JP2008034070A - 光ピックアップ装置およびその制御方法、情報記録再生装置 - Google Patents

光ピックアップ装置およびその制御方法、情報記録再生装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 複数の異なる波長を発する複数の光源を備え、光検出器で検出する信号の信頼度が高い光ピックアップ装置およびその制御方法、情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】 対物レンズ19と、λ/4板18と、外縁部が偏光子で形成されている偏光素子17とを一体に形成し、偏光素子17は、短波長の戻り光に対して開口絞りとして機能するように設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、規格の異なる複数の光情報記録媒体の記録情報の、記録、再生および消去のうち少なくともいずれか1つを行う光ピックアップ装置およびその制御方法、情報記録再生装置に関する。本発明においてレーザ光を用いて信号の記録、再生、および消去のうち少なくともいずれか1つを行う媒体を「記録媒体」と称し、記録媒体の記録面上で反射された後の光を「戻り光」と称する。また、「樹脂膜」、「誘電体多層膜」はそれぞれ、「樹脂でできた膜状または板状の部品」、「誘電体から成る多層の膜状または板状の部品」を意味する。
光情報記録媒体に対して、情報の記録、再生、消去を行う光ピックアップ装置は、種々の方式のものが提案され、実施されている。光情報記録媒体のうち、コンパクトディスク(Compact Disc:略称CD)、追記型コンパクトディスク(Compact disc-Recordable:略称CD−R)、書き換え型コンパクトディスク(Compact disc-Rewritable:略称CD−RW)などのCD系と呼ばれる光ディスクは、発振波長780nm以上785nm以下の光を発するレーザ光源を用いて信号の記録、再生、または消去を行う。これに対しデジタルバーサタイルディスク(Digital Versatile Disc:略称DVD)、追記型デジタルバーサタイルディスク(Digital Versatile Disc-Recordable:略称DVD−R)、書き換え型デジタルバーサタイルディスク(Digital Versatile Disc-Rewritable:略称DVD−RW)などのDVD系と呼ばれる光ディスクは、発振波長630nm以上690nm以下の光を発するレーザ光源を用いて信号の記録、再生、または消去を行う。
CD系とDVD系とでは使用波長も透明基板の厚さも異なる。これら複数の種類の光情報記録媒体に対し、信号の記録、再生、または消去を単一の装置で行う多波長用の光ピックアップ装置の実現が意図され、種々のものが提案されている。
複数種類の光情報記録媒体の例として、たとえば785nmを使用波長とするCDと、650nmを使用波長とするDVDとを例にとると、対物レンズの開口数(Numerical
Aperture:略称NA)はCDにおいてNA:0.5、DVDにおいてNA:0.6〜0.65とする必要がある。複数の種類の光情報記録媒体の信号を単一の装置で記録、再生、または消去しようとするときに発生する問題の1つは、NAが異なることによって、戻り光の光線束の平均直径が、CDの場合とDVDの場合とでは異なることである。光検出器に入射する戻り光の光線束の平均直径はDVDの場合では大きく、CDの場合では小さい。DVDの場合の光線束の平均直径はCDの場合の1.2〜1.3倍である。光検出器に入射する戻り光の光線束の平均直径が小さいと、対物レンズが記録媒体の記録面に平行に動作したときの光軸のずれに対して、相対的に信号の信頼度が低くなり、CDを取扱う場合、DVDの場合よりも1.2倍〜1.3倍、信頼度が下がる。
使用波長の異なる複数種の光情報記録媒体からの戻り光を、共通の受光部領域を持つ単一の光検出器で受光するようにし、かつ単一波長の光ピックアップ装置の場合と同様の方法で信号検出を可能にするために、波長によって機能を変える部分ホログラムを用いる技術が提案されており(特許文献1参照)、波長選択的に光線束を制限する円形開口形状の波長フィルタの記載がある。またレーザ光源と光検出器が一体となったレーザ/検出器集積ユニットを使用した場合、光検出器に入射するフレア光によって正確な検出ができない場合が生じるという問題を解決するために、開口制限手段を設ける技術が提案されている(特許文献2参照)。
特開2002−216385号公報 特開平11−344666号公報
図10は、従来技術に係り、対物レンズ透過後の戻り光の光線束2と波長フィルタの円形開口形状3が光軸を同じくし、光検出器1上に入射した状態を表す図である。図11は、従来技術に係り、波長フィルタと独立に、対物レンズが光情報記録媒体の記録面に平行な仮想平面上において動作したときに、対物レンズ透過後の戻り光の光線束2が波長フィルタの円形開口形状3とずれを生じた状態を表す図である。前記波長フィルタと独立に対物レンズが動作し、光情報記録媒体の記録面に平行な方向に対物レンズがシフトすると、光検出器の受光面1上で、戻り光の光線束の断面2と波長フィルタの円形開口形状3とのずれが生じ、光検出器に入射する光線束の断面形状として、所望の形状を得られなくなる。したがって光検出器で検出する信号の信頼度も下がる。また前記開口制限手段はフレアの除去を目的としており、戻り光の光線束の平均直径がNAに依存し、使用波長によって異なることに変わりはない。
本発明の目的は、複数の異なる波長を発する複数の光源を備え、光検出器で検出する信号の信頼度が高い光ピックアップ装置およびその制御方法、情報記録再生装置を提供することである。
