JP2008028982A - 印刷装置、画像データファイル処理装置、画像データファイルの選択方法、およびコンピュータプログラム - Google Patents

印刷装置、画像データファイル処理装置、画像データファイルの選択方法、およびコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】離散的な周波数成分の係数の形で画像を保持している画像データファイルを対象として、少ない負荷で画像データファイルの画像のぼやけ度を決定する。
【解決手段】画像の色の変化のパターンを表す複数の係数を含む画像データを取得する(S10)。色の変化の基本パターンを表す複数の基本係数をそれぞれ含む複数の基本パターンデータを準備する。そして、両者の比較に基づいて、複数の基本パターンデータの中から一つの選択基本パターンデータを選択する(S20)。その後、選択基本パターンデータに対応づけられた基本ぼやけ度に基づいて、画像データの画像のぼやけ度を計算する(S30〜S70)。
【選択図】図3

Description

この発明は、画像データファイルの画像のぼやけ度を決定する技術に関する。
従来より、複数の写真画像の中からピントが合っている画像を選択する技術が存在する。たとえば、ある従来技術においては、写真を撮影する際、撮像素子を基準位置から前後二つの位置に動かし、それぞれの位置で得られる画像について評価関数を計算する。そして、前後のうち評価関数の値が良好であった方に向かって、撮像素子の基準位置を変更する。そのような処理を繰り返して撮像素子の合焦位置を決定する。
評価関数は、以下のように計算される。すなわち、画像中の8画素×8画素のブロックについて周波数変換を行って、それぞれ8×8個の周波数成分akl(k=1〜8、l=1〜8)を得る。各ブロックの「8×8個の周波数成分akl(k=1〜8、l=1〜8)のうち高周波成分(k+l>9)の絶対値の合計を、低周波成分(k+l<7)の絶対値の合計で割った値」の合計が評価関数である。このような技術に関する文献として特許文献1がある。
特開平4−170872号公報
また、ある従来技術においては、画像がぼけているか否かの判定を行う際に、以下のような処理を行う。すなわち、画像中の対象画素と、その対象画素に対してX方向およびY方向に隣接する画素と、の明るさの差fx,fyの2乗和の平方根g(x,y)を計算する。そして、画像中の全画素についてのg(x,y)の平均値を「シャープ度合いSL」として計算する。そのSLの大きさに基づいて画像がぼけているか否かの判定を行う。このような技術に関する文献として特許文献2がある。
特開平10−340332号公報
しかし、前者の技術は、8×8個の周波数成分akl(k=1〜8、l=1〜8)のうち高周波成分(k+l>9)である28個の成分と、低周波成分(k+l<7)である21個の成分との合計48個の成分を、各画像の全ブロックについて演算する必要がある。すなわち、演算量が膨大であり処理の負荷が大きい。また、この技術は、構図が同じ画像同士の比較に適用されるべき技術である。
一方、後者の技術は、BMP形式のように画像を各画素についての色情報として保持するのではなく、画像を離散的な周波数成分の係数の形で保持しているJPEG形式の画像には、直接適用することができない。すなわち、画像データがJPEG形式のデータである場合は、いったん画像全体を、各画素について色情報を有している形式(たとえばBMP形式)に変換しなければならない。よって、処理の負荷が大きくなる。
本発明は、上記の課題を取り扱うためになされたものであり、離散的な周波数成分の係数の形で画像を保持している画像データファイルを対象として、少ない負荷で画像データファイルの画像のぼやけ度を決定できる。
上記目的を達成するために、本発明は、画像データの画像のぼやけ度を計算する際に以下のような処理を行う。なお、「ぼやけ度」とは、画像がどの程度ぼやけているかを表すパラメータであって、画像がよりぼやけているほど大きな値を有するパラメータである。
画像データは、所定の方向に沿った画像の色の変化のパターンを表す複数の係数を含む画像データである。そして、画像データに含まれる複数の係数が、それぞれ異なる周波数成分に対応する係数である。なお、画像の色の変化のパターンは、輝度(明度)の変化のパターンとすることができる。また、画像の色の変化のパターンは、RGBやYCrCbの各色成分の値の変化のパターンとすることもできる。
画像データの画像のぼやけ度を計算する際には、まず、所定の方向に沿った画像の色の変化のパターンを表す複数の係数を含む画像データであって、複数の係数はそれぞれ異なる周波数成分に対応する係数である画像データを取得する。また、色の変化の基本パターンを表す複数の基本係数をそれぞれ含む複数の基本パターンデータを準備する。複数の基本係数は、それぞれ異なる周波数成分に対応する係数である。基本パターンデータは、色の境界部分におけるぼやけ度を表す基本ぼやけ度を表すデータを含む。
そして、画像データに含まれる複数の係数と、複数の基本パターンデータにそれぞれ含まれる複数の基本係数と、の比較に基づいて、複数の基本パターンデータの中から一つの選択基本パターンデータを選択する。なお、画像データに含まれる複数の係数と複数の基本計数との「比較」には、画像データに含まれる複数の係数と複数の基本計数との直接的な比較のほか、複数の係数に所定の処理を行って得た複数の数と、複数の基本計数との間で行われる間接的な比較も含まれる。その後、選択基本パターンデータに対応づけられた基本ぼやけ度に基づいて、画像データの画像のぼやけ度を計算する。
このような態様によれば、離散的な周波数成分の係数の形で画像を保持している画像データファイルを対象として、少ない負荷で画像データファイルの画像のぼやけ度を決定できる。
なお、本発明は、複数の画像データの中から、画像データの候補を選択して印刷する印刷装置として構成することもできる。その印刷装置は、データ取得部と、基本パターンメモリと、基本パターン選択部と、候補決定部と、印刷部と、を備える。
データ取得部は、複数の画像データの中から一つの画像データを取得することができる。基本パターンメモリは、色の変化の基本パターンを表す複数の基本係数をそれぞれ含む複数の基本パターンデータを格納することができる。なお、複数の基本係数は、それぞれ異なる周波数成分に対応する係数である。そして、基本パターンデータは、色の境界部分におけるぼやけ度を表す基本ぼやけ度を表すデータを含む。
基本パターン選択部は、取得された画像データに含まれる複数の係数と、基本パターンメモリに格納された複数の基本パターンデータにそれぞれ含まれる複数の基本係数と、の比較に基づいて、複数の基本パターンデータの中から一つの選択基本パターンデータを選択する。候補決定部は、選択基本パターンデータに対応づけられた基本ぼやけ度に基づいて画像データのぼやけ度を計算し、ぼやけ度に基づいて取得された画像データを候補とするか否かを決定する。印刷部は、候補として選択された画像データを印刷する。
このような態様とすれば、離散的な周波数成分の係数の形で画像を保持している複数の画像データの中から、少ない負荷で、画像データの候補を選択して印刷することができる。
なお、基本パターン選択部は、所定の第1の条件が満たされた場合に、画像データの画像の一部の領域である対象領域内の所定の方向に沿った画像の色の変化のパターンを表す複数の係数と、基本パターンメモリに格納された複数の基本パターンデータにそれぞれ含まれる複数の基本係数と、の比較に基づいて、選択基本パターンデータを選択することができる。
また、候補決定部は、選択基本パターンデータの基本ぼやけ度に基づいて対象領域の部分ぼやけ度を決定することができる。そして、候補決定部は、取得された画像データの画像に含まれる複数の対象領域の部分ぼやけ度に基づいて、取得された画像データを候補とするか否かを決定することができる。このような態様とすれば、画像中の各部分の部分ぼやけ度を考慮して、その画像全体のぼやけ度を計算することができる。
なお、画像中の各対象領域について選択基本パターンデータを選択するのではなく、画像の全体と各基本パターンとの対比を行って、選択基本パターンデータを選択する態様とすることもできる。
また、基本係数は、周波数成分のうち交流成分に対応する係数とすることが好ましい。そして、基本パターン選択部は、対象領域の複数の係数のうち交流成分に対応する係数と、複数の基本パターンデータにそれぞれ含まれる複数の基本係数と、の比較に基づいて、選択基本パターンデータを選択することが好ましい。
このような態様とすれば、色の絶対的な濃淡や明暗の程度に左右されることなく、色のパターンと基本パターンとの比較を行うことができる。このため、比較のために用意すべき基本パターンデータの数を少なくすることができる。
なお、複数の基本係数は、いずれも正の数であって合計が一定値となる係数とすることが好ましい。そして、基本パターン選択部は、さらに、対象領域について、各周波数成分の絶対値の大きさの比に基づいて、合計が一定数となるように各周波数成分に対応する係数を計算することが好ましい。
このような態様とすれば、色(輝度を含む)の変化幅の絶対的な大きさに左右されることなく、色のパターンと基本パターンとの比較を行うことができる。このため、比較のために用意すべき基本パターンデータの数を少なくすることができる。
なお、複数の基本パターンデータは、所定の順位のデータを有していることが好ましい。そして、基本パターン選択部は、以下のような処理を行うことが好ましい。すなわち、選択基本パターンデータを選択する際に、その順位にしたがって、順に複数の基本パターンデータの複数の基本係数を対象領域の複数の係数と比較する。そして、複数の基本係数と複数の係数との相違が所定の基準よりも小さい最初の基本パターンを、選択基本パターンデータとして選択する。
このような態様とすれば、すべての基本パターンデータの基本係数と、対象領域の係数とを比較することなく、対象領域の複数の係数とある程度近似する複数の基本係数を有する選択基本パターンデータを選択することができる。
また、複数の基本係数は、色の変化の基本パターンとして、所定の区間内において、第1の値から第2の値へ輝度が変化する輝度の変化のパターンを表す係数とすることが好ましい。そして、基本ぼやけ度は、所定の区間内において、第1の値から第2の値へ輝度が変化する区間の幅に対応する値とすることが好ましい。
そして、第1の対象領域に基づいて選択された第1の選択基本パターンデータにおいて輝度が変化する区間と、第1の対象領域に対して所定の方向に並んで隣接する第2の対象領域に基づいて選択された第2の選択基本パターンデータにおいて輝度が変化する区間とが、それぞれ対象領域の所定の区間内において他方の対象領域の側の端に位置し、かつ、輝度の変化の向きが同じである場合には、候補決定部は、以下のような処理を行うことが好ましい。
すなわち、候補決定部は、第1と第2の対象領域の少なくとも一方の部分ぼやけ度を、第1と第2の選択基本パターンデータの基本ぼやけ度の和に基づいて計算する。このような態様とすれば、画像中で互いに異なる色を有する領域の境界が対象領域をまたいでぼやけている場合にも、部分ぼやけ度を計算することができる。
基本パターン選択部は、さらに、以下のような場合にも、第1と第2の対象領域の少なくとも一方の部分ぼやけ度を、第1と第2の対象領域の選択基本パターンデータの基本ぼやけ度の和に基づいて計算することが好ましい。その場合とは、第1と第2の選択基本パターンデータにおいて、輝度が変化する区間が、所定の区間のそれぞれ他方の対象領域の側の端から所定値以下の幅だけ内側の位置まで存在し、かつ、輝度の変化の向きが同じである場合である。
画像データについてあらかじめ行われた画像処理において、対象領域の端に、本来生じるべきではない輝度一定の部分が生じてしまうことがある。しかし、上記のような態様とすれば、そのような対象領域についても、適切に部分ぼやけ度を計算することができる。
なお、複数の基本パターンの所定の区間の大きさは互いに等しい大きさとすることができる。このような態様においては、対象領域の係数と基本パターンデータの基本係数との対比において、基本パターンの領域の大きさを考慮する必要がない。このため、対象領域の係数と基本パターンデータの基本係数との対比を容易に行うことができる。
なお、対象領域の所定の区間の大きさは、画像データの画素8個分とすることが好ましい。JPEG形式の画像データが有するDCT係数は、8画素×8画素の対象領域に関する係数である。このため、上記のような態様とすれば、容易に、対象領域の色の変化のパターンと基本パターンデータのパターンとの対比を行うことができる。
なお、複数の基本パターンが、所定の区間の大きさが互いに異なる基本パターンを含む態様とすることもできる。このような態様とすれば、大きさ(画素数)の異なるさまざまな色の変化パターンに対して、複数の基本パターンの中から近似する基本パターンを選択することができる。
また、第1の条件は、対象領域の複数の係数の絶対値の合計が所定の基準値よりも大きいこと、とすることが好ましい。このような態様とすれば、色の変化の少ない領域については、選択基本パターンデータを選択する処理を省略することができる。このため、画像のぼやけ度を計算する処理の負荷を低減することができる。
なお、基本パターン選択部は、さらに、第1の条件が満たされなかった場合であって所定の第2の条件が満たされた場合に、互いに隣接する二つの対象領域の輝度の差に基づいて選択基本パターンデータを選択することが好ましい。より具体的には、輝度の差が所定値を超える場合には、基本パターンデータの中から基本ぼやけ度が最も小さい基本パターンデータを、選択基本パターンデータとして選択することが好ましい。
このような態様とすれば、色の境界が対象領域の境界と重なっている場合にも、その色の境界について、選択基本パターンデータを適切に対応づけることができる。なお、第2の条件は、上記の色の変化のパターンに関する所定の方向に沿って隣接する二つの対象領域について、いずれも複数の係数の絶対値の合計が所定の基準値よりも小さいこととすることが好ましい。
また、候補決定部は、部分ぼやけ度を決定する際に、以下のような処理を行うことが好ましい。すなわち、色の変化のパターンに関する所定の方向の一つとしての画像の水平方向に沿った対象領域の画像の色の変化のパターンを表す複数の係数に基づいて選択基本パターンデータを選択する。そして、選択基本パターンデータの基本ぼやけ度に基づいて対象領域の水平ぼやけ度を計算する。一方、色の変化のパターンに関する所定の方向の一つとしての画像の垂直方向に沿った対象領域の画像の色の変化のパターンを表す複数の係数に基づいて選択基本パターンデータを選択する。そして、選択基本パターンデータの基本ぼやけ度に基づいて対象領域の垂直ぼやけ度を計算する。
その後、候補決定部は、水平ぼやけ度および垂直ぼやけ度に基づいて対象領域の部分ぼやけ度を決定する。このような態様とすれば、互いに90度をなす2方向についてのぼやけ度を考慮して、画像のぼやけ度を決定することができる。
候補決定部は、水平ぼやけ度および垂直ぼやけ度のうち大きい方に基づいて対象領域の部分ぼやけ度を決定することが好ましい。このような態様によれば、画像がある方向にぶれている場合や、何らかの理由によって水平ぼやけ度および垂直ぼやけ度の一方が間違って小さい値に計算されてしまった場合にも、画像のぼやけ度を適切に決定することができる可能性が高い。
