JP2008048160A - 基地局装置及び移動端末の故障検出装置並びにそれらの故障検出方法 - Google Patents

基地局装置及び移動端末の故障検出装置並びにそれらの故障検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】信号処理部の運用状態を保ちながら詳細故障検出を行うことができる基地局装置及び移動端末の故障検出装置並びにそれらの故障検出方法を提供する。
【解決手段】割り当てられた設定呼に関する信号処理を行うベースバンド処理手段を複数備える基地局装置の故障検出装置であって、当該基地局装置の故障検出装置は、各ベースバンド処理手段に対してそれぞれ設けられ、その対象ベースバンド処理手段に割り当てられた設定呼の上りチャネルに関する送信電力制御で利用される情報に基づいて、当該対象ベースバンド処理手段に設定された累積呼数及びそのうちの異常呼数をカウントする複数の監視手段と、当該各監視手段により得られる各ベースバンド処理手段の異常呼数及び累積呼数をそれぞれ収集し、収集された異常呼数及び累積呼数に基づいて、当該複数のベースバンド処理手段のうち故障の発生しているベースバンド処理手段を判定する判定手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、基地局装置及び移動端末内の信号処理部の故障検出装置並びにそれらの故障検出方法に関する。
無線アクセスネットワークは、基地局に相当するノードB(Node-B)、無線リソース制御(RRC)、無線リンク制御(RLC)等の機能を有し当該基地局を制御する無線ネットワーク制御装置(以降、RNCと表記する)等の論理ノードにより構成される。図23は、CDMA(Code Division Multiple Access)移動通信システムにおけるノードB周
辺のシステム構成の例を示す図である。
図23に示すように、ノードBは、自身の呼設定の容量に応じて複数のベースバンド処理部10を備える。各ベースバンド処理部10は、無線変調/復調部11とハイウェイインタフェース部12との間で各設定呼の拡散・逆拡散処理、コーディング・デコーディング処理等をそれぞれ行っている。ハイウェイインタフェース部12は、ノードBとその上位処理層にあたるRNCとの間のインタフェース機能を担い、無線変調/復調部11は、送信信号(下り信号)を変調し受信信号(上り信号)を復調する。
図24は、ノードBにおけるベースバンド処理部10の機能構成を示す図である。各ベースバンド処理部10は、逆拡散部21、RAKE合成部22、チャネル推定部23、デインタリーブ部25、チャネル復号部26、CRC判定部27、上り電力制御部30、チャネル符号化部31、インタリーブ部32、拡散部33、下り送信電力値算出部35、パイロット生成部37等をそれぞれ有する。
無線変調/復調部11から送られる上りの復調信号は、逆拡散部21において所定のコードで逆拡散され、RAKE合成部22へ送られる。また、逆拡散されることにより得られた信号からはパイロットシンボルが検出され、この検出されたパイロットシンボルに基づいてチャネル推定部23によりチャネル推定が行われる。そして、RAKE合成部22において、マルチパスで伝搬されてきた各信号が当該チャネル推定値で補正(位相補正、振幅補正等)され、重み付け合成(RAKE合成)される。このようにしてRAKE合成部22から出力される上り物理チャネルの制御信号において、それに含まれる送信電力制御用のデータ(TPC(Transmit Power Control)ビット)は、下り送信電力値算出部35に送られ、同制御信号に含まれる受信データフォーマット情報となるTFCI(Transport Format Combination Indicator)は、デインタリーブ部25に送られる。また、検出されたパイロットシンボルは、上り電力制御部30へ送られる。
RAKE合成部22から出力される上り物理チャネルのデータ信号は、デインタリーブ部25により上記TFCIが用いられることによりデインタリーブされ、上位処理層へ送るための各トランスポートブロックにそれぞれ分割される。各トランスポートブロックはそれぞれチャネル復号部26により復号される。CRC判定部27は、この復号された各トランスポートブロックに含まれる巡回冗長検査(CRC)ビットを判定する。最終的に、復号された各トランスポートブロック及びそのCRC判定結果(CRCI)は、ハイウェイインタフェース部12を経由して上位処理層であるRNCへ送られる。
一方、下り送信信号を構成するトランスポートブロックがRNCからハイウェイインタフェース部12を経由して送られてきた場合には、これら各トランスポートブロックは、チャネル符号化部31により符号化され、インタリーブ部32により所定のフォーマット
においてインタリーブされることにより、下り物理チャネルで伝送される信号とされる。これらの信号は、拡散部33により所定コードで拡散され、無線変調/復調部11へ送られる。
このとき、下り送信信号には、上り電力制御部30から送られるTPCビット値が設定され、パイロット生成部37から送られるパイロット信号が設定され、下り送信電力値算出部35から送られる送信電力値に応じた送信電力が与えられる。
このように、ノードBでは、送信電力制御として、インナループ制御及びアウタループ制御が行われる。図25は、このような送信電力制御を示す図である。以下、図25を用いて、インナループ制御及びアウタループ制御の詳細について説明する。
まず、インナループ制御について説明する。上り電力制御部30では、RAKE合成部22から送られてくるパイロットシンボルの受信電力が測定され、SIR(Signal to Interference Ratio)値が算出される。上り電力制御部30は、算出されたSIR測定値と保持されているSIR目標値とを比較することにより、上り信号の送信電力制御に用いられるためのTPCビット値を得る。具体的には、SIR測定値がSIR目標値よりも大きい場合には、上り送信電力を下げることを示すTPCビット値(0)が得られ、SIR測定値がSIR目標値よりも小さい場合には、上り送信電力を上げることを示すTPCビット値(1)が得られる。このようにして得られたTPCビット値は、下り送信信号に設定される。これにより、その下り信号を受信した端末において、そのTPCビット値に応じて上り信号の送信電力が制御される。
次に、アウタループ制御について説明する。上述したインナループ制御では、上り電力制御部30においてSIR測定値とSIR目標値とが比較され、TPCビット値が決定されていた。アウタループ制御では、このSIR目標値が所定の周期で適切な値に更新される。
具体的には、RNC2において、受信されたトランスポートブロック単位でCRCIが検出され、そのCRCIがエラーを示す場合には、SIR増減値(△sir)が所定の増加値分(△up)増やされ、そのCRCIが正常を示す場合には、SIR増減値(△sir)が所定の減少値分(Δdown)減らされる。RNC2は、このようにして得られたSIR増減値を所定の制御タイマ(T_OL)周期でノードBに通知する。このSIR増減値は、ベースバンド処理部10の上り電力制御部30に送られる。上り電力制御部30は、このSIR増減値(△sir)を予め保持されるSIR初期値(SIR_ini)に加算し、SIR目標値(SIR_tag)を得る。以降、インナループ制御においてこのSIR目標値が利用されるようになる。
ところで、このようなノードB装置においては、特定の機能部が故障することにより異常現象が発生した場合、装置内部で異常箇所が検出され、運用に支障とならないように該当の機能部の運用を停止する制御が実施される。更に、このように故障が検出された場合には、ノードBから上位ネットワークを通じ、ノードB保守部門へその旨が通知される。
ノードB内のベースバンド処理部10に関しては主に、定期的に実施される単体試験により故障検出が行われる。この定期的な単体試験では、ベースバンド処理部10内で生成された試験信号を内部疎通させた後で期待値と照合する方法等が用いられる。この方法によれば、ベースバンド処理部における故障部位の詳細確認を行うことができる。
なお、本願発明に係る先行技術文献としては、以下の文献に開示されたものがある。
特開2004−364323号公報
しかしながら、上述のようなノードBにおける故障検出方法として採られる定期的な単体試験では、試験対象となるベースバンド処理部の運用を一時的に停止する必要がある。従って、この方法では、ノードBを正常に稼動させるための故障検出によって、逆にノードBの稼動効率が低下することになり問題である。
また、その他の故障検出方法として、通常運用呼の疎通状態により故障を検出する方法も用いられるが、従来のこの方法では、詳細部の故障(異常)検出ができないという問題があった。
よって、現状では、信号処理部の詳細部位について故障検出する必要がある場合には、上述のような定期的な単体試験の実施が不可欠となっている。
本発明の目的は、信号処理部の運用状態を保ちながら詳細故障検出を行うことができる基地局装置及び移動端末の故障検出装置並びにそれらの故障検出方法を提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために以下の構成を採用する。即ち、本発明は、割り当てられた設定呼に関する信号処理を行うベースバンド処理手段を複数備える基地局装置の故障検出装置であって、各ベースバンド処理手段に対してそれぞれ設けられ、その対象ベースバンド処理手段に割り当てられた設定呼の上りチャネルに関する送信電力制御で利用される情報に基づいて、当該対象ベースバンド処理手段に設定された累積呼数及びそのうちの異常呼数をカウントする複数の監視手段と、当該各監視手段により得られる各ベースバンド処理手段の異常呼数及び累積呼数をそれぞれ収集し、収集された異常呼数及び累積呼数に基づいて、当該複数のベースバンド処理手段のうち故障の発生しているベースバンド処理手段を判定する判定手段とを備える基地局装置の故障検出装置についてのものである。
本発明では、各ベースバンド処理手段に対してそれぞれ設けられる複数の監視手段と判定手段とにより、複数のベースバンド処理手段のうち故障の発生したベースバンド処理手段が検出される。この検出にあたり、各監視手段では、対象のベースバンド処理手段に割り当てられた設定呼の上りチャネルに関する送信電力制御で利用される情報に基づいて、当該対象のベースバンド処理手段に設定された累積呼数及びそのうちの異常呼数がカウントされ、これらの情報に基づいて故障の発生しているベースバンド処理手段が判定される。
これにより、本発明によれば、ベースバンド処理手段の通常の運用状況において、故障の発生しているベースバンド処理手段を検出することができる。従って、信号処理部の故障検出にあたり当該信号処理部の運用を停止させる必要もないため、信号処理部の稼働率が低下することがない。
更に、本発明によれば、ベースバンド処理手段の送信電力制御で利用される情報に基づいて異常呼が監視され、この監視結果としての累積呼数及び異常呼数に基づいて故障の発生しているベースバンド処理手段が検出されるため、各ベースバンド処理手段についてそれぞれ詳細故障検出を行うことができる。
また、上記基地局装置の故障検出装置に関する第一の態様では、上記送信電力制御で利
用される情報は、対象ベースバンド処理手段に割り当てられた設定呼に関する下り信号に設定される送信電力制御情報である。
更に、上記各監視手段は、上記送信電力制御情報に対応する送信電力増減値を算出する算出手段と、上記送信電力増減値を所定の周期で参照し、参照時における送信電力増減値が所定の閾値より大きくなる異常回数及びそれ以外の正常回数をそれぞれカウントするカウント手段と、このカウント手段により得られる異常回数及び正常回数に基づいて、その正常回数が所定の閾値より大きくなる前に異常回数が所定の閾値より大きくなる呼を異常呼と判断する判断手段とをそれぞれ有する。
上記送信電力制御情報とは、たとえば、TPCビットである。本発明によれば、上りチャネルの送信電力制御の指示情報となる送信電力制御情報の指示結果にあたる送信電力増減値が用いられることにより、この送信電力増減値が極端に高くなる現象を生ずる呼が異常呼として判断される。
これは、上り信号の送信電力値が極端に低く見積もられ、信号干渉電力比(SIR)測定値が常にSIR目標値より低くなることから、下りチャネルに配置される送信電力制御情報が送信電力を上昇させる値に設定され続けるという現象を検出し、このような呼を異常呼とするものである。
