JP2008032589A - インダクタンスの変化を用いる物体検出装置 - Google Patents

インダクタンスの変化を用いる物体検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】検出回路やスイッチ回路の数を減らし、安価に製造可能な物体検出装置を提供する。
【解決手段】インダクタンスの変化を用いて検出面上の物体を検出する物体検出装置は、平行に配置される複数の駆動配線1と、平行に配置される複数の検出配線2とを有する。そして、複数のインダクタ3が、駆動配線1と検出配線2との間でマトリックス接続される。駆動部10は複数の駆動配線に接続され複数のインダクタを駆動する。検出部20は複数の検出配線に接続され複数のインダクタのインダクタンスをそれぞれ検出する。
【選択図】図1

Description

本発明はインダクタンスの変化を用いて物体を検出する物体検出装置に関し、特に、マトリックス接続された複数のインダクタを用いた検出面を有する物体検出装置に関する。
従来のインダクタンスの変化を用いて物体を検出する装置としては、例えば特許文献1に開示の技術がある。これは、複数のセンスコイルを検出面上に二次元配置して、導電体又は磁性体からなる位置指示器による指示位置を、センスコイルのインダクタンスの変化を基に読み取るものである。
特開平10−198494号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術は、各コイルのインダクタンスを検出するために、コイルと同数の検出回路、又は検出回路へ接続するためのコイルと同数のスイッチ回路を用いる必要があった。このため、大きい面積の検出面としたい場合や空間分解能を高くしたい場合等、コイルの数を多くする必要がある場合には、検出回路やスイッチ回路の数も多く必要となり、装置が高価となっていた。
本発明は、斯かる実情に鑑み、検出回路やスイッチ回路の数を減らし、安価に製造可能な物体検出装置を提供しようとするものである。
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による物体検出装置は、平行に配置される複数の駆動配線と、平行に配置される複数の検出配線と、複数の駆動配線と複数の検出配線との間でマトリックス接続される複数のインダクタと、複数の駆動配線に接続され複数のインダクタを駆動する駆動手段と、複数の検出配線に接続され複数のインダクタのインダクタンスをそれぞれ検出する検出手段とを具備するものである。
さらに、インダクタンスをそれぞれ可変可能な導電体又は磁性体からなるインダクタンス可変手段と、インダクタとインダクタンス可変手段との間に設けられる弾性体とを具備しても良く、検出手段は、検出されるインダクタンスに基づきインダクタンス可変手段に与えられる圧力を検出しても良い。
ここで、インダクタンス可変手段は、可撓性を有するシート形状からなり、検出手段は、検出されるそれぞれのインダクタンスに基づきインダクタンス可変手段に与えられる圧力分布を検出するものであっても良い。
また、インダクタンス可変手段は、隣接する2つ以上のインダクタを一単位としてそのインダクタンスを可変可能にそれぞれ独立して複数配置され、検出手段は、検出される一単位としたインダクタのそれぞれのインダクタンスに基づきインダクタンス可変手段に与えられる検出面に垂直な方向以外のすべり方向の変位、方向及び/又は力を検出するものであっても良い。
また、駆動手段は高周波発振器と出力インピーダンスが低いアンプとを有し、検出手段は入力インピーダンスが低いアンプと電流又は電圧検出回路とを有するものであれば良い。
さらに、駆動手段は、複数の駆動配線の1つに該駆動手段を接続し他の複数の駆動配線はグラウンドに接続する駆動側スイッチ回路を有しても良い。
また、駆動手段は複数の駆動配線にそれぞれ異なる周波数の信号を印加し、検出手段は複数の検出配線からそれぞれ周波数ごとにインダクタンスを検出するものであっても良い。
さらに、検出手段は、複数の検出配線の1つに該検出手段を接続し他の複数の検出配線はグラウンドに接続する検出側スイッチ回路を有しても良い。
また、検出手段は、インダクタンスが減少した場合は導電体と識別し、インダクタンスが増加した場合は磁性体と識別するものであっても良い。
