JP2008027315A - 物流ネットワーク評価支援方法、物流ネットワーク評価支援プログラムおよび物流ネットワーク評価支援装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノード物流量とアーク物流量と復旧シナリオとノード又はアークの活性化判定条件と活性化状態とを記憶する記憶部及び各種の情報処理を行う処理部を有し、処理部が任意のノードが障害で不活性となったときに、ノードの復旧の段階毎に、各ノード及び各アークの物流量と、記憶部に記憶されている活性化判定条件とを基に、各ノード及び各アークの活性化状態の判定結果を記憶部に記憶し、記憶部のノード物流量とアーク物流量と復旧シナリオとに基づいて、表示されている各ノード及び各アークの物流量を算出し、記憶した活性化状態か否かの判定結果に基づき、活性化しているノード及びアークを表示させ、算出された各ノードの物流量を基に、ノードの物流量の評価を行い、評価の結果を表示する。
【選択図】図1
Description
製造業では、供給源、工場、倉庫、顧客といったノードの繋がりで物流ネットワークを構成しているが、ある一部のノードやノード間を結ぶ経路の機能停止によって、全体のネットワークが機能しなくなる場合がある。そのため、製造業では特に、物流ネットワークに関して非常事態に対する対策を検討する必要がある。そのためには、現状の物流ネットワークの評価や、ある一部のネットワークが機能停止した場合の対策を評価する必要がある。
このような問題を解決するために特許文献1が挙げられる。
従って、非常事態が発生してから、通常の状態に戻るまでの物流ネットワークの変化状況を表示し、その変化状況を評価し、それを可視化することが求められている。具体的には、複数の拠点間の物流をシミュレートし、災害時によって拠点(ノード)が破壊された場合の物流の変化状況を可視化することである。例えば、物流が遅延することによって、顧客からの累積要求をすべて満たすまでの時間(バックオーダ解消時間)も遅延するため、このバックオーダ解消時間がどの程度になるかをシミュレーションにより計算し、表示する。また、対策用の予備拠点の設置や、拠点の能力を増強することによってバックオーダ解消時間を短縮することができることをシミュレーションにより確認するために表示する。さらに、予備拠点の設置コストや能力増強コストと、そのコストによるバックオーダ解消時間の短縮効果を定量的に表示する。
さらに、前記処理部は、前記操作部を介して利用者に選択されることにより、前記シミュレーションの結果の表示を実行させるボタン(選択域)を前記表示部に表示させ、前記ボタンが選択され、所定の時刻が指定されると、前記定常状態におけるノードおよびアーク、ならびに前記シミュレーションして計算されたノードおよびアークのうち、前記所定の時刻に該当するノードおよびアークを前記表示部に表示し、前記所定の時刻に該当するノードおよびアークの設定ならびに物流量を前記表示部に表示することを特徴とする。
その他の手段については、後記する実施の形態で述べる。
また本実施の形態では設定と条件に基づき、物流ネットワークの状態を計算することをシミュレーションという。
評価装置1は、一般的なコンピュータであり、ハードディスク装置等の不揮発性記憶装置である記憶部10、各種演算処理を実行する処理部20、入力装置30(請求項における操作部)、出力装置40(請求項における表示部)、図示せぬ演算処理に使用される一時的記憶領域であるRAM(Random Access Memory)(以下「図示せぬ一時領域」とする)から主に構成される。
ここで、ノードとは、供給源、倉庫、工場需要先等の物流の拠点を示す。アークとは、拠点間の物流を示す。
各手段の機能を以下に説明する。
ここで、ノード、またはアークが活性化しているとは、表示している画面上において、選択可能状態であり、かつ物流の計算の処理が可能な状態であることをいう。
また、ノード、またはアークが不活性化しているとは、表示している画面上において、選択不可能状態であり、かつ物流の計算の処理が不可能な状態であることをいう。
これらの各機能の詳細については、図23〜図36を用いて後記する。
図2は、各ノードのインデックスとなる情報が格納されるノード情報の構成例を示す図である。
ノード情報120は、ノードを一意に識別するためのノード識別番号21と、ノード名22と、ノード種別23と、編集モード24とから構成される。ノード種別23は、物流ネットワークの最上流のノードである供給源、倉庫、工場、物流ネットワークの最下流のノードである顧客からなる。編集モード24は、ノードの編集種類であり、現状のノードや今後追加する計画のあるノードである定常モードと、定常のノードの異常による影響を抑えるために一時的に追加されるノードである事後モードと、からなる。
