JP2008039165A - 遊星歯車機構ならびに車両用変速機の前後進切り替え装置 - Google Patents

遊星歯車機構ならびに車両用変速機の前後進切り替え装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リングギア22を軸方向に位置決めするための位置決めプレート26およびスラストころ軸受27を有する遊星歯車機構20において、位置決めプレート26によるスラストころ軸受27の径方向位置決めを低コストな構成で実現する。
【解決手段】位置決めプレート26の内側面がキャリア25の径方向外向きフランジ25dにスラストころ軸受27を介して当接される。位置決めプレート26の内側面における円周数ヶ所に、スラストころ軸受27を径方向に位置決めするための凸部26dが設けられる。凸部26dは、位置決めプレート26の外側面側から内側面側へ押し出されることにより形成されるもので、押し出し時に凸部26dの内径側が分断されることによって内径側分断面26eと位置決めプレート26の内側面との交差部内隅が略直角とされる。
【選択図】図7

Description

本発明は、遊星歯車機構ならびにそれを用いた車両用変速機の前後進切り替え装置に関する。遊星歯車機構は、リングギアを軸方向に位置決めするための位置決めプレートおよびスラストころ軸受を有する構成である。
従来から、例えば車両用変速機やいろいろな動力伝達経路に遊星歯車機構が用いられている。この遊星歯車機構は、一般的に、主として、サンギア、リングギア、多数のピニオンギア、キャリアを備えた構成であり、サンギアとキャリアとの一方に回転動力を入力し、他方から出力させるようになっている。
この遊星歯車機構の各ギアの噛合部分をはす歯とする場合、リングギアの回転に伴いスラスト力が発生して、当該リングギアが軸方向にスライドすることがあるので、このリングギアの軸方向スライドを規制して位置決めするために、リングギアにリングギアフランジ(位置決めプレート)を一体的に取り付け、このリングギアフランジの内側面をキャリアの外側面にスラストころ軸受を介して当接させるようにし、また、リングギアフランジの外側面をそれと隣接する部材にスラストころ軸受を介して当接させるような構成にすることが考えられている(例えば特許文献1参照。)。
前記リングギアフランジは、その内側面における内径側領域をキャリアから遠ざかるように軸方向に後退させるようにすることにより、前記内側面の外径側領域と内径側領域とを段付き形状にしている。
このようなリングギアフランジの内側面における内径側領域にスラストころ軸受のレースの環状板部を当接させたうえで、スラストころ軸受のレースの外筒部をリングギアフランジの内側面における外径側領域と内径側領域との段壁面に嵌合させることによって、リングギアフランジでもってスラストころ軸受を径方向に位置決めさせるようにしている。
なお、前記リングギアフランジの内側面を段付き形状とするため、ならびにリングギアフランジの内側面における内径側領域と前記段壁面との交差部分の内隅を直角にするために、リングギアフランジの内側面を切削加工している。
特開平4−125344号公報(例えば第5図参照)
上記従来例において、リングギアフランジの内側面を段付き形状とするために、切削加工により形成するようにしているために、リングギアフランジの製造コストが高くなることが指摘される。ここに改良の余地がある。
ここで、仮に、上記特許文献1の第5図に示すリングギアフランジをプレス製とする場合について考察する。例えば図12および図13に示すように、リングギアフランジ80をプレス加工によって前述したような段付き形状とする場合、リングギアフランジ80の内側面における内径側領域81と段壁面82との交差部内隅に丸みが付いてしまい。この丸みの曲率R1が、スラストころ軸受90のレース91の外筒部92と環状板部93との連接角部の外側丸みの曲率R2より大きいと、このレース91の環状板部93をリングギアフランジ80の内側面における内径側領域81に当接させることができなくなる。
そこで、前記曲率R1をR2より小さくするには、内径側領域81と段壁面82との交差部内隅の丸みの曲率R1を可及的に小さくするか、あるいはレース91の外筒部92と環状板部93との連接角部の外側丸みの曲率R2を可及的に大きくするかによって対処する必要があり、そのような相対的な寸法管理が必要となるので、面倒であることが指摘される。
