JP2008043431A - 骨締結用中空ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】骨の陥凹や切損の懸念を除くのに十分な幅で骨を締結することのできる骨締結用ケーブルであって,締結に際して捩れを防止でき,脊椎手術において椎弓と脊髄との隙間に通し易い,改善された骨締結用のケーブルを提供すること。
【解決手段】 締結対象物を締結することにより圧壊して帯状に変形させることのできる,繊維を編組して断面概略円形の管状に形成してなる,骨締結用中空ケーブル。
【選択図】 図4
【解決手段】 締結対象物を締結することにより圧壊して帯状に変形させることのできる,繊維を編組して断面概略円形の管状に形成してなる,骨締結用中空ケーブル。
【選択図】 図4
Description
本発明は,種々の骨手術において用いる,骨を締結するためのケーブルに関し,より詳しくは,損傷した骨同士,取り分け脊椎手術において,複数の隣接椎骨を融合固定させるため骨移植を行う等して脊柱の不動性を獲得するに当たり,体内で椎骨を直接締結するために使用するケーブルに関する。
骨の固定(骨同士を癒合により一体化させることをいう。),例えば折れた骨の部分同士の固定や,骨移植術における損傷した骨と移植骨片との固定のためには,それらの骨同士を正しい位置関係で確りと密着させ,癒合が完了するまでのそれらの骨同士がずれないように,相互に強く保持しておく必要がある。この保持には,ステンレス鋼やチタニウム等の金属のワイヤー(針金)による骨の締結が従来長らく行われ,状況に応じて,種々の金属製のロッド(棒),フック,ボルト(ペディクルスクリュー又は椎弓根スクリュー)その他の器具と併用されていた。しかしながら,ワイヤーはその堅さのため,これを例えば脊椎手術において,椎弓の下側(ここに脊髄が通っている)に通す際に,脊髄に不用意に押し当てて重大な損傷を与えてしまうことのないよう,術者は細心の注意を払う必要がある。また手術後においても,骨に大きな力が繰り返し掛かった場合にワイヤーが切断することがあり,生じた断端によって脊髄が重大な損傷を受けるというリスクがある。このため,これらの問題を回避し,より安全な脊椎手術を可能にする目的で,最近ではワイヤーに代わって,繊維例えば合成繊維(例えば超高分子量ポリエチレン(「超高強度ポリエチレン」,「高密度ポリエチレン」とも呼ばれる)のような高強度の合成繊維)や金属繊維で作られたケーブルが広く知られるようになってきた。合成繊維で作られた骨締結用のケーブルとしては,超高分子量ポリエチレン繊維を編組して作られた幅3mm又は5mmの薄いテープ状のものであるネスプロン(登録商標)ケーブルシステム(非特許文献1参照)が臨床において広く使用されている。その他に,繊維で作られた骨締結用のケーブルとしては,繊維を編組して作られた,断面が概略円形の,すなわち方向性のない断面の,中実ケーブルが知られている(特許文献1参照)。
脊柱は,軟骨板(椎間板)を介して一連に結合した椎骨(椎体及び椎弓からなる)により構成されており,椎弓は,脊髄を通す椎孔のアーチ状の枠組みを提供している。脊椎手術では,保持しようとする椎骨において椎弓の下側にケーブルを通して巻き掛け,これと隣接する椎骨と,或いは隣接して配置された金属製固定器具と共に,ケーブルの引張力を維持した状態で締結することにより,問題の椎骨を所定位置に保持する術式が頻繁に行われる。椎弓の下側には脊髄が通っており,ケーブルは,椎弓と脊髄との隙間に通される。このとき,円形断面の中実ケーブルは,テープ状のケーブルに比して幅を狭く作れるため,椎弓と脊髄との隙間に通し易い。このため,ケーブルが脊髄に接触するのを回避するのが容易であるという利点がある。しかしながらその反面,円形断面の中実ケーブルは締結したとき骨の陥凹や切損を起こし易いという欠点がある。これは,円形断面の中実ケーブルは幅が狭くしかも表面が全体的に丸い(すなわち平らでない)ため,骨とケーブルとの接触面積が狭く,締結により接触部分に圧力が集中して,骨がその負担に耐え切れず切り込まれることによる。これは取り分け,慢性関節リウマチや骨粗鬆症等により患部の骨が脆くなっている場合に著しい。骨の陥凹や切損が術中に起こった場合には,手術計画の変更を余儀なくされ,手術後に起こった場合には,再手術が必要になるばかりでなく,締結部位が脊椎のときには再手術までの間に脊髄損傷の事態を招くおそれがある。