また、上記基地局装置の故障検出装置に関する第二の態様では、上記送信電力制御で利用される情報は、対象ベースバンド処理手段に割り当てられた設定呼の上りチャネルに関する送信電力制御に利用される信号干渉電力比の増減値である。
更に、上記各監視手段は、当該信号干渉電力比の増減値を所定の周期で参照し、参照時における信号干渉電力比の増減値が前回参照時よりも大きく、かつ、所定の閾値より大きくなる異常回数及びそれ以外の正常回数をそれぞれカウントするカウント手段と、このカウント手段により得られる異常回数及び正常回数に基づいて、その正常回数が所定の閾値より大きくなる前に異常回数が所定の閾値より大きくなる呼を異常呼と判断する判断手段とをそれぞれ有する。
本発明では、いわゆるアウタループ制御にて出力される信号干渉電力比の増減値が用いられることにより、この信号干渉電力比の増減値が継続的に極端に高くなる現象を生ずる呼が異常呼として判断される。
これは、アウタループ制御においてトランスポートブロックのCRC判定においてNGが多発した場合、信号干渉電力比の増減値が継続的に増加されるという特性に基づき、そのような場合を上り物理チャネルのデコーディング処理部の故障と判断するものである。
また、本発明は、通信相手となる基地局装置を切り替えながら無線通信を行う移動端末の故障検出を行う故障検出装置であって、当該通信相手となる基地局装置との間の下りチャネルに関する送信電力制御で利用される情報に基づいて、ベースバンド処理手段に設定された累積呼数、そのうちの異常呼数及び異常無線リンク数をカウントする監視手段と、この監視手段により得られる異常呼数、累積呼数及異常無線リンク数に基づいて、自装置の故障を判定する判定手段とを備える移動端末の故障検出装置についてのものである。
本発明では、移動端末の故障検出にあたり、上述の基地局装置の故障検出装置における情報に加えて、更に異常無線リンク数を考慮する。
従って、本発明によれば、基地局装置の故障か移動端末の故障かを適切に判別すること
が可能となる。
なお、本発明は、以上の何れかの機能によって実行される方法であってもよいし、以上の何れかの機能をコンピュータ上で実現させるプログラムであってもよいし、そのようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であってもよい。
本発明によれば、信号処理部の運用状態を保ちながら詳細故障検出を行うことができる基地局装置及び端末装置の故障検出装置並びにそれらの故障検出方法を実現することができる。
以下、図面を参照して、それぞれ本発明の実施形態における移動通信システムについて説明する。なお、以下に述べる実施形態の構成は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態における移動通信システムについて、以下に説明する。
〔システム構成〕
まず、第一実施形態における移動通信システムのシステム構成について、図1を用いて説明する。図1は、第一実施形態における移動通信システムのシステム構成を示すブロック図である。
第一実施形態における移動通信システムは、アンテナ15、屋外受信増幅器16、ノードB(Node-B)1等を有する基地局装置、この基地局装置を制御する無線ネットワーク制御装置(以降、RNCと表記する)がネットワークにより接続されることにより構成される。そして、移動端末(以降、UEと表記する)5は、この基地局装置と無線通信を行うことにより本実施形態における移動通信システムと接続する。以下、本実施形態における移動通信システムを構成する各装置及びUE5についてそれぞれ説明する。
〈基地局装置〉
基地局装置は、アンテナ15、屋外受信増幅器(OA−RA(Open Air Receiver Amplifier))16、ノードB(Node-B)1等を有する。基地局装置では、アンテナ15によ
り受信された信号がOA−RA16により増幅されノードB1に送られる。また、ユーザへの送信信号は、ノードBから出力され、OA−RA16を経由してアンテナ15から送信される。
〈〈ノードB〉〉
ノードB1は、ハードウェア構成として、以下に示す各機能部をそれぞれ実現する回路(ICチップ等)により構成される。なお、ノードB1は、CPU(Central Processing
Unit)、メモリ、入出力インタフェース等を備え、このCPUによりメモリに記憶され
るプログラムが実行されることで以下に示す各機能部を実現するようにしてもよい。
ノードB1は、アンプ部17、無線変調/復調部11、ベースバンド処理部10((1)から(N))、ハイウェイインタフェース部12、ベースバンドリソース管理部19等を有する。
無線変調/復調部11は、OA−RA16から出力される受信信号(上り信号)を受けると、所定の方式で復調し、復調された信号を各ベースバンド処理部10へそれぞれ送る
。一方、各ベースバンド処理部10からそれぞれ出力される送信信号(下り信号)を受けた場合には、無線変調/復調部11は、所定方式において変調し、変調された信号をアンプ部17へ送る。アンプ部17は、当該変調信号を無線周波数へ変換し、変換された信号をOA−RA16へ送る。
ハイウェイインタフェース部12は、ノードB1とその上位処理層にあたるRNC2との間のインタフェース機能を担う。
ベースバンド処理部10は、ノードB1の呼設定の容量に応じた数(N個)分備えられる。以下、ベースバンド処理部10の詳細について図2を用いて説明する。図2は、第一実施形態におけるベースバンド処理部10の機能構成を示すブロック図である。各ベースバンド処理部10は、逆拡散部21、RAKE合成部22、チャネル推定部23、デインタリーブ部25、チャネル復号部26、CRC判定部27、上り電力制御部30、チャネル符号化部31、インタリーブ部32、拡散部33、下り送信電力値算出部35、パイロット生成部37、インナループ監視部51等をそれぞれ有する。本実施形態におけるベースバンド処理部10は、図24に示される従来のベースバンド処理部と異なり、インナループ監視部51が付加されている。このインナループ監視部51以外の機能部については、従来技術と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、本実施形態では、UE5と基地局装置との間の無線通信には、多重化方式としてCDMA(Code Division Multiple Access)方式を利用する場合を例に挙げるが、本発明は、このような多重化方式に限
定されるものではない。
以下、インナループ監視部51と関連する機能部である上り電力制御部30について、図3を用いて説明する。図3は、第一実施形態における上り電力制御部30の機能構成を示すブロック図である。上り電力制御部30は、SIR測定部41、SIR目標値算出部43、TPCビット判定部42等を有する。SIR測定部41は、RAKE合成部22から送られてくるパイロットシンボルの受信電力を測定し、SIR(Signal to Interference Ratio)値を算出する。SIR測定部41により算出されたSIR測定値(SIR_mes)は、TPCビット判定部42に送られる。
SIR目標値算出部43は、アウタループ制御においてRNC2により求められるSIR増減値(△sir)をハイウェイインタフェース部12を経由して受ける。このSIR増減値(△sir)は、制御タイマ(T_OL)周期毎にRNC2から送られる。このSIR増減値(△sir)が送られてくると、SIR目標値算出部43は、予めメモリ等に保持されるSIR初期値(SIR_ini)とこのSIR増減値(△sir)とを加算して、新たなSIR目標値(SIR_tag)を算出する。これにより、算出された新たなSIR目標値(SIR_tag)により、TPCビット判定部42は、TPCビットを決定する。なお、制御タイマ(T_OL)は、アウタループ制御の設定値として例えば10秒と設定される。本発明は、この制御タイマ(T_OL)の設定値を限定するものではない。
TPCビット判定部42は、SIR測定部41により算出されたSIR測定値(SIR_mes)とSIR目標値算出部43により算出されたSIR目標値(SIR_tag)とを比較することにより、上り信号の送信電力制御に用いられるためのTPCビット値を得る。具体的には、SIR測定値がSIR目標値よりも大きい場合には、上り送信電力を下げることを示すTPCビット値(0)が得られ、SIR測定値がSIR目標値よりも小さい場合には、上り送信電力を上げることを示すTPCビット値(1)が得られる。このようにして得られたTPCビット値は、下り送信信号に設定される他、インナループ監視部51に送られる。
以下、インナループ監視部51について図4を用いて説明する。図4は、インナループ監視部51の処理概念を示す図である。インナループ監視部51は、各ベースバンド処理部10にそれぞれ備えられ、所定の機能部の故障検出を以下のように実行する。インナループ監視部51において故障検出される機能部としては、例えば、逆拡散部21より後段処理部であるチャネル推定部23及びRAKE合成部22がある。
インナループ監視部51は、上述の上り電力制御部30から出力されるTPCビット値をスロット周期で受け、そのTPCビット値に基づいて電力増減値(△Pow)を更新する。電力増減値の初期値は0とされ、スロット周期間隔で当該電力増減値は以下のように随時更新される。
TPCビット値=1の時、△Pow <== △Pow + 1
TPCビット値=0の時、△Pow <== △Pow − 1
例えば、故障検出の対象となるチャネル推定部23及びRAKE合成部22の機能が正常に動作していない場合、下り信号に設定されるTPCビット値に依存してUE5から送信される信号の送信電力が上昇したとしても、所望の高いSIR値は得られない。これにより、下り信号に設定されるTPCビットは1に設定され続けることになるため、電力増減値(△Pow)は随時増加することになる。
インナループ監視部51は、一定時間(T_pow)間隔でその時点での電力増減値(△Pow)を読み出し、予めメモリ等に保持される電力増減閾値(△Pow_max)と比較を行う。インナループ監視部51は、この比較の結果に応じて、TPC_OK値もしくはTPC_NG値を更新する。具体的には、電力増減値(△Pow)が電力増減閾値(△Pow_max)以下となる場合には、TPC_OK値を1インクリメントする。電力増減値(△Pow)が電力増減閾値(△Pow_max)より大きくなる場合には、TPC_NG値を1インクリメントする。なお、当該TPC_OK値及びTPC_NG値は、呼設定後の上り同期確立時に初期値0に設定される。
ここで、当該電力増減閾値(△Pow_max)は、一定時間(T_pow)内において下り信号に設定されるTPCビット値が1となる回数が異常に多いとみなされる電力増減値(△Pow)の閾値として指定される値である。但し、一定時間(T_pow)内において送信可能な下り物理チャネルの最大スロット数をN_slotとした場合に、電力増減閾値(△Pow_max)は、以下に示す条件を満たす必要がある。
1 << △Pow_max < N_slot (但し、N_slot=1500×
T_pow)
当該TPC_OK値及びTPC_NG値が更新された後、電力増減値(△Pow)は初期化(0設定)され、一定時間(T_pow)間隔で同様の処理が繰り返される。
図5は、インナループ監視部51におけるTPC_OK値及びTPC_NG値の更新の例を示すグラフである。図5のグラフの縦軸は電力増減値(△Pow)を示し、横軸は呼接続時間を示している。また、縦破線の横軸方向の間隔が一定時間(T_pow)(秒)を示す。図5は、UE5からの上り信号に関し同期確立されてから(呼設定されてから)TPC_OK値及びTPC_NG値の更新が開始され、上記縦破線におけるタイミングで当該TPC_OK値及びTPC_NG値が更新され、更新後には、電力増減値(△Pow)が初期化されることを示している。
インナループ監視部51は、当該TPC_OK値及びTPC_NG値を監視することにより、更に、以下のようにCH_num値及びNG_num値を更新する。このCH_num値は各ベースバンド処理部10にそれぞれ設定された呼数の累積値を示し、NG_n
um値はCH_num値中の異常呼とみなされる呼数の累積値を示す。また、CH_num値とNG_num値は、特定単位のベースバンドリソース毎に割り当てられており、ノードB起動時の初期値はともに0とされる。