ノード物流量121は、ノードを識別するためのノード識別番号31と、シミュレーション期間中のノードから出力する物流量である時刻Nの物流量32(N=0〜n)とから構成される。尚、nは、シミュレーションの終了時刻で、予め設定する。
ノード活性化状態122は、ノードを識別するためのノード識別番号41ごとにシミュレーション期間中の各時刻Nの活性化状態42(N=0〜n)(活性または不活性)を記憶する。尚、nは、シミュレーションの終了時刻で、予め設定する。
ノード活性化条件123は、ノードを識別するためのノード識別番号51と、ノードが活性化するための条件である活性化条件52と、から構成される。尚、活性化条件52は、後記する対策画面により予め設定する。
ノード能力増強条件124は、ノードを識別するためのノード識別番号61と、ノードの能力を増強するための条件である能力増強条件62と、から構成される。尚、能力増強条件62は、後記する対策画面により予め設定する。
ノード能力増強情報125は、ノード種別によって、記憶する項目が異なる。
コスト126は、ノードが活性化であるか否か、または能力増強するか否かによって、記憶する項目が異なる。
ノード復旧シナリオ127は、故障発生時刻128と、復旧要素ごと復旧時刻129と、復旧後能力レベル回復情報130と、から構成される。
復旧要素ごと復旧時刻129は、ノードが復旧するために必要な要素が復旧する時刻を記憶し、ノードを識別するためのノード識別番号91と、復旧要素名93と、復旧時間94と、から構成される。
復旧後能力レベル回復情報130は、ノードが復旧してから完全に回復するまでの能力レベルを時系列に記憶し、ノードを識別するためのノード識別番号91と、復旧後時刻ごとの稼働率95と、から構成される。復旧後時刻ごとの稼働率95は、0〜1.0が記憶され、1.0が完全回復である。復旧後能力レベル回復情報130について、ノードごとに時系列の個数を変更しても良い。
入庫アーク情報131は、ノードを識別するためのノード識別番号101と、入庫アークの識別番号102と、から構成される。
出荷アーク情報132は、ノードを識別するためのノード識別番号111と、出荷アークの識別番号112と、から構成される。
ノード配置情報133は、ノードを識別するためのノード識別番号121と、画面上の位置座標122と、から構成される。
要求量情報134は、ノードを識別するためのノード識別番号131と、シミュレーション期間中の各時刻Nでの要求量132(N=0〜n)と、から構成される。尚、nは、シミュレーションの終了時刻で、予め設定する。
図14は、各アークのインデックスとなる情報が格納されるアーク情報の構成例を示す図である。
アーク情報110は、アークを一意に識別するためのアーク識別番号141と、アーク名142と、編集モード143と、から構成される。編集モード143は、ノード情報120の編集モード24と同様である。
アーク物流量111は、アークを一意に識別するためのアーク識別番号151と、標準要求量152と、から構成される。すなわち、アーク識別番号151として保持された当該アークを入庫アークとしているノードが、当該アークを出荷アークとしているノードに対して物品を要求する標準量である。
アーク活性化状態112は、アークを識別するためのアーク識別番号161ごとにシミュレーション期間中の各時刻Nの活性化状態162(N=0〜n)(活性または不活性)を記憶する。尚、nは、シミュレーションの終了時刻で、予め設定する。
アーク活性化条件113は、アークを識別するためのアーク識別番号171と、アークが活性化するための条件である活性化条件172と、から構成される。尚、活性化条件172は、後記する対策画面により予め設定する。
アーク能力情報114は、アークを一意に識別するためのアーク識別番号181と、調達LT182と、から構成される。調達LTとは、アーク識別番号181として保持された当該アークを入庫アークとしているノードが、当該アークを出荷アークとしているノードに対して物品を要求してから物品が届くまでの時間である。
入庫ノード情報115は、アークを識別するためのアーク識別番号191と、入庫ノードの識別番号192と、から構成される。
出荷ノード情報116は、アークを識別するためのアーク識別番号201と、出荷ノードの識別番号202と、から構成される。
アーク配置情報117は、アークを識別するためのアーク識別番号211と、画面上の開始点座標212と、中間点座標213と、終了点座標214と、から構成される。
尚、S231〜S233は、編集手段250により実現される。
図22は、処理部20により図示せぬ評価プログラムを起動することによって出力装置30にメインウィンドウが表示された図である。利用者が「新規作成」221を選択すると物流ネットワークの新規作成、「開く」222を選択すると処理部20の図示せぬ入出力手段により既存データベースから既に記憶された物流ネットワークの読み込みを行う。また、「保存」223を選択すると、編集中の物流ネットワークを入出力手段により記憶部10のデータベースに保存する。
