以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態の組合せ秤を側方から視た断面の概略模式図である。
この組合せ秤は、制御部10によって組合せ秤全体の動作が制御されるとともに被計量物を排出すべき計量ホッパ4の組合せ(排出組合せ)を決定する組合せ処理が行われる。制御部10には例えばタッチパネル等からなる操作部11が接続され、使用者が操作部11を操作することにより、組合せ秤の動作を制御するための各パラメータの値(後述の組合せ目標重量値Wや分割回数mなど)等を設定及び変更することが可能である。
この組合せ秤には、装置中央の上部に、外部の供給装置から供給される被計量物を振動によって放射状に分散させる円錐形の分散フィーダ1が配設されている。分散フィーダ1の周囲には、分散フィーダ1から送られてきた被計量物を振動によって各供給ホッパ3に送りこむためのリニアフィーダ2が設けられている。リニアフィーダ2の下方には、複数の供給ホッパ3、計量ホッパ4がそれぞれ対応して設けられ、円状に配置されている。供給ホッパ3は、リニアフィーダ2から送りこまれた被計量物を受け取り、その下方に配置された計量ホッパ4が空になると、ゲートを開いて計量ホッパ4へ被計量物を投入する。計量ホッパ4にはロードセル等の重量センサ41が取り付けられており、この重量センサ41により計量ホッパ4内の被計量物の重量が計測される。制御部10による組合せ処理により複数の計量ホッパ4の中から排出すべきホッパの組合せが求められ、その組合せに選択されている計量ホッパ4のゲートが開かれて被計量物が集合シュート6上へ排出される。集合シュート6は、計量ホッパ4の下方に設けられている。計量ホッパ4から排出された被計量物は集合シュート6上を滑り、集合シュート6の下部の排出口に設けられた集合ホッパ7に一旦保持される。この組合せ秤の下方には、例えば、縦型ピロー包装機等の包装機(図示せず)が配置されており、所定のタイミングで集合ホッパ7のゲートが開かれると、集合ホッパ7内の被計量物が包装機へ送出される。包装機では、例えば、袋を製造しながら、この袋に組合せ秤から排出されてきた被計量物を充填して包装する。
次に、本実施の形態の組合せ秤の動作を説明する。
まず、制御部10による組合せ処理の一例について説明する。ここでは、包装機により包装される1袋分の被計量物の重量をm回(mは複数)に分けて組合せ計量を行う第1、第2の組合せ処理について説明する。制御部10では、第1及び第2のいずれかの組合せ処理を行い、この第1、第2の組合せ処理では、m回の組合せ演算を行うことにより、1袋分の被計量物の重量が求められる。組合せ演算は、計量ホッパ4に供給されている被計量物の重量(重量センサ41による計量値)に基づいて行われる。
例えば、1袋分とする被計量物の組合せ目標重量値W及びその組合せ目標重量値Wに対する許容範囲(組合せ許容範囲)と、各回の組合せ演算における目標重量値である回別目標重量値の予定値(回別目標重量予定値)Wdを予め決めておく。ここで、例えば、回別目標重量予定値WdをWd=W/mとし、組合せ許容範囲は例えば下限値を組合せ目標重量値Wとし、上限値を組合せ目標重量値W+xとする(x>0)。各回の組合せ演算における回別目標重量値については、後述の第1、第2の組合せ処理において詳しく説明するが、回別目標重量予定値Wd等に基づいて定められる。そして、1回目から(m−1)回目の組合せ演算における回別目標重量値に対する許容範囲(回別許容範囲)は、例えば回別目標重量値±yの範囲(y>0)として定められる。ここで、1回目から(m−1)回目の組合せ演算における計量精度は、重要ではないので、通常、y>xである。なお、m回目の組合せ演算における回別許容範囲は、ここではm回目の回別目標重量値以上、同回別目標重量値+x以下の範囲に定められる。なお、ここでは、組合せ許容範囲の下限値を組合せ目標重量値Wに等しくしたが、組合せ目標重量値Wよりも小さい場合も可能である。例えば、組合せ許容範囲は、組合せ目標重量値Wより小さい値を下限値とし、上限値を定めない場合もある(この場合、上限値は無限大と考えればよい)。
組合せ秤の運転開始前に、制御部10には、使用者による操作部11の操作によって、例えば、上記の組合せ目標重量値Wとx(組合せ許容範囲設定値)の値と分割回数mとy(回別許容範囲設定値)の値とが入力される。そして、制御部10では、組合せ目標重量値Wとxの値とから組合せ許容範囲を求める。また、組合せ目標重量値Wと分割回数mとから回別目標重量予定値Wdを求める。なお、xの値(重量値)、yの値(重量値)に代えて、それぞれ組合せ目標重量値Wに対する割合(百分率等)、回別目標重量予定値Wdまたは回別目標重量値に対する割合(百分率等)を操作部11から入力し、制御部10が演算によってxの値、yの値を求めて用いるようにしてもよい。
第1の組合せ処理では、まず、m回のうち1回目の組合せ演算では、回別目標重量予定値Wdを回別目標重量値(=1回目の回別目標重量値)に定めるとともに、そのときの回別許容範囲を(1回目の回別目標重量値)±yの範囲に定め、回別許容範囲内にあって回別目標重量値との差の絶対値が最も小さい組合せ重量値及びその組合せ重量値となる計量ホッパ4の組合せ(排出組合せ)を1つ求める。次に、p回目(2≦p≦m)の組合せ演算では、p−1回目の組合せ演算で求めた組合せ重量値とそのときの回別目標重量値との差を補償するようにp回目の組合せ演算の回別目標重量予定値を補正してp回目の回別目標重量値に定める。さらに、2≦p≦m−1の場合のp回目の回別許容範囲を(p回目の回別目標重量値)±yの範囲に定め、また、p=mの場合のp回目すなわちm回目の回別許容範囲を、m回目の回別目標重量値以上、同回別目標重量値+x以下の範囲に定め、p回目の回別許容範囲内にあってp回目の回別目標重量値との差の絶対値が最も小さい組合せ重量値及びその組合せ重量値となる計量ホッパ4の組合せ(排出組合せ)を1つ求める。このようにしてm回目までの組合せ演算を行う。例えば、組合せ目標重量値Wを1500gとし、分割回数mを3とした場合、各回の回別目標重量予定値Wdは500gになる。この例では各許容範囲の説明は省略する。1回目の組合せ演算では、回別目標重量値を回別目標重量予定値Wdである500gとして組合せ演算を行う。この1回目の組合せ演算で求められた組合せ重量値が470gの場合には、そのときの回別目標重量値(500g)との差がマイナス30gであるので、この差を補償するように、2回目の組合せ演算では、回別目標重量値を530(=500+30)gに定めて組合せ演算を行う。この2回目の組合せ演算で求められた組合せ重量値が550gの場合には、そのときの回別目標重量値(530g)との差がプラス20gであるので、この差を補償するように、3回目の組合せ演算では、回別目標重量値を480(=500−20)gに定めて組合せ演算を行う。なお、m回目の回別目標重量値は、組合せ目標重量値W(=Wd×m)から、1回目から(m−1)回目までの組合せ演算により求めた組合せ重量値の合計を減算することにより求めてもよい。
この第1の組合せ処理のp回目(2≦p≦m)の組合せ演算において、1回目から(p−1)回目までの組合せ演算により求めた組合せ重量値の合計と、1回目から(p−1)回目までの回別目標重量予定値の合計(Wd×p)との差を補償するように、p回目の組合せ演算の回別目標重量予定値を補正してp回目の回別目標重量値を定めるようにしてもよい。この場合、例えば、p回目の回別目標重量値は、1回目からp回目までの回別目標重量予定値の合計(Wd×p)から、1回目から(p−1)回目までの組合せ演算により求めた組合せ重量値の合計を減算することにより求めてもよい。例えば、組合せ目標重量値Wを1500gとし、分割回数mを3とした場合、各回の回別目標重量予定値Wdは500gになる。この例では各許容範囲の説明は省略する。1回目の組合せ演算では、回別目標重量値を回別目標重量予定値Wdである500gとして組合せ演算を行う。この1回目の組合せ演算で求められた組合せ重量値が470gの場合、2回目の組合せ演算では、回別目標重量値を530(=500×2−470)gに定めて組合せ演算を行う。この2回目の組合せ演算で求められた組合せ重量値が550gの場合、3回目の組合せ演算では、回別目標重量値を480(=500×3−(470+550))gに定めて組合せ演算を行う。この場合も、m回目の回別目標重量値は、組合せ目標重量値W(=Wd×m)から、1回目から(m−1)回目までの組合せ演算により求めた組合せ重量値の合計を減算することにより求めてもよい。
第2の組合せ処理では、1回目から(m−1)回目の組合せ演算では、それぞれ、回別目標重量予定値Wdを各回の回別目標重量値に定めるとともに、各回の回別許容範囲を(回別目標重量値)±yの範囲に定め、回別許容範囲内にあって回別目標重量値との差の絶対値が最も小さい組合せ重量値及びその組合せ重量値となる計量ホッパ4の組合せ(排出組合せ)を1つ求める。次に、m回目の組合せ演算では、1回目から(m−1)回目までの組合せ演算により求めた組合せ重量値の合計と、1回目から(m−1)回目までの回別目標重量値の合計との差を補償するようにm回目の組合せ演算の回別目標重量予定値を補正してm回目の回別目標重量値に定めるとともに、m回目の回別許容範囲をm回目の回別目標重量値以上、同回別目標重量値+x以下の範囲に定め、m回目の回別許容範囲内にあってm回目の回別目標重量値との差の絶対値が最も小さい組合せ重量値及びその組合せ重量値となる計量ホッパ4の組合せ(排出組合せ)を1つ求める。ここで、m回目の回別目標重量値は、組合せ目標重量値から、1回目から(m−1)回目までの組合せ演算により求めた組合せ重量値の合計を減算することにより求めてもよい。例えば、組合せ目標重量値Wを1500gとし、分割回数mを3とした場合、各回の回別目標重量予定値Wdは500gになる。この例では各許容範囲の説明は省略する。1回目から2回目の組合せ演算では、回別目標重量値を回別目標重量予定値Wdである500gとして組合せ演算を行う。1回目の組合せ演算で求められた組合せ重量値が470gであり、2回目の組合せ演算で求められた組合せ重量値が480gである場合、3回目の組合せ演算では、回別目標重量値を550(=1500−(470+480))gに定めて組合せ演算を行う。
上記第1及び第2のいずれの組合せ処理においても、組合せ目標重量値に対するm回の組合せ重量値の合計の計量精度は、m回目の組合せ演算で求められる組合せ重量値の計量精度に依存する。したがって、m回目の組合せ演算における計量精度が重要である。なお、上記の第1及び第2の組合せ処理において、1回目から(m−1)回目の組合せ演算で求める組合せ重量値及び計量ホッパ4の組合せ(排出組合せ)は、各回の回別目標重量値との差の絶対値が最も小さい組合せ重量値に限らず、各回の回別許容範囲内にある組合せ重量値のうちのいずれかを1つを求め、その組合せ重量値となる計量ホッパ4の組合せを求めるようにしてもよい。
