JP2008027636A - 透明導電膜の製造方法 - Google Patents

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【課題】 本発明は、優れた導電性、透明性を持つ透明導電フィルムを低温条件で提供することのできる製造方法を提案することを目的とする。
【解決手段】 透明基板(A)の表面上に高分子微粒子(B)を配列し、加熱または圧力により高分子微粒子(B)を変形させ高分子微粒子(B)と透明基板(A)との間にできる空隙からなる鋳型(C)を形成し、該鋳型(C)内の透明基板(A)上に無電解めっき処理により金属(D0)層を形成させることを特徴とする、透明基板(A)の表面に網目状に形成された導電層(D)からなる導電パターン(E)を有する透明導電膜の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明性、導電性に優れた透明導電膜の製造方法に関する。
透明導電膜は、身近なエレクトロニクスの製品において主に電極材料として多く利用されている。実用的な電子デバイス用の透明導電膜としては、安定した特性が得られる酸化物薄膜である酸化インジウムスズ(以下、ITOという)膜がほとんどを占め、その他にも酸化インジウム亜鉛(以下、IZOという)膜などが利用されている。しかしながら、ITO膜やIZO膜は、いずれも主原料であるインジウムが希少金属であることから、その枯渇問題が危ぶまれ、また、膜形成には真空処理や高温処理が必要であることから、製造工程が煩雑であるという問題があった。
また、ITO膜やIZO膜に代えて金や銀などの金属粒子を利用し、透明基材の上に金属高分子微粒子を塗布した透明導電膜を製造する方法が提案されている。例えば、特許文献1および2には、陰極線管の外表面に用いる帯電防止膜として、金属のコロイド溶液を塗布し、乾燥させることにより製造する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1および2に記載の方法は、透明基材の上に金属粒子を分散させたものであり、機械強度が小さいという問題や、導電性が低いという問題があった。
上記の問題を解決するために、以下に挙げるように、開口部を有する金属メッシュを利用して導電性と透明性とを両立しようとする種々の材料・方法がこれまで提案されている。
(1)フォトリソグラフィー法を利用したエッチング加工メッシュ
銅箔を透明基材に貼合し、フォトリソグラフィー法を利用してエッチング加工する方法が提案されている。この方法は比較的微細な加工が可能で、高開口率(高透過率)のメッシュを作成することができ、導電性も高い。しかし、透明性に関しては、前述のITO膜を凌駕するほどのレベルには達していない。特許文献3には、5μm厚み、線幅12μmの金属メッシュが開示されている。
(2)電着加工メッシュ
特許文献4には、ステンレス板上にレジストパターンを形成した後、ステンレス上に電着メッシュを形成し、電着形成したメッシュを透明基板に接着して転写する工法が記載されており、具体例として線幅30μm、銅膜厚み3μmのメッシュが開示されている。これは線幅が太く、注視すると容易にメッシュ形状であることが認識できてしまう欠点があった。しかし線幅を細くすることは容易ではなく、細線を得ようとすると、透明基板に金属メッシュを転写する工程で、転写が不完全で欠陥を発生する問題点があった。このように従来の方法で製造される、金属メッシュを表面にもつ透明導電膜は最低でも十数μmの線幅であり、このため導電性は比較的高いが、透明性が低く、視野角も悪いといった問題があった。
また、(a)ポリマー粒子が分散したエマルション溶液を基板上に塗布して、該ポリマー粒子の単層膜を形成させる工程、(b)形成した単層膜を加熱して単層平面網目構造を形成する工程、(c)単層平面網目構造を形成した基板に、金属ナノ粒子を塗布する工程、および(d)金属ナノ粒子を加熱して融着させる工程を含む、平面網目構造を有する金属薄膜からなる透明導電膜の製造方法が検討されているが、この方法では耐熱性の低い基板、例えば樹脂フィルムを基板とするような透明導電フィルムを製造することは困難である。
特開昭63−160140号公報 特開平9−55175号公報 特開2003−46293号公報 特開平11−26980号公報
本発明の課題は、優れた導電性、透明性を持つ、透明導電フィルムを低温条件で提供することのできる製造方法を提案することである。