インナループ監視部51は、TPC_OK値がTPC_OK_maxに達する前に、TPC_NG値がTPC_NG_maxに達した場合には、NG_num値及びCH_num値をそれぞれ1インクリメントする。一方、TPC_NG値がTPC_NG_maxに達する前に、TPC_OK値がTPC_OK_maxに達した場合には、CH_num値のみを1インクリメントする。閾値としてのTPC_OK_max及びTPC_NG_maxとはそれぞれ予めメモリ等に保持され、TPC_OK_max + TPC_NG_max = TPC_numという条件を満たすように設定される。このTPC_numは、一定時間(T_pow)分のサンプル数を示す。なお、TPC_OK値及びTPC_NG値がいずれも当該閾値に達する前に設定呼が切断されリソースが開放された場合、その呼に関しては判定対象から除外し、上記計算処理は実施されない。また、CH_num値が更新されると、TPC_OK値及びTPC_NG値は初期化(0)され、これらの値は次の呼設定があるまで更新されない。
ところで、電力増減値(△Pow)の読み出し周期である一定時間(T_pow)は、スロット周期が660マイクロ秒(μs)の場合に、例えば100ミリ秒(ms)と設定される。この例では、電力増減値(△Pow)が150回更新される度に、当該TPC_OK値及びTPC_NG値が1回更新されることになる。なお、この一定時間(T_pow)は、当該基地局装置の設置環境等に応じて調整可能な値であり、本発明はこの値を限定するものではない。
また、インナループ監視部51の処理により更新された累積呼数(CH_num)と累積異常呼数(NG_num)とは、ベースバンドリソース管理部19に利用される。ベースバンドリソース管理部19に当該CH_num値及びNG_num値が読み込まれると、インナループ監視部51は、当該CH_num値及びNG_num値を初期値(0)に戻す。
ベースバンドリソース管理部19は、一定時間(T(IL)_ref)間隔において、全ベースバンド処理部10(ベースバンドリソース数=N)のインナループ監視部51からCH_num値及びNG_num値を読み込み、故障の発生しているベースバンド処理部を判定する。以下、図6を用いて、ベースバンドリソース管理部51について説明する。図6は、第一実施形態におけるベースバンドリソース管理部の機能構成を示す図である。ベースバンドリソース管理部19は、判定対象選択部61、発生率算出部62、前判定部63、故障リソース判定部64等を有する。
判定対象選択部61は、一定時間(T(IL)_ref)間隔で読み込まれたベースバンド処理部(1)−(N)のそれぞれのCH_num値及びNG_num値から、故障判定の対象とするベースバンド処理部を選択する。具体的には、判定対象選択部61は、累積呼数(CH_num[i](i:ベースバンド処理部の番号))が所定の閾値(CH_num_min)未満となるベースバンド処理部を故障判定対象から除外する。累積呼数が少ない場合には、故障判定の精度が悪くなるからである。そこで、CH_num_minは、故障判定を行うための呼のサンプル数として十分な値に設定され、予めメモリ等に調整可能な値として保持される。
判定対象選択部61は、故障判定の対象として選択された各ベースバンド処理部のCH_num値及びNG_num値をそれぞれ発生率算出部62に渡す。当該故障判定対象から除外されたベースバンド処理部の数をDとすれば、判定対象として選択されたベースバ
ンド処理部の数は、(N−D)個となる。
発生率算出部62は、判定対象選択部61から送られる(N−D)組のCH_num値及びNG_num値に基づいて、故障判定対象とされた各ベースバンド処理部の異常呼発生率P[i]を以下のようにそれぞれ算出する。算出された異常呼発生率P[i]は前判定部63に送られる。
異常呼発生率:P[i] = NG_num[i]/CH_num[i]
前判定部63は、発生率算出部62から送られる異常呼発生率に基づいて、故障の可能性があると予測されるベースバンド処理部の数(以降、故障予測リソース数とも表記する)と故障の可能性がないと予測されるベースバンド処理部の数(以降、正常予測リソース数とも表記する)とを算出する。具体的には、前判定部63は、正常予測閾値(P_OK)及び異常予測閾値(P_NG)と各異常呼発生率とをそれぞれ比較することにより故障予測リソース数及び正常予測リソース数を算出する。
ここで、P_NG値は、P[i]≧P_NGであればベースバンド処理部(i)に故障の可能性があるとみなすことができるような値とする必要があり、P_OKは、P[i]<P_OKであればベースバンド処理部(i)に故障の可能性がないとみなすことができるような値とする必要がある。正常予測閾値(P_OK)及び異常予測閾値(P_NG)は、それぞれ予めメモリ等に調整可能に保持され、0<P_OK<P_NG<1の条件を満たす値に設定される。算出された故障予測リソース数及び正常予測リソース数は、故障リソース判定部64に渡される。
故障リソース判定部64は、前判定部63から送られる故障予測リソース数及び正常予測リソース数に基づき、故障が発生したベースバンド処理部を判定する。故障リソース判定部64は、故障判定の対象とするベースバンド処理部の数(N−D)に対する故障予測リソース数の最大比率R_NG(%)、故障判定の対象とするベースバンド処理部の数(N−D)に対する正常予測リソース数の最小比率R_OK(%)を予めメモリ等に調整可能に保持する。ここで、R_NG+R_OK=100(%)とする。但し、故障は特定少数のベースバンド処理部でのみ個別で発生するものとみなし、原則としてR_NG値及びR_OK値はR_NG<<R_OKの条件を満たすように設定される。
故障リソース判定部64は、この保持される値を用いた以下の2つの条件を満たしている場合に、そのときの故障予測リソース数に含まれるベースバンド処理部を故障が発生したベースバンド処理部と判定する。
(条件1)故障予測リソース数 ≦ (N−D)×R_NG/(R_NG+R_OK)
(条件2)正常予測リソース数 ≧ (N−D)×R_OK/(R_NG+R_OK)
このようなベースバンドリソース管理部19での故障判定は、外部要因による異常現象ではなく、特定ベースバンド処理部(リソース)の故障による異常現象を特定するため、故障部以外の他のリソースの正常性を明確化している。
〈無線ネットワーク制御装置(RNC)〉
RNC2は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)、メモリ
、入出力インタフェース等を備え、このCPUによりメモリに記憶されるプログラムが実行されることで一般的な無線ネットワーク制御装置としての機能を実現する。本発明は、RNC2の機能を限定するものではない。
本発明においてRNC2に関連する機能としては、アウタループ制御によりSIR増減値(△sir)を決定し、決定された△sirをノードB1に通知する機能がある。RN
C2は、ノードB1から送られるトランスポートブロックに関し、CRCIを検出し、そのCRCIに基づいて、SIR増減値(△sir)を算出する。
〈移動端末(UE)〉
UE5は、無線インタフェース機能を有し、この無線インタフェースにより実現される通信方式により、その位置を通信エリアとする基地局装置と無線電波を送受信する。本実施形態は、UE5の機能を限定するものではない。
〔動作例〕
次に、第一実施形態における基地局装置の動作例について説明する。
UE5は、本移動通信システムの提供する通話サービス等を受けるために、その存在する位置に応じて所定の基地局装置と無線通信を行う。UE5から送信された無線信号は、基地局装置のアンテナ15で受信され、OA−RA16で増幅され、ノードB1に送られる。基地局装置のノードB1では、受信された上り信号が、無線変調/復調部11において変調され、複数のベースバンド処理部10のいずれか1つに送られる。
各ベースバンド処理部10では、呼設定された信号に関し、デインタリーブ、チャネル復号等の信号処理が施され、トランスポートブロックが抽出される。このように取得されたトランスポートブロックは、上位処理層であるRNC2へハイウェイインタフェース部12を介して送られる。
また、各ベースバンド処理部10では、受信された上り信号からパイロットシンボルが検出され、そのパイロットシンボルを用いたインナループ制御がそれぞれ実行される。このインナループ制御により取得されるTPCビットは、チャネル符号化、インタリーブ等が施された下り送信信号に設定される。このように生成された下り信号は、アンプ部17において周波数変換され、OA−RA16を経由して、アンテナ15からUE5へ送信される。
一方、RNC2では、アウタループ制御が実行され、ノードB1から送られるトランスポートブロック毎のCRCIに基づき、TTI(Trasmission Time Interval)周期でS
IR増減値(△sir)が更新される。このSIR増減値は、制御タイマ(T_OL)周期でその呼に対応するベースバンド処理部10の上り電力制御部30に通知され、インナループ制御に利用される。
本実施形態における基地局装置では、ノードB1に備えられるベースバンドリソース管理部19及びノードB1の各ベースバンド処理部10にそれぞれ備えられるインナループ監視部51が、故障の発生したベースバンド処理部を検出する。
インナループ監視部51は、上り電力制御部30からスロット周期で出力されるインナループ制御の結果であるTPCビットを受け、このTPCビットに基づいて、そのベースバンド処理部において処理された累積呼数(CH_num)及び累積異常呼数(NG_num)を取得する。
インナループ監視部51は、TPCビットの入力時に更新される電力増減値(△Pow)と予め保持される電力増減閾値(△Pow_max)との比較により、一定周期(T_pow)において電力増減値が極端に大きい(電力増減閾値より大きい)と判断された回数(TPC_NG値)とそうでない回数(TPC_OK値)を求める。
インナループ監視部51は、電力増減値が極端に大きいわけではないと判断された回数
(TPC_OK値)が正常閾値(TPC_OK_max)より大きいと判断されるより前に、電力増減値が極端に大きいと判断された回数(TPC_NG値)が異常閾値(TPC_NG_max)より大きいと判断された場合に、そのときの呼を異常呼としてカウントする(NG_num値をインクリメントする)。このように累積されるNG_num値及びCH_num値は、一定時間(T(IL)_ref)間隔でベースバンドリソース管理部19に読み込まれ、その後、初期化される。
ベースバンドリソース管理部19は、各ベースバンド処理部10においてそれぞれ累積された累積呼数(CH_num)及び累積異常呼数(NG_num)に基づいて、故障が発生しているベースバンド処理部10を判定する。
これには、まず、判定対象選択部61により、累積呼数が故障判定する上で最低限必要と考えられる呼数(CH_num_min)に満たないベースバンド処理部が除外される。続いて、故障判定の対象として選択された各ベースバンド処理部に関し、その累積呼数及び累積異常呼数に基づいて、異常呼発生率P[i]が発生率算出部62によりそれぞれ算出される。続いて、前判定部63により、異常呼発生率が所定の閾値(P_NG)より大きくなっているベースバンド処理部が故障予測リソースとしてカウントされることにより故障予測リソース数が求められ、異常呼発生率が所定の閾値(P_OK)より小さくなっているベースバンド処理部が正常予測リソースとしてカウントされることにより正常予測リソース数が求められる。
最終的には、この故障予測リソース数が故障判定対象となるベースバンド処理部の数(N−D)に対する故障予測リソース数の最大比率R_NG(%)以下であり、正常予測リソース数が故障判定対象となるベースバンド処理部の数(N−D)に対する正常予測リソース数の最小比率R_OK(%)以上となる場合に、その故障予測リソースとして判定された各ベースバンド処理部がそれぞれ故障発生のベースバンド処理部と判定される。
〈第一実施形態における作用及び効果〉
すなわち、第一実施形態における基地局装置では、ノードB1に備えられるベースバンドリソース管理部19及びノードB1の各ベースバンド処理部10にそれぞれ備えられるインナループ監視部51によって、故障の発生したベースバンド処理部が検出される。
各ベースバンド処理部10のインナループ監視部51では、各ベースバンド処理部10に設定された呼(チャネル)に関し、上り電力制御部30で得られるTPCビットがスロット周期で入力され、このTPCビット値の時間加算が行われる(電力増減値(△Pow))。結果として、インナループ監視部51では、当該ベースバンド処理部10に設定される呼の累積数(CH_num値)と、この電力増減値が極端に高くなる現象が生ずる異常呼の累積数(NG_num値)がそれぞれカウントされる。