ところで、遊星歯車機構において、リングギアフランジの内径側に内筒部をプレス加工等で屈曲形成し、この内筒部の外径側にスラストころ軸受を外装した構造が、特開20006−83985号公報に開示されている。この例でも、上述した図12に示す例と同様、プレス加工特有の不具合を有している他、リングギアフランジの内筒部をプレス加工によって屈曲形成しているものの、そのプレス工程がリングギアフランジ全体を整形するときのプレス工程と別工程にする必要があるために、リングギアフランジの製造コストが高くつくことが指摘される。
本発明は、リングギアを軸方向に位置決めするための位置決めプレートおよびスラストころ軸受を有する遊星歯車機構において、位置決めプレートによるスラストころ軸受の径方向位置決めを低コストな構成で実現することを目的としている。
本発明は、サンギアとリングギアとの間に複数のピニオンギアを介装し、各ピニオンギアをキャリアで回転自在に支持する構成の遊星歯車機構であって、前記リングギアの一側面側に、当該リングギアを軸方向に位置決めするための位置決めプレートが付設され、この位置決めプレートの内側面が、前記キャリアの適宜部位にスラストころ軸受を介して当接されており、前記位置決めプレートの内側面における円周数ヶ所に、前記スラストころ軸受を径方向に位置決めするための凸部が設けられており、この凸部が、前記位置決めプレートの外側面側から内側面側へ押し出されることにより形成されるもので、前記押し出し時に当該凸部の内径側が分断されることによって当該内径側分断面と前記位置決めプレートの内側面との交差部内隅が略直角とされていることを特徴としている。
この構成では、要するに、位置決めプレートの円周数ヶ所にプレス加工にて押し出し形成される凸部でもってスラストころ軸受を径方向に位置決めする形態にしたうえで、前記凸部における内径側分断面(スラストころ軸受の受け面)の内隅を略直角にしている。
このようにプレス加工でありながら前記内隅を略直角にしているから、従来例のように切削加工を行わずに済む等、位置決めプレートの製造効率が向上して製造コストの低減を図るうえで有利となる。しかも、前記内隅が略直角であるから、スラストころ軸受に備えるレースの外筒部と環状板部との連接角部の外側丸みの曲率を従来例のように大きくする必要がなくなる。これにより、スラストころ軸受と位置決めプレートとを設計するうえで相対的に関連付ける必要がなくなって、それぞれ独自で設計することが可能になる点で有利となる。
好ましくは、前記位置決めプレートは、その内側面における少なくとも内径側領域を前記キャリアから離れる側へ後退させるような段付き形状に屈曲形成されるものであり、前記各凸部は、前記位置決めプレートの内側面において前記内径側領域の外径側段壁面側から内周縁の手前までの所定範囲に設けられるとともに、その押し出し寸法が前記位置決めプレートの板厚以上とされる。
この構成によれば、位置決めプレートを段付き形状にプレス加工するときに凸部を同時に形成することが可能になるから、余分な工程を増やさずに済む他、使用するプレス金型に凸部の形成に必要な凹凸を設けるだけでよい等、位置決めプレートの製造コストの上昇を抑制するうえで有利となる。
また、上述したように凸部の設置範囲を特定したうえで当該凸部を形成するときの押し出し寸法を位置決めプレートの板厚以上とすれば、凸部の内径側のみを容易に分断することが可能になる。しかも、凸部の外径側を位置決めプレートから分断させないようにしていれば、凸部の変形に対する強度が向上するとともに位置決めプレートの剛性低下が抑制または防止されるようになる。
好ましくは、前記キャリアは、軸方向一端に径方向外向きのフランジを有する中心軸部と、中心軸部の径方向外向きフランジの円周数ヶ所に植設される複数の遊星軸とを少なくとも有し、前記径方向外向きフランジの外側面に前記スラストころ軸受が当接され、前記キャリアの中心軸部に一体回転可能に連結されるとともに軸方向不動に位置決めされる回転部材に前記位置決めプレートの外側面が当接される。
この構成では、位置決めプレートによってリングギアの軸方向位置決めを行う形態を明確にしている。
また、本発明は、必要に応じて内燃機関から入力される回転動力を、同一回転方向のまま出力する車両前進状態または逆回転方向に反転して出力する車両後進状態にする車両用変速機の前後進切り替え装置であって、上述した遊星歯車機構と、前記遊星歯車機構のキャリアをサンギアに対し相対回転可能とするフリー状態または一体回転可能とするロック状態に切り替える前進用の多板式摩擦係合装置と、前記遊星歯車機構のリングギアを回転可能とするフリー状態または回転不可能とするロック状態に切り替える後進用の多板式摩擦係合装置とを備え、前記遊星歯車機構において、サンギアが前記内燃機関からの回転動力の入力軸とされ、キャリアの中心軸部が出力軸とされることを特徴としている。
