JP2008047289A - 対物レンズ - Google Patents
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Abstract
基板厚さの異なる2種類以上の光ディスクに対し、機械的な切り替え機構のない簡単な構成で、ディスク基板の厚さの差異による収差の発生を除去し、信号の記録または再生が可能な光ディスク装置およびそれに用いる光ピックアップを提供する。
【解決手段】
第1の発光素子から発射したレーザ光束はコリメートレンズで平行光束となり、光束合成分離素子を経て対物レンズでディスク基板の薄い高密度ディスク上に集光される。第2の発光素子から発射したレーザ光束は、光束合成分離素子を経て発散光束として対物レンズに入射し、ディスク基板の厚い従来方式ディスク上に集光されるので、ディスク厚さの違いによる球面収差が補正される。また、ディスク種類判別手段による判別結果に基づいて信号処理回路を切り替える。
【選択図】 図1
Description
光ディスクの記録面に集光される光スポットの大きさは、レーザ光源の波長と対物レンズの開口数(以下NAとする)とで決まる。NAを大きくすることにより、光スポットの直径を小さくすることにより、記録容量の高密度化を図ることができる。ところが、NAを大きくすると、ディスクの傾きにより発生するコマ収差が大きくなり、ディスクの傾きやディスク厚さ誤差等に対する余裕度がなくなる。
この問題を解決するため、従来の厚さ1.2mmのディスク基板に換えて0.6mmなどの薄いディスク基板を用いることが検討されている。
ここで問題となるのは従来の基板厚さのディスクの薄型のディスクとの互換性である。すなわち、光ディスク装置ではディスク基板を通して記録面にレーザ光束を照射するため、対物レンズはディスク厚さに応じて設計される。設計値と異なる厚さのディスクでは大きな球面収差が発生するので、信号を記録または再生することが全くできなくなる。
例えば、有機色素の記録膜を用い、1回だけ記録可能で記録後は再生専用装置でも再生可能な方式の、いわゆるライトワンス型の光ディスクが既に実用化されているが、このような方式の記録膜は、反射率が波長によって大きく変化する。したがって、波長780nm用のディスクを650nmあるいは635nmの波長を用いて再生することはできない。上記従来技術の構成では、高密度ディスク用の波長の光源を用いて従来方式の光ディスクも再生せざるをえないので、従来方式の光ディスクのうちこのような波長依存性を有するディスクを再生することができないという課題がある。
好ましくは、上記2本の光束のうち1本が平行光束として対物レンズに入射し、他の1本の光束が発散光束として対物レンズに入射するように、光学系を配置した。もしくは、上記2個の発光素子から発射した2本の光束がそれぞれ発散光束として対物レンズに入射する際の発散角が互いに異なるように、光学系を構成してもよい。
以下、対物レンズ19に入射させる発散光束18の発散角について説明する。ここで発散角とは、発散光束18の最も外側を通る光線すなわち周縁光線の、光軸に対する角度である。
発明者による設計では、例えば対物レンズ19として焦点距離3.4mmの非球面レンズを用い、高密度ディスクの基板厚さが0.6mm、従来方式ディスクの基板厚さが1.2mmとした場合、対物レンズ19のディスク側におけるNAを0.6とした場合は1.87度、もしくはNAを0.4とした場合は1.29度とすることにより、ディスク厚さの相違による球面収差を効果的に補正できることがわかった。対物レンズ19の焦点距離または非球面係数などの設計が異なると、最適な発散角が異なるが、1度以上3度以下、望ましくは1度以上2度以下とすることで、球面収差を効果的に補正できる。
本実施の形態によれば、補正レンズの抜き差しあるいは2種類の対物レンズの切り替えなど、機械的な切り替え機構を用いることなく、高密度ディスクと従来方式のディスクの両方を良好な光スポットで記録または再生できる。さらに、高密度ディスクおよび従来方式ディスクをそれぞれ最適な波長の光源を用いて記録または再生することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態としての光ピックアップの構成および動作を図2を用いて説明する。
