JP2008031900A - エンジン用オイルポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルポンプが駆動される際の摩擦が低減され、また、オイルポンプが適用された際に装置全体として小型化されるオイルポンプを提供すること。
【解決手段】オイルポンプ6において、ハウジング13に陥凹部12が形成され、陥凹部12にはアウターロータ16が回転可能に収容されて、外歯がアウターロータ16の内歯に噛み合うようにインナーロータ15が偏心配置されている。このオイルポンプ6に、陥凹部12を覆いインナーロータ15と一体的に回転し、外周部にビスカスダンパ17が形成されたロータ14を設けた。これにより、インナーロータ15とロータ14とが一体的に回転するので、その間に相対的な回転速度の差が生じず、インナーロータ15とロータ14とが接触する部分で摩擦が生じない。また、インナーロータ15及びアウターロータ16の保持をハウジング13及びロータ14で行うことになり、装置全体として小型化される。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン用オイルポンプに関する。
従来、外歯を有したインナーロータ及び内歯を有したアウターロータがハウジングの内部に収容され、インナーロータ及びアウターロータが噛み合いながら回転を行うことでオイルを圧送する、いわゆるトロコイド型のオイルポンプが知られている。このタイプのオイルポンプは、特に、自動車のエンジンにおける潤滑用オイルの供給のために用いられている。エンジンに取り付けられたオイルポンプでは、通常、クランクシャフトの回転によってインナーロータが駆動され、オイルパン内部に貯溜されている潤滑用オイルが圧送されて、エンジンの各々の摺動部分に供給される。このようにエンジンに用いられているオイルポンプとしては、例えば特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載のオイルポンプは、ハウジングの陥凹部に互いに噛み合うインナーロータ及びアウターロータが回転可能に配置され、そして、ハウジングの陥凹部を覆う蓋板がハウジングの側面に対して複数のねじによって締結されている。さらに、ハウジングがシリンダブロックに対して複数のねじによって着脱可能に締結されていると共に、インナーロータがクランクシャフトに貫通されて配置されており、クランクシャフトの回転によって駆動される。
また、一般に、エンジンが加減速を行うと、フライホイール、さらにはこれに連結された駆動系の慣性力によってエンジンのクランクシャフトに捩り振動が発生する。捩り振動が発生すると、クランクシャフトの先端付近に設けられたスプロケットあるいは歯車等が捩り振動の影響を受けて変位しながら駆動されるので、そこで異音が生じたり磨耗したりする恐れがある。また、クランクシャフトにオイルポンプが設置されてクランクシャフトに捩り振動が発生した場合、インナーロータの回転が安定せずにオイルポンプの挙動が安定しない状況が生じ得る。
このような捩り振動を抑制するために、クランクシャフトにダンパが取り付けられることがある。特許文献2には、クランクシャフトの軸端部に、ダンパプレートにゴム部材からなる慣性体が取り付けられたダンパが取り付けられたエンジンが開示されている。このダンパは、オイルポンプとは別々の場所に配置されている。
特開平5−157056号公報 実開平5−90000号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているようなオイルポンプにおいては、オイルポンプのハウジング及び蓋板がシリンダブロックに対して固定されているのに対して、ハウジング内部に収容されたインナーロータは、クランクシャフトと一体的に回転する。従って、インナーロータとハウジング及び蓋板とが接触している全ての部分において相対的な運動が存在することになり、その間に摩擦が生じる。また、アウターロータについても、インナーロータとアウターロータとのギア比に応じて減速回転しているが、アウターロータとハウジング及び蓋板との接触部分において、相対的な運動が存在し、その間に摩擦が生じる。
オイルポンプの部品同士の間で摩擦が生じると、その摩擦がクランクシャフトによるインナーロータの駆動の抵抗となり、インナーロータを回転させるのに余計なエネルギーが必要となる。従って、燃費を考慮すると、このようなオイルポンプでの部品同士の摩擦はエンジンにとって好ましくない。