ここでは、利用者が新規作成の選択をした場合を説明する。新規作成を選択すると、図24の画面が表示される。
符号1001は、物流ネットワーク作成画面である。
物流ネットワーク作成画面1001は、定常状態選択ボタン1002、事後対策選択ボタン1003、ノード・アーク選択領域3001、時刻制御領域3002、および物流ネットワーク表示領域3003からなる。
ノード・アーク選択領域3001は、ノードの形状や、アークを選択する領域である。各ノードの形状は、供給源を表すノード1004、倉庫を表すノード1005、工場を表すノード1006、顧客を表すノード1007を含む。これらノードの他に、アーク1008を含む。ユーザは、これらの各ノード1004〜1007や、アーク1008をマウス等でクリックすることによって、ノード1004〜1007や、アーク1008を選択し、これを物流ネットワーク表示領域3003に移動させたり、コピーしたりすることで、物流ネットワークを形成する。
まず、符号1012は、供給源1のノードであり、図7(c)に示すノード能力増強情報125の最大供給量77の値である最大供給量「80」が表示されている。
そして、供給源1のノード1012からは、2本のアーク1013、1020が出ている。アーク1013は、代替倉庫のノード1014に接続している。アーク1013には、図15のアーク物流量111の標準要求量「20」が表示されている。以下、アークに伴って表示される標準要求量は、前記した方法と同様の方法によって、表示される。
代替倉庫のノード1014には、図7(b)のノード能力増強情報125の最大在庫量75の値、および在庫基準の値である「100」、および「20」が表示されている。
代替倉庫のノード1014からは、標準要求量「20」のアーク1015が出ており、代替工場のノード1016へ接続している。代替工場のノード1016には、図7(a)のノード能力増強情報125の標準生産能力72の値である「20」が表示されている。
アーク1019上には、調達LT1018が表示されている。調達LT1018には、図18のアーク能力情報114の調達LT182の値である「3」が表示されている。
標準要求量「50」のアーク1020は、最大在庫量「100」、在庫水準「20」の国内倉庫のノード1021に接続している。国内倉庫のノード1021からは、2本のアーク1022、1026が出ている。
標準要求量「30」のアーク1022は、標準生産能力「30」の国内工場のノード1023に接続している。そして、国内工場のノード1023は、標準要求量「30」のアーク1024を介して顧客1のノード1025に接続している。
物流ネットワークを形成する段階で、ノード1012、1014、1016、1021、1023、1025、1027、1029、1031、またはアーク1013、1015、1019、1020、1022、1024、1026、1028、1030のいずれかを選択(例えば、シングルクリックや、ダブルクリック)することによって、図25や、図27〜図29に示される各種設定画面が表示され、これらの設定画面を介して各ノードや、各アークの設定を行うことができる。
また、顧客1のノード1025、および顧客2のノード1031には、入庫ノードが接続されるが、出庫ノードが接続されることはない。
さらに、アーク1019上に調達LT1018が表示されているが、これは、例えばユーザがマウスをアーク1019上に重ねると、これまで表示されていなかった調達LT1018が表示される。具体的には、ユーザがマウスをアーク1019上に重ねると、入力装置30(図1参照)を介して、該当するアーク1019のアーク識別番号が処理部20(図1参照)に入力される。そして、処理部20(図1参照)は、入力されたアーク識別番号を基に、記憶部10(図1参照)に保存されているアーク能力情報114(図18参照)を参照し、該当する調達LT182(図18参照)の値を処理部20(図1参照)が取得する。そして、処理部20(図1参照)が、出力装置40に、該当するアーク1018上に取得した調達LTの値を表示させる。
尚、調達LT1018は、すべてのアーク1013、1015、1019、1020、1022、1024、1026、1028、1030上に表示させてもよい。
図29は、選択したノードの種別が倉庫の場合に表示される画面である。
活性化条件281とは、選択したノードがつねに活性化であるか、条件つき活性化であるかを選択し、条件つき活性化である場合は、条件を設定する。例えば、図28では、「ノード識別番号N002の活性化状態が不活性である」場合に選択ノードは活性化することを表している。また、選択ノードを平常時に維持するコストである平常時コストおよび対策用として実施した場合の対策実施コストを設定することができる。尚、ここで設定した条件は、ノード活性化条件(図5参照)に記憶され、ノードが活性化状態にあるときのコスト(対策実施コスト)と不活性状態にあるときのコスト(平常時コスト)をコスト126(図8参照)に記憶される。