本発明者らは上記のような透明導電膜を得るべく鋭意検討した結果、透明基体表面に高分子微粒子の単層膜を鋳型として形成する金属の網目構造を、無電解めっきにより形成させることにより、上記課題を解決できると考え、本発明に到達した。
すなわち本発明は、透明基板(A)の表面上に高分子微粒子(B)を配列し、加熱または圧力により高分子微粒子(B)を変形させ高分子微粒子(B)と透明基板(A)との間にできる空隙からなる鋳型(C)を形成し、該鋳型(C)内の透明基板(A)上に無電解めっき処理により金属(D0)層を形成させることを特徴とする、透明基板(A)の表面に網目状に形成された導電層(D)からなる導電パターン(E)を有する透明導電膜の製造方法である。
本発明の製造法により、耐熱性の低い樹脂フィルムの表面にも、これまでにないレベルで微細な膜厚、線幅の網目状の導電パターンを形成することができる。これにより高導電性、高透明性の透明導電膜を得ることができる。
本発明の透明導電膜の製造方法について、図1に示し詳細に説明する。透明基板(A)上に高分子微粒子(B)を配列し、高分子微粒子(B)の最密充填構造の集積体を形成させる(図1(1))。高分子微粒子(B)は単層、又は2層以上に集積されていてもよいが、単層に集積されているのが好ましい。集積体を形成させた後、加熱での樹脂軟化に伴う微粒子自重による変形、または集積体上部からの加圧による変形により、微粒子間及び、微粒子と基板間の空隙サイズを制御した鋳型(C)を形成する(図1(2))。この空隙鋳型(C)内に無電解めっき処理により金属(D0)を形成させることで、透明基板(A)上に網目状の導電パターン(E)を形成することができる。無電解めっきによる金属形成を、微粒子の空隙部分だけに限定することで、網目状の導電パターン(E)を持たせることができ、鋳型として使用した高分子微粒子(B)が最終的に透明基板(A)上から除去された状態とすることで、透明基板(A)上に網目状に形成された導電層(D)からなる導電パターン(E)を有する透明導電膜を得ることができる(図2)。
本発明に使用される高分子微粒子(B)としては、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリプレピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエポキシド、ポリイミド等を例示することができる。また、使用される高分子微粒子(B)は体積平均粒径で0.05〜150μmであることが好ましく、0.1〜10μmがさらに好ましく、0.2〜5μmが最も好ましい。使用する高分子微粒子の体積平均粒径が0.05〜150μmであると、従来の方法より簡便に高分子微粒子(B)の調整を行うことができる。また高分子微粒子(B)に要求される物性としては、粒径分布がCv値で10%以下のもの、微粒子の変形を加熱により行う場合、熱による軟化開始温度が100〜180℃であるものが望ましい。微粒子の変形のみで圧力で行う場合、Tgが25℃以下であるものが望ましい。また熱、圧力による組合せで変形させる場合は、Tgが加熱温度以下である必要がある。
本発明の透明導電膜は、網目状に形成された導電層(D)からなる導電パターン(E)を形成させた後、導電層を外部からの物理的刺激などから保護する目的等で、透明樹脂により、導電層(D)側をコーティングすることも可能である。コーティングにより、基板上に形成された導体層を強固に基板と接着させることができる。ただし、この場合はコーティング層の膜厚を導体の膜厚よりも厚くしてしまうと、導電層(D)は透明樹脂に表面を完全にコーティングされてしまうことから、表面の導電性はなくなってしまうため、用途は限られてしまう。表面の導電性を維持しつつ、導電層の基板への密着性を向上させたい場合は、コーティング剤の量を調整することが必要である。
本発明の透明導電膜の製造方法では、無電解めっきにより、微粒子間及び、微粒子と基板間の空隙に金属を形成させた後、高分子微粒子(B)を除去する。これにより、透明基板(A)上には、微粒子と接着していない部分である鋳型(C)の部分だけ金属が析出してくるため、網目状の導電パターン(E)を形成することができる。導電パターン(E)を形成させた後、高分子微粒子(B)を透明基板(A)から除去することで、網目状に形成された導電層(D)からなる導電パターン(E)を表面に有する透明導電膜を得ることができる。
本発明の透明導電膜の製造方法では、無電解めっき処理工程の途中で、高分子微粒子を除去することによっても作成することができる。