この構成では、上述したような遊星歯車機構の使用対象を車両用変速機に備える前後進切り替え装置に特定している。
本発明によれば、位置決めプレートによるスラストころ軸受の径方向位置決めを低コストな構成で実現することが可能になる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1から図11に本発明の一実施形態を示している。この実施形態では、本発明に係る遊星歯車機構の使用対象として自動変速タイプの車両用変速機に備える前後進切り替え装置を例に挙げている。
図1に示すように、車両用変速機1は、内燃機関(図示省略)から流体継手(トルクコンバータ)2を経て入力された回転動力(トルク)を、前後進切り替え装置3、無段変速機構4ならびにデファレンシャル5を経由して車輪(図示省略)に伝達するように構成されている。
流体継手2、前後進切り替え装置3、無段変速機構4、デファレンシャル5は、分割式の変速機ケース6に収納されている。
なお、流体継手2やデファレンシャル5は、基本的に公知の構成であって本発明に直接的に関係しないものであるから、ここでの詳細な説明は割愛する。
無段変速機構4は、基本的に公知の構成であるが、プライマリプーリ4Aとセカンダリプーリ4Bとにベルト4Cを巻き掛け、この各プーリ4A,4Bに対するベルト4Cの巻き掛け径を増減変更することにより変速するような構成になっている。この無段変速機構4は、ベルト式のいわゆる「CVT」と呼ばれるものであるが、それ以外にも、例えばトロイダル式の無段変速機構とすることが可能である。
前後進切り替え装置3は、図示していない内燃機関から流体継手2を経て入力された回転動力(トルク)を、必要に応じて、同一回転方向のまま出力する車両前進状態(図2および図3参照)または逆回転方向に反転して出力する車両後進状態(図4および図5参照)にするものである。
この前後進切り替え装置3は、主として、遊星歯車機構20と、フォワードクラッチ30と、リバースブレーキ40とを備えており、それぞれ以下のような構成になっている。
遊星歯車機構20は、この実施形態においてダブルピニオン型の遊星歯車機構とされており、主として、入力軸となるサンギア21と、リングギア22と、遊星ギアとしての多数の内径側ピニオンギア23および多数の外径側ピニオンギア24と、出力軸となるキャリア25とを備えている。
サンギア21は、インプットシャフト7の一端側に一体に形成されている。リングギア22は、サンギア21にそれと同心状に外装配置されている。内径側ピニオンギア23は、サンギア21とリングギア22との対向環状空間にサンギア21および外径側ピニオンギア24にそれぞれに噛合する状態で配置されている。外径側ピニオンギア24は、サンギア21とリングギア22との対向環状空間に内径側ピニオンギア23およびリングギア22にそれぞれ噛合する状態で配置されている。
キャリア25は、両ピニオンギア23,24を回転自在に支持するもので、軸方向一端に径方向外向きのフランジ25dを有する中空形状の中心軸部25aと、中心軸部25aの径方向外向きフランジ25dの円周数ヶ所に片持ち支持状態で植設される複数の遊星軸25bと、この各遊星軸25bの自由端側に取り付けられて径方向外向きフランジ25dと軸方向に平行に対向配置される環状板25cとを含む構成である。
このキャリア25の中心軸部25aは、無段変速機構4のプライマリプーリ4Aの固定シーブ4A1の円筒形ボス部内にスプライン嵌合されていて、キャリア25と固定シーブ4A1とが一体回転可能に連結されている。
また、フォワードクラッチ30およびリバースブレーキ40は、例えば多数の内径側摩擦板31,41と外径側摩擦板32,42とを軸方向交互に配置し、油圧式のアクチュエータ33,43により両摩擦板を係合状態または非係合状態に制御する構成の湿式多板式摩擦係合装置とされている。油圧式のアクチュエータ33,43は、図示していないが、車両に搭載される制御装置(ECU)で制御される。
フォワードクラッチ30においては、内径側摩擦板31がキャリア25の環状板25cの外径側スプライン25eにスプライン嵌合されており、また、外径側摩擦板32がサンギア21に一体的に取り付けられるアクチュエータ33のシリンダ部材33aの内径側にスプライン嵌合されている。