また、アーク活性化状態112(図16参照)には、当該アークの初期値として「活性」が設定される。
そして、ユーザが、障害対象選択ボタン259を選択することによって、該当するノードが、後記するシミュレーションにおいて、災害による障害が発生したノードとなる。
シナリオ情報の設定後、図22の「保存」223を選択すると、編集中のシナリオ情報を入出力手段により記憶部10のデータベースに保存する。
図26の要素において、図24と同様の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図26の画面例では、事後対策選択ボタン1003が選択されることで、災害後の事後対策としての物流の拠点、および流れが設定できる。
図26では、以下のような事後対策用のノード、およびアークが設定されている。
前記したように、事後対策用ノードとして最大在庫量「100」、在庫水準「0」の仮倉庫のノード1033が設定されている。
そして、供給源1のノード1012から、仮倉庫のノード1033には、標準要求量「50」のアーク1032を介して接続している。
仮倉庫のノード1033は、標準要求量「30」のアーク1034を介して、国内倉庫のノード1021へ接続している。
さらに、仮倉庫のノード1033は、標準要求量「20」のアーク1036を介して、海外倉庫のノード1027へ接続している。
すなわち、事後対策用として設立された仮倉庫は、国内倉庫と、海外倉庫に物流を供給する役割を有する。
尚、事後対策用として設定された仮倉庫のノード1033と、アーク1032、1034、1036は、事後対策用として設定されたことが識別できるよう、他のノード1012、1014、1016、1021、1023、1025、1027、1029、1031や、アーク1013、1015、1019、1020、1022、1024、1026、1028、1030とは異なる表示がなされている。本実施形態では、事後対策用として設定されたノード、およびアークは、二点鎖点で表示されている。
本処理を図30に添って説明する。
ここで、図示せぬ一時領域には、ノードごとの、要求量送付フラグおよび受取済みフラグが存在し、各フラグを0に設定する。要求量送付フラグとは、各ノードが上流のノードに対して要求量を送付したか否かのフラグで、1のとき要求量を送付したことを示す。また、受取済みフラグとは、各ノードが接続する下流ノードから要求量を受取ったか否かのフラグで、各ノードが接続する下流ノードの個数分の配列を持ち、下流ノードに対して1のとき、その下流ノードから要求量を受取ったことを示す。
例えば、取り出したノードのノード種別が工場の場合、全ての上流ノードに送る要求量は、S3008で取得した要求量と能力増強判定手段220で求めた生産能力とを比較して、小さいものとする。上流ノードは、取り出したノードの入庫アークを出庫アークとするノードであるため、取り出したノード識別番号101を基づいて入庫アーク情報131(図10参照)から入庫アーク識別番号102を求め、当該アーク識別番号と一致する出荷アーク識別番号112に対応するノード識別番号111を出荷アーク情報132(図11)から求める。求めた上流ノードに要求量を送る。上流ノードが複数ある場合、その要求量の配分は、例えば、アーク物流量(111)の標準要求量152を用いて配分する。ある上流ノードと当該ノードを結ぶアークの標準要求量をHとし、各上流ノードと当該ノードを結ぶアークの標準要求量の総和をSUMとする。当該ノードの要求量をWとすると、当該上流ノードに要求する量はW×(H/SUM)の整数部分となる。その際、要求量情報134の当該上流ノードの時刻t要求量にその要求量を加算して記憶する。
ここで、前記要求量送付フラグを送付済み(1)に設定し、送付された上流ノードが前記取り出した下流ノードから送付されたことを前記要求量受取済みフラグの配列に設定する(受取済み(1))。
ここで、図示せぬ一時領域には、ノードごとの、回答フラグおよび供給可能量回答受取済みフラグが存在し、各フラグを0に設定する。回答フラグとは、各ノードが下流のノードに対して回答を送付したか否かのフラグで、1のとき回答を送ったことを示す。また、供給可能量回答受取済みフラグとは、各ノードが接続する上流ノードから供給可能量の回答を受取ったか否かのフラグで、各ノードが接続する上流ノードの個数分の配列を持ち、上流ノードに対して1のとき供給可能量の回答を受取ったことを示す。