さらに、検出手段は、特定の周波数でインダクタンスが増加した場合は特定の周波数に同調する同調回路を有する物体と識別するものであっても良い。
なお、複数の駆動配線及び複数の検出配線は、異なる面上に配置されていても良い。
また、複数の駆動配線及び複数の検出配線は、同一面上に平行に配置されていても良い。
さらに、駆動配線と検出配線を入れ替えて駆動手段又は検出手段に接続する配線切替手段を有するものであっても良い。
なお、検出される物体は所定の容器に設けられ、インダクタは容器を収容する容器収容部に設けられるものであっても良い。
本発明の物体検出装置には、検出回路やスイッチ回路の数をインダクタの数の平方根の数まで減らすことが可能となるという利点がある。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の第1実施例の物体検出装置を説明するための概略図である。本発明の物体検出装置は、駆動配線1と検出配線2とインダクタ3とから主に構成される検出面を有するものである。駆動配線1及び検出配線2は、それぞれ略平行に配置される複数の配線群からなるものであり、インダクタ3はこれら駆動配線1と検出配線2との間でマトリックス接続されている。ここで、マトリックス接続とは、配線同士が電気的に交差するところにそれぞれインダクタが接続されることを意味している。なお、図示例では、複数の駆動配線1と検出配線2はそれぞれ異なる面上に形成され、物理的にも交差するように配置されている。
そして、本発明の物体検出装置には、このように構成された検出面を駆動する駆動部10と、検出面からの信号を検出する検出部20と、これらを制御するマイクロコンピュータ28とが含まれる。駆動部10は、駆動配線1に接続されインダクタ3を駆動するものである。駆動部10は、高周波発振器11とアンプ12と駆動側スイッチ回路13とからなる。アンプ12は、図示例ではオペアンプを用いた反転増幅回路であり、出力インピーダンスが低いものである。駆動側スイッチ回路13は、複数の駆動配線1の1つに駆動部10を接続し他の複数の駆動配線はグラウンドに接続するための回路である。
また、検出部20は、検出配線2に接続され、インダクタ3のインダクタンスを検出するものである。検出部20は、検出側スイッチ回路21とアンプ22と振幅検出器23とからなる。検出側スイッチ回路21は、複数の検出配線2の1つにアンプ22を接続し他の複数の検出配線はグラウンドに接続するための回路である。アンプ22は、例えば電流アンプであって、図示例ではオペアンプを用いた反転増幅回路であり、入力インピーダンスが低いものである。振幅検出器23は、検出配線2からの信号の電流又は電圧を検出するものである。なお、振幅検出器23は、ノイズを排除するために駆動部10の高周波発振器11の周波数のみを検出するような帯域フィルタ等が含まれていることが好ましい。また空間分解能を高くするためにインダクタのサイズを小さくしたい場合には、インダクタンスが小さくなるので駆動周波数をより高周波とする必要があるが、検出部20に周波数変換器を用いたスーパーヘテロダイン方式を適用すれば、安定した振幅検出が可能となる。
これら駆動部10及び検出部20には、マイクロコンピュータ28が接続され、発振器やスイッチ回路、振幅検出器等が制御され、インダクタ3のインダクタンスの変化が検出可能に構成されている。このように、インダクタをマトリックス接続することにより、検出回路やスイッチ回路の数をインダクタの数の平方根の数まで減らすことが可能となる。
ここで、マトリックス接続された複数のインダクタ3のそれぞれから個々にインダクタンスを測定する原理を、図2を用いて説明する。図2は、マトリックス接続されたインダクタと駆動部と検出部との電気的関係を説明するための回路図である。駆動側スイッチ回路により1つの駆動配線を選択し他の駆動配線をすべてグラウンドに接続する一方、検出側スイッチ回路により1つの検出配線を選択し他の検出配線をすべてグラウンドに接続すると、図2に示すような3端子網となる。図中、参照符号Lで示されるインダクタがターゲットとなるインダクタを表わす。出力インピーダンスが低いアンプ12により駆動配線1を高周波駆動することにより、駆動配線1の電圧は一定となるため、駆動配線1に接続される他のインダクタ3の影響は受けない。一方、入力インピーダンスが低いアンプ22が検出配線2に接続されることにより、検出配線2の電位はグラウンド電位となり、検出配線2に接続される他のインダクタ3には電流は流れない。したがって、ターゲットとなるインダクタLに流れる電流のみを検出することが可能となる。ここで、電流はインダクタンスに反比例するため、振幅検出器23で電流を計測することにより、インダクタLのインダクタンスを求めることが可能となる。
