JP2008028591A - 撮像装置における画像処理方法と撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フォーカスのための待ち時間を不要としてシャッターチャンスを逃すようなことが無く、かつ、固体撮像素子をフォーカシング姿勢と撮影姿勢に切り換える姿勢切り替え機構などのコストやスペースを必要とする機構も不要で、安価に、小型に構成できる撮像装置を提供する。
【解決手段】光学レンズにより結像された被写体像を画像データとして出力する撮像素子の、1辺近傍をレンズから無限遠の位置に置かれた被写体像のピントが合う位置に、この1辺と対向する他の1辺近傍をレンズに設定した最至近距離に置かれた被写体像のピントが合う位置になるようレンズ光軸に対して傾けて設置し、合焦希望位置では、被写体の合焦距離から合焦希望位置までの間隔に応じたエッジ像補正を、合焦希望位置以外の位置では、希望位置からの距離に応じたピントがはずれる方向のエッジ像補正を実施した画像データを出力するよう画像処理する。
【選択図】図1
【解決手段】光学レンズにより結像された被写体像を画像データとして出力する撮像素子の、1辺近傍をレンズから無限遠の位置に置かれた被写体像のピントが合う位置に、この1辺と対向する他の1辺近傍をレンズに設定した最至近距離に置かれた被写体像のピントが合う位置になるようレンズ光軸に対して傾けて設置し、合焦希望位置では、被写体の合焦距離から合焦希望位置までの間隔に応じたエッジ像補正を、合焦希望位置以外の位置では、希望位置からの距離に応じたピントがはずれる方向のエッジ像補正を実施した画像データを出力するよう画像処理する。
【選択図】図1
Description
本発明は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconducter)で構成される撮像素子上に光学レンズ系によって被写体像を結像させ、画像データとして取り出してメモリなどに記憶させる所謂デジタルカメラに代表される撮像装置における画像処理方法と撮像装置に関し、特に、フォーカスのための待ち時間を不要とし、シャッターチャンスを逃すようなことを無くした撮像装置における画像処理方法と撮像装置に関するものである。
最近のカメラには、初心者にとって困難なピント合わせを自動的に行うオートフォーカス機能を搭載したものが多い。このオートフォーカスの方式としては、カメラ側から信号を発して被写体から反射した信号が到達するまでの時間を測定し、それを距離に換算してフォーカスレンズを駆動して行うアクティブ方式や、撮影レンズに入ってくる光の情報を用いて焦点位置を検出し、フォーカスレンズを駆動するパッシブ方式などがある。
このうちアクティブ方式は、測距用の信号を発する赤外線等の発光素子や反射してきた信号を受ける受光素子を必要とし、その分カメラ内にスペースが必要となるからカメラが大型化すると共にコスト的にも不利になる、という問題を含んでいる。それに対し、例えばコントラスト方式(周波数分離方式)で代表されるパッシブ方式では、撮影レンズに入ってくる光の情報を用いてピント合わせするため、発光素子や受光素子が必要なく、部品数がアクティブ方式に較べて少なくて済むと共にスペースも必要ないから、それだけコスト的に有利になる。特にデジタルカメラでは、撮像素子がそのままオートフォーカス用として使うことが可能であるから、この方式を用いているものが多い。
上記したコントラスト方式(周波数分離方式)は、撮像素子上に投影された被写体像におけるコントラスト比や周波数成分がピントが合っている時に最も大きくなる、という性質を用いて焦点合わせするもので、フォーカスレンズまたは撮像素子をレンズの光軸方向に小さく前後させ、変化するコントラスト比または周波数成分が最も高くなった位置が焦点の合った位置である、と判断する。
しかしながらこのコントラスト方式では、フォーカスレンズまたは撮像素子をレンズの光軸方向に小さく前後させているため、常時ピントの合った画像を表示装置に表示させるようにした場合に電力消費が大きい。また、ピント合わせのためにレンズを無限遠側と至近側のどちら方向に動かせばよいのかの判断や、コントラストが低くてどこにピントを合わせたらよいかわかりずらい被写体では、コントラストが最大となる位置を探すのに時間が掛かってしまうため、シャッターチャンスを逃してしまうという問題もある。
そのため特許文献1には、ビデオカメラに関するものではあるが、固体撮像手段をフォーカスレンズの光軸に対して所定角度(明細書中では極めて小さい値としている)傾け、撮像手段におけるレンズに対して遠い領域の撮像出力と、近い領域の撮像出力とを比較し、よりコントラストの高い方向へレンズを動かすようにして、オートフォーカスに掛かる時間を短縮するようにした技術が示されている。
また特許文献2には、固体撮像素子の法線方向を撮影光学系の光軸方向に一致させた撮影姿勢と、固体撮像素子の法線方向を撮影光学系の光軸方向に対し傾けたフォーカシング姿勢とに切り換え可能に構成し、フォーカシングの際、固体撮像素子の姿勢をフォーカシング姿勢として撮影光学系を移動させ、固体撮像素子上に設定された複数の領域それぞれのコントラストを検知してピントの合った位置を検出することで、高速にオートフォーカスを実現できるようにしたデジタルカメラが示されている。
しかしながら特許文献1に示されたビデオカメラは、極めて小さい角度とはいえ固体撮像手段をフォーカスレンズの光軸に対して傾けているから、傾けない場合に比較し、固体撮像手段上におけるレンズに対して遠い領域と近い領域とでのピントの合い方が異なってくる。ビデオカメラは、撮像素子の画素数が現在のデジタルカメラに比較して少なく、傾け角度が小さければピントの合い方の違いはそれほど目立たないかもしれないが、素子数が多い高精細なデジタルカメラではその違いがわかってしまう。また特許文献2に示されたデジタルカメラでは、固体撮像素子をフォーカシング姿勢と撮影姿勢に切り換える姿勢切り替え機構が必要であり、その分、スペースが必要であると共に高価になる。
そのため本発明においては、フォーカスのための待ち時間を不要としてシャッターチャンスを逃すようなことが無く、かつ、固体撮像素子をフォーカシング姿勢と撮影姿勢に切り換える姿勢切り替え機構などのコストやスペースを必要とする機構も不要で、安価に、小型に構成できる所謂デジタルカメラに代表される撮像装置を提供することが課題である。