本発明における無電解めっきのプロセスとしては、例えば(1)被めっき基板への触媒錯体を付与する工程、(2)触媒錯体を金属触媒に還元する工程、(3)金属触媒が付着している部分に目的の金属を還元させる工程の連続した工程からなっている。例えば、(1)触媒錯体を基板に付与する工程で、鋳型(C)内に触媒錯体液を流すことで、触媒錯体を基板(A)上に網目状のパターンに付与することができる。この後高分子微粒子(B)を除去した後、続く(2)金属錯体の還元工程と、目的の(3)金属を還元させる工程を行うと、触媒錯体が付与された鋳型(C)の部分だけに、目的の金属が析出してくることから、網目状に形成された導電層(D)からなる導電パターン(E)をもつ、透明導電膜を得ることができる。例えば触媒となるPd錯体を微粒子の鋳型内に付与した後、微粒子を除去し、Pd錯体を金属Pdに還元し、銅などの金属めっきを行うことも可能である。微粒子を除去してもPd錯体がパターン状に付与されているので、還元されてくる金属もパターン状に析出させることができる。
透明基板(A)の表面上に高分子微粒子(B)を配列する方法としては、塗布法、電気泳動法などが挙げられる。塗布法には、水平に設置したガラス等の固体基板上に微粒子 を分散させた溶液を注ぎ、乾燥過程を経て薄膜を形成する乾燥法、固体基板上に微粒子を分散させた溶液を塗布するスピンコート法、スピンコート法と乾燥法とを組み合わせた方法、さらに、微粒子を分散させた溶液にガラス等の基板を垂直方向から徐々に浸し、基板表面に吸着した微粒子 を固定化する吸着法等がある。
透明基板(A)の表面上に高分子微粒子(B)の分散液の塗布により、透明基板(A)の表面上に高分子微粒子(B)が自己集積化によって配列することで、二次元に配列した高分子微粒子(B)の集積体を得ることができる。この方法では、一度に大面積の微粒子の配列体が得られるという特長の他、常温常圧で可能なプロセスであり、微粒子間の横毛管力による自己組織化がドライビングフォースであることから、特別な装置を必要としないため、比較的安価に高度な微粒子配列体を得ることができる。電気泳動法は、主にナノサイズの微粒子を並べる方法として用いられており、この方法を数μmまでのオーダーの微粒子まで応用することができる。微粒子の懸濁液に1.5V/cm以下の電圧をかけると、微粒子は電極表面を水平に移動し、規則配列する。ただしこの方法は、電極表面上への配列に限られる。
用いられる高分子微粒子(B)の分散液は、水を始め、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなどの有機溶媒、及びこれらの混合物である、様々な溶媒に分散させた分散液である。その濃度は好ましくは0.1重量%〜60重量%、より好ましくは5重量%〜50重量%である。用いられる高分子微粒子(B)の分散液は、従来より知られる単分散微粒子の合成法により合成することができる。合成法としては、例えば乳化重合、分散重合、シード重合、ソープフリー重合、懸濁重合、二段膨潤重合などが挙げられる。
透明基板(A)としては、透明の板状、フィルム状のものであれば、特に限定されない。例えばガラス、高分子フィルム、高分子製ボードなどが挙げられる。またフィルムとしてはシート状、ロール状といった、外観には限定されない。
透明基板(A)として高分子フィルムを用いて導電層を形成させる場合は、フレキシブルな透明導電フィルムを製造することができるので好ましい。また、導電層を形成した後に、適度に加熱し、高分子フィルムを透明性と原形を失わない程度に軟化させた後、導電層をフィルムに圧着することにより、図3(1)のように導電層(D)を透明基板(A)にめり込ませることにより密着性を向上させることも可能である。透明基板(A)の材料として用いられる高分子は、ヤング率で0.5GPa以上、130℃の熱収縮率1%以下、融点70℃以上の物性が求められ、使用に適した膜圧としては、15μm以上のものを利用することができる。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどに代表されるポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルサルホン、ポリスルホン、非晶質ポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレンなどに代表される透明フッ素含有樹脂などが例示できる。