次に、本発明の第2実施例の物体検出装置を説明する。図3は、本発明の第2実施例の物体検出装置を説明するための概略図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表しており、重複説明は省略する。第2実施例では、駆動部10は、駆動配線1ごとに接続された複数のアンプ14と、アンプ14を選択して発振器11に接続するためのスイッチ回路15とを含んでいる。また、検出部20は、検出配線2ごとに接続された複数のアンプ24と、アンプ24を選択して振幅検出器23に接続するためのスイッチ回路25とを含んでいる。このように構成しても、図1に示した第1実施例と同様に、駆動部10が接続された駆動配線以外の配線及び検出部20が接続された検出配線以外の配線はすべてグラウンド電位に保たれるので、ターゲットとなるインダクタのみのインダクタンスを検出することが可能となる。第2実施例では、第1実施例と比べるとアンプの数が多く必要となるが、配線とアンプとの間にスイッチ回路が不要となり、この分の直列抵抗が省略できるため、検出精度が高くなる。
さらに、駆動部10は、各駆動配線1をそれぞれ異なる周波数で駆動させることも可能である。これによりスイッチ回路が不要となり、高速な検出も可能となる。この場合、検出部20においても、複数の検出配線2からそれぞれ周波数ごとにインダクタを検出可能なように、周波数フィルタ等でフィルタリングすることも可能である。
次に、本発明の物体検出装置により種々の物体の検出が可能なことを、図4を用いて説明する。図4は、本発明の物体検出装置の使用例を説明するための概略図である。本発明の物体検出装置は、導電体や磁性体等からなる物体の形状や物体までの距離の検出が可能である。駆動配線1、検出配線2、インダクタ3、駆動部10、検出部20は、第1実施例や第2実施例のものを用いれば良い。検出面としては、例えばプリント基板上にマトリックス接続されたインダクタ3のパターンを形成したものを用いれば良い。
検出面に導電体を載せると、導電体のシールド効果によりインダクタンスは減少するため、これを測定することで導電体の形状や導電体からの距離を検出可能である。すなわち、インダクタをXY座標上に等間隔に配置しておけば、インダクタンスが減少したXY座標をプロットすることで、検出面上に載せられた導電体の形状を検出することが可能となる。また、導電体の検出面に載せられる側の面が平面ではなく曲面等の場合には、インダクタンスの減少の度合いが変化する。そこで、この出力の大きさから、導電体と検出面との間の距離を検出することが可能となり、出力の変化分布から導電体の表面の状態を検出することが可能となる。なお、導電率が一定でない導電体を検出面上に載せた場合には、出力の変化分布から導電率の変化分布を検出することも可能となる。
また、磁性体が載せられた場合には、インダクタンスは増加するため、これを測定することで磁性体の形状や磁性体からの距離を検出可能である。すなわち、インダクタをXY座標上に等間隔に配置しておけば、インダクタンスが増加したXY座標をプロットすることで、検出面上に載せられた磁性体の形状を検出することが可能となる。また、磁性体の検出面に載せられる側の面が平面ではなく曲面等の場合には、インダクタンスの増加の度合いが変化する。そこで、この出力の大きさから、磁性体と検出面との間の距離を検出することが可能となり、出力の変化分布から磁性体の表面の状態を検出することが可能となる。なお、透磁率が一定でない磁性体を検出面上に載せた場合には、出力の変化分布から透磁率の変化分布を検出することも可能となる。
このように、本発明の物体検出装置は、インダクタンスが増加するか減少するかによって、磁性体であるか導電体であるかを判別可能であり、これを基に、物体の形状や物体までの距離を測定することが可能となる。