これら各ベースバンド処理部10で得られた呼の累積数(CH_num値)と異常呼の累積数(NG_num値)とがベースバンドリソース管理部19にそれぞれ読み込まれ、ベースバンドリソース管理部19によって故障が発生しているベースバンド処理部10が判定される。この判定では、呼の累積数が正確な故障判定をするうえで必要な呼数となっているものが選択され、各ベースバンド処理部について算出される異常呼発生率が用いられる。
このように、本実施形態における基地局装置では、ノードB1に備えられる各ベースバンド処理部におけるインナループ制御の出力であるTPCビットが用いられることにより、故障の発生したベースバンド処理部が特定される。
これにより、上り信号の同期確立後のチャネル推定部23、RAKE合成部22及びその周辺インタフェースにおいて発生した故障を検出することができるようになる。
このような故障が発生した場合には、上り電力制御部30において上り希望波の電力値が極端に低く見積もられ、高いSIR測定値が検出されない状態が継続し、SIR測定値が常に設定呼のSIR目標値より低くなるため、下り物理チャネルにマッピングされるTPCビットが送信電力を上昇させるような値に設定され続けるという現象を検出するものである。
本実施形態よれば、インナループ監視部51及びベースバンドリソース管理部19によりこのような信号処理部の詳細な故障を検出することができる。
更に、このような信号処理部の故障を検出するにあたり、当該信号処理部の運用を停止させる必要もないため、稼働率が低下することもない。
[第二実施形態]
本発明の第二実施形態に係る移動通信システムについて以下に説明する。先に説明した第一実施形態に係る移動通信システムは、基地局装置において、インナループ制御の結果としての出力であるTPCビットを用いて故障の発生したベースバンド処理部を判定していた。第二実施形態における移動通信システムの基地局装置は、アウタループ制御の結果としての出力であるSIR増減値(△sir)を用いて故障の発生したベースバンド処理部を判定する。
〔システム構成〕
システム構成については、図1に示す第一実施形態と同様である。以下に説明する第二実施形態の構成は例示であり、本発明は以下の構成に限定されるものではない。
また、第二実施形態における移動通信システムを構成するUE5及びRNC2については第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。以下、第二実施形態における移動通信システムの基地局装置について説明する。
〈基地局装置〉
第二実施形態における基地局装置は、ノードB1内のベースバンド処理部10の機能のみが第一実施形態とは異なるため、以下にはベースバンド処理部10の機能について図7を用いて説明する。図7は、第二実施形態におけるベースバンド処理部10の機能構成を示すブロック図である。
〈〈ノードB〉〉
ベースバンド処理部10は、ノードB1の有する呼設定の容量に応じた数(N個)分備えられる。第二実施形態におけるベースバンド処理部10は、第一実施形態におけるインナループ監視部51に替え、アウタループ監視部52を備える。このアウタループ監視部52以外の機能部については、第一実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、上り電力制御部30については、このアウタループ監視部52と関連する機能部であるため、図8を用いて以下に説明する。図8は、第二実施形態における上り電力制御部30の機能構成を示すブロック図である。
上り電力制御部30は、RNC2から制御タイマ(T_OL)周期でSIR増減値(△sir)を受けると、それを保持しつつ、別途アウタループ監視部52へ送る。当該SIR増減値(△sir)の呼設定時での初期値は0に設定され、該当呼においてアウタループ制御が実施された際に随時更新される。この点についても第一実施形態と同様である。
上り電力制御部30内のそれ以外の機能については第一実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
以下、アウタループ監視部52について図9を用いて説明する。図9は、アウタループ監視部52の処理概念を示す図である。アウタループ監視部52は、各ベースバンド処理部10にそれぞれ備えられ、所定の機能部の故障検出を以下のように実行する。アウタループ監視部52において故障検出される機能部としては、例えば、上り物理チャネルビット判定以後の処理部であるデインタリーブ部25及びチャネル復号部26がある。
アウタループ監視部52は、一定時間(T_sir)間隔でその時点でのSIR増減値(△sir)を読み出し、予めメモリ等に保持されるSIR増減閾値(△sir_max)と比較を行う。このT_sirは、当該基地局装置の設置環境等に応じて調整可能な値で予めメモリ等に保持される。但し、このT_sirには、RNC2からSIR増減値(△sir)が通知される周期(T_OL)より長い時間(T_sir≧T_OL)が設定される。
アウタループ監視部52は、この比較の結果に応じて、SIR_OK値もしくはSIR_NG値を更新する。当該SIR_OK値は、T_sir間隔での比較において正常と判断された回数を示し、当該SIR_NG値は、T_sir間隔での比較において異常と判断された回数を示す。当該SIR_OK値及びSIR_NG値は、呼設定後の上り同期確立時の初期値は0とされ、SIR_OK値は、或るタイミングで異常と判断された場合に、初期化(0)される。
正常若しくは異常の判断については、SIR増減値(△sir)がSIR増減閾値(△sir_max)より小さい場合に、正常と判断される。また、SIR増減値(△sir)がSIR増減閾値(△sir_max)以上であり、かつ、前回のタイミング(T_sir時間前)で参照されたSIR増減値(△sir)未満である場合にも、正常と判断される。一方、SIR増減値(△sir)が、SIR増減閾値(△sir_max)以上であり、かつ、前回のタイミング(T_sir時間前)で参照されたSIR増減値(△sir)以上である場合には、異常と判断される。
ここで、SIR増減閾値(△sir_max)は呼種別毎に指定される値であり、Δsir_max>0を満たす値に設定される。また、アウタループ制御により設定されるSIR増減値(△sir)には上限値と下限値とが定義されるため、Δsir_maxの値はSIR増減値(△sir)が定義されている上限値を超えない範囲での値に設定される。
図10、11及び12は、アウタループ監視部52におけるSIR_OK値及びSIR_NG値の更新に関する3つの例を示すグラフである。図10、11及び12のグラフの縦軸はSIR増減値(△sir)を示し、横軸は呼接続時間を示している。また、縦破線の横軸方向の間隔が一定時間(T_sir)(秒)を示す。図10、11及び12は、UE5からの上り信号に関し同期確立されてから(呼設定されてから)SIR_OK値及びSIR_NG値の更新が開始され、上記縦破線におけるタイミングで当該SIR_OK値及びSIR_NG値が更新されることを示している。また、上矢印で示される箇所、すなわちSIR増減値(△sir)で示される箇所は、アウタループ制御が実施されたタイミングを示している。
アウタループ監視部52は、当該SIR_OK値及びSIR_NG値を監視することにより、更に、以下のようにCH_num値及びNG_num値を更新する。このCH_num値は各ベースバンド処理部10にそれぞれ設定された呼数の累積値を示し、NG_n
um値はCH_num値中の異常呼とみなされる呼数の累積値を示す。また、CH_num値とNG_num値は、特定単位のベースバンドリソース毎に割り当てられており、ノードB装置起動時の初期値はともに0とされる。
アウタループ監視部52は、SIR_OK値がSIR_OK_maxに達する前に、SIR_NG値がSIR_NG_maxに達した場合には、NG_num値及びCH_num値をそれぞれ1インクリメントする。一方、SIR_NG値がSIR_NG_maxに達する前に、SIR_OK値がSIR_OK_maxに達した場合には、CH_num値のみを1インクリメントする。
閾値としてのSIR_OK_max及びSIR_NG_maxとはそれぞれ予めメモリ等に調整可能に保持される。SIR_OK_maxの値は、設定呼が正常と判定する際に、正常動作時間として必要な時間を示す。すなわち、SIR_OK_maxの回数分だけ正常と判断される状態が連続していれば、設定呼は正常呼と判定される。一方、SIR_NG_maxの値は、本実施形態では最良の値として「2」に設定されるものとする。これは、T_sir及び制御タイマ(T_OL)の時間がインナループ制御における上り信号のTPCビットの更新周期に比べて十分に長い時間となっていることに基づくものでもある。なお、本発明は、このSIR_NG_maxの値を「2」に限定するものではなく、T_sir及び制御タイマ(T_OL)に設定される時間に応じて調整可能である。
本実施形態では、SIR_OK_maxの回数分だけ正常と判断される状態が連続する前に、異常と判断される状態が2回現れた場合、その時点で設定呼は異常呼と判定される(図11及び12の例において、NG(異常)状態が2回連続した場合に異常呼と判定される)。なお、SIR_OK値及びSIR_NG値がいずれも当該閾値に達する前に設定
呼が切断されリソースが開放された場合、その呼に関しては判定対象から除外し、上記計算処理は実施されない。また、CH_num値が更新されると、SIR_OK値及びSIR_NG値は初期化(0)され、これらの値は次の呼設定があるまで更新されない。
アウタループ監視部52の処理により更新された累積呼数(CH_num)と累積異常呼数(NG_num)とは、ベースバンドリソース管理部19に利用される。ベースバンドリソース管理部19に当該CH_num値及びNG_num値が読み込まれると、アウタループ監視部52は、当該CH_num値及びNG_num値を初期値(0)に戻す。
ベースバンドリソース管理部19については、当該CH_num値及びNG_num値を得る先がアウタループ監視部52であること、及び、その読み込み間隔が一定時間(T(OL)_ref)であることを除いては、第一実施形態と同様である。
すなわち、ベースバンドリソース管理部19は、一定時間(T(OL)_ref)間隔において、全ベースバンド処理部10(ベースバンドリソース数=N)のアウタループ監視部52からCH_num値及びNG_num値を読み込み、故障の発生しているベースバンド処理部を判定する。図13に、第二実施形態におけるベースバンドリソース管理部51の機能構成を示している。
ここで、上述のように本実施形態においてSIR_NG_maxの値を「2」に設定する理由について説明する。まず、SIR_NG値が「2」に達するケースとして、以下の2つのケースが考えられる。
(ケース1)SIR_NG値が「0」の状態から、SIR増減値(△sir)が2回連続の比較タイミング(2×T_sir)で異常と判断された場合。
(ケース2)最初にSIR増減値(△sir)が異常と判断されてから(SIR_NG値「1」)、SIR増減値(△sir)の正常状態が続き、SIR値がSIR_OK_maxに達する前に、再度SIR増減値(△sir)が異常と判断された場合。
(ケース1)については、アウタループ制御によってSIR増減値(△sir)がSIR増減閾値(△sir_max)を越えると上り受信品質は過剰となるため、本来、再度のアウタループ制御により次の一定周期(T_sir)後にはSIR増減値(△sir)が前よりも下がるはずである。従って、2回連続の比較タイミングで異常と判断される場合は、SIR増減値(△sir)が極端に高くなっても(閾値を越えても)、品質が改善されていないと判断することができる。
(ケース2)については、復号処理部(デインタリーブ部25及びチャネル復号部26等)の故障時の現象が該当する。復号処理部の故障時の現象としては、品質劣化が連続的に発生するものと、品質劣化が特定の周期で単発的に発生するものの2種類が考えられる。前者は(ケース1)と同様であるが、後者については(ケース1)と同様には考えることができない。
この後者のような現象に対応するために、閾値SIR_OK_maxが定義されている。SIR_OK値がSIR_OK_maxに達しておらず、SIR増減値(△sir)の異常状態が一度も検出されなければ、異常状態が特定の周期で発生しているのではない、すなわち、復号処理部に故障が発生していないと判断することができる。