上記課題を解決するため本発明における撮像装置における画像処理方法と撮像装置は、
光学レンズにより結像された被写体像を画像データとして出力する撮像素子と、前記画像データを記憶する記憶手段とを有する撮像装置における画像処理方法であって、
前記撮像素子は、前記光学レンズ光軸に垂直な面に対して傾けて設置され、
前記撮像素子上の所定位置におけるピントが合う光学レンズと被写体の間隔(以下合焦距離と称す)及び前記被写体が前記合焦距離からの所定距離における前記撮像素子上のエッジ強度と、前記画像データから検出したエッジ部のエッジ強度とから、前記エッジ部の合焦距離からの間隔を取得し、
前記被写体におけるピントを合わせたい位置またはピントを合わせたい距離(以下合焦希望位置または合焦希望距離と称す)では前記取得した被写体上の合焦距離からの間隔に応じたピントが合う方向のエッジ像補正を、前記合焦希望位置または合焦希望距離以外の位置では前記合焦希望位置または合焦希望距離からの距離に応じたピントがはずれる方向のエッジ像補正をおこなうことを特徴とする。
光学レンズにより結像された被写体像を画像データとして出力する撮像素子と、前記画像データを記憶する記憶手段とを有する撮像装置における画像処理方法であって、
前記撮像素子は、前記光学レンズ光軸に垂直な面に対して傾けて設置され、
前記撮像素子上の所定位置におけるピントが合う光学レンズと被写体の間隔(以下合焦距離と称す)及び前記被写体が前記合焦距離からの所定距離における前記撮像素子上のエッジ強度と、前記画像データから検出したエッジ部のエッジ強度とから、前記エッジ部の合焦距離からの間隔を取得し、
前記被写体におけるピントを合わせたい位置またはピントを合わせたい距離(以下合焦希望位置または合焦希望距離と称す)では前記取得した被写体上の合焦距離からの間隔に応じたピントが合う方向のエッジ像補正を、前記合焦希望位置または合焦希望距離以外の位置では前記合焦希望位置または合焦希望距離からの距離に応じたピントがはずれる方向のエッジ像補正をおこなうことを特徴とする。
撮像装置をこのように構成することで、ピントを合わせたい被写体が中央に無くても、撮影者が画面のピントを合わせたい箇所またはピントを合わせたい距離を指定すれば、その箇所或いは距離にあたかもピントが合ったような画像にする、あるいは画面全体をピントが合っているような画像にすることが可能となる。従って、前記したようにオートフォーカスに時間がかかってシャッターチャンスを逃すようなことが無く、かつ、機械的に動く部分がないからそれらの機構駆動用の要素が不要となり、安価に、小型に構成できる撮像装置における画像処理方法と撮像装置を提供することができる。
そして、前記被写体上の合焦希望位置または合焦希望距離における被写体のエッジ強度より点像の広がり量を取得し、前記合焦希望位置または合焦希望距離では取得した点像の広がり量を収斂させる方向のエッジ像補正を、前記合焦希望位置または合焦希望距離以外では、前記合焦希望位置または合焦希望距離からの距離に応じて前記取得した点像の広がり量に比例した広がり量となるエッジ像補正をおこない、更にそのために、前記点像の広がり量は、光学レンズにおける絞り値をFno、該Fnoに対応したエッジ強度の補正係数をFno(φ)、指定箇所のエッジ強度をφ、前記撮像素子の光軸に垂直な面に対する傾きをθ、前記撮像素子上の指定位置からの傾き方向への高さをh、前記撮像素子の傾きによるエッジ強度補正量をΔφとしたとき、
Δφ = Fno(θ)×2×h×tanθ
で算出することで、簡単な構成で必要なピント調整を画面全体に施すことができる。
Δφ = Fno(θ)×2×h×tanθ
で算出することで、簡単な構成で必要なピント調整を画面全体に施すことができる。
さらに、前記撮像素子における前記光学レンズ光軸に垂直な面に対する角度をθ、該角度θで傾けて配置した撮像素子上の光軸から略等距離の位置に、前記光学レンズに設定した最至近距離に置かれた被写体と無限遠の位置に置かれた被写体との像がピントが合って結像するとき、それぞれの結像位置の光軸方向間隔をΔ、光軸に垂直な方向の間隔をVとすると、
tanθ ≧ Δ/V
を満足する角度θで設置することが本発明の好ましい実施形態である。
tanθ ≧ Δ/V
を満足する角度θで設置することが本発明の好ましい実施形態である。
また、前記傾けて設置された撮像素子から出力される画像のひずみを、前記撮像素子の傾き角度に応じて補正して前記エッジ像補正を行うことで、撮像素子を傾けることで生じるひずみが補正され、ひずみのない画像が得られる撮像装置における画像処理方法と撮像装置を提供することができる。
さらに、前記撮像素子は、被写体上部が前記光学レンズにおける無限遠位置に、被写体下部が最至近距離に対応して配されていることで、風景や風景を背景とした被写体では、空の部分が無限遠となるから補正量の少ない画像データを得ることができ、より、画像補正処理が容易な撮像装置を提供することができる。
以上記載のごとく本発明は、フォーカスのための待ち時間を不要としてシャッターチャンスを逃すようなことが無く、かつ、固体撮像素子をフォーカシング姿勢と撮影姿勢に切り換える姿勢切り替え機構などのコストやスペースを必要とする機構も不要で、安価に、小型に撮像装置を構成できる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。特に以下の本実施例説明では、デジタルカメラを例として説明するが、他の撮像装置であっても良いことは当然のことである。
図1は、(A)が実施形態になる撮像装置における撮像素子の設置状態を概略的に示すと共に、ピント合わせの画像処理を説明するための図で、(B)がデジタルカメラにおける背後(被写体とは反対側)に設けられた表示装置と、表示装置上の上のピントを合わせたい位置を指示するための合焦位置指示手段と合焦距離指示手段の1例を示した図、図2は実施形態になる撮像装置の画像処理回路の概略ブロック図、図3、図4は実施形態になる撮像装置における画像処理のフロー図、図5は図4のフロー図に基づく画像処理を説明するための図、図6は撮像素子を傾けたことにより画像に生じるひずみを示した図、図7(A)は本発明の撮像装置を用いて撮影した画像データにおけるボケ具合を誇張して示した図、(B)が所定位置にピントを合わせる画像処理を施した後の画像データにおけるボケ具合を誇張して示した図、図8は撮像装置に用いられる光学レンズのFナンバー(焦点距離レンズの絞りによる有効開口で割った値)に対応するボケ量を算出するためのボケ係数を示したグラフである。