さらに、本発明の物体検出装置においては、特定の周波数に同調する同調回路を有する物体の識別を行うことも可能である。この場合、駆動部10は、同調回路と同調する特定の周波数で駆動配線1を駆動する。検出面上に同調回路を有する物体が載せられると、その位置のインダクタは増加する。したがって、検出部20においては、特定の周波数でのみインダクタが増加したときには、検出面に載せられたものは同調回路を有する物体と識別することが可能となる。なお、同調回路を有するものであれば、カード型やパッド型等、種々の形状のものであっても検出することが可能であり、同調回路を有する位置指示具であれば、その指示位置の座標検出も可能である。
さらに、同調周波数とそれ以外の周波数で順次駆動配線1を駆動することにより、導電体又は磁性体の形状や距離の検出だけでなく、同調回路を有する物体の検出も可能となる。以下、図5を用いて、同調回路を有する物体と、導電体と磁性体とを区別してそれぞれ検出する手法について説明する。図5は、種々の被測定物体を測定するための手順を説明するためのフローチャートである。前提として、本発明の物体検出装置は、第1周波数fと第2周波数fで駆動配線をそれぞれ駆動できるように構成されるものである。また、同調回路を有する物体は、第2周波数fに同調するものとする。
まず、第1周波数fで駆動配線1を駆動する(ステップ501)。そして、この状態のすべてのインダクタ3のインダクタンスを検出する(ステップ502)。次に、第2周波数fに切り替えて駆動配線1を駆動する(ステップ503)。そして、この状態のすべてのインダクタ3のインダクタンスを検出する(ステップ504)。このように周波数を切り替えて駆動配線1を駆動したときに、周波数によりインダクタンスが変化(第2周波数fで増加)した場合には(ステップ505)、検出面上の物体は同調回路を有する物体であると認識する(ステップ506)。また、駆動周波数に関係なくインダクタ3のインダクタンスが増加した場合には(ステップ507)、検出面上の物体は例えばパーマロイ等の磁性体であると認識する(ステップ508)。さらに、駆動周波数に関係なくインダクタ3のインダクタンスが減少した場合には(ステップ509)、検出面上の物体は銅板等の導電体であると認識する(ステップ510)。連続的に物体を識別する場合には、これらのステップを繰り返せば良い。このように、各種物体を区別してそれぞれ検出することが可能となる。なお、各インダクタのインダクタンスを用いれば、必要により物体の識別だけではなく、物体の指示位置や物体の形状、物体までの距離、表面の凹凸等を検出可能である。
なお、上記のようにすべてのインダクタのインダクタンスを初めに検出するのではなく、インダクタごとにインダクタンスを検出するたびに物体の識別を行っても勿論構わない。
また、さらに別の同調回路を有する物体を用いて、その別の同調回路に同調する周波数で駆動配線を駆動させることで、複数の同調回路を有する被測定物体を区別して検出することも可能となる。
次に、本発明の第3実施例の物体検出装置を説明する。図6は、本発明の第3実施例の物体検出装置を説明するための概略横断面図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表しており、重複説明は省略する。第3実施例では、インダクタのインダクタンスを可変可能なように、インダクタンス可変体をインダクタ3の近傍に設けたものである。図6に示すように、具体的にはインダクタ3の上部に弾性体30を介してインダクタンス可変体31を設けた構成とする。弾性体30は、具体的にはシリコンスポンジ等からなる絶縁性の弾性体である。インダクタンス可変体31は、導電体又は磁性体からなるものであり、例えば図示例では可撓性を有するシート形状からなるアルミ箔である。このように構成された検出面の場合、指等により検出面を指示すると、その指示位置ではインダクタンス可変体31がインダクタ3に近づくため、この部分のインダクタンスが減少する。したがって、検出部20では、インダクタンスの減少に基づきインダクタンス可変体31に与えられる圧力が検出可能となる。インダクタ毎に圧力検出が可能であるため、これを用いれば指等の非導電体、非磁性体の圧力分布や指示位置の検出が可能となる。なお、図示例ではインダクタンス可変体はインダクタの上側に設けたが、本発明はこれに限定されず、インダクタンスを可変可能な位置であれば下側に設けても構わない。また、圧力分布測定ではなく圧力の測定のみであれば、インダクタンス可変体は可撓性を有さないものであっても良い。