すなわち、本実施形態では、SIR増減値(△sir)が1度異常状態となったが(SIR_NG値が1となったが)、その後、「T_sir×SIR_OK_max」時間以内の間、SIR増減値(△sir)が正常状態を維持していれば、品質劣化は一時的なものであり、復号処理部の故障に起因するものではないと判断する。
一方、SIR増減値(△sir)が1度異常状態となったが、その後、「T_sir×SIR_OK_max」時間以内の間に、再度SIR増減値(△sir)が異常状態と判断された場合、品質劣化は周期的に発生するものであり(ケース2に相当)、復号処理部の故障に起因する可能性があると判断する。
〔動作例〕
次に、第二実施形態における基地局装置の動作例について説明する。
第二実施形態における基地局装置は、アウタループ制御の結果としての出力であるSIR増減値(△sir)を用いて故障の発生したベースバンド処理部を判定する。すなわち、本実施形態における基地局装置では、ノードB1に備えられるベースバンドリソース管理部19及びノードB1の各ベースバンド処理部10にそれぞれ備えられるアウタループ監視部52が、故障の発生したベースバンド処理部を検出する。
アウタループ監視部52は、上り電力制御部30から出力されるSIR増減値(△sir)を一定周期(T_sir)で参照し、このSIR増減値(△sir)に基づいて、そのベースバンド処理部において処理された累積呼数(CH_num)及び累積異常呼数(NG_num)を得る。
アウタループ監視部52は、当該SIR増減値(△sir)と予め保持されるSIR増減閾値(△Sir_max)との比較により、一定周期(T_sir)においてSIR増減値が極端に大きく(SIR増減閾値より大きく)、前回参照時のSIR増減値よりも更に大きくなっていると判断された回数(SIR_NG値)とそうでない回数(SIR_O
K値)を求める。
アウタループ監視部52は、このSIR_OK値が正常閾値(SIR_OK_max)より大きいと判断されるより前に、SIR増減値が極端に継続的に大きいと判断された回数(TPC_NG値)が異常閾値(SIR_NG_max(本実施形態では「2」を採用))より大きいと判断された場合に、そのときの呼を異常呼としてカウントする(NG_num値をインクリメントする)。このように累積されるNG_num値及びCH_num値は、一定時間(T(OL)_ref)間隔でベースバンドリソース管理部19に読み込まれ、その後、初期化される。
ベースバンドリソース管理部19は、各ベースバンド処理部10においてそれぞれ累積された累積呼数(CH_num)及び累積異常呼数(NG_num)に基づいて、故障が発生しているベースバンド処理部10を第一実施形態と同様な方法により判定する。
〈第二実施形態における作用及び効果〉
すなわち、第二実施形態における基地局装置では、ノードB1に備えられるベースバンドリソース管理部19及びノードB1の各ベースバンド処理部10にそれぞれ備えられるアウタループ監視部52によって、故障の発生したベースバンド処理部が検出される。
各ベースバンド処理部10のアウタループ監視部52では、各ベースバンド処理部10に設定された呼(チャネル)に関し、RNC2のアウタループ制御により出力されるSIR増減値(△sir)が極端に継続的に大きくなる状態及びそれ以外の通常の状態が監視される(SIR_NG値及びSIR_OK値)。更に、当該ベースバンド処理部10に設定される呼の累積数(CH_num値)と、このSIR増減値が極端に継続的に大きくなる状態となる異常呼の累積数(NG_num値)がそれぞれカウントされる。
これら各ベースバンド処理部10で得られた呼の累積数(CH_num値)と異常呼の累積数(NG_num値)とがベースバンドリソース管理部19にそれぞれ読み込まれ、ベースバンドリソース管理部19によって故障が発生しているベースバンド処理部10が判定される。
このように、本実施形態における基地局装置では、ノードB1に備えられる各ベースバンド処理部に対してのアウタループ制御の出力であるSIR増減値が用いられることにより、故障の発生したベースバンド処理部が特定される。
これにより、受信された上り物理チャネルのビット判定後のデコーディング処理部(デインタリーブ部25、チャネル復号部26)およびその周辺インタフェースにおいて発生した故障を検出することができる。
このような故障が発生した場合には、各トランスポートブロックのCRC判定においてNGが多発する。SIR増減値は、CRC判定結果(OK若しくはNG)に応じて増減するため、SIR増減値を監視することにより、当該故障を検出することができる。
なお、他の方法としてノードBにおいて設定された呼の全てについてBLER(Block Err Rate)を測定し、比較する方法が考えられるが、ノードBの実運用中に実施することになるため、全チャネルのBLER測定で多大な処理負荷をかけることは好ましくない。
本実施形態よれば、アウタループ監視部52及びベースバンドリソース管理部19によりこのような信号処理部の詳細な故障を検出することができる。更に、このような信号処理部の故障を検出するにあたり、当該信号処理部の運用を停止させる必要もないため、稼
働率が低下することもない。
[第三実施形態]
第一実施形態及び第二実施形態では、当該移動通信システムの基地局装置についての態様を説明した。以下、第三実施形態として、第一実施形態及び第二実施形態における基地局装置を含む基地局装置と無線通信を行う移動端末(UE)について説明する。
〔システム構成〕
システム構成については、第三実施形態がUEが複数の基地局装置と無線通信を行いながら自装置の故障を判定するというものであるから、図14に示すシステム構成を想定して説明する。図14は、第三実施形態における移動通信システムのシステム構成例を示す図である。UE5は、存在位置に応じて、基地局装置70−1、70−2及び70−3の少なくとも1つと無線通信をする。基地局装置70−1、70−2及び70−3は、それぞれ第一実施形態若しくは第二実施形態における基地局装置であってもよいし、それ以外の一般的な基地局装置であってもよい。本実施形態におけるUE5は、当該基地局装置の機能を限定するものではない。
〔装置構成〕
以下、第三実施形態における移動端末の機能構成の概略について図15を用いて説明する。図15は、第三実施形態における移動端末の機能構成例を示す図である。UE5は、アンテナ71、無線部72、無線変調/復調部73、ベースバンド処理部74、故障検出部75、データ処理部76等を有する。以下、UE5を構成するこれら各機能部の機能概略を説明する。
アンテナ71は、基地局装置70−1、70−2及び70−3の少なくとも1つから送信される下りの無線信号を受信する。アンテナ71で受信された無線信号(下り信号)は、無線部72において周波数変換、信号増幅などを施され、無線変調/復調部73に送られる。無線変調/復調部73は、無線部72から送られる信号を復調し、ベースバンド処理部74に送る。ベースバンド処理部74から出力されるトランスポートブロックはデータ処理部76に送られる。
データ処理部76は、当該トランスポートブロックを受け、それに含まれるユーザデータ等のデータ処理を行う。一方、基地局装置へ送信されるべきデータがこのデータ処理部76により生成される。データ処理部76は、この送信データをトランスポートブロック化し、ベースバンド処理部74へ送る。
ベースバンド処理部74は、このトランスポートブロックを物理チャネルにマッピングした上り信号を生成し、無線変調/復調部73に送る。無線変調/復調部73は、この上り信号を所定の方式で変調し、無線部72に送る。無線部72は、この変調された上り信号を周波数変換等する。このように生成された上り信号は、アンテナ71から送信される。
なお、本発明は、これら機能部のうちベースバンド処理部74及び故障検出部75に特徴を有するものである。以下、このベースバンド処理部74及び故障検出部75についてそれぞれ説明する。
〈ベースバンド処理部〉
図16は、第三実施形態における移動端末のベースバンド処理部の機能構成を示すブロック図である。ベースバンド処理部74は、逆拡散部81、RAKE合成部82、チャネル推定部83、デインタリーブ部85、チャネル復号部86、CRC判定部87、下り電
力制御部90、アウタループ制御部91、チャネル符号化部92、インタリーブ部93、拡散部94、上り送信電力値算出部95、パイロット生成部97、インナループ監視部101等を有する。
無線変調/復調部73から送られる下りの復調信号は、逆拡散部81において自装置(UE5)に割り当てられている拡散コードで逆拡散され、RAKE合成部82へ送られる。また、逆拡散されることにより得られた信号からはパイロットシンボルが検出され、この検出されたパイロットシンボルに基づいてチャネル推定部83によりチャネル推定が行われる。そして、RAKE合成部82において、マルチパスで伝搬されてきた各信号が当該チャネル推定値で位相補正、振幅補正等がなされ、RAKE合成される。このようにしてRAKE合成部22から出力される下り物理チャネルの制御信号において、それに含まれるTPCビットは、上り送信電力値算出部95に送られ、同制御信号に含まれるTFCIは、デインタリーブ部85に送られる。また、検出されたパイロットシンボルは、下り電力制御部90へ送られる。
RAKE合成部82から出力される下り物理チャネルのデータ信号は、デインタリーブ部85により上記TFCIが用いられることによりデインタリーブされ、上位処理層へ送るための各トランスポートブロックにそれぞれ分割される。各トランスポートブロックはそれぞれチャネル復号部86により復号される。CRC判定部87は、この復号された各トランスポートブロックに含まれる巡回冗長検査(CRC)ビットを判定する。最終的に、復号された各トランスポートブロックは、データ処理部76へ送られ、CRC判定結果(CRCI)は、アウタループ制御部91へ送られる。
一方、上り送信信号を構成するトランスポートブロックがデータ処理部76から送られてくると、これら各トランスポートブロックは、チャネル符号化部92により符号化され、インタリーブ部93により所定のフォーマットにおいてインタリーブされることにより、上り物理チャネルで伝送される信号とされる。これらの信号は、拡散部94によりUE5に割り当てられている拡散コードで拡散され、無線変調/復調部73へ送られる。
このとき、上り送信信号には、下り電力制御部90から送られるTPCビット値が設定され、パイロット生成部97から送られるパイロット信号が設定され、上り送信電力値算出部95から送られる送信電力値に応じた送信電力が与えられる。
このように、UE5のベースバンド処理部74においても、ノードB1と同様に、インナループ制御及びアウタループ制御が行われる。
以下、本実施形態において特に特徴のあるインナループ監視部101について説明する前に、まず、これに関連する下り電力制御部90及びアウタループ制御部91について図17を用いて説明する。図17は、UE5の下り電力制御部90及びアウタループ制御部91の機能構成を示すブロック図である。
〈〈下り電力制御部及びアウタループ制御部〉〉
アウタループ制御部91は、第一実施形態で説明したRNC2で実行されるアウタループ制御と同様の制御を実行する。すなわち、アウタループ制御部91は、TTI周期でCRC判定部87から送られるCRCIを受けると、SIR増減値(△sir)を更新する。CRCIがエラーを示す場合には、SIR増減値(△sir)が所定の増加値分(△up)増やされ、CRCIが正常を示す場合には、SIR増減値(△sir)が所定の減少値分(Δdown)減らされる。アウタループ制御部91は、このようにして得られたSIR増減値を所定の制御タイマ(T_OL)周期で下り電力制御部90に通知する。
下り電力制御部90は、第一実施形態で説明した上り電力制御部30と同様の処理により、下り信号の送信電力を制御するためのTPCビット値を取得する。SIR測定部111は、RAKE合成部82から送られてくるパイロットシンボルの受信電力を測定し、SIR値を算出する。SIR目標値算出部113は、アウタループ制御部91からSIR増減値(△sir)を制御タイマ(T_OL)周期毎に受け、予めメモリ等に保持されるSIR初期値(SIR_ini)とこのSIR増減値(△sir)とを加算して、新たなSIR目標値(SIR_tag)を算出する。
TPCビット判定部112は、SIR測定部111により算出されたSIR測定値がSIR目標値よりも大きい場合には、下り送信電力を下げることを示すTPCビット値(0)が得て、SIR測定値がSIR目標値よりも小さい場合には、下り送信電力を上げることを示すTPCビット値(1)を得る。このようにして得られたTPCビット値は、上り送信信号に設定される他、インナループ監視部101に送られる。