これに対し,テープ状のケーブルは,これにより骨を締結したとき円形断面のケーブルに比して幅広の平たい面の全体で骨表面と接触し,このため,骨を締め付ける力が分散して単位面積当たりでは圧力が低下することから,陥凹や切損を起こしにくい,という大きな利点を有する。その反面,このタイプのケーブルは,断面円形の中実ケーブルに比して幅広であるため,脊髄と椎弓の隙間にケーブルを通す際に縁が脊髄に接触し易く,接触を避けるには相応の技術を要する。更に,テープ状のケーブルは,骨に巻き掛ける際,術者に目視できない骨の背後の部位で不用意に捩れている(すなわち途中で表裏が反転している)場合が生じ易く,生じた捩れに気付かずこれを戻さないまま締結操作を完了してしまう場合が起こり得る。捩れた部分は,テープ状のケーブルが折り返されて一部で重なり合っており,重なり合った部分において厚みが倍になると共に局所的に幅が減少している。従って,捩れに気付かず,捩れを戻さないまま締結すると,捩れ部分に接している骨表面が相対的に圧力を受けることとなり好ましくないほか,捩れ部分においてケーブル内の応力分布に乱れが生じてケーブルの強度にも悪影響を及ぼす。
このように,両タイプのケーブルには,それぞれ相反する長所及び欠点がある。脊椎手術において,ケーブルによる締結を,それ単独で或いはボルトやフック等のような金属性の固定器具との併用で利用する術式が広く普及しつつあることから,より多くの医師が使用するのに適するよう,取り扱い易く,安全確実な締結をより容易に行えるよう,両タイプのケーブルの長所を維持しつつ欠点を改善した骨締結用のケーブルに対する潜在的需要がある。
上記の背景において,本発明は骨の陥凹や切損の懸念を除くのに十分な幅を以って骨を締結することのできる骨締結用ケーブルであって,締結に際して捩れを防止でき,脊椎手術においては椎弓と脊髄との隙間に通し易いという利点をも有する,改善された骨締結用のケーブルを提供することを目的とする。
上記目的に沿って検討を重ねた結果,本発明者は,繊維を編組して作製した,断面が概略円形で,外径に比して十分な内径の管腔を有する円筒状の中空のケーブルであれば,椎弓と脊髄との隙間に通し易いため従来のケーブルと同様の利点が得られ,また捩れも生じにくく,且つ,締結時に骨表面に押し付けられ圧壊してテープ状となるため,骨の陥凹や切損が生じにくいという従来のテープの利点も得られることを見出し,これに基づき本発明を完成させた。
すなわち本発明は下記を提供するものである。
1.締結対象物を締結することにより圧壊して帯状に変形させることのできる,繊維を編組して断面概略円形の管状に形成してなる,骨締結用中空ケーブル。
2.内径に対する外径の比が,1.1〜2.0である,上記1の骨締結用中空ケーブル。
3.内径が1.0〜10.0mmである,上記1又は2の骨締結用中空ケーブル。
4.該繊維が,有機繊維及び/又は無機繊維である,上記1ないし3の何れかの骨締結用中空ケーブル。
5.該有機繊維が,ポリオレフィン,ポリアミド,ポリアクリロニトリル及び絹よりなる群より選ばれる1又は2以上の繊維であり,該無機繊維が,チタニウム,チタニウム合金及びステンレススチールよりなる群より選ばれる1又は2以上の繊維である,上記4の骨締結用中空ケーブル。
6.繊維を平織り又は斜文織することにより形成されているものである,上記1ないし5の何れかの骨締結用中空ケーブル。
1.締結対象物を締結することにより圧壊して帯状に変形させることのできる,繊維を編組して断面概略円形の管状に形成してなる,骨締結用中空ケーブル。
2.内径に対する外径の比が,1.1〜2.0である,上記1の骨締結用中空ケーブル。
3.内径が1.0〜10.0mmである,上記1又は2の骨締結用中空ケーブル。
4.該繊維が,有機繊維及び/又は無機繊維である,上記1ないし3の何れかの骨締結用中空ケーブル。
5.該有機繊維が,ポリオレフィン,ポリアミド,ポリアクリロニトリル及び絹よりなる群より選ばれる1又は2以上の繊維であり,該無機繊維が,チタニウム,チタニウム合金及びステンレススチールよりなる群より選ばれる1又は2以上の繊維である,上記4の骨締結用中空ケーブル。