また、一般に、エンジンには小型化への要求がある。こうした小型化への要求の中には、特に、エンジンの軸方向に短縮化することへの要求がある。特許文献2に記載されているダンパでは、クランクシャフトに取り付けられる補機類は、クランクシャフトのシリンダブロックから突出した部分に、それぞれ順に取り付けられることになる。こうしたクランクシャフトに取り付けられる補機類の配置を軸方向に詰めることでエンジンを短縮化することが求められている。しかしながら、クランクシャフトにダンパを取り付けることで、ダンパの分だけクランクシャフトの軸方向外側に突出する部分が大きくなり、エンジンの軸方向への長大化を招くことがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、オイルポンプが駆動される際の摩擦が低減されつつ、本発明によるエンジン用オイルポンプが適用されることでエンジンが軸方向に短縮化されるオイルポンプを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一形態は、円形の陥凹部を有するハウジングと、前記陥凹部に回転可能に収容され、内歯を有するアウターロータと、前記アウターロータの内歯に噛み合うように偏心配置され、外歯を有するインナーロータと、前記アウターロータの側面における基部の少なくとも一部を含む内径側を覆い、クランクシャフトに同軸に配置されて、前記インナーロータと一体的に回転し、外周部にダンパが形成されたロータと、を備えることを特徴とする。
また、前記アウターロータと前記ロータとの間に、環状のシール部材が配置されていることを特徴とする。
本発明の一形態によるオイルポンプによれば、オイルポンプが駆動されるとインナーロータとロータとが一体的に回転するので、その間に相対的な回転速度の差が生じない。従って、インナーロータとロータとの間に摩擦が生じない。また、アウターロータとロータとの間においてはそれぞれ回転速度が異なるが、本発明の構成によりアウターロータ及びロータが同方向に回転することになるので、相対的な回転速度の差が減少することになり、摩擦が減少する。従って、インナーロータを駆動させるのに無駄にエネルギーを消費することを抑えることができる。また、捩り振動を低減させるためにダンパをクランクシャフトに配置すると、その分スペースが必要となりエンジンが軸方向に長くなってしまうが、本発明ではインナーロータ及びアウターロータの保持をハウジング及びロータで行うことになり、従来蓋板で行われていたオイルポンプのインナーロータ及びアウターロータの保持の役割をロータが兼ねることになる。これにより、従来必要であった蓋板の分のスペースが要らなくなり、その分、エンジンのクランクシャフトに取り付けられる補機類が軸方向に短縮されて配置されて、クランクシャフトが短縮化され、それに伴いエンジンが軸方向に短縮化される。
また、オイルポンプが取り付けられたクランクシャフトの捩り振動が低減されることで、クランクシャフトの回転が安定し、クランクシャフトに取り付けられたオイルポンプのインナーロータの回転が安定する。これにより、オイルポンプの挙動が安定することになる。
また、アウターロータとロータとの間に、環状のシール部材が配置されている形態によれば、オイルポンプを駆動させる際にアウターロータとロータとの間の隙間がシール部材によってシールされ、その間からのオイルの漏れを少なく抑えることができる。従って、ポンプ効率が低下せず、また、オイルポンプの周辺にオイルが飛散することを防ぐことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係るオイルポンプが取り付けられているエンジンの一部を示す断面図である。図2は図1におけるII−II線に沿う断面図である。本実施形態のオイルポンプが適用されるエンジンは車両用であり、例えば直列4気筒の自動車用エンジンとして構成されている。本実施形態におけるエンジン本体1は、シリンダヘッド、シリンダブロック等の構造部材から構成されており、エンジン本体1には、これを長手方向に貫くようにしてクランクシャフト2が回転可能に配設されている。
クランクシャフト2は、その下方から、シリンダブロック3に不図示のボルトで締結されるクランクキャップ4によりクランクベアリング5を介して回転可能に支持されている。また、クランクシャフト2のさらに下方には、潤滑用オイルを貯留する不図示のオイルパンが取り付けられる。