このフォワードクラッチ30の動作としては、アクチュエータ33でもって、内径側摩擦板31と外径側摩擦板32とを非係合状態にすると、キャリア25をサンギア21に対し相対回転可能とするフリー状態にすることができる一方、内径側摩擦板31と外径側摩擦板32とを係合状態にすると、キャリア25をサンギア21に対し一体回転可能とするロック状態にすることができる。
リバースブレーキ40においては、内径側摩擦板41がリングギア22の外径側スプライン22aにスプライン嵌合されており、また、外径側摩擦板42が変速機ケース6に一体的に取り付けられている。
このリバースブレーキ40の動作としては、アクチュエータ43でもって内径側摩擦板41と外径側摩擦板42とを非係合状態にすると、リングギア22を回転可能なフリー状態にすることができる一方、内径側摩擦板41と外径側摩擦板42とを係合状態にすると、リングギア22を回転不可能なロック状態にすることができる。
ところで、上述した車両用変速機1では、その内部に設置されるオイルポンプ(図示省略)から供給されるオイルを、遊星歯車機構20のサンギア21に設けてある油供給路21aに供給し、この油供給路21aに供給されるオイルが、サンギア21自身の回転に伴う遠心力によって、各吐出口21bから径方向外向きに吐出されることになって、このオイルが、例えばサンギア21とインプットシャフト7との間に介装されるスラストころ軸受11やサンギア21とキャリア25の径方向外向きフランジ25bとの間に介装されるスラストころ軸受12に供給される他、各ピニオンギア23,24側ならびにフォワードクラッチ30側等に供給されることになる。
そして、サンギア21の油供給路21aにおける最下流側の吐出口21bから吐出されたオイルは、例えば図7の太線矢印で示すように、前述したスラストころ軸受12側のみでなく、サンギア21とキャリア25の中心軸部25aとの径方向対向隙間から無段変速機構4のプライマリプーリ4Aの固定シーブ4A1側に向かって移動して、固定シーブ4A1とキャリア25の中心軸部25aとのスプライン嵌合部分を通過するとともに、キャリア25の径方向外向きフランジ25bと位置決めプレート26との間に介装されるスラストころ軸受27を通過することになり、さらに、キャリア25の径方向外向きフランジ25bと位置決めプレート26との対向隙間ならびにリングギア22の通路22bを経て、リバースブレーキ40の内径側摩擦板41や外径側摩擦板42が存在する部位へ導かれることになる。
なお、サンギア21の油供給路21aは、サイドギア21における動力伝達方向下流側の後端面から上流側へ向かう軸方向途中までの領域に中心軸線に沿って設けられる軸孔とされている。この油供給路21aの長手方向複数位置の円周数ヶ所には、径方向外向きにオイルを吐出するための吐出口21b・・・が設けられている。
また、リングギア22の通路22bは、リングギア22の円周数ヶ所に設けられているが、各通路22bは、リングギア22の一側面から外周面へ向けて貫通する斜め孔とされている。この通路22bにおける外周面側開口は、図8に示すように、リングギア22の外径側スプライン22aにおける円周数ヶ所のスプライン歯の無い欠歯部分22dに配置されており、さらに、各通路22bにおける側面側開口は、図7に示すように、外径側環状隙間51に開放されている。但し、リングギア22の外径側スプライン22aの欠歯部分22dは、リングギア22の重量バランスを考慮して、円周等間隔に設けており、通路22bをすべての欠歯部分22dに設けずに必要位置にのみ設けるようにしている。
次に、上述した前後進切り替え装置3の基本的な動作を説明する。
車両用変速機1のシフトポジションとしては、例えば、パーキングポジション、リバースポジション、ニュートラルポジション、ドライブポジションなどがある。
まず、車両用変速機1のシフトがドライブポジションの場合、図2に示すように、前後進切り替え装置3のフォワードクラッチ30を係合状態にさせることにより遊星歯車機構20のキャリア25をインプットシャフト7およびサンギア21と一体回転可能なロック状態にする一方で、リバースブレーキ40を非係合状態とすることにより遊星歯車機構20のリングギア22を回転可能なフリー状態とする。