なお、第3実施例においても、指と導電体と磁性体の区別が可能である。すなわち、磁性体が検出面上に載せられると、その重さによりインダクタンス可変体31がインダクタ3に近寄りインダクタンスが減少するはずであるが、それ以上に磁性体によるインダクタンスの増加の影響が効いて、結果的にインダクタンスは増加することになる。したがって、検出部20においては、インダクタンスが増加したときには、検出面上に載せられたものは磁性体であると判断すれば良い。また、導電体が検出面上に載せられると、導電体のシールド効果によりインダクタンスが減少するが、圧力による出力信号の減少と比べると、より減少幅が大きいものであったり、指と比べて減少する領域が広いものであったりするため、指と導電体との区別も可能である。
次に、本発明の第4実施例の物体検出装置を説明する。図7は、本発明の第4実施例の物体検出装置の検出面の構造を説明するための概略図であり、図7(a)が検出面の平面図であり、図7(b)が検出面の横断面図である。図6に示した第3実施例においては、インダクタンス可変体を一体的なシート形状で構成していたが、第4実施例では、インダクタンス可変体を、隣接する2つ以上のインダクタを一単位としてインダクタンスを可変可能にそれぞれ独立して複数配置している。図示例では、インダクタL1−L4を一単位として、インダクタンス可変体33が配置されている。より具体的には、インダクタL1−L4すべてに対してインダクタンスを可変可能となる位置、すなわち、インダクタL1−L4の中心付近を中心に所定の大きさでインダクタL1−L4の一部を覆うような位置に、インダクタンス可変体33が設けられている。また、インダクタL1−L4とインダクタンス可変体33の間には、シリコンスポンジ等からなる弾性体34が設けられており、インダクタンス可変体33は図7(b)に示すように、検出面に垂直な方向以外の横方向や斜め方向等のすべり方向にも移動可能に構成されている。
検出面をこのように構成することで、検出面に垂直な方向以外のすべり方向の変位、方向及び/又は力を検出することが可能となる。すなわち、検出面に対して垂直方向に圧力が加えられた場合には、インダクタンス可変体33はインダクタL1−L4に対して均等に近寄るため、各インダクタのインダクタンスは均等に減衰するが、例えば図7(b)に示すように、斜め方向に圧力が加えられた場合には、インダクタL1−L4それぞれにおいてインダクタンスの変化のバランスが変わる。したがって、これらの変化を用いれば、すべり方向の変位を3次元ベクトルとして検出可能となる。
以下、3次元ベクトルを検出する手順について、具体的に説明する。なお、図7のインダクタL1−L4の部分のみに注目して説明するが、すべてのインダクタに対して同様の手順を施すことは勿論である。以下の説明では、インダクタL1−L4からのそれぞれの出力信号の振幅を、それぞれAL1,AL2,AL3,AL4とする。各インダクタの出力信号を用いて、圧力zとx変位Δxとy変位Δyを表わすと、それぞれ以下のようになる。


上記数1−3により、各座標位置における圧力(z方向の変位)とx・y方向の変位の検出が可能となるので、これらの3つの値から3次元ベクトルが得られる。
なお、図7に示した第4実施例では、x・y方向の変位も検出可能とするために4つのインダクタを一単位としてインダクタンス可変体を配置したが、x方向又はy方向のどちらかのすべり方向のみで足りる場合には、2つのインダクタを一単位としてインダクタンス可変体を配置すれば良い。
なお、インダクタンス可変体の角の辺りが局所的に押圧された場合、それが垂直方向への圧力だとしてもインダクタンス可変体がインダクタに対して平行ではなくなり得るため、一単位とした複数のインダクタのインダクタンスの変化のバランスが変わってしまい得る。これについては、検出すべき物体の形状を考慮して、例えば、物体のエッジ部分にかかるインダクタンス可変体については平行になっていない可能性があるのでこの部分のデータは破棄し、他の変位したインダクタンスを用いて全体的なすべり方向の変位を検出するように構成すれば良い。