図1に示すように、シリンダブロック3から突出するクランクシャフト2の軸端部には、オイルポンプ6、クランクスプロケット7及びクランクプーリ8が、順に取り付けられている。本実施形態のオイルポンプ6は、クランクシャフト2によって貫通されつつ、シリンダブロック3及びクランクキャップ4に対して、ボルト26によって取り付けられている。そして、クランクスプロケット7及びクランクプーリ8も同時に、クランクシャフト2に貫通されながらその軸端部に配置され、クランクプーリ取付ボルト9によってこれらの部材が共締めされて取り付けられている。これらは、クランクシャフト2の軸端部からオイルポンプ6にまで延設された不図示のスプラインに係合されて、クランクシャフト2に対して相対回転不能とされている。
なお、クランクスプロケット7には不図示のカムシャフトを駆動させるための不図示のタイミングチェーンが巻き付けられ、さらに、そのタイミングチェーンを覆うタイミングチェーンカバー10が取り付けられている。クランクプーリ8には、補機駆動用の不図示のベルトが巻回される。クランクプーリ8のボス部外周とタイミングチェーンカバー10との間には、オイルの漏れを阻止するオイルシール11が配置されている。
ここで、本実施形態におけるオイルポンプ6の構成についてさらに具体的に説明する。オイルポンプ6は、円形の陥凹部12が形成されシリンダブロック3に後述のようにボルト26で固定されるハウジング13を備え、陥凹部12の内側にアウターロータ16を有し、その内側にインナーロータ15を有している。インナーロータ15はその外周に外歯を有しており、アウターロータ16はその内周に内歯を有している。ハウジング13の円形陥凹部12には、基部16Aに対し内方に突出する形態で形成された内歯の歯部16Bを有するアウターロータ16の外周が陥凹部12の内周に摺接するように収納されており、アウターロータ16の内側には、インナーロータ15の外歯がアウターロータ16の内歯に噛み合うようにインナーロータ15が偏心して配置されている。本実施形態においては、ハウジング13において、インナーロータ15及びアウターロータ16を軸方向に支持する底壁部13aとアウターロータ16を半径方向に支持する円筒壁部13bとが一部材により一体に形成されている。なお、底壁部13aと円筒壁部13bとは別部材であっても良い。その場合には、陥凹部12はハウジング13に形成されるわけではなく、陥凹部12を有するように底壁部13aと円筒壁部13bとが組み立てられることになる。
オイルポンプ6のシリンダブロック3及びクランクキャップ4に対しての取り付けにおいては、シリンダブロック3に形成された孔3A及びクランクキャップ4に形成された孔4Aのそれぞれにボルト26が通され、ボルト26がハウジング13の底壁部13aに形成されたそれぞれのネジ穴26Aで締め付けられることで、ハウジング13がシリンダブロック3及びクランクキャップ4に固定される。これにより、オイルポンプ6がシリンダブロック3及びクランクキャップ4に対して取り付けられる。
さらに、本実施形態では、アウターロータ16の側面における基部16Aの少なくとも一部を含む内径側を覆い、後でも詳述するが、インナーロータ15と一体的に回転するように配置され、外周部にダンパが設けられたロータ14がクランクシャフト2に取り付けられている。このことにより、インナーロータ15及びアウターロータ16がハウジング13に形成された陥凹部12の内部に回転可能に保持される。本実施形態においては、ダンパとしてはビスカスダンパ17が用いられている。
ここで、アウターロータ16の側面における基部16Aの少なくとも一部を含む内径側とは、アウターロータ16におけるロータ14と当接する側の側面で、アウターロータ16の内歯の歯部16Bよりも半径方向外側部分の少なくとも一部を含み、そこから側面における内径側全ての領域であり、基部16Aは内歯の歯部16Bを含まない。また、ロータ14のビスカスダンパ17が形成されていない部分を円板部分14Aとする。本実施形態においては、ロータ14の円板部分14Aで、アウターロータ16を収容している陥凹部12を覆い、且つハウジング13の円筒壁13bを覆っている。そして、円板部分14Aの半径方向外側には、ビスカスダンパ17が形成されている。
ビスカスダンパ17は、ロータ14の外周部の周方向に沿って形成された環状の溝24と、溝24内に周方向に沿って移動可能に配置された環状の質量体25と、溝24に封入された粘性流体であるシリコンオイルとを備える。そして、溝24は蓋31によって閉止される。