最初に図1に基づき、実施形態になる撮像装置の概略を説明すると、実施形態になる撮像装置は、通常の撮像装置と同様、光学レンズ10によってCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconducter)で構成される撮像素子11上に被写体像を結像させ、画像データとして取り出して、表示装置15に表示したり図示していない外部記憶装置に記憶する。
しかし、撮像素子11は通常の撮像装置と異なり、例えばPで示した位置が光学レンズ10における無限遠とみなせる距離、Nで示した位置が光学レンズ10に設定した最至近距離とした場合、光学レンズ10により、位置Pに置かれた被写体の像がピントの合った像として結像する位置に撮像素子11の1辺近傍が、位置Nに置かれた被写体の像がピントの合った像として結像する位置に撮像素子11の他の1辺近傍が位置するよう、光軸Hに直交する方向に対してθだけ傾けて設置されている。
すなわちこの撮像装置の撮像素子11は、焦点距離fの光学レンズ10における無限遠の位置Pに置かれた被写体の像がピントの合った像として結像する位置と、最至近距離Nに置かれた被写体の像がピントの合った像として結像する位置とにおける、ピント位置の移動量をΔ、撮像素子11を傾けてそれぞれの結像位置を1辺近傍と他の1辺近傍となるようにしたときのそれぞれの位置の間隔(幅)をV、撮像素子11の光軸Hに垂直な面に対する傾け角度をθとすると、下記(1)式を満足するように設置するわけである。
tanθ ≧ Δ/V ………………………………(1)
tanθ ≧ Δ/V ………………………………(1)
そのため、撮像素子11上にピントが合うような撮像装置からの距離(以下この距離を合焦距離と称する)にある被写体の部位以外は、ピントがはずれた状態で結像することになるが、撮像素子11上の特定位置を指定すると、その位置にピントが合う合焦距離が判明する。
通常、被写体上における周囲と明度が異なる点は、ピントが合った状態では周囲とのコントラストが最大となり、ピントがはずれた状態では、その点の画像が広がりを持って結像するから周囲とのコントラストも低下する。このコントラストの変化を検出して焦点合わせをするのが前記したコントラスト方式(周波数分離方式)のオートフォーカスであるが、このコントラストの広がり状態(ボケ量)を検出することで、逆にその広がりを収斂させ、ピントの合った状態に近い状態を作り出すことが可能であり、画像処理の分野では、USM(アン・シャープネス・マスキング)として実用化されている。
本実施形態になる撮像装置では、この原理を利用し、まず予め、撮像素子11上の特定位置における合焦距離と、その合焦距離からズレた距離にある被写体による撮像素子11上の像のボケ具合をコントラストの状態(以下エッジ強度情報と称する)として調べ、合焦距離からのズレ量とエッジ強度情報との関係(以下合焦データと称する)として記憶装置に記憶しておく。そして撮像素子11上の各位置における合焦距離とエッジ強度情報とから、撮像素子11上の各位置に対応した被写体部位がそれぞれ撮像装置からどのような距離にあるかを予測し、それによって各位置のコントラスト状態を収斂させて、あたかも特定位置にピントがあったような画像を画像処理によって作り出せるようにした。
このとき、ボケ量は光学レンズ10の絞り値(Fナンバー)によっても変化するが、そのFナンバーによる補正係数を示したのが図8に示したグラフであり、この図8に於いては、撮像したときの光学レンズ10の絞り値(Fno)が横軸に、それぞれのFnoに対応したエッジ強度(ボケ量)の補正係数Fno(φ)が縦軸に示されている。そして、指定箇所のボケ量(エッジ強度)をφ、撮像素子11の光軸に垂直な面に対する傾きを前記したようにθ、撮像素子11上の指定位置からの傾き方向への高さをh、撮像素子11の傾きによるボケ補正量をΔφとすると、Δφは次の(2)式で算出できる。
Δφ = Fno(θ)×2×h×tanθ …………………………(2)
Δφ = Fno(θ)×2×h×tanθ …………………………(2)
そして本発明では、被写体上の合焦希望位置、または合焦希望距離における被写体のエッジ強度情報より点像の広がり量を算出し、合焦希望位置、または合焦希望距離では算出した点像の広がり量を収斂させる方向のエッジ像補正を、合焦希望位置、または合焦希望距離以外の部位に於いては、合焦希望位置、または合焦希望距離からの距離に応じて算出した点像の広がり量に比例した広がり量となるエッジ像補正をおこなうようにした。
従って実施形態になる撮像装置は、オートフォーカスのために光学レンズを動かす機構が無いだけでなく、ピント合わせのためにフォーカス用レンズを動かす機構そのものが存在せず、その代わり、撮影した画像上のピントを合わせたい位置を指定する合焦位置指示手段、またはピントを合わせたい距離を指定する合焦距離指示手段が設けられている。
そして撮影にあたっては、単に構図だけを考えてシャッターチャンスを逃さないよう撮影するか、または被写体までの距離が予めわかっている場合はその距離を合焦距離指示手段により指定して撮影し、構図だけを考えて撮影した場合は後で表示装置に表示された撮像画像のピントを合わせたい位置を合焦位置指示手段により指示する。その撮影結果を誇張して示したのが図7である。この図7に於いて(A)は本発明の撮像装置を用いて撮影した画像データにおけるボケ具合を誇張して示した図、(B)が所定位置にピントを合わせる画像処理を施した後の画像データにおけるボケ具合を誇張して示した図であり、本発明の撮像装置を用いて一定距離にある被写体を撮影すると、図7(A)に一例を示したように例えば無限遠P側のボケ量は小さく、最至近距離N側ではボケ量が大きくなる。