制御部10は、上記第1及び第2のいずれかの組合せ処理を行う。そして、組合せ演算を行うたびに、組合せ(排出組合せ)に選択された計量ホッパ4のゲートを開閉し、計量ホッパ4から被計量物を排出させる。計量ホッパ4から排出された被計量物は集合シュート6上を滑り落ちて集合ホッパ7に一時貯留される。制御部10は、被計量物が排出された計量ホッパ4には、その上方の供給ホッパ3から被計量物が供給されるように該当する供給ホッパ4のゲートを開閉する。また、計量ホッパ4へ被計量物を供給した供給ホッパ3には被計量物が供給されるように、制御部10によりリニアフィーダ2及び分散フィーダ1が制御される。そして、m回の組合せ演算及び計量ホッパ4の排出動作が完了し、かつ包装機から出力される排出許可信号が制御部10に入力されると、制御部10は集合ホッパ7のゲートを開閉し、集合ホッパ7から包装機へ被計量物の投入が行われる。
図2(a)〜(d)は、それぞれ組合せ秤における基本的な動作を説明するための図である。ここでは、基本的な動作として4つの動作を例示し、それぞれを、シングルシフト動作、ダブルシフト動作、トリプルシフト動作、クアドルプルシフト動作と呼ぶ。
図2(a)に示されるように、1計量サイクル期間Tは、組合せ期間T1と排出期間T2と供給安定期間T3とからなる。組合せ期間T1は、組合せ演算を行い、被計量物を排出すべき計量ホッパ4の組合せの決定を行う処理に要する期間である。排出期間T2は、被計量物を排出するために計量ホッパ4のゲートを開いている期間である。供給安定期間T3は、空の計量ホッパ4に被計量物を供給するために供給ホッパ3のゲートを開きはじめてから、被計量物が供給される計量ホッパ4に取り付けられている重量センサ41の出力が安定するまでの期間である。この1計量サイクル期間Tの所要時間は、被計量物の性状等に応じて一意的に決められる、予め定められた一定時間である。各計量ホッパ4は、組合せ演算により排出すべき組合せに選択され、ある時刻で排出動作が開始されたとすると、そのある時刻から排出期間T2及び供給安定期間T3が経過した後でないと、次の組合せ演算の対象にはならない。したがって、組合せ演算により組合せに選択された計量ホッパ4は、その組合せ演算の開始時から1計量サイクル期間Tの経過後でないと組合せ演算の対象にすることはできない。ここで、計量ホッパ4を組合せ演算の対象にするということは、その計量ホッパ4に保持されている被計量物の重量値(計量値)を組合せ演算に用いることを意味する。
図2(a)に示されるシングルシフト動作では、1計量サイクル期間T内に、組合せ演算が1回行われるとともに計量ホッパ4による排出動作が1回行われ、この動作が繰り返し行われることになる。この場合、1計量サイクル期間Tの時間間隔で組合せ演算が開始されるため、時刻ta1で開始される組合せ演算により組合せに選択された計量ホッパ4は、時刻ta2で開始される組合せ演算の対象にでき、常に全計量ホッパ4を組合せ演算の対象にできる。このシングルシフト動作させる場合、例えば、計量ホッパ4を10個備えた構成とし、組合せに選択される計量ホッパ4の個数を4個とすれば、210通りの組合せの中から1つの組合せを選択することになり、一般的に良好な計量精度が得られる。
図2(b)に示されるダブルシフト動作では、1計量サイクル期間Tの1/2の時間ごとに組合せ演算が行われるとともに、その組合せ演算が行われるたびに選択された組合せの計量ホッパ4からの被計量物の排出が行われるようにする。したがって、1計量サイクル期間内に、組合せ演算が2回行われるとともに計量ホッパ4による排出動作が2回行われる。この場合、時刻tb1で開始される組合せ演算により組合せに選択された計量ホッパ4は、時刻tb1から1計量サイクル期間T経過後の時刻tb3で開始される組合せ演算の対象にできるが、それ以前の時刻tb2で開始される組合せ演算の対象にはできない。同様に、時刻tb2で開始される組合せ演算により組合せに選択された計量ホッパ4は、時刻tb2から1計量サイクル期間T経過後の時刻tb4で開始される組合せ演算の対象にできるが、それ以前の時刻tb3で開始される組合せ演算の対象にはできない。このダブルシフト動作させる場合に、前述のシングルシフト動作させる場合と同等の計量精度を得るためには、例えば、シングルシフト動作させる場合よりも計量ホッパ4を4個(1回の組合せに選択される個数)増やして計量ホッパ4を14個備えた構成とし、組合せに選択される計量ホッパ4の個数を4個とすればよい。
図2(c)に示されるトリプルシフト動作では、1計量サイクル期間Tの1/3の時間ごとに組合せ演算が行われるとともに、その組合せ演算が行われるたびに選択された組合せの計量ホッパ4からの被計量物の排出が行われるようにする。したがって、1計量サイクル期間内に、組合せ演算が3回行われるとともに計量ホッパ4による排出動作が3回行われる。この場合、時刻tc1(tc2、tc3)で開始される組合せ演算により組合せに選択された計量ホッパ4は、時刻tc4(tc5、tc6)で開始される組合せ演算の対象にできるが、それ以前の組合せ演算の対象にはできない。このトリプルシフト動作させる場合に、前述のシングルシフト動作させる場合と同等の計量精度を得るためには、例えば、シングルシフト動作させる場合よりも計量ホッパ4を8個(2回の組合せに選択される個数)増やして計量ホッパ4を18個備えた構成とし、組合せに選択される計量ホッパ4の個数を4個とすればよい。
図2(d)に示されるクアドルプルシフト動作では、1計量サイクル期間Tの1/4の時間ごとに組合せ演算が行われるとともに、その組合せ演算が行われるたびに選択された組合せの計量ホッパ4からの被計量物の排出が行われるようにする。したがって、1計量サイクル期間内に、組合せ演算が4回行われるとともに計量ホッパ4による排出動作が4回行われる。この場合、時刻td1(td2、td3、td4)で開始される組合せ演算により組合せに選択された計量ホッパ4は、時刻td5(td6、td7、td8)で開始される組合せ演算の対象にできるが、それ以前の組合せ演算の対象にはできない。このクアドルプルシフト動作させる場合に、前述のシングルシフト動作させる場合と同等の計量精度を得るためには、例えば、シングルシフト動作させる場合よりも計量ホッパ4を12個(3回の組合せに選択される個数)増やして計量ホッパ4を22個備えた構成とし、組合せに選択される計量ホッパ4の個数を4個とすればよい。
上記のダブルシフト動作、トリプルシフト動作およびクアドルプルシフト動作の場合に、前述のシングルシフト動作させる場合と同等の計量精度を得るように構成した場合には、いずれの場合も、運転初期時を除いて、組合せ演算において、略10個の計量ホッパ4の中から4個の計量ホッパ4が選択される。
また、上記のダブルシフト動作、トリプルシフト動作、クアドルプルシフト動作では、それぞれT/2、T/3、T/4ごとに組合せ演算を行うようにしている。ここで、ダブルシフト動作、トリプルシフト動作、クアドルプルシフト動作は、T/n(nは複数)ごとに組合せ演算が行われるので、以降、これらをnシフト動作あるいは通常のnシフト動作とも言う。また、nをシフト数と言い、5以上であってもよい。また、上記のダブルシフト動作、トリプルシフト動作、クアドルプルシフト動作を、それぞれ、通常のダブルシフト動作、通常のトリプルシフト動作、通常のクアドルプルシフト動作ともいう。
本実施の形態の組合せ秤では、組合せ目標重量を達成するためにm回の組合せ演算を行う場合において、通常のnシフト動作と変則nシフト動作とのうちのいずれかを選択することができるように構成されている。変則nシフト動作とは、通常のnシフト動作において、1動作サイクル期間中に少なくとも1回の組合せ演算を休止するようにして行う動作である。ここで、1動作サイクル期間とは、包装機にて包装される1袋分の被計量物の組合せ処理(m回の組合せ演算)及びm回の計量ホッパ4の排出動作を行うための連続した期間であり、その所要時間は集合ホッパ7から被計量物を排出する周期に等しくなる。なお、変則nシフト動作には、以下で述べるように、通常のダブルシフト動作、通常のトリプルシフト動作、通常のクアドルプルシフト動作等のそれぞれに対して、変則ダブルシフト動作、変則トリプルシフト動作、変則クアドルプルシフト動作等がある。
図3(a)、(b)、(c)は、ダブルシフト動作予定の構成(例えば前述の計量ホッパ4を14個備えた構成)において、それぞれ、分割回数mを、m=2、m=3、m=4に設定し、通常のダブルシフト動作において、1動作サイクル期間中に1回の組合せ演算を休止するようにした変則ダブルシフト動作を行う場合の組合せ期間T1および組合せ参加可能な計量ホッパ数の推移の一例を示す図である。組合せ参加可能な計量ホッパ数とは、組合せ演算に使用できる計量値の個数であり、ここでは、対応する時刻において組合せ演算の対象にできる計量ホッパの個数である。時刻t1、t2、t3、・・・は、T/2(Tは1計量サイクル期間)の間隔で設定される基準時刻を示す。ここでは、計量ホッパ4の全個数が14個であり、1回の組合せ演算により組合せに選択される個数を4個とする。なお、運転初期の1回目の組合せ演算時には、14個全ての計量ホッパ4に被計量物が供給され計量されているものとする。
図3(a)では、m=2の場合、すなわち2回の組合せ排出動作(組合せ演算及び計量ホッパ4の排出動作)により計量ホッパ4から排出される被計量物を1袋分とする場合を示す。この場合、時刻t1、t3を組合せ開始時刻とする2回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。次に、時刻t4、t6を組合せ演算を開始する組合せ開始時刻とする2回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。以降も同様に繰り返される。このように、各袋詰めされる被計量物の2回目の組合せ演算を行うタイミングを、通常のダブルシフト動作に対してT/2時間遅らせることにより、1つの袋に袋詰めされる被計量物において、運転初期時を除く1回目の組合せ演算では、時刻t4のように10個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になるが、2回目の組合せ演算では、時刻t6のように14個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になる。すなわち、1袋分の最終回の組合せ演算では14個の計量ホッパ4の計量値を用いて行う。この場合、期間P2内の2回の組合せ期間T1での組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が、包装機にて1つの袋に袋詰めされるので、期間P2の時間が組合せ秤及び包装機の1動作サイクルの所要時間に等しい。なお、時刻t2、t5は、組合せ演算の開始を行わない組合せ休止時刻である。