本発明は、異なる波長の光を発する複数の光源と、
各光源から発せられる光を記録媒体の記録面上に集光する対物レンズと、
前記光源と前記対物レンズとの光路途中に配設され、各光源から発せられる光を透過する偏光素子であって、当該偏光素子の外縁部が偏光子で形成されている偏光素子と、
前記記録面上で反射された戻り光を受光する光検出器とを有することを特徴とする光ピックアップ装置である。
また本発明は、前記偏光素子は、前記対物レンズと一体に設けられていることを特徴とする。
また本発明は、前記偏光素子の前記外縁部は、前記異なる波長の光のうち、短波長の前記戻り光に対して、開口絞りとして機能することを特徴とする。
また本発明は、前記対物レンズと前記偏光素子との光路途中にλ/4板をさらに有することを特徴とする。
また本発明は、前記偏光素子は、ガラス体と誘電体多層膜とを有することを特徴とする。
また本発明は、前記偏光素子は、樹脂材料から成る樹脂膜と、誘電体多層膜とを有することを特徴とする。
また本発明は、前記λ/4板は水晶ガラスから成ることを特徴とする。
また本発明は、前記λ/4板は樹脂から成ることを特徴とする。
また本発明は、前記光検出器の光路上流側に、前記光検出器に入射する光線束の断面積を、前記光検出器との距離の変更によって調節する結像サイズ調節手段をさらに有することを特徴とする。
また本発明は、光ピックアップ装置の光線束を制御する方法であって、異なる波長の光を発することのできる複数の光源のうちのいずれか1つから光を発する発光工程と、
各光源から発せられる光を対物レンズによって記録媒体の記録面上に集光する集光工程と、
前記記録媒体の前記記録面上で反射された戻り光を受光して検出する光検出工程と、
前記異なる波長の光のうち、長波長の前記戻り光に対して、外縁部が偏光子で形成されている偏光素子によって、前記戻り光の光線束の断面積を制限する開口制限工程と、
前記光検出工程で前記戻り光を受光して検出する光検出器に入射する光線束の断面積を、前記光検出器との距離の変更によって調節する結像サイズ調節工程とを有することを特徴とする光ピックアップ装置の制御方法である。
また本発明は、前記光源と前記光検出器とは、別体に設けられることを特徴とする。
また本発明は、前記光ピックアップ装置を搭載する情報記録再生装置である。
本発明によれば、複数の光源を有することによって、複数の異なる波長の光を利用し、形式の異なる記録媒体を1つの装置で記録、再生、または消去を行うことができる。偏光素子の外縁部を偏光子とすることによって、特定の方位角の直線偏光を外縁部で遮断することができ、偏光素子のうち外縁部を除く中央部はどの方位角の偏光も透過させることができる。したがって特定の方位角の直線偏光に対して開口絞りとして機能することができる。前記偏光素子を光源と対物レンズとの光路途中に配設することによって、往路光と戻り光のいずれか一方をすべて透過させ、他方に対して開口絞りとして機能することができる。これによって、複数の異なる波長を発する複数の光源を備え、光検出器で検出する信号の信頼度が高い光ピックアップ装置を実現することが可能となる。
また本発明によれば、偏光素子を対物レンズと一体に設けることによって、対物レンズが記録媒体の記録面に平行に動作しても、対物レンズの位置と偏光素子の位置とが相対的なずれを生じることがない。光線束の断面積は光路途中の最も小さい開口絞りの断面積で決められ、本発明において偏光素子を除けば対物レンズによって決められる。したがって対物レンズと、戻り光に対する開口絞りとがすれを生じると、光検出器に入射する光線束の断面に前記のずれが反映されてしまう。ゆえに偏光素子と対物レンズとを一体に設け、偏光素子と対物レンズとの相対的なずれを防ぐことによって、偏光素子は、対物レンズによる前記記録面上への往路光の集光を妨げたり、戻り光の光線束の断面積および断面形状を、前記相対的なずれによって制限したりせずに、光線束を透過させることができる。
また本発明によれば、偏光素子は、短波長の戻り光に対する開口絞りとしての機能を有することから、異なる波長に対して、戻り光の光線束の断面積を等しくすることができる。往路光については対物レンズの開口絞りが最も小さくなければ、対物レンズのNAが変化してしまう。対物レンズのNAは規定通りである必要があるので、偏光素子が往路光に対して開口絞りとして作用することがあってはならない。本発明に係る偏光素子は戻り光に対して開口絞りとして作用することから、対物レンズのNAを変化させることなく、異なる波長に対して、光検出器に入射する光線束の断面積を等しくし、光軸のずれに対する信号の信頼度を等しくすることができる。すなわち、従来長波長の戻り光に対する信頼度よりも高かった短波長の戻り光に対する信頼度はそのままに、長波長の戻り光に対する信頼度を短波長の戻り光に対する信頼度と等しくすることができる。これによって、複数の異なる波長を発する複数の光源を備え、光検出器で検出する信号の信頼度が高い光ピックアップ装置を実現することが可能となる。
また本発明によれば、光路途中にλ/4板を有することから、往路光の偏光の方位角と戻り光の偏光の方位角とに90°の差を生じさせ、互いに直交させることができる。したがって往路光および戻り光の光路途中に位置する偏光子の、往路光および戻り光に対する透過率に差を生じさせることができる。これによってλ/4板を挟んで対物レンズから遠い位置に配設される偏光素子が、戻り光のみに対する開口絞りとして機能することが可能となる。
また本発明によれば、ガラス体と誘電体多層膜とを用いて偏光素子を形成することができる。ガラスを材料に用いて偏光素子の一部分を形成する場合、ガラス体部分を樹脂などから成る部品とするよりも、剛性の高い部品とすることができるので、機械的および光学的に高い信頼性の偏光素子を形成することができる。