そのため、例えば図7(A)における70の位置にピントを合わせたいと撮影者が合焦位置指示手段で指示すると、後記する画像処理により、図7(B)に示したように、この合焦位置指示手段により指示した被写体位置、または合焦距離指示手段により指定した距離にある被写体にはピントが合い、それらの距離以外は、合焦位置指示手段により指示した位置に対応する被写体と撮像装置の距離、または合焦距離指示手段により指定した距離からの離れ具合に対応したボケ具合となるよう処理し、あたかも希望位置、希望距離にピントがあった画像が得られるようにしたものである。
このように撮像装置を構成することにより、デジタルカメラの場合はオートフォーカスに時間がかかってシャッターチャンスを逃すようなことが無く、かつ、機械的に動く所がないからそれらの機構駆動用の要素が不要となって、安価に、小型に構成できる撮像装置を提供することができる。
以上が実施形態になる撮像装置の概略であるが、以下、図面を参照しながらさらに本発明を詳細に説明する。まず図1(A)において12は被写体であり、a’は被写体12におけるピントを合わせたい部位(被写体上の合焦希望位置)、13は他の被写体でb’は他の被写体13上の部位、図1(B)における14は表示装置15や合焦位置指示手段16、合焦距離指示手段17等を配した例えば実施形態の撮像装置を有するデジタルカメラにおける背面側の概略構成で、デジタルカメラには、この他に一般的に、電源釦、レリーズ釦、メニューを表示したりズーミングを指示するための釦等が設けられるが、この図では省略している。18は合焦位置指示手段16によって移動し、被写体上の合焦希望位置を指示するためのカーソルである。
なお、合焦位置指示手段16は、例えば4方向にカーソル18を移動させる矢印キーと中央に決定釦を備え、カーソル18を移動させたい方向の矢印キーを押すことで合焦希望位置を指示し、また、合焦距離指示手段17は、例えば合焦距離を表示したダイヤルキーや、回転させることで例えば表示装置15に合焦希望距離を表示するようにしたダイヤルキーなどで構成するが、合焦希望位置や合焦希望距離を指示できるものであればどのような形態のものでも良いことは自明である。
また、aは表示装置15に表示された被写体12における撮像画像上の合焦希望位置、bは同じく表示装置15に表示された他の被写体13における撮像画像上の部位、Aは被写体上の合焦希望位置a’から光学レンズ10までの距離、A’は撮像素子11における合焦希望位置aに対応する合焦距離、Bは他の被写体上の部位b’から光学レンズ10までの距離、B’は撮像素子11における部位bに対応する合焦距離、d1は被写体12上の合焦希望位置a’からその合焦距離A’迄の距離、d2は他の被写体13上の部位b’からその合焦距離B’迄の距離、d3はAとBの距離差である。
図2は実施形態になる撮像装置の画像処理回路の概略ブロック図であり、図中15は図1に示した表示装置、16は同じく合焦位置指示手段たる合焦希望位置指示装置、17は同じく合焦距離指示手段たる合焦距離指示装置、20は前記した撮像素子11と、その撮像素子11からの出力信号を増幅するゲインアンプや、アナログ画像信号をデジタルの画像信号に変換するA/Dコンバータなどを有し、撮像した画像の信号を出力する撮像部、21は、撮像部20からの画像信号に対し、カラー調整、ガンマ補正、輝度信号生成等の演算を施す画像処理部、22は画像処理部21から得られる画像データのひずみを補正するひずみ補正処理部で、これは前記図1で説明したように、撮像部20を構成する撮像素子11が光学レンズ10の光軸Hに直交する方向に対してθだけ傾けて設置されているため、例えば光軸に直交する面に矩形状被写体を置くと、得られる画像は図6に示したように、無限遠P側の幅60が至近距離N側61の幅より狭くなった像となる。このひずみ補正処理部22は、このひずみを補正するものである。なおこの図6では、図1における(B)のように図上無限遠P側が上に、至近距離N側が下になるように示してある。
23はひずみを補正した画像を記憶する画像記憶部、24は画像記憶部23に記憶された画像データ中から、ピント合わせに使える被写体上のコントラストの大きい部位(以下エッジ部と称する)を検出するエッジ検出部、25はエッジ検出部が検出したエッジ部の画像データから、像のボケ具合をエッジ強度情報として取得するエッジ特徴量取得部、26は前記したように予め撮像素子11上の特定位置における合焦距離と、その合焦距離からズレた距離にある被写体による撮像素子11上の像のボケ具合をエッジ強度情報(コントラストの状態)として調べ、合焦距離からのズレ量とエッジ強度情報との関係データとして記憶し、さらに撮像装置に用いられる光学レンズのFナンバー(焦点距離レンズの絞りによる有効開口で割った値)に対応する、ボケ量を算出するための図8のグラフに示したようなボケ係数をも記憶している合焦データ記憶装置、27はエッジ特徴量取得部25や合焦データ記憶装置26からのデータを基に、画像記憶部23に記憶された画像データにおける合焦位置指示手段16、合焦距離指示手段17で指示された合焦希望位置や合焦希望距離にピントがあったかのように画像データを処理する画像補正処理部、28は画像補正処理部で処理した画像データを記憶する補正画像記憶部、29はSDメモリーカードなどの外部記憶装置である。
図3、図4は実施形態になる撮像装置における画像処理のフロー図である。今、図1(A)に示したように、実施形態の撮像装置を備えたデジタルカメラに対して被写体12、13が位置し、これを図1(B)のように撮影して被写体12におけるaの位置にピントを合わせた画像が欲しいという場合、撮影後にピントを合わせる位置を指定するときは図示していないシャッタ釦を操作し、撮影を実施する。また、予め被写体までの距離がわかっており、かつ、急いで撮影する必要がない場合は、合焦距離指示手段17によって合焦希望距離Aを指示して撮影を実施してもよい。
撮影を実施すると、図2の撮像部20を構成する図1に11で示した撮像素子で撮像した画像データが出力され、その信号は、ゲインアンプで増幅されてアナログ信号がA/Dコンバータでデジタル信号に変換される。そして、画像処理部21でカラー調整、ガンマ補正、輝度信号生成等の演算が施され、ひずみ補正処理部22によって画像データのひずみが補正される。