図3(b)では、m=3の場合、すなわち3回の組合せ排出動作により計量ホッパ4から排出される被計量物を1袋分とする場合を示す。この場合、時刻t1、t2、t4を組合せ開始時刻とする3回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。次に、時刻t5、t6、t8を組合せ開始時刻とする3回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。以降も同様に繰り返される。このように、各袋詰めされる被計量物の3回目の組合せ演算を行うタイミングを、通常のダブルシフト動作に対してT/2時間遅らせることにより、1つの袋に袋詰めされる被計量物において、運転初期時を除く1回目及び2回目の組合せ演算では、時刻t5、t6のように10個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になるが、3回目の組合せ演算では、時刻t8のように14個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になる。すなわち、1袋分の最終回の組合せ演算では14個の計量ホッパ4の計量値を用いて行う。この場合、期間P3内の3回の組合せ期間T1での組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が、包装機にて1つの袋に袋詰めされるので、期間P3の時間が組合せ秤及び包装機の1動作サイクルの所要時間に等しい。なお、時刻t3、t7は、組合せ休止時刻である。
図3(c)では、m=4の場合、すなわち4回の組合せ排出動作により計量ホッパ4から排出される被計量物を1袋分とする場合を示す。この場合、時刻t1、t2、t3、t5を組合せ開始時刻とする4回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。次に、時刻t6、t7、t8、t10を組合せ開始時刻とする4回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。以降も同様に繰り返される。このように、各袋詰めされる被計量物の4回目の組合せ演算を行うタイミングを、通常のダブルシフト動作に対してT/2時間遅らせることにより、1つの袋に袋詰めされる被計量物において、運転初期時を除く1回目から3回目の組合せ演算では、時刻t6、t7、t8のように10個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になるが、4回目の組合せ演算では、時刻t10のように14個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になる。すなわち、1袋分の最終回の組合せ演算では14個の計量ホッパ4の計量値を用いて行う。この場合、期間P4内の4回の組合せ期間T1での組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が、包装機にて1つの袋に袋詰めされるので、期間P4の時間が組合せ秤及び包装機の1動作サイクルの所要時間に等しい。なお、時刻t4、t9は、組合せ休止時刻である。
以上のように、図3(a)、(b)、(c)のいずれの場合も、14個の計量ホッパ4の計量値を1袋分の最終回の組合せ演算に用いるため、運転初期時を除いて毎回10個の計量ホッパ4を組合せ演算の対象として用いる通常のダブルシフト動作を行う場合に比べて、計量精度の向上を図ることが可能になる。但し、1動作サイクル期間の所要時間は、(T/2)×(m+1)となり、通常のダブルシフト動作を行う場合の(T/2)×mに比べてT/2だけ長くなる。
図4(a)、(b)、(c)は、トリプルシフト動作予定の構成(例えば前述の計量ホッパ4を18個備えた構成)において、それぞれ、分割回数mを、m=2、m=3、m=4に設定し、通常のトリプルシフト動作において、1動作サイクル期間中に1回の組合せ演算を休止するようにした変則トリプルシフト動作を行う場合の組合せ期間T1および組合せ参加可能な計量ホッパ数の推移の一例を示す図である。時刻t11、t12、t13、・・・は、T/3の間隔で設定される基準時刻を示す。ここでは、計量ホッパ4の全個数が18個であり、1回の組合せ演算により組合せに選択される個数を4個とする。なお、運転初期の1回目の組合せ演算時には、18個全ての計量ホッパ4に被計量物が供給され計量されているものとする。
図4(a)では、m=2の場合、すなわち2回の組合せ排出動作により計量ホッパ4から排出される被計量物を1袋分とする場合を示す。この場合、時刻t11、t13を組合せ開始時刻とする2回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。次に、時刻t14、t16を組合せ開始時刻とする2回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。以降も同様に繰り返される。このように、各袋詰めされる被計量物の2回目の組合せ演算を行うタイミングを、通常のトリプルシフト動作に対してT/3時間遅らせることにより、1つの袋に袋詰めされる被計量物において、運転初期時を除く1回目の組合せ演算では、時刻t14のように10個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になるが、2回目の組合せ演算では、時刻t16のように14個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になる。すなわち、1袋分の最終回の組合せ演算では14個の計量ホッパ4の計量値を用いて行う。この場合、期間P2内の2回の組合せ期間T1での組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が、包装機にて1つの袋に袋詰めされるので、期間P2の時間が組合せ秤及び包装機の1動作サイクルの所要時間に等しい。なお、時刻t12、t15、t18は、組合せ休止時刻である。
また、期間P21内の2回の組合せ期間T1での組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が、包装機にて1つの袋に袋詰めされるように構成しても、1袋分の最終回の組合せ演算では14個の計量ホッパ4の計量値を用いて行うことができる。この場合、運転初期時の組合せ期間T1のタイミング及び組合せ参加可能な計量ホッパ数の推移は、図4(a)の場合とは異なるが、その後は、例えば時刻t15〜t18の期間と同様の組合せ期間T1のタイミング及び組合せ参加可能な計量ホッパ数の推移が繰り返される。
図4(b)では、m=3の場合、すなわち3回の組合せ排出動作により計量ホッパ4から排出される被計量物を1袋分とする場合を示す。この場合、時刻t11、t12、t14を組合せ開始時刻とする3回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。次に、時刻t15、t16、t18を組合せ開始時刻とする3回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。以降も同様に繰り返される。このように、各袋詰めされる被計量物の3回目の組合せ演算を行うタイミングを、通常のトリプルシフト動作に対してT/3時間遅らせることにより、1つの袋に袋詰めされる被計量物において、運転初期時を除く1回目及び2回目の組合せ演算では、時刻t15、t16のように10個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になるが、3回目の組合せ演算では、時刻t18のように14個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になる。すなわち、1袋分の最終回の組合せ演算では14個の計量ホッパ4の計量値を用いて行う。この場合、期間P3内の3回の組合せ期間T1での組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が、包装機にて1つの袋に袋詰めされるので、期間P3の時間が組合せ秤及び包装機の1動作サイクルの所要時間に等しい。なお、時刻t13、t17、t21は、組合せ休止時刻である。
また、期間P31内の3回の組合せ期間T1での組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が、包装機にて1つの袋に袋詰めされるように構成しても、1袋分の最終回の組合せ演算では14個の計量ホッパ4の計量値を用いて行うことができる。この場合、運転初期時の組合せ期間T1のタイミング及び組合せ参加可能な計量ホッパ数の推移は、図4(b)の場合とは異なるが、その後は、例えば時刻t16〜t20の期間と同様の組合せ期間T1のタイミング及び組合せ参加可能な計量ホッパ数の推移が繰り返される。
図4(c)では、m=4の場合、すなわち4回の組合せ排出動作により計量ホッパ4から排出される被計量物を1袋分とする場合を示す。この場合、時刻t11、t12、t13、t15を組合せ開始時刻とする4回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。次に、時刻t16、t17、t18、t20を組合せ開始時刻とする4回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。以降も同様に繰り返される。このように、各袋詰めされる被計量物の4回目の組合せ演算を行うタイミングを、通常のトリプルシフト動作に対してT/3時間遅らせることにより、1つの袋に袋詰めされる被計量物において、運転初期時を除く1回目から3回目の組合せ演算では、時刻t16、t17、t18のように10個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になるが、4回目の組合せ演算では、時刻t20のように14個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になる。すなわち、1袋分の最終回の組合せ演算では14個の計量ホッパ4の計量値を用いて行う。この場合、期間P4内の4回の組合せ期間T1での組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が、包装機にて1つの袋に袋詰めされるので、期間P4の時間が組合せ秤及び包装機の1動作サイクルの所要時間に等しい。なお、時刻t14、t19は、組合せ休止時刻である。
また、期間P41内の4回の組合せ期間T1での組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が、包装機にて1つの袋に袋詰めされるように構成しても、1袋分の最終回の組合せ演算では14個の計量ホッパ4の計量値を用いて行うことができる。この場合、運転初期時の組合せ期間T1のタイミング及び組合せ参加可能な計量ホッパ数の推移は、図4(c)の場合とは異なるが、その後は、例えば時刻t16〜t21の期間と同様の組合せ期間T1のタイミング及び組合せ参加可能な計量ホッパ数の推移が繰り返される。
