JP2008024576A - ナノサイズの無機質系反応促進材を含むトンネル防水材 - Google Patents

ナノサイズの無機質系反応促進材を含むトンネル防水材 Download PDF

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Abstract

【課題】老朽化したトンネル等に対して、漏水効果の大きいトンネル防水材の提供。
【解決手段】コンクリートと同じ無機質系反応促進材を選定し、その粉砕工程を改善してナノサイズの粒径を生成して使用する。ナノサイズに粉砕・加工することにより、微細な亀裂やコンクリート内部に不溶性の結晶の形成を容易にし、防水性の高いものにするとともに、劣化したコンクリートに浸潤可能であることから、劣化防止や改善効果がはかることが可能となる。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
本発明は、老朽化して漏水対策が必要なトンネル覆工面の防水工のために開発されたものであり、明治時代から大正時代に施工されたレンガ積み、ブロック積み、石積み工等からなる主に鉄道トンネルの覆工面や、昭和時代に施工された木製支柱式支保形式で施工されたコンクリート覆工トンネル、及び、鋼製支保工を使用した在来工法やNATM工によるトンネル覆工面等の他、コンクリート製構造物全般の防水工に関するものである。
本発明で示す防水材は、無機質系・有機質系の結合材に、ナノサイズに粉砕加工した無機質系反応促進材を含有することを特徴とし、従来の防水材と同様に、塗布、吹付けあるいは注入による方法で利用されるものであるが、これまでの防水工に関する従来の技術について、以下に詳細を示した。
請求項1記載のセメント系材料に関する分野では、「ザイペックス工法」と呼称される1969年にカナダの「ザイペックスケミカルコーポレーション」が開発した製品があり、防水工やコンクリートの劣化防止材として広く使用されているものである。「ザイペックス工法」は、無機質系反応促進材を含むことを特徴し、これら無機質系反応促進材を「無機質セメント結晶増殖材」と呼称し、材料の構成は、普通ポルトランドセメントに、「触媒性化合物」及びシリカサンドを混合したものからなるものである。このうち同工法の基本的な反応促進材としての「無機質セメント結晶増殖材」は、コンクリートに含有あるいは溶出する物質と水和反応するものからなり、特に水和反応を促進させているのは、触媒性化合物とシリカサンドである。
シリカサンドは、珪酸を粉砕したものからなり、一般のセメント混和材として使用されているものでは、製品名を「ヒュームドシリカ」等として市販されているものと同様の反応を示すものと考えられ、水和反応して水酸化カルシウムと珪酸の不溶性の水和物を構成する物質である。
又、「触媒性化合物」は、〔非特許文献1〕・〔特許文献2〕に分析結果の詳細が記載されているが、珪酸とアルミナ:40%、酸化カルシウム:36%、酸化マグネシウム:4.6%、酸化ナトリウム:4.9%、酸化カリウム:0.5%、珪弗化マグネシウム:微量等から構成されるものからなるものである。従って、この「触媒性化合物」は結晶増殖材として水和反応を最も促す成分は酸化カルシウムであり、酸化カルシウムは石灰を加熱・粉砕したもので、水和反応で水酸化カルシウムとなり、コンクリートが硬化する基本結晶のエトリンガイトを形成する。このような水和反応がさらに進行すると、コンクリート材から浸潤する酸化ナトリウムと珪酸を含む反応の結果として、不溶性の水酸カルシウムーシリカの水和鉱物を生成することから、劣化し難いコンクリートを形成することになる。又、珪弗化マグネシウムは含有量が微量であるが、同じく酸化カルシウムが水和して生成した水酸化カルシウムと反応して、不溶性の弗化カルシウムや珪酸マグネシウムを生成し、劣化し難い結晶を形成するものである。