なお、候補決定部は、取得された画像データの画像に含まれる所定の大きさの領域であって、部分ぼやけ度が第1の基準値よりも小さい対象領域を、第2の基準値よりも多く含む領域が存在する場合に、取得された画像データを候補とする、ことが好ましい。
このような態様とすれば、画像データの画像中に輪郭が明瞭な領域があれば、他の領域において輪郭が明瞭ではなくても、その画像データを印刷対象の候補とすることができる。なお、所定の大きさの領域は、画像をL版に印刷したときに縦0.4〜1.6cm×横0.4〜1.6cmの領域とすることが好ましい。
また、第1および第2の基準値は、画像データの画像の画素数と、画像データの画像を印刷する際の大きさと、に基づいて定められることが好ましい。画像データの1画素が印刷の際に表現される大きさによって、ある画像がぼやけているか否かについての人間による判定の結果が異なる場合があるためである。
なお、複数の基本パターンデータが、それぞれ1以上の基本パターンデータを含む複数の基本パターンデータグループに分類されている態様とすることもできる。そのような態様において、基本パターン選択部は、選択基本パターンデータを選択する際に、画像データの複数の係数のうちの一部に基づいて、複数の基本パターンデータグループの中の一つを選択するグループ選択部を備えることが好ましい。そして、基本パターン選択部は、画像データに含まれる複数の係数と、選択された基本パターンデータグループの基本パターンデータに含まれる複数の基本係数と、の比較に基づいて、複数の基本パターンデータの中から一つの選択基本パターンデータを選択することが好ましい。
このような態様とすれば、あらかじめ係数の比較を行う基本パターンの数を限定することができる。よって、すべての基本パターンについて係数の比較を行う態様に比べて、処理の負担を少なくすることができる。
上記の態様においては、以下のような処理を行うことが好ましい。すなわち、基本パターン選択部は、所定の第1の条件が満たされた場合に、画像データの画像の一部の領域である対象領域内の所定の方向に沿った画像の色の変化のパターンを表す複数の係数と、基本パターンメモリに格納された複数の基本パターンデータにそれぞれ含まれる複数の基本係数と、の比較に基づいて、選択基本パターンデータを選択する。そして、候補決定部は、選択基本パターンデータの基本ぼやけ度に基づいて対象領域の部分ぼやけ度を決定する。そして、候補決定部は、取得された画像データの画像に含まれる複数の対象領域の部分ぼやけ度に基づいて、取得された画像データを候補とするか否かを決定する。また、基本係数は、周波数成分のうち交流成分に対応する係数とすることができる。そして、基本パターン選択部は、対象領域の複数の係数のうち交流成分に対応する係数と、複数の基本パターンデータにそれぞれ含まれる複数の基本係数と、の比較に基づいて、選択基本パターンデータを選択する。
さらに、複数の基本係数は、絶対値の合計が一定値となる係数とすることができる。そして、そのような態様においては、基本パターン選択部は、さらに、対象領域について、各周波数成分に基づいて、絶対値の合計が一定値となるように各周波数成分に対応する係数を計算することが好ましい。
このような態様においては、絶対的な大きさが異なる輝度変化パターンに対して、輝度変化の大きさによらず、一定数に限定された基本パターンデータの中から選択基本パターンデータを選択することができる。そして、交流成分に対応する係数が正である対象領域と負である対象領域とを区別して、選択基本パターンデータを選択することができる。
なお、グループ選択部は、複数の係数のうち、周波数成分のうち1番目と2番目に低周波の交流成分に対応する係数の符号に基づいて、複数の基本パターンデータグループの中の一つを選択することが好ましい。
このような態様とすれば、対象領域内の各画素位置の色の濃度を計算して基本パターンデータグループを選択する態様に比べて、少ない負荷で基本パターンデータグループを選択することができる。
また、基本パターン選択部は、所定の第1の条件が満たされた場合に、画像データの画像の一部の領域である対象領域内の所定の方向に沿った画像の色の変化のパターンを表す複数の係数と、基本パターンメモリに格納された複数の基本パターンデータにそれぞれ含まれる複数の基本係数と、の比較に基づいて、選択基本パターンデータを選択することが好ましい。
そして、候補決定部は、以下の処理を行うことが好ましい。すなわち、候補決定部は、選択基本パターンデータの基本ぼやけ度に基づいて、取得された画像データの画像に含まれる対象領域の部分ぼやけ度を決定する。また、候補決定部は、対象領域の上記の複数の係数に基づいて、対象領域における色の濃度の最大値と最小値の差に対応する第1の評価値を決定する。そして、候補決定部は、取得された画像データの画像に含まれる複数の対象領域に関する第2の評価値を、その複数の対象領域に含まれる各対象領域の第1の評価値に基づいて決定する。その後、候補決定部は、第2の評価値が所定の第2の条件を満たす場合に、それら複数の対象領域に含まれる各対象領域の部分ぼやけ度に基づいて、取得された画像データを候補とするか否かを決定する。
このような態様とすれば、画像中の色の濃度の差を考慮して、複数の対象領域の部分ぼやけ度に基づいて各対象領域の部分ぼやけ度を決定するか否かを決定することができる。よって、異なる色の領域の境界ではない部分を境界として扱って決定された、複数の対象領域の部分ぼやけ度に基づいて、画像データに関する決定を行ってしまう可能性を低減することができる。
なお、第2の条件は、たとえば、第2の評価値と所定のしきい値との比較に基づいて行うことができる。第2の評価値が、他の条件が同じであれば、第1の評価値が大きい値であるほど大きい値となる評価値である場合には、「第2の評価値が所定のしきい値よりも大きいこと」を、第2の条件とすることができる。また、第2の評価値が、他の条件が同じであれば、第1の評価値が大きい値であるほど小さい値となる評価値である場合には、「第2の評価値が所定のしきい値よりも小さいこと」を、第2の条件とすることができる。
すなわち、第2の条件は、条件の具備について判定する際に、第2の評価値を使用する何らかの判定条件であればよい。
複数の対象領域は、所定の方向に沿って連続して存在する複数の対象領域であって、選択基本パターンデータに関する所定の条件を満たす複数の対象領域とすることができる。
このような態様とすれば、画像中で複数の対象領域にまたがる部分であって一方向に沿って色の濃度が変化する部分について、その部分の色の濃度の変化量を考慮して、部分ぼやけ度に関する決定を行うことができる。すなわち、その部分に含まれる各対象領域の部分ぼやけ度を、複数の対象領域の部分ぼやけ度に基づいて決定するか否かを、その部分の色の濃度の変化量を考慮して決定することができる。よって、異なる色の領域の境界ではない部分を異なる色の領域の境界として扱って、画像データに関する決定を行ってしまう可能性を低減することができる。なお、第2の評価値は、たとえば、上記の複数の対象領域に含まれる各対象領域の第1の評価値の合計値とすることができる。
選択基本パターンデータに関する所定の条件は、以下の条件を少なくとも一部として含むことが好ましい。その条件とは、選択基本パターンデータが表す基本パターンが、基本パターンの少なくとも一方の端において輝度が変化する部分を含む、という条件である。
このような態様とすれば、ある対象領域が、連続的に色の濃度が変化する部分に含まれる対象領域であるか否かを正確に判断することができる。
なお、「条件Aは、条件a1を少なくとも一部として含む」には、「条件Aを満たすためには必ず満たす必要がある条件(アンド条件)として、条件a1を含む」態様と、「条件Aを満たすためには、条件a1と他の1以上の条件のうちの少なくとも一つを満たせばよい、という条件(オア条件)として条件a1を含む」態様と、の両方が含まれる。
さらに、条件Aがそれらの下位の条件(アンド条件およびオア条件)の組合せで構成される態様も含まれる。すなわち、「条件Aは、条件a1を少なくとも一部として含む」とは、「あらゆる対象について条件Aを満たすか否かを判定するためには、条件a1を満たすか否かについての判定が必要となる」という関係を表す。
なお、候補決定部は、対象領域の係数であって周波数成分のうち交流成分に対応する係数の絶対値の和の、選択基本パターンデータの基本係数であって周波数成分のうち交流成分に対応する係数の絶対値の和に対する比に基づいて、第1の評価値を得ることが好ましい。
このような態様とすれば、各画素位置の色の濃度を計算して、対象領域における色の濃度の最大値と最小値の差に対応する第1の評価値を計算する態様に比べて、少ない負荷で第1の評価値を計算することができる。なお、上記の比をさらに2√2で割ることによって第1の評価値を得ることが好ましい。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、印刷方法および印刷装置、印刷制御方法および印刷制御装置、写真画像データの画像がぼやけているか否かを決定する方法およびその方法を実施する装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
A.第1実施例:
図1は、本発明の第1実施例であるプリンタ1を示す斜視図である。プリンタ1は、外部のコンピュータに接続されることなく、単独で記憶媒体に格納された画像データファイルに基づいて、印刷を行うことができるプリンタである。このプリンタ1は、インク滴を吐出して印刷を行う印刷ヘッド(図示せず)と、印刷用紙を供給するためのオートシードフィーダ20と、画像が印刷された印刷用紙を受ける排紙トレイ30と、液晶ディスプレイ40と、各種の操作を行うためのボタン群50と、メモリカードを挿入されデータを読み取るためのカードスロット70と、CPU100と、メインメモリ150と、ROM160と、を備えている。なお、図1においては、説明を分かりやすくするために、CPU100、メインメモリ150およびROM160をプリンタ1の外部に表示している。
カードスロット70は、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード、SDカード、miniSDカード、メモリースティック、スマートメディアカードなどのメモリカードMCを、スロットに直接挿入され、またはアダプタを介して挿入されることができる(図1の矢印A1参照)。そして、CPU100は、カードスロット70を介してそれらのメモリカードMCに格納された複数の画像データファイルを取得することができる。
図2は、液晶ディスプレイ40とボタン群50とが設けられた操作パネルを拡大して示す平面図である。操作パネルの中央には、2.5インチサイズの液晶ディスプレイ40が設けられている。液晶ディスプレイ40は、カラーの画像を表示することができる。液晶ディスプレイ40は、たとえば、メモリカードMCに格納された画像データファイルの画像を表示することができる。液晶ディスプレイ40は、また、たとえば、プリンタ1の状態を示す情報や、ユーザがボタン群50を介してプリンタ1に指示を入力する際に使用される操作用メニューを表示することができる。
なお、液晶ディスプレイ40にユーザーインターフェイス画面を表示してユーザによる指示の入力を促し、また、ボタン群50を介してユーザからの指示を受け取るCPU100の機能部を、ユーザーインターフェイス部105として図1に示す。
液晶ディスプレイ40の両側には、各種の操作を行うためのボタン52〜62が設けられている。これらをまとめてボタン群50と総称する。電源ボタン52は、プリンタ1の電源をON/OFFするためのボタンである。モードボタン群54は、ユーザがプリンタの動作モードを切り換えるための複数のボタンである。一つの動作モードに一つのボタンが対応している。設定ボタン56は、プリンタ1の各種のメンテナンスやの各モードの動作設定を行う際に押すボタンである。
メニューボタン群58は、液晶ディスプレイ40に表示された各種の数値やアイコンを操作するための複数のボタンである。スタートボタン群60は、カラー印刷を行うかモノクロ印刷を行うかを選択するための二つのボタン601,602である。カラー印刷とモノクロ印刷それぞれに一つのボタンが対応している。ストップボタン62は、プリンタ1が実行している動作を中止させるためのボタンである。
メニューボタン群58は、液晶ディスプレイ40に提示された設定内容を了解する旨の入力を行うためのOKボタン582と、液晶ディスプレイ40に1ステップ前に表示されていた内容を表示させるための戻るボタン584と、液晶ディスプレイ40に表示されている複数のアイコンやメニューの中から一つを選択するための4個のボタンからなる選択ボタン群586と、印刷を行う印刷用紙の枚数を設定するための印刷枚数ボタン群588と、を含んでいる。このようなボタン群を備えることで、ユーザは、比較的小さいディスプレイしか装備されないプリンタ1においても、簡易に、メモリカードに格納された画像データファイルを選択して印刷を行うことができる。
図2の中央の液晶ディスプレイ40には、プリンタ1のカードスロット70に、画像データファイルを格納したメモリカードMCが挿入され(図1の矢印A1参照)、モードボタン群54の中の「メモリカード」ボタンが押されたときの表示が示されている。液晶ディスプレイ40の上段には、「すべて印刷」M11、「選んで印刷」M12、「おまかせ印刷」M13の3種のメニューが表示されている。「おまかせ印刷」のメニューM13は、枠S1で囲まれている。図2の状態は、暫定的に「おまかせ印刷」M13が選択されている状態である。
液晶ディスプレイ40の下段には、この時点で暫定的に選択されている「おまかせ印刷」の処理内容を説明する表示M21が表示されている。「おまかせ印刷」とは、メモリカードの中に格納された複数の画像データファイルの中から印刷装置が自動的に画像データファイルを選択して印刷する処理である。液晶ディスプレイ40に図2の表示がされている状態において、ユーザは、選択ボタン群586(図2参照)を操作して、「おまかせ印刷」の選択を確定し、プリンタ1に「おまかせ印刷」を実行させることができる。
図3は、「おまかせ印刷」の処理内容を示すフローチャートである。図3では、液晶ディスプレイ40に図2の表示がされている状態において、ユーザによってカラー印刷用ボタン601またはモノクロ印刷用ボタン602が押された後にCPU100によって行われる処理を示す。
ステップS10では、CPU100は、メモリカードMCからメインメモリ150に一つの画像データファイルを読み出す。なお、メモリカードMCから読み出される画像データファイルは、JPEG形式の画像データファイルである。このステップS10の機能を奏するCPU100の機能部を、データ取得部110として図1に示す。
図4は、JPEG形式の画像データが格納している対象領域の画像についてのDCT係数を示す図である。JPEG形式の画像データは、画像の領域を分割して得られる8画素×8画素の小領域である各対象領域の画像について、離散的な複数の周波数の周波数成分を表す係数(DCT係数)F00〜F77を格納している。このDCT係数は、対象領域の画像を各画素の輝度で表したデータについて離散コサイン変換(Discrete Cosine Transform, DCT)を行うことで得られる。DCT係数は、各対象領域について、それぞれ[垂直方向の周波数についての8行]×[水平方向の周波数についての8列]の合計64個格納されている。