例えば、取り出したノードのノード種別が供給源の場合、全下流ノードに送る供給可能量は、S3009で受け取った要求量と能力増強判定手段220で求めた最大供給量とを比較して、小さいものとする。下流ノードは、取り出したノードの出庫アークを入荷アークとするノードであるため、取り出したノード識別番号111に基づいて出荷アーク情報132(図11参照)から出荷アーク識別番号112を求め、当該アーク識別番号と一致する入庫アーク識別番号102に対応するノード識別番号101を入庫アーク情報131(図10)から求める。求めた下流ノードに供給可能量を送る。その際、取り出したノードが接続している下流ノードごとに送る時刻tの供給可能量は図示せぬ一時領域A(下流ノードに対する供給可能量)に保存しておく。下流ノードが複数ある場合、その供給可能量の配分は、例えば、アーク物流量(111)の標準要求量152を用いて配分する。ある下流ノードと当該ノードを結ぶアークの標準要求量をHとし、各下流ノードと当該ノードを結ぶアークの標準要求量の総和をSUMとする。当該ノードの供給可能量をWとすると、当該下流ノードに要求する量はW×(H/SUM)の整数部分となる。また、取り出したノードについて供給可能量をノード物流量121の時刻t物流量に記憶する。時刻t物流量は、各下流ノードに対して供給できる供給可能量の総和となる。
ここで、回答フラグを回答済み(1)に設定し、回答された下流ノードは前記取り出した上流ノードから回答されたことを回答受取済みフラグの配列に設定する(受取済み(1))。
在庫量の計算は、当該ノードに流入した物流量(入庫量)から流出した物流量(出荷量)を減じることで求めることができる。当該ノードの入庫量を計算するには、当該ノードに入庫するアークを出荷アークとするノードを決定するため、当該ノードの識別番号を基に、入庫アーク情報131(図10参照)から入庫アークを参照し、当該入庫アークを基に、出荷アーク情報132(図11参照)から上流ノードを参照する。さらに、当該上流ノードを基に、前記一時領域A(下流ノードに対する供給可能量)と、当該上流ノードと当該ノード間を結ぶアークの調達LT182(図18参照)から、当該ノードの時刻tの入庫量を求める。当該ノードと当該上流ノード間を結ぶアークの調達LTをkとすると、当該ノードが当該上流ノードから受け取る時刻tの物流量は、前記一時領域Aにおける、当該ノードに対する時刻(t−k)の供給可能量となる。当該ノードの時刻tの入庫量は、全ての上流ノードにおける、当該ノードが当該上流ノードから受け取る時刻tの物流量の総和となる。ノードの出荷量は、当該ノードを基に、ノード物流量121(図3参照)から、時刻tの物流量を参照した値となる。そして、入庫量から出荷量を減じた値に、時刻t−1の在庫量を加算した値が求める在庫量となる。
算出された経時的な入庫量は、記憶部10に保存されている図示せぬ一時領域であるノード入庫量に保存される。また、算出された経時的な在庫量は、記憶部10に保存されている図示せぬ一時領域であるノード在庫量に保存される。ノード入庫量、およびノード在庫量は、図3のノード物流量121と同様の形式であり、算出された各時刻の入庫量、または在庫量が、ノード識別番号に対応する形で保存される。
そして、S3103で取り出した当該ノードの故障発生時刻から当該ノードの復旧時間後の時刻を、当該ノードの復旧開始時刻とする(S3105)。
以上が、ノード復旧シミュレーション手段231の説明である。
以上が、活性化状態判定手段210の説明である。
能力増強条件が満たされている場合、ノード能力増強情報(図7(b)参照)を参照し、保管増大率が1.2倍なので、在庫基準を20×1.2の24に、最大在庫量を100×1.2の120に増強する。
全てのノードについて終了していなければ、S3301に戻る(S3311)。
以上が、能力増強判定手段220の説明である。
取得した当該ノードの活性化状態が活性でない場合(S3405、N)、平常時総コストHに、コスト126(図8(a)参照)に記憶されている当該ノードの不活性時コストを加算する(S3406)。
尚、当該ノードが時刻tで能力増強を行っているか否かは、前記した能力増強判定手段220によって既に判定が行われているので、その結果を参照する。
当該ノードが時刻tで能力増強を行っていない場合(S3408、N)、平常時総コストHに、コスト126(図8(b)参照)に記憶されている当該ノードの平常時コストを加算する(S3409)。
以上が、コスト計算手段232の説明である。
(2)時刻tを初期化するため、0とする(S3602)。
(3)時刻tが時刻Tを超えるか否かを判定する(S3603)。時刻tが時刻Tを超えた場合は(S3603、N)、処理を終了する。
(4)時刻tが時刻Tを超えない場合(S3603、Y)、以下のS3604〜S3606の処理を行う。
要求量情報134(図13参照)から当該ノードの時刻tの要求量R(t)を取得する(S3604)。
前記したノード入庫量に基づいて、当該ノードの時刻tで受け取る物流量(入庫量)S(t)を取得する(S3605)。
要求量R(t)が物流量S(t)を超えるか否かを判定する(S3606)。
要求量R(t)が物流量S(t)を超えない場合は(S3606、N)、時刻tを1加算し(S3608)、S3603に遷移する。