また本発明によれば、樹脂材料から成る樹脂膜と、誘電体多層膜とを用いて偏光素子を形成することができる。この場合には、ガラス体を用いて偏光素子を形成するときよりも、偏光素子にかかる材料費を低減することができ、偏光素子および光ピックアップ装置の軽量化を図ることができる。
また本発明によれば、水晶ガラスを材料に用いてλ/4板を形成することができる。水晶ガラスを材料に用いてλ/4板を形成する場合、樹脂などを材料に用いて形成するときよりも、剛性の高いλ/4板とすることができるので、機械的および光学的に高い信頼性のλ/4板を形成することができる。
また本発明によれば、樹脂を材料に用いてλ/4板を形成することができる。この場合には、水晶ガラスを材料に用いてλ/4板を形成するときよりも、λ/4板にかかる材料費を低減することができ、λ/4板および光ピックアップ装置の軽量化を図ることができる。
また本発明によれば、光検出器の光路上流側に、光検出器に入射する光線束の断面積を、光検出器との距離の変更によって調節する結像サイズ調節手段を有することから、光検出器に入射する光線束の断面積を調節することができる。したがって信号の信頼度を調節することができ、異なる波長のうちのいずれの波長の戻り光においても、信頼度を高くすることができる。
また本発明によれば、長波長の戻り光の光線束の断面積を制限する開口制限工程を有することから、異なる波長に対して、戻り光の光線束の断面積を等しくすることができる。したがって異なる波長に対して、光検出器に入射する光線束の断面積を等しくし、光軸のずれに対する信号の信頼度を等しくすることができる。さらに光検出器に入射する光線束の断面積を、光検出器との距離の変更によって調節する結像サイズ調節工程を有することによって、等しくした信頼度を調節することができる。すなわち、従来長波長の戻り光に対する信頼度よりも高かった短波長の戻り光に対する信頼度はそのままに、長波長の戻り光に対する信頼度を短波長の戻り光に対する信頼度と等しくすることができる。これによって、複数の異なる波長を発する複数の光源を備え、光検出器で検出する信号の信頼度が高い光ピックアップ装置を実現することができる。換言すれば、記録媒体に対する汎用性が高く、かつ信頼度の高い光ピックアップ装置を実現することができる。
また本発明によれば、光源と光検出器とを別体に設けることから、光検出器の位置を変更し、光検出器に入射する光線束の断面積を変更することができる。また光源および光検出器を個別に取替えることができる。したがって光源および光検出器の種類、個数、仕様を変更することができる。
また本発明によれば、以上の効果を示す光ピックアップ装置を有する情報記録再生装置を実現することができる。
本明細書本文中において、発振波長780nm以上785nm以下のレーザ光を発するレーザ光源を用いて信号の記録、再生、および消去のうち少なくともいずれか1つを行う光情報記録媒体を「CD」と称し、発振波長630nm以上690nm以下のレーザ光を発するレーザ光源を用いて信号の記録、再生、または消去を行う光情報記録媒体を「DVD」と称する。光源から発せられてから記録媒体の記録面上に達するまでの光を「往路光」と称し、光検出器で検出する信号を「信号」と称し、光軸のずれに対する前記信号の信頼度を「信頼度」と称することがある。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る光ピックアップ装置10において、第1光源11および第2光源12からの往路光が記録媒体の記録面上に集光される状態を表す図である。光ピックアップ装置10は、第1光源11と第2光源12とダイクロイックビームスプリッタ13と、偏光ビームスプリッタ15とコリメートレンズ16と、偏光素子17と、λ/4板18と、対物レンズ19と結像サイズ調節手段20と、光検出器21とを有している。偏光素子17とλ/4板18と対物レンズ19とは一体に形成されている。ダイクロイックビームスプリッタ13はダイクロイックミラー14を有している。
第1光源11は半導体レーザ光源で、波長λ1=785nmの直線偏光のレーザ光を発する。第2光源12は半導体レーザ光源で、波長λ2=650nmの直線偏光のレーザ光を発する。第1光源11または第2光源12から発せられたレーザ光は、ダイクロイックビームスプリッタ13内のダイクロイックミラー14に入射する。ダイクロイックミラー14は第1光源11からの波長λ1の光については透過させ、第2光源12からの波長λ2の光は反射する。第1光源11と第2光源12とは異なる位置に配設されているけれども、第1光源11からの波長λ1のレーザ光も第2光源12からの波長λ2のレーザ光も同一の向きにレーザ光が進むように、ダイクロイックビームスプリッタ13およびダイクロイックミラー14は配設されている。ダイクロイックビームスプリッタ13を出たレーザ光は偏光レーザスプリッタ15に入射する。偏光ビームスプリッタ15は、第1光源11および第2光源12からの往路光の直線偏光を透過させ、該直線偏光と直交する直線偏光を反射する。したがって、往路光は偏光ビームスプリッタ15を透過し、コリメートレンズ16に入射する。コリメートレンズ16は、第1光源11および第2光源12からの往路光を平行光線束にする。コリメートレンズ16によって平行光線束となったレーザ光は偏光素子17に入射する。偏光素子17は、第1光源11および第2光源12から発せられた往路光を偏光の状態および方位角を変えることなく透過させる。その後レーザ光はλ/4板18に入射する。λ/4板18は第2光源12から発せられる直線偏光を円偏光に変換するよう配設されている。λ/4板18を透過したレーザ光は対物レンズ19に入射し、入射したレーザ光は対物レンズ19でCD25またはDVD26の記録面上に集光される。光軸に垂直な対物レンズ19の面積は、対物レンズ19に入射する往路光の光線束の断面積よりも小さく、CD25またはDVD26に集光されるレーザ光の光量は、前記対物レンズ19の面積で決定される。