なお、JPEG形式の白黒の画像データは、輝度についての上記のDCT係数を保持している。また、JPEG形式のカラーの画像データは、YCrCb表色系のY成分(輝度)、Cr成分(赤−緑成分)、Cb成分(青−黄成分)のそれぞれのDCT係数を保持している。
図3のステップS20では、エッジパターンマッチングが行われる。なお、ステップS20とS30の処理は、それぞれ画像の水平方向と垂直方向について行われる。本実施例では、まず、画像の水平方向についてステップS20とS30の処理が行われ、その後、ステップS40における判定を経て、画像の垂直方向についてステップS20とS30の処理が行われる。
ステップS20のエッジパターンマッチングにおいては、画像データファイル中の画像の8画素×8画素の各対象領域について、複数の基本パターンの中から対応する基本パターンが選択され、対応づけられる。また、その際、輝度変化の向きも決定される。さらに、各対象領域について、水平部分ぼやけ度Bbhと、垂直部分ぼやけ度Bbvが計算される。エッジパターンマッチングについては、後に詳しく説明する。このステップS20のエッジパターンマッチングの機能を奏するCPU100の機能部を、基本パターン選択部120として図1に示す。
ステップS30では、エッジの連結処理が行われる。エッジの連結処理においては、画像中において、ある色の領域と他の色の領域とが接する境界、すなわち画像中である色を有する物体の端(エッジ)に関して、以下のような処理が行われる。
まず、水平方向または垂直方向について、複数の対象領域を経て、ある色から他の色へ色が変化する場所(対象領域)が特定される。ある色から他の色へ色が変化する場所とは、すなわち、ある色の領域と他の色の領域とが接する境界である。よって、そのような境界は、対象領域一つ分の幅(8画素分)を超えてぼやけているということである。そのような対象領域が特定された後、それらの対象領域の水平部分ぼやけ度Bbhと、垂直部分ぼやけ度Bbvが改変される。エッジの連結処理については、後に詳しく説明する。
ステップS40では、画像の水平方向と垂直方向の両方についてステップS20,S30の処理が行われたか否かの判定が行われる。まだ垂直方向についてステップS20,S30の処理が行われていない場合は、処理はステップS20に戻り、垂直方向についてステップS20,S30の処理が行われる。画像の水平方向と垂直方向の両方についてステップS20,S30の処理が行われた場合には、処理はステップS50に進む。
ステップS50では、各対象領域について、対象領域の水平部分ぼやけ度Bbhと、垂直部分ぼやけ度Bbvのうち、大きい方をその対象領域の部分ぼやけ度Bbとする。
ステップS60では、各対象領域が合焦であるか否か、すなわち、「ピントが合っている対象領域」であるか否かが判定される。ステップS60では、部分ぼやけ度Bbが所定のしきい値Thbbよりも小さい対象領域を「ピントが合っている対象領域」であると判定する。
以下、ピントが合っていると判定された対象領域を「合焦領域」と呼ぶ。一方、部分ぼやけ度Bbが所定のしきい値Thbb以上である対象領域は、「ピントが合っていない対象領域」であると判定される。以下、ピントが合っていないと判定された対象領域を「非合焦領域」と呼ぶ。
なお、対象領域の分類としては、「合焦領域」および「非合焦領域」以外に、「平坦領域」が存在する。各対象領域が「平坦領域」であるか否かは、エッジパターンマッチング(ステップS20)およびエッジの連結処理(ステップS30)において決定される。たとえば、ある対象領域内に色と色の境界が存在しない場合に、その対象領域は「平坦領域」とされる。「平坦領域」については後に説明する。
ステップS70においては、画像中の合焦領域の数に基づいて、画像のぼやけ度Rfが計算される。具体的には、以下の式(1)に示すように、画像中の合焦領域の数Nfを、合焦領域の数Nfと非合焦領域の数Nnの和で割って得られる割合Rfを計算する。その際、平坦領域は考慮されない。この合焦領域の割合Rfが、画像データファイルの画像のぼやけ度である。
Rf=Nf/(Nf+Nn) ・・・ (1)
ステップS80では、画像が合焦であるか否か、すなわち、「ピントが合っている画像」であるか否かが判定される。ステップS80では、画像のぼやけ度Rfが所定のしきい値Thrf以上である場合に、その画像を全体として「ピントが合っている」と判定する。以下、ピントが合っていると判定された画像を「合焦画像」と呼ぶ。一方、ピントが合っていると判定されなかった画像を「非合焦画像」と呼ぶ。なお、ステップS30〜S80までの機能を奏するCPU100の機能部を、候補決定部130として図1に示す。
ステップS90では、現在、処理の対象としている画像データファイルの画像が合焦画像であるか否かに応じて、次に行う処理を決定する。画像データファイルの画像が合焦画像である場合は、ステップS100において、この画像データファイルの画像が印刷される。一方、画像データファイルの画像が非合焦画像である場合は、ステップS100の処理はスキップされる。なお、ステップS100の機能を奏するCPU100の機能部を、印刷部110として図1に示す。
ステップS110では、メモリカード中のすべての画像データファイルについてステップS10〜S90の処理が行われたか否かが判定される。まだ、ステップS10〜S90の処理が行われていない画像データファイルがメモリカード中にある場合は、処理は再びステップS10に戻る。ステップS10では、まだステップS10〜S90の処理が行われていない画像データファイルの中から一つの画像データファイルが読み出される。一方、メモリカード中のすべての画像データファイルについてステップS10〜S90の処理が行われた場合には、おまかせ印刷の処理は終了する。
以上で説明した図3の処理を行うことで、プリンタ1は、メモリカードの画像データファイルの中から、自動的に合焦画像の画像データファイルのみを選択して印刷することができる。
図5は、エッジパターンマッチングの処理内容を示すフローチャートである(図3のステップS20参照)。ここでは、水平方向についてエッジパターンマッチングが行われる場合を例に説明をする。垂直方向についてエッジパターンマッチングが行われる場合も同様の処理が行われる。
まず、図4を用いて、JPEG形式の画像データファイルのDCT係数についてさらに説明する。DCT係数F00は、その対象領域(8画素×8画素)の輝度の平均値に対応する。この係数F00を「DC成分」と呼ぶことがある。
一方、他の63個のDCT係数F01〜F77を「AC成分」と呼ぶことがある。これらのDCT係数F01〜F77は、対象領域の画素の輝度の濃淡のパターンを各周波数のコサイン波の重ね合わせで近似して表す際の、各周波数成分を表す。
図において水平方向に並ぶ7個のDCT係数F01〜F07は、対象領域の画素の輝度をそれぞれ垂直方向について平均して得られる水平方向の輝度の濃淡のパターンを、互いに異なる周波数のコサイン波の重ね合わせで近似して表すときの、各周波数成分を表す。図4において、右にある係数ほど高周波の周波数成分を表し、左にある係数ほど低周波の周波数成分を表す。
一方、図において垂直方向に並ぶ7個のDCT係数F10〜F70は、対象領域の画素の輝度をそれぞれ水平方向について平均して得られる垂直方向の輝度の濃淡のパターンを、互いに異なる周波数のコサイン波の重ね合わせで近似して表すときの、各周波数成分を表す。図4において、下にある係数ほど高周波の周波数成分を表し、上にある係数ほど低周波の周波数成分を表す。
図5のステップS310では、ある対象領域の水平方向の8個のDCT係数F00〜F07が取得される。そして、ステップS320では、そのうちのAC成分のDCT係数F01〜F07の絶対値の和Sfhが計算される。
Figure 2008028982
ステップS330においては、Sfhが、所定のしきい値Thsfよりも大きいか否かが判定される。Sfhがしきい値Thsf以下である場合は、処理はステップS510に進む(図5のA参照)。ステップS510以下の処理については後に説明する。一方、Sfhがしきい値Thsfより大きい場合は、処理はステップS340に進む。Sfhがしきい値Thsfより大きい場合とは、その対象領域内において、水平方向にある程度以上の輝度の変動があるということである。
ステップS340では、対象領域の水平方向のAC成分のDCT係数F01〜F07に基づいて、正規化係数Fr01〜Fr07が計算される。Fr01〜Fr07は、以下の式(3)にしたがって、DCT係数F01〜F07の絶対値を正規化して得られる。式(3)は、DCT係数F01〜F07の絶対値の大きさの比に基づいて、合計が1となるように、それぞれDCT係数F01〜F07に対応する正規化係数Fr01〜Fr07を計算する式である。なお、iは、1〜7の整数である。
Figure 2008028982
このように、複数の係数について絶対値を計算し、それらの絶対値の大きさの比に応じて、合計が1となるようなもとの係数と同じ数の新たな係数を計算することを、本明細書では「正規化」と呼ぶ。
ところで、輝度の変化のしかたが互いに上下反転している関係にある二つの輝度変化のパターンにおいては、それぞれ対応するDCT係数の絶対値が同じでかつ符号が逆である。たとえば、「左端に輝度一定の部分があり、そこから右に向かって輝度が増大する」第1のパターンと、第1のパターンを上下反転させたパターンであって、「左端に輝度一定の部分があり、そこから右に向かって輝度が減少する」第2のパターンと、の組合せがこれに該当する。
本実施例では、上記のようにDCT係数F01〜F07の絶対値を正規化して(図5のステップS340参照)、その後、基本パターンとのマッチングを行う。このため、一つの基本パターンによって、輝度の変化のしかたが互いに上下反転しているような二つのパターンのマッチングを行うことができる。すなわち、本実施例によれば、輝度の変化のしかたが互いに上下反転しているような二つのパターンに対応する基本パターンをそれぞれ用意する態様に比べて、マッチングのために用意する基本パターンの数を減らすことができる。
ステップS350では、以下の式(4)にしたがって、対象領域の正規化係数Fr0i(i=1〜7)と、輝度変化の基本パターンPj(jは、01〜07,11〜15,21〜23,31をとりうる)の正規化DCT係数Cfnjiの差の絶対値の合計SDjが計算される。
Figure 2008028982
図6は、基本パターンP01の輝度レベルL1iと、1次元DCT係数Cf1i,正規化DCT係数Cfn1iを示す図である(i=1〜7)。図6の上段に示すように、基本パターンP01は、画素位置0の輝度レベルが1であり、画素位置1〜7の輝度レベルが0であり、画素位置0から1に向かって直線的に輝度レベルが低下する輝度変化のパターンである。この基本パターンP01は、図6の下段の表に示す離散的な輝度レベルL1i(i=0〜7)の8個のパラメータで表現される。
輝度レベルL1i(i=0〜7)に対して1次元DCTを行って得られた1次元DCT係数が表の2段目に示す8個のパラメータCf1i(i=0〜7)である。さらに、8個の1次元DCT係数Cf1i(i=0〜7)のうち、7個の1次元DCT係数Cf1i(i=1〜7)の絶対値を以下の式(5)で正規化して得られた係数が、正規化DCT係数Cfn1iである。なお、図6の例ではj=01である。
Figure 2008028982
各基本パターンPj(jは、01〜07,11〜15,21〜23,31)について、これら7個の正規化DCT係数Cfnji(i=1〜7)があらかじめROM160(図1参照)に格納されている。これらの正規化DCT係数Cfnjiが上記の式(4)の演算において使用される。
図7は、16個の輝度変化の基本パターンPj(jは、01〜07,11〜15,21〜23,31)を示す図である。各基本パターンPjにおいて、縦軸は輝度レベルを表し、横軸は画素位置を表す。各基本パターンPjは、図6に示したP01と同様に、8個の画素位置における輝度レベルを表すものである。たとえば、基本パターンP02は、画素位置0の輝度レベルが2であり、画素位置2〜7の輝度レベルが0であり、画素位置0から2に向かって直線的に輝度レベルが低下するパターンである。基本パターンP07は、画素位置0の輝度レベルが7であり、画素位置7の輝度レベルが0であり、画素位置0から7に向かって直線的に輝度レベルが低下するパターンである。
図7の上段に示す基本パターンP01,P11,P21,P31は、画素1個分の領域において、左から右に向かって輝度レベルが低下する基本パターンである。これらの基本パターンには、ぼやけ幅Bw=1が対応づけられている。基本パターンP01は、輝度レベルが低下する位置が最も左にあり(画素位置0〜1)、基本パターンP31は、輝度レベルが低下する位置が最も右にある(画素位置3〜4)。基本パターンP01,P11,P21,P31は、その並びの順に、輝度レベルが低下する位置がより左寄りにある。
図7の他の基本パターンについても同様に、輝度レベルが変化(低下)する領域の画素数(図7において、いずれも基本パターンPjの下に示す)に等しいぼやけ幅Bwが割り当てられている。画像中において隣り合う領域の色が異なれば、通常、各領域の輝度も異なる。ぼやけ幅Bwは、色の領域の境界部分におけるぼやけ度を表している。
図7においては、割り当てられているぼやけ幅Bwが等しい基本パターンを水平方向に並べて示している。そして、水平方向に並んで示されている各基本パターンは、左に示されているものほど、輝度レベルが低下する位置がより左寄りにある。また、これらの各基本パターンPjは、上下左右に反転させても、互いに重なることがない。
図5のステップS350で、対象領域の正規化係数Fr0i(i=1〜7)と、輝度変化の基本パターンPjの正規化DCT係数Cfnjiの差の絶対値の合計SDjが計算された後(上記の式(4)参照)、ステップS360では、SDjが所定のしきい値Thsdよりも小さい基本パターンPjが存在するか否かを判定する。
SDjが所定のしきい値Thsdよりも小さい基本パターンPjが存在しない場合は、ステップS370において、その対象領域に関連づけられるべき基本パターンは「不明」とされ、その対象領域の輝度変化のパターンは、「平坦」とされる。このような対象領域が「平坦領域」である(図3のステップS60〜S80の処理参照)。そして、ステップS370の処理の後は、ステップS380,S390の処理を行うことなく、ステップS400の処理が行われる。
一方、SDjが所定のしきい値Thsdよりも小さい基本パターンPjが存在する場合には、ステップS380において、SDjが最小の基本パターンがその対象領域に対応づけられる。また、その対応づけられた基本パターンのぼやけ幅Bw(図7参照)を、その対象領域の水平部分ぼやけ度Bbhとする。
なお、対象領域の正規化係数Fr0i(i=1〜7)との間でSDjが最小となる基本パターンを基本パターンPmatとすると、対象領域の輝度変化のパターンは、基本パターンPmatか、基本パターンPmatを上下左右のいずれかに反転させて得られる輝度変化のパターンに最も類似している。ここで、「最も類似している」とは、他の基本パターンや、他の基本パターンを上下左右のいずれかに反転させて得られるパターンよりも類似している、という意味である。