(5)要求量R(t)が物流量S(t)を超えた場合(R(t)>S(t))(S3606、Y)、時刻s=時刻tとし、処理を終了する(S3607)。
(2)時刻tに前記S3503の処理で取得した時刻sを代入する(S3702)。
(3)時刻tが時刻Tを超えるか否かを判定する(S3703)。時刻tが時刻Tを超えた場合は(S3703、N)、処理を終了する。
(4)時刻tが時刻Tを超えない場合(S3703、Y)、以下のS3704〜S3706の処理を行う。
要求量情報134(図13参照)から当該ノードの時刻tの要求量R(t)を取得する(S3704)。
前記したノード入庫量に基づいて、当該ノードの時刻tで受け取る物流量(入庫量)S(t)を取得する(S3705)。
要求量R(t)が物流量S(t)を超えるか否かを判定する(S3706)。
要求量R(t)が物流量S(t)を超えている場合(R(t)>S(t))は(S3706、N)、時刻tを1加算し(S3708)、S3703に遷移する。
(5)要求量R(t)が物流量S(t)を超えない場合は(S3706、Y)、時刻u=時刻tとし、処理を終了する(S3707)。
(2)時刻sがシミュレーション終了時刻Tと同じである場合は(S3801、Y)、バックオーダ解消時間はTとなり、処理を終了する(S3802)。
(3)時刻sがシミュレーション終了時刻Tと同じでない場合は(S3801、N)、S3504で取得した当該ノードの物流量が要求量に追いつく時刻uがシミュレーション終了時刻Tと同じであるか否かを判定する(S3803)。
(4)時刻uがシミュレーション終了時刻Tと同じでない場合は(S3803、Y)、バックオーダ解消時間は時刻u−時刻sとなり(S3804)、処理を終了する。
(5)時刻uが時刻Tと同じ場合は(S3803、N)、バックオーダが解消時間は−1となり(S3805)、処理が終了する。ここで、−1は時刻Tまでにバックオーダが解消できなかったことを意味する。
ノード別表示領域2005は、識別名(すなわち、ノード名)を選択するノード名選択窓2006、ノード毎のコストのうち、平常時のコストを表示する平常時コスト窓2007、対策実施時の時刻毎のコストの総和である対策実施コスト窓2008、入庫量である物流量1の時間推移を表示する物流量1表示領域2009、出庫量である物流量2の時間推移を表示する物流量2表示領域2010、在庫量の時間推移を表示する在庫量表示領域2011、および出荷要求と入庫の量の時間推移を表示する出荷要求・入庫表示領域2012を含んでなる。
図42の例では、供給源1が選択された例を示している。供給源1は、供給のみの役割を有するため、物流量1表示領域2009、在庫量表示領域2011、および出荷要求・入庫表示領域2012のデータ表示はなく、これらの領域の表示形態を、物流量2表示領域2010と識別している。また、図42のように、物流量1表示領域2009、在庫量表示領域2011、および出荷要求・入庫表示領域2012のデータ表示を行わない場合、物流量1表示領域2009、在庫量表示領域2011、および出荷要求・入庫表示領域2012の領域そのものを表示しなくてもよい。
物流量2表示領域2010は、図3のノード物流量121から取得される時刻毎の物流量の値を、横軸に記載されている時刻に対応させたヒストグラムの形で表示させる。
図43において、図42と同様の要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
物流量1(入庫量)や物流量2(出庫量)、在庫量の推移状況や、全体のノードの総コストや選択したノードのコストを見て、選択したノードの対策の可否を検討する。
図43は、ノード名で海外倉庫を選択した例である。
物流量1表示領域2016には、前記したノード入庫量から取得される時刻毎の入庫量の値を、横軸に記載されている時刻に対応させたヒストグラムの形で表示させる。
物流量2表示領域2017には、図3のノード物流量121から取得される時刻毎の物流量の値を、横軸に記載されている時刻に対応させたヒストグラムの形で表示させる。
在庫量表示領域2018には、前記したノード在庫量から取得される時刻毎の在庫量の値を、横軸に記載されている時刻に対応させたヒストグラムの形で表示させる。
尚、図43では、出荷要求・入庫表示領域2019のデータ表示はなく、これらの領域の表示形態を、物流量1表示領域2016、物流量2表示領域2017、および在庫量表示領域2018と識別している。また、図43のように、出荷要求・入庫表示領域2019のデータ表示を行わない場合、出荷要求・入庫表示領域2019の領域そのものを表示しなくてもよい。
図44において、図42と同様の要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
他のノードの故障によって発生する顧客のバックオーダが、どれぐらいの時間で解消するかを示したバックオーダ解消時間や、解消するまでの時間をグラフ化した出荷要求・入庫のグラフや、総コストのデータを見て、全体の対策の良否を判断する。バックオーダ解消時間は短く、総コストは小さい対策が良い対策となる。