高分子微粒子(B)の変形は、熱による変形の場合、乾燥機または、ホットプレートなどにより行うことができ、所定の温度に加熱した乾燥機またはホットプレートに、所定の時間静置することにより、高分子微粒子(B)の変形を行う。また圧力による変形の場合、表面をテフロン加工した平板を配列した微粒子上部から、適度な圧力で押しつけ、この状態を保持したまま、無電解めっき工程を行う。また、加熱、圧力による変形の場合、乾燥機内、またはホットプレート上で前述の平板を使用して、適度な圧力で押しつけ、一定時間保持した後、圧力を開放することで高分子微粒子(B)の変形を行う。
高分子微粒子(B)を除去する方法としては、高分子微粒子(B)を溶剤により溶解させることで除去する方法が挙げられる。高分子微粒子(B)が鋳型としての機能を果たした後、これが付着した透明基板(A)ごと、高分子微粒子(B)を可溶な溶剤槽へ、浸漬し、必要により攪拌、加熱を行うことで、高分子微粒子(B)のみを溶解除去する。使用する溶剤としては、クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トルエン、キシレン、アセトン、ジメチルホルムアミド、エタノールなどを挙げることができる。また別の方法として、変形した高分子微粒子(B)を物理的に透明基板(A)から剥離する方法も挙げられる。これは高分子微粒子(B)が鋳型としての機能を果たした後、微粒子同士を融解により接着、シート状にした後、シートの一端から物理的に剥離する方法である。
導電層(D)を形成する金属(D0)には、Au、Ag、Cu、Ni、Pt、Pd、Fe、Crから選ばれる少なくともひとつの金属が含まれていることが望ましい。これらの金属は導電性が高いため、本発明のように高導電性を要求する用途には最適である。導電層にはこれらの金属がそれぞれの単体として、含まれていても、それぞれ単体の混合物として含まれていても、合金として含まれていても構わない。
本発明の透明導電膜はその平均膜厚、平均線幅、及び平均開口径とは、例えば図2(1)に示した様に、(o)、(t)、(w)の平均値を指すものとする。導電層の断面が四角形でない場合は、その長さが最も長くなる距離を膜厚、線幅とする。例えば図2(2)の場合、三角形の高さが膜厚となり、底辺が線幅となる。断面が円の場合は、膜厚、線幅ともに円の直径になる。
本発明の製造方法により作成される透明導電膜の導電パターン(E)の平均開口径(o)(μm)、平均膜厚(t)(μm)、及び平均線幅(w)(μm)、は式(1)及び式(2)で表される関係を有することが望ましい。
(o) / [ (t) × (w) ] = 20〜350 (1)
0.05 ≦ (w)≦1 (2)
(1)の式の値が20〜350であり、かつ(2)の式が成立している場合、高導電性と、高透明性を高いレベルで両立することができる。
(1)、(2)の式はより好ましくは、
(o) / [ (t) × (w) ] = 30〜200 (1’)
0.1≦ (w)≦0.36 (2’)
である。
(o)、(t)、(w)の大きさを制御する方法としては、まず使用する高分子微粒子(B)の粒径を調整することによる、(o)の制御が挙げられる。(o)は、必ず高分子微粒子(B)の粒径以下の値になる。(t)、(w)は、高分子微粒子(B)の変形量を制御することにより調整可能である。変形量を多くすれば、鋳型(C)の大きさは小さくなり、形成される導電パターンの(t)、(w)も小さくすることができる。
本発明の製造方法により製造される透明導電膜は、無電解めっきによる金属パターンを形成後に、形成された導電層(D)を電極として、電解めっきを行うことも可能である。これにより、金属の細線の密度が大幅にアップすることから導電性をより向上させることができる。ただし、この場合はめっきの形成速度が速いため、導体層の線幅、膜厚が急激に増加するため、電解めっき浴の金属イオン濃度、電圧、電流値の調整などが必要である。
本発明の製造方法により製造される透明導電膜は、透明基板上に網目状の導電層(D)を形成した後、図3(2)のように酸化亜鉛、酸化錫などの透明導電膜(F)を種々の方法でコーティングすることも可能である。これにより、本来絶縁層である、開口部分にも導電性を持たせることができるため、面にわたって一様に導電性を持つ、透明導電膜を形成することができる。コーティングされる導電膜を例示すると、酸化亜鉛、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、錫ドープ酸化インジウム、アルミドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛等を例示することができる。これらの膜形成方法としては、従来より知られる種々の方法を用いることができ、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱分解法、スプレーCVD法、コロイド法、ゾル−ゲル法などを挙げることができる。