次に、図5のステップS390では、対象領域の輝度変化のパターンの向きを決定する。
図8は、輝度変化のパターンの向きとDCT係数の符号との関係を示す表である。図8では、基本パターンP01の例を示す。対象領域の輝度変化のパターンが、基本パターンP01と同じ向きである場合には(図8のP01a)、対象領域のDCT係数F01の符号は正である(図中、「+」で示す)。また、対象領域のDCT係数F02の符号は、対象領域のDCT係数F01の符号と同じであり(図中、「=」で示す)、正である。
図8に示すように、基本パターンP01と同じパターンP01a、および基本パターンP01を上下左右に反転させて得られるパターンP01b〜P01dは、それぞれDCT係数F01の符号(+/−)と、DCT係数F01とF02の符号の異同(=/≠)と、の組合せが異なる。ここでは、基本パターンP01の例を示しているが、他の基本パターンPjについても同様である。このため、図5のステップS390では、対象領域のDCT係数F01とF02の符号に基づいて、輝度変化のパターンの向きを決定することができる。
図5のステップS400では、すべての対象領域についてステップS310〜S390の処理が実行されたか否かが判定される。まだステップS310〜S390の処理が実行されていない対象領域が存在する場合には、処理はステップS310に戻る。ステップS310では、まだ処理が行われていない対象領域が選択され、そのDCT係数F00〜F07が取得される。一方、すべての対象領域についてステップS310〜S390の処理が実行された場合には、エッジパターンマッチングの処理を終了する。
なお、水平方向についてエッジパターンマッチングの処理が行われる場合には、対象領域の処理の順番は、原則として画像中の左から右に向かう順番であり、右端の対象領域の次には、一行下の左端の対象領域が処理される。また、垂直方向についてエッジパターンマッチングの処理が行われる場合には、対象領域の処理の順番は、原則として画像中の上から下に向かう順番であり、下端の対象領域の次には、一行右の上端の対象領域が処理される。
図9は、図5のステップS330の判定結果がNoである場合に実行される処理の内容を示すフローチャートである。図9の処理は、AC成分のDCT係数F01〜F07の絶対値の和Sfhが所定のしきい値Thsf以下である場合(ステップS330)に実行される。Sfhがしきい値Thsf以下である場合とは、その対象領域内において、水平方向の輝度の変動がある程度以下であるということである。
ステップS510では、現在処理している対象領域の直前に処理された対象領域Atfが「平坦領域」であるとされたか否かが判定される。
直前に処理された対象領域Atfが平坦領域ではない場合には、ステップS520において、現在処理されている対象領域Atpの輝度変化のパターンは「平坦」であるとされる。すなわち、対象領域Atpは「平坦領域」であるとされる。
なお、現在処理している対象領域が、行の先頭(左端)の対象領域である場合にも、処理はステップS510からS520に進む。現在処理している対象領域が、行の先頭(左端)の対象領域である場合には、直前に処理された対象領域Atfは、一つ上の行の右端の対象領域であり、現在処理している対象領域Atpの左側の対象領域ではない。
また、垂直方向について処理を行う場合において、処理している対象領域が列の先頭(上端)の対象領域である場合にも、処理はステップS510からS520に進む。現在処理している対象領域が、列の先頭(上端)の対象領域である場合には、直前に処理された対象領域Atfは、一つ左の行の下端の対象領域であり、現在処理している対象領域Atpの上側の対象領域ではない。
一方、直前に処理された対象領域Atfが「平坦領域」である場合には、ステップS530において、現在処理されている対象領域Atpと、直前に処理された対象領域AtfのそれぞれのDC成分のDCT係数F00の差Davが計算される。Davは、現在処理されている対象領域Atpと、直前に処理された対象領域Atfの輝度の平均値の差を表す。そして、ステップS540では、Davが所定のしきい値Thdaよりも大きいか否かが判定される。
輝度の平均値の差Davが所定のしきい値Thda以下である場合には、ステップS520において、現在処理されている対象領域Atpの輝度変化のパターンは「平坦」であるとされる。この場合は、現在処理されている対象領域Atpの画像と、直前に処理された対象領域Atfの画像とが、それぞれ色の境界を含まず、かつ、互いに近似する輝度で表されていることを意味する。そのような状態を表す模式図を、ステップS540の左側に示す。
一方、Davが所定のしきい値Thdaより大きい場合には、ステップS550において、現在処理されている対象領域Atpに基本パターンP01が対応づけられる。そして、現在処理されている対象領域Atpの水平部分ぼやけ度Bbhは、基本パターンP01のぼやけ幅Bwである1とされる。この場合は、現在処理されている対象領域Atpの画像と、直前に処理された対象領域Atfの画像とが、それぞれ互いに近似しない輝度で表されていることを意味する。すなわち、対象領域Atpと対象領域Atfとの境界がちょうど色の境目であることを意味する。そのような状態を表す模式図を、ステップS540の右側に示す。
以上で説明したようなステップS510〜S550の処理を行うことで、画像中の色領域の端が各対象領域の内部にはなく、隣接する対象領域と対象領域の境目に位置する場合にも(図9のステップS540の右側参照)、そのぼやけ幅を決定することができる。
ステップS520またはS550の後、処理は、図5のステップS400に進む(図9および図5のB参照)。以上がエッジパターンマッチングの処理の内容である。
なお、以上では、水平方向について処理を行う場合を例に、エッジパターンマッチングの処理(図5〜図9参照)の内容を説明した。しかし、垂直方向について処理を行う場合も、同様に行うことができる。
図10は、図3のステップS30におけるエッジの連結処理の内容を示すフローチャートである。ここでは、水平方向についてエッジの連結処理が行われる場合を例に説明をする。垂直方向についてエッジの連結処理が行われる場合も同様の処理が行われる。
なお、水平方向についてエッジの連結処理が行われる場合には、対象領域の処理の順番は、原則として画像中の左から右に向かう順番であり、右端の対象領域の次には、一行下の左端の対象領域が処理される。また、垂直方向についてエッジの連結処理の処理が行われる場合には、対象領域の処理の順番は、原則として画像中の上から下に向かう順番であり、下端の対象領域の次には、一行右の上端の対象領域が処理される。
図10のステップS710では、ある対象領域に対応づけられた基本パターンと、輝度変化のパターンの向きを取得する(図5のステップS380、S390参照)。
ステップS720では、対象領域に対応づけられた基本パターンが、P01〜P07またはP11〜P15であるか否かを検討する(図7参照)。基本パターンP01〜P07は、輝度が変化する位置がパターンの左端である基本パターンである。基本パターンP11〜P15は、左端1画素分だけ輝度が一定の部分があり、その右の画素位置から輝度が変化する基本パターンである。対象領域に対応づけられた基本パターンが、P01〜P07またはP11〜P15ではない場合は、処理はステップS780に進む。
ステップS720において、対象領域に対応づけられた基本パターンがP01〜P07またはP11〜P15である場合は、処理はステップS730に進む。ステップS730では、直前に処理された対象領域Atfに対応づけられた基本パターンが、基本パターンP01〜P07であるか否かが検討される。検討結果がNoである場合は、処理はステップS780に進む。なお、現在処理している対象領域が、行の先頭(左端)の対象領域である場合にも、処理はステップS730からS780に進む。
直前に処理された対象領域Atfに対応づけられた基本パターンが、P01〜P07である場合は、処理はステップS740に進む。ステップS740では、現在処理している対象領域Atpと、直前に処理された対象領域Atfと、において、輝度が変化する位置が向かい合っているか否かが検討される。なお、直前に処理された対象領域Atfは、現在処理している対象領域Atpの左側に隣接する対象領域である。検討結果がNoである場合は、処理はステップS780に進む。
たとえば、対象領域Atfと対象領域Atpとにおいていずれも輝度が変化する位置が左端にある場合は、ステップS740の判定結果はNoとなる。そのような場合を表す模式図を、対象領域Atfの輝度変化のパターンPfと対象領域Atpの輝度変化のパターンPpとを使用して、図10のステップS740の左側に示す。一方、対象領域Atfと対象領域Atpとにおいて輝度が変化する位置が向かい合っている場合の模式図を、ステップS740の右下側に示す。
ステップS740において、現在処理している対象領域Atpと、直前に処理された対象領域Atfと、において、輝度が変化する位置が向かい合っている場合は、処理はステップS750に進む。ステップS750では、現在処理している対象領域Atpの輝度変化の向きと、直前に処理された対象領域Atfの輝度変化の向きとが一致しているか否かが検討される。「輝度変化の向きが一致している」とは、いずれも左から右に向かって輝度が低下する場合、またはいずれも左から右に向かって輝度が増大する場合である。検討結果がNoである場合は、処理はステップS760に進む。
ステップS750における検討結果がNoである場合とは、輝度が対称領域の境界を跨いでV型またはΛ型に変化する場合である。たとえば、対象領域Atfにおいて輝度が左から右に向かって減少し、対象領域Atpにおいて輝度が左から右に向かって増大する場合は、輝度の変化はV型となり、ステップS750の判定結果はNoとなる。そのような場合を表す模式図を、図のステップS750の左側に示す。一方、対象領域Atfと対象領域Atpとにおいて輝度が変化する向きが一致している場合の模式図を、図のステップS740の右下側に示す。
ステップS760では、対象領域の輝度変化のパターンは、「平坦」に置き換えられる。すなわち、その対象領域は「平坦領域」とされる。そして、その対象領域の水平部分ぼやけ度Bbhは、クリアされる(図5のステップS380参照)。このような処理を行うことで、輝度が細かく上下する対象領域を平坦領域に分類することができる。その結果、輝度が細かく上下する対象領域を画像の合焦の判定(図3のステップS60〜S80の処理参照)の際に除外することができる。
写真中に人間の髪の毛や動物の毛が写っている場合には、その部分については輝度が細かく変化する。よって、人間や動物の毛が写っている対象領域は、部分ぼやけ度Bbが小さくなる(図3のステップS50参照)。その結果、写真画像中のある程度以上の領域に人間や動物の毛が写っている場合には、図3のステップS70,S80の処理において、常にその画像が合焦画像であると判定されてしまう可能性がある。しかし、本実施例では、ステップS750およびS760の処理を行うことによって、そのような対象領域を平坦領域として合焦判定の対象から除外している。このため、画像の合焦判定を正確に行うことができる。
図10のステップS750において、現在処理している対象領域Atpの輝度変化の向きと、直前に処理された対象領域Atfの輝度変化の向きとが一致している場合には、処理は、ステップS770に進む。すなわち、ステップS770の処理が行われるのは、処理対象の対象領域に基づいて選択された第1の選択基本パターンデータにおいて輝度が変化する区間と、直前に処理された対象領域に基づいて選択された第2の選択基本パターンデータにおいて輝度が変化する区間とが、それぞれ相手の対象領域の側の端に位置し、かつ、輝度の変化の向きが同じである場合である。
ステップS770では、現在処理している対象領域Atpと直前に処理された対象領域Atfの水平部分ぼやけ度Bbhを、新たな値に置き換える。具体的には、対象領域Atpに対応づけられている基本パターンのぼやけ幅Bwと、対象領域Atfに対応づけられている基本パターンのぼやけ幅Bwと、の和を、新たに対象領域Atpと対象領域Atfの水平部分ぼやけ度Bbhとする。
ステップS780では、すべての対象領域についてステップS710〜S770の処理が実行されたか否かが判定される。まだステップS710〜S770の処理が実行されていない対象領域が存在する場合には、処理はステップS710に戻る。ステップS710では、まだ処理が行われていない対象領域について、その対象領域に対応づけられた基本パターンと、輝度変化のパターンの向きが取得される。一方、すべての対象領域についてステップS710〜S770の処理が実行された場合には、エッジの連結処理を終了する。
以上で説明したようなエッジの連結処理を行うことで、画像中の色領域の端(輪郭)が複数の対象領域をまたいで存在する場合にも、そのぼやけ幅を正しく決定することができる。
また、画像中の対象領域の輝度変化のパターンを計算する際には、実際には対象領域をまたいで輝度が変化し続けている場合にも、処理の誤差のために、領域の端(対象領域同士の境界)に1画素分の輝度一定の領域が生じてしまうことがある。しかし、本実施例のエッジの連結処理においては、対象領域の端に1画素分の輝度一定の領域がある場合には、連続的に輝度が変化している場合と同様に処理する(図10のステップS720参照)。具体的には、左端1画素分だけ輝度が一定の部分があり、その右の画素位置から輝度が変化する基本パターンP11〜P15が、現在処理している対象領域に対応づけられている場合にも、ステップS770におけるエッジの連結処理の対象としている。このため、画像中の色領域の端(輪郭)のぼやけ幅を正しく決定することができる。
なお、以上では、水平方向について処理を行う場合を例に、エッジの連結処理の内容を説明した。しかし、垂直方向について処理を行う場合も、同様に行うことができる。
なお、垂直方向について処理を行う場合において、直前に処理を行った対象領域のデータを取り扱う場合(図10のステップS730参照)には、以下のように処理を行う。すなわち、エッジの連結処理において、処理している対象領域が列の先頭(上端)の対象領域である場合には、処理はステップS730からS780に進む。現在処理している対象領域が、列の先頭(上端)の対象領域である場合には、直前に処理された対象領域Atfは、一つ左の行の下端の対象領域であり、現在処理している対象領域Atpの上側の対象領域ではない。
B.第2実施例:
第2実施例においては、ROM160内に格納している基本パターン(図7参照)が第1実施例とは異なる。そして、第2実施例は、エッジパターンマッチングの処理(図3のS20および図5参照)の一部が第1実施例とは異なる。さらに、第2実施例においては、色の境界部分における輝度の差が所定値以下である場合は、輝度差はないものとして扱う。第2実施例の他の点は、第1実施例と同じである。以下では、第1実施例との相違点を中心に第2実施例について説明する。
図11〜図14は、それぞれ16個の輝度変化の基本パターンを含む基本パターングループPGa〜PGdを示す図である。図11〜図14の表記法は、図7と同じである。なお、図11〜図14においては、Bw=3〜6の基本パターン(j=03〜06,13〜15,23に相当する)を省略している。