図44は、ノード名で顧客を選択した例である。
対象が顧客であるため、物流量2表示領域2025、および在庫量表示領域2026における表示は、行われない。
物流量1表示領域2024には、前記したノード入庫量から取得される時刻毎の入庫量の値を、横軸に記載されている時刻に対応させたヒストグラムの形で表示させる。
出荷要求・入庫表示領域2027は、図13の要求量情報134から取得される時刻毎の要求量、前記したノード入庫量から取得される時刻毎の入庫量の値を、折線グラフとして表示させる。
尚、図44では、物流量2表示領域2025、および在庫量表示領域2026のデータ表示はなく、これらの領域の表示形態を、物流量1表示領域2024、および出荷要求・入庫表示領域2027と識別している。また、図44のように、物流量2表示領域2025、および在庫量表示領域2026のデータ表示を行わない場合、物流量2表示領域2025、および在庫量表示領域2026の領域そのものを表示しなくてもよい。
図40は、物流ネットワークシミュレーション作成画面において、障害が発生した状態を示している。
図40において、図24と同様の要素には同一の符号を付して、説明を省略する。
図40では、国内倉庫のノード1021、および国内工場のノード1023で障害が発生している。それに伴い、供給源1のノード1012および国内倉庫のノード1021を接続するアーク1020aと、国内倉庫のノード1021および国内工場1023を接続するアーク1022aと、国内工場のノード1023および顧客1のノード1025を接続するアーク1024aと、国内倉庫のノード1021および海外倉庫1027を接続するアーク1026aとの標準要求量が、全て「0」となっている。
障害が発生しているノード1021、1023は、図25のシナリオ画面において、障害対象選択ボタン259を選択されたノードである。
全てのアークについて終了していれば、表示処理は終了する。
図41は、時刻制御領域3002において、進むボタン1010を押下することにより、物流ネットワークのシミュレーションの時刻を進めた状態を示す図である。
図41において、図24と同様の要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
図41では、時刻表示窓1011aに示すように時刻「5」の物流ネットワークが表示されており、図40の時刻「1」の物流ネットワークと比較すると、国内倉庫および国内工場が障害から復旧している。それに伴い、供給源1−国内倉庫−国内工場−顧客1や、国内倉庫−海外倉庫のアーク、すなわちアーク1020、1022、1024、1026で、物が流通している(標準要求量が0ではなくなっている)ことを確認できる。また、仮倉庫のノード1033に入庫するアークがなくなり、仮倉庫のノード1033から出ているアーク1034が、海外倉庫から国内倉庫に変化していることを確認できる。尚、図40および図41におけるアークの標準要求量(物流量)は、シミュレーション手段で計算された値を参照している。
このように、時間の経過と共に、災害対策物流ネットワークがどのように変化するかを視覚的に確認することができ、対策の良否を判断するのに非常に便利である。
10 記憶部
20 処理部
111 アーク物流量
112 アーク活性化状態
113 アーク活性化条件
121 ノード物流量
122 ノード活性化状態
123 ノード活性化条件
124 ノード能力増強条件
125 ノード能力増強情報
127 ノード復旧シナリオ
210 活性化状態判定手段
220 能力増強判定手段
230 シミュレーション手段
233 バックオーダ解消時間計算手段
240 出力手段
Claims (7)
- 情報を記憶する記憶部と情報を処理する処理部と利用者が操作する操作部と情報を視覚的に表示する表示部とを備える物流ネットワーク評価支援装置が、前記表示部に、物流の拠点を示すノードと、拠点間の物流を示すアークとを複数表示して、物流ネットワークを可視化し、評価を支援する物流ネットワーク評価支援方法であって、
前記処理部は、
前記操作部を介して利用者に前記物流ネットワークの定常時におけるノードおよびアークの活性化状態と物流量を設定させ、その設定を前記記憶部に記憶し、
前記操作部を介して利用者に前記物流ネットワークのノードおよびアークのうち、障害を生じる任意のノードおよび/またはアークを設定させ、その設定を前記記憶部に記憶し、
前記操作部を介して利用者に前記障害が生じた際に利用する障害対策用のノードおよびアークの活性化状態と物流量を設定させ、前記記憶部に記憶し、
前記操作部を介して利用者に前記物流ネットワークに障害が生じた際の当該物流ネットワークを復旧させる復旧シナリオを、前記障害が生じるとしたノードおよび/またはアークについての障害状態として経時的な段階ごとに設定させ、その設定を前記記憶部に記憶し、