〈〈インナループ監視部〉〉
以下、インナループ監視部101について図18を用いて説明する。図18は、インナループ監視部101の処理概念を示す図である。インナループ監視部101は、所定の機能部の故障検出を以下のように実行する。インナループ監視部101において故障検出される機能部としては、例えば、逆拡散部81より後段処理部であるチャネル推定部83及びRAKE合成部82がある。
インナループ監視部101は、上述の下り電力制御部90から出力されるTPCビット値をスロット周期で受け、そのTPCビット値に基づいて電力増減値(△Pow)を更新する。また、インナループ監視部101は、一定周期(T_pow)でTPC_OK値及びTPC_NG値を更新し、更に、CH_num値及びNG_num値を更新する。このようなインナループ監視部101の処理は、扱われるTPCビット値が上り信号の送信電力制御のためのものか下り信号の送信電力制御のためのものかが異なる以外は、第一実施形態におけるインナループ監視部51の処理と同様であるため、詳細については省略する。
UE5のインナループ監視部101は、第一実施形態のノードB1のインナループ監視部51の処理で更新されるCH_num値及びNG_num値に加え、異常無線リンク数(RL_num)を以下のようにカウントする。ここで、RL_num値は、初期値が0であり、異常が発生したとみなされる無線リンクの累積数を示す。
インナループ監視部101は、異常呼とみなされた設定呼に関し、その無線リンク番号を保持する。インナループ監視部101は、異常呼とみなされた場合に、その設定呼の無線リンク番号が既に保持(登録)されているか否かを確認し、未登録の場合に当該異常無線リンク数(RL_num)を1インクリメントし、その無線リンク番号(rl)を配列RL[RL_num]に登録する。例えば、TPC_OK値がTPC_OK_maxに達する前にTPC_NG値がTPC_NG_maxに達した場合の設定呼の無線リンク番号をrlとし、配列RL[k](k=0からRL_num)にrlが保持されていない場合に、以下のように処理される。
RL_num <== RL_num+1
RL[RL_num] <== rl
無線リンク番号とは、UE5の接続先である基地局装置や無線エリア等を特定する情報を特定するものであり、例えば、下り信号に設定されるPrimary Scrambling CODEが利用される。なお、CH_num値及びNG_num値についても、第一実施形態のノードB1のインナループ監視部51と同様に更新される。このように更
新されたCH_num値、NG_num値及びRL_num値は、故障検出部75により利用される。
〈故障検出部〉
故障検出部75は、一定時間(UET(IL)_ref)間隔において、上述のインナループ監視部101からCH_num値、NG_num値及びRL_num値を読み込み、自装置の故障を判定する。以下、図19を用いて、故障検出部75について説明する。図19は、第三実施形態における故障検出部の機能構成を示す図である。故障検出部75は、判定対象選択部121、発生率算出部122、故障判定部123等を有する。
判定対象選択部121は、一定時間(UET(IL)_ref)間隔で読み込まれたCH_num値、NG_num値及びRL_num値が故障判定の対象となるか否かを選択する。具体的には、判定対象選択部121は、累積呼数(CH_num)が所定の閾値(CH_num_min)未満となる場合に、そのとき読み込まれた値を以降の故障判定の対象から除外する。累積呼数が少ない場合には、故障判定の精度が悪くなるからである。そこで、CH_num_minは、故障判定を行うための呼のサンプル数として十分な値に設定され、予めメモリ等に調整可能な値として保持される。
更に、判定対象選択部121は、異常無線リンク数(RL_num)が所定の閾値(RL_num_min)未満となる場合に、そのとき読み込まれた値を以降の故障判定の対象から除外する。異常無線リンク数が少ない場合には、基地局装置側の故障かUE5の故障かを判別することが難しいため、故障判定の精度が悪くなるからである。そこで、RL_num_minは、故障判定を行うための無線リンクのサンプル数として十分な値に設定され、予めメモリ等に調整可能な値として保持される。
判定対象選択部121は、故障判定の対象となるとみなされた場合に、CH_num値、NG_num値及びRL_num値をそれぞれ発生率算出部122に渡す。
発生率算出部122は、判定対象選択部121から送られる各値に基づいて、異常呼発生率Pを以下のようにそれぞれ算出する。算出された異常呼発生率Pは故障判定部123に送られる。
異常呼発生率:P = NG_num / CH_num
故障判定部123は、発生率算出部122から送られる異常呼発生率Pに基づき、自装置に故障が発生しているか否かを判定する。具体的には、故障判定部123は、異常呼発生率Pが予めメモリ等に調整可能に保持される異常呼発生率の閾値P_NGより大きいと判断した場合に、自装置に故障が発生していると判定する。
〔動作例〕
次に、第三実施形態における移動端末の動作例について説明する。
UE5は、その存在位置に応じて、複数の基地局装置70−1、70−2及び70−3の少なくとも1つと無線通信を行う。基地局装置から送信された無線信号は、アンテナ71で受信され、無線部72で増幅され、無線変調/復調部73において変調され、ベースバンド処理部74に送られる。ベースバンド処理部74では、呼設定された信号に関し、デインタリーブ、チャネル復号等の信号処理が施され、トランスポートブロックが抽出される。このように取得されたトランスポートブロックは、データ処理部76に送られる。
また、ベースバンド処理部74では、受信された下り信号からパイロットシンボルが検出され、そのパイロットシンボルを用いたインナループ制御が実行される。このインナル
ープ制御により取得されるTPCビットは、チャネル符号化、インタリーブ等が施された上り送信信号に設定される。このように生成された上り信号は、無線部72において周波数変換され、アンテナ71から基地局装置へ送信される。
更に、UE5では、アウタループ制御部91によりアウタループ制御が実行される。すなわち、アウタループ制御部91は、CRC判定部87から送られるトランスポートブロック毎のCRCIに基づき、TTI(Trasmission Time Interval)周期でSIR増減値
(△sir)を更新する。このSIR増減値は、制御タイマ(T_OL)周期でベースバンド処理部74の下り電力制御部90に通知され、インナループ制御に利用される。
本実施形態におけるUE5では、ベースバンド処理部74に備えられるインナループ監視部101及び故障検出部75が、自装置の故障の発生を検出する。
インナループ監視部101は、下り電力制御部90からスロット周期で出力されるインナループ制御の結果であるTPCビットを受け、このTPCビットに基づいて、そのベースバンド処理部において処理された累積呼数(CH_num)、累積異常呼数(NG_num)及び異常無線リンク数(RL_num)を取得する。
インナループ監視部101は、TPCビットの入力に応じて更新される電力増減値(△Pow)と予め保持される電力増減閾値(△Pow_max)との比較により、一定周期(T_pow)において電力増減値が極端に大きい(電力増減閾値より大きい)と判断された回数(TPC_NG値)とそうでない回数(TPC_OK値)を求める。
インナループ監視部101は、電力増減値が極端に大きいわけではないと判断された回数(TPC_OK値)が正常閾値(TPC_OK_max)より大きいと判断されるより前に、電力増減値が極端に大きいと判断された回数(TPC_NG値)が異常閾値(TPC_NG_max)より大きいと判断された場合に、そのときの呼を異常呼としてカウントする(NG_num値をインクリメントする)。
更に、インナループ監視部101は、異常呼とみなされた設定呼に関し、その無線リンク番号を保持することにより同一無線リンクが重複してカウントされないように、異常呼とみなされた無線リンクの数(RL_num)をカウントする。
このように累積されるNG_num値、CH_num値及びRL_num値は、一定時間(UET(IL)_ref)間隔で故障検出部75に読み込まれ、その後、初期化される。
故障検出部75は、これら各値に基づいて、自装置の故障の発生を検出する。これには、まず、判定対象選択部121により、これらの値が、累積呼数が故障判定する上で最低限必要と考えられる呼数(CH_num_min)に満たない場合若しくは異常無線リンク数が故障判定する上で最低限必要と考えられる数(RL_num_min)に満たない場合には、以降の故障判定処理の対象から除外される。
故障判定の対象として選択された場合には、その累積呼数及び累積異常呼数に基づいて、異常呼発生率Pが発生率算出部122により算出される。
最終的には、故障判定部123により、この異常呼発生率Pが所定の閾値(P_NG)を超える場合に、自装置に故障が発生していると判定される。
〈第三実施形態における作用及び効果〉
すなわち、第三実施形態における移動端末では、ベースバンド処理部74に備えられるインナループ監視部101及び故障検出部75によって、自装置の故障の発生が検出される。
ベースバンド処理部74のインナループ監視部101では、設定呼(チャネル)に関し、下り電力制御部90で得られるTPCビットがスロット周期で入力され、このTPCビット値の時間加算が行われる(電力増減値(△Pow))。結果として、インナループ監視部101では、当該ベースバンド処理部74に設定される呼の累積数(CH_num値)と、この電力増減値が極端に高くなる現象が生ずる異常呼の累積数(NG_num値)と、異常呼とみなされた際の重複しない無線リンクの数(RL_num)とがそれぞれカウントされる。
これらベースバンド処理部74で得られた呼の累積数(CH_num値)と異常呼の累積数(NG_num値)と異常無線リンク数(RL_num値)が故障検出部75に読み込まれ、この故障検出部75によって自装置の故障が判定される。この判定では、呼の累積数及び異常無線リンク数が正確な故障判定をするうえで必要な呼数となっているものが選択され、各ベースバンド処理部について算出される異常呼発生率が用いられる。
このように、本実施形態における移動端末では、第一実施形態における基地局装置と同様に、ベースバンド処理部におけるインナループ制御の出力であるTPCビットが用いられることにより、自装置の故障の発生が検知される。移動端末においては、1つの基地局装置との間で異常呼が多発する場合には、移動端末と基地局装置とどちらに故障が発生しているのか判別することができないため、異常呼とみなされた際の無線リンクの数が利用され、故障判定の対象とし得るデータが選択される。
これにより、下り信号の同期確立後のチャネル推定部83、RAKE合成部82及びその周辺インタフェースにおいて発生した故障を検出することができるようになる。
すなわち、本実施形態よれば、インナループ監視部101及び故障検出部75によりこのような信号処理部の詳細な故障を検出することができる。更に、このような信号処理部の故障を検出するにあたり、当該信号処理部の運用を停止させる必要もないため、稼働率が低下することもない。
[第四実施形態]
以下、第四実施形態として、第一実施形態及び第二実施形態における基地局装置を含む基地局装置と無線通信を行う移動端末(UE)について説明する。先に説明した第三実施形態における移動端末は、インナループ制御の結果としての出力であるTPCビットを用いて自装置の故障を判定していた。第四実施形態における移動端末は、アウタループ制御の結果としての出力であるSIR増減値(△sir)を用いて自装置の故障を判定する。
〔システム構成〕
システム構成については、図14に示す第三実施形態と同様であるため、説明を省略する。本実施形態におけるUE5も、当該基地局装置の機能を限定するものではない。
〔装置構成〕
第四実施形態における移動端末は、ベースバンド処理部74の機能のみが第三実施形態と異なるため、以下にはベースバンド処理部74の機能について図20を用いて説明する。図20は、第四実施形態におけるベースバンド処理部74の機能構成を示すブロック図である。
〈ベースバンド処理部〉
第四実施形態におけるベースバンド処理部74は、第三実施形態におけるインナループ監視部101に替え、アウタループ監視部102を備える。このアウタループ監視部102以外の機能部については、第一実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