以上のように、図4(a)、(b)、(c)のいずれの場合も、14個の計量ホッパ4の計量値を1袋分の最終回の組合せ演算に用いるため、運転初期時を除いて毎回10個の計量ホッパ4を組合せ演算の対象として用いる通常のトリプルシフト動作を行う場合に比べて、計量精度の向上を図ることが可能になる。但し、1動作サイクル期間の所要時間は、(T/3)×(m+1)となり、通常のトリプルシフト動作を行う場合の(T/3)×mに比べてT/3だけ長くなる。
図5(a)、(b)、(c)は、クアドルプルシフト動作予定の構成(例えば前述の計量ホッパ4を22個備えた構成)において、それぞれ、分割回数mを、m=2、m=3、m=4に設定し、通常のクアドルプルシフト動作において、1動作サイクル期間中に1回の組合せ演算を休止するようにした変則クアドルプルシフト動作を行う場合の組合せ期間T1および組合せ参加可能な計量ホッパ数の推移の一例を示す図である。時刻t31、t32、t33、・・・は、T/4の間隔で設定される基準時刻を示す。ここでは、計量ホッパ4の全個数が22個であり、1回の組合せ演算により組合せに選択される個数を4個とする。なお、運転初期の1回目の組合せ演算時には、22個全ての計量ホッパ4に被計量物が供給され計量されているものとする。
図5(a)では、m=2の場合、すなわち2回の組合せ排出動作により計量ホッパ4から排出される被計量物を1袋分とする場合を示す。この場合、時刻t31、t33を組合せ開始時刻とする2回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。次に、時刻t34、t36を組合せ開始時刻とする2回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。以降も同様に繰り返される。このように、各袋詰めされる被計量物の2回目の組合せ演算を行うタイミングを、通常のクアドルプルシフト動作に対してT/4時間遅らせることにより、1つの袋に袋詰めされる被計量物において、運転初期時を除く1回目の組合せ演算では、時刻t34のように10個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になるが、2回目の組合せ演算では、時刻t36のように14個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になる。すなわち、1袋分の最終回の組合せ演算では14個の計量ホッパ4の計量値を用いて行う。この場合、期間P2の時間が組合せ秤及び包装機の1動作サイクルの所要時間に等しい。なお、時刻t32、t35、t38は、組合せ休止時刻である。
また、期間P21内の2回の組合せ期間T1での組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が、包装機にて1つの袋に袋詰めされるように構成しても、1袋分の最終回の組合せ演算では14個の計量ホッパ4の計量値を用いて行うことができる。
図5(b)では、m=3の場合、すなわち3回の組合せ排出動作により計量ホッパ4から排出される被計量物を1袋分とする場合を示す。この場合、時刻t31、t32、t34を組合せ開始時刻とする3回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。次に、時刻t35、t36、t38を組合せ開始時刻とする3回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。以降も同様に繰り返される。このように、各袋詰めされる被計量物の3回目の組合せ演算を行うタイミングを、通常のクアドルプルシフト動作に対してT/4時間遅らせることにより、1つの袋に袋詰めされる被計量物において、運転初期時を除く1回目及び2回目の組合せ演算では、時刻t35、t36のように10個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になるが、3回目の組合せ演算では、時刻t38のように14個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になる。すなわち、1袋分の最終回の組合せ演算では14個の計量ホッパ4の計量値を用いて行う。この場合、期間P3の時間が組合せ秤及び包装機の1動作サイクルの所要時間に等しい。なお、時刻t33、t37、t41は、組合せ休止時刻である。
また、期間P31あるいは期間P32内の3回の組合せ期間T1での組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が、包装機にて1つの袋に袋詰めされるように構成しても、1袋分の最終回の組合せ演算では14個の計量ホッパ4の計量値を用いて行うことができる。
図5(c)では、m=4の場合、すなわち4回の組合せ排出動作により計量ホッパ4から排出される被計量物を1袋分とする場合を示す。この場合、時刻t31、t32、t33、t35を組合せ開始時刻とする4回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。次に、時刻t36、t37、t38、t40を組合せ開始時刻とする4回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。以降も同様に繰り返される。このように、各袋詰めされる被計量物の4回目の組合せ演算を行うタイミングを、通常のクアドルプルシフト動作に対してT/4時間遅らせることにより、1つの袋に袋詰めされる被計量物において、運転初期時を除く1回目から3回目の組合せ演算では、時刻t36、t37、t38のように10個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になるが、4回目の組合せ演算では、時刻t40のように14個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になる。すなわち、1袋分の最終回の組合せ演算では14個の計量ホッパ4の計量値を用いて行う。この場合、期間P4の時間が組合せ秤及び包装機の1動作サイクルの所要時間に等しい。なお、時刻t34、t39は、組合せ休止時刻である。
また、期間P41あるいは期間P42内の4回の組合せ期間T1での組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が、包装機にて1つの袋に袋詰めされるように構成しても、1袋分の最終回の組合せ演算では14個の計量ホッパ4の計量値を用いて行うことができる。
以上のように、図5(a)、(b)、(c)のいずれの場合も、14個の計量ホッパ4の計量値を1袋分の最終回の組合せ演算に用いるため、運転初期時を除いて毎回10個の計量ホッパ4を組合せ演算の対象として用いる通常のクアドルプルシフト動作を行う場合に比べて、計量精度の向上を図ることが可能になる。但し、1動作サイクル期間の所要時間は、(T/4)×(m+1)となり、通常のクアドルプルシフト動作を行う場合の(T/4)×mに比べてT/4だけ長くなる。
次に、トリプルシフト動作予定の構成及びクアドルプルシフト動作予定の構成において、さらに計量精度を向上させるために1動作サイクル期間中に組合せ演算を連続2回休止する場合について説明する。なお、ダブルシフト動作予定の構成の場合については、図3(a)、(b)、(c)のいずれの場合にも、1袋分の最終回の組合せ演算において、全て(14個)の計量ホッパ4が用いられるので、これ以上組合せ演算を休止しても計量精度の向上は図れず、1動作サイクル期間が長くなるだけである。
図6(a)、(b)、(c)は、トリプルシフト動作予定の構成において、それぞれ、分割回数mを、m=2、m=3、m=4に設定し、通常のトリプルシフト動作において、1動作サイクル期間中に連続2回の組合せ演算を休止するようにした変則トリプルシフト動作を行う場合の組合せ期間T1および組合せ参加可能な計量ホッパ数の推移の一例を示す図である。時刻t11、t12、t13、・・・は、T/3の間隔で設定される基準時刻を示す。ここでは、計量ホッパ4の全個数が18個であり、1回の組合せ演算により組合せに選択される個数を4個とする。なお、運転初期の1回目の組合せ演算時には、18個全ての計量ホッパ4に被計量物が供給され計量されているものとする。
図6(a)では、m=2の場合、すなわち2回の組合せ排出動作により計量ホッパ4から排出される被計量物を1袋分とする場合を示す。この場合、時刻t11、t14を組合せ開始時刻とする2回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。次に、時刻t15、t18を組合せ開始時刻とする2回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。以降も同様に繰り返される。このように、各袋詰めされる被計量物の2回目の組合せ演算を行うタイミングを、通常のトリプルシフト動作に対して(T/3)×2時間遅らせることにより、1つの袋に袋詰めされる被計量物において、最後の2回目の組合せ演算では、時刻t18のように18個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になる。すなわち、1袋分の最終回の組合せ演算では18個の計量ホッパ4の計量値を用いて行う。この場合、期間P2の時間が組合せ秤及び包装機の1動作サイクルの所要時間に等しい。なお、時刻t12、t13、t16、t17等は、組合せ休止時刻である。
図6(b)では、m=3の場合、すなわち3回の組合せ排出動作により計量ホッパ4から排出される被計量物を1袋分とする場合を示す。この場合、時刻t11、t12、t15を組合せ開始時刻とする3回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。次に、時刻t16、t17、t20を組合せ開始時刻とする3回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。以降も同様に繰り返される。このように、各袋詰めされる被計量物の3回目の組合せ演算を行うタイミングを、通常のトリプルシフト動作に対して(T/3)×2時間遅らせることにより、1つの袋に袋詰めされる被計量物において、最後の3回目の組合せ演算では、時刻t20のように18個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になる。すなわち、1袋分の最終回の組合せ演算では18個の計量ホッパ4の計量値を用いて行う。この場合、期間P3の時間が組合せ秤及び包装機の1動作サイクルの所要時間に等しい。なお、時刻t13、t14、t18、t19は、組合せ休止時刻である。