このひずみ補正処理部22におけるひずみ補正は、前記したように撮像部20を構成する撮像素子11が光学レンズ10の光軸Hに直交する方向に対してθだけ傾けて設置されているため、例えば光軸に直交する面に矩形状被写体を置くと、得られる画像は図6に示したように、無限遠P側60の幅が至近距離N側61の幅より狭くなった台形状の像となるのを補正するものである。このひずみ補正処理部22では、例えば図1の光学レンズ10の焦点距離がf、最至近距離Nに置かれた被写体の光学レンズ10による結像位置からレンズまでの距離を(f+dx)とすると、無限遠Pと最至近距離Nにそれぞれ置かれた同一長さの被写体は、撮像素子11上にf/fと(f+dx)/fの倍率で結像することになり、最至近距離Nに置かれた被写体は、無限遠Pに置かれた被写体よりdx/fだけ大きくなる。
そのためこのひずみ補正処理部22では、この関係に基づいて、撮像素子11上のそれぞれの位置における補正倍率を算出し、光軸に直交する面に置かれた矩形状被写体が、正しく矩形状として出力されるよう補正するわけである。そしてひずみが補正された画像データは、画像記憶部23に記憶されて表示装置15に表示される。なお、可能であるならば撮像素子11上の素子の間隔を、無限遠P側60の幅と至近距離N側61の幅とするとこのような補正は不要になる。
こうして撮影画像が得られると次に図3におけるステップS41で、例えば被写体12におけるaの位置(図1参照)にピントを合わせた画像としたい、という場合は、合焦希望位置指示手段16によってカーソルをaの位置まで移動させ、中央の決定釦を押下するか、若しくは合焦距離指示手段17によって合焦希望距離Aを指示し、合焦希望位置指示手段16中央の決定釦を押下して合焦希望距離Aを指示する。
するとステップS42でエッジ検出部24が、この画像記憶部23に記憶された画像データを読み出し、ピントを合わせるに使える被写体上のコントラストの大きい部位(以下エッジ部と称する)が探索される。もし画像データ中にエッジ部が全くない場合、ステップS44に行ってピント合わせは不可能、すなわち画像補整不能としてその旨が表示装置15に表示され、処理が終了する。一方エッジ部が見いだされた場合、ステップS46に進み、エッジ特徴量取得部25により、各エッジ部の撮像素子11上の位置とエッジ強度情報が特徴量として取得され、その情報が画像補整処理部27に送られる。
すると画像補整処理部27は、送られてきたエッジ部の撮像素子11上の位置とエッジ強度情報、及び合焦データ記憶装置26に記憶されている撮像素子11上の各位置に対応した合焦距離と、その合焦距離からズレた距離にある被写体による撮像素子11上の像のエッジ強度情報、及び図8のグラフに示した光学レンズのFナンバーに対応するボケ量を算出するボケ係数とを読み出し、ステップS47で、前記(2)式に基づいて、各エッジ部に対応した被写体位置から光学レンズ10までの距離と同一距離にあるとみなせる画像エリアを確認する。
これは、各エッジ部のエッジ強度情報が、そのエッジ部に対応する被写体上の部位が合焦距離からどれくらい離れているかを示す情報と考えられるから、例えば撮像素子11上の第1のエッジ部と第2のエッジ部に対応する被写体上の部位が撮像装置から等距離にある場合、第1のエッジ部と第2のエッジ部のエッジ強度情報は、前記(2)式で算出した値となるから、第1のエッジ部と第2のエッジ部のエッジ強度情報が両者の距離に比例している場合、両者がほぼ同一距離にあるとみなせるため、その画像エリアを確認するものである。
こうして各エッジ部に対応した被写体位置から光学レンズ10までの距離と同一距離にあるとみなせる画像エリアが確認されると次にステップS48で合焦希望位置aが指定されたか合焦希望距離Aが指定されたかが確認される。そして、合焦希望距離Aが指定された場合は処理がステップS69に進んで図4に示したフローに進む。また、合焦希望位置aが指定された場合は処理がステップS49に進み、撮像素子11上の合焦希望位置aにエッジ部があるか、または被写体の合焦希望位置a’と同一距離とみなせるエッジ部があるかどうかが判断され、エッジ部がある場合はステップS51に、被写体の合焦希望位置a’と同一距離とみなせるエッジ部がある場合は処理がステップS55に、そのどちらもない場合は処理がステップS50に進み、合焦希望距離Aを指定するように促してステップS69から図4に示したフローに進む。
合焦希望位置a’と同一距離とみなせるエッジ部が有ってステップS51に進んだ場合、画像補正処理部27は先にエッジ特徴量取得部25で取得された各エッジ部の撮像素子11上の位置とエッジ強度情報から、撮像画像上の合焦希望位置aに対応した合焦距離A’とエッジ強度情報を取得する。
そして次のステップS52で画像補正処理部27は、この合焦距離A’とエッジ強度情報、及び、合焦データ記憶装置26に記憶されている、撮像素子11上の合焦希望位置aに対応した合焦距離A’からズレた距離にある被写体による撮像素子11上の像のエッジ強度情報、及び図8のグラフに示した光学レンズのFナンバーに対応するボケ量を算出するボケ係数とを読み出し、図1に示したように、合焦距離A’と被写体上の合焦希望位置a’との距離d1、被写体上の合焦希望位置a’と光学レンズ10との距離Aとを前記(2)式を用いながら算出する。
そして次のステップS53で画像補正処理部27は、この被写体上の合焦希望位置a’からその合焦距離A’迄の距離d1に相当する焦点(ピント)が合う方向のエッジ像補正を実施する。また画像補正処理部27は、さらに次のステップS54で、先にステップS47で確認した合焦希望位置a’と同一距離にあるとみなせるエリアについては、同様に合焦距離とエッジ強度情報とから、上記距離d1に相当する距離を算出し、その値に基づいて焦点(ピント)が合う方向のエッジ像補正を実施する。
一方ステップS49で被写体上の合焦希望位置a’と同一距離とみなせるエッジ部cが有ると判断された場合、ステップS55でエッジ部cにおける合焦距離C’とエッジ特徴量(エッジ強度)が取得され、ステップS56でこの合焦距離C’とエッジ特徴量とから、合焦距離C’と被写体上の位置c’間の距離d4と、被写体上の位置c’と光学レンズ10との距離C(これは合焦希望位置a’と光学レンズ10との距離Aに等しい)とを算出する。
