JP2008041186A - 光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の光ディスク装置は、多層の光ディスクに面ぶれがある場合には、各フォーカスエラーの検出位置の前後で同じ層のS字が複数回検出されることがあり、フォーカスエラーの波形から通過した層の数を推測することはほぼ不可能となる。
【解決手段】複数の信号層が積層された多層の光ディスク10の記録再生時に、光学手段20内のコリメータレンズの光軸方向の位置を各信号層毎にフォーカスエラー信号の振幅が最大になる最適な位置に合せることで球面収差が補正されると共に、他の信号層のトラッキングエラー信号の振幅はほぼ0となる。よって、コリメータレンズ位置を切り替えながらトラッキングエラー信号の振幅の有無を調べることで、現在のフォーカスサーボしている信号層を特定する。フォーカスサーボ状態において、全ての信号層でトラッキングエラー信号が閾値以上検出されなかった場合、カバー層のフォーカスサーボ状態と判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は光ディスク装置に係り、特に多層光ディスクの所望のディスク信号面に対して光ビームを集光して情報信号を記録したり、所望のディスク信号面で反射された反射光からそのディスク信号面に記録されている情報信号を再生する光ディスク装置に関する。
近年、光ディスクは、記録再生に用いるレーザ光の波長405nmの青紫色光の採用などよる短波長化や対物レンズの高開口数化で記録容量が益々大容量化する傾向にあり、それに伴い光ディスクに高密度で情報を記録再生する技術が光ディスク装置において益々重要となっている。光ディスク装置において、光ディスクに高密度で情報を記録再生する技術としては、例えば光ピックアップ内の対物レンズを通して光ディスクの信号面に光源からの光ビームを焦点一致させて集光するフォーカスサーボ制御や、光ディスクの微細トラックピッチのトラックに、対物レンズを通して照射する光ビームを正確に追従走査させるトラッキングサーボ制御などがある。
このうち、フォーカスサーボ制御においては、光ディスクからの反射光を受光する所定構成の光検出器の出力信号を所定の演算式により演算して、対物レンズにより光ディスクに集束される光ビームの焦点位置と光ディスクの信号面との距離に相当するフォーカスエラーを示す図11のような特性のフォーカスエラー信号を生成し、このフォーカスエラー信号に基づいて光ビームを合焦点に近づくように対物レンズを光ディスクの信号面に対して垂直方向に移動制御することは従来よく知られている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、横軸を光ビームの焦点位置と光ディスクの信号面との距離を示し、縦軸をフォーカスエラーの大きさを示す図11において、Iで示される特性のフォーカスエラー信号は、同図に示すように、合焦点を中心にS字型のカーブで表される。この図11に示されるS字カーブ特性は、合焦点付近の直線領域IIではほぼ直線状を有しているが、この直線領域IIを越えて光ディスクから離れるほど、若しくは光ディスクへ近づくほどフォーカスエラーがほぼゼロになる特性を有している。
光ディスクに記録されている情報を再生又は記録する場合には、フォーカスエラー信号が常にこのS字カーブ特性の直線領域II内に入るように制御する必要があることから、フォーカスエラー信号が直線領域II内(±4〜8μm程度)に入るように予め信号を選択するとともに、この信号を増幅してフォーカスコイルに印加して、フォーカスエラー信号が合焦点に近づくように対物レンズを光ディスクの信号面に対して垂直方向に移動制御することで、常にS字カーブ特性の直線領域II内に入るように微調整を行って情報の再生又は記録を行う。なお、図11に示したS字カーブ特性Iから分かるように、フォーカスエラー信号が直線領域IIを越えてゼロに近づく方向に進んだ場合は、対物レンズが合焦点位置から遠ざかっていることを意味する。
ところで、光ディスクの記録密度は、光ディスク上に形成される集光スポットの径(直径)の2乗に反比例することが知られている。すなわち、集光スポットの径が小さいほど記録密度は高くなる。集光スポットの径は光源の波長に比例し、対物レンズの開口数に反比例する。すなわち、光源の波長が短く対物レンズの開口数が高いほど集光スポットの径は小さくなる。
一方、光ディスクの基板の厚さが設計値からずれると、基板厚ずれに起因する球面収差により集光スポットの形状が乱れ、記録再生特性が悪化する。球面収差は光源の波長に反比例し対物レンズの開口数の4乗に比例するため、光源の波長が短く対物レンズの開口数が高いほど記録再生特性に対する光記録媒体の基板厚ずれのマージンは狭くなる。従って、記録密度を高めるために光源の波長を短く対物レンズの開口数を高くした光ディスク装置においては、記録再生特性を悪化させないために、光ディスクの基板厚ずれを検出、補正することが必要である。
そこで、光ディスクの基板厚ずれを検出、補正する光ディスク装置が従来提案されている(例えば、特許文献2参照)。図12はこの従来の光ディスク装置の一例の構成図を示す。同図において、半導体レーザ301から出射したレーザ光は、コリメータレンズ302で平行光化され、偏光ビームスプリッタ303、1/4波長板304をそれぞれ透過して対物レンズ305によりディスク306上に集光される。
ディスク306からの反射光は対物レンズ305を透過し、1/4波長板304で直線偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ303で反射され、円筒レンズ307、レンズ308を透過して光検出器309で受光される。演算回路310は光検出器309の各受光部からの信号に基づいて、フォーカス誤差信号とフォーカス和信号を演算し、フォーカス誤差信号を駆動回路311に供給し、駆動回路311によりコリメータレンズ302を所定の範囲で光軸方向に移動させて球面収差を所定の範囲で変化させ、フォーカス誤差信号の振幅が最大になるようにコリメータレンズ302の光軸方向の位置を調整する。これにより、ディスク306の基板厚ずれに起因する球面収差を相殺する球面収差が対物レンズ305で発生し、総合的な球面収差が0となる。また、駆動回路312が対物レンズ305を図示しないアクチュエータにより光軸方向に移動させ、フォーカス誤差信号が0になるように対物レンズ305の光軸方向の位置を制御する。
また、信号層(記録層)が複数積層されている多層光ディスクにおいては、信号層間の距離により更に大きな球面収差が発生するので、一般に各信号層にサーボをかける場合には、それぞれの層に最適な球面収差補正を行う。この多層光ディスクにおいてはカバー層だけではなく、信号層も多数存在するため、特定の信号層を狙ってフォーカスサーボする機能が求められている。
特許第2716610号公報 特開2003−141766号公報
しかしながら、対物レンズの開口数を高くした光ディスク装置において、多層光ディスクの信号層毎に最適な球面収差補正が異なるので、目的の信号層の球面収差補正を最適化したからといって、目的ではない信号層のフォーカスエラーが無くなることはない。そのため多数のフォーカスエラーから目的の信号層にフォーカスサーボをかける機能が必要である。かかる機能を実現するものとして、レンズを一定の方向(例えば合焦点下から合焦点上へ)に移動させた状態(以降フォーカスサーチ状態と呼ぶ)で、フォーカスエラーのS字の出現数を数えて目的の信号層へフォーカスサーボをする光ディスク装置が実際に市場に出ている。
しかしながら、上記の条件でフォーカスエラーのS字の出現数を正しくカウントするためには、「一度現れた信号層のフォーカスエラーが二度と現れない」という条件を満たす必要がある。この条件を満たすためには、(1)光ディスクの面ぶれが少ない、(2)フォーカスサーチ状態においてレンズの移動速度が十分に高速である、(3)光ディスクの回転速度が遅い、という状態であることが望ましい。