図6(c)では、m=4の場合、すなわち4回の組合せ排出動作により計量ホッパ4から排出される被計量物を1袋分とする場合を示す。この場合、時刻t11、t12、t13、t16を組合せ開始時刻とする4回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。次に、時刻t17、t18、t19、t22を組合せ開始時刻とする4回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。以降も同様に繰り返される。このように、各袋詰めされる被計量物の4回目の組合せ演算を行うタイミングを、通常のトリプルシフト動作に対して(T/3)×2時間遅らせることにより、1つの袋に袋詰めされる被計量物において、最後の4回目の組合せ演算では、時刻t22のように18個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になる。すなわち、1袋分の最終回の組合せ演算では18個の計量ホッパ4の計量値を用いて行う。この場合、期間P4の時間が組合せ秤及び包装機の1動作サイクルの所要時間に等しい。なお、時刻t14、t15、t20、t21は、組合せ休止時刻である。
以上のように、図6(a)、(b)、(c)のいずれの場合も、18個の計量ホッパ4の計量値を1袋分の最終回の組合せ演算に用いるため、通常のトリプルシフト動作を行う場合や、14個の計量ホッパ4の計量値を1袋分の最終回の組合せ演算に用いる図4(a)、(b)、(c)の場合に比べて、より計量精度の向上を図ることが可能になる。但し、1動作サイクル期間の所要時間は、(T/3)×(m+2)となり、通常のトリプルシフト動作を行う場合の(T/3)×mに比べて(T/3)×2だけ長くなり、また、図4(a)、(b)、(c)の場合に比べてT/3だけ長くなる。
また、図6(a)、(b)、(c)の場合、通常のトリプルシフト動作(n=3)において、2回連続して組合せ演算を休止した後、1袋分の最終回(m回目)の組合せ演算を行うように動作させている。すなわち、図6(a)の場合には、通常のトリプルシフト動作において、時刻t12、t13、t16、t17を組合せ開始時刻とする組合せ演算を休止するように動作させ、図6(b)の場合には、通常のトリプルシフト動作において、時刻t13、t14、t18、t19を組合せ開始時刻とする組合せ演算を休止するように動作させ、図6(c)の場合には、通常のトリプルシフト動作において、時刻t14、t15、t20、t21を組合せ開始時刻とする組合せ演算を休止するように動作させている。このように動作させることで、前述のように図4(a)、(b)、(c)の場合に比べて、より計量精度の向上を図ることが可能になる。なお、1動作サイクル期間の間に、2回飛び飛びに組合せ演算を休止するようにした場合には、運転初期時を除いて18個の計量ホッパ4の計量値を用いて組合せ演算を行うことはできず、1袋分の最終回の組合せ演算では最高14個の計量ホッパ4の計量値を用いて行うように動作させることはできるが、この場合、図4(a)、(b)、(c)のように組合せ演算を1回休止する場合と比較して、同等の計量精度になり、1動作サイクル期間が長くなるだけである。
図7(a)、(b)、(c)は、クアドルプルシフト動作予定の構成において、それぞれ、分割回数mを、m=2、m=3、m=4に設定し、通常のクアドルプルシフト動作において、1動作サイクル期間中に連続2回の組合せ演算を休止するようにした変則クアドルプルシフト動作を行う場合の組合せ期間T1および組合せ参加可能な計量ホッパ数の推移の一例を示す図である。時刻t31、t32、t33、・・・は、T/4の間隔で設定される基準時刻を示す。ここでは、計量ホッパ4の全個数が22個であり、1回の組合せ演算により組合せに選択される個数を4個とする。なお、運転初期の1回目の組合せ演算時には、22個全ての計量ホッパ4に被計量物が供給され計量されているものとする。
図7(a)では、m=2の場合、すなわち2回の組合せ排出動作により計量ホッパ4から排出される被計量物を1袋分とする場合を示す。この場合、時刻t31、t34を組合せ開始時刻とする2回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。次に、時刻t35、t38を組合せ開始時刻とする2回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。以降も同様に繰り返される。このように、各袋詰めされる被計量物の2回目の組合せ演算を行うタイミングを、通常のクアドルプルシフト動作に対して(T/4)×2時間遅らせることにより、1つの袋に袋詰めされる被計量物において、最後の2回目の組合せ演算では、時刻t38のように18個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になる。すなわち、1袋分の最終回の組合せ演算では18個の計量ホッパ4の計量値を用いて行う。この場合、期間P2の時間が組合せ秤及び包装機の1動作サイクルの所要時間に等しい。なお、時刻t32、t33、t36、t37等は、組合せ休止時刻である。
また、期間P21内の2回の組合せ期間T1での組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が、包装機にて1つの袋に袋詰めされるように構成しても、1袋分の最終回の組合せ演算では18個の計量ホッパ4の計量値を用いて行うことができる。
図7(b)では、m=3の場合、すなわち3回の組合せ排出動作により計量ホッパ4から排出される被計量物を1袋分とする場合を示す。この場合、時刻t31、t32、t35を組合せ開始時刻とする3回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。次に、時刻t36、t37、t40を組合せ開始時刻とする3回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。以降も同様に繰り返される。このように、各袋詰めされる被計量物の3回目の組合せ演算を行うタイミングを、通常のクアドルプルシフト動作に対して(T/4)×2時間遅らせることにより、1つの袋に袋詰めされる被計量物において、最後の3回目の組合せ演算では、時刻t40のように18個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になる。すなわち、1袋分の最終回の組合せ演算では18個の計量ホッパ4の計量値を用いて行う。この場合、期間P3の時間が組合せ秤及び包装機の1動作サイクルの所要時間に等しい。なお、時刻t33、t34、t38、t39は、組合せ休止時刻である。
また、期間P31内の3回の組合せ期間T1での組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が、包装機にて1つの袋に袋詰めされるように構成しても、1袋分の最終回の組合せ演算では18個の計量ホッパ4の計量値を用いて行うことができる。
図7(c)では、m=4の場合、すなわち4回の組合せ排出動作により計量ホッパ4から排出される被計量物を1袋分とする場合を示す。この場合、時刻t31、t32、t33、t36を組合せ開始時刻とする4回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。次に、時刻t37、t38、t39、t42を組合せ開始時刻とする4回の組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が包装機にて、1つの袋に袋詰めされる。以降も同様に繰り返される。このように、各袋詰めされる被計量物の4回目の組合せ演算を行うタイミングを、通常のクアドルプルシフト動作に対して(T/4)×2時間遅らせることにより、1つの袋に袋詰めされる被計量物において、最後の4回目の組合せ演算では、時刻t42のように18個の計量ホッパ4が組合せ演算の対象になる。すなわち、1袋分の最終回の組合せ演算では18個の計量ホッパ4の計量値を用いて行う。この場合、期間P4の時間が組合せ秤及び包装機の1動作サイクルの所要時間に等しい。なお、時刻t34、t35、t40、t41は、組合せ休止時刻である。
また、期間P41内の4回の組合せ期間T1での組合せ演算により選択された計量ホッパ4の被計量物が、包装機にて1つの袋に袋詰めされるように構成しても、1袋分の最終回の組合せ演算では18個の計量ホッパ4の計量値を用いて行うことができる。
以上のように、図7(a)、(b)、(c)のいずれの場合も、18個の計量ホッパ4の計量値を1袋分の最終回の組合せ演算に用いるため、通常のクアドルプルシフト動作を行う場合や、14個の計量ホッパ4の計量値を1袋分の最終回の組合せ演算に用いる図5(a)、(b)、(c)の場合に比べて、より計量精度の向上を図ることが可能になる。但し、1動作サイクル期間の所要時間は、(T/4)×(m+2)となり、通常のクアドルプルシフト動作を行う場合の(T/4)×mに比べて(T/4)×2だけ長くなり、また、図5(a)、(b)、(c)の場合に比べてT/4だけ長くなる。
また、図7(a)、(b)、(c)の場合、通常のクアドルプルシフト動作(n=4)において、2回連続して組合せ演算を休止した後、1袋分の最終回(m回目)の組合せ演算を行うように動作させている。すなわち、図7(a)の場合には、通常のクアドルプルシフト動作において、時刻t32、t33、t36、t37を組合せ開始時刻とする組合せ演算を休止するように動作させ、図7(b)の場合には、通常のクアドルプルシフト動作において、時刻t33、t34、t38、t39を組合せ開始時刻とする組合せ演算を休止するように動作させ、図7(c)の場合には、通常のクアドルプルシフト動作において、時刻t34、t35、t40、t41を組合せ開始時刻とする組合せ演算を休止するように動作させている。このように1動作サイクル期間の間に、2回の組合せ演算を休止するように動作させることにより、1袋分の最終回の組合せ演算において18個の計量ホッパ4の計量値を用いて行うことができる。なお、1動作サイクル期間の間に、2回飛び飛びに組合せ演算を休止するようにした場合にも、1袋分の最終回の組合せ演算において18個の計量ホッパ4の計量値を用いて行うように動作させることができる。したがって、1動作サイクル期間の間に、2回の組合せ演算を休止するように動作させることにより、図5(a)、(b)、(c)の場合に比べて、より計量精度の向上を図ることが可能になる。
また、図7(a)、(b)、(c)の場合のように22個の計量ホッパ4を備えた構成では、通常のクアドルプルシフト動作(n=4)において、3回連続して組合せ演算を休止した後、1袋分の最終回(m回目)の組合せ演算を行うように動作させることにより、1袋分の最終回の組合せ演算において22個の計量ホッパ4の計量値を用いて行うことができ、前述の図7(a)、(b)、(c)の場合に比べて、より計量精度の向上を図ることが可能になる。