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、実施例中の「部」及び「%」は特に断りのない限り重量基準である。
実施例1
分散重合法により合成した、体積平均粒子径5μmのポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子の30%水分散液を、膜厚125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社製、商品名「ルミラー」)上に塗布し、基板を傾斜させることで、余分な粒子を落とした後、乾燥させることで単層膜を形成した。次いで、乾燥機内で150℃、30秒間加熱し、PMMA粒子の熱変形により単層平面六角構造とした。このフィルムの微粒子を付着させていない面を、テープでマスキングした後、無電解めっき用薬品(上村工業株式会社製)により、変形させた微粒子間に銅を形成させた。具体的には、上記フィルムをスルカップMTE−1−Aに浸漬することで微粒子間をめっき処理されやすい状態にクリーニングした後、アルカップアクチベーターMAT−2−AとMAT−2−Bに浸漬し、パラジウム錯体を付与した後、アルカップリデューサーMABに浸漬することで、パラジウムを還元した後、スルカップPGTにより銅を析出させた。PMMA微粒子をクロロホルムにより溶解除去することで、PETフィルム上に銅の平面六角構造を有する透明導電フィルムを製造した。
実施例2
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム 上に、10%の濃度で体積平均粒径3μmのポリスチレン微粒子を分散させたスラリーを塗布し、室温で乾燥させることで、2次元に最密充填構造配列した集積体を得た。この集積体を120℃×30秒間加熱を行い、ポリスチレン微粒子を変形させ、PETフィルム上に固定した。スルカップMTE−1−Aに浸漬することで微粒子間をめっき処理されやすい状態にクリーニングした後、アルカップアクチベーターMAT−2−AとMAT−2−Bに浸漬し、パラジウム錯体を付与した後、アルカップリデューサーMABに浸漬することで、パラジウムを還元した後、スルカップPGTにより銅を析出させた。ポリスチレン微粒子をクロロホルムにより溶解除去することで、PETフィルム上に銅の平面六角構造を有する透明導電フィルムを製造した。
実施例3
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム 上に、10%の濃度で体積平均粒径3μmのポリスチレン微粒子を分散させたスラリーを塗布し、室温で乾燥させることで、2次元に最密充填構造配列した集積体を得た。この集積体を120℃×30秒間加熱を行い、ポリスチレン微粒子を変形させ、PETフィルム上に固定した。スルカップMTE−1−Aに浸漬することで微粒子間をめっき処理されやすい状態にクリーニングした後、アルカップアクチベーターMAT−2−AとMAT−2−Bに浸漬し、パラジウム錯体を付与した。ポリスチレン微粒子をクロロホルムにより溶解除去した後、アルカップリデューサーMABに浸漬することで、パラジウムを還元した後、スルカップPGTにより銅を析出させることで、PETフィルム上に銅の平面六角構造を有する透明導電フィルムを製造した。
実施例4
PMMA粒子の熱変形条件を150℃の乾燥機で、3分間に変更した以外は実施例1と同様の方法で、PETフィルム上に銅の平面六角構造を有する透明導電フィルムを製造した。
実施例5
ビーカーに水100mlを入れ、硫酸銅50g、濃硫酸8mlを加え溶解させた。 銅を陽極に、実施例3で作製した透明導電膜の導電部分が陰極の電極部分に接触するように繋ぎ、これを硫酸銅水溶液の中にいれて電源に接続し、10秒後に電源との接続を切り、電極を取り外し、水で洗浄することで、透明導電膜を得た。
実施例6
実施例2で作製した透明導電膜の表面に、酸化亜鉛の被膜をコーティングしたものを作製した。具体的には実施例2で作製した透明導電膜の導電層のない面をテープでマスキングし、これを塩化亜鉛を0.05mol/lの濃度で溶解させた溶液に浸漬させた。これにエチレンジアミンを微量滴下した後、常温に保ったまま24時間放置した。これを取り出し水洗し、マスキングテープを剥離することで、表面に導電性の酸化亜鉛の被膜をもつ銅の平面六角構造を有する透明導電膜を製造した。