しかし、上記の(2)と(3)の状態を満たすことは可能であるが、レンズ移動速度を高速にするとフォーカスサーボが困難になり、また光ディスクの回転を遅くしすぎると再生レーザ光によってもディスク劣化を招く。更に上記の(1)の状態を市販された光ディスク装置において確実に満たす方法はなく、また(1)の状態を満たしたとしても、フォーカスサーチにより対物レンズを一方向に移動させているときに、外部からの衝撃により装置が振動すると、一度合焦点位置であると判定した層が、再度合焦点位置として判定される現象が現れる可能性もある。よって前記条件を確実に満たすことは困難である。
また、フォーカスエラーの出現数を誤ると、目的とは異なる信号層にフォーカスサーボが行われる。そのためどの信号層にフォーカスサーボしたか検出する方法が求められている。
図13を参照してこの現象について説明する。図13において、光ディスク100は、透明な樹脂材からなる円盤状の透明ディスク基板101と、この透明ディスク基板101上に積層形成される複数の信号層102及びカバー層103を少なくとも備える多層光ディスクである。
信号層102の第1の信号面102aに記録されている情報を再生するときは、コリメータレンズ(図示せず)を動かし球面収差補正を信号面102aに合せ、図13(a)に示すように、150aで示す位置の対物レンズによりレーザービーム151を収束させて信号面102aのトラックに照射し、ピットで反射して照射光と同軸上に戻ってきた反射戻り光を対物レンズを介してハーフミラー(図示せず)で分離して情報の読出しを行う。
信号面102bに記録されている情報を再生するときは、コリメータレンズ(図示せず)を動かし球面収差補正を信号面102bに合せ、図13(b)に示すように、150bで示す位置の対物レンズによりレーザービーム151を収束させて信号面102bのトラックに照射し、ピットで反射して照射光と同軸上に戻ってきた反射戻り光を対物レンズを対物レンズを介してハーフミラー(図示せず)で分離して情報の読出しを行う。
ここで、トラックにレーザ光を照射するためにトラックを検出する場合には、フォーカシング制御機構の制御指令に応じて対物レンズ150を光ディスク面の垂直方向に遠近移動させる。このとき図13(a)、(b)に示すように、信号面102a又は102bにレーザ光の焦点が合えば、図11に示したS字カーブ特性を有するフォーカスエラー信号が検出されるが、カバー層103の表面(以下、単にカバー面103aという。)にレーザ光が合焦した場合にもフォーカスエラー信号が検出される場合がある。
すなわち、信号面102bにフォーカスサーボするために、フォーカシング制御機構を用い対物レンズをレーザ光の焦点がカバー面103aより十分下(対物レンズ方向)である位置から上方へフォーカスサーチをさせる場合を仮定する。正常であれば、フォーカスサーチを行うと先ずカバー面103aでフォーカスエラーが検出され、この時点でS字の出現数が”1”になる。更にフォーカスサーチが進むと、信号面102aでフォーカスエラーが検出され、この時点でS字の出現数が”2”になる。更にフォーカスサーチが進むと信号面102bでフォーカスエラーが検出され、ここでフォーカスサーボを行う。
しかし、光ディスクに面ぶれがある場合には、各フォーカスエラーの検出位置の前後で同じ層のS字が複数回検出されることがある。これはフォーカシング制御機構による移動速度を上回る速度で光ディスクが面ぶれにより上下する時に発生する。このような現象が発生すると、フォーカスエラーの波形から通過した層の数を推測することはほぼ不可能となり、どの層にフォーカスサーボするか分らなくなる。
本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、多層光ディスクのどの層(カバー層、各信号層)にフォーカスサーボがかかったかを高精度に判別することができる光ディスク装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明は、光ビームを出射する光源と、光源からの光ビームを平行光化するコリメータレンズと、コリメータレンズを透過した光ビームを信号層が複数積層された多層の光ディスク上の任意の信号層上のトラックに集光し、トラックから反射された反射光を透過する対物レンズと、対物レンズを透過した反射光を少なくとも検出する光検出手段と、光検出手段で検出された光信号から光ビームの照射位置と任意の信号層との位置ずれを算出するフォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラー信号生成手段と、フォーカスエラー信号により光ビームが任意の信号層上で合焦点位置となるように対物レンズを光ディスクの信号層に対して垂直方向に移動させるフォーカス駆動手段と、光検出手段で検出された光信号から光ビームの照射位置と任意の信号層上のトラックとの位置ずれを算出するトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成手段と、トラッキングエラー信号により光ビームが任意の信号層のトラックを追従走査するように対物レンズの光軸をトラックの幅方向に移動させるトラッキング駆動手段と、フォーカスエラー信号の振幅が最大になるようにコリメータレンズの光軸方向の位置を移動することにより、光ディスクの任意の信号層の基板厚ずれに起因する球面収差を相殺するコリメータレンズ駆動手段とを少なくとも備えた光ディスク装置であって、光ディスクの複数の信号層の各々について、フォーカスエラー信号の振幅が最大になるコリメータレンズの最適な位置の情報が予め調べられてそれぞれ保存されている記憶手段と、光ディスクの複数の信号層のうち所望の一の信号層に対するフォーカスサーボ時において、一の信号層での球面収差を補正するための最適なコリメータレンズの位置の情報を記憶手段から読み出してコリメータレンズ駆動手段に供給してコリメータレンズ位置を移動制御するコリメータレンズ移動制御手段と、コリメータレンズ位置の移動制御後にフォーカス駆動手段を制御して、対物レンズの光ディスクの信号層に対して垂直方向への移動を開始し、フォーカスエラー信号の計数値が予め設定した基準数に達するまで移動を継続し、フォーカスエラー信号の計数値が基準数に達した時点でフォーカスエラー信号によるフォーカスサーボ動作を開始する対物レンズのフォーカス方向移動制御手段と、フォーカス方向移動制御手段によるフォーカスサーボ動作開始後に、基準区間内でのトラッキングエラー信号の信号変化を計数して得た計数値と予め設定した基準トラック数とを比較する計数・比較手段と、フォーカスサーボ状態において、コリメータレンズ移動制御手段により複数の信号層のうち各信号層での球面収差を補正するための最適なコリメータレンズの位置の情報を記憶手段から順次読み出してコリメータレンズ駆動手段に供給してコリメータレンズ位置を移動制御させながら計数・比較手段による計数及び比較動作を行い、全てのコリメータレンズ移動位置においてトラッキングエラー信号の信号変化の計数値が基準トラック数未満であるときは光ディスクの複数の信号層のうち最も対物レンズ側にある信号層上に設けられたカバー層へのフォーカスサーボ状態と判定し、トラッキングエラー信号の信号変化の計数値が基準トラック数以上であるときはそのときのコリメータレンズ移動位置に対応した信号層にフォーカスサーボがかかったと判定する判定手段とを有することを特徴とする。
この発明では、コリメータレンズ位置を多層光ディスクの複数の信号層のうち、任意の一の信号層に最適な位置に合せると、その一の信号層のトラッキングエラー信号の振幅のみが最大となり、他の信号層のトラッキングエラー信号の振幅はほぼ0となることに鑑み、コリメータレンズ位置を切り替えながらトラッキングエラー信号の振幅の有無を調べることで、現在のフォーカスサーボしている信号層を特定するようにしたため、多層光ディスクの複数の信号層とカバー層のうちのどの層にフォーカスサーボがかかったかを高精度に判別することができる。