6.繊維を平織り又は斜文織することにより形成されているものである,上記1ないし5の何れかの骨締結用中空ケーブル。
上記の各構成になる本発明は,骨の締結前には円筒状のケーブルの形態であるため,椎弓と脊髄との隙間に通す操作が容易である。また円形断面であるため,テープ状のケーブルのように途中で捩れるということが極めて起こりにくく,そのため骨の背後で捩れているのに気付かずに締結してしまうことが防止できる。しかも,締結時にケーブルに加えられる引張力により骨表面に強く押し付けられて圧壊し平たいテープ状へと変形するため,円形断面の中実ケーブルと異なり骨との接触面が幅広となって,骨を締め付ける力が分散される結果,従来の円形断面の中実ケーブルに比して骨の陥凹や切損を起こしにくいという利点がある。こうして,本発明によれば,骨締結用の従来の円形断面のケーブルの利点とテープ状のケーブルの利点とを併せ持ち,従来の円形断面のケーブルの欠点であった骨の陥凹や切損の起し易さ,及び従来のテープ状のケーブルの欠点であった椎弓と脊髄との隙間への通しにくさ及び捩れの問題を,何れも解消することができる。
本発明におけるケーブルは,断面概略円形の中空ケーブルであり,骨等の硬質の締結対象物に巻き掛けて締め付けるまで,すなわち締結対象物の締結に使用するまでは,その断面状態を維持できる程度の硬さを有するように作製される。これは,例えば樹脂製の断面円形の長いワイヤーやチューブ等を芯材として用い,その周りに繊維を緻密に編組するだけで容易に達成できる。すなわちそのようにして作製した中空ケーブルは,芯材を抜き取った後も,骨に巻き掛ける際例えば椎弓の内側において脊髄との隙間に通す際には,骨表面に未だ強く押し付けられていないため概略円形の断面形状を維持できる。またそのような硬さを有していても,骨に巻き掛けた後にケーブルの両端を引き絞って骨を締結するときは,ケーブルの側面が骨表面に強く押し付けられるため,圧壊しテープ状へと変形してその平たい面で骨に接触することとなる。編組の方式は特に限定されず,例えば,平織(図2),斜文織(綾織)(図3)等適宜であってよい。
本発明のケーブルを構成する繊維としては,有機繊維及び無機繊維の何れも用いることができる。有機繊維は,柔軟性に優れる点で金属繊維よりも好ましい。
有機繊維としては,ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン,ポリエチレンテレフタレート,ポリ乳酸,ポリグリコール酸,ポリグリコール酸・乳酸,ポリジオキサノン等のポリエステル,ナイロン6,ナイロン66等のポリアミド,その他ポリアクリロニトリル等の種々の合成繊維や絹等のような天然繊維を用いることができる。生分解性の繊維であるポリ乳酸,ポリグリコール酸,ポリグリコール酸・乳酸,ポリジオキサノン等は,骨を締結しておくべき期間があまり長くなく,その後は分解され吸収されて消滅してしまうのが好ましい場合に用いることができる。またこれらの繊維は,生体との親和性が高いため,他の繊維に加えて(例えば合撚する等により)使用することにより,当該他の繊維を主体とするケーブルの生体親和性を高めるために用いることもできる。
これら種々の有機繊維は,1種のものを単独で用いてもよく,2種以上を併せて,例えば強い締結力を得るための高強度の繊維を主とし,これに別の繊維を併せて編組してもよい。また,有機繊維はX線透過性であるため,骨締結術後のケーブルの状態についてX線診断することはできないが,原料樹脂にX線不透過材料(例えばバリウム化合物)を混煉して紡糸した繊維を本発明において用いることもできる。そのようなX線不透過の繊維を少なくとも1部に用いて作製したケーブルは,X線画像として捕捉できるため,これを骨の締結に用いれば,骨締結術後の患者におけるケーブル締結状態の検査が容易となる,という点で有用である。また,特に高強度の繊維として,ポリエチレン繊維の一種である超高分子量ポリエチレン繊維(分子量40万以上)は,引張強さ及び引張弾性率が大きいため,本発明において使用する繊維として特に適している。