図2は、本発明の実施形態に係る偏光素子17の平面図である。偏光素子17は平板状である。偏光素子17の厚み方向に偏光素子17を平面視すると、偏光素子17は矩形をしており、その中央部に樹脂膜またはガラス体から成る無作用エリア17aを有している。無作用エリア17aは、波長λ1のレーザ光も波長λ2のレーザ光も透過させ、レーザ光の偏光の状態に関わらず透過させる。無作用エリア17aはCD25からの戻り光における光線束の断面積および断面形状と同じ面積、形状を有している。偏光素子17の厚み方向に偏光素子17を平面視すると、本実施形態で無作用エリア17aの形状は円形となっており、その直径D1は波長λ2の戻り光の光線束の断面の直径より小さく、波長λ1の戻り光の光線束の断面の直径と同じである。偏光素子17の無作用エリア17aを除く外縁部は、誘電体多層膜で形成される偏光エリア17bである。偏光エリア17bは偏光子から成っており、特定の方位角の直線偏光を透過させ、該直線偏光と直交する直線偏光を遮断する。偏光素子17は、第1光源11および第2光源12から発せられる往路光の直線偏光が偏光エリア17bを透過するように配設される。光線束の断面積は光路途中の最も小さい開口絞りの断面積で決められ、本実施形態において偏光素子17を除けば対物レンズによって決められる。往路光については対物レンズの開口絞りが最も小さくなければ、対物レンズのNAが変化してしまう。対物レンズのNAは規定通りである必要があるので、偏光素子が往路光に対して開口絞りとして作用することがあってはならない。
図3は、本発明の実施形態に係る光ピックアップ装置10において、CD25の記録面上で反射された光が光検出器21で検出される状態を表す図である。CDを取扱うとき、第1光源11からレーザ光を発する。λ1の波長のレーザ光に対し対物レンズのNAは0.5であり、対物レンズ19透過直後の戻り光における光線束の断面積はDVD26を取扱うときよりも小さい。CD25の記録面上で反射されたレーザ光は対物レンズ19を透過し、λ/4板18、偏光素子17を順次透過する。CD25からの戻り光の光線束の断面積および断面形状は偏光素子17の無作用エリア17aと一致するので、CD25からの戻り光はすべて偏光素子17を透過する。その後コリメートレンズ16を透過し、偏光ビームスプリッタ15に入射する。CD25からの戻り光の偏光の方位角は、第1光源11からの往路光の直線偏光の方位角と異なるから、CD25からの戻り光は偏光ビームスプリッタ15によって反射され、結像サイズ調節手段20に入射する。結像サイズ調節手段20は、光検出器21に入射する光線束の断面積を、光検出器21との距離の変更によって調節する光学部品である。結像サイズ調節手段20を透過したCD25からの戻り光は光検出器21に入射し、光検出器21によって検出される。
図4は、本発明の実施形態において、光検出器21の受光面にCD25からの戻り光が入射したときの光検出器21の受光面の平面図である。光検出器21の受光面は正方形をしており、4つに分割された受光領域A〜Dを備えている。図4に示すように、受光領域A〜Dはそれぞれ正方形をしており、受光領域AとCとが対角線上に並び、受光領域BとDとが対角線上にならんでいる。光検出器21はCD25またはDVD26からの戻り光を受光し、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、高周波(Radio Frequency
:略称RF)信号を出力する。トラッキングエラーが生じたときには受光領域Aからと受光領域Dからの出力信号に差が生じ、受光領域Bからと受光領域Cからの出力信号に差が生じる。受光領域A〜Dからの出力信号をそれぞれSA、SB、SC、SDとすると、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号はそれぞれ、式(1)〜(3)の演算によって出力される。
フォーカスエラー信号:(SA+SC)−(SB+SD) …(1)
トラッキングエラー信号:(SA+SB)−(SC+SD) …(2)
RF信号:(SA+SB+SC+SD) …(3)
光検出器21の受光面上に入射する、CD25からの戻り光の光線束の断面形状は円形をしている。該光線束の断面の断面積は結像サイズ調節手段20によって調節され、該断面の円の直径D2が、受光面の一辺の長さL1に対して60%以上70%以下となるように調節されている。
図5は、本発明の実施形態に係る光ピックアップ装置10において、DVD26の記録面上で反射された光が光検出器21で検出される状態を表す図である。DVD26を取扱うとき、第2光源12からレーザ光を発する。λ2の波長のレーザ光に対し対物レンズ19のNAは0.6以上0.65以下であり、対物レンズ19透過直後の戻り光における光線束の断面積はCDを取扱うときよりも大きい。DVD26に対して出射される往路光はλ/4板18で円偏光に変換されており、DVD26の記録面上で反射されたレーザ光は対物レンズ19を透過し、λ/4板18に再び入射する。DVD26の記録面上で反射された後の円偏光の戻り光はλ/4板18によって直線偏光に変換される。直線偏光となった戻り光の偏光の方位角は、往路光の直線偏光の方位角に対して90°の角度の差を生じている。