そして次のステップS57で画像補正処理部27は、この被写体上の位置c’からその合焦距離C’迄の距離d4に相当する焦点(ピント)が合う方向のエッジ像補正を実施する。また画像補正処理部27は、さらに次のステップS58で、先にステップS47で確認した合焦希望位置aにおける合焦距離A’を取得し、合焦距離A’と被写体上の合焦希望位置a’との間の距離d1を算出する。そして次のステップS59で画像補正処理部27は、合焦希望位置aにおけるd1に相当する焦点が合う方向のエッジ像補正を実施する。
こうして合焦希望位置a、または被写体上の位置c’における画像処理が済むと画像補正処理部27は、処理の済んだデータを補正画像記憶部28に記憶し、次のステップS60に進み、他の位置bに対する処理を行うべく、他の位置bの合焦距離B’とエッジ特徴量を前記したようにして取得する。
そして前記と同様にして画像補正処理部27は次のステップS61で、被写体上の位置b’と合焦距離B’との間の距離d2と、被写体上の位置b’と光学レンズ10との距離Bを算出し、先に算出した被写体上の合焦希望位置a’から光学レンズまでの距離Aと、被写体上の位置b’と光学レンズ10間の距離Bとの差の絶対値d3を算出する。この距離d3は、その値が0か、被写体上の位置b’と合焦距離B’との間の距離d2より大きいか小さいかによって処理が異なり、それがステップS63で判断されて、まず、0の場合は処理がステップS64に進む。
この距離d3が0ということは図1における被写体13の部位b’が、光学レンズ10から被写体上の合焦希望位置a’と同一距離にあるということであり、この場合は被写体上の位置b’と合焦距離B’との間の距離d2相当のピントが合う方向のエッジ像補正を実施する。
この距離d3が被写体上の位置b’と合焦距離B’との間の距離d2より大きい場合、処理がステップS66に進み、合焦距離B’から距離d3に相当するピントがはずれる方向のエッジ像補正が実施される。また、逆に小さい場合はステップS65に進み、合焦距離B’から距離d3に相当するピントが合う方向のエッジ像補正が実施される。
これは、被写体13上の位置b’は現在、撮像素子11上の位置bに対応した合焦距離B’から離れている量のボケ方をしているためで、合焦希望位置aにピントを合わせる場合は、被写体12上の合焦希望位置a’から被写体13上の位置b’がどのくらいの距離離れているかを求めてその距離に相当するボケ量とするからである。
こうして撮像素子11上の位置bの処理ができると、次のステップS67で画像補正処理部27は、先にステップS47で確認した、撮像素子11上の位置bと光学レンズ10との間の距離Bと同一の距離であるとみなせるエリアについて同様の処理を行い、エッジ像補正を実施して実施結果を補正画像記憶部28に記憶する。
そして撮像素子11上の全てのエリアに対応した画像データの処理が済むと画像補正処理部27は、補正画像記憶部28に記憶した画像データを表示装置15に送って表示させたり、外部記憶装置29に送って保存したりし、ステップS68で終了する。
以上が合焦希望位置aを指定した場合の処理であるが、次に図4のフロー図と図5を用い、合焦希望距離Aを指示した場合の処理について説明する。なお、図5に於いて図1と同様な構成要素には同一番号が付してあり、図中10は光学レンズ、11は撮像素子、12は被写体であり、Aは図3におけるステップS41またはS50で指定した合焦希望距離、f’は被写体12上の部位で、この図5では、この被写体12上の部位f’と光学レンズ10との距離Fが合焦希望距離Aに等しい場合である。13は他の被写体で、e’は被写体上の位置、14は実施形態の撮像装置を備えたデジタルカメラにおける背面側の概略構成を示した図、15は表示装置、16は合焦位置指示手段、17は合焦距離指示手段、18はカーソルである。また、fは被写体12の部位f’に対応した撮像素子11上の位置、F’は被写体12の部位f’に対応した合焦距離、eは被写体13の部位e’に対応した撮像素子11上の位置、Eは被写体13の部位e’と光学レンズ10との間の距離、E’は被写体13の部位e’に対応した合焦距離、d5は被写体13上の部位e’からその合焦距離E’迄の距離、d6は被写体12上の部位f’からその合焦距離F’迄の距離、d7は合焦希望距離Aと被写体e’との距離差である。
前記図3のフローにおけるステップS48で合焦希望距離Aが指定されたと判断されたか、若しくはステップS49で合焦希望位置aにエッジ部が無く、また合焦希望位置aに対応した被写体12上の部位a’と光学レンズ10との間の距離Aと等しい距離のエッジ部が無くて、ステップS50に於いて合焦希望距離Aが指定され、ステップS69から図4のステップS70に処理が飛んだとき、画像補正処理部27は、各エッジ部eの合焦距離E’とエッジ強度情報、及び、合焦データ記憶装置26に記憶されている撮像素子11上の各エッジ部eに対応した合焦距離E’からズレた距離にある被写体e’による撮像素子11上の像のエッジ強度情報、及び図8のグラフに示した光学レンズのFナンバーに対応するボケ量を算出するボケ係数とを読み出し、合焦距離E’と被写体上の部位e’との距離d5、被写体上の部位e’と光学レンズ10との距離Eとを算出する。
そして次のステップS72で画像補正処理部27は、各エッジ部eの中にE=Aのエッジ部fが有るかどうか判断し、無い場合はステップS75へ、有る場合はステップS73へ進む。ステップS73に進んだ場合はE=Aのエッジ部fの被写体上の位置f’とその合焦距離F’との間の距離d6と、被写体上の位置f’と光学レンズ10との距離F(=A)とを取得し、d6に相当する焦点(ピント)が合う方向のエッジ像補正を実施する。
次のステップS75で画像補整処理部27は、他のエッジ部eにおける被写体上の部位e’と光学レンズ10との間の距離Eと、合焦希望距離Aとの差の絶対値d7を算出する。この距離d7は、その値が0か、被写体上の位置e’と合焦距離E’との間の距離d5より大きいか小さいかによって処理が異なり、それがステップS76で判断されて、まず、0の場合は処理がステップS77に進む。