無機繊維としては,チタニウム,チタニウム合金及びその合金,ステンレススチールなど,骨締結用ケーブルとして従来用いられている材料を使用することができる。
また,所望により有機繊維と無機繊維とを併せて用いてケーブルを作製することも可能である。例えば,X線透過性の有機繊維に無機繊維を一部組み込んで作製した中空ケーブルは,X線画像中で捕捉できるため,患者内のケーブルの締結状態のX線検査を可能にする。
本発明の骨締結用中空ケーブルは,締結対象物を締結することにより圧壊させたとき平たいテープ状になるよう,外径に比して十分な大きさの内径(すなわち管腔の径)を有するものであることが好ましい。このためには,内径に対する外径の比が1.1〜2.0であるのが好ましく,1.1〜1.5であるのが更に好ましい。
本発明の骨締結用中空ケーブルの好ましい内径は,締結しようとする部位や求める締結力に応じて種々であるが,通常好ましくは,1.0〜10mm,より好ましくは1.5〜10mmである。
本発明の骨締結用中空ケーブルは,脊椎手術において従来のケーブルに比べ取り分け有利に使用することができるが,身体の他の部位の骨を締結する場合にも,取り扱いの容易さ,骨の陥凹や切損の発生防止,及び捩れが回避できるという点で,有利に使用することができる。
本発明の骨締結用中空ケーブルは,作製時の芯材を含んだままで供給し,手術室において芯材を抜き取るようにしてもよく,搬送,保管において不用意に圧迫を受けないよう箱等に包装して供給する場合には,芯材を抜き取った中空ケーブルのみの状態で供給してもよい。
以下,典型的な実施例を参照して本発明を更に具体的に説明するが,本発明がそれらの実施例に限定されることは意図しない。
〔実施例1〕
超高分子量ポリエチレン繊維よりなる100デニール(デニール:9000m当たりの質量(g))の糸を2本重ねで用いて,スピンドル数24で平織により中空繊維を作製した。芯材として外径2mmのポリテトラフルオロエチレン樹脂チューブを用い,その周りに株式会社コクブンリミテッド製No.101(中型)丸ひも機によって,巻き取り側ギアとスピンドル側ギアのギア比を変えることにより(100/45,100/40,又は100/32)編みの密度を変えた3通りの中空ケーブルを作製した(それぞれ,実施例1a,1b及び1c)。作製した中空ケーブルは何れも,芯材を抜き取っても,締結対象物を締結することにより圧迫するまでは,断面円形の形状を維持した。これらの中空ケーブルの内径は何れも2mmであった。表1にこれらの中空ケーブルの単位長さ当たりの糸の巻き数,及びケーブルの外径を示す。また図4に,実施例1bの中空ケーブルの断端の写真を示す。
超高分子量ポリエチレン繊維よりなる100デニール(デニール:9000m当たりの質量(g))の糸を2本重ねで用いて,スピンドル数24で平織により中空繊維を作製した。芯材として外径2mmのポリテトラフルオロエチレン樹脂チューブを用い,その周りに株式会社コクブンリミテッド製No.101(中型)丸ひも機によって,巻き取り側ギアとスピンドル側ギアのギア比を変えることにより(100/45,100/40,又は100/32)編みの密度を変えた3通りの中空ケーブルを作製した(それぞれ,実施例1a,1b及び1c)。作製した中空ケーブルは何れも,芯材を抜き取っても,締結対象物を締結することにより圧迫するまでは,断面円形の形状を維持した。これらの中空ケーブルの内径は何れも2mmであった。表1にこれらの中空ケーブルの単位長さ当たりの糸の巻き数,及びケーブルの外径を示す。また図4に,実施例1bの中空ケーブルの断端の写真を示す。
実施例1a及び1cの中空ケーブルの各々につき,図1に模式的に示すように二重にして結んだループを形成して引張試験機の2本の丸いパイプに巻き掛けて上下方向から牽引し,ループの固定が維持される最大の牽引力(以下,「最大固定強度」という。)を測定した。結果は表2に示す。
また,実施例1b及び1cの中空ケーブルの各々につき,図1に模式的に示すように,2本の丸いパイプに,二重にして結んだループを形成して巻き付け締結したときの,丸いパイプに接触しているケーブル部分の幅及び厚さ(それぞれ,「締結時幅」及び「締結時厚さ」という。)を,それぞれ測定した。結果は表3に示す。
〔実施例2〕