このような状態において図示していない内燃機関の回転動力により、図3に示すように、インプットシャフト7およびそれと一体のサンギア21が実線矢印方向に回転すると、それらとキャリア25およびリングギア22とが一体的に回転し、このキャリア25とスプライン嵌合している無段変速機構4のプライマリプーリ4Aの固定シーブ4A1がインプットシャフト7の回転方向と同じ回転方向に回転する。このとき、内径側ピニオンギア23および外径側ピニオンギア24とキャリア25とサンギア21とリングギア22とがすべて連結した状態で一体的に回転することになる。これにより、無段変速機構4からデファレンシャル5を経由して図示していない車輪に前進駆動力が伝達される。
一方、車両用変速機1のシフトがリバースポジションの場合、図4に示すように、前後進切り替え装置3のフォワードクラッチ30を非係合状態とすることにより遊星歯車機構20のキャリア25をサンギア21に対し相対回転可能なフリー状態にする一方で、リバースブレーキ40を係合状態とすることにより遊星歯車機構20のリングギア22を回転不可能なロック状態とする。
このような状態において図示していない内燃機関の回転動力により、図5に示すように、インプットシャフト7およびそれと一体のサンギア21が実線矢印方向に回転すると、この内径側ピニオンギア23および外径側ピニオンギア24が自転するとともにサンギア21の外周およびリングギア22の内周を転動(公転)することになり、このピニオンギア23,24の公転方向とキャリア25が同一方向に回転する。このキャリア25の回転方向は、インプットシャフト7の回転方向と逆回転方向である。
このようにしてインプットシャフト7の回転方向に対し反転するキャリア25は無段変速機構4のプライマリプーリ4Aの固定シーブ4A1とスプライン嵌合により一体的に連結されているので、このプライマリプーリ4Aもインプットシャフト7の回転方向と逆回転方向に回転する。これにより、無段変速機構4からデファレンシャル5を経由して図示していない車輪に後進駆動力が伝達される。
ところで、上述した遊星歯車機構20では、その各ギア21〜24の噛合部分がはす歯とされている関係より、リングギア22の回転に伴い発生するスラスト力でもってリングギア22が軸方向にスライドすることがある。
このようなリングギア22の軸方向スライドを規制して位置決めするために、リングギア22の一側に、その内孔を覆い隠すような位置決めプレート26を一体的に取り付けて、この位置決めプレート26の外側面の内径側を無段変速機構4のプライマリプーリ4Aにおける固定シーブ4A1の円筒形ボス部の端面にすべり軸受等のメタル28を介して当接させるとともに、この位置決めプレート26の内側面の内径側をキャリア25の径方向外向きフランジ25dの外側面に、スラストころ軸受27を介して当接させるような構成を採用している。
ここで、本発明の特徴を適用した部分について詳細に説明する。
要するに、前後進切り替え装置3の遊星歯車機構20のリングギア22を軸方向に位置決めするための位置決めプレート26でもって、スラストころ軸受27を径方向に位置決めする構造を工夫している。
具体的に、位置決めプレート26は、例えば金属板をプレス加工して製作される環状板であるが、図8に示すように、軸方向に三段階に段付きとされた形状になっている。
この位置決めプレート26は、その外周縁がリングギア22の一側面外周側に設けられてある鍔部22cの内周に嵌合された状態で、当該嵌合部分の円周数ヶ所を潰すように加締めることによって、リングギア22に一体的に取り付けられている。
このような位置決めプレート26をリングギア22に取り付けた状態では、図6および図7に示すように、位置決めプレート26の外径側領域26aが、リングギア22の一側面に適宜の外径側環状隙間51を確保するように軸方向非接触に対向され、また、位置決めプレート26の径方向中間領域26bが、キャリア25の径方向外向きフランジ25dの外側面に適宜の中間環状隙間52を介して軸方向で対向され、位置決めプレート26の内径側領域26cがキャリア25の径方向外向きフランジ25dの外側面に適宜の内径側環状隙間53を介して軸方向で対向されている。
この位置決めプレート26の内径側領域26cとキャリア25の径方向外向きフランジ25dとの間の内径側環状隙間53に、スラストころ軸受27が介装されている。
このスラストころ軸受27は、例えば図10に示すように、アウターレース27aと、インナーレース27bと、複数のころ27cと、保持器27dとを含む構成であり、一般的に公知の構成である。
これら三つの環状隙間51〜53がサンギア21の油供給路21aからリバースブレーキ40側にオイルを供給させる給油路50を構成しており、このオイルがスラストころ軸受27の内部を内径側から外径側へ向けて通過されるようになっている。
