JP2008038973A - 耐摩耗性vプーリー - Google Patents

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剛巳 福田
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Abstract

【課題】 本発明は、Vベルトの張力の低下を防止し、VベルトとVプーリーとの接触部でのすべりの発生を防止し、より安価な製造によって、長期間の使用が可能となるVベルトを用いた伝動装置を提供する。
【解決手段】 ゴム製VプーリーのVベルト接触面に耐摩耗性のコーティング材料を溶射し、被膜を形成し、かつ溶射によって形成される被膜表面に凹凸を持たせ、摩擦係数を高めたことを特徴とする耐摩耗性Vプーリー。また、上記Vベルト接触面に形成した溶射被膜を100〜200μmとすること、硬度Hv1100〜1200とする耐摩耗性Vプーリー。
【選択図】 図1

Description

本発明は、Vベルトを用いた伝動装置に関するものである。
従来、ゴム製VベルトとVプーリーとの間の摩擦力により動力の伝動が行われる装置は、例えば鋼材の表面疵を除去するグラインダーの砥石の回転を伝える伝動装置として用いられている。これら伝動が行われる装置はVベルトとVプーリーとの接触部ですべりが発生するため、Vプーリー側が摩耗しVベルトの張力が低下し、伝動する動力が不足する。また、すべりによる発熱によりゴム製のVベルトが焼損する等の問題がある。
これらのVプーリーの耐摩耗性を向上させる方法として、VプーリーのVベルト接触面に高周波焼入れを行い硬度を上げる方法があるが、その硬度はHv458〜513(Hs62〜67)であり、その効果は十分でなかった。そのために、例えば鋼材の表面疵を除去するグラインダーの砥石では、2ケ月毎にVベルトおよびVプーリーを取替えなければならなかった。
一方、自動車等の無段変速機などに使用されるVベルトを用いた伝動装置として、例えば特開昭62−37536号公報(特許文献1)に開示されているように、無端帯状の積層バンドと、このバンドの長さ方向に多数個重ねて設けられるブロックとによりVベルトを構成し、このVベルトを一対のプーリ間に張り渡すとともに、このVベルトの両側部に形成される傾斜面とプーリの溝の傾斜面との間の摩擦により動力の伝達を行なう伝動装置において、上記ブロックの傾斜面およびプーリの傾斜面に、耐摩耗性があり、かつ摩擦係数を高めるためのコーティング材料を溶射したVベルトを用いた伝動装置が提案されている。
特開昭62−37536号公報
上述した特許文献1においては、VベルトおよびVプーリーの両方に溶射されており、しかも、ブロック本体は、金属、FRP、セラミック、サーメットなどからなり、ゴム製からなるものではない。上記構成の伝動装置は、従来のものと同様にVベルトとプーリーとの間の摩擦により動力の伝達が行われるが、確かにプーリーとベルトの接触面に耐摩耗性のコーティング材料が溶射されているため粗面となり摩擦係数が高められる。
従って、従来のVベルトに比較して、所望のトルクを伝えるのに必要なベルトの張力を下げることが可能となる。しかしながら、ブロック本体が、金属、FRP、セラミック、サーメットなどからなるために、弾力性に乏しく、一旦、所望のトルクを伝えるのに必要なベルトの張力が下がると、VベルトとVプーリーとの接触部とのすべりが発生し、長期間の使用が不可能となるし、VベルトおよびVプーリーの両方に溶射されているので、その溶射によるコスト高となるという問題がある。
上述したような問題を解消するために、発明者らは鋭意開発を進めた結果、本発明は、Vベルトの張力の低下を防止し、VベルトとVプーリーとの接触部でのすべりの発生を防止し、より安価な製造によって、長期間の使用が可能となるVベルトを用いた伝動装置を提供するものである。
その発明の要旨とするところは、
(1)ゴム製VプーリーのVベルト接触面に耐摩耗性のコーティング材料を溶射し、被膜を形成し、かつ溶射によって形成される被膜表面に凹凸を持たせ、摩擦係数を高めたことを特徴とする耐摩耗性Vプーリー。
(2)前記(1)記載のVベルト接触面に形成した溶射被膜を100〜200μmとすることを特徴とする耐摩耗性Vプーリー。