実施例1で用いた糸の代わりに,超高分子量ポリエチレン繊維よりなる250デニールの糸を,重ねずに1本で用い,実施例1と同様の方法で,3通りの中空ケーブルをそれぞれ作製した(それぞれ,実施例2a,2b,及び2c)。作製した中空ケーブルは,芯材を抜き取っても,締結対象物を締結することにより圧迫するまでは,断面円形の形状を維持していた。これらの中空ケーブルの内径は何れも2mmであった。表1にこれらの中空ケーブルの外径及び単位長さ当たりの糸の巻き数を示す。
実施例1で用いた糸の代わりに,超高分子量ポリエチレン繊維よりなる250デニールの糸を,重ねずに1本で用い,実施例1と同様の方法で,3通りの中空ケーブルをそれぞれ作製した(それぞれ,実施例2a,2b,及び2c)。作製した中空ケーブルは,芯材を抜き取っても,締結対象物を締結することにより圧迫するまでは,断面円形の形状を維持していた。これらの中空ケーブルの内径は何れも2mmであった。表1にこれらの中空ケーブルの外径及び単位長さ当たりの糸の巻き数を示す。
実施例2a及び2cの中空ケーブルの各々につき,実施例1と同様にして最大固定強度を測定した。結果は表2に示す。また,実施例2b及び2cについて,実施例1と同様にして,締結時幅及び締結時厚さを,それぞれ測定した。結果は表3に示す。
〔実施例3〕
実施例2で用いた250デニールの糸を2本重ねで用いて実施例1と同様の方法で(但しギア比は,100/45及び100/40),2通りの中空ケーブルをそれぞれ作製した(それぞれ,実施例3a及び3b)。作製した中空ケーブルは,芯材を抜き取っても,締結対象物を締結することにより圧迫するまでは,断面円形の形状を維持していた。これらの中空ケーブルの内径は何れも2mmであった。表1にこれらの中空ケーブルの単位長さ当たりの糸の巻き数,及びケーブルの外径を示す。
実施例2で用いた250デニールの糸を2本重ねで用いて実施例1と同様の方法で(但しギア比は,100/45及び100/40),2通りの中空ケーブルをそれぞれ作製した(それぞれ,実施例3a及び3b)。作製した中空ケーブルは,芯材を抜き取っても,締結対象物を締結することにより圧迫するまでは,断面円形の形状を維持していた。これらの中空ケーブルの内径は何れも2mmであった。表1にこれらの中空ケーブルの単位長さ当たりの糸の巻き数,及びケーブルの外径を示す。
実施例3a及び3bの中空ケーブル各々につき,実施例1と同様にして最大固定強度を測定した。結果は表2に示す。また,これらにつき,実施例1と同様にして,締結時幅及び締結時厚さを,それぞれ測定した。結果は表3に示す。
表2及び3より,実施例1〜3の各中空ケーブルは,骨締結術において広く行われる二重にしたループの状態で,十分な最大固定強度を示し,締結後の引張られ且つ圧壊した状態において,テープ状に変形して片面全体で引張試験機の丸いパイプの表面に(従って,骨の締結時には骨表面に)接触することが分かる。
本発明の骨締結用中空ケーブルは,骨締結術において,取り扱い易く,骨の陥凹や切損を起こす虞が少なく,捩れが防止でき,脊椎手術での脊髄との接触を防ぎ易い,優れた骨締結用ケーブルとして用いることができる。
Claims (6)
- 締結対象物を締結することにより圧壊して帯状に変形させることのできる,繊維を編組して断面概略円形の管状に形成してなる,骨締結用中空ケーブル。
- 内径に対する外径の比が,1.1〜2.0である,請求項1の骨締結用中空ケーブル。
- 内径が1.0〜10.0mmである,請求項1又は2の骨締結用中空ケーブル。
- 該繊維が,有機繊維及び/又は無機繊維である,請求項1ないし3の何れかの骨締結用中空ケーブル。
- 該有機繊維が,ポリオレフィン,ポリアミド,ポリアクリロニトリル及び絹よりなる群より選ばれる1又は2以上の繊維であり,該無機繊維が,チタニウム,チタニウム合金及びステンレススチールよりなる群より選ばれる1又は2以上の繊維である,請求項4の骨締結用中空ケーブル。
- 繊維を平織り又は斜文織することにより形成されているものである,請求項1ないし5の何れかの骨締結用中空ケーブル。
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