ここで、インダクタと駆動配線と検出配線の配線パターンについては、図7(a)に示した例では、駆動配線1とインダクタ3が同一面上に配置され、検出配線2は異なる面上に配置されるように、2層のプリント基板をパターンニングして形成されている。駆動配線1と検出配線2が異なる面上に配置されているため、配線を任意に引き回すことが可能となり、例えば図6に示すように駆動配線1も検出配線2も一方向に引き出すことも可能である。したがって、長尺のプリント基板に図示のようなパターンを形成し、これを複数配置して並列に用いれば、大面積の検出面も容易に構成可能である。なお、図7に示した実施例では、圧力検出も可能なようにインダクタンス可変体が設けられる例を示しているが、インダクタンス可変体が不要な導電体や磁性体等を検出する物体検出装置の検出面の場合であっても、配線パターンについてのみ着目すれば同様のパターンが勿論適用可能である。
さらに、インダクタと駆動配線と検出配線の配線パターンとしては、図8に示すような構成であっても良い。図8は、本発明の物体検出装置の検出面のインダクタと駆動配線と検出配線の配線パターンの一例を説明するための図である。駆動配線1及び検出配線2を平行に配置し、これらの間にそれぞれマトリックス接続されるようにインダクタ3が配置されている。この例では、物理的には駆動配線と検出配線は交差していないが、電気的には交差した状態となっている。このように構成すると、例えばPET素材等の合成樹脂で配線をラミネートして配線パターンが設けられたロール状の検出面とすることが可能となる。なお、必要によりインダクタンス可変体を設けても勿論構わない。
図9に、図8に示した配線パターンの横断面図を示す。例えばフェライトシート40の上に駆動配線1及び検出配線2が設けられる配線層41を設け、ポリイミド42を介してインダクタ3が形成され、シリコンスポンジ等の弾性体層44を介してアルミ箔等のインダクタンス可変体45が形成されたテープ状の検出面を構成する。このような構成により、曲面部分に対しても本発明の物体検出装置を適用可能となるため、例えばロボットアームの触覚センサとして、テープ状の検出面をロボットアームに巻きつけたり両面テープ等により検出面を貼り付けて用いることも可能となる。
さらに、図10に示すようにフレキシブル基板に配線パターンを構成すれば、フレキシブル基板を任意に折り曲げて長尺のテープ状の検出面を構成することも可能である。
次に、本発明の第5実施例の物体検出装置を説明する。図11は、本発明の第5実施例の物体検出装置の駆動配線と検出配線と、駆動部と検出部との関係を説明するための図である。第5実施例は、駆動配線と検出配線とを入れ替えて駆動部又は検出部に接続可能な配線切替器を設けたものである。図示のように、発振器11の出力は駆動側スイッチ回路16を介してアンプ51−53の何れかに接続される。一方、振幅検出器23には、検出側スイッチ回路26を介してアンプ54−56の何れかが接続される。なお、図示例ではアンプはオペアンプを用いた反転増幅回路であり、入力インピーダンス及び出力インピーダンスが低いものである。また、アンプ53の出力端子に接続される配線は駆動配線であり、アンプ56の入力端子に接続される配線は検出配線である。
本発明の第5実施例では、アンプ52の出力端子とアンプ54の入力端子に接続される配線は、配線切替器57によりどちらかに接続されるものである。すなわち、アンプ52の出力端子に配線が接続された場合にはその配線は駆動配線となり、アンプ54の入力端子に配線が接続された場合にはその配線は検出配線となるように構成されている。同様に、アンプ51の出力端子とアンプ55の入力端子に接続される配線も、配線切替器58によりどちらかに接続されるものである。すなわち、アンプ51の出力端子に配線が接続された場合にはその配線は駆動配線となり、アンプ55の入力端子に配線が接続された場合にはその配線は検出配線となるように構成されている。このように構成することで、駆動配線と検出配線を一部兼用することが可能となるため、配線本数を減らすことが可能となる。