溝24及び質量体25は略同じ形状であり、図2に示されるように円環状で、断面は矩形である。質量体25の前後それぞれの面には、周方向に等間隔で四箇所に計八つのスラストベアリング用凹部27が形成されている。これらスラストベアリング用凹部27にそれぞれ円板状のスラストベアリング28が嵌め込まれている。質量体25の内周面には、メインベアリング用凹部29が形成されている。このメインベアリング用凹部29に円環状且つ断面矩形のメインベアリング30が嵌め込まれる。
本実施形態においては、ビスカスダンパ17がロータ14に設けられることで、ビスカスダンパ17がタイミングチェーンカバー10の内側に配置されることになる。
オイルポンプ6のインナーロータ15及びロータ14は、両者共にクランクシャフト2に貫通されており、不図示のスプラインによってクランクシャフト2に相対回転不能に取り付けられている。インナーロータ15がクランクシャフト2に貫かれた状態で相対回転不能に取り付けられているので、クランクシャフト2が回転するとインナーロータ15がクランクシャフト2と共に回転する。このとき、ロータ14もクランクシャフト2に貫かれているので、インナーロータ15とロータ14とが一体的に回転するように配置されている。
本実施形態においては、図2に示すようにインナーロータ15が4枚の外歯を有しており、アウターロータ16が5枚の内歯を有している。そして、インナーロータ15の外歯及びアウターロータ16の内歯が噛み合った状態で、回転可能にハウジング13の内部に収納されている。インナーロータ15、クランクシャフト2及びロータ14の回転中心は一致しており、その回転中心を図2にAで示す。アウターロータ16の回転中心は、インナーロータ15の回転中心Aに対して偏心配置されており、その回転中心をBで示す。
エンジンの駆動の際には、シリンダ内部で不図示のピストンが往復運動し、クランクシャフト2によって往復運動が回転運動に変換されて駆動力を得る。このとき、クランクシャフト2が回転すると共に、ハウジング13の内部でクランクシャフト2に相対回転不能に取り付けられたインナーロータ15も同様に回転する。インナーロータ15が回転すると、インナーロータ15はその外歯がアウターロータ16の内歯に噛み合うように偏心配置されているので、インナーロータ15と噛み合ったアウターロータ16も回転する。インナーロータ15がアウターロータ16に対して偏心して噛み合った状態で両者が回転することによって、インナーロータ15とアウターロータ16との間の空間20でポンプ作用を発生させる。
本実施形態においては、インナーロータ15及びアウターロータ16は図2に示す矢印Cの方向へ回転するので、空間20aで容積が拡大され、空間20bで容積が縮小される。空間20aに連通するように、オイルポンプ6内部にオイルを取り込む吸入ポート21が形成され、空間20bに連通するように、オイルポンプ6からオイルを排出する排出ポート22が形成されている。容積の拡大が行われる空間20aでは、その内部の圧力が吸入ポート21よりも圧力が低くなることによって、オイルがオイルポンプ6の内部に取り込まれる。オイルポンプ6の空間20の内部に取り込まれたオイルは、インナーロータ15及びアウターロータ16の回転と共に排出ポート22へ押し出され、オイルポンプ6の外部へ排出される。
オイルポンプ6におけるインナーロータ15とアウターロータ16の間の空間20からの半径方向外側へのオイルの漏れは、アウターロータ16とロータ14との間が全周に亘って塞がれていることにより阻止される。また、ハウジング13の底壁部13aとインナーロータ15との間からの漏れが考えられるが、半径方向内側へのオイルの流れはあまり生じないため、そこでの漏れはわずかである。
本実施形態の構成によれば、ロータ14とインナーロータ15とが同じ回転速度で回転する。これにより、ロータ14とインナーロータ15との間に相対的な回転速度の差が生じず、それらの間に摩擦が生じない。また、本実施形態においては、インナーロータ15の外歯が4枚でアウターロータ16の内歯が5枚であるので、アウターロータ16はインナーロータ15に対して0.8倍の速度で回転することになる。従って、アウターロータ16の回転速度は、インナーロータ15と同じ回転速度で回転するロータ14の回転速度に対して差が生じることになり、それらの間には摩擦が生じることになる。しかし、アウターロータ16とロータ14との回転方向は同じなので、アウターロータ16とロータ14との間の相対的な速度の差は、従来の固定された蓋板に比べて減少する。従って、アウターロータ16とロータ14との間の摩擦が減少する。