実施例7
実施例1のPETフィルムをガラス基板に変えた以外は同様の操作を行い透明導電膜を製造した。
実施例8
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム 上に、10%の濃度で体積平均粒径3μmのポリスチレン微粒子を分散させたスラリーを塗布し、室温で乾燥させることで、2次元に最密充填構造配列した集積体を得た。この集積体を120℃×30秒間加熱を行い、ポリスチレン微粒子を変形させ、PETフィルム上に固定した。スルカップMTE−1−Aに浸漬することで微粒子間をめっき処理されやすい状態にクリーニングした後、ゴブライトTCU−37(上村工業株式会社製)で30分間処理を行うことで金を析出させた。ポリスチレン微粒子をクロロホルムにより溶解除去することで、PETフィルム上に金の平面六角構造を有する透明導電フィルムを製造した。
比較例1
透明基板として厚さ100μmのPETフィルム(ユニチカ株式会社製、商品名「エンブレットS」)に、厚さ2μmの銅箔を、150℃、20Kgf/cm2の条件においてロールラミネートし、銅箔を表面にもつフィルムを製作した。このフィルムをフォトリソグラフ工程により、線幅18μm、開口径250μmのメッシュ状幾何学的模様を形成した。フォトリソグラフ工程においては、レジスト(DFR)貼り付け工程、露光工程、現像工程、ケミカルエッチング工程、レジスト剥離工程を行った。
比較例2
透明基板として厚さ100μmのPETフィルム(ユニチカ株式会社製、商品名「エンブレットS」)に、無電解めっきにより銅箔を形成した。この銅箔の膜厚は0.75μmであった。このフィルムをフォトリソグラフ工程により、線幅1μm、開口径300μmのメッシュ状幾何学的模様を形成した。フォトリソグラフ工程においては、レジスト(DFR)貼り付け工程、露光工程、現像工程、ケミカルエッチング工程、レジスト剥離工程を行った。
比較例3
Niを表面に被覆したナイロン繊維(繊維径20μm)を厚さ125μmのPETフィルムに200℃、20kgf/cm2の条件で、メッシュ状に圧着することで平均開口径が220μm、線幅25μm、膜厚25μmのNiメッシュを表面にもつPETフィルムを作製した。
比較例4
酸化亜鉛の被膜をガラス基板にコーティングしたものを作製した。具体的にはガラス基板の片面をテープでマスキングし、これを塩化亜鉛を0.05mol/lとの濃度で溶解させた溶液に浸漬させた。これにエチレンジアミンを微量滴下した後、常温に保ったまま24時間放置した。これを取り出し水洗し、マスキングテープを剥離し、さらにこれを350℃、真空下でアニーリングすることにより、表面に導電性の酸化亜鉛の被膜をもつ透明導電膜を製造した。酸化亜鉛の被膜は0.9μmであった。
比較例5
粒子径2.2μmのポリスチレンラテックス粒子4gを水10gに分散し、剪断塗布法によりガラス板面上に塗布し、単層膜を形成した。次いで、ホットプレート上で150℃、30秒間加熱し、ラテックス粒子の熱変形により単層平面六角構造とした。
粒子径20nmの金粒子0.1gを水0.9gに分散し、前記のポリスチレン単層膜を形成したガラス板に剪断塗布法により10回塗布し、金粒子を浸透させた。ヒーターにより、450℃に熱することにより金粒子が融着、およびラテックス粒子を加熱により除去し、金粒子の平面六角構造を有する透明導電膜を製造した。
実施例1〜8、比較例1〜5の透明導電膜について、以下の評価を行った。評価結果を表1に示した。
<平均膜厚、平均線幅、平均開口径の測定>
走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製JSM6390LV)により、導電パターンを観察し、画像から開口径、膜厚、線幅をそれぞれ30箇所以上測定し、その平均値から、平均開口径(o)、平均膜厚(t)、平均線幅(w)を計算した。
<表面抵抗率の測定>
導電性を評価するために、表面抵抗計(三菱化学株式会社製 ロレスタAP(MCP−T400))を用いて4端針法にて25℃で測定を行った。2cm×2cm四方のサンプル表面を30箇所測定した平均を取った。
<透過率の測定>
透明性を評価するために透過率を株式会社村上色彩技術研究所製、反射・透過率計(HR−100)を用い、2cm×2cm四方のサンプル表面30箇所以上の平均を取った。