図11に示す基本パターングループPGaの基本パターンPja(jは、01〜07,11〜15,21〜23,31を表す)は、最大の輝度と最小の輝度の差が互いに等しい基本パターンである。この輝度差の大きさを単位輝度差ULとする。単位輝度差ULは、たとえば、輝度1に相当する量とすることができる。基本パターングループPGaの基本パターンPjaの他の点は、第1実施例の基本パターンPj(図7参照)と同じである。基本パターングループPGaは、左寄りの第1の画素位置に右に向かって減少する輝度変化があり、第1の画素位置より右側の画素位置において輝度が一定である基本パターンのグループである。
たとえば、第1実施例においては、図6に示すように、基本パターンP01の各画素位置i(i=0〜7)の輝度レベルL01i(i=0〜7)は、順に1,0,0,0,0,0,0である。これに対して、図11中、左上に示した基本パターンP01aの各画素位置i(i=0〜7)の輝度レベルL01ai(i=0〜7)は、順にUL,0,0,0,0,0,0である(図6参照)。また、図11中、基本パターンP01aの下に示した基本パターンP02aの各画素位置i(i=0〜7)の輝度レベルL02ai(i=0〜7)は、順にUL,UL/2,0,0,0,0,0である。
プリンタ1のROM160内には、基本パターンPjaの符号つき正規化DCT係数Cfsjai(j=01〜07,11〜15,21〜23,31,i=0〜7)が格納されている。これらの符号つき正規化DCT係数Cfsjaiは、第1実施例の正規化DCT係数Cfnjiと同様に、基本パターンPjaのLjai(j=01〜07,11〜15,21〜23,31,i=0〜7)から得られる。
すなわち、輝度レベルLjai(i=0〜7)に対して1次元DCTを行うことによって、1次元DCT係数Cfjai(i=0〜7)が得られる。そして、8個の1次元DCT係数Cfjaiのうち、7個の1次元DCT係数Cfjaiの絶対値を以下の式(6)で「符号つき正規化」することで、符号つき正規化DCT係数Cfsjaiが得られる(図6参照)。式(6)の右辺の分子には、絶対値記号が付されていない。
Figure 2008028982
このように、複数の係数について、各係数の絶対値の合計で各係数を割って、「もとの係数と同じ数の新たな係数であって絶対値の合計が1となるような複数の係数」を計算することを、本明細書では「符号つき正規化」と呼ぶ。
また、プリンタ1のROM160内には、基本パターンPjaの1次元DCT係数Cfjaiのうち、AC成分である1次元DCT係数Cfjai(i=1〜7)の絶対値の和Sjaが格納される。Sjaは、以下の式(7)で計算される。
Figure 2008028982
図12に示す基本パターングループPGbの基本パターンPjb(j=01〜07,11〜15,21〜23,31)は、基本パターングループPGaの基本パターンPja(j=01〜07,11〜15,21〜23,31)をそれぞれ左右に反転させたパターンである。参考のため、図12において、基本パターングループPGaの基本パターンPjaを破線で示す。基本パターングループPGbは、右寄りの第1の画素位置に右に向かって増加する輝度変化があり、第1の画素位置より左側の画素位置において輝度が一定である基本パターンのグループである。
基本パターングループPGbの基本パターンPjbの符号つき正規化DCT係数Cfsjbi(i=1〜7)は、それぞれ基本パターングループPGaの基本パターンPjaの符号つき正規化DCT係数Cfsjai(i=1〜7)のうち、奇数成分のものの正負の符号を逆にすることによって得られる。
図13に示す基本パターングループPGcの基本パターンPjc(j=01〜07,11〜15,21〜23,31)は、基本パターングループPGaの基本パターンPja(j=01〜07,11〜15,21〜23,31)をそれぞれ上下に反転させたパターンである。参考のため、図13において、基本パターングループPGaの基本パターンPjaを破線で示す。基本パターングループPGcは、左寄りの第1の画素位置に右に向かって増加する輝度変化があり、第1の画素位置より右側の画素位置において輝度が一定である基本パターンのグループである。
基本パターングループPGcの基本パターンPjcの符号つき正規化DCT係数Cfsjci(i=1〜7)は、それぞれ基本パターングループPGaの基本パターンPjaの符号つき正規化DCT係数Cfsjai(i=0〜7)の正負の符号を逆にすることによって得られる。
図14に示す基本パターングループPGdの基本パターンPjd(j=01〜07,11〜15,21〜23,31)は、基本パターングループPGaの基本パターンPja(j=01〜07,11〜15,21〜23,31)をそれぞれ左右および上下に反転させたパターンである。参考のため、図14において、基本パターングループPGaの基本パターンPjaを破線で示す。基本パターングループPGdは、右寄りの第1の画素位置に右に向かって減少する輝度変化があり、第1の画素位置より左側の画素位置において輝度が一定である基本パターンのグループである。
基本パターングループPGdの基本パターンPjdの符号つき正規化DCT係数Cfsjdi(i=1〜7)は、それぞれ基本パターングループPGaの基本パターンPjaの符号つき正規化DCT係数Cfsjai(i=1〜7)のうち、奇数成分のものの正負の符号を逆にし、さらに、すべての係数の符号を逆にすることによって得られる。すなわち、基本パターングループPGdの基本パターンPjdの符号つき正規化DCT係数Cfsjdi(i=1〜7)は、それぞれ基本パターングループPGaの基本パターンPjaの符号つき正規化DCT係数Cfsjai(i=1〜7)のうち、偶数成分のものの正負の符号を逆にすることによって得られる。
プリンタ1のROM160内には、これら基本パターングループPGb,PGc,PGdの基本パターンPjb、Pjc、Pjdについても、符号つき正規化DCT係数Cfsjbi,Cfsjci,Cfsjdi、ならびにAC成分の絶対値の和Sjb,Sjc,Sjdが格納される(j=01〜07,11〜15,21〜23,31,i=1〜7)。符号つき正規化DCT係数Cfsjbi,Cfsjci,Cfsjdi、ならびにAC成分の絶対値の和Sjb,Sjc,Sjdの計算方法は、基本パターングループPGaと同じである。
図15および図16は、第2実施例におけるエッジパターンマッチングの処理内容を示すフローチャートである。図15および図16においては、第1実施例の図5と同じ処理を行うステップについては、図5と同じ符号を用いて表示する。また、第1実施例の図5と同じ処理を行うステップについては、図示および説明を省略する場合がある。
図15のステップS310では、ある対象領域の水平方向の8個のDCT係数F00〜F07が取得される。ステップS310の処理は、第1実施例と同じである。
ステップS315では、取得された8個のDCT係数F00〜F07のうち、1番目と2番目に低い周波数のAC成分であるDCT係数F01,F02に基づいて、基本パターングループPGa〜PGdの中から一つの基本パターングループが選択される。
前述のように、DCT係数F01,F02に基づいて、輝度変化のパターンの向きを特定することができる(図8参照)。このため、ステップS315では、DCT係数F01,F02に基づいて、輝度変化のパターンの向きに応じて基本パターングループが選択される。このステップS315の処理は、CPUの機能部としてのグループ選択部が奏する。グループ選択部は、CPUの機能部としての基本パターン選択部120(図1参照)に含まれる。
図17は、ステップS315における基本パターングループの選択方法を示す表である。図17の左側2列の表記法は、図8の右側2列の表記法と同じである。ステップS315では、DCT係数F01の符号、およびDCT係数F01,F02の符号が等しいか否かに応じて、図17に示すように基本パターングループが選択される。
たとえば、図17の最上段に示すように、対象領域のDCT係数F01の符号が正で、DCT係数F02の符号がDCT係数F01の符号と同じく正であるときには、輝度変化のパターンは、左寄りの画素位置に右に向かって減少する輝度変化があり、右側の画素位置においては輝度が一定である形状に近いと考えられる(図8参照)。このため、左寄りの画素位置に右に向かって減少する輝度変化があり、右側の画素位置においては輝度が一定である基本パターンを有する基本パターングループPGaが選択される(図11参照)。
ステップS315の処理を行うことで、あらかじめ輝度変化パターンの傾向が類似する基本パターングループを選択してパターンマッチングを行うことができる。すなわち、あらかじめパターンマッチングを行う基本パターンの数を限定することができる。よって、すべての基本パターングループPGa〜PGdの基本パターンPja〜Pjdについて係数の比較を行う態様に比べて、処理の負担を少なくすることができる。
図15のステップS320では、対象領域のAC成分のDCT係数F01〜F07の絶対値の和Sfhが計算される。第2実施例のステップS320、およびこれに続くステップS330の処理は、第1実施例と同じである。
ステップS345では、対象領域の水平方向のAC成分のDCT係数F01〜F07に基づいて、以下の式(8)にしたがって、符号つき正規化係数Fs01〜Fs07が計算される。式(8)は、DCT係数F01〜F07に基づいて、絶対値の合計が1となるように、それぞれDCT係数F01〜F07に対応する符号つき正規化係数Fs01〜Fs07を計算する式である。なお、iは、1〜7の整数である。
Figure 2008028982
図15のステップS355では、以下の式(9)にしたがってSDsjが計算される。すなわち、対象領域の符号つき正規化係数Fs0i(i=1〜7)と、ステップS315で選択された基本パターングループ(PGxとする。xはa,b,cまたはd)の輝度変化の基本パターンPjx(jは、01〜07,11〜15,21〜23,31。xはa,b,cまたはd)の正規化DCT係数Cfsjxi(xはa,b,cまたはd)の差が計算される。そして、その差の絶対値の合計SDsjが計算される(jは、01〜07,11〜15,21〜23,31)。
Figure 2008028982
ステップS365では、SDsjが所定のしきい値Thsdよりも小さい基本パターンPjが存在するか否かが判定される。
SDsjが所定のしきい値Thsdよりも小さい基本パターンPjが存在しない場合は、処理はステップS370(図5参照)に進む。すなわち、その対象領域に関連づけられるべき基本パターンは「不明」とされ、その対象領域の輝度変化のパターンは、「平坦」とされる。ステップS370の処理は第1実施例と同じである。その後、処理はステップ図16のS400に進む。
一方、SDsjが所定のしきい値Thsdよりも小さい基本パターンPjが存在する場合には、図16のステップS381において、SDsjが最小の基本パターンがその対象領域に対応づけられる。また、その対応づけられた基本パターンのぼやけ幅Bw(図11〜図14参照)を、その対象領域の水平部分ぼやけ度Bbhとする。ステップS381の処理は、SDj(式(4)参照)ではなくSDsj(式(9)参照)に基づいて判断を行う点以外は、図5のステップS380の処理と同じ処理である。
第1実施例の処理においては、対象領域のAC成分のDCT係数F0i(i=1〜7)の絶対値を使用して(式(3)参照)、パターンマッチングを行っている。このため、実際は異なる複数の輝度変化パターンに対して、同じ基本パターンが対応づけられてしまう可能性がある。たとえば、式(3)によれば、F02が正であると負であるとによらず、Fr02は同じ値となってしまう。このため、F01,F02,F03がいずれも正である輝度変化のパターンと、F01とF03は正であるがF02は負である輝度変化のパターンとが、同じパターンとして扱われてしまう可能性がある。
第2実施例においては、輝度変化のパターンが異なる4個の基本パターングループを用意し(図11〜図14参照)、対象領域の輝度変化のパターンに基づいてパターンマッチングの対象とする基本パターングループを選択する(図15のステップS315参照)。そして、正負の符号の情報を欠落させない符号つき正規化を行って(式(8)参照)、符号つき正規化係数Fs0i(i=1〜7)に基づいて、パターンマッチングを行う(図15のステップS345〜図16のS381参照)。このため、実際は異なる輝度変化パターンであるにもかかわらず、同じ基本パターンが対応づけられてしまう可能性を低減することができる。
図16のステップS383では、対象領域の輝度の最大値と最小値の差に対応する評価値Ldを計算し、メインメモリ150内に保持する。評価値Ldは、以下の式(10)で得られる。評価値Ldは、対象領域の輝度の最大値と最小値の差の概算値である。
Ld={Sfh/(√2)Smat}×UL ・・・ (10)
なお、Smatは、ステップS381で対応づけられた基本パターンPjx(xはa,b,cまたはd)のAC成分の絶対値の和である。すでに述べたように、各基本パターンPja,Pjb,Pjc,PjdのAC成分の絶対値の和Sja,Sjb,Sjc,Sjdは、あらかじめROM160に格納されている。また、ULは、基本パターンPja,Pjb,Pjc,Pjdの最大の輝度と最小の輝度の差である(図11〜図14参照)。
対象領域の輝度変化のパターンの形状は、ステップS381で対応づけられた基本パターンPjxに類似する形状である。そして、対象領域の輝度変化のパターンは、ステップS381で対応づけられた基本パターンPjxを輝度について定数倍して得られる輝度変化に近いと考えられる。このため、「対象領域のAC成分のDCT係数F01〜F07の絶対値の和Sfh」を、「ステップS381で対応づけられた基本パターンPjxのAC成分の1次元DCT係数Cfjxi(i=1〜7)の絶対値の和Smatを2√2倍した値」で割った値に、基本パターンPjxの輝度差ULを掛けることで、対象領域の最大の輝度と最小の輝度の差の概算値Ldが得られる。なお、以下では、評価値Ldを、「輝度差Ld」と表記することがある。
JPEG形式の画像データが保持するDCT係数は、2次元DCTによって得られるDCT係数である(図4参照)。これに対して、各基本パターンPjaのDCT係数Cfjxi(jは、01〜07,11〜15,21〜23,31、xはa,b,cまたはd、iは1〜7)は、輝度変化のパターンに対して1次元DCTを行うことによって得られるDCT係数である。よって、「DCT係数F01〜F07の絶対値の和Sfh」を、「基本パターンPjxのAC成分の1次元DCT係数Cfjxi(i=1〜7)の絶対値の和Smat」そのもので割ることによっては、概算の輝度差Ldを得ることはできない。
対象領域の各画素の輝度L(m,n)(m=0〜7,n=0〜7)に基づいて、2次元DCT係数Fuv(u=0〜7,v=0〜7)を得る際の計算式(11)は、以下のとおりである。
Figure 2008028982
ここで、F01〜F07の値を計算する際、すなわち、u=0である場合には、式(11)は、以下のようになる。なお、aL(n)は、8行8列の対象領域において、第(n+1)列目の縦(列)方向の平均輝度を表す。
Figure 2008028982
一方、輝度Ljxi(i=0〜7。xはa,b,cまたはd。jは、01〜07,11〜15,21〜23,31をとりうる)に基づいて1次元DCT係数Cfjxiを得る際の計算式(13)は、以下のとおりである。