以上のことから、次のことが言える。
T/nの時間間隔で基準時刻を設定し、n>mの場合、各動作サイクル期間内に、少なくとも1個の基準時刻が組合せ休止時刻となるように組合せ開始時刻及び組合せ休止時刻を設定することにより、m回目の組合せ演算で用いる重量値(計量値)の個数を多くして計量精度の向上を図ることが可能になる。また、n≦mの場合、各動作サイクル期間において、m回目の組合せ演算の組合せ開始時刻となる基準時刻よりも(n−1)個前の基準時刻から1個前の基準時刻までのうち、少なくとも1個の基準時刻が組合せ休止時刻となるように組合せ開始時刻及び組合せ休止時刻を設定することにより、m回目の組合せ演算で用いる重量値の個数を多くして計量精度の向上を図ることが可能になる。
上記に述べた、n>mの場合、及びn≦mの場合についてまとめて言えば次のようになる。すなわち、各動作サイクル期間内に設定する組合せ休止時刻の個数をr個とすれば、各々の動作サイクル期間内において到来する(m+r)個の基準時刻のうち、m個の基準時刻を組合せ開始時刻にし、r個の基準時刻を組合せ休止時刻にするとともに、少なくとも1個の組合せ休止時刻が、m回目の組合せ演算の組合せ開始時刻となる基準時刻よりも(m+r−1)個前の基準時刻から1個前の基準時刻までのいずれかの基準時刻であって、かつ、m回目の組合せ演算の組合せ開始時刻となる基準時刻よりも(n−1)個前の基準時刻から1個前の基準時刻までのいずれかの基準時刻であることを満足する基準時刻からなるように、組合せ開始時刻及び組合せ休止時刻を設定することにより、m回目の組合せ演算で用いる重量値の個数を多くして計量精度の向上を図ることが可能になる。また、各動作サイクルの期間内における組合せ休止時刻の個数をできるだけ少なくすることにより、1動作サイクル期間(所要時間)の大幅な増加を抑えることができる。
また、図4(r=1、n=3の場合)と図6(r=2、n=3の場合)とを比較すればわかるように、あるいは、図5(r=1、n=4の場合)と図7(r=2、n=4の場合)とを比較すればわかるように、(n−1)回以内の回数において、各動作サイクル期間内で組合せ演算を休止する回数(r)を増やすことにより、計量精度の向上をより図ることが可能になる。また、各動作サイクル期間内で組合せ演算を休止する回数(r)をn回以上にしても、各動作サイクル期間の所要時間が長くなるだけであり、さらなる計量精度の向上は図れない。したがって、r≦n−1の関係を満足することが好ましい。
ここで、さらに、r>n−mの関係を満足することが好ましい。この理由について以下に説明する。
例えば、14個の計量ホッパ4を有するダブルシフト動作予定の構成において、組合せ休止時刻を設けない(r=0)通常のシングルシフト動作をさせれば、各回の組合せ演算の対象になる計量ホッパ4は14個であり、r=1である図3(a)、(b)、(c)の各場合と同等な計量精度が得られる(但し、組合せに選択される個数は同じ4個とする)。ここで、1動作サイクル期間の所要時間は、図3(a)、(b)、(c)の場合、(T/2)×(m+1)であり、通常のシングルシフト動作させた場合は、T×mである。ここで、m≧2を考慮して、両者の差を求めれば、
(T/2)×(m+1)−T×m=(T/2)×(1−m)<0
となる。すなわち、図3(a)、(b)、(c)の場合の方が、通常のシングルシフト動作させた場合よりも1動作サイクル期間の所要時間が短くなるので好ましい。
また、18個の計量ホッパ4を有するトリプルシフト動作予定の構成において、組合せ休止時刻を設けない(r=0)通常のダブルシフト動作をさせれば、各回の組合せ演算の対象になる計量ホッパ4は14個であり、r=1である図4(a)、(b)、(c)の各場合と同等な計量精度が得られる(但し、組合せに選択される個数は同じ4個とする)。ここで、1動作サイクル期間の所要時間は、図4(a)、(b)、(c)の場合、(T/3)×(m+1)であり、通常のダブルシフト動作させた場合は、(T/2)×mである。ここで、両者の差を求めれば、
(T/3)×(m+1)−(T/2)×m=(T/6)×(2−m)
となる。すなわち、m=2である図4(a)の場合には、通常のダブルシフト動作させた場合と1動作サイクル期間の所要時間が等しくなる。m>2である図4(b)、(c)の場合には、通常のダブルシフト動作させた場合よりも1動作サイクル期間の所要時間が短くなるので好ましい。
また、22個の計量ホッパ4を有するクアドルプルシフト動作予定の構成において、組合せ休止時刻を設けない(r=0)通常のトリプルシフト動作をさせれば、各回の組合せ演算の対象になる計量ホッパ4は14個であり、r=1である図5(a)、(b)、(c)の各場合と同等な計量精度が得られる(但し、組合せに選択される個数は同じ4個とする)。ここで、1動作サイクル期間の所要時間は、図5(a)、(b)、(c)の場合、(T/4)×(m+1)であり、通常のトリプルシフト動作させた場合は、(T/3)×mである。ここで、両者の差を求めれば、
(T/4)×(m+1)−(T/3)×m=(T/12)×(3−m)
となる。すなわち、m<3である図5(a)の場合には、通常のトリプルシフト動作させた場合よりも1動作サイクル期間の所要時間が長くなる。m=3である図5(b)の場合には、通常のトリプルシフト動作させた場合と1動作サイクル期間の所要時間が等しくなる。m>3である図5(c)の場合には、通常のトリプルシフト動作させた場合よりも1動作サイクル期間の所要時間が短くなるので好ましい。
また、18個の計量ホッパ4を有するトリプルシフト動作予定の構成において、組合せ休止時刻を設けない(r=0)通常のシングルシフト動作をさせれば、各回の組合せ演算の対象になる計量ホッパ4は18個であり、r=2である図6(a)、(b)、(c)の各場合と同等な計量精度が得られる(但し、組合せに選択される個数は同じ4個とする)。ここで、1動作サイクル期間の所要時間は、図6(a)、(b)、(c)の場合、(T/3)×(m+2)であり、通常のシングルシフト動作させた場合は、T×mである。ここで、m≧2を考慮して、両者の差を求めれば、
(T/3)×(m+2)−T×m=(2T/3)×(1−m)<0
となる。すなわち、図6(a)、(b)、(c)の場合の方が、通常のシングルシフト動作させた場合よりも1動作サイクル期間の所要時間が短くなるので好ましい。
また、22個の計量ホッパ4を有するクアドルプルシフト動作予定の構成において、組合せ休止時刻を設けない(r=0)通常のダブルシフト動作をさせれば、各回の組合せ演算の対象になる計量ホッパ4は18個であり、r=2である図7(a)、(b)、(c)の各場合と同等な計量精度が得られる(但し、組合せに選択される個数は同じ4個とする)。ここで、1動作サイクル期間の所要時間は、図7(a)、(b)、(c)の場合、(T/4)×(m+2)であり、通常のダブルシフト動作させた場合は、(T/2)×mである。ここで、両者の差を求めれば、
(T/4)×(m+2)−(T/2)×m=(T/4)×(2−m)
となる。すなわち、m=2である図7(a)の場合には、通常のダブルシフト動作させた場合と1動作サイクル期間の所要時間が等しくなる。m>2である図7(b)、(c)の場合には、通常のダブルシフト動作させた場合よりも1動作サイクル期間の所要時間が短くなるので好ましい。
以上のように、nシフト動作予定の構成において、図3〜図7のように各動作サイクル期間に設定する組合せ休止時刻をr個(r≧1)として変則nシフト動作させた場合と、組合せ休止時刻を設けずに通常の(n−r)シフト動作させた場合とでは、同等の計量精度を実現することが可能である。また、両者の1動作サイクル期間の所要時間については、一方の方が短い場合と他方の方が短い場合とがある。そこで、変則nシフト動作させた場合の方が、通常の(n−r)シフト動作させた場合よりも1動作サイクル期間の所要時間が短くなる条件を求める。
変則nシフト動作させた場合の1動作サイクル期間の所要時間は、
(T/n)×(m+r)
である。
また、通常の(n−r)シフト動作させた場合の1動作サイクル期間の所要時間は、
{T/(n−r)}×m
である。
ここで、次の式(1)を満足すれば、組合せ休止時刻を有する変則nシフト動作させた場合の方が、通常の(n−r)シフト動作させた場合よりも1動作サイクル期間の所要時間が短くなり、優れていると言える。
(T/n)×(m+r)<{T/(n−r)}×m ・・・(1)
上記の式(1)からTを消去すれば式(2)が得られる。
(m+r)/n<m/(n−r) ・・・(2)
次に、先に述べた関係(r≦n−1)を満足するので、(n−r)>0であり、式(2)は式(3)に変形できる。
(m+r)(n−r)<nm ・・・(3)
さらに式(3)を整理すれば、式(4)が得られる。
r(n−m−r)<0 ・・・(4)
ここで、r>0であるので、n−m−r<0となり、r>n−mの関係が得られる。
したがって、r≦n−1の関係を満足するとともに、r>n−mの関係を満足するようにして変則nシフト動作させることにより、通常の(n−r)シフト動作させた場合と比較して、1動作サイクル期間の所要時間の短縮を図ることができる。
また、r=n−1の場合には、図3及び図6に示されるように、各動作サイクル期間内に、(n−1)回連続して組合せ演算を休止した後、1袋分の最終回(m回目)の組合せ演算を行うように動作させることにより、最高の計量精度を実現することが可能になる。
なお、上記の説明では、制御部10による組合せ処理として、第1または第2の組合せ処理を行うものとしたが、これに限られるものではなく、m回の組合せ演算によって1袋分の重量が求められれば、他の組合せ処理であってもよい。例えば、前述の第1または第2の組合せ処理では、m回の組合せ演算における各回の回別目標重量予定値Wdを等しく設定したが、第1または第2の組合せ処理において、m回のうち少なくとも1回の回別目標重量予定値が異なるようにして各回の回別目標重量予定値を設定するようにしてもよい。ここで、各供給ホッパ3から計量ホッパ4へ1回に投入される被計量物の目標の投入量はリニアフィーダ2等の動作設定により定められており、上記の回別目標重量予定値を異ならせることは排出組合せに選択される計量ホッパの個数(組合せ選択個数)を異ならせることに相当する。この場合、組合せ秤の運転開始前に、制御部10には、使用者による操作部11の操作によって、組合せ目標重量値W及び分割回数m等の値とともに、各回の回別目標重量予定値が入力されるようにすればよい。あるいは、各回の回別目標重量予定値に代えて、組合せ目標重量値Wに対する各回の回別目標重量予定値の割合(百分率)が入力されるようにし、制御部10においてそれぞれの割合から各回の回別目標重量予定値を算出するようにすればよい。