この距離d7が0ということは図5における被写体13の部位e’が、合焦希望距離Aにあるということであり、この場合は被写体上の位置e’と合焦距離E’との間の距離d5相当のピントが合う方向のエッジ像補正を実施する。
またこの距離d7が被写体上の位置e’と合焦距離E’との間の距離d5より大きい場合、処理がステップS79に進み、合焦距離E’から距離d7に相当するピントがはずれる方向のエッジ像補正が実施される。また、逆に小さい場合はステップS78に進み、合焦距離E’から距離d7に相当するピントが合う方向のエッジ像補正が実施される。
これは、被写体13上の位置e’は現在、撮像素子11上の位置eに対応した合焦距離E’から離れている方向のボケ方をしているためで、合焦希望距離Aにピントを合わせる場合は、この合焦希望距離Aからどのくらいの距離離れているかを求めてその距離に相当するボケ量とするからである。
こうして被写体13上の位置eの処理ができると、次のステップS80で画像補正処理部27は、先にステップS47で確認した、被写体13上の位置e’と光学レンズ10との間の距離Eと同一の距離であるとみなせるエリアについて同様の処理を行い、エッジ像補正を実施して実施結果を補正画像記憶部28に記憶する。
そして全てのエリアに対応した画像データの処理が済むと画像補正処理部27は、補正画像記憶部28に記憶した画像データを表示装置15に送って表示させたり、外部記憶装置29に送って保存したりし、ステップS81で終了する。
なお以上の説明では、合焦希望位置a、または合焦希望距離Aにピントがあったように画像処理する場合を例に説明してきたが、以上の説明からわかるとおり、画面全体にピントがあったように画像処理することも可能である。この場合は、図1におけるd3、図5におけるd7に相当するピントが合う方向のエッジ像補正を各位置で実施すればよい。また、図1、図5において撮像素子11は、無限遠位置Pを図上下側に、最至近距離N側を図上上側に結像させるよう傾斜させた場合を例に説明してきたが、傾斜を逆にしたり、あるいは図面に垂直な方向を傾斜方向としても良い。
また、実施形態の撮像装置を備えたデジタルカメラが横位置に構えられたか縦位置に構えられたかを検出する、例えば重力方向検知手段を設け、それによって例えば撮像素子11の常に下側が無限遠位置P側に、上側が最至近距離N側となるよう、駆動機構を取り付けて対応するようにしても良い。さらに、ボケ係数は図8に示したように光学レンズ10のFナンバーによって変化し、Fナンバーが大きくなると係数が小さくなるから、Fナンバーに応じて図1の撮像素子11の傾斜角度θを変化させるように構成しても良い。
更に以上の説明では、光学レンズ10を単レンズとして図示してきたが、これは説明を容易にするための図であり、通常の複数レンズで構成された光学系を備えることは勿論であり、また、ズームレンズを用いて構成しても良いことは自明である。なお、ズームレンズを用いた場合、被写体上の無限遠位置Pと最至近距離Nの結像位置が変化する場合、変化する焦点距離に応じて撮像素子11の図1に示した角度θを変化できるよう、撮像素子11の光軸位置、あるいは他の位置に回動機構を設けても良い。
以上種々述べてきたように本発明によれば、ピントを合わせたい被写体が中央に無くとも、撮影者が画面のピントを合わせたい箇所を指定するかピントを合わせたい距離を指定することで、その箇所或いは距離にあたかもピントが合ったような画像にする、あるいは画面全体をピントが合っているような画像にすることが可能となる。従って、前記したようにオートフォーカスに時間がかかってシャッターチャンスを逃すようなことが無く、かつ、機械的に動く部分がないからそれらの機構駆動用の要素が不要となり、安価に、小型に構成できる撮像装置を備えたデジタルカメラを提供することができる。
本発明によれば、シャッターチャンスを逃すようなことが無く、機構駆動用の要素が不要となって、安価に、小型に構成できる撮像装置を提供することができる。
a 撮像画像上の合焦希望位置
a’被写体上の合焦希望位置
b 他の被写体における撮像画像上の部位
b’他の被写体上の部位
A 被写体上の合焦希望位置a’から光学レンズまでの距離(または合焦希望距離)
A’合焦希望位置aに対応した合焦距離
B 他の被写体上の部位b’から光学レンズまでの距離
B’他の被写体における撮像画像上の部位bに対応した合焦距離
d1 被写体上の合焦希望位置a’からその合焦距離A’迄の距離
d2 他の被写体上の部位b’からその合焦距離B’迄の距離
d3 AとBの距離差
10 光学レンズ
11 撮像素子
12 被写体
13 他の被写体
14 実施形態の撮像装置を備えたデジタルカメラにおける背面側の概略構成
15 表示装置
16 合焦位置指示手段
17 合焦距離指示手段
18 カーソル
a’被写体上の合焦希望位置
b 他の被写体における撮像画像上の部位
b’他の被写体上の部位
A 被写体上の合焦希望位置a’から光学レンズまでの距離(または合焦希望距離)
A’合焦希望位置aに対応した合焦距離
B 他の被写体上の部位b’から光学レンズまでの距離
B’他の被写体における撮像画像上の部位bに対応した合焦距離
d1 被写体上の合焦希望位置a’からその合焦距離A’迄の距離
d2 他の被写体上の部位b’からその合焦距離B’迄の距離
d3 AとBの距離差
10 光学レンズ
11 撮像素子
12 被写体
13 他の被写体
14 実施形態の撮像装置を備えたデジタルカメラにおける背面側の概略構成
15 表示装置
16 合焦位置指示手段
17 合焦距離指示手段
18 カーソル
Claims (10)
- 光学レンズにより結像された被写体像を画像データとして出力する撮像素子と、前記画像データを記憶する記憶手段とを有する撮像装置における画像処理方法であって、
前記撮像素子は、前記光学レンズ光軸に垂直な面に対して傾けて設置され、
前記撮像素子上の所定位置におけるピントが合う光学レンズと被写体の間隔(以下合焦距離と称す)及び前記被写体が前記合焦距離からの所定距離における前記撮像素子上のエッジ強度と、前記画像データから検出したエッジ部のエッジ強度とから、前記エッジ部の合焦距離からの間隔を取得し、