表1より本発明の透明導電膜は、導電性、透明性を高いレベルで両立することができている。比較例1〜3は従来より知られた、金属メッシュの製造方法で作られた透明導電フィルムであり、これらは、導電性、透明性のいずれかがレベルが低い。比較例4はITO膜の代替として研究されている酸化亜鉛の透明導電膜の例であるが、透明性は比較的高いが、導電性が、本発明品と比較するとレベルは低い。また酸化亜鉛などの透明導電膜を量産する装置は、高真空などを必要とするため、非常に高価である。また本発明品と同じく微粒子を鋳型として作成された比較例5は導電性は非常に高いレベルであるが、透過率が低い。本方法では使用する高分子微粒子を架橋性ポリマー(本例では架橋性ポリスチレン)にする必要があり、そのために高分子微粒子の変形量が小さく、鋳型(C)を小さく制御することができなかったためである。また製造する工程に450℃の加熱工程があるため、耐熱性の低い、樹脂フィルム上への導電膜の形成は不可能である。
以上のように、本発明の透明導電膜の製造方法では、高い導電性、透明性をもつ、透明導電フィルムを低温のプロセスで製造することが可能である。
本発明の透明導電膜の製造方法によると、透明性と導電性を高いレベルで両立するフレキシブルな透明導電フィルムが製造することができるため、広範な用途が期待できる。例えば太陽電池用の電極、電磁波シールドフィルム、PDP用の光学フィルター、デフロスタなどがある。またフィルム化することで、タッチパネルとしての応用も考えられる。本発明の透明導電膜は、これらの目的に合わせて加工して使用することも可能である。
図1(1)〜(3)は本発明の透明導電膜の製造するプロセスの一例を示す概念図。 図2(1)、(2)は本発明の透明導電膜の形態を示す断面図。 図3(1)、(2)は本発明の透明導電膜の実施の形態の一例を示す断面図。
符号の説明
(A) 透明基板
(B) 高分子微粒子
(C) 鋳型(空隙部分)
(D)導電層
(F)導電性酸化物層
(o)導電層の開口径
(t)導電層の膜厚
(w)導電層の線幅

Claims (9)

  1. 透明基板(A)の表面上に高分子微粒子(B)を配列し、加熱または圧力により高分子微粒子(B)を変形させ高分子微粒子(B)と透明基板(A)との間にできる空隙からなる鋳型(C)を形成し、該鋳型(C)内の透明基板(A)上に無電解めっき処理により金属(D0)層を形成させることを特徴とする、透明基板(A)の表面に網目状に形成された導電層(D)からなる導電パターン(E)を有する透明導電膜の製造方法。
  2. 無電解めっき処理により金属(D0)層を形成させた後、高分子微粒子(B)を除去する請求項1に記載の透明導電膜の製造方法。
  3. 無電解めっき処理工程途中に高分子微粒子(B)を除去する請求項1に記載の透明導電膜の製造方法。
  4. 透明基板(A)の表面上に高分子微粒子(B)の分散液を塗布することにより、透明基板(A)の表面上に高分子微粒子(B)を配列する請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明導電膜の製造方法。
  5. 導電パターン(E)の平均開口径(o)(μm)、平均膜厚(t)(μm)、及び平均線幅(w)(μm)、が式(1)及び式(2)で表される関係を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明導電膜の製造方法。
    (o) / [ (t) × (w) ] = 20〜350 (1)
    0.05 ≦ (w) ≦1 (2)
  6. 透明基板(A)が有機高分子を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明導電膜の製造方法。
  7. 金属(D0)がAu、Ag、Cu、Ni、Pt、Pd、Fe、及びCrからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属である請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明導電膜の製造方法。
  8. 導電パターン(E)を形成した後、さらに電解めっきにより導電層(D)を成長させる請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明導電膜の製造方法。
  9. 透明基板(A)の表面、または透明基板(A)の表面と導電層(D)の表面に、酸化物半導体層(F)を被膜させる請求項1〜8のいずれか1項に記載の透明導電膜の製造方法。
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