また、本発明は上記の目的を達成するため、上記の判定手段は、トラッキングエラー信号の信号変化の計数値が基準トラック数未満の判定結果が得られたときは、そのときのコリメータレンズ移動位置に対応した信号層よりも対物レンズに近い側に隣接している信号層から対物レンズに最も近い信号層方向に順番に各信号層での球面収差を補正するための最適なコリメータレンズの位置の情報を記憶手段から読み出してコリメータレンズ駆動手段に供給してコリメータレンズ位置を移動制御させながら計数・比較手段による計数及び比較動作を行うことを特徴とする。
この発明では、フォーカスサーボは目的の信号層か、失敗した場合でも必ずその下の信号層(対物レンズに近い側)にかかることに鑑み、目的の信号層より上の層(対物レンズに対して遠い側)のコリメータレンズ位置の設定は判定から除外して、コリメータレンズ位置は目的の信号層よりも対物レンズに近い側に隣接している信号層から対物レンズに最も近い信号層方向に順番に各信号層での球面収差を補正するための最適なコリメータレンズの位置に移動制御させることができる。
また、上記の目的を達成するため、本発明は、判定手段によりトラッキングエラー信号の信号変化の計数値が基準トラック数未満の判定結果が得られたときは、トラッキングエラー信号に替えて一定の割合で所定期間線形的に増加する駆動信号をトラッキング駆動手段に印加して対物レンズを強制的に一方向に揺動させつつ、計数・比較手段の動作を行わせる強制移動手段を更に有することを特徴とする。この発明では、光ディスクが、偏芯がない若しくは偏芯量が少ない場合であっても、フォーカスサーボがかかっている信号層を正確に判定することができる。
本発明によれば、多層光ディスクの複数の信号層とカバー層のうちのどの層にフォーカスサーボがかかったかを高精度に判別することができるため、誤った目標の信号層にフォーカスサーボがかかっても検出後直ぐにリトライ操作を行うことができるので光ディスクからの情報の読出し効率を向上させることができる。
また、本発明によれば、目的の信号層より上の層(対物レンズに対して遠い側)のコリメータレンズ位置の設定は判定から除外して、コリメータレンズ位置は目的の信号層よりも対物レンズに近い側に隣接している信号層から対物レンズに最も近い信号層方向に順番に各信号層での球面収差を補正するための最適なコリメータレンズの位置に移動制御させるようにしているため、フォーカスサーボがかかっている信号層の効率的な判定ができる。
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる光ディスク装置の一実施の形態のブロック図を示す。図1に示す光ディスク装置は、スピンドルモータ11に回転自在に設置された光ディスク10と、この光ディスク10に形成されているトラックにレーザ光を照射し、その反射戻り光を検出する光学手段20と、この光学手段20で検出された光信号をフォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号に分離して信号レベルを適正値に補正する信号補正手段30と、この信号補正手段30で補正された信号に基づいて光学手段20のフォーカス方向及びトラック方向の移動量を算出する算出・制御手段40と、この算出・制御手段40で算出された移動量に応じて光学手段20をフォーカス方向及びトラック方向に移動させる駆動手段50を少なくとも備えている。ここで本実施の形態において光ディスク10とは、具体的には青紫色レーザ光で記録再生される超高密度光ディスクを表している。
光学手段20は、光ディスク10の信号面上に形成されているトラックにレーザ光を集光させるための対物レンズ21と、トラックで反射した反射戻り光を検出する光検出器(図示せず)と、これら対物レンズ21および光検出器等を光ディスク10の信号面と垂直方向(フォーカス方向)に移動させるフォーカスアクチュエータ22と、対物レンズ21および光検出器等をディスク半径方向であるトラックの幅方向(トラッキング方向)に移動させるトラッキングアクチュエータ23とを少なくとも備えている。
信号補正手段30は、信号演算部31と、ゲイン・オフセット補正用フロントエンドプロセッサ(FEP;front-end processor)32と、フォーカス用A/D変換器(以下、フォーカスA/D)33と、トラッキング用A/D変換器(以下、トラッキングA/D)34と、バンドパスフィルタ(BPF)35と、ヒステリシスコンパレータ36とを少なくとも備えている。
信号補正手段30内の信号演算部31は、光学手段20に内蔵されている光検出器で検出した信号から所定の演算式に従ってフォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号を生成し、それらの信号をゲイン・オフセット補正用FEP32に出力する機能部である。ゲイン・オフセット補正用FEP32は、後段に接続されるフォーカスA/D33及びトラッキングA/D34に適したフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を生成するために予め振幅とオフセット設定を行うための機能部である。ゲイン・オフセット補正用FEP32で補正されたトラッキングエラー信号は、BPF35にも出力される。
フォーカスA/D33とトラッキングA/D34は、それぞれゲイン・オフセット補正用FEP32から出力されたフォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するための機能部である。BPF35は、トラッキングエラー信号から低周波のオフセット変動やノイズを除去する機能部である。低周波のオフセット変動の例としては、光ディスク10の偏芯により発生するディスク周期に一致したオフセット変動などが挙げられる。
ヒステリシスコンパレータ36は、耐ノイズ性を高めたコンパレータであり、所定のスレッショルド(閾値)に一定の幅を持たせることで、特定の周波数に重畳しているノイズがこの周波数に対して影響を及ぼす度合を低下させるための機能部である。この一定の幅を有する閾値を越えた信号は、トラックを検出した信号(トラック数)とみなされて後述する判定部43に出力される。
次に、算出・制御手段40の具体的な構成について説明する。算出・制御手段40は、フォーカス制御部41と、トラッキング制御部42と、判定部43と、サーボ制御部44とを少なくとも備えている。フォーカス制御部41は、フォーカスA/D33からデジタル信号変換後のフォーカスエラー信号を取得して、後述するサーボ制御部44からの出力指令に応じて駆動手段50に対してフォーカス制御信号を出力する機能部である。
トラッキング制御部42も上記フォーカス制御部41と同様に、トラッキングA/D34からデジタル信号変換後のトラッキングエラー信号を取得して、サーボ制御部44からの出力指令に応じて駆動手段50に対してトラッキング制御信号を出力する機能部である。判定部43は、ヒステリシスコンパレータ36からトラック数を取得して、ある一定の測定区間内に存在するトラック数を計数し、そのトラック数が予め記憶しておいた基準トラック数未満であるか否かを判定する機能部である。判定部43は、トラック数が予め記憶しておいた基準トラック数以上であることを検出したときは、サーボ制御部44に「トラック検出フラグ」を出力する。
ただし、表層にフォーカスサーボしている場合には、どのコリメータレンズ位置でもトラッキングエラー振幅が”0”になる。全てのコリメータレンズ位置でトラック検出フラグが出力されなかった時には、表層へフォーカスサーボしているとサーボ制御部44で判定する。
サーボ制御部44は、フォーカス制御部41、トラッキング制御部42、判定部43、後述する光学手段20その他図示していない機能部を監視・制御する機能部である。特に、後述する図2で示される構成の判定部43内のトラックカウンタ比較部433から比較結果を取得すると、サーボ制御部44は、判定部43内のトラックカウンタ431と区間カウンタ432に対してリセット信号を出力し、次の判定準備を行う制御処理を行う。また、上述したようにどの信号層へフォーカスサーボしたかの最終判定も行う。