次に、本発明の物体検出装置の応用例について説明する。図12は、本発明の物体検出装置を引出の開閉検出のために用いた場合の例を説明するための概略斜視図である。図12(a)は、本発明の物体検出装置を適用した容器収容部の背面斜視図であり、図12(b)は、引き出された容器の背面斜視図である。ここで、容器収容部とは例えばタンスや棚の本体部分をいい、容器とは例えばタンスや棚の引出部分をいう。図示のように、容器60の背面側壁には、アルミ箔等の導電体61が設けられている。また、容器収容部66の背面側壁には、インダクタ3が配置された検出面が設けられている。インダクタ3は、例えば図8に示したようなテープ状の検出面で提供され、棚を収容するブロックごとに少なくとも1つのインダクタが配置されるように構成されれば良い。そして、テープ状の検出面には、駆動部や検出部が含まれるコントローラ80が接続され、コントローラ80は、例えばコンピュータ100に接続される。
このように構成された容器60と容器収容部66を用いると、容器の開閉管理を行うことが可能となる。すなわち、容器60を閉じた状態では、容器60の背面が容器収容部66の背面部に当接しているので、この部分に配置されたインダクタ3のインダクタンスは、容器60の背面に設けられた導電体61のシールド効果により減少した状態となっている。そして容器60を開いた状態では、インダクタ3のインダクタンスは増加することになるため、このインダクタンスの変化をコントローラ80で検出し、コンピュータ100で管理することが可能となるのである。本発明の物体検出装置を例えば薬棚に適用すれば、誤った薬を取り出してしまうようなミスを防止することも可能となる。
なお、本発明の物体検出装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
図1は、本発明の第1実施例の物体検出装置を説明するための概略図である。 図2は、マトリックス接続されたインダクタと駆動部と検出部との電気的関係を説明するための回路図である。 図3は、本発明の第2実施例の物体検出装置を説明するための概略図である。 図4は、本発明の物体検出装置の使用例を説明するための概略図である。 図5は、種々の被測定物体を測定するための手順を説明するためのフローチャートである。 図6は、本発明の第3実施例の物体検出装置を説明するための概略横断面図である。 図7は、本発明の第4実施例の物体検出装置の検出面の構造を説明するための概略図であり、図7(a)が検出面の平面図であり、図7(b)が検出面の横断面図である。 図8は、本発明の物体検出装置の検出面のインダクタと駆動配線と検出配線の配線パターンの一例を説明するための図である。 図9は、図8に示した配線パターンの横断面図である。 図10は、フレキシブル基板にインダクタと駆動配線と検出配線の配線パターンを構成した例を説明するための概略図である。 図11は、本発明の第5実施例の物体検出装置の駆動配線と検出配線と、駆動部と検出部との関係を説明するための図である。 図12は、本発明の物体検出装置を引出の開閉検出のために用いた場合の例を説明するための概略斜視図である。
符号の説明
1 駆動配線
2 検出配線
3 インダクタ
10 駆動部
11 高周波発振器
12 アンプ
13 駆動側スイッチ回路
14 アンプ
15 スイッチ回路
16 駆動側スイッチ回路
20 検出部
21 検出側スイッチ回路
22 アンプ
23 振幅検出器
24 アンプ
25 スイッチ回路
26 検出側スイッチ回路
28 マイクロコンピュータ
30 弾性体
31 インダクタンス可変体
33 インダクタンス可変体
34 弾性体
40 フェライトシート
41 配線層
42 ポリイミド
44 弾性体層
45 インダクタンス可変体
51−56 アンプ
57,58 配線切替器
60 容器
61 導電体
66 容器収容部
80 コントローラ
100 コンピュータ

Claims (14)

  1. インダクタンスの変化を用いて検出面上の物体を検出する物体検出装置であって、該物体検出装置は、
    平行に配置される複数の駆動配線と、
    平行に配置される複数の検出配線と、
    前記複数の駆動配線と複数の検出配線との間でマトリックス接続される複数のインダクタと、
    前記複数の駆動配線に接続され前記複数のインダクタを駆動する駆動手段と、