その後偏光素子17に入射する。偏光素子17に入射する直前のDVD26からの戻り光の光線束の断面形状は円形をしており、該光線束の断面は偏光素子17の無作用エリア17aよりも大きい。λ/4板18によって直線偏光となった戻り光の一部は、偏光素子17の偏光エリア17bにより、遮断される。したがって偏光素子17はDVD26からの戻り光に対して開口絞りとして作用し、DVD26からの戻り光における光線束の断面積および断面形状を無作用エリア17aと等しくする。偏光エリア17bによって一部が遮断され、無作用エリア17aを透過したDVD26からの戻り光において、その光線束の断面積および断面形状は、CD25の記録面上からの戻り光における光線束の断面積および断面形状と同じである。その後コリメートレンズ16を透過し、偏光ビームスプリッタ15に入射する。DVD26からの戻り光の偏光の方位角は、第1光源11からの往路光の直線偏光の方位角に対して90°異なるから、DVD26からの戻り光は偏光ビームスプリッタ15によって反射され、結像サイズ調節手段20に入射する。結像サイズ調節手段20を透過したDVD26からの戻り光は光検出器21に入射し、光検出器21によって検出される。
結像サイズ調節手段20に入射するDVD26からの戻り光の光線束の断面積および断面形状は、CD25からの戻り光が結像サイズ調節手段20に入射するときと同じである。したがって、結像サイズ調節手段20と光検出器21との相対的な位置関係はCD25を取扱うときとDVD26を取扱うときで同じである。DVD26からの戻り光においてその断面の円の直径は、光検出器21の矩形の受光面の正方形の一辺の長さの60%以上70%以下となる。
図6は、本発明の実施形態において、偏光素子17とλ/4板18と対物レンズ19とが一体として動作するときの状態を、CD25を取扱うときを例に表す図である。CD25およびDVD26に対してフォーカシングおよびトラッキングの調整を行う目的で、対物レンズ19はCD25またはDVD26の記録面に対して、変位できるようになっている。本実施形態では偏光素子17とλ/4板18と対物レンズ19とが一体に形成されているから、対物レンズ19がCD25またはDVD26の記録面に対して変位するとき、同時に偏光素子17とλ/4板18も対物レンズ19と同じ量、同じ向きに変位する。λ/4板18は、偏光素子17に入射する往路光の偏光の方位角と戻り光の偏光の方位角とを90°回転させる働きを有している。したがってλ/4板18が偏光素子17よりも往路光に関して光路下流側、戻り光に関して光路上流側に位置することによって、偏光素子17は、偏光の方位角に対する選択的な作用を実現する。つまりλ/4板18を挟んで対物レンズ19から遠い位置に配設される偏光素子17が、戻り光のみに対する開口絞りとして機能する。
図7は、本発明の実施形態に係る光ピックアップ装置の制御方法の工程を表すフローチャートである。本実施形態で光ピックアップ装置の制御方法は、発光工程a1、往路光の方向調節工程a2、往路光平行化工程a3、偏光状態第1変換工程a4、集光工程a5、偏光状態第2変換工程a6、開口制限工程a7、結像サイズ調節工程a8および光検出工程a9を含んでいる。本処理開始後、発光工程a1に移行し、異なる波長の光を発する第1光源11および第2光源12のうちのいずれか一方から発光を行う。次に往路光の方向調節工程a2に移行し、ダイクロイックビームスプリッタ13内のダイクロイックミラー14によって第1光源11からのレーザ光および第2光源12からのレーザ光の両方を記録媒体の記録面に向かわせる。次に往路光平行化工程a3に移行し、コリメートレンズ16によって第1光源11および第2光源12からのレーザ光の光線束を平行光線束とする。次いで偏光状態第1変換工程a4に移行し、λ/4板18によって第1光源11および第2光源12からのレーザ光の偏光状態を変換する。次に集光工程a5に移行し、λ/4板18透過後の往路光を記録媒体の記録面上に集光する。次に偏光状態第2変換工程a6に移行し、記録媒体の記録面上で反射されたレーザ光の偏光状態を、λ/4板18によって、変換する。次いで開口制限工程a7に移行し、前記異なる波長のうちの長波長の戻り光に対しては光線束の断面を制限することはなく、前記異なる波長のうちの短波長の戻り光に対して光線束の断面積と断面形状とを制限し、該断面積および断面形状を前記長波長の戻り光における光線束の断面積および断面形状と等しくする。次に結像サイズ調節工程a8に移行し、記録媒体の記録面上からの戻り光の光線束を、該光線束の断面の平均直径が、光検出器21の受光面の一辺の長さに対して60%以上70%以下となるように調節する。次に光検出工程a9に移行し、光検出器21によって、戻り光を受光し、信号を検出する。その後、本処理は終了する。
図8は、本発明の実施形態に係る集光工程a5を詳細に表したフローチャートである。集光工程a5は、フォーカスサーボ工程b1と、トラッキングサーボ工程b2とを含んでいる。集光工程での処理開始後、フォーカスサーボ工程b1において、対物レンズ19によって集光したレーザ光の焦点が、記録媒体の記録面上となるように、一体に形成された偏光素子17、λ/4板18および対物レンズ19の位置を、記録媒体の記録面に垂直な方向に動作させる。次にトラッキングサーボ工程b2において、対物レンズ19によって集光したレーザ光の焦点が、記録媒体の記録面上のトラック上となるように、一体に形成された偏光素子17、λ/4板18および対物レンズ19の位置を、記録媒体の記録面に平行な仮想平面上において動作させる。その後、本処理は終了する。このフォーカスサーボ工程b1と、トラッキングサーボ工程b2とは、順番が前後しても構わないし、同時でも構わない。