図3は光学手段20の内部機構の一実施の形態を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付してある。なお、図3にはフォーカスアクチュエータ22とトラッキングアクチュエータ23の図示は省略してある。図3に示すように、光学手段20は球面収差を補正する機構として駆動回路209によって移動可能なコリメータレンズ202を備えている。駆動回路209は幾つかのコリメータレンズ位置を記憶可能な記憶装置208に接続されている。コリメータレンズ用の駆動回路209と記憶回路208はサーボ制御部44によって制御される。
光学手段20は、半導体レーザー201から出射された直線偏光である例えば青紫色レーザ光をコリメータレンズ202により平行光とした後、偏光ビームスプリッタ203、1/4波長板204を順次に透過し、円偏光とされて対物レンズ21で光ディスク10上に集光する。光ディスク10からの反射光は対物レンズ21を透過して1/4波長板204で円偏光から偏光面が半導体レーザー201の出射レーザ光に対して90度異なる直線偏光に変換された後、偏光ビームスプリッタ203で反射され、更に円筒レンズ205、レンズ206を透過して、複数の受光部からなる光受光器207で受光されて電気信号に変換される。光受光器207の各受光部から出力された電気信号は、図1の信号演算部31に供給されて公知の演算式に基づいて演算され、フォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号が生成される。
次に、図2を参照して前述した判定部43の具体的構成について説明する。図2は判定部43の一実施の形態のブロック図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図2において、判定部43は、少なくともトラックカウンタ431と、区間カウンタ432と、トラックカウンタ比較部433と、区間カウンタ比較部434を備えている。
トラックカウンタ431は、ヒステリシスコンパレータ36から一定幅を有する閾値を越えたヒステリシス信号を取得して、この信号の立上りエッジ(若しくは立下りエッジ)を検出することでトラック数の計数を行う。計数したトラック数はトラックカウンタ比較部433に出力する。
区間カウンタ432は、サンプリングクロック発生器60からサンプリングクロックを取得し、このサンプリングクロックの立上りエッジ(若しくは立下りエッジ)を計数することで測定区間の測定を行う機能部である。計数した区間カウント数は区間カウンタ比較部434に出力する。区間カウンタ比較部434は、区間カウンタ432から取得した区間カウント数と、予め記憶されている基準区間カウント数を比較し、区間カウント数が基準区間カウンタ数に達すると、トラックカウンタ比較部433に対して比較開始信号を出力する。
トラックカウンタ比較部433は、区間カウンタ比較部434から比較開始信号を取得すると、トラックカウンタ431からトラックカウント数を取得して、予め記憶されている基準トラック数とトラックカウント数を比較する。比較の結果、所定の測定区間内においてトラックカウント数が基準トラック数と同等若しくはそれを越えている場合には、フォーカスサーボがトラックのある領域(即ち、球面収差で最適に設定された信号層)にかかったと判定してサーボ制御部44に対し「トラック検出フラグ」を出力する。一方、トラックカウント数が基準トラック数未満である場合には、トラックのない領域(即ち、現在設定された球面収差に最適ではない信号層)にフォーカスサーボがかかったと判定してサーボ制御部44に対して「トラック不検出フラグ」を出力する。
ここで本実施の形態において判定基準は、実測のトラック数が基準トラック数未満であるか否かを基準としているが、判定基準はこれに限らず、基準トラック数に対して実測のトラック数が10分の1以下であるか否かを判定基準としてもよい。判定基準を特定することで、光ディスクの信号面とカバー面のどちらにフォーカスサーボがかかったかを更に高精度に検出することができる。
ここで判定基準を10分の1とした理由を説明する。まず、光ディスク10をスピンドルモータ11に設置して回転させたときに、この設置が理想的な状態、即ち偏芯が発生しない状態で設置された場合は、光ディスク10の一回転に付き検出されるトラック数は1本である。しかし、実際にはスピンドルモータ11や光ディスク穴の設計・加工誤差から微小な偏芯が生じたりノイズが重畳する。そのため、光ディスク10の一回転に付き、通常、数百本のトラックが検出されている。
これまで信号層とカバー層を区別するには、上記トラックが検出されたら、すなわちそれは信号層にフォーカスサーボがかかったものとして判定していた。しかし、現実には上記数百本のトラックやノイズが重畳した信号が検出されるため、カバー層にフォーカスサーボがかかっているにも拘わらず、ノイズが重畳した信号をトラックであると誤判断する場合があった。従って、ノイズとトラックを判別する必要性が求められていた。
ここで、本願発明者は、スピンドルモータ11に光ディスク10を設置したときに、光ディスク10の一回転に付き発生するノイズは、どのように設置しても数十本程度であることを複数回に亘る実験結果から見出した。一方、トラック数は上述したように光ディスク10の一回転に付き、数百本レベルで検出されるが、カバー層にフォーカスサーボがかかりそこからノイズを検出した場合の信号数は上記トラック数とは明らかに異なり、その本数は数十本程度である。
そこで、以上の点に鑑み、通常の検出時に計数されるトラック数を基準値(即ち、数百本を基準値)と設定し、この基準値の10分の1未満のときはノイズであると判定することでノイズとトラックの区別することができる。従って、本実施の形態では判定部43にこの判別基準を設定することにより高精度な判別を実現することが可能になる。
次に、図1に戻り駆動手段50の説明を続ける。駆動手段50は、フォーカスアクチュエータ用D/A変換器(以下、フォーカスアクチュエータD/A)51と、トラッキングアクチュエータ用D/A変換器(以下、トラッキングアクチュエータD/A)52と、フォーカスアクチュエータドライバ53と、トラッキングアクチュエータドライバ54とを少なくとも備えている。
ここでフォーカスアクチュエータD/A51は、フォーカス制御部41からデジタル信号であるフォーカス制御信号を取得してデジタル信号からアナログ信号に変換する。また、トラッキングアクチュエータD/A52は、トラッキング制御部42からデジタル信号であるトラッキング制御信号を取得して、デジタル信号からアナログ信号に変換する。
フォーカスアクチュエータドライバ53は、フォーカスアクチュエータD/A51からのアナログ信号であるフォーカス制御信号に基づいて、光学手段20に内蔵されるフォーカスアクチュエータ22に駆動信号を供給し、トラッキングアクチュエータドライバ54は、トラッキングアクチュエータD/A52からのアナログ信号であるトラッキング制御信号に基づいて光学手段20に内蔵されるトラッキングアクチュエータ23に駆動信号を供給し、それぞれフォーカスアクチュエータ22及びトラッキングアクチュエータ23を駆動して対物レンズ21を互いに独立して所定の方向に移動させる。
次に、上記構成を有する光ディスク装置のフォーカスサーボ及びトラッキングサーボ動作について説明する。まず、スピンドルモータ11に光ディスク10を設置する。続いて、光ディスク装置の外部から光ディスクの再生命令が入力されると、スピンドルモータ11が駆動開始し光ディスク10が回転開始すると共に、図示しない移動機構により光学手段20が光ディスク10の読込開始地点に移動する。読込開始地点が確定すると光学手段20から再生用レーザ光が出力される。この再生用レーザ光は対物レンズ21を介して光ディスク10の読込開始地点に集光し、この位置に形成されているピットで反射する。この反射戻り光は再び対物レンズ21を介して光学手段20に取り込まれ、光学手段20に内蔵される偏光ビームスプリッタ(図3の203)で再生用レーザ光と分離されて信号演算部31に出力される。