そして、このスラストころ軸受27は、位置決めプレート26の内径側領域26cの円周数ヶ所に設けられている凸部26dによって、径方向に位置決めされるようになっている。
この凸部26dは、位置決めプレート26の外側面側から内側面側へ押し出すことにより形成されるもので、この押し出し時に凸部26dの内径側が分断されることによって、図11に示すように、当該内径側分断面26eと位置決めプレート26の内側面との交差部内隅の角度θが略直角とされている。
この実施形態の凸部26dは、図8および図9に示すように、位置決めプレート26の内側面の内径側領域26cにおいて中間領域26bとの境の段壁面側から位置決めプレート26の内周縁の手前までの所定範囲に設けられるとともに、図10に示すように、その押し出し寸法W1は位置決めプレート26の板厚W2以上とされる。
そして、凸部26dは、位置決めプレート26をプレス加工により段付き形状に整形する際に、それと同時に形成されるようになっている。このようなプレス加工を行うには、図示していないが、例えば使用するプレス金型に凸部26dの形成に必要な凹凸を設けることで対処できる。
また、プレス加工時の押し出し寸法W1を位置決めプレート26の板厚W2以上とすれば、押し出される部分が位置決めプレート26の本体から比較的容易に分断されるようになるのである。
但し、この実施形態では、凸部26dの形成範囲を上述したように特定して凸部26dの外径側を中間領域26bに配置させているから、凸部26dの外径側は分断されることがなく、凸部26dの内径側のみが分断されるようになる。
しかも、凸部26dの内径側分断面26eは、押し出し方向先端側が破断面になっていて、それより押し出し方向後端側がせん断面になる。そのため、内径側分断面26eは、位置決めプレート26の内側面に対し比較的精度よく直交する状態になる。
以上説明したように、本発明を適用した実施形態では、位置決めプレート26の円周数ヶ所にプレス加工にて押し出し形成される凸部26dでもってスラストころ軸受27を径方向に位置決めする形態にしたうえで、凸部26dにおける内径側分断面26e(スラストころ軸受27の受け面)の内隅を略直角にしている。これにより、次のような作用、効果が得られる。
まず、プレス加工でありながら前記内隅を略直角にしているから、従来例のように切削加工を行わずに済む等、位置決めプレート26の製造効率が向上して製造コストの低減を図るうえで有利となる。しかも、前記内隅が略直角であるから、スラストころ軸受27に備えるアウターレース27aの外筒部27a1と環状板部27a2との連接角部の外側丸みの曲率R2を従来例のように可及的に大きく設計する必要がなくなる。
そして、位置決めプレート26をプレス加工により段付き形状に整形する際に、それと同時に凸部26dを形成しているから、余分な工程を増やさずに済む他、使用するプレス金型に凸部26dの形成に必要な凹凸を設けるだけでよい等、位置決めプレート26の製造コストの上昇を抑制するうえで有利となる。
また、上述したように凸部26dの設置範囲を特定したうえで凸部26dを形成するときの押し出し寸法W1を位置決めプレート26の板厚W2以上としているから、凸部26dの内径側のみを容易に分断することが可能になる。しかも、凸部26dの外径側を位置決めプレート26から分断させないようにしているから、凸部26dの変形に対する強度が向上するとともに位置決めプレート26の剛性低下が抑制または防止されるようになる。
以上のことから、上述した実施形態での遊星歯車機構20において、位置決めプレート26によるスラストころ軸受27の径方向位置決めを、従来例に比べて低コストな構成で実現することが可能になる。
以下、本発明の他の実施形態を説明する。
(1)上記実施形態では、本発明に係る遊星歯車機構20の使用対象として車両用変速機1の前後進切り替え装置3を例に挙げているが、その使用対象は特に限定されない。
(2)上記実施形態では、本発明に係る遊星歯車機構20としてダブルピニオン型を例に挙げているが、シングルピニオン型や、ラビニオ型等、その構成は特に限定されない。