Figure 2008028982
式(12)と式(13)とを対比すればわかるように、式(12)から得られるF0vは、列方向の平均輝度aL(n)に対して1次元DCTを行って得られる係数値の2√2倍に等しいことが分かる。
よって、「DCT係数F01〜F07の絶対値の和Sfh」を、「基本パターンPjxのAC成分の1次元DCT係数Cfjxi(i=1〜7)の絶対値の和Smatを2√2倍した値」で割った値に、基本パターンPjxの輝度差ULを掛けることで、対象領域の最大の輝度と最小の輝度の差の概算値Ldを得ることができる。なお、上述の2次元DCT係数と1次元DCT係数との関係は、u=1〜7,v=0の2次元DCT係数Fuvについても成立する。
そのようにしてステップS383で対象領域の輝度差Ldが得られると、その後は、S390の処理を行うことなく(図5参照)、ステップS400の処理が行われる。ステップS400における処理は、第1実施例と同じである。
なお、第1実施例においてステップS390で得られる「対象領域の輝度変化のパターンの向き」の情報は、第2実施例においては、ステップS315(図15)で得られている。第2実施例においては、「対象領域の輝度変化のパターンの向き」の情報を使用して処理が行われ場合には、ステップS315で得られかつ格納された情報に基づいて、処理が行われる。
図18および図19は、第2実施例におけるエッジの連結処理の内容を示すフローチャートである。図18および図19のフローチャートは、第1実施例におけるステップS720に相当するステップS721の処理、および第1実施例におけるステップS730に相当するステップS731の処理において検討される基本パターンが異なる。また、図18および図19のフローチャートは、ステップS755の判定および分岐の処理を有している。図18および図19のフローチャートの他の点は、第1実施例の図10のフローチャートと同じである。第2実施例についても、水平方向についてエッジの連結処理が行われる場合を例に説明をする。垂直方向についてエッジの連結処理が行われる場合も同様の処理が行われる。
図18のステップS721は、図10のステップS720に相当する処理である。ステップS721では、対象領域に対応づけられた基本パターンが、基本パターングループPGa〜PGd中で、第1実施例におけるP01〜P07またはP11〜P15に相当するパターンであるか否かが判定される。より具体的には、対象領域に対応づけられた基本パターンが、P01a〜P07aもしくはP11a〜P15a、P01b〜P07bもしくはP11b〜P15b、P01c〜P07cもしくはP11c〜P15c、またはP01d〜P07dもしくはP11d〜P15dであるか否かが判定される。対象領域に対応づけられた基本パターンが、それらのパターンであった場合は、処理はステップS731に進む。そうではない場合は、処理はステップS780に進む。
ステップS731は、図10のステップS730に相当する処理である。ステップS731では、直前に処理された対象領域Atfに対応づけられた基本パターンが、基本パターングループPGa〜PGd中で、第1実施例における基本パターンP01〜P07に相当するパターンであるか否かが検討される。より具体的には、直前に処理された対象領域Atfに対応づけられた基本パターンが、基本パターンP01a〜P07a、P01b〜P07b、P01c〜P07c、またはP01d〜P07dであるか否かが判定される。直前の対象領域Atfに対応づけられた基本パターンが、それらのパターンであった場合は、処理はステップS740に進む。そうではない場合は、処理はステップS780に進む。なお、現在処理している対象領域が、行の先頭(画像の左端)の対象領域である場合にも、処理はS780に進む。
図18のステップS740、および図19のステップS750における処理は、第1実施例(図10参照)と同じであるので説明を省略する。
ステップS755では、対象領域Atpの累積輝度差SLdとして、対象領域Atpの輝度差Ld(図16のステップS383参照)と、直前に処理された対象領域Atfの累積輝度差SLdfの和が計算される。なお、対象領域Atpが画像中の左端の対象領域である場合は、対象領域Atpの輝度差Ldが累積輝度差SLdとされる。対象領域Atpの累積輝度差SLdは、水平方向に連続して存在する複数の対象領域であって、互いに隣接する二つの対象領域がステップS721〜S750の条件を満たす複数の対象領域についての、輝度差Ldの合計値である。
そして、ステップ755では、累積輝度差SLdが、所定のしきい値Thldよりも大きいか否かが判定される。累積輝度差SLdがしきい値Thldより大きい場合は、処理はステップS770に進む。また、現在処理している対象領域が、行の先頭(左端)の対象領域である場合にも、処理はステップS755からS770に進む。ステップS770以下の処理は、第1実施例と同じである(図10参照)。
一方、累積輝度差SLdがしきい値Thld以下である場合は、処理はステップS755からステップS760に進む。ステップS760では、対象領域の輝度変化のパターンは、「平坦」に置き換えられる。すなわち、その対象領域は「平坦領域」とされる。そして、その対象領域の水平部分ぼやけ度Bbhは、クリアされる(図16のステップS381参照)。同様に、その対象領域の累積輝度差SLdもクリアされる。その後の処理は、第1実施例と同じである(図5参照)。なお、SLdがしきい値Thld以下である場合とは、連結されるエッジ(互いに異なる色領域の境目)における輝度の差がある程度以下であるということである。
第2実施例においては、このような処理を行うことで、水平方向についてのエッジの輝度の差がある程度以下である対象領域を平坦領域に分類することができる。その結果、画像中で色や明るさが穏やかに変化している部分であって、色が異なる領域同士の境界(すなわち輪郭)ではない部分を、輪郭として扱って、合焦の判定(図3のステップS60〜S80の処理参照)において考慮してしまう可能性を低減することができる。その結果、合焦の判定の精度を高くすることができる。
また、本実施例においては、対象領域のAC成分のDCT係数F01〜F07と、対象領域に対応づけられた基本パターンのAC成分と、に基づいて対象領域の輝度差Ldを計算している(ステップS383参照)。このため、対象領域のDCT係数F00〜F07に基づいて逆DCT(Inverse Discrete Cosine Transform)変換を行って、対象領域の各画素の輝度を計算し、その後、輝度差を計算する態様に比べて、処理の負荷が小さい。その結果、処理に要する時間を短くすることができる。
なお、以上では、水平方向について処理を行う場合を例に、エッジパターンマッチングの処理の内容を説明した。しかし、垂直方向について処理を行う場合も、同様に行うことができる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上記実施例では、エッジパターンマッチングの処理は、各画素の輝度のパターンに基づいて行われた。しかし、エッジパターンマッチングの処理は、各画素の他の階調値に基づいて行うこともできる。たとえば、輝度に代えて、RGB表色系のレッド、グリーン、ブルーの各色成分の強度や、YCrCb表色系のCr,Cbの強度を表す階調値のいずれかに基づいて、エッジパターンマッチングの処理を行うこともできる。すなわち、エッジパターンマッチングの処理は、彩度と色相を有する有彩色であると、輝度(明度)のみで表すことができる無彩色であるとを問わず、色を表すデータに基づいて行うことができる。
C2.変形例2:
エッジパターンマッチングの処理を行う際には、以下のような処理を行うこともできる。すなわち、すべての基本パターンP01〜P31に順位付けをしておく。この順位は、たとえば、サンプルとしての所定数の写真画像を用いて、図5のステップS380でもっとも選択される可能性が高いと思われるものから順に基本パターンを順位付けした順位である。なお、この順位付けは、たとえば、「人物」、「風景」、「夜景」など、写真のシーンに応じて行うこともできる。
そして、エッジパターンマッチングの処理を行う際には、その順位にしたがって、順に基本パターンの正規化DCT係数Cfnjiと、対象領域の正規化係数Fr0i(i=1〜7)と、の差の絶対値の合計SDjを計算する(図5のステップS350および式(4)参照)。そして、SDjが所定の基準よりも小さい最初の基本パターンを、対象領域に関連づける。なお、関連づけられた基本パターンよりも順位が低い基本パターンについては、SDjは計算しない。
このような態様とすれば、エッジパターンマッチングの処理の精度の低下を少なく押さえつつ、処理の負荷を低減することができる。なお、以上では第1実施例に基づいて説明を行ったが、第2実施例において各基本パターングループ内の基本パターンに順位付けを行うことによって、同様の処理を実行することができる。
C3.変形例3:
上記第1実施例では、「対象領域の正規化係数Fr0i(i=1〜7)と、輝度変化の基本パターンPjの正規化DCT係数Cfnjiの差の絶対値の合計」であるSDjが最小の基本パターンが、対象領域に対応づけられる。しかし、基本パターンは、他の方法で選択することもできる。
たとえば、「対象領域の正規化係数と、基本パターンPjの正規化DCT係数Cfnjiの差の絶対値の平均」が最小の基本パターンを、対象領域に対応づけることとしてもよい。また、「対象領域の正規化係数と、基本パターンPjの正規化DCT係数Cfnjiの差の2乗の和」が最小の基本パターンを、対象領域に対応づけることとしてもよい。さらに、「対象領域の正規化係数と、基本パターンPjの正規化DCT係数Cfnjiの差の2乗の平均」が最小の基本パターンを、対象領域に対応づけることとしてもよい。
すなわち、対象領域の色の変化パターンを表す係数と、基本パターンの基本係数との違いに基づいて、複数の所定の基本パターンのうちで両者の違いが最も小さい基本パターンや、両者の違いが所定の基準よりも小さい基本パターンを、対象領域に対応づけられる基本パターンとして選択することができる。なお、以上では第1実施例に基づいて説明を行ったが、第2実施例についても同様に各種の方法で基本パターンを選択することができる。
C4.変形例4:
上記第1実施例では、各基本パターンは、正規化DCT係数を保持しており(図6参照)、画像データのDCT係数は、正規化された後、各基本パターンの正規化DCT係数と比較される(図5のステップS340およびS350参照)。しかし、各基本パターンの各周波数成分に対応する基本係数は、正規化せずに保持することもできる。そして、画像データのDCT係数を、正規化せずにそれらの基本係数と比較する態様とすることもできる。
同様に、第2実施例についても、各基本パターンの各周波数成分に対応する基本係数は、符号つき正規化せずに保持することもできる。そして、画像データのDCT係数を、符号つき正規化せずにそれらの基本係数と比較する態様とすることもできる。
C5.変形例5:
上記第1実施例では、エッジの連結処理において、直前に処理された対象領域と対応づけられた基本パターンが、特定の基本パターンP01〜P07であるか否かが検討された(図10のステップS730)。しかし、ステップS730において、直前に処理された対象領域と対応づけられた基本パターンが、P01〜P07またはP11〜P15であるか否かを検討する態様とすることもできる。
このような態様においては、直前に処理された対象領域の端に1画素分の輝度一定の領域がある場合にも、対象領域の境界において連続的に輝度が変化している場合と同様に処理が行われる。このような態様とすれば、画像処理の誤差のために、直前の対象領域において領域の端に1画素分の輝度一定の領域が生じてしまっている場合についても、画像中の色領域の端(輪郭)のぼやけ幅を正しく決定することができる。
C6.変形例6:
上記第1実施例および変形例5では、対象領域の境界において輝度が増大または減少し続けている場合だけではなく、対象領域の端に1画素分の輝度一定の領域がある場合にも、水平(垂直)部分ぼやけ度が、両方の対象領域の部分ぼやけ度の和に基づいて改変される(図10のステップS720参照)。しかし、対象領域の端において2画素分以上の輝度一定の領域がある場合にも、水平(垂直)部分ぼやけ度を、対象領域の部分ぼやけ度の和に基づいて改変する態様とすることもできる。その際の基準となる「輝度一定の領域」の大きさは、基本パターンの大きさ、および画像データの画像を印刷する際の大きさ(画素密度)に基づいて定めることができる。
C7.変形例7:
上記実施例では、基本パターンは、いずれも8画素分の幅を有する区間についての輝度の変化を表していた(図6および図7参照)。しかし、異なる幅の区間についての輝度の変化を表す基本パターンを準備して、エッジパターンマッチングの処理を行うこととしてもよい。そのような態様においては、エッジパターンマッチングの処理の後、エッジの連結処理を行わないこととしてもよいし、エッジの連結処理を行うこととしてもよい。
C8.変形例8:
エッジの連結処理は、2以上の対象領域について行うことができる。上記実施例以外の態様としては、たとえば、以下のような態様も可能である。すなわち、まず、全区間において輝度が変化する基本パターンP07が対応づけられた対象領域を選択し、その後、その対象領域の両側に隣接する対象領域について、図10と同様の処理をくり返し行うことによって、3以上の対象領域についてのエッジの連結処理を実現することができる。
また、複数の対象領域についての輝度差Ldの合計値SLdを計算し、SLdを所定のしきい値Thldと比較して、輝度差に基づく判定(図18のステップS755参照)を行う際には、次のような態様とすることが好ましい。すなわち、図18のステップS770の処理を行う際に、各対象領域の累積輝度差SLdが何個の対象領域の輝度差Ldの合計値であるかをそれぞれ記憶しておく。なお、最初にステップS770の処理を行う前には、その対象領域の数は1とする。そして、その後、ある対象領域についてステップS755の処理を行う際には、その対象領域の累積輝度差SLdの決定に際して考慮された対象領域の数に応じて、比較対象とするしきい値Thldを選択することが好ましい。
また、以下のような態様とすることもできる。すなわち、図18および図19の処理において、ステップS755において、累積輝度差SLdを計算し、そのまま判定処理を行わずにステップS770に進む。そのようにして、いったん各対象領域の部分ぼやけ度を決定する。そして、ステップS770において置き換えられた各部分ぼやけ度について、ステップS780の後で、所定のしきい値よりも大きいか否かを判定する。置き換えられた部分ぼやけ度がその所定のしきい値よりも小さい場合には、その部分ぼやけ度をクリアする。すなわち、その部分ぼやけ度を0とする。そして、処理を終了する。
このような態様としても、色が異なる領域同士の境界ではない部分を、輪郭として扱って、合焦の判定において考慮してしまう可能性を低減することができる。
C9.変形例9:
上記第1実施例では、現在処理している対象領域Atpと直前に処理された対象領域Atfの水平(または垂直)部分ぼやけ度を、新たな値に置き換える(図10のステップS770参照)。しかし、水平(または垂直)部分ぼやけ度を、新たな値に置き換える対象領域は、これらの対象領域に限られるわけではない。たとえば、現在処理している対象領域Atpと直前に処理された対象領域Atfのいずれか一方の水平(または垂直)部分ぼやけ度を、新たな値に置き換える態様とすることもできる。