分離された反射戻り光は、光学手段20内の複数の受光部を有する光検出器(図3の207)の各受光部でそれぞれ光電変換された後、各受光部から電気信号として出力されて信号演算部31に供給され、ここで公知の演算式に従ってフォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号として演算算出される。これらフォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号とは、それぞれゲイン・オフセット補正用FEP32に出力される。フォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号は、ゲイン・オフセット補正用FEP32でデジタル信号に変換される際に、後段に接続されるフォーカスA/D33とトラッキングA/D34それぞれに適した振幅とオフセットになるように信号補正される。この振幅処理及びオフセット処理された信号は、それぞれフォーカスA/D33とトラッキングA/D34に出力される。ここでトラッキングエラー信号は、更にBPF35にも分割出力される。
フォーカス制御部41は、フォーカスA/D33でデジタル信号に変換されたフォーカスエラー信号が供給され、サーボ制御部44の指示信号が入力されるまで、その信号状態を保持し続け、サーボ制御部44から出力指示を受けるとフォーカスアクチュエータD/A51に対してフォーカス制御信号として出力する。このフォーカス制御信号はフォーカスアクチュエータドライバ53を介してフォーカスアクチュエータ22に伝達され、対物レンズ21をフォーカス方向に所定量だけ遠近移動させる。
トラッキングエラー信号も同様に、トラッキングA/D34でデジタル信号に変換された後、トラッキング制御部42に出力され、トラッキング制御部42はサーボ制御部44の出力指令が入力されるまで、その信号状態を保持し続け、サーボ制御部44から出力指示を受けるとトラッキングアクチュエータD/A52に対してトラッキング制御信号として出力する。このトラッキング制御信号はトラッキングアクチュエータドライバ54を介してトラッキングアクチュエータ23に伝達され、対物レンズ21の光軸をトラックの幅方向に所定量だけ移動させる。以上の動作により光ディスク10の所定位置から情報が読み込まれ、この読み込みが完了すると、次の読込位置に光学手段20を移動させることで順次読込動作を繰り返す。
次に、図4を参照して、上記光ディスク装置の動作において、カバー層を含めてどの層にフォーカスサーボしているのか判定するための具体的な方法について説明する。図4はこの判定方法を示すフローチャートである。この判定方法は、上記光ディスク装置の基本動作に加えて行う作業であり、図2に示した判定部43のブロック図の動作を組み合わせることで信号層の検出を向上させるものである。また、本実施の形態の光ディスク装置は製品出荷前に、製造工場において基準厚をもった多層光ディスクを用いて、各信号層毎にフォーカスエラー信号の振幅が最大になる最適なコリメータレンズ(図3の202に相当)の位置を調べて、記憶装置208に予め保存してあるものとする。
まず、フォーカスサーボする信号層をNとし、コリメータレンズ位置をフォーカスサーボする信号層Nに最適な位置に移動させる(図4のステップS10〜S11)。これにより、光ディスク10の信号層Nでの基板厚ずれに起因する球面収差を相殺する球面収差が対物レンズ21で発生し、総合的な球面収差が0となる。
続いて、フォーカス制御部41は対物レンズ21の位置をフォーカス方向上に移動してフォーカスサーチを行い、フォーカスエラー信号の検出を待つ(図4のステップS12〜S13)。これにより、フォーカスエラー信号を検出すると、フォーカスエラー出現数カウンタを+1インクリメントし(図4のステップS14)、そのカウンタ値、すなわちフォーカスエラー出現数Mが目的の信号層の積層順を示すNと一致するかの判定を行う(図4のステップS15)。
フォーカスエラー出現数Mが目的の信号層の積層順を示すNと一致すれば、目的の信号層であると判定してフォーカスサーボし(図4のステップS16)、違っていれば次のフォーカスエラーの検出を待ち、その後ステップS14、S15の処理動作を再び繰り返す。
続いて、フォーカスサーボしたら、どの層(カバー層及び信号層)にフォーカスサーボしているかの判定を判定部43にて行う。すなわち、判定部43ではコリメータレンズの各位置でのトラッキングエラーの有無を確かめる(図4のステップS18)。前述したように、判定部43は、図1のヒステリシスコンパレータ36からのトラック数が予め記憶しておいた基準トラック数以上であることを検出したときは、サーボ制御部44に「トラック検出フラグ」を出力するが、このときトラッキングエラー有りと検出し、現在のコリメータレンズ位置Nに最適な信号層にフォーカスサーボしていると判断する(図4のステップS19)。
一方、判定部43は、上記トラック数が上記基準トラック数未満である時には、トラッキングエラーが検出されないと判断し、現在のコリメータレンズの位置設定が、対物レンズ21に最も近い最下層(N=1)の信号層であるかどうか判定し(図4のステップS20)、最下層の信号層でなければコリメータレンズの位置を信号層N−1の設定にし、更に変数Nを1だけデクリメントして、再びステップS18に戻り、コリメータレンズ位置を信号層N−1で最適な位置に移動させる(図4のステップS21、S22)。他方、ステップS20で最下層の信号層であると判定した時には、全てのコリメータレンズの位置でトラッキングエラーが検出されなかったと判定し、すなわちカバー層へのフォーカスサーボ状態と判定する(図4のステップS23)。
ここで、図5、図6を用いてトラッキングの有無により、現在のフォーカスサーボしている層が判別できるのかについて理由を説明する。図5に示す断面構造の光ディスク70は、透明な樹脂材からなる円盤状の基板71上に反射面74を介して3つの信号面が積層された信号層72が形成され、その信号層72上にカバー層73を少なくとも備える多層光ディスクである。信号層72のうち、対物レンズに最も近い一番下の信号面72aをN=1とし、信号面72aに隣接した信号面72bをN=2とし、更に対物レンズに最も遠い一番上の信号面72cをN=3と定義する。
図3に示した光学手段20内のコリメータレンズ202のレーザ光の光路上の位置を光軸方向に移動して信号面72a(N=1)に最適な位置、すなわち信号面72aでの基板厚ずれに起因する球面収差を相殺する球面収差が対物レンズ21で発生する位置に合せると、他の信号面72b、72c(N=2、3)のトラッキングエラー信号の振幅はほぼ0となる。図6に示す81は信号層N=1に最適な位置P0にコリメータレンズ位置を設定した時の信号層N=1のトラッキングエラー信号の振幅を示し、このとき、他の信号層(N=2、3)のトラッキングエラー信号の振幅はほぼ0となる。
同様に、コリメータレンズ位置を信号面72b(N=2)に最適な位置(図6のP1)に合せると、信号面72b(N=2)のトラッキングエラー信号の振幅のみが図6にて82で示すように最大となり、他の信号面72a、72c(N=1,3)のトラッキングエラー信号の振幅はほぼ0となり、コリメータレンズ位置を信号面72c(N=3)に最適な位置(図6のP2)に合せると、信号面72c(N=3)のトラッキングエラー信号の振幅のみが図6にて83で示すように最大となり、他の信号面72a、72b(N=1,2)のトラッキングエラー信号の振幅はほぼ0となる。よって、コリメータレンズ位置を切り替えながらトラッキングエラー信号の振幅の有無を調べることで、現在のフォーカスサーボしている信号層(信号面)を特定することが可能となる。
また、最初のコリメータレンズ位置においてトラッキングエラー信号が検出されなかった場合、コリメータレンズ位置を目的の信号層Nより下(対物レンズに近い側)の設定にのみ変更して、再度トラッキングエラー信号の有無をチェックする理由は以下の通りである。これは光ディスクの面ぶれや外乱等による影響が発生した場合、フォーカスエラー出現数は多めに誤カウントすることがあっても、少なめに誤カウントすることは無いからである。