本発明に係る遊星歯車機構の適用対象となる車両用変速機の一実施形態を示す概念図である。 図1の前後進切り替え装置の縦断面を側面から見た模式図で、車両前進時における前後進切り替え装置の動作説明に用いる図である。 図1の前後進切り替え装置を回転動力の入力側正面から見た模式図で、車両前進時における前後進切り替え装置の動作説明に用いる図である。 図1の前後進切り替え装置の縦断面を側面から見た模式図で、車両後進時における前後進切り替え装置の動作説明に用いる図である。 図1の前後進切り替え装置を回転動力の入力側正面から見た模式図で、車両後進時における前後進切り替え装置の動作説明に用いる図である。 図1の前後進切り替え装置を詳細に示す縦断側面図である。 図6の一部を拡大した図である。 図6のリングギアおよび位置決めプレートを分離して示す斜視図である。 図8の位置決めプレートの凸部を拡大して示す図である。 図7のさらに一部を拡大した図である。 図10の位置決めプレートの凸部とスラストころ軸受のレースとを分離した状態を示す図である。 従来例に係るプレス製のリングギアフランジのスラストころ軸受位置決め構造を示す断面図である。 図12のリングギアフランジとスラストころ軸受のレースとを分離した状態を示す図である。
符号の説明
1 車両用変速機
3 前後進切り替え装置
20 前後進切り替え装置の遊星歯車機構
21 遊星歯車機構のサンギア
22 遊星歯車機構のリングギア
22c リングギアの鍔部
23 遊星歯車機構の内径側ピニオンギア
24 遊星歯車機構の外径側ピニオンギア
25 遊星歯車機構のキャリア
25a キャリアの中心軸部
25d キャリアの径方向外向きフランジ
26 位置決めプレート
26b 位置決めプレートの中間領域
26c 位置決めプレートの内径側領域
26d 位置決めプレートの凸部
26e 凸部の内径側分断面
27 スラストころ軸受
27a アウターレース
27a1 アウターレースの外筒部
27a2 アウターレースの環状板部

Claims (4)

  1. サンギアとリングギアとの間に複数のピニオンギアを介装し、各ピニオンギアをキャリアで回転自在に支持する構成の遊星歯車機構であって、
    前記リングギアの一側面側に、当該リングギアを軸方向に位置決めするための位置決めプレートが付設され、この位置決めプレートの内側面が、前記キャリアの適宜部位にスラストころ軸受を介して当接されており、
    前記位置決めプレートの内側面における円周数ヶ所に、前記スラストころ軸受を径方向に位置決めするための凸部が設けられており、
    この凸部が、前記位置決めプレートの外側面側から内側面側へ押し出されることにより形成されるもので、前記押し出し時に当該凸部の内径側が分断されることによって当該内径側分断面と前記位置決めプレートの内側面との交差部内隅が略直角とされていることを特徴とする遊星歯車機構。
  2. 請求項1に記載の遊星歯車機構において、前記位置決めプレートは、その内側面における少なくとも内径側領域を前記キャリアから離れる側へ後退させるような段付き形状に屈曲形成されるものであり、
    前記各凸部は、前記位置決めプレートの内側面において前記内径側領域の外径側段壁面側から内周縁の手前までの所定範囲に設けられるとともに、その押し出し寸法が前記位置決めプレートの板厚以上とされることを特徴とする遊星歯車機構。
  3. 請求項1または2に記載の遊星歯車機構において、前記キャリアは、軸方向一端に径方向外向きのフランジを有する中心軸部と、中心軸部の径方向外向きフランジの円周数ヶ所に植設される複数の遊星軸とを少なくとも有し、
    前記径方向外向きフランジの外側面に前記スラストころ軸受が当接され、前記キャリアの中心軸部に一体回転可能に連結されるとともに軸方向不動に位置決めされる回転部材に前記位置決めプレートの外側面が当接されることを特徴とする遊星歯車機構。
  4. 必要に応じて内燃機関から入力される回転動力を、同一回転方向のまま出力する車両前進状態または逆回転方向に反転して出力する車両後進状態にする車両用変速機の前後進切り替え装置であって、
    請求項1から3のいずれかに記載の遊星歯車機構と、前記遊星歯車機構のキャリアをサンギアに対し相対回転可能とするフリー状態または一体回転可能とするロック状態に切り替える前進用の多板式摩擦係合装置と、前記遊星歯車機構のリングギアを回転可能とするフリー状態または回転不可能とするロック状態に切り替える後進用の多板式摩擦係合装置とを備え、
    前記遊星歯車機構において、サンギアが前記内燃機関からの回転動力の入力軸とされ、キャリアの中心軸部が出力軸とされることを特徴とする車両用変速機の前後進切り替え装置。
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Citations (3)

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