すなわち対物レンズ19側の発散角は、第1の実施の形態で説明したように例えば1度以上3度以下、あるいは1度以上2度以下とする。このとき、発光素子11側の発散角をそれよりも大きな値とすることにより、発光素子11から発射した光束を有効に利用することができ、さらに発光素子11から対物レンズ19までの光路長を短くすることができ、装置を小型化できる。
なお、本実施の形態の目的に合致するものであれば、中間レンズ24は凸レンズ、凹レンズその他どのようなものでもよい。また、中間レンズ24は、本発明のいずれの構成にも適用することができる。さらに、中間レンズ24を光束合成分離素子9もしくは光束分離素子13もしくは光学ブロック16などと一体に構成することにより、光ピックアップの小型化、部品点数の削減が可能である。
Claims (18)
- 第1の発光素子と、第2の発光素子と、前記第1および第2の発光素子から発射した光束を光情報記録媒体の信号記録面に集光するための対物レンズと、前記第1および第2の発光素子から発射した2本の光束をそれぞれ前記対物レンズに導く光束合成分離素子とを有する光ピックアップにおいて、前記第1の発光素子から発射して前記対物レンズに入射する光束の発散角または集束角と、前記第2の発光素子から発射して前記対物レンズに入射する光束の発散角または集束角とが、それぞれ互いに異なる所定の値に設定されていることを特徴とする、光ピックアップ。
- 第1の発光素子と、第2の発光素子と、前記第1および第2の発光素子から発射した光束を光情報記録媒体の信号記録面に集光するための対物レンズと、前記第1および第2の発光素子から発射した2本の光束をそれぞれ前記対物レンズに導く光束合成分離素子とを有する光ピックアップにおいて、前記第1の発光素子から発射した光束が平行光束として前記対物レンズに入射し、前記第2の発光素子から発射した光束が発散角1度以上3度以下の発散光束として前記対物レンズに入射することを特徴とする、光ピックアップ。
- 第1の発光素子と、第2の発光素子と、前記第1および第2の発光素子から発射した光束を光情報記録媒体の信号記録面に集光するための対物レンズと、前記第1および第2の発光素子から発射した2本の光束をそれぞれ前記対物レンズに導く光束合成分離素子とを有する光ピックアップにおいて、前記第1の発光素子から発射した光束が平行光束として前記対物レンズに入射し、前記第2の発光素子から発射した光束が発散角1度以上2度以下の発散光束として前記対物レンズに入射することを特徴とする、光ピックアップ。
- 第1の発光素子と、第2の発光素子と、前記第1および第2の発光素子から発射した光束を光情報記録媒体の信号記録面に集光するための対物レンズと、前記第1および第2の発光素子から発射した2本の光束をそれぞれ前記対物レンズに導く光束合成分離素子とを有する光ピックアップにおいて、前記第1の発光素子と前記光束合成分離素子とを結ぶ光路中に前記第1の発光素子から発射した光束を平行光束にするための第1の光学素子を有し、前記第2の発光素子と前記光束合成分離素子とを結ぶ光路中に前記第2の発光素子から発射した光束を所定の発散光束とするための第2の光学素子を有することを特徴とする光ピックアップ。
- 前記第1の発光素子の発光波長と前記第2の発光素子の発光波長とが異なっており、前記光束合成分離素子は、入射光束の波長の相違により前記第1の発光素子から発射した光束を透過または反射し、前記第2の発光素子から発射した光束を反射または透過することにより、それぞれ前記対物レンズに導くことを特徴とする、請求項2または請求項3または請求項4に記載の光ピックアップ。
- 前記第2の発光素子の発光波長の光束を反射または吸収または散乱する環状の波長フィルタを、前記対物レンズと一体に設けたことを特徴とする、請求項5に記載の光ピックアップ。
- 前記第1の発光素子から発射した光束と前記第2の発光素子から発射した光束とが前記光束合成分離素子に入射する際の偏光方向がそれぞれ異なっており、前記光束合成分離素子は、該偏光方向の相違により前記第1の発光素子から発射した光束を透過または反射し、前記第2の発光素子から発射した光束を反射または透過することにより、それぞれ前記対物レンズに導くことを特徴とする、請求項2または請求項3または請求項4に記載の光ピックアップ。
- 前記第2の発光素子から発射した光束を反射または吸収または散乱する環状の偏光フィルタを、前記対物レンズと一体に設けたことを特徴とする、請求項7に記載の光ピックアップ。