(3)前記(1)または(2)記載のVベルト接触面に溶射被膜を形成させることにより、硬度Hv1100〜1200とすることを特徴とする耐摩耗性Vプーリーにある。
以上述べたように、本発明による耐摩耗性Vプーリーにより、Vベルトの張力の低下を防止し、かつVベルトとVプーリーとの接触部でのすべりの発生を防止し、より安価に製造することが可能となり、しかも、長期間の使用が可能となる極めて優れた効果を奏するものである。
以下、本発明について図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係るゴム製Vプーリーを用いた砥石の回転を伝える伝動装置の概略図である。この図1(a)は概略正面断面図であり、図1(b)は概略上面断面図である。この図に示すように、Vベルト1は軸間距離の固定された一対のゴム製Vプーリー2、3間に張り渡され、エンドプレート6を介して動力の伝達が行われる。一方のVプーリー2は、互いに軸方向に対向する一対の円錐板からなり、また他方のVプーリー3も互いに軸方向に対向する一対の円錐板からなる。各円錐板を油圧制御などによって回転軸4、5の軸方向に相対移動させて、円錐板間の距離を変えることにより、Vプーリー2、3の半径方向に変化させる。こうして回転比、すなわち、変速比を無段階的に変化させるとともに、Vベルト1を弛みなく張り渡すようにしている。
Vベルト1は所定の張力でVプーリー2、3との接触面の摩擦により荷重の伝達が行われている。従って、Vベルト1はVプーリー2、3との間の摩擦係数が低いと滑り易くなるため、所望のトルクを伝達させるためには、より大きな張力でVベルト1を張り渡す必要がある。一方、Vベルト1の張力が高くなれば接触面の面圧が高くなる。この場合に、本発明ではゴム製Vプーリー2、3を採用することにより、弾力性を持ち易い条件下にあるから、張力を高めることにより面圧が大きくなっても弾力的に作用する。なお、符号7は砥石であり、8はカバーであり、9はモーターベースであり、10はVベルトカバーであり、11はモーターを示す。
図2は、本発明に係るVプーリーに耐摩耗性のコーティング材料を溶射した状態を示す概略図である。図2(a)はVプーリーの断面図であり、図2(b)はVプーリーのV部に耐摩耗性のコーティング材料を溶射した状態を示す。この図に示すように、ゴム製Vプーリー2、3のV部12に耐摩耗性のコーティング材料13を溶射したものである。この耐摩耗性のコーティング材料としては、例えばタングステンとカーバイトの混合物、コバルトとタングステンとカーバイトの混合物等からなり、このコーティング材料13を溶射し、被膜を形成する。
溶射によって形成された被膜の表面は適度な凹凸を持つため、摩擦係数を高めることができる。この摩擦係数としては、0.4の高い値を示す。一方、この溶射によって形成された被膜は耐摩耗性を有するため、コーティング材料自体がもつ大きな摩擦係数に加えて、溶射によって表面に微細な凹凸が形成されることから、プーリーの母材に比べて摩擦係数を高めることができる。また、耐摩耗性も向上する。すなわち、これにより、従来のVベルトと比較して、所望のトルクを伝えるのに必要なベルトの張力を下げることが可能となる。そして、張力が下がる結果、VベルトとVプーリーとの間の面圧も下がる。
本発明において、Vベルト接触面にコーティング材料を形成した、その溶射被膜を100〜200μmとする。溶射被膜が100μm未満では耐摩耗性の効果が十分でなく、また200μmを超えるとその効果は飽和することから、その範囲を100〜200μmとした。好ましくは100〜150μmとする。
また、Vベルト接触面に溶射被膜を形成させることにより、その硬度Hv1100〜1200とする。Hv1100未満では、耐摩耗性の効果が十分でなく、また、1200を超えると耐摩耗性は高くなるものの、ゴム製のVベルトとのなじみ性が悪くなることから、その範囲を1100〜1200とした。
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