上記のように、m回のうち少なくとも1回の組合せ演算による組合せ選択個数を異ならせるように各回の回別目標重量予定値を設定する場合の効果について説明する。例えば、図3(a)の場合、1袋分の2回の組合せ演算の各組合せ演算における組合せ選択個数を4個とし、合計8個の計量ホッパの被計量物が1袋分として排出され、この場合、1袋分の計量精度は2回目の組合せ演算における計量精度に依存し、2回目の組合せ演算における組合せの総数は、14C4=1001個である。これに対し、図3(a)において、合計8個の計量ホッパの被計量物を1袋分として排出することは同様とし、1袋分の2回の組合せ演算のうちの1回目の組合せ演算における組合せ選択個数を3個とし、2回目の組合せ演算における組合せ選択個数を5個とするようにして組合せ選択個数を異ならせた場合、2回目の組合せ演算における組合せの総数は、14C5=2002個となり、図3(a)の場合よりも多くすることができ、計量精度をより向上させることができる。また、図3(b)の場合、1袋分の3回の組合せ演算の各組合せ演算における組合せ選択個数を4個とし、合計12個の計量ホッパの被計量物が1袋分として排出され、この場合、1袋分の計量精度は3回目の組合せ演算における計量精度に依存し、3回目の組合せ演算における組合せの総数は、14C4=1001個である。これに対し、図3(b)において、合計12個の計量ホッパの被計量物を1袋分として排出することは同様とし、1袋分の3回の組合せ演算のうちの1回目と2回目の組合せ演算における組合せ選択個数を3個とし、3回目の組合せ演算における組合せ選択個数を6個とするようにして組合せ選択個数を異ならせた場合、3回目の組合せ演算における組合せの総数は、14C6=3003個となり、図3(b)の場合よりも多くすることができ、計量精度をより向上させることができる。以上のように、回別目標重量予定値を異ならせて組合せ選択個数を異ならせることにより、計量精度の向上をより図ることが可能になる。
図8は、本実施の形態の組合せ秤の動作(変則nシフト動作)の一例を示すフローチャートである。この組合せ秤の動作は、制御部10の制御によって実現される。この制御部10は、例えば、後述のカウンタ及びタイマ等が内蔵されたマイクロコンピュータ等によって構成されている。なお、ここでは、予め計量ホッパ4に被計量物が供給されている状態からの動作について説明する。また、使用者が操作部11を操作することにより、予めシフト数n、分割回数m、組合せ休止時刻の設定個数r及び組合せ目標重量値W等は制御部10内に設定(記憶)されている。
まず、ステップS1では、組合せ演算処理回数を計数するカウンタをクリアし、そのカウント値kを0にする。
次に、ステップS2では、組合せ開始時刻になるまで待機する。このステップS2では、例えば、タイマが動作中であればタイムアップするまで待ち、タイムアップすると、カウント値k、分割回数m、及び組合せ休止時刻の設定個数r等に応じて予め定められている時間(タイマ時間)をタイマにセットしスタートさせて、ステップS3へ進む。ここで、例えば、nシフト動作予定の構成において、分割回数mが2で、1回目と2回目の組合せ演算の間に組合せ休止時刻を1回有する(r=1)ように動作させる場合(図3(a)、図4(a)、図5(a)の場合)、カウント値kが0の場合にセットするタイマ時間を(T/n)×2に、カウント値kが1の場合にセットするタイマ時間をT/nに定めておけばよい。また、分割回数mが3で、2回目と3回目の組合せ演算の間に組合せ休止時刻を1回有する(r=1)ように動作させる場合(図3(b)、図4(b)、図5(b)の場合)、カウント値kが0、2の場合にセットするタイマ時間をT/nに、カウント値kが1の場合にセットするタイマ時間を(T/n)×2に定めておけばよい。また、分割回数mが4で、3回目と4回目の組合せ演算の間に組合せ休止時刻を1回有する(r=1)ように動作させる場合(図3(c)、図4(c)、図5(c)の場合)、カウント値kが0、1、3の場合にセットするタイマ時間をT/nに、カウント値kが2の場合にセットするタイマ時間を(T/n)×2に定めておけばよい。図6(a)、(b)、(c)及び図7(a)、(b)、(c)の場合等も同様にして、カウント値k、分割回数m、及び組合せ休止時刻の設定個数r等に応じてタイマ時間を予め定めておけばよい。
次に、ステップS3では、カウント値kに応じた組合せ演算を行う。すなわち、前述の第1または第2の組合せ処理における(k+1)回目の組合せ演算を行う。
次に、ステップS4では、ステップS3において組合せ(排出組合せ)に選択された計量ホッパ4のゲートを開閉し、計量ホッパ4から被計量物を排出させる。また、これに続いて、図8には示していないが、制御部10は、被計量物を排出した計量ホッパ4へその上方の供給ホッパ3から被計量物を供給させ、さらにその供給ホッパ3へリニアフィーダ2から被計量物を供給させ、さらにそのリニアフィーダ2へ分散フィーダ1から被計量物を供給させるように制御する。
計量ホッパ4から被計量物を排出させた後、カウント値kを1増加し(ステップS5)、次に、カウント値kが分割回数mに等しいか否かを判定し(ステップS6)、等しければステップS7へ進み、等しくなければステップS2からの処理を繰り返す。
次に、ステップS7では、包装機からの排出許可信号が入力されているか否かを判定し、入力されていれば、集合ホッパ7のゲートを開閉して、集合ホッパ7から被計量物を排出させ(ステップS8)、排出完了信号を包装機へ送出する(ステップS9)。集合ホッパ7から排出された被計量物はその下方に配置されている包装機へ投入され、包装機では排出完了信号に基づいて被計量物を包装する動作を行う。
なお、正常時においては、ステップS7へ進んだ時点で排出許可信号が入力されているように、組合せ秤及び包装機を動作させるようにしているが、例えば包装機に何らかの不具合が生じ、排出許可信号が入力されていない場合には、排出許可信号が入力されるまで待ってステップS8へ進む。
なお、上記実施の形態では、集合ホッパ7を有する構成について説明したが、集合ホッパ7が無い構成であってもよい。この場合、組合せ演算が行われるたびに、組合せに選択された計量ホッパ4から排出された被計量物は、集合シュート6上を滑り落ちて、その下部の排出口から直接包装機へ排出される。
図9は、この集合ホッパ7が無い場合の動作(変則nシフト動作)の一例を示すフローチャートである。図9において、図8のステップと同一処理を行うステップには同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9の場合、ステップS3での組合せ演算を行った後、ステップS11において、カウント値kが0であるか否かを判定し、0であればステップS12へ進み、0でなければステップS4へ進む。カウント値kが0の場合、すなわち、ステップS3が1回目の組合せ演算の場合には、ステップS12において、包装機からの排出許可信号が入力されているか否かを判定し、入力されていれば、ステップS4へ進み、計量ホッパ4から被計量物を排出させる。ここで、例えば包装機に何らかの不具合が生じ、排出許可信号が入力されていない場合には、排出許可信号が入力されるまで待ってステップS4へ進む。この場合、例えば、ステップS12での判定がYesになるまでの間、ステップS2においてスタートさせたタイマを一時停止させるようにする。また、ステップS11において、カウント値kが0でない場合、すなわち、ステップS3が2回目以降の組合せ演算の場合には、ステップS4へ進み、計量ホッパ4から被計量物を排出させる。
そして、m回の組合せ演算及び計量ホッパ4の排出動作が行われて、ステップS6において、カウント値kが分割回数mに等しくなれば、ステップS9へ進み、排出完了信号を包装機へ送出する。
なお、通常のnシフト動作を行う場合には、図8、図9のステップS2において、セットするタイマ時間を、カウント値k等に関わらず、T/nに定めておけばよい。
なお、本実施の形態の組合せ秤は、使用者による操作部11の操作によって、シフト数n、分割回数m及び各動作サイクル期間内の組合せ休止時刻の個数rの値を任意に設定可能である。
例えば、ダブルシフト動作予定の構成において、n=2、m=2、r=1に設定すると、図3(a)に示される組合せ期間T1のタイミングで組合せ演算が行われるように、制御部10内に予めプログラミングされている。同様に、n=2、m=3、r=1に設定すると、図3(b)に示される組合せ期間T1のタイミングで、n=2、m=4、r=1に設定すると、図3(c)に示される組合せ期間T1のタイミングで、それぞれ組合せ演算が行われるように、制御部10内に予めプログラミングされている。
また、トリプルシフト動作予定の構成においても同様に、n=3、m=2、r=1に設定すると、例えば図4(a)に示される組合せ期間T1のタイミングで、n=3、m=3、r=1に設定すると、例えば図4(b)に示される組合せ期間T1のタイミングで、n=3、m=4、r=1に設定すると、例えば図4(c)に示される組合せ期間T1のタイミングで、n=3、m=2、r=2に設定すると、図6(a)に示される組合せ期間T1のタイミングで、n=3、m=3、r=2に設定すると、図6(b)に示される組合せ期間T1のタイミングで、n=3、m=4、r=2に設定すると、図6(c)に示される組合せ期間T1のタイミングで、それぞれ組合せ演算が行われるように、制御部10内に予めプログラミングされている。
また、クアドルプルシフト動作予定の構成においても同様であり、n、m及びrの設定値に応じて、例えば図5(a)、(b)、(c)及び図7(a)、(b)、(c)等のそれぞれに示される組合せ期間T1のタイミングで、それぞれ組合せ演算が行われるように、制御部10内に予めプログラミングされている。
ここで、シフト数nが3以上の場合には、rの値を変更することにより、各動作サイクル期間内における組合せ休止時刻の個数を変更し、1動作サイクル期間及び計量精度の調整を行うことができる。例えば、シフト数nが3のときに、m=2、r=1に設定されている図4(a)の場合と、m=2、r=2に設定されている図6(a)の場合とを比較すればわかるように、図4(a)の場合の方が1動作サイクル期間は短いが、図6(a)の場合の方が高い計量精度を実現できる。したがって、使用者の細かい要求に応じた1動作サイクル期間(所要時間)及び計量精度を実現することができ、使用者の利便を図ることができる。
また、上記のように変則nシフト動作を行う場合(第1の動作モード)には、rの値は正の整数であるが、この組合せ秤では、操作部11の操作によってrの値を0に設定できるように構成されている。rの値を0に設定した場合、組合せ休止時刻が無い通常のnシフト動作(第2の動作モード)が行われる(但し、mは複数)。この場合、1動作サイクル期間は、(T/n)×mに短縮されるが、計量精度の向上は図れない。したがって、高い計量精度が要求される場合には、第1の動作モードとし、1動作サイクル期間を短縮した高速動作が要求される場合には第2の動作モードにするというように、使用者の異なる要求に応じて動作モードを選択することが可能になり、使用者の細かい要求に応じた1動作サイクル期間(所要時間)及び計量精度を実現することができ、使用者の利便を図ることができる。