つまり、フォーカスサーボは目的の信号層Nか、失敗した場合でも必ずその下の信号層(対物レンズに近い側)にかかる。よって、信号層Nより上の層(対物レンズに対して遠い側)のコリメータレンズ位置の設定は判定から除外して、ステップS21ではコリメータレンズ位置は信号層N−1に最適な位置のみに設定しているのである。
次に、図7を参照して、上記光ディスク装置の動作において、トラッキングエラーの有無を判定するための具体的な判定方法について説明する。図7は、この判定方法を示すフローチャートである。この判定方法は、上記光ディスク装置の基本動作に加えて行う作業であり、図2にブロック図を示した判定部43の動作を組み合わせることで信号層の検出を向上させるものである。そこで、上述した光ディスク装置の基本動作の説明は省略して判定部43の動作に特化して説明する。
図1に示すように、スピンドルモータ11に光ディスク10が設置され、光ディスク装置の外部から再生又は記録指令が入力されると、サーボ制御部44は図2に示す判定部43内のトラックカウンタ431と区間カウンタ432にリセット信号を出力して各カウンタ値を初期化する(図7のステップS31)。
区間カウンタ432は、サンプリングクロック発生器60からのクロック信号の取得を開始し、1クロック取得する毎にエッジを検出して、エッジが検出されると予め設定されている変数tに”1”を加算する。区間カウンタ432には変数tの加算式として予めt=t+1を設定記憶している(図7のステップS32)。なお、この段階で変数tには「1」が保持されている。
一方、トラックカウンタ431は、ヒステリシスコンパレータ36の出力を常に監視しており、ヒステリシスコンパレータ36の出力変化を検出すると(すなわち、信号補正されたトラッキングエラー信号が出力されたことを検出すると)、この信号のエッジを検出してトラックカウンタ431の変数kに”1”を加算する。トラックカウンタ431には変数kの加算式として予めk=k+1が設定されている。この段階で変数kには「1」が保持されている(図7のステップS33〜S34)。なお、図7のステップS33においてヒステリシスコンパレータ36の出力に変化が見られない場合には図7のステップS35に進む。
次に、区間カウンタ比較部434は、区間カウンタ432から現在の区間カウント数tを取得して予め設定されている基準区間カウンタ数Tと比較し、t≧Tであるかどうか判定する(図7のステップS35)。比較の結果、区間カウント数tが基準区間カウント数Tに達していないときは、図7のステップS32に戻り、基準区間カウンタ数Tに達するまで繰返しヒステリシスコンパレータ36の出力を監視してトラックカウントを行う。
図7のステップS35において、区間カウンタtが基準区間カウンタTに達していることを検出したときは、区間カウンタ比較部434は、トラックカウンタ比較部433に対して比較開始信号を出力する。ここでトラックカウンタ比較部433は、トラックカウンタ431から現在のトラックカウンタkの値を取得し、この値と基準トラックカウント数Kを比較し、kがK以上であるかどうか判定する(図7のステップS36)。
比較の結果、トラックカウント数kが基準トラックカウント数K以上であるときは、トラックカウンタ比較部433は、サーボ制御部44に対してトラッキングエラー検出を示す「トラック検出フラグ」を出力する(図7のステップS37)。一方、トラックカウント数kが基準トラックカウント数Kに達していないときは、トラックカウンタ比較部433は、サーボ制御部44に対してトラッキングエラー未検出を示す「トラック不検出フラグ」を出力する(図7のステップS38)。
なお、上記した判定方法の図7のステップS36において、比較基準を基準トラックカウント数K以上としたが、比較基準はこれに限らず、基準トラックカウント数Kに対してトラックカウンタ数kを10分の1と設定してもよい。このように設定すれば、トラックカウンタ数kが基準トラックカウント数Kの10分の1未満であるときは、実測したトラックカウント数kが基準トラックカウント数K(約数百本)に比べて極端に少ないことからノイズを検出したと判定して、「トラック不検出フラグ」を出力する。一方、トラックカウンタ数kが基準トラックカウント数Kの10分の1以上のときはトラックを検出したと判定して「トラック検出フラグ」を出力する
このように、本実施の形態の構成及び判別方法によれば、光ディスク10の偏芯量が一定以上存在する場合において、光学手段20で検出されるトラック数は数百本程度でありノイズは数十本程度であることから、予め測定しておいた基準トラックカウント数Kに対してトラックカウント数kが10分の1未満であることを検出したときは、光ディスク10のノイズを検出したと判定し、それ以上の場合はトラッキングエラー検出と判定することでノイズを検出した場合でも、ノイズとトラックの判断を行うことができるので、従来よりもトラックの検出精度を向上させることができる。
なお、光ディスク10としてBD−RE規格やBD−R規格のBlu−rayディスクを用いて読出しを行う場合には、Blu−rayディスクの偏芯が通常30μm程度から多くても100μm程度であり、更にBlu−rayディスクの1トラック幅は0.32μmであることから、偏芯が30μmの場合に検出されるトラック数は187本(=30μm×2÷0.32)、偏芯が100μmの場合のトラック数は625本(=100μm×2÷0.32)と算出することができる。そこで、このトラック数をトラックカウンタ比較部433の基準トラックカウントKに設定しておき、このトラック数未満若しくはこのトラック数の10分の1未満であることを検出したときは、トラッキングエラー未検出と判定する。
これにより、目的の信号層にフォーカスサーボしていない状態でノイズを検出した場合にノイズとトラックの判断を行うことができるので、Blu−rayディスクのトラック検出精度を向上させることができる。
また、この判定はトラック数の検出と比較判定の判定制御機能を設けることで実現可能なことから、ハードウェアの追加が不要であり、ソフトウェア処理で判定処理を行うことができるので安価に実現することも可能である。
このように、本実施の形態によれば、多層光ディスク10の信号層とカバー層のどの層にフォーカスサーボがかかったかを高精度に判別することができるため、誤った信号層にフォーカスサーボがかかっても検出後直ぐにリトライ操作を行うことができ、これにより光ディスク10からの情報の読出し効率を向上させることができる。
次に、図8、図9を参照して、本発明に係る第2の実施の形態を説明する。図8は本発明になる光ディスク装置の第2の実施の形態に係る判定方法を説明するためのフローチャートである。この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態が光ディスク10の偏芯量が一定以上ある場合を想定していたのに対し、光ディスク10の偏芯がない場合若しくは偏芯量が少ない場合を想定しており、このような場合でも信号層又はカバー層のどちらにフォーカスサーボがかかったかを検出することができる方法を提供するものである。
本実施の形態を説明するにあたり、図8に示したフローチャートのステップS41〜ステップS47は、図7で説明したステップS31〜ステップS37に相当するので、これらステップの詳細な説明は省略する。そこで図8のステップS48から説明する。ステップS48は、前段のステップS41〜S46において所定の測定区間内のトラック数が計数され、その計数値が基準トラックカウント数K未満であることを検出したときに、光ディスク10の現在の球面収差に最適でない信号層にフォーカスサーボがかかったと判定してサーボ制御部44がトラッキング制御部42に対してトラッキングアクチュエータ23を駆動させる信号を出力させるステップである。
ここで、本実施の形態で対象にしている光ディスク10は、偏芯がない若しくは偏芯量が少ない場合の光ディスクであることから、図8のステップS46でトラックカウンタkが基準トラックカウント数K未満と判定され、トラッキングエラー未検出と判断される場合も、それは偏芯が少ないがために照射したレーザースポット範囲内にピットが入らない(すなわち、トラッキングサーボをかけない状態においてもレーザースポット範囲内をトラックが1本も跨がない。)場合もあり得る。