〈〈アウタループ監視部〉〉
以下、アウタループ監視部102について図21を用いて説明する。図21は、アウタループ監視部102の処理概念を示す図である。アウタループ監視部102は、所定の機能部の故障検出を以下のように実行する。アウタループ監視部102において故障検出される機能部としては、例えば、下り物理チャネルビット判定以後の処理部であるデインタリーブ部85及びチャネル復号部86がある。
本実施形態では、アウタループ制御部91から出力されるSIR増減値(△sir)が下り電力制御部90に渡されるのと共に、制御タイマ(T_OL)周期でアウタループ監視部102にも送られる。このSIR増減値は、アウタループ監視部102で保持される。
アウタループ監視部102は、一定時間(T_sir)間隔でその時点でのSIR増減値(△sir)を読み出し、予めメモリ等に保持されるSIR増減閾値(△sir_max)と比較を行うことにより、SIR_OK値もしくはSIR_NG値を更新し、更に、CH_num値及びNG_num値を更新する。このようなアウタループ監視部102の処理は、第二実施形態におけるアウタループ監視部52の処理と同様であるため、詳細については省略する。
UE5のアウタループ監視部102は、第二実施形態のノードB1のアウタループ監視部52の処理で更新されるCH_num値及びNG_num値に加え、異常無線リンク数(RL_num)を以下のようにカウントする。ここで、RL_num値は、初期値が0であり、異常が発生したとみなされる無線リンクの累積数を示す。
アウタループ監視部102は、異常呼とみなされた設定呼に関し、その無線リンク番号を保持する。アウタループ監視部102は、異常呼とみなされた場合に、その設定呼の無線リンク番号が既に保持(登録)されているか否かを確認し、未登録の場合に当該異常無線リンク数(RL_num)を1インクリメントし、その無線リンク番号(rl)を配列RL[RL_num]に登録する。例えば、SIR_OK値がSIR_OK_maxに達する前にSIR_NG値がSIR_NG_max(原則として、「2」が設定される)に達した場合の設定呼の無線リンク番号をrlとし、配列RL[k](k=0からRL_num)にrlが保持されていない場合に、以下のように処理される。
RL_num <== RL_num+1
RL[RL_num] <== rl
この無線リンク番号とは、第三実施形態において説明したように、UE5の接続先である基地局装置や無線エリア等を特定する情報を特定するものである。なお、CH_num値及びNG_num値についても、第二実施形態のノードB1のアウタループ監視部52と同様に更新される。このように更新されたCH_num値、NG_num値及びRL_num値は、故障検出部75により利用される。
〈故障検出部〉
故障検出部75は、一定時間(UET(OL)_ref)間隔において、上述のアウタループ監視部102からCH_num値、NG_num値及びRL_num値を読み込み、自装置の故障を判定する。図22は、第四実施形態における故障検出部の機能構成を示す
図である。
第四実施形態における故障検出部75は、アウタループ監視部102から各値を読み込むことにおいてのみ第三実施形態と異なり、それ以外の処理については第三実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
〔動作例〕
次に、第四実施形態における移動端末の動作例について説明する。
第四実施形態における移動端末は、アウタループ制御部91におけるアウタループ制御の出力であるSIR増減値(△sir)を用いて自装置の故障を判定する。すなわち、本実施形態における移動端末では、ベースバンド処理部74に備えられるアウタループ監視部102及び故障検出部75が自装置の故障を検出する。
アウタループ監視部102は、アウタループ制御部91から出力されるSIR増減値(△sir)を一定周期(T_sir)で参照し、このSIR増減値(△sir)に基づいて、そのベースバンド処理部において処理された累積呼数(CH_num)、累積異常呼数(NG_num)及び異常無線リンク数(RL_num)を得る。
アウタループ監視部102は、当該SIR増減値(△sir)と予め保持されるSIR増減閾値(△Sir_max)との比較により、一定周期(T_sir)においてSIR増減値が極端に大きく(SIR増減閾値より大きく)、前回参照時のSIR増減値よりも更に大きくなっていると判断された回数(SIR_NG値)とそうでない回数(SIR_OK値)を求める。
アウタループ監視部102は、このSIR_OK値が正常閾値(SIR_OK_max)より大きいと判断されるより前に、SIR増減値が極端に継続的に大きいと判断された回数(TPC_NG値)が異常閾値(SIR_NG_max(本実施形態では「2」を採用))より大きいと判断された場合に、そのときの呼を異常呼としてカウントする(NG_num値をインクリメントする)。
更に、アウタループ監視部102は、異常呼とみなされた設定呼に関し、その無線リンク番号を保持することにより同一無線リンクが重複してカウントされないように、異常呼とみなされた際の無線リンクの数(RL_num)をカウントする。
このように累積されるNG_num値、CH_num値及びRL_num値は、一定時間(UET(OL)_ref)間隔で故障検出部75に読み込まれ、その後、初期化される。
故障検出部75は、第三実施形態と同様に、これら各値に基づいて、自装置の故障の発生を検出する。
〈第四実施形態における作用及び効果〉
すなわち、第四実施形態における移動端末では、ベースバンド処理部74に備えられるアウタループ監視部102及び故障検出部75によって、自装置の故障の発生が検出される。
アウタループ監視部102では、設定呼(チャネル)に関し、アウタループ制御部91のアウタループ制御により出力されるSIR増減値(△sir)が極端に継続的に大きくなる状態及びそれ以外の通常の状態が監視される(SIR_NG値及びSIR_OK値)
。更に、設定呼の累積数(CH_num値)と、このSIR増減値が極端に継続的に大きくなる状態となる異常呼の累積数(NG_num値)と、異常呼とみなされた際の重複しない無線リンクの数(RL_num)とがそれぞれカウントされる。
これらベースバンド処理部74で得られた呼の累積数(CH_num値)と異常呼の累積数(NG_num値)と異常無線リンク数(RL_num値)が故障検出部75に読み込まれ、第三実施形態と同様に、この故障検出部75によって自装置の故障が判定される。
このように、本実施形態における移動端末では、アウタループ制御部91の出力であるSIR増減値が用いられることにより、自装置の故障が判定される。
これにより、受信された下り物理チャネルのビット判定後のデコーディング処理部(デインタリーブ部85、チャネル復号部86)およびその周辺インタフェースにおいて発生した故障を検出することができる。
すなわち、本実施形態よれば、アウタループ監視部102及び故障検出部75によりこのような信号処理部の詳細な故障を検出することができる。更に、このような信号処理部の故障を検出するにあたり、当該信号処理部の運用を停止させる必要もないため、稼働率が低下することもない。
[その他]
本実施形態は次の発明を開示する。各項に開示される発明は、必要に応じて可能な限り組み合わせることができる。
(付記1)
割り当てられた設定呼に関する信号処理を行うベースバンド処理手段を複数備える基地局装置の故障検出装置において、
前記各ベースバンド処理手段に対してそれぞれ設けられ、その対象ベースバンド処理手段に割り当てられた設定呼の上りチャネルに関する送信電力制御で利用される情報に基づいて、当該対象ベースバンド処理手段に設定された累積呼数及びそのうちの異常呼数をカウントする複数の監視手段と、
前記各監視手段により得られる各ベースバンド処理手段の異常呼数及び累積呼数をそれぞれ収集し、前記複数のベースバンド処理手段のうち故障の発生しているベースバンド処理手段を判定する判定手段と、
を備える基地局装置の故障検出装置。(1)
(付記2)
前記送信電力制御で利用される情報は、対象ベースバンド処理手段に割り当てられた設定呼を形成する下り信号に設定される送信電力制御情報である付記1に記載の基地局装置の故障検出装置。(2)
(付記3)
前記各監視手段は、
前記送信電力制御情報に対応する送信電力増減値を算出する算出手段と、
前記送信電力増減値を所定の周期で参照し、参照時における送信電力増減値が所定の閾値より大きくなる異常回数及びそれ以外の正常回数をそれぞれカウントするカウント手段と、
前記カウント手段により得られる異常回数及び正常回数に基づいて、その正常回数が所定の閾値より大きくなる前に異常回数が所定の閾値より大きくなる呼を異常呼と判断す
る判断手段と、
をそれぞれ有する付記2に記載の基地局装置の故障検出装置。(3)
(付記4)
前記送信電力制御情報は、前記設定呼を形成する上り信号に含まれるパイロット信号に基づいて出力されるTPCビットである付記2に記載の基地局装置の故障検出装置。
(付記5)
前記判定手段は、
前記複数のベースバンド処理手段のうち、前記各監視手段により得られる累積呼数が所定の呼数閾値より大きいベースバンド処理手段を故障判定の対象として選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された各ベースバンド処理手段に関し、累積呼数のうちの異常呼数の割合となる異常呼発生率をそれぞれ算出する発生率算出手段と、
を有し、
前記選択手段により選択されたベースバンド処理手段の中から、前記発生率算出手段により算出される異常呼発生率が所定の発生率閾値より大きいベースバンド処理手段を故障の発生しているベースバンド処理手段として判定する、
付記1に記載の基地局装置の故障検出装置。(4)
(付記6)
前記判定手段は、
前記発生率算出手段により算出された異常呼発生率が所定の異常呼発生率閾値よりも大きいベースバンド処理手段を故障ベースバンド処理手段と予測し、異常呼発生率が所定の正常呼発生率閾値よりも小さいベースバンド処理手段を正常ベースバンド処理手段と予測し、この故障ベースバンド処理手段の数及び正常ベースバンド処理手段の数を取得する予測手段を更に有し、
前記故障ベースバンド処理手段の数が故障判定の対象として選択されたベースバンド処理手段の数に対する故障ベースバンド処理手段の数の所定の故障比率閾値より小さく、前記正常ベースバンド処理手段の数が故障判定の対象として選択されたベースバンド処理手段の数に対する正常ベースバンド処理手段の数の所定の正常比率閾値より大きい場合に、その故障と予測されたベースバンド処理手段を故障の発生しているベースバンド処理手段として判定する、
付記5に記載の基地局装置の故障検出装置。(5)
(付記7)
前記送信電力制御で利用される情報は、対象ベースバンド処理手段に割り当てられた設定呼の上りチャネルに関する送信電力制御に利用される信号干渉電力比の増減値である付記1に記載の基地局装置の故障検出装置。(6)
(付記8)
前記各監視手段は、
前記信号干渉電力比の増減値を所定の周期で参照し、参照時における信号干渉電力比の増減値が前回参照時よりも大きく、かつ、所定の閾値より大きくなる異常回数及びそれ以外の正常回数をそれぞれカウントするカウント手段と、
前記カウント手段により得られる異常回数及び正常回数に基づいて、その正常回数が所定の閾値より大きくなる前に異常回数が所定の閾値より大きくなる呼を異常呼と判断する判断手段と、
をそれぞれ有する付記7に記載の基地局装置の故障検出装置。(7)
(付記9)
通信相手となる基地局装置を切り替えながら無線通信を行う移動端末の故障検出を行う故障検出装置において、
前記通信相手となる基地局装置との間の下りチャネルに関する送信電力制御で利用される情報に基づいて、ベースバンド処理手段に設定された累積呼数、そのうちの異常呼数及び異常無線リンク数をカウントする監視手段と、
前記監視手段により得られる異常呼数、累積呼数及異常無線リンク数に基づいて、自装置の故障を判定する判定手段と、
を備える移動端末の故障検出装置。(8)
(付記10)
前記送信電力制御で利用される情報は、前記通信相手となる基地局装置へ送信される上り信号に設定される送信電力制御情報である付記9に記載の移動端末の故障検出装置。
(付記11)
前記監視手段は、
前記送信電力制御情報に対応する送信電力増減値を算出する算出手段と、