前記被写体におけるピントを合わせたい位置またはピントを合わせたい距離(以下合焦希望位置または合焦希望距離と称す)では前記取得した被写体上の合焦距離からの間隔に応じたピントが合う方向のエッジ像補正を、前記合焦希望位置または合焦希望距離以外の位置では前記合焦希望位置または合焦希望距離からの距離に応じたピントがはずれる方向のエッジ像補正をおこなうことを特徴とする撮像装置における画像処理方法。 - 前記被写体上の合焦希望位置または合焦希望距離における被写体のエッジ強度より点像の広がり量を取得し、前記合焦希望位置または合焦希望距離では取得した点像の広がり量を収斂させる方向のエッジ像補正を、前記合焦希望位置または合焦希望距離以外では、前記合焦希望位置または合焦希望距離からの距離に応じて前記取得した点像の広がり量に比例した広がり量となるエッジ像補正をおこなうことを特徴とする請求項1に記載した撮像装置における画像処理方法。
- 前記点像の広がり量は、光学レンズにおける絞り値をFno、該Fnoに対応したエッジ強度の補正係数をFno(φ)、指定箇所のエッジ強度をφ、前記撮像素子の光軸に垂直な面に対する傾きをθ、前記撮像素子上の指定位置からの傾き方向への高さをh、前記撮像素子の傾きによるエッジ強度補正量をΔφとしたとき、
Δφ = Fno(θ)×2×h×tanθ
で算出することを特徴とする請求項2に記載した撮像装置における画像処理方法。 - 前記撮像素子における前記光学レンズ光軸に垂直な面に対する角度をθ、該角度θで傾けて配置した撮像素子上の光軸から略等距離の位置に、前記光学レンズに設定した最至近距離に置かれた被写体と無限遠の位置に置かれた被写体との像がピントが合って結像するとき、それぞれの結像位置の光軸方向間隔をΔ、光軸に垂直な方向の間隔をVとすると、
tanθ ≧ Δ/V
を満足する角度θで設置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載した撮像装置における画像処理方法。 - 前記傾けて設置された撮像素子から出力される画像のひずみを、前記撮像素子の傾き角度に応じて補正して前記エッジ像補正を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載した撮像装置における画像処理方法。
- 光学レンズにより結像された被写体像を画像データとして出力する撮像素子と、前記画像データを記憶する記憶手段と、前記画像データを表示する表示手段とを有する撮像装置であって、
前記撮像素子は、前記光学レンズ光軸に垂直な面に対して傾けて設置され、
前記撮像素子上の所定位置におけるピントが合う光学レンズと被写体の間隔(以下合焦距離と称す)と、前記被写体が前記合焦距離からの所定距離における前記撮像素子上のエッジ強度とを記憶した合焦データ記憶手段と、前記表示装置に表示された画像におけるピントを合わせたい位置を指定する合焦希望位置または合焦希望距離指示手段と、前記画像データからエッジ部を検出して該エッジ部のエッジ強度を取得するエッジ特徴量取得手段と、該エッジ特徴量取得手段が取得した各エッジ部のエッジ強度と、前記合焦データ記憶手段に記憶された合焦距離及びエッジ強度とから、被写体上の前記エッジ部の合焦距離からの間隔を取得して該間隔に相当するエッジ像補正をおこなう画像補正処理手段とを備え、
前記被写体における、前記合焦希望位置または合焦希望距離指示手段が指定した合焦希望位置または合焦希望距離では取得した被写体上の合焦距離からの間隔に応じたピントが合う方向のエッジ像補正を、前記合焦希望位置または合焦希望距離以外の位置では被写体上の合焦希望位置からの距離に応じたピントがはずれる方向のエッジ像補正をした画像データを出力することを特徴とする撮像装置。 - 前記画像補正処理手段は、検出した被写体上の合焦希望位置または合焦希望距離における被写体のエッジ強度より点像の広がり量を取得し、前記合焦希望位置または合焦希望距離では取得した点像の広がり量を収斂させる方向のエッジ像補正を、前記合焦希望位置または合焦希望距離以外では、前記合焦希望位置または合焦希望距離からの距離に応じて前記取得した点像の広がり量に比例した広がり量となるエッジ像補正をおこなうことを特徴とする請求項6に記載した撮像装置。
- 前記撮像素子は、前記光学レンズ光軸に垂直な面に対する角度をθ、該角度θで傾けて配置した撮像素子上の光軸から略等距離の位置に、前記光学レンズに設定した最至近距離に置かれた被写体と無限遠の位置に置かれた被写体との像がピントが合って結像するとき、それぞれの結像位置の光軸方向間隔をΔ、光軸に垂直な方向の間隔をVとすると、
tanθ ≧ Δ/V
を満足する角度θで設置されていることを特徴とする請求項6または7に記載した撮像装置 - 前記光学レンズ系光軸に対して傾けて設置された撮像素子から出力される画像のひずみを、前記撮像素子の傾き角度に応じて補正するひずみ補正処理部を有することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載した撮像装置。
- 前記撮像素子は、被写体上部が前記光学レンズにおける無限遠位置に、被写体下部が最至近距離に対応して配されていることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載した撮像装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013172201A (ja) * | 2012-02-17 | 2013-09-02 | Nikon Corp | 撮像装置 |
JP2016158276A (ja) * | 2016-04-06 | 2016-09-01 | 株式会社ニコン | 撮像装置 |
JP2017225191A (ja) * | 2017-09-13 | 2017-12-21 | 株式会社ニコン | 撮像装置 |
-
2006
- 2006-07-20 JP JP2006197648A patent/JP2008028591A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017225191A (ja) * | 2017-09-13 | 2017-12-21 | 株式会社ニコン | 撮像装置 |
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