また、3以上の対象領域についてのエッジの連結処理を行う場合には、エッジの連結処理を行った3以上の対象領域のうち一つ(たとえば、最初の対象領域または最後の対象領域)のみについて、水平(または垂直)部分ぼやけ度を、新たな値に置き換える態様とすることもできる。一方、エッジの連結処理を行った3以上の対象領域の一部またはすべてについて、水平(または垂直)部分ぼやけ度を、新たな値に置き換える態様とすることもできる。
C10.変形例10:
上記の第1実施例では、平坦領域に対する基本パターンの関連づけ(図9)をおこなっていた。また、上記の実施例では、エッジの連結処理において、輝度が増減する場合に、輝度の変化パターンを「平坦」に置き換えていた(図10のステップS760)。しかし、これらの処理については、いずれか一方または両方を行わない態様とすることもできる。そのような態様とすれば、処理の負荷を軽減することができる。
C11.変形例11:
上記実施例では、対象領域の水平部分ぼやけ度Bbhと、垂直部分ぼやけ度Bbvのうち、大きい方をその対象領域の部分ぼやけ度Bbとする(図3のステップS50参照)。しかし、対象領域の部分ぼやけ度Bbは、他の方法で決定することもできる。
たとえば、水平部分ぼやけ度Bbhと、垂直部分ぼやけ度Bbvのうち小さい方を対象領域の部分ぼやけ度Bbとすることもできる。また、水平部分ぼやけ度Bbhと、垂直部分ぼやけ度Bbvの相加平均または相乗平均を対象領域の部分ぼやけ度Bbとすることもできる。その際、水平部分ぼやけ度Bbhと、垂直部分ぼやけ度Bbvにそれぞれ重みを付すこともできる。すなわち、対象領域の部分ぼやけ度は、対象領域の水平部分ぼやけと、垂直部分ぼやけ度と、を使用して計算することができる。
C12.変形例12:
上記実施例において、各しきい値(たとえば、図3のステップS60のしきい値ThbbやステップS80のしきい値Thrf、図5のステップS330のしきい値Thsf、ステップS360のしきい値Thsd、図9のステップS540のしきい値Thsdaなど)は、固定された値であった。しかし、これらの各しきい値は、画像データの特性に応じて選択されることもできる。
たとえば、画像データの画像の明るさに応じて、各ステップの判定に用いられるしきい値を選択することが好ましい。輝度(色)の差が同程度であっても、輝度の絶対的な大きさによって、人間の目に付きやすいか否かが異なるためである。同様に、ある色から他の色に変化する際の境界の幅が同程度であっても、その境界が存在する部分の輝度によって、人間の目に付きやすいか否かが異なるためである。
また、レッド、グリーン、ブルーやCr,Cbの各色成分に応じて上記各しきい値を定めることも好ましい。異なる色においては、同じ階調差、同じエッジ幅であっても、人間の目に付きやすいか否かが異なるためである。
C13.変形例13:
上記実施例では、画像中の合焦領域の数Nfを、合焦領域の数Nfと非合焦領域の数Nnの和で割って得られる割合Rfが所定のしきい値Thrf以上である場合に、その画像データファイルの画像を合焦画像であると決定する(図3のステップS70およびS80参照)。そして、合焦領域は、部分ぼやけ度Bbが所定のしきい値Thbbよりも小さい領域である(図3のステップS60参照)。しかし、合焦画像であるか否かの判定は、他の方法で行うこともできる。
たとえば、所定の大きさの矩形領域であって、部分ぼやけ度が第1の基準値よりも小さい合焦領域が、その矩形領域中において第2の基準値よりも多くなるような矩形領域が、写真画像中に存在する場合に、その写真画像を合焦画像であると判定することもできる。このような態様とすれば、ユーザに特に重視される部分(たとえば、顔が写っている顔領域)についてピントが合っている画像を、他の部分についてピントが合っていなくても、合焦画像であると判定することができる。
なお、矩形領域は、画像をL版(8.9cm×12.7cm)に印刷したときにHcm×Wcmの大きさとなるような矩形領域とすることができる。このHおよびWは、それぞれ0.5〜1.5とすることができ、0.8〜1.2であることが好ましい。通常、L版の写真においては、ユーザが写そうとする対象物がその程度以上の大きさとなることが多いためである。
また、第2の基準値は75%とすることが好ましく、80%とすることがより好ましい。そして、第1の基準値は、画像をL版(8.9cm×12.7cm)に印刷したときの寸法がTmmとなる画素数とすることができる。Tは、0.3〜0.7とすることができ、0.4〜0.6であることがより好ましい。なお、これらの基準値は、画像データの画素数と、画像データの画像を印刷する際の大きさと、に基づいて定めることができる。
また、部分ぼやけ度が第1の基準値よりも小さい対象領域が、写真画像中に存在する場合に、その写真画像を合焦画像と判定することもできる。このような態様とすれば、ユーザが、画像中で小さく写っている物体にピントを合わせて写真を撮った場合にも、その写真画像を合焦画像であると判定することができる。
さらに、写真画像の領域を、中央近傍の第1の領域と、第1の領域を囲む外周近傍の第2の領域と、に分けたときに、合焦領域が第1の領域内に所定数または所定割合以上存在する場合に、その写真画像を合焦画像であると判定することもできる。このような態様とすれば、中央に人物を配し、その人物にピントを合わせて背景をぼかした写真を、合焦画像であると判定することができる。
すなわち、写真画像が合焦画像であるか否かの判定は、写真画像中の各特定領域の部分ぼやけ度に基づいて、統計的手法で決定される写真画像データ全体のぼやけ度と、しきい値とを比較することによって行うことができる。
C14.変形例14:
上記実施例においては、画像データは離散コサイン変換(DCT)によって得られる各周波数の係数を有する画像データである。そして、基本パターンも、同様に離散コサイン変換(DCT)で得られる係数としてROM160に格納されている。しかし、画像データが他の直交変換によって得られる各周波数の係数を有する態様とすることもできる。そのような態様においては、基本パターンも、同じ直交変換で得られる係数として格納されていることが好ましい。なお、直交変換としては、たとえば離散コサイン変換、離散フーリエ変換、離散サイン変換などの正規直交変換を適用することができる。
C15.変形例15:
上記実施例では、図3のステップS10で読み出される画像データファイルは、JPEG形式の画像データファイルである。しかし、BMP形式の画像データファイルなど、他の形式の画像データファイルを読み出す態様とすることもできる。そのような態様においては、あらかじめ画像の一部の領域である対象領域の所定の方向に沿った変化のパターンを表す複数の周波数成分の係数を計算した後に、ステップS20以下の処理を行うことが好ましい。
C16.変形例16:
本実施例では、プリンタ1は、メモリカードを挿入されデータを読み取るためのカードスロット70を備えていた。しかし、プリンタ1は、カードスロット70に換えて、画像データファイルを受け取るための他の手段を備えていてもよい。たとえば、プリンタ1は、有線または無線の通信回線を通じて外部から画像データファイルを受け取ることができる通信部を備えていてもよい。
C17.変形例17:
上記実施例では、一体型のプリンタ1の例について説明した(図1参照)。しかし、本発明は、複数の画像データファイルについて合焦判定を行って、合焦画像の画像データファイルの候補を選択して行う様々な処理に適用することができる。また、本発明は、画像データの画像がぼやけているか否かを判定する処理を行うことができるコンピュータとして実現することもできる。また、そのような処理を経て決定されたぶれ画像であるか否かの情報を、データとして生成し、画像データファイルに付加することもできる。
本発明の一態様は、たとえば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどの表示部と、キーボードやマウスなどの入力部と、CPUと、メインメモリと、を備えるコンピュータシステムとして実現することもできる。そのような態様においては、コンピュータシステムのCPUは、上記実施例のCPU100と同様の機能を奏する。そして、表示部には、選択された画像データファイルの画像が表示される。
また、本発明の他の態様は、候補として選択された画像データファイルを平面や空間に投射するプロジェクタシステムを備えるシステムとすることもできる。すなわち、画像データファイルの出力は、印刷媒体への印刷に限らず、表示装置への表示、または投射部による外部への投射など、様々な態様とすることができる。
なお、上記の各システムにおいて、出力の対象とする画像データファイルの候補をぼやけ度に基づいて選択した後に、さらにそれらの候補の中から出力対象を選択する処理を行った後に、印刷、表示などの出力を行う態様とすることもできる。また、たとえば、複数の画像データファイルの中からぼやけ度に基づいて出力の対象とする画像データファイルの候補を選択した後、それらの画像を、ディスプレイ40に表示して、印刷するか否かの決定をユーザに促すようにすることもできる。
C18.変形例18:
上記第2実施例では、輝度の最大値と最小値の差は、DCT係数と基本パターンの符号つき正規化係数に基づいて計算していた(式(10)、式(7)等参照)。しかし、色の濃度や輝度の最大値と最小値の差は、DCT係数から各画素位置の色の濃度および輝度を計算することによって、計算することもできる。
C19.変形例19:
上記実施例では、正規化または符号つき正規化によって得られる複数の係数は、絶対値の合計が1となるような係数であった。しかし、正規化および符号つき正規化は、そのような態様に限らず、他の態様とすることができる。すなわち、正規化および符号つき正規化は、得られる複数の係数の絶対値の合計が、各基本パターンおよび対象領域の輝度変化パターンについて一定値となるように、行うことができる。
C20.変形例20:
上記第2実施例では、各基本パターンPja,Pjb,Pjc,PjdのAC成分の絶対値の和Sja,Sjb,Sjc,Sjdが、あらかじめROM160に格納されている。しかし、ROM160に格納する値は、各基本パターンPja,Pjb,Pjc,PjdのAC成分の絶対値の和Sja,Sjb,Sjc,Sjdに関連する他の値とすることもできる。
たとえば、ROM160に格納する値は、各基本パターンPja,Pjb,Pjc,PjdのAC成分の絶対値の和Sja,Sjb,Sjc,Sjdを√2倍し、ULで割った値Snja,Snjb,Snjc,Snjdとすることもできる。そのような場合には、ROM160に格納されているSnjx(xは、a,b,cまたはd)を使用して、以下の式で輝度差Ldを得ることができる。
Ld=Sfh/Snjx ・・・ (14)
また、第1実施例のように基本パターンの輝度差の大きさが基本パターンごとに異なる態様においては(図7参照)、各基本パターンのAC成分の絶対値の和を√2倍し、各基本パターンの輝度差(輝度の最大値と最小値の差)で割った値を、ROM160に格納しておくこともできる。そのような値を使用しても、対象領域の水平方向のAC成分のDCT係数の絶対値の和Sfhに基づいて、輝度差Ldを計算することができる。
いずれの態様においても、対象領域の輝度の最大値と最小値の差に対応する輝度差Ldは、「対象領域の水平方向(または垂直方向)のAC成分のDCT係数の絶対値の和Sfh(またはSfv)」を「基本パターンのAC成分の絶対値の和」で割って得られる値に、所定の定数を掛けた値となる。
C21.変形例21:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、CPUの機能の一部をハードウェア回路が実行するようにすることもできる。
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
この明細書において、コンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラム
でなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
なお、この明細書において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
本発明の実施例であるプリンタ1を示す斜視図。 液晶ディスプレイ40とボタン群50とが設けられた操作パネルを拡大して示す平面図。 「おまかせ印刷」の処理内容を示すフローチャート。 JPEG形式の画像データが格納している対象領域の画像についてのDCT係数を示す図。 エッジパターンマッチングの処理内容を示すフローチャート。 基本パターンP01の輝度レベルL1iと、1次元DCT係数Cf1i,正規化DCT係数Cfn1iを示す図(i=1〜7)。 16個の輝度変化の基本パターンPj(jは、01〜07,11〜15,21〜23,31)を示す図。 輝度変化のパターンの向きとDCT係数の符号との関係を示す表。 図5のステップS330の判定結果がNoである場合に実行される処理の内容を示すフローチャート。 図3のステップS30におけるエッジの連結処理の内容を示すフローチャート。 16個の輝度変化の基本パターンを含む基本パターングループPGaを示す図 16個の輝度変化の基本パターンを含む基本パターングループPGbを示す図 16個の輝度変化の基本パターンを含む基本パターングループPGcを示す図 16個の輝度変化の基本パターンを含む基本パターングループPGdを示す図 第2実施例におけるエッジパターンマッチングの処理内容を示すフローチャート。 第2実施例におけるエッジパターンマッチングの処理内容を示すフローチャート。 ステップS315における基本パターングループの選択方法を示す表。 第2実施例におけるエッジの連結処理の内容を示すフローチャート。 第2実施例におけるエッジの連結処理の内容を示すフローチャート。
符号の説明
1…プリンタ
20…オートシードフィーダ
30…排紙トレイ
40…液晶ディスプレイ
50…ボタン群
52…電源ボタン
54…モードボタン群
56…設定ボタン
58…メニューボタン群
60…スタートボタン群
62…ストップボタン
70…カードスロット
100…CPU
150…メインメモリ
160…ROM
582…OKボタン
584…ボタン
586…選択ボタン群
588…印刷枚数ボタン群
601…カラー印刷用ボタン
602…モノクロ印刷用ボタン
A1…メモリカードMCのカードスロット70への挿入を示す矢印
M11…「すべて印刷」のメニュー表示
M12…「選んで印刷」のメニュー表示
M13…「おまかせ印刷」のメニュー表示
M21…「おまかせ印刷」の説明
Atp…現在処理している対象領域
Atf…直前に処理された対象領域
Bb…対象領域の部分ぼやけ度
Bbh…対象領域の水平部分ぼやけ度
Bbv…対象領域の垂直部分ぼやけ度
Cf1i…基本パターンP01の1次元DCT係数(i=0〜7)
Cfn1i…基本パターンP01の正規化DCT係数
F00…JPEG画像データファイルのDCT係数(DC成分)
F01〜F77…JPEGのDCT係数(AC成分)
Fr0i…対象領域の正規化係数(i=0〜7)