図9は、本発明の実施形態に係る光検出工程a9を、詳細に表したフローチャートである。光検出工程a9は、信号検出工程c1と、信号演算工程c2と、信号出力工程c3とを含んでいる。光検出工程での処理開始後、信号検出工程c1に移行し、記録媒体の記録面上からの戻り光を光検出器21の受光面上にある4つの受光領域で受光し、信号を検出する。次に信号演算工程c2に移行し、前記4つの受光領域で検出した信号を基に、前記式(1)〜(3)の演算を行う。次に信号出力工程c3に移行し、前記式(1)〜(3)の演算を行った結果として、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびRF信号を出力する。その後、本処理は終了する。フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびRF信号の3つの信号は、図示外の機構によって利用される。
本実施形態ではCD25を取扱うとき、波長λ1=785nmのレーザ光を発する光源を第1光源11として利用したが、他の実施形態においては、第1光源から発せられる光の波長λ3を780nm以上785nm以下とする。ダイクロイックビームスプリッタ内のダイクロイックミラーは、波長λ3のレーザ光を透過させる。
本実施形態ではDVD26を取扱うとき、波長λ2=650nmのレーザ光を発する光源を第2光源12として利用したが、他の実施形態においては、第2光源から発せられる光の波長λ4を630nm以上690nm以下とする。ダイクロイックビームスプリッタ中のダイクロイックミラーは、波長λ4のレーザ光を反射する。λ/4板は直線偏光である波長λ4の往路光を円偏光に変換し、円偏光である波長λ4の戻り光を直線偏光に変換する。
本実施形態では偏光素子17に入射する、波長λ1のレーザ光および波長λ2のレーザ光の光線束の断面形状を円形としたが、他の実施形態における該断面形状は、楕円とすることもできる。該他の実施形態において、DVDの記録面上からの戻り光の光線束の断面は、CDの記録面上からの戻り光の光線束の断面を含む。偏光素子の一部分を構成する無作用エリアの面積および形状は、CDの記録面上からの戻り光における光線束の断面積および断面形状と同じとする。
本実施形態では、λ/4板18はDVD26を取扱うときに用いる、波長λ2=650nmのレーザ光に対し、直線偏光を円偏光に変換し、円偏光を直線偏光に変換するものとしたが、他の実施形態においてλ/4板は、DVDを取扱うときに用いる波長およびCDを取扱うときに用いる波長の両方のレーザ光に対し、直線偏光を円偏光に、円偏光を直線偏光に変換する。波長選択的に機能する1/4波長板を複数張り合わせたλ/4板を用いることによってDVDおよびCDを取扱うときの両方の波長のレーザ光に対して、往路光の直線偏光の方位角と戻り光の直線偏光の方位角とを90°異なるものにし、偏光素子17に入射する往路光の偏光の方位角と戻り光の偏光の方位角とを90°回転させる。
本実施形態では光源として第1光源11と第2光源12の2つを設けたが、他の実施形態では、光源は2つでなくても複数あれば良い。該他の実施形態において、最も短波長の戻り光の光線束の断面は、他の波長の戻り光の光線束の断面を含む。偏光素子の一部分を構成する無作用エリアの面積および形状は、最も長波長の戻り光における光線束の断面積および断面形状と同じとする。
本実施形態で光検出器21の受光面は正方形としたが、該受光面は結像サイズ調節手段透過後の光線束を受光できれば、必ずしも正方形でなくても良い。受光面に入射する光線束の直径または長半径の20%以上33%未満の範囲で該光線束の光軸が変位しても、該光線束が受光面からはみ出さない形状、大きさであれば、光検出器の受光面はどのような形状、大きさでも構わない。
本発明に係る光ピックアップ装置10は、複数の光源と、外縁部が偏光子で形成されている偏光素子17とを有する。このような構成とすることで、複数の異なる波長の光を利用し、形式の異なる情報記録媒体を1つの装置で記録、再生、または消去を行うことができる。偏光素子17の外縁部を偏光子とすることによって、往路光の直線偏光を透過させ、往路光の直線偏光と方位角が90°異なった戻り光の直線偏光を遮断することができる。偏光素子17のうち外縁部を除く中央部はどの方位角の偏光も透過させる。したがって、偏光素子17は往路光には作用せず、戻り光に対して選択的に開口絞りとして機能することができる。これによって、複数の異なる波長を発する複数の光源を備え、光検出器で検出する信号の信頼度が高い光ピックアップ装置を実現することが可能となる。
偏光素子17とλ/4板18と対物レンズ19は一体として設けることによって、対物レンズ19がCD25またはDVD26の記録面に対して変位するとき、同時に偏光素子17とλ/4板18も対物レンズ19と同じ量、同じ向きに変位する。したがって対物レンズ19の位置と偏光素子17の位置とが相対的なずれを生じることがない。光線束の断面積は光路途中の最も小さい開口絞りの断面積で決められ、本発明において偏光素子17を除けば対物レンズ19によって決められる。したがって対物レンズ19と、戻り光に対する開口絞りである偏光素子17とがずれを生じると、光検出器21に入射する光線束の断面に前記のずれが反映されてしまう。ゆえに偏光素子17と対物レンズ19とを一体に設け、偏光素子17と対物レンズ19との相対的なずれを防ぐことによって、偏光素子17は対物レンズ19によるCD25、またはDVD26の記録面上への往路光の集光を妨げたり、戻り光の光線束の断面積および断面形状を、前記相対的なずれによって制限したりせずに、光線束を透過させることができる。