このように、オイルポンプ6を駆動させた際に、オイルポンプ6の部品同士の摩擦が減少することになる。これにより、オイルポンプ6を回転駆動させるのに抵抗が少なくなり、無駄となるエネルギーの消費量が少なくなる。従って、オイルポンプ6の駆動の際に燃料の消費を少なく抑えることができ、エンジンの燃費が向上する。
このオイルポンプ6による燃費向上の効果は、特に、ユーザーの実用域といったクランクシャフトの低回転領域で大きい。こういったオイルポンプでの摩擦による燃費への影響はクランクシャフトの高回転領域では全体の燃費に対して影響は小さいが、ユーザーによる実用域といった低回転領域においては全体の燃費に対してこうした補機による燃料の消費の占める割合が比較的大きく、影響が比較的大きいからである。
また、オイルポンプ6内部での部品同士の磨耗が減少するので、部品同士の磨耗に起因する破損が減少し、オイルポンプ6の耐久性が向上する。
ここで、ハウジング13の円筒壁部13bとロータ14との間は、接触していなくとも良い。その代わりに、アウターロータ16が、ロータ14との間を全周に亘って塞ぐように配置されている。従って、オイルポンプ6の内部に吸入したオイルの半径方向に対しての漏れは、アウターロータ16とロータ14との間で阻止されることになる。アウターロータ16とロータ14との間でオイルの漏れを防ぐことができるのであれば、ハウジング13とロータ14との間は必ずとも接触しなくても良い。従って、ハウジング13とロータ14との間にはほとんど摩擦は生じず、生じたとしてもわずかである。
また、オイルポンプ6のインナーロータ15及びアウターロータ16をハウジング13と共に保持するという役割をロータ14が兼ねる構成となるので、クランクシャフト2上において従来必要であった蓋板の分のスペースが要らなくなる。従って、クランクシャフト2におけるシリンダブロック3から突出した部分の長さが短縮化される。これに伴い、クランクシャフト2の長さが短縮された分、エンジンも軸方向に短縮化される。
また、エンジンが加減速を行うと、フライホイール及びこれに連結された駆動系の慣性力によりクランクシャフト2に捩り振動が生じる。しかしながら、この際、ロータ14の外周部に形成された溝24の内部に封入されたシリコンオイル中で質量体25が周方向に沿って移動ないし振動するので、捩り振動が生じても、ビスカスダンパ17が捩り振動を吸収することができる。従って、クランクシャフト2の捩り振動によって生じるノイズが低減される。なお、この質量体25の運動時、スラストベアリング28及びメインベアリング30によって摩擦抵抗が軽減され、且つ移動が案内される。
さらに、本実施形態においては、ビスカスダンパ17はタイミングチェーンカバー10の内側に配置されるので、ビスカスダンパ17から発せられるノイズが車両の室内空間や車両外部に漏れることが抑えられるので、静粛性に優れたエンジンとすることができる。特に、ビスカスダンパ17の質量体25とシリコンオイルとを封入したロータ14及び蓋31がアルミ等の剛性が低い材料から形成されている場合、ビスカスダンパ17の構造がスピーカに似ることとなり、これにより発せられるノイズが大きくなる可能性があるので、特に効果的である。
また、クランクシャフト2に生じる捩り振動がビスカスダンパ17によって吸収されて捩り振動が低減されるので、インナーロータ15の回転が安定し、オイルポンプ6の挙動が安定する。
なお、本実施形態では、アウターロータ16のロータ14と当接する側の側面の基部16Aに、環状のシール用溝18が形成されている。そして、シール用溝18には、環状のシール部材であるシールリング19が配置されている。
この構成によれば、シール用溝18に環状のシール部材であるシールリング19が配置されているので、オイルポンプ6からの半径方向外側へのオイルの漏れが少なく抑えられ、オイルポンプ6のポンプ効率の低下が抑えられる。また、オイルポンプ6周辺へのオイルの飛散が抑えられる。
また、ロータ14の円板部分14Aは、本実施形態においてはハウジング13の底壁部13aを覆う大きさであるが、ロータ14の大きさはこれに限定されず、ロータ14の円板部分14Aでアウターロータ16の側面における基部16Aの少なくとも一部を含む内径側を覆うだけの大きさを最低限有していれば良い。そのために円板部分14Aに必用な半径の設定については、アウターロータ16による回転中心Bの、ロータ14の回転中心Aに対する偏心量が考慮される。図2の一点鎖線で示すように、アウターロータ16の回転中心Bがロータ14の回転中心Aに対して偏心している偏心量をR1、アウターロータ16の回転中心Bから基部16Aまでの距離をR2とすると、ロータ14が、円板部分14Aで偏心したアウターロータ16の基部16Aの少なくとも一部を含む内径側を覆うように形成されるに最低限必用なロータ14の半径は、R1+R2となる。ロータ14の円板部分14Aは、R1+R2よりも大きな半径を有していれば良い。