図1に示すように、一対のVプーリー2、3間に張り渡された鋼材の表面疵を除去するグラインダーの砥石の回転を伝える伝動装置であって、Vプーリー2、3がモーター等によって回転するとVベルト1がVプーリー2、3と共に一体的に走行し、動力の伝達が行われる。このVプーリーのVベルト接触面にタングステンカーバイト(WC)とニッケルの混合物を溶射し、表1に示すような膜厚での被膜を形成させたときの溶射皮膜の硬度および表面状態並びにそのときの寿命を示す。
Figure 2008038973
この表1に示す、No.1〜6は本発明例であり、No.7〜12は比較例である。比較例No.7、8はいずれも表面状態として凹凸がないために、寿命が3ケ月以下と短い。また、No.9は溶射皮膜の厚さが薄いために、寿命が3ケ月以下と短い。また、No.10は溶射皮膜の厚さが逆に厚過ぎるために、寿命が3ケ月以下と短い。また、No.11は溶射皮膜の硬度が低いために、表面状態として凹凸が有るにもかかわらず、寿命が3ケ月以下と短い。さらに、No.12は溶射皮膜の硬度が硬すぎて表面状態として凹凸が有るにもかかわらず、No.11と同様に短いことが分かる。
これに対し、本発明例であるNo.1〜6はいずれも本発明の条件を満たしていることから、使用寿命が1年間以上延長することができた。このことは、表面に微細な凹凸を形成させて摩擦係数が高められ滑りにくくなっているのでVベルトの張力は従来品に比べて小さくてすむ。そして張力が下がることに伴いVベルトとVプーリーとの面圧も下げることが出来る。もともと摩耗と伸びを生じやすい厳しい条件下にあることから、面圧を下げられることは、摩耗と伸びを低減させる上で極めて有利である。その結果、その伝動装置を実施後1年間使用するも摩耗もなく継続して使用するこが可能となった。
上述したように、Vプーリーをゴム製とすることにより、弾力性を持ち易い条件下にあって、張力を高めることによりVプーリーとVベルトとの面圧が大きくなってもゴムによる弾性体による作用が働き、円滑にVプーリーとVベルトとの接触部ですべりを起こすことなく伝動することができ、VプーリーおよびVベルトの長期使用が可能となる。また、VプーリーとVベルトとの接触部に当たるVプーリー部のみでの小部分へのコーティング材料の溶射で十分効果を達成することができるため、従来でのVプーリーとVベルトとの両方への溶射をすることに比べて、溶射部も少なく、極めて安価に製造することが出来る等優れた効果を奏するものである。
本発明に係るゴム製Vプーリーを用いた砥石の回転を伝える伝動装置の概略図である。 本発明に係るVプーリーに耐摩耗性のコーティング材料を溶射した状態を示す概略図である。
符号の説明
1 Vベルト
2、3 Vプーリー
4、5 回転軸
6 エンドプレート
7 砥石
8 カバー
9 モーターベース
10 Vベルトカバー
11 モーター
12 V部
13 コーティング材料


特許出願人 山陽特殊製鋼株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊


Claims (3)

  1. ゴム製VプーリーのVベルト接触面に耐摩耗性のコーティング材料を溶射し、被膜を形成し、かつ溶射によって形成される被膜表面に凹凸を持たせ、摩擦係数を高めたことを特徴とする耐摩耗性Vプーリー。
  2. 請求項1記載のVベルト接触面に形成した溶射被膜を100〜200μmとすることを特徴とする耐摩耗性Vプーリー。
  3. 請求項1または2記載のVベルト接触面に溶射被膜を形成させることにより、硬度Hv1100〜1200とすることを特徴とする耐摩耗性Vプーリー。
JP2006211638A 2006-08-03 2006-08-03 耐摩耗性vプーリー Withdrawn JP2008038973A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9382995B2 (en) 2014-12-01 2016-07-05 Extreme Industrial Coatings, LLC Pulley for use with a non-synchronous drive belt
JP2018076644A (ja) * 2016-11-07 2018-05-17 株式会社ソリック 自動ドア装置

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