偏光素子17は、短波長の戻り光に対する開口絞りとしての機能を有する。したがって異なる波長に対して、戻り光の光線束の断面積を等しくすることができる。往路光については対物レンズ19の開口絞りが最も小さくなければ、対物レンズ19のNAが変化してしまう。対物レンズ19のNAは規定通りである必要があるので、偏光素子17が往路光に対して開口絞りとして作用することがあってはならない。本発明に係る偏光素子17は戻り光に対して開口絞りとして作用することから、対物レンズ19のNAを変化させることなく、異なる波長に対して、光検出器21に入射する光線束の断面積を等しくし、信号の信頼度を等しくすることができる。すなわち、従来長波長の戻り光に対する信頼度よりも高かった短波長の戻り光に対する信頼度はそのままに、長波長の戻り光に対する信頼度を短波長の戻り光に対する信頼度と等しくすることができる。これによって、複数の異なる波長を発する複数の光源を備え、光検出器21で検出する信号の信頼度が高い光ピックアップ装置10を実現することが可能となる。
λ/4板18は、偏光素子17に入射する往路光の偏光の方位角と戻り光の偏光の方位角とを90°回転させる働きを有している。したがってλ/4板18が偏光素子17よりも往路光に関して光路下流側、戻り光に関して光路上流側に位置することで、偏光素子17は偏光の方位角に対する選択的な作用を実現できる。つまりλ/4板18を挟んで対物レンズ19から遠い位置に配設される偏光素子17が、戻り光のみに対する開口絞りとして機能することが可能となる。
本実施形態では、λ/4板18はDVD26を取扱うときに用いる、波長λ2=650nmのレーザ光に対し、直線偏光を円偏光に変換し、円偏光を直線偏光に変換するものとしたが、他の実施形態においてλ/4板は、DVDを取扱うときに用いる波長およびCDを取扱うときに用いる波長の両方のレーザ光に対し、直線偏光を円偏光に、円偏光を直線偏光に変換する。波長選択的に機能する1/4波長板を複数張り合わせたλ/4板を用いることによってDVDおよびCDを取扱うときの両方の波長のレーザ光に対して、往路光の直線偏光の方位角と戻り光の直線偏光の方位角とを90°異なるものにし、偏光素子17に入射する往路光の偏光の方位角と戻り光の偏光の方位角とを90°回転させることができる。これによってCDを取扱うときに用いる波長のレーザ光の戻り光がλ/4板を透過後、楕円偏光になることを防ぎ、偏光ビームスプリッタ15で反射された後の戻り光の光量が、偏光ビームスプリッタ15に入射する戻り光の光量よりも少なくなることを防ぐことができる。したがってDVDを取扱うときとCDを取扱うときの両方において、光検出器で検出する信号の信頼度が高い光ピックアップ装置を実現することができる。λ/4板は偏光素子17よりも往路光に関して光路下流側、戻り光に関して光路上流側に位置することで、偏光素子17は、戻り光のみに対する開口絞りとして機能することが可能となる。
偏光素子17は、ガラス体と誘電体多層膜とを用いて形成することができる。ガラスを材料に用いて偏光素子17の無作用エリア17aを形成する場合、ガラス体部分の無作用エリア17aを樹脂などから成る部品とするよりも、剛性の高い部品とすることができるので、機械的および光学的に高い信頼性の偏光素子17を形成することができる。
また他の実施形態によれば、偏光素子17は、樹脂材料から成る樹脂膜と、誘電体多層膜とを用いて形成することができる。この場合には、ガラス体を用いて偏光素子17を形成するときよりも、偏光素子17にかかる材料費を低減することができ、偏光素子17および光ピックアップ装置10の軽量化を図ることができる。
λ/4板18は、水晶ガラスを材料に用いて形成することができる。水晶ガラスを材料に用いてλ/4板18を形成する場合、樹脂などを材料に用いて形成するときよりも、剛性の高いλ/4板とすることができるので、機械的および光学的に高い信頼性のλ/4板18を形成することができる。
また他の実施形態によれば、λ/4板18は樹脂を材料に用いて形成することができる。この場合には、水晶ガラスを材料に用いてλ/4板18を形成するときよりも、λ/4板18にかかる材料費を低減することができ、λ/4板18および光ピックアップ装置10の軽量化を図ることができる。
本実施形態では、光検出器21の光路上流側に、光検出器21に入射する光線束の断面積を、光検出器21との距離の変更によって調節する結像サイズ調節手段20を有する。したがって光検出器21に入射する光線束の断面積を調節することができる。ゆえに異なる波長のうちのいずれの戻り光においても、信頼度を高くすることができる。
本実施形態では、長波長の戻り光の光線束の断面積を制限する開口制限工程を有することから、異なる波長に対して、戻り光の光線束の断面積を等しくすることができる。したがって異なる波長に対して、光検出器に入射する光線束の断面積を等しくし、光軸のずれに対する信号の信頼度を等しくすることができる。さらに光検出器21に入射する光線束の断面積を、光検出器21との距離の変更によって調節する結像サイズ調節工程を有することによって、等しくした信頼度を調節することができる。すなわち、結像サイズ調節手段20によって、光検出器21の受光面に入射する光線束の平均直径が受光面の一辺の長さの60%以上70%以下となるように調節することで、従来長波長の戻り光に対する信頼度よりも高かった短波長の戻り光に対する信頼度はそのままに、長波長の戻り光に対する信頼度を短波長の戻り光に対する信頼度と等しくすることができる。これによって、複数の異なる波長を発する複数の光源を備え、光検出器21で検出する信号の信頼度が高い光ピックアップ装置を実現することができる。換言すれば、記録媒体に対する汎用性が高く、かつ信頼度の高い光ピックアップ装置を実現することができる。
本実施形態では、第1光源11および第2光源12と、光検出器21とを別体に設けることから、光検出器21の位置を変更し、光検出器21に入射する光線束の断面積を変更することができる。また第1光源11、第2光源12および光検出器21を個別に取替えることができる。したがって第1光源11、第2光源12および光検出器21の種類、個数、仕様を変更することができる。
