、所定の間隔を隔てて配列され、
    隣接する二つの光学部材で挟まれる谷部は、平面に形成されており、
    前記遮光部は、前記鋭角の頂点及び頂点に接する面の全てを遮光する、請求項1に記載の入射角制限板。
  3. 前記複数の光学部材は、稜線が互いに平行になるよう配列されるプリズムである、請求項1に記載の入射角制限板。
  4. 互いに離隔して配置される前面板及び背面板と、
    前記前面板と前記背面板との間に形成される放電空間を区画する隔壁と、
    前記隔壁により区画された放電セル内に形成される蛍光体層と、
    前記前面板及び背面板にそれぞれ配列され、前記放電セル内で放電を発生させるための電極とを備えるプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記前面板上に、
    外光の入射側に鋭角の頂角及び出射側に平面を有するプリズム形状に形成された複数の光学部材と、
    前記光学部材のうち鋭角の頂点及び頂点の近傍領域を遮光する遮光部とを備える入射角制限板を含む、プラズマディスプレイパネル。

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009157046A1 (ja) * 2008-06-27 2009-12-30 株式会社日立製作所 プラズマディスプレイ装置
JP2011060550A (ja) * 2009-09-09 2011-03-24 Fujifilm Corp 有機電界発光装置及びその製造方法

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