L1i…基本パターンP01の各画素位置の輝度レベル(i=0〜7)
MC…メモリカード
P01a〜P01d…基本パターンP01を上下左右に反転させた輝度変化パターン
P01〜P31…基本パターン
PGa〜PGd…基本パターングループ
Pf…直前に処理した対象領域Atfの輝度変化のパターン
Pj,Pja,Pjb,Pjc,Pjd…基本パターン(j=01〜07,11〜15,21〜23,31)
Pmat…基本パターン
Pp…現在処理している対象領域Atpの輝度変化のパターン
S1…メニューが選択されていることを示す枠
SDj…正規化DCT係数Cfnjiの差の絶対値の合計
SDsj…符号つき正規化DCT係数Cfsjiの差の絶対値の合計
UL…単位輝度差

Claims (24)

  1. 複数の画像データの中から画像データの候補を選択して印刷する印刷装置であって、
    複数の画像データの中から一つの画像データを取得するデータ取得部であって、前記画像データは、所定の方向に沿った画像の色の変化のパターンを表す複数の係数を含み、前記複数の係数は、それぞれ異なる周波数成分に対応する係数である、データ取得部と、
    色の変化の基本パターンを表す複数の基本係数をそれぞれ含む複数の基本パターンデータを格納している基本パターンメモリであって、前記複数の基本係数は、それぞれ異なる周波数成分に対応する係数であり、前記基本パターンデータは、色の境界部分におけるぼやけ度を表す基本ぼやけ度を表すデータを含む、基本パターンメモリと、
    前記取得された画像データに含まれる前記複数の係数と、前記基本パターンメモリに格納された前記複数の基本パターンデータにそれぞれ含まれる前記複数の基本係数と、の比較に基づいて、前記複数の基本パターンデータの中から一つの選択基本パターンデータを選択する基本パターン選択部と、
    前記選択基本パターンデータに対応づけられた前記基本ぼやけ度に基づいて前記画像データのぼやけ度を計算し、前記ぼやけ度に基づいて前記取得された画像データを候補とするか否かを決定する候補決定部と、
    前記候補として選択された画像データを印刷する印刷部と、を含む印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記基本パターン選択部は、所定の第1の条件が満たされた場合に、前記画像データの画像の一部の領域である対象領域内の前記所定の方向に沿った画像の色の変化のパターンを表す前記複数の係数と、前記基本パターンメモリに格納された前記複数の基本パターンデータにそれぞれ含まれる前記複数の基本係数と、の比較に基づいて、前記選択基本パターンデータを選択し、
    前記候補決定部は、
    前記選択基本パターンデータの前記基本ぼやけ度に基づいて前記対象領域の部分ぼやけ度を決定し、
    前記取得された画像データの前記画像に含まれる複数の前記対象領域の前記部分ぼやけ度に基づいて、前記取得された画像データを前記候補とするか否かを決定する、印刷装置。
  3. 請求項2記載の印刷装置であって、
    前記基本係数は、前記周波数成分のうち交流成分に対応する係数であり、
    前記基本パターン選択部は、前記対象領域の前記複数の係数のうち交流成分に対応する係数と、前記複数の基本パターンデータにそれぞれ含まれる前記複数の基本係数と、の比較に基づいて、前記選択基本パターンデータを選択する、印刷装置。
  4. 請求項3記載の印刷装置であって、
    前記複数の基本係数は、いずれも正の数であって合計が一定値となる係数であり、
    前記基本パターン選択部は、さらに、前記対象領域について、前記各周波数成分の絶対値の大きさの比に基づいて、合計が前記一定数となるように前記各周波数成分に対応する前記係数を計算する、印刷装置。
  5. 請求項4記載の印刷装置であって、
    前記複数の基本パターンデータは、所定の順位のデータを有しており、
    前記基本パターン選択部は、前記選択基本パターンデータを選択する際に、前記順位にしたがって、順に前記複数の基本パターンデータの前記複数の基本係数を前記対象領域の前記複数の係数と比較し、前記複数の基本係数と前記複数の係数との相違が所定の基準よりも小さい最初の基本パターンを、前記選択基本パターンデータとして選択する、印刷装置。
  6. 請求項4記載の印刷装置であって、
    前記複数の基本係数は、前記色の変化の基本パターンとして、所定の区間内において、第1の値から第2の値へ輝度が変化する輝度の変化のパターンを表し、
    前記基本ぼやけ度は、前記所定の区間内において、前記第1の値から前記第2の値へ輝度が変化する区間の幅に対応する値であり、
    第1の対象領域に基づいて選択された第1の選択基本パターンデータにおいて前記輝度が変化する区間と、前記第1の対象領域に対して前記所定の方向に並んで隣接する第2の対象領域に基づいて選択された第2の選択基本パターンデータにおいて前記輝度が変化する区間とが、それぞれ前記所定の区間内において他方の対象領域の側の端に位置し、かつ、前記輝度の変化の向きが同じである場合には、前記候補決定部は、前記第1と第2の対象領域の少なくとも一方の前記部分ぼやけ度を、前記第1と第2の前記選択基本パターンデータの前記基本ぼやけ度の和に基づいて計算する、印刷装置。
  7. 請求項6記載の印刷装置であって、
    前記基本パターン選択部は、さらに、前記第1と第2の選択基本パターンデータにおいて、前記輝度が変化する区間が、前記所定の区間のそれぞれ他方の対象領域の側の端から所定値以下の幅だけ内側の位置まで存在し、かつ、前記輝度の変化の向きが同じである場合には、前記第1と第2の対象領域の少なくとも一方の前記部分ぼやけ度を、前記第1と第2の対象領域の前記選択基本パターンデータの前記基本ぼやけ度の和に基づいて計算する、印刷装置。
  8. 請求項6記載の印刷装置であって、
    前記複数の基本パターンの前記所定の区間の大きさは互いに等しい、印刷装置。
  9. 請求項6記載の印刷装置であって、
    前記複数の基本パターンは、前記所定の区間の大きさが互いに異なる基本パターンを含む、印刷装置。
  10. 請求項2記載の印刷装置であって、
    前記第1の条件は、前記対象領域の前記複数の係数の絶対値の合計が所定の基準値よりも大きいことである、印刷装置。
  11. 請求項10載の印刷装置であって、
    前記基本パターン選択部は、さらに、前記第1の条件が満たされなかった場合であって所定の第2の条件が満たされた場合に、互いに隣接する二つの前記対象領域の輝度の差に基づいて前記選択基本パターンデータを選択する、印刷装置。
  12. 請求項2記載の印刷装置であって、
    前記候補決定部は、前記部分ぼやけ度を決定する際に、
    前記所定の方向の一つとしての前記画像の水平方向に沿った前記対象領域の前記画像の色の変化のパターンを表す前記複数の係数に基づいて前記選択基本パターンデータを選択し、前記選択基本パターンデータの前記基本ぼやけ度に基づいて前記対象領域の水平ぼやけ度を計算し、
    前記所定の方向の一つとしての前記画像の垂直方向に沿った前記対象領域の前記画像の色の変化のパターンを表す前記複数の係数に基づいて前記選択基本パターンデータを選択し、前記選択基本パターンデータの前記基本ぼやけ度に基づいて前記対象領域の垂直ぼやけ度を計算し、
    前記水平ぼやけ度および前記垂直ぼやけ度に基づいて前記対象領域の前記部分ぼやけ度を決定する、印刷装置。
  13. 請求項12記載の印刷装置であって、
    前記候補決定部は、前記水平ぼやけ度および前記垂直ぼやけ度のうち大きい方に基づいて前記対象領域の前記部分ぼやけ度を決定する、印刷装置。
  14. 請求項2記載の印刷装置であって、
    前記候補決定部は、前記取得された画像データの前記画像に含まれる所定の大きさの領域であって、前記部分ぼやけ度が第1の基準値よりも小さい対象領域を、第2の基準値よりも多く含む領域が存在する場合に、前記取得された画像データを前記候補とする、印刷装置。
  15. 請求項14記載の印刷装置であって、
    前記第1および第2の基準値は、前記画像データの前記画像の画素数と、前記画像データの前記画像を印刷する際の大きさと、に基づいて定められる、印刷装置。
  16. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記複数の基本パターンデータは、それぞれ1以上の前記基本パターンデータを含む複数の基本パターンデータグループに分類されており、
    前記基本パターン選択部は、
    前記選択基本パターンデータを選択する際に、前記画像データの前記複数の係数のうちの一部に基づいて、前記複数の基本パターンデータグループの中の一つを選択するグループ選択部を備え、
    前記画像データに含まれる前記複数の係数と、前記選択された基本パターンデータグループの基本パターンデータに含まれる前記複数の基本係数と、の比較に基づいて、前記複数の基本パターンデータの中から一つの選択基本パターンデータを選択する、印刷装置。
  17. 請求項16記載の印刷装置であって、
    前記基本パターン選択部は、所定の第1の条件が満たされた場合に、前記画像データの画像の一部の領域である対象領域内の前記所定の方向に沿った画像の色の変化のパターンを表す前記複数の係数と、前記基本パターンメモリに格納された前記複数の基本パターンデータにそれぞれ含まれる前記複数の基本係数と、の比較に基づいて、前記選択基本パターンデータを選択し、
    前記候補決定部は、
    前記選択基本パターンデータの前記基本ぼやけ度に基づいて前記対象領域の部分ぼやけ度を決定し、
    前記取得された画像データの前記画像に含まれる複数の前記対象領域の前記部分ぼやけ度に基づいて、前記取得された画像データを前記候補とするか否かを決定し、(旧2)
    前記基本係数は、前記周波数成分のうち交流成分に対応する係数であり、
    前記基本パターン選択部は、前記対象領域の前記複数の係数のうち交流成分に対応する係数と、前記複数の基本パターンデータにそれぞれ含まれる前記複数の基本係数と、の比較に基づいて、前記選択基本パターンデータを選択し、(旧3)
    前記複数の基本係数は、絶対値の合計が一定値となる係数であり、
    前記基本パターン選択部は、さらに、前記対象領域について、前記各周波数成分に基づいて、絶対値の合計が前記一定値となるように前記各周波数成分に対応する前記係数を計算する、印刷装置。
  18. 請求項16記載の印刷装置であって、
    前記グループ選択部は、前記複数の係数のうち、前記周波数成分のうち1番目と2番目に低周波の交流成分に対応する係数の符号に基づいて、前記複数の基本パターンデータグループの中の一つを選択する、印刷装置。
  19. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記基本パターン選択部は、所定の第1の条件が満たされた場合に、前記画像データの画像の一部の領域である対象領域内の前記所定の方向に沿った画像の色の変化のパターンを表す前記複数の係数と、前記基本パターンメモリに格納された前記複数の基本パターンデータにそれぞれ含まれる前記複数の基本係数と、の比較に基づいて、前記対象領域に対応づけて前記選択基本パターンデータを選択し、
    前記候補決定部は、
    前記選択基本パターンデータの前記基本ぼやけ度に基づいて、前記取得された画像データの前記画像に含まれる前記対象領域の部分ぼやけ度を決定し、
    前記対象領域の前記複数の係数に基づいて、前記対象領域における色の濃度の最大値と最小値の差に対応する第1の評価値を決定し、
    前記取得された画像データの前記画像に含まれる複数の対象領域に関する第2の評価値を、前記複数の対象領域に含まれる各対象領域の前記第1の評価値に基づいて決定し、
    前記第2の評価値が所定の第2の条件を満たす場合に、前記複数の対象領域に含まれる各対象領域の前記部分ぼやけ度に基づいて、前記取得された画像データを前記候補とするか否かを決定する、印刷装置。
  20. 請求項19記載の印刷装置であって、
    前記複数の対象領域は、前記所定の方向に沿って連続して存在する複数の対象領域であって、前記選択基本パターンデータに関する所定の条件を満たす複数の対象領域である、印刷装置。
  21. 請求項20記載の印刷装置であって、
    前記選択基本パターンデータに関する前記所定の条件は、前記選択基本パターンデータが表す前記基本パターンが、前記基本パターンの少なくとも一方の端において輝度が変化する部分を含む、という条件を少なくとも前記所定の条件の一部として含む、印刷装置。
  22. 請求項19記載の印刷装置であって、
    前記候補決定部は、前記対象領域の前記係数であって前記周波数成分のうち交流成分に対応する係数の絶対値の和の、前記選択基本パターンデータの前記基本係数であって前記周波数成分のうち交流成分に対応する係数の絶対値の和に対する比に基づいて、前記第1の評価値を得る、印刷装置。
  23. 画像データの画像のぼやけ度を計算する方法であって、
    (a)所定の方向に沿った画像の色の変化のパターンを表す複数の係数を含む画像データであって、前記複数の係数はそれぞれ異なる周波数成分に対応する係数である画像データを取得する工程と、
    (b)色の変化の基本パターンを表す複数の基本係数をそれぞれ含む複数の基本パターンデータを準備する工程であって、前記複数の基本係数は、それぞれ異なる周波数成分に対応する係数であり、前記基本パターンデータは、色の境界部分におけるぼやけ度を表す基本ぼやけ度を表すデータを含む、工程と、
    (c)前記画像データに含まれる前記複数の係数と、前記複数の基本パターンデータにそれぞれ含まれる前記複数の基本係数と、の比較に基づいて、前記複数の基本パターンデータの中から一つの選択基本パターンデータを選択する工程と、
    (d)前記選択基本パターンデータに対応づけられた前記基本ぼやけ度に基づいて、前記画像データの画像のぼやけ度を計算する工程と、を含む方法。
  24. 画像データの画像のぼやけ度を計算する処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    所定の方向に沿った画像の色の変化のパターンを表す複数の係数を含む画像データであって、前記複数の係数はそれぞれ異なる周波数成分に対応する係数である画像データを取得する機能と、
    色の変化の基本パターンを表す複数の基本係数をそれぞれ含む複数の基本パターンデータを準備する機能であって、前記複数の基本係数は、それぞれ異なる周波数成分に対応する係数であり、前記基本パターンデータは、色の境界部分におけるぼやけ度を表す基本ぼやけ度を表すデータを含む、機能と、
    前記画像データに含まれる前記複数の係数と、前記複数の基本パターンデータにそれぞれ含まれる前記複数の基本係数と、の比較に基づいて、前記複数の基本パターンデータの中から一つの選択基本パターンデータを選択する機能と、
    前記選択基本パターンデータに対応づけられた前記基本ぼやけ度に基づいて、前記画像データの画像のぼやけ度を計算する機能と、
    を前記コンピュータに実現させるコンピュータプログラム。
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