- 前記第2の発光素子と前記光束合成分離素子とを結ぶ光路中に、前記第2の発光素子を発射した光束の径を所定の値に制限するするための制限開口を有することを特徴とする、請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項7に記載の光ピックアップ。
- 第1の発光素子と、第2の発光素子と、光束を光情報記録媒体の信号記録面に集光するための対物レンズと、前記第1および第2の発光素子から発射した前記第1および第2の光束をそれぞれ前記対物レンズに導く光束合成分離素子と、該光情報記録媒体による前記第1の光束の反射光を受光する第1の受光素子と、該光情報記録媒体による前記第2の光束の反射光を受光する第2の受光素子と、該光情報記録媒体の種類を判別する媒体判別手段とを有し、
該媒体判別手段による判別結果に基づいて、前記第1の受光素子の検出出力と前記第2の受光素子の検出出力とのいずれかを選択し、所定の信号処理を実行することを特徴とする、光ディスク装置。 - 第1の発光素子と、第2の発光素子と、光束を光情報記録媒体の信号記録面に集光するための対物レンズと、前記第1および第2の発光素子から発射した前記第1および第2の光束をそれぞれ前記対物レンズに導く光束合成分離素子と、該光情報記録媒体による前記第1の光束の反射光を受光する第1の受光素子と、該光情報記録媒体による前記第2の光束の反射光を受光する第2の受光素子と、該光情報記録媒体の種類を判別する媒体判別手段とを有し、
該媒体判別手段による判別結果に基づいて、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子とのいずれかを選択して点灯することを特徴とする、光ディスク装置。 - 前記第2の発光素子と前記光束合成分離素子とを結ぶ光路中に前記第2の発光素子から発射した光束を所定の発散光束にするための第2の光学素子を有することを特徴とする、請求項10または請求項11に記載の光ディスク装置。
- 第1の発光素子と、第2の発光素子と、前記第1および第2の発光素子から発射した光束を光情報記録媒体の信号記録面に集光するための対物レンズとを有する光ピックアップにおいて、前記第1の発光素子から発射して前記対物レンズに入射する光束の発散角または集束角と、前記第2の発光素子から発射して前記対物レンズに入射する光束の発散角または集束角とが、それぞれ互いに異なる所定の値に設定されていることを特徴とする、光ピックアップ。
- 第1の発光素子と、第2の発光素子と、前記第1および第2の発光素子から発射した光束を光情報記録媒体の信号記録面に集光するための対物レンズと、前記第1および第2の発光素子から発射した2本の光束をそれぞれ前記対物レンズに導く光束合成分離素子とを有する光ピックアップにおいて、前記第1の発光素子と前記光束合成分離素子とを結ぶ光路中に前記第1の発光素子から発射した光束を平行光束にするための光学素子を有することを特徴とする光ピックアップ。
- 前記第2の発光素子の発光波長の光束を反射または吸収または散乱する波長フィルタを、光束合成分離素子、対物レンズ、光情報記録媒体の信号記録面とを結ぶ光路中に設けたことを特徴とする請求項5記載の光ピックアップ。
- 前記第2の発光素子から発射した光束を反射または吸収または散乱する偏光フィルタを、光束合成分離素子、対物レンズ、光情報記録媒体の信号記録面とを結ぶ光路中に設けたことを特徴とする請求項7記載の光ピックアップ。
- 前記第1の発光素子の発光波長と前記第2の発光素子の発光波長とが異なっており、前記光束合成分離素子は、入射光束の波長の相違により前記第1の発光素子から発射した光束を透過または反射し、前記第2の発光素子から発射した光束を反射または透過することにより、それぞれ前記対物レンズに導くことを特徴とする、請求項10または請求項11に記載の光ディスク装置。
- 前記媒体判別手段は、少なくとも、光学基板の厚さが0.6mmと、1.2mmの光情報記録媒体を判別し、前記第1の発光素子の発光波長は、650nmあるいは635nmであり、前記第2の発光素子の発光波長は、780nmであることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の光ディスク装置。
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