    前記複数の検出配線に接続され前記複数のインダクタのインダクタンスをそれぞれ検出する検出手段と、
    を具備することを特徴とする物体検出装置。
  2. 請求項1に記載の物体検出装置であって、さらに、
    前記インダクタンスをそれぞれ可変可能な導電体又は磁性体からなるインダクタンス可変手段と、
    前記インダクタと前記インダクタンス可変手段との間に設けられる弾性体と、
    を具備し、
    前記検出手段は、検出されるインダクタンスに基づき前記インダクタンス可変手段に与えられる圧力を検出する、
    ことを特徴とする物体検出装置。
  3. 請求項2に記載の物体検出装置において、前記インダクタンス可変手段は、可撓性を有するシート形状からなり、前記検出手段は、検出されるそれぞれのインダクタンスに基づき前記インダクタンス可変手段に与えられる圧力分布を検出することを特徴とする物体検出装置。
  4. 請求項2に記載の物体検出装置において、前記インダクタンス可変手段は、隣接する2つ以上のインダクタを一単位としてそのインダクタンスを可変可能にそれぞれ独立して複数配置され、前記検出手段は、検出される一単位としたインダクタのそれぞれのインダクタンスに基づき前記インダクタンス可変手段に与えられる検出面に垂直な方向以外のすべり方向の変位、方向及び/又は力を検出することを特徴とする物体検出装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の物体検出装置において、前記駆動手段は高周波発振器と出力インピーダンスが低いアンプとを有し、前記検出手段は入力インピーダンスが低いアンプと電流又は電圧検出回路とを有することを特徴とする物体検出装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の物体検出装置において、前記駆動手段は、さらに、前記複数の駆動配線の1つに該駆動手段を接続し他の複数の駆動配線はグラウンドに接続する駆動側スイッチ回路を有することを特徴とする物体検出装置。
  7. 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の物体検出装置において、前記駆動手段は前記複数の駆動配線にそれぞれ異なる周波数の信号を印加し、前記検出手段は前記複数の検出配線からそれぞれ周波数ごとにインダクタンスを検出することを特徴とする物体検出装置。
  8. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の物体検出装置において、前記検出手段は、さらに、前記複数の検出配線の1つに該検出手段を接続し他の複数の検出配線はグラウンドに接続する検出側スイッチ回路を有することを特徴とする物体検出装置。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れかに記載の物体検出装置において、前記検出手段は、インダクタンスが減少した場合は導電体と識別し、インダクタンスが増加した場合は磁性体と識別することを特徴とする物体検出装置。
  10. 請求項1乃至請求項9の何れかに記載の物体検出装置において、前記検出手段は、特定の周波数でインダクタンスが増加した場合は前記特定の周波数に同調する同調回路を有する物体と識別することを特徴とする物体検出装置。
  11. 請求項1乃至請求項10の何れかに記載の物体検出装置において、前記複数の駆動配線及び複数の検出配線は、異なる面上に配置されることを特徴とする物体検出装置。
  12. 請求項1乃至請求項10の何れかに記載の物体検出装置において、前記複数の駆動配線及び複数の検出配線は、同一面上に平行に配置されることを特徴とする物体検出装置。
  13. 請求項1乃至請求項12の何れかに記載の物体検出装置であって、さらに、前記駆動配線と検出配線を入れ替えて前記駆動手段又は検出手段に接続する配線切替手段を有することを特徴とする物体検出装置。
  14. 請求項1乃至請求項13の何れかに記載の物体検出装置において、検出される前記物体は所定の容器に設けられ、前記インダクタは前記容器を収容する容器収容部に設けられることを特徴とする物体検出装置。
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