また、上記では、分割回数mが複数である場合について説明したが、例えば、操作部11の操作によってmの値を1に設定できるように構成されている。そして、mの値を1に設定することにより、rの値は0に固定される。この場合、通常のnシフト動作が行われる(但し、mは1)。また、この場合、制御部10は、前述の第1、第2の組合せ処理に代えて、組合せ許容範囲内にあり、かつ組合せ目標重量値との差の絶対値が最も小さい組合せ重量値及びその組合せ重量値となる計量ホッパ4の組合せを求める組合せ処理(組合せ演算)を行う。したがって、1回の組合せ演算で求められる組合せの計量ホッパ4から排出される被計量物が1袋分の被計量物として包装機にて袋詰めされる。
また、組合せ秤に備えられた計量ホッパ4の個数に関わらず、nの値を設定することが可能である(mが複数のときでも1のときでも可)。例えば、前述のトリプルシフト動作予定の構成において、nの値を2に設定して、変則ダブルシフト動作あるいは通常のダブルシフト動作を行わせることもできる。
さらに、以上ではnの値が複数の場合について説明したが、この組合せ秤では、操作部11の操作によってnの値を1に設定できるように構成されており、nの値を1に設定すれば、備えられた計量ホッパ4の個数に関わらず、シングルシフト動作を行わせることができる。
なお、本実施の形態では、複数の計量ホッパ4が円状に列設された構成を用いて説明したが、複数の計量ホッパ4の列設形状は円状に限られるものではない。例えば、複数の計量ホッパ4が直線状に列設された構成であってもよい。この場合、1列または複数列(例えば2列)で計量ホッパ4が直線状に列設され、計量ホッパ4の列設形状に合わせて、供給ホッパ3やリニアフィーダ2等を配置し、また、計量ホッパ4から排出される被計量物を集合させる集合シュート6も、計量ホッパ4の列設形状に合わせて、上部の開口部を例えば長方形にした構成にすればよい。さらに、この場合、集合シュート6に代えて、例えばベルトコンベア等のコンベアを、直線状に列設された計量ホッパ4の下方に配設し、計量ホッパ4からコンベア上へ被計量物を排出し、その排出された被計量物をコンベアに載せて一方向へ搬送し、そのコンベアの搬送終端部から被計量物を排出(落下)させ、包装機へ投入するように構成されてあってもよい。また、コンベアの搬送終端部の下方に、その搬送終端部から落下する被計量物を受け入れて一時保持する集合ホッパを設けてあってもよい。
前述の他の構成例のうち、直線状に列設された計量ホッパ4の下方にコンベアを配設し、コンベアの搬送終端部に集合ホッパを設けた組合せ秤の一例を図10に示す。図10(a)は、本発明の実施の形態の他の構成例の組合せ秤を上方から視た概略模式図であり、図10(b)は、同組合せ秤を正面方向から視た概略模式図であり、図10(c)は、同組合せ秤を側面方向から視た一部断面の概略模式図である。なお、図10(b)、(c)ではリニアフィーダ2の図示を省略している。
この組合せ秤は、複数の供給ホッパ3及び計量ホッパ4がそれぞれ直線状に列設され、それぞれ対応して配置された構成である。各計量ホッパ4には、計量ホッパ4内の被計量物の重量を計測するための重量センサ41(図10(c))が取り付けられている。各供給ホッパ3には、それぞれの上方に配置されたリニアフィーダ2から被計量物が供給される。それぞれのリニアフィーダ2には不図示の供給手段から被計量物が供給される。直線状に列設された計量ホッパ4の下方にベルトコンベア21が配設され、計量ホッパ4から排出される被計量物は矢印A方向へ搬送される。ベルトコンベア21の搬送終端部の下方には、ベルトコンベア21から排出される被計量物を一旦保持して排出するための集合ホッパ22が配設されている。この組合せ秤の集合ホッパ22の下方あるいは後段には、図1の場合と同様、例えば、包装機(図示せず)が配置されており、集合ホッパ22のゲートが開かれて集合ホッパ22から排出された被計量物は包装機へ供給される。なお、必要に応じて、ベルトコンベア21の両側に、被計量物が飛び出すのを防止するための飛出し防止板等を設けてあってもよい。
この図10の構成の場合、組合せ秤全体の動作を制御する制御部10(図1参照)では、集合ホッパ22のゲートの開閉制御及びベルトコンベア21の動作の制御も行う。ベルトコンベア21は図示されないモータによって駆動され、制御部10はこのモータの駆動回路を介してベルトコンベア21の動作を制御し、被計量物を矢印Aの方向に搬送させる。この構成においても、制御部10による組合せ処理は、図1の場合と同様の組合せ処理を行えばよい。この場合、m回の組合せ演算及び計量ホッパ4の排出動作により排出された全ての被計量物を集合ホッパ22に一旦貯留した後、例えば包装機からの排出許可信号が制御部10に入力されると、制御部10は集合ホッパ22のゲートを開閉させ、集合ホッパ22から包装機へ被計量物が供給される。
なお、集合ホッパ22を設けない場合には、ベルトコンベア21の搬送終端部の下方に、例えばファンネル(漏斗)を配設し、ファンネルを介して包装機へ被計量物が供給されるように構成してもよいし、ベルトコンベア21の搬送終端部から排出される被計量物が直接包装機へ供給されるように構成してもよい。また、計量ホッパ4が直線状に列設された構成において、ベルトコンベア21ではなく、上部の開口部が長方形の集合シュートを設ける場合にも、リニアフィーダ2、供給ホッパ3及び計量ホッパ4は、例えば図10に示されるように配置すればよい。
以上に述べた説明では、供給されている被計量物の重量値を組合せ演算に用いる組合せ用ホッパとして、計量ホッパ4のみを用いた例を示したが、このような組合せ用ホッパに限られるものではない。図11(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ他の例の組合せ用ホッパ等のホッパを模式的に示す図である。なお、集合シュート6に代えて、前述のコンベアを用いた場合も同様である。
例えば、図11(a)に示すように、各計量ホッパ4の斜め下方にメモリホッパ5を設けて組合せ演算の対象にしてもよい。この場合、計量ホッパ4は集合シュート6とメモリホッパ5へ選択的に被計量物を排出可能な構成である。メモリホッパ5は空になると計量ホッパ4から被計量物が投入される。制御部10による組合せ演算により複数の計量ホッパ4およびメモリホッパ5の中から排出すべきホッパの組合せが求められ、その組合せに該当するホッパから被計量物が集合シュート6上へ排出される。組合せ演算において用いられるメモリホッパ5内の被計量物の重量は、その上方の計量ホッパ4において計量されたときの重量が用いられる。
例えば、図1の構成において14個の計量ホッパ4を設けている場合とほぼ同等の性能を持たせる場合には、7個の計量ホッパ4と7個のメモリホッパ5を備えればよく、高価な重量センサ41が半分の個数で済む。
また、図11(b)に示すように、各メモリホッパ5を2つの収容室5a,5bを有するものとしてもよい。この場合、計量ホッパ4はメモリホッパ5の収容室5aと収容室5bへ選択的に被計量物を排出可能な構成であり、計量ホッパ4から集合シュート6上へは排出されない。メモリホッパ5の2つの収容室5a、5bはそれぞれ別々に被計量物を排出可能な構成である。組合せ演算は、例えば、各メモリホッパ5の収容室5a、5b内の被計量物の重量を用いて行われ、各収容室5a、5bを組合せ演算の対象にし、計量ホッパ4は組合せ演算の対象にはならない。各収容室5a、5b内の被計量物の重量は、その上方の計量ホッパ4において計量されたときの重量が用いられる。なお、各計量ホッパ4と、それと対応するメモリホッパ5のいずれかの収容室5a,5bとが同時に選択される組合せのみ有効として、計量ホッパ4を組合せ演算の対象にすることもできる。例えば、対応する計量ホッパ4とメモリホッパ5の収容室5aとが同時に選択された場合、計量ホッパ4の被計量物は収容室5aを通過して集合シュート6上へ排出される。
また、図11(c)に示すように、各計量ホッパ4を2つの計量室4a,4bを有するものとしてもよい。この場合、供給ホッパ3は計量ホッパ4の計量室4aと計量室4bへ選択的に被計量物を排出可能な構成であり、計量ホッパ4の2つの計量室4a、4bはそれぞれ別々に被計量物を排出可能な構成である。組合せ演算は、各計量ホッパ4の計量室4a、4b内の被計量物の重量を用いて行われ、各計量室4a、4bを組合せ演算の対象にする。2つの計量室4a,4bを有する各計量ホッパ4では、一方の計量室例えば計量室4aのみに被計量物が供給されているときに、計量室4a内の被計量物の重量は重量センサ41により計量される。さらに他方の計量室4bに被計量物が供給されると、2つの計量室4a,4b内の被計量物の合計重量が重量センサ41により計量される。制御部10(図1参照)では、この2つの計量室4a,4b内の被計量物の合計重量から計量室4a内の被計量物の重量を減算することで、計量室4b内の被計量物の重量を算出し、組合せ演算を行う。
また、図11(d)に示すように、各計量ホッパ4を2つの計量室4a,4bを有するものとし、さらに各計量ホッパ4の下方に、計量ホッパ4の計量室4a,4bと対応する2つの収容室5a,5bを有するメモリホッパ5を設けてもよい。この場合、供給ホッパ3は計量ホッパ4の計量室4aと計量室4bへ選択的に被計量物を排出可能な構成である。計量ホッパ4の計量室4aの被計量物はメモリホッパ5の収容室5aへ送出され、計量ホッパ4の計量室4bの被計量物はメモリホッパ5の収容室5bへ送出される。組合せ演算は、例えば、各メモリホッパ5の収容室5a,5b内の被計量物の重量を用いて行われ、各収容室5a,5bを組合せ演算の対象にし、計量ホッパ4は組合せ演算の対象にはならない。各収容室5a、5b内の被計量物の重量は、その上方の計量ホッパ4の各計量室4a,4bにおいて計量及び算出されたときの重量が用いられる。なお、各計量室4a,4bと、それと対応する収容室5a,5bとが同時に選択される組合せのみ有効として、計量ホッパ4の各計量室4a,4bを組合せ演算の対象にすることもできる。例えば、対応する計量室4aと収容室5aとが同時に選択された場合、計量室4aの被計量物は収容室5aを通過して集合シュート6上へ排出される。
上記以外にも、組合せ用ホッパ等のホッパ構成を種々変更してもよい。
なお、本実施の形態の組合せ秤では、分散フィーダ1、リニアフィーダ2および供給ホッパ3等を備えているが、これらの構成については限定されるものではなく、被計量物の種類(粉粒体、塊状物品)等に応じて他の構成でもよく、組合せ用ホッパへ被計量物を供給する手段が備えられていればよい。また、制御部10は、必ずしも単独の制御装置で構成される必要はなく、複数の制御装置が分散配置されていて、それらが協働して組合せ秤の動作を制御するよう構成されていてもよい。