また本発明によれば、以上の効果を示す光ピックアップ装置を有する情報記録再生装置を実現することができる。
本発明の実施形態に係る光ピックアップ装置10において、第1光源11および第2光源12からの往路光が記録媒体の記録面上に集光される状態を表す図である。 本発明の実施形態に係る偏光素子17の平面図である。 本発明の実施形態に係る光ピックアップ装置10において、CD25の記録面上で反射された光が光検出器21で検出される状態を表す図である。 本発明の実施形態において、光検出器21の受光面にCD25からの戻り光が入射したときの光検出器21に受光面の平面図である。 本発明の実施形態に係る光ピックアップ装置10において、DVD26の記録面上で反射された光が光検出器21で検出される状態を表す図である。 本発明の実施形態において、偏光素子17とλ/4板18と対物レンズ19とが一体として動作するときの状態を、CD25を取扱うときを例に表す図である。 本発明の実施形態に係る光ピックアップ装置の制御方法の工程を表すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る集光工程a5を詳細に表したフローチャートである。 本発明の実施形態に係る光検出工程a9を、詳細に表したフローチャートである。 従来技術に係り、対物レンズ透過後の戻り光の光線束2と波長フィルタの円形開口形状3が光軸を同じくし、光検出器1上に入射した状態を表す図である。 従来技術に係り、波長フィルタと独立に、対物レンズが光情報記録媒体の記録面に平行な仮想平面上において動作したときに、対物レンズ透過後の戻り光の光線束2が波長フィルタの円形開口形状3とずれを生じた状態を表す図である。
符号の説明
10 光ピックアップ装置
11 第1光源
12 第2光源
13 ダイクロイックビームスプリッタ
14 ダイクロイックミラー
15 偏光ビームスプリッタ
16 コリメートレンズ
17 偏光素子
18 λ/4板
19 対物レンズ
20 結像サイズ調節手段
21 光検出器
25 CD系の光情報記録媒体
26 DVD系の光情報記録媒体

Claims (12)

  1. 異なる波長の光を発する複数の光源と、
    各光源から発せられる光を記録媒体の記録面上に集光する対物レンズと、
    前記光源と前記対物レンズとの光路途中に配設され、各光源から発せられる光を透過する偏光素子であって、当該偏光素子の外縁部が偏光子で形成されている偏光素子と、
    前記記録面上で反射された戻り光を受光する光検出器とを有することを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記偏光素子は、前記対物レンズと一体に設けられていることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記偏光素子の前記外縁部は、前記異なる波長の光のうち、短波長の前記戻り光に対して、開口絞りとして機能することを特徴とする請求項1または2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記対物レンズと前記偏光素子との光路途中にλ/4板をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記偏光素子は、ガラス体と誘電体多層膜とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記偏光素子は、樹脂材料から成る樹脂膜と、誘電体多層膜とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記λ/4板は水晶ガラスから成ることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記λ/4板は樹脂から成ることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記光検出器の光路上流側に、前記光検出器に入射する光線束の断面積を、前記光検出器との距離の変更によって調節する結像サイズ調節手段をさらに有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  10. 光ピックアップ装置の光線束を制御する方法であって、異なる波長の光を発することのできる複数の光源のうちのいずれか1つから光を発する発光工程と、
    各光源から発せられる光を対物レンズによって記録媒体の記録面上に集光する集光工程と、
    前記記録媒体の前記記録面上で反射された戻り光を受光して検出する光検出工程と、
    前記異なる波長の光のうち、長波長の前記戻り光に対して、外縁部が偏光子で形成されている偏光素子によって、前記戻り光の光線束の断面積を制限する開口制限工程と、
    前記光検出工程で前記戻り光を受光して検出する光検出器に入射する光線束の断面積を、前記光検出器との距離の変更によって調節する結像サイズ調節工程とを有することを特徴とする、光ピックアップ装置の制御方法。
  11. 前記光源と前記光検出器とは、別体に設けられることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  12. 請求項1〜9および11のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置を搭載する情報記録再生装置。
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