そこで、本実施の形態では、一度トラッキングエラー未検出と判断されるような場合であっても、再確認のために、図8のステップS48でトラッキング制御部42に対して駆動指令信号が出力されたことをきっかけに、トラッキングアクチュエータD/A52に対してトラッキング制御信号を出力し、更にトラッキングアクチュエータドライバ54を介してトラッキングアクチュエータ23を駆動し、光ディスク10上のレーザースポットがトラックを横断する方向(トラック幅方向)に微小揺動するように対物レンズ21を揺動させる。
ここで、図9を参照してトラッキングアクチュエータ23に印加する駆動電圧について説明する。図9の曲線IIIは光ディスクの一回転期間での通常のトラッキングサーボ動作時のトラッキングアクチュエータ駆動電圧の変化を表したものである。一方、直線IVは、本実施の形態による上記のトラックの有無検出のためにレーザースポットをトラッキングエラーに関係なく強制的に移動させるためのトラッキングアクチュエータ駆動電圧の変化を示す。
すなわち、本実施の形態では、ステップS48では、図9に直線IVで示すように、光ディスク10の偏芯と十分異なる軌跡となるように、一定の割合で線形的に増加する駆動電圧をトラッキングアクチュエータ23に印加して対物レンズ21を強制的に揺動し、光ディスク10上のレーザースポットを、トラック上を追従走査させるのではなく、トラックを横断する方向(トラック幅方向)に一定速度で一方向に強制的に移動させる。
これにより、再生当初(フォーカスサーボのみをかけた状態)にレーザースポット範囲内を通過するトラックが零本の場合でも、通常のトラック検出を行いながらレーザースポットを移動させることにより更に詳細にトラックの有無を検出することができる。すなわち、このトラッキングアクチュエータ23の駆動制御により、レーザースポットは光ディスク10上のトラックを横断するので、これと同時に、図8のステップS49〜S56の処理を行うことでトラックの有無を検出することができる。
ここで、図8のステップS49〜S55は図8のステップS41〜S47と同じ動作であり、ステップS54での比較の結果、トラックカウント数kが基準トラックカウント数Kに達していないと判定された時に、初めてサーボ制御部44に対してトラッキングエラー未検出を示す「トラック不検出フラグ」を出力する(図8のステップS56)。
このように、本実施の形態によれば、光ディスク10の偏芯がないか若しくは少ない場合において、トラックが検出されない場合には、再度トラッキングアクチュエータ23を微小駆動させながらトラック検出を行うことで、確実にトラック(トラッキングエラー)の有無を検出することができる。
従って、本実施の形態の判定方法によれば、光ディスク10の偏芯量に関わらずトラッキングエラーを検出できる。また偏芯量を一定以上有する大部分の光ディスク10に関してはトラッキングアクチュエータ23を微小駆動させることなく1回目の判定でカバー層へのフォーカスサーボ状態を検出することが可能であり、一部の偏芯量が少ない光ディスクに関しては2回目の判定でトラッキングエラーの有無を検出することが可能になる。すなわち、本判定方法で両方の偏芯状態の光ディスクのいずれにも対応することができる。
次に、図10を参照して、本発明に係る第3の実施の形態を説明する。図10は本発明になる光ディスク装置の第3の実施の形態に係る判定方法を説明するためのフローチャートである。本実施の形態の光ディスク装置の構成は図1と同様である。この判定方法は、上記第2の実施の形態が、光ディスク10の偏芯がない場合若しくは偏芯量が少ない場合を想定していたのに対し、光ディスク10の偏芯があるか否かに関わらず様々な状況に対応可能な判定方法であり、どのような状況においても信号層又はカバー層のどちらにフォーカスサーボがかかったかを検出することができる方法である。
本実施の形態では、まず、光ディスク10をスピンドルモータ11に設置して回転を開始し、光学手段20を光ディスク10の読出開始地点に移動させてから、トラッキングアクチュエータ23に対して図9に直線IVで示した特性のトラッキングアクチュエータ駆動電圧を印加して駆動開始する(図10のステップS61)。ここで、図9に直線IVで示した特性のトラッキングアクチュエータ駆動電圧が印加されたトラッキングアクチュエータ23により、対物レンズ21の光軸方向が制御されて、光ディスク10上のレーザースポットが光ディスク10に形成されたトラックの横断方向に微小移動される。
このとき、例えば測定区間を光ディスク1回転とした場合に、その測定区間内でトラッキングアクチュエータ23の駆動電圧を図9に直線IVで示すように一定の割合で線形に増加させると、光ディスク10上のレーザースポットが光ディスク10に形成されたトラックの横断方向に一定速度で一方向に強制的に移動する。
この状態で、図2示すサーボ制御部44は判定部43内のトラックカウンタ431と区間カウンタ432にリセット信号を出力して各カウンタ値を初期化し(図10のステップS62)、区間カウンタ432が、サンプリングクロック発生器60からのクロック信号の取得を開始し、1クロック取得する毎にエッジを検出して、エッジが検出されると予め設定されている変数tに”1”を加算する(図10のステップS63)。一方、図2のトラックカウンタ431は、ヒステリシスコンパレータ36の出力を常に監視しており、ヒステリシスコンパレータ36の出力変化を検出すると(すなわち、信号補正されたトラッキングエラー信号が出力されたことを検出すると)、この信号のエッジを検出してトラックカウンタ431の変数kに”1”を加算する(図10のステップS64、S65)。なお、図10のステップS64においてヒステリシスコンパレータ36の出力に変化が見られない場合には図10のステップS66に進む。
次に、区間カウンタ比較部434は、区間カウンタ432から現在の区間カウント数tを取得して予め設定されている基準区間カウンタ数Tと比較し、t≧Tであるかどうか判定する(図10のステップS66)。比較の結果、区間カウント数tが基準区間カウント数Tに達していないときは、図10のステップS63に戻り、基準区間カウンタ数Tに達するまで繰返しヒステリシスコンパレータ36の出力を監視してトラックカウントを行う。
図10のステップS66において、区間カウンタtが基準区間カウンタTに達していることを検出したときは、区間カウンタ比較部434は、トラックカウンタ比較部433に対して比較開始信号を出力する。ここでトラックカウンタ比較部433は、トラックカウンタ431から現在のトラックカウンタkの値を取得し、この値と基準トラックカウント数Kを比較し、kがK以上であるかどうか判定する(図10のステップS67)。
比較の結果、トラックカウント数kが基準トラックカウント数K以上であるときは、サーボ制御部44に対してトラッキングエラー検出を示す「トラック検出フラグ」を出力する(図10のステップS68)。一方、トラックカウント数kが基準トラックカウント数Kに達していないときは、サーボ制御部44に対してトラッキングエラー未検出を示す「トラック不検出フラグ」を出力する(図10のステップS69)。
このように、本実施の形態では、光ディスク10に偏芯があるか否かに関わらず、光ディスク回転開始と同時に、レーザースポットを通常のトラッキングサーボ動作時のようにトラックを追従走査するのではなく、強制的にトラック幅方向に横断させながら、図7のステップS31〜S38と同様のステップS62〜S69の処理を行うようにしたため、光ディスク10に偏芯があるか否かに関わらず、トラッキングエラーの有無を検出することができる。