前記処理部は、前記設定に基づいてノードおよび/またはアークに障害を生じさせた際に、
前記記憶部に記憶されている前記復旧シナリオの経時的な最初の段階の障害状態と各ノードおよび各アークの活性化状態とを活性化判定条件に適用して各ノードおよび各アークの活性化状態を判定し、この判定に基づいて各ノードおよび各アークの活性化状態を設定して前記記憶部に記憶し、
前記記憶部に記憶されている前記復旧シナリオの経時的な次の段階の障害状態と前記設定した各ノードおよび各アークの活性化状態とを活性化判定条件に適用して各ノードおよび各アークの活性化状態を判定し、この判定に基づいて各ノードおよびアークの活性化状態を設定して前記記憶部に記憶し、
前記活性化状態を設定して記憶する処理を、前記復旧シナリオの経時的な全ての段階について行うと、前記記憶部に記憶されている各ノードおよび各アークの物流量と前記復旧シナリオの経時的な最初の段階の障害状態とこの障害状態に対応する各ノードおよび各アークの活性化状態とを前記設定と条件に基づき各ノードおよび各アークの物流量を計算して前記記憶部に記憶し、
前記記憶部に記憶されている前記計算した各ノードおよび各アークの物流量と前記復旧シナリオの経時的な次の段階の障害状態とこの障害状態に対応する各ノードおよび各アークの活性化状態とを前記設定と条件に基づき各ノードおよび各アークの物流量を計算して前記記憶部に記憶し、
これにより、前記復旧シナリオの経時的な全ての段階について、各ノードおよび各アークの物流量をシミュレーションすること
を特徴とする物流ネットワーク評価支援方法。 - 前記記憶部は、前記ノードが要求する物流量の情報である要求物流量をノードごとに記憶し、
前記処理部は、
任意の前記ノードに関連するノードの物流量、およびアークの物流量を基に、前記任意のノードに入庫される量である入庫量を算出し、
前記評価支援とは、前記処理部が、前記経時的な段階ごとの前記入庫量と、前記要求物流量の差を算出し、
前記入庫量と、前記要求物流量とを基に、前記入庫量が前記要求物流量を満たすまでの時間であるバックオーダ解消時間を算出することを特徴とする請求項1に記載の物流ネットワーク評価支援方法。 - 前記ノードは、
定常時において常設されている物流の拠点を示す定常ノードと、
指定されたノードで障害が発生すると仮定した非常事態に対応して設置される物流の拠点を示す対策用ノードと、
に設定させることが可能であり、
前記アークは、
定常時において常設されている物流の流れを示す定常アークと、
指定されたノードで障害が発生すると仮定した非常事態に対応して設定される物流の流れを示す対策用アークと、
に設定させることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の物流ネットワーク評価支援方法。 - 前記記憶部は、前記ノードの物流量を変化させる際の、変化率の情報であるノード能力変化、前記ノードの物流量の変化を行う条件であるノード能力変化条件を記憶し、
前記処理部は、
前記記憶部に記憶されている、前記ノード能力変化条件と、前記復旧シナリオとを基に、前記算出されたノードの物流量を変化させるか否かを判定し、
前記判定の結果、前記算出されたノードの物流量を変化させる場合、前記記憶部に記憶されている前記ノード能力増強を基に、前記ノードの物流量を変化させることを特徴とする請求項1に記載の物流ネットワーク評価支援方法。 - 前記処理部は、
前記操作部を介して利用者に選択されることにより、前記シミュレーションの結果の表示を実行させるボタンを前記表示部に表示させ、
前記ボタンが選択され、所定の時刻が指定されると、
前記定常状態におけるノードおよびアーク、ならびに前記シミュレーションして計算されたノードおよびアークのうち、前記所定の時刻に該当するノードおよびアークを前記表示部に表示し、
前記所定の時刻に該当するノードおよびアークの設定ならびに物流量を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の物流ネットワーク評価支援方法。 - 請求項1から請求項5に記載の物流ネットワーク評価支援方法を、コンピュータに実行させることを特徴とする物流ネットワーク評価支援プログラム。
- 請求項1から請求項5に記載の物流ネットワーク評価支援方法を、コンピュータに実行させることを特徴とする物流ネットワーク評価支援装置。
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JP2006201337A JP2008027315A (ja) | 2006-07-24 | 2006-07-24 | 物流ネットワーク評価支援方法、物流ネットワーク評価支援プログラムおよび物流ネットワーク評価支援装置 |
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