また、クランクシャフト2は、熱による収縮・膨張を考慮して、軸方向に数百μm程度移動することができるように、クランクシャフト2のカウンタウェイト2aとシリンダブロック3との間に隙間を設けて配置されている。仮に、エンジンが運転されているうちにクランクシャフト2の温度が上昇してクランクシャフト2が膨張した際に、クランクシャフト2が軸方向に移動するための余裕がなく配置されている場合には、クランクシャフト2が周囲の部品を軸方向に押し付け、再始動の際にクランクシャフト2が回転できない事態が考えられる。従って、熱によるクランクシャフト2の収縮・膨張が生じてもクランクシャフト2が回転可能なように、クランクシャフト2が軸方向に移動可能なように配置されている。
このように、クランクシャフト2が軸方向に移動可能なので、オイルポンプ6のハウジング13とロータ14との間に隙間が生じることが考えられる。ハウジング13とロータ14との間に隙間があると、この隙間からオイルが漏れ、オイルポンプ6のポンプ効率が低下してしまう。従って、このような隙間を吸収可能なように十分な太さを有したシールリング19であることが望ましい。アウターロータ16とロータ14との間に、隙間を吸収することができるシールリング19を配置することで、クランクシャフト2の熱による収縮・膨張によりクランクシャフト2が回転不能となることを防ぎつつ、ハウジング13とロータ14とが分離することにより生じる隙間からのオイルの漏れを防ぐことができ、ポンプ効率の低下を防ぐことができる。
また、図1、2に示される実施形態においては、インナーロータとロータとは別部材としたが、図3に示されるようにインナーロータとロータとが一体に形成されたロータ一体型インナーロータ23としても良い。このようにすることで、オイルポンプの部品点数が少なくなり、組立工程が簡単になる。図3については、図1、2に示される実施形態と同様の構成について図中同一符号を付し、詳細な説明を省略する。また、これと同様に、図1、2に示される実施形態においてはクランクスプロケットとロータとは別部材であったが、クランクスプロケットとロータとは共にクランクシャフトに貫かれて配置されており、それらの間に相対的な回転速度の差が生じないので、それらが一体に形成されていても良い。また、クランクスプロケットとロータとインナーロータとが一体に形成されていても良い。
なお、上記実施形態においては、ロータの外周部に設けられたダンパとしてビスカスダンパが用いられたが、これに限定されず、他のダンパが用いられても良い。例えば、ダンパプレートにゴム部材からなる慣性体が取り付けられたダンパが用いられても良い。
本発明の実施形態に係るエンジンの要部の断面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの図1のII−II線に沿う断面図である。 本発明の実施形態に係る別のエンジンの要部の断面図である。
符号の説明
1 エンジン本体
2 クランクシャフト
13 ハウジング
12 陥凹部
14 ロータ
15 インナーロータ
16 アウターロータ
17 ビスカスダンパ
19 シールリング
23 ロータ一体型インナーロータ

Claims (2)

  1. 円形の陥凹部を有するハウジングと、
    前記陥凹部に回転可能に収容され、内歯を有するアウターロータと、
    前記アウターロータの内歯に噛み合うように偏心配置され、外歯を有するインナーロータと、
    前記アウターロータの側面における基部の少なくとも一部を含む内径側を覆い、クランクシャフトに同軸に配置されて、前記インナーロータと一体的に回転し、外周部にダンパが設けられたロータと、を備えることを特徴とするエンジン用オイルポンプ。
  2. 前記アウターロータと前記ロータとの間に、環状のシール部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジン用オイルポンプ。
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