前記送信電力増減値を所定の周期で参照し、参照時における送信電力増減値が所定の閾値より大きくなる異常回数及びそれ以外の正常回数をそれぞれカウントするカウント手段と、
前記カウント手段により得られる異常回数及び正常回数に基づいて、その正常回数が所定の閾値より大きくなる前に異常回数が所定の閾値より大きくなる呼を異常呼と判断する判断手段と、
を有する付記10に記載の移動端末の故障検出装置。
(付記12)
前記送信電力制御情報は、前記通信相手となる基地局装置からの下り信号に含まれるパイロット信号に基づいて出力されるTPCビットである付記10に記載の移動端末の故障検出装置。
(付記13)
前記判定手段は、
前記監視手段により得られる累積呼数が所定の呼数閾値より大きく、異常無線リンク数が所定のリンク数閾値より大きい場合に、累積呼数のうちの異常呼数の割合となる異常呼発生率を算出する発生率算出手段を有し、
前記発生率算出手段により算出された異常呼発生率が所定の異常呼発生率閾値よりも大きい場合に、自装置に故障が発生していると判定する、
付記9に記載の移動端末の故障検出装置。
(付記14)
前記送信電力制御で利用される情報は、前記通信相手となる基地局装置との間の下りチャネルに関する送信電力制御で利用される信号干渉電力比の増減値である付記9に記載の移動端末の故障検出装置。
(付記15)
前記監視手段は、
前記信号干渉電力比の増減値を所定の周期で参照し、参照時における信号干渉電力比の増減値が前回参照時よりも大きく、かつ、所定の閾値より大きくなる異常回数及びそれ以外の正常回数をそれぞれカウントするカウント手段と、
前記カウント手段により得られる異常回数及び正常回数に基づいて、その正常回数が
所定の閾値より大きくなる前に異常回数が所定の閾値より大きくなる呼を異常呼と判断する判断手段と、
を有する付記14に記載の移動端末の故障検出装置。
(付記16)
割り当てられた設定呼に関する信号処理を行うベースバンド処理手段を複数備える基地局装置の故障検出を行う故障検出方法において、
前記各ベースバンド処理手段に対して、その対象ベースバンド処理手段に割り当てられた設定呼の上りチャネルに関する送信電力制御に利用される情報に基づいて、当該対象ベースバンド処理手段に設定された累積呼数及びそのうちの異常呼数をそれぞれカウントする監視ステップと、
前記監視ステップにより得られる各ベースバンド処理手段の異常呼数及び累積呼数をそれぞれ収集し、前記複数のベースバンド処理手段のうち故障の発生しているベースバンド処理手段を判定する判定ステップと、
を備える基地局装置の故障検出方法。(9)
(付記17)
通信相手となる基地局装置を切り替えながら無線通信を行う移動端末の故障検出を行う故障検出方法において、
前記通信相手となる基地局装置との間の下りチャネルに関する送信電力制御で利用される情報に基づいて、ベースバンド処理手段に設定された累積呼数、そのうちの異常呼数及び異常無線リンク数をカウントする監視ステップと、
前記監視ステップにより得られる異常呼数、累積呼数及異常無線リンク数に基づいて、自装置の故障を判定する判定ステップと、
を備える移動端末の故障検出方法。(10)
第一実施形態における移動通信システムのシステム構成を示す図である。 第一実施形態におけるベースバンド処理部の機能構成を示す図である。 第一実施形態における上り電力制御部の機能構成を示す図である。 インナループ監視部の処理概念を示す図である。 インナループ監視部におけるTPC_OK値及びTPC_NG値の更新の例を示す図である。 第一実施形態におけるベースバンドリソース管理部の機能構成を示す図である。 第二実施形態におけるベースバンド処理部の機能構成を示す図である。 第二実施形態における上り電力制御部の機能構成を示す図である。 アウタループ監視部の処理概念を示す図である。 アウタループ監視部におけるSIR_OK値及びSIR_NG値の更新に関する第1の例を示す図である。 アウタループ監視部におけるSIR_OK値及びSIR_NG値の更新に関する第2の例を示す図である。 アウタループ監視部におけるSIR_OK値及びSIR_NG値の更新に関する第3の例を示す図である。 第二実施形態におけるベースバンドリソース管理部の機能構成を示す図である。 第三実施形態における移動通信システムのシステム構成例を示す図である。 第三実施形態における移動端末の機能構成例を示す図である。 第三実施形態における移動端末のベースバンド処理部の機能構成を示す図である。 第三実施形態における移動端末の下り電力制御部及びアウタループ制御部の機能構成を示す図である。 第三実施形態における移動端末のインナループ監視部の処理概念を示す図である。 第三実施形態における故障検出部の機能構成を示す図である。 第四実施形態における移動端末のベースバンド処理部の機能構成を示す図である。 第三実施形態における移動端末のアウタループ監視部の処理概念を示す図である。 第四実施形態における故障検出部の機能構成を示す図である。 従来のCDMA移動通信システムにおけるノードB周辺のシステム構成の例を示す図である。 従来のノードBにおけるベースバンド処理部の機能構成を示す図である。 従来の送信電力制御を示す図である。
符号の説明
1 ノードB
2 無線ネットワーク制御装置(RNC)
5 移動端末(UE)
10、74 ベースバンド処理部(1)−(N)、ベースバンド処理部
11、73 無線変調/復調部
12 ハイウェイインタフェース部
15、71 アンテナ
16 屋外受信増幅器(OA−RA)
17 アンプ部
19 ベースバンドリソース管理部
21、81 逆拡散部
22、82 RAKE合成部
23、83 チャネル推定部
25、85 デインタリーブ部
26、86 チャネル復号部
27、87 CRC判定部
30 上り電力制御部
31、92 チャネル符号化部
32、93 インタリーブ部
33、94 拡散部
35 下り送信電力値算出部
37、97 パイロット生成部
51、101 インナループ監視部
52、102 アウタループ監視部
41、111 SIR測定部
43、113 SIR目標値算出部
42、112 TPCビット判定部
61、121 判定対象選択部
62、122 発生率算出部
63 前判定部
64 故障リソース判定部
70−1、70−2、70−3 基地局装置
72 無線部
75 故障検出部
76 データ処理部
90 下り電力制御部
91 アウタループ制御部
95 上り送信電力値算出部
123 故障判定部

Claims (10)

  1. 割り当てられた設定呼に関する信号処理を行うベースバンド処理手段を複数備える基地局装置の故障検出装置において、
    前記各ベースバンド処理手段に対してそれぞれ設けられ、その対象ベースバンド処理手段に割り当てられた設定呼の上りチャネルに関する送信電力制御で利用される情報に基づいて、当該対象ベースバンド処理手段に設定された累積呼数及びそのうちの異常呼数をカウントする複数の監視手段と、
    前記各監視手段により得られる各ベースバンド処理手段の異常呼数及び累積呼数をそれぞれ収集し、収集された異常呼数及び累積呼数に基づいて、前記複数のベースバンド処理手段のうち故障の発生しているベースバンド処理手段を判定する判定手段と、
    を備える基地局装置の故障検出装置。
  2. 前記送信電力制御で利用される情報は、対象ベースバンド処理手段に割り当てられた設定呼を形成する下り信号に設定される送信電力制御情報である請求項1に記載の基地局装置の故障検出装置。
  3. 前記各監視手段は、
    前記送信電力制御情報に対応する送信電力増減値を算出する算出手段と、
    前記送信電力増減値を所定の周期で参照し、参照時における送信電力増減値が所定の閾値より大きくなる異常回数及びそれ以外の正常回数をそれぞれカウントするカウント手段と、
    前記カウント手段により得られる異常回数及び正常回数に基づいて、その正常回数が所定の閾値より大きくなる前に異常回数が所定の閾値より大きくなる呼を異常呼と判断する判断手段と、
    をそれぞれ有する請求項2に記載の基地局装置の故障検出装置。
  4. 前記判定手段は、
    前記複数のベースバンド処理手段のうち、前記各監視手段により得られる累積呼数が所定の呼数閾値より大きいベースバンド処理手段を故障判定の対象として選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された各ベースバンド処理手段に関し、累積呼数のうちの異常呼数の割合となる異常呼発生率をそれぞれ算出する発生率算出手段と、
    を有し、
    前記選択手段により選択されたベースバンド処理手段の中から、前記発生率算出手段により算出される異常呼発生率が所定の発生率閾値より大きいベースバンド処理手段を故障の発生しているベースバンド処理手段として判定する、
    請求項1に記載の基地局装置の故障検出装置。
  5. 前記判定手段は、
    前記発生率算出手段により算出された異常呼発生率が所定の異常呼発生率閾値よりも大きいベースバンド処理手段を故障ベースバンド処理手段と予測し、異常呼発生率が所定の正常呼発生率閾値よりも小さいベースバンド処理手段を正常ベースバンド処理手段と予測し、この故障ベースバンド処理手段の数及び正常ベースバンド処理手段の数を取得する予測手段を更に有し、
    前記故障ベースバンド処理手段の数が故障判定の対象として選択されたベースバンド処理手段の数に対する故障ベースバンド処理手段の数の所定の故障比率閾値より小さく、前記正常ベースバンド処理手段の数が故障判定の対象として選択されたベースバンド処理手段の数に対する正常ベースバンド処理手段の数の所定の正常比率閾値より大きい場合に、その故障と予測されたベースバンド処理手段を故障の発生しているベースバンド処理手段
    として判定する、
    請求項4に記載の基地局装置の故障検出装置。
  6. 前記送信電力制御で利用される情報は、対象ベースバンド処理手段に割り当てられた設定呼の上りチャネルに関する送信電力制御に利用される信号干渉電力比の増減値である請求項1に記載の基地局装置の故障検出装置。
  7. 前記各監視手段は、
    前記信号干渉電力比の増減値を所定の周期で参照し、参照時における信号干渉電力比の増減値が前回参照時よりも大きく、かつ、所定の閾値より大きくなる異常回数及びそれ以外の正常回数をそれぞれカウントするカウント手段と、
    前記カウント手段により得られる異常回数及び正常回数に基づいて、その正常回数が所定の閾値より大きくなる前に異常回数が所定の閾値より大きくなる呼を異常呼と判断する判断手段と、
    をそれぞれ有する請求項6に記載の基地局装置の故障検出装置。
  8. 通信相手となる基地局装置を切り替えながら無線通信を行う移動端末の故障検出を行う故障検出装置において、
    前記通信相手となる基地局装置との間の下りチャネルに関する送信電力制御で利用される情報に基づいて、ベースバンド処理手段に設定された累積呼数、そのうちの異常呼数及び異常無線リンク数をカウントする監視手段と、
    前記監視手段により得られる異常呼数、累積呼数及異常無線リンク数に基づいて、自装置の故障を判定する判定手段と、
    を備える移動端末の故障検出装置。
  9. 割り当てられた設定呼に関する信号処理を行うベースバンド処理手段を複数備える基地局装置の故障検出を行う故障検出方法において、
    前記各ベースバンド処理手段に対して、その対象ベースバンド処理手段に割り当てられた設定呼の上りチャネルに関する送信電力制御に利用される情報に基づいて、当該対象ベースバンド処理手段に設定された累積呼数及びそのうちの異常呼数をそれぞれカウントする監視ステップと、
    前記監視ステップにより得られる各ベースバンド処理手段の異常呼数及び累積呼数をそれぞれ収集し、前記複数のベースバンド処理手段のうち故障の発生しているベースバンド処理手段を判定する判定ステップと、
    を備える基地局装置の故障検出方法。
  10. 通信相手となる基地局装置を切り替えながら無線通信を行う移動端末の故障検出を行う故障検出方法において、
    前記通信相手となる基地局装置との間の下りチャネルに関する送信電力制御で利用される情報に基づいて、ベースバンド処理手段に設定された累積呼数、そのうちの異常呼数及び異常無線リンク数をカウントする監視ステップと、
    前記監視ステップにより得られる異常呼数、累積呼数及異常無線リンク数に基づいて、自装置の故障を判定する判定ステップと、
    を備える移動端末の故障検出方法。
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