このような判定方法によれば、トラッキングアクチュエータ23を必ず駆動させる必要があるため、フォーカスサーボの判定後に行われる自動調整などに影響を与える可能性があるが、第2の実施の形態に係る判定方法と比較して1回目の判定だけで光ディスク10の偏芯量に関わらず確実にトラッキングエラーの有無の判定が可能となる。一方、第2の実施の形態に係る判定方法は、1回目の判定で信号層にフォーカスサーボがかかったことを検出できればトラッキングアクチュエータ23を駆動させる必要がないため、素早く次の処理に移ることが可能である。
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、図4、図7、図8、図10のフローチャートをコンピュータによりソフトウェア的に実行させるコンピュータプログラムも包含するものである。
本発明の光ディスク装置の一実施の形態のブロック図である。 図1の本発明装置の要部を判定部の一実施の形態のブロック図と共に示す図である。 図1の本発明装置中の光学手段の一実施の形態の構成図である。 本発明装置の一実施の形態の動作説明用フローチャートである。 本発明に適用し得る多層光ディスクの一例の断面図である。 コリメータレンズ位置による各信号層のトラッキングエラー信号振幅の変化を示す図である。 本発明装置中の判定部の第1の実施の形態の動作説明用フローチャートである。 本発明装置中の判定部の第2の実施の形態の動作説明用フローチャートである。 本発明装置におけるトラッキングアクチュエータ駆動電圧と通常のトラッキングサーボ動作時のトラッキングアクチュエータ駆動電圧との関係を示すグラフである。 本発明装置中の判定部の第3の実施の形態の動作説明用フローチャートである。 フォーカスサーボ制御に使用するフォーカスエラー信号のS字カーブ特性を示す特性図である。 従来の光ディスク装置の一例の構成図である。 多層光ディスクの一例の断面図と異なる信号面に対して記録/再生を行う時の対物レンズの位置を示す図である。
符号の説明
10 光ディスク
11 スピンドルモータ
20 光学手段
21 対物レンズ
22 フォーカスアクチュエータ
23 トラッキングアクチュエータ
30 信号補正手段
31 信号演算部
32 ゲイン・オフセット補正用FEP
35 バンドパスフィルタ(BPF)
36 ヒステリシスコンパレータ
40 算出・制御手段
41 フォーカス制御部
42 トラッキング制御部
43 判定部
44 サーボ制御部
50 駆動手段
53 フォーカスアクチュエータドライバ
54 トラッキングアクチュエータドライバ
60 サンプリングクロック発生器
201 半導体レーザー
202 コリメータレンズ
203 偏光ビームスプリッタ
204 1/4波長板
205 円筒レンズ
206 レンズ
207 光受光器
208 記憶装置
209 駆動回路
70 光ディスク
71 透明ディスク基板
72 信号層
72a〜72c 信号面
73 カバー層
73a カバー面
431 トラックカウンタ
432 区間カウンタ
433 トラックカウンタ比較部
434 区間カウンタ比較部



Claims (3)

  1. 光ビームを出射する光源と、前記光源からの前記光ビームを平行光化するコリメータレンズと、前記コリメータレンズを透過した光ビームを信号層が複数積層された多層の光ディスク上の任意の信号層上のトラックに集光し、該トラックから反射された反射光を透過する対物レンズと、前記対物レンズを透過した前記反射光を少なくとも検出する光検出手段と、前記光検出手段で検出された光信号から前記光ビームの照射位置と前記任意の信号層との位置ずれを算出するフォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラー信号生成手段と、前記フォーカスエラー信号により前記光ビームが前記任意の信号層上で合焦点位置となるように前記対物レンズを前記光ディスクの信号層に対して垂直方向に移動させるフォーカス駆動手段と、前記光検出手段で検出された光信号から前記光ビームの照射位置と前記任意の信号層上のトラックとの位置ずれを算出するトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成手段と、前記トラッキングエラー信号により前記光ビームが前記任意の信号層のトラックを追従走査するように前記対物レンズの光軸を前記トラックの幅方向に移動させるトラッキング駆動手段と、前記フォーカスエラー信号の振幅が最大になるように前記コリメータレンズの位置を光軸方向に移動することにより、前記光ディスクの任意の信号層の基板厚ずれに起因する球面収差を相殺するコリメータレンズ駆動手段とを少なくとも備えた光ディスク装置であって、
    前記光ディスクの複数の信号層の各々について、前記フォーカスエラー信号の振幅が最大になる前記コリメータレンズの最適な位置の情報が予め調べられてそれぞれ保存されている記憶手段と、
    前記光ディスクの複数の信号層のうち所望の一の信号層に対するフォーカスサーボ時において、前記一の信号層での球面収差を補正するための最適な前記コリメータレンズの位置の情報を前記記憶手段から読み出して前記コリメータレンズ駆動手段に供給して前記コリメータレンズ位置を移動制御するコリメータレンズ移動制御手段と、
    前記コリメータレンズ位置の移動制御後に前記フォーカス駆動手段を制御して、前記対物レンズの前記光ディスクの信号層に対して垂直方向への移動を開始し、前記フォーカスエラー信号の計数値が予め設定した基準数に達するまで該移動を継続し、前記フォーカスエラー信号の計数値が前記基準数に達した時点で前記フォーカスエラー信号によるフォーカスサーボ動作を開始する対物レンズのフォーカス方向移動制御手段と、
    前記フォーカス方向移動制御手段による前記フォーカスサーボ動作開始後に、基準区間内での前記トラッキングエラー信号の信号変化を計数して得た計数値と予め設定した基準トラック数とを比較する計数・比較手段と、
    フォーカスサーボ状態において、前記コリメータレンズ移動制御手段により前記複数の信号層のうち各信号層での球面収差を補正するための最適な前記コリメータレンズの位置の情報を前記記憶手段から順次読み出して前記コリメータレンズ駆動手段に供給して前記コリメータレンズ位置を移動制御させながら前記計数・比較手段による計数及び比較動作を行い、全てのコリメータレンズ移動位置において前記トラッキングエラー信号の信号変化の計数値が前記基準トラック数未満であるときは、前記光ディスクの複数の信号層のうち最も前記対物レンズ側にある信号層上に設けられたカバー層へのフォーカスサーボ状態と判定し、前記トラッキングエラー信号の信号変化の計数値が前記基準トラック数以上であるときはそのときのコリメータレンズ移動位置に対応した信号層にフォーカスサーボがかかったと判定する判定手段と
    を有することを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記判定手段は、前記トラッキングエラー信号の信号変化の計数値が前記基準トラック数未満の判定結果が得られたときは、そのときの前記コリメータレンズ移動位置に対応した信号層よりも前記対物レンズに近い側に隣接している信号層から前記対物レンズに最も近い信号層方向に順番に各信号層での球面収差を補正するための最適な前記コリメータレンズの位置の情報を前記記憶手段から読み出して前記コリメータレンズ駆動手段に供給して前記コリメータレンズ位置を移動制御させながら前記計数・比較手段による計数及び比較動作を行うことを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
  3. 前記判定手段により前記トラッキングエラー信号の信号変化の計数値が前記基準トラック数未満の判定結果が得られたときは、前記トラッキングエラー信号に替えて一定の割合で所定期間線形的に増加する駆動信号を前記トラッキング駆動手段に印加して前記対物レンズを強制的に一方向に揺動させつつ、前記計数・比較手段の動作を行わせる強制移動手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。


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