このような不溶性の劣化し難い結晶を形成するセメント結晶増殖材による防水工法は、コンクリート製品から浸出する水分やアルカリ成分と反応して、小さな亀裂や空隙を充填しながら徐々に不溶性の安定した化合物を生成することを特徴とし、多孔質なコンクリートでは有効な無機質系の防水材であり、〔特許文献1〕記載に示されるように、これらの結晶増殖材としての「触媒性化合物」の粒径は、粒径の計測データでは平均粒径:30.4μmであることが特徴であった。
「ザイペックス工法」の工法説明カタログ、ジャパンザイペックス社発行
請求項1記載のセメント系材料では、〔特許文献1〕・〔特許文献2〕記載であきらかなように、既に〔0003〕記載の「ザイペックス工法」に使用する無機質系の結晶増殖材として使用される「触媒性化合物」を、ローラーミルで加工して細粒化したことを特徴としたものであり、このローラーミルによる加工の結果、無機質系の結晶増殖材の粒径は、計測結果から1.5μm〜3μmのものを含む、平均粒径が1.7μmとなっていることを特徴としている。
このように無機質系で親水性の結晶増殖材を〔非特許文献1〕記載の平均粒径が30.4μmから、〔特許文献1〕・〔特許文献2〕記載の平均粒径が1.7μmまで細粒化したことにより、「高強度結晶増殖型モルタル及びコンクリート構造物の保護・補修工法」として発明名称で示すように、〔0003〕記載の結晶増殖材を使用したものより結晶増殖時間が短縮されるとともに、コンクリートへの付着性の改善と、結晶増殖深度の向上がはかれ、より小さな亀裂や多孔質なコンクリート内部でも水和反応が進むことから、劣化したコンクリートそのものの強度の向上も望めるものに性能の向上がはかれている。
特許公開2002−97056号公報 特許公開2002−154863号公報
請求項1記載のセメント系材料では、〔特許文献3〕記載のように、「自己治癒コンクリート」として、セメントと膨張材及び「無機質セメント結晶増殖材」から構成されるものも類似の事例として挙げられる。
このうち、「無機質セメント結晶増殖材」として使用されている素材は、微細シリカ、水ガラス及び珪弗化マグネシウム又はマグネシアから構成されるもので、これらの粒径は30μm〜500μmからなることを特徴とし、市販されている普通ポルトランドセメントと同様の粒径から構成されていることを特徴としている。
特許公開2005−239482
請求項2・請求項3記載の水ガラス系材料とシリコン系材料の例では、〔特許文献4〕記載の「浸透性無機質反応型改良材」及び「浸透性無機質溶液」として、前者は水ガラス系材料で珪酸アルカリ溶液を呈していることから、それを塗布することでコンクリートの多孔質素材の表面付近に浸透し、硬化する素材であり、又、後者のシリコン系材料では、水ガラス同様にコンクリート表面付近に浸透して硬化するものである。
従って、コンクリート製品の表層部に緻密な不等水層を形成することを特徴とした工法であり、〔特許文献4〕記載で示されるように、これら双方のコンクリート製品の表層部の塗布による遮断機能によって、コンクリート表面からの劣化を防止して、その耐久性の向上をはかるものとされているものである。
特許公開2006−132299号公報
請求項4記載の樹脂系材料としては、最も広く漏水対策のための防水材として、塗布あるいは注入工法によって使用されているもので、いずれも2液混合によって反応硬化するものからなる。
2液混合による硬化反応は、温度条件にもよるが概ね24時間程度で終了し、亀裂等に塗布又は注入することによって充填・硬化して、漏水を遮断することを特徴としている。
樹脂系材料の種類は現状大別して、エポキシ樹脂系とアクリル樹脂系とからなり、いずれも強固な硬化体を形成するものとなっている。
これら樹脂系材料は、漏水が滲んでいる場合には材料分離や付着不良、及び、低温化での施工では硬化時間が長くなり、この間に材料分離や硬化不良の問題があった。これら樹脂系材料では、微細な亀裂では充填が困難であり、コンクリート製品と物理性質が大きくことなることから、二次劣化と言われる硬化した材料とコンクリートとの分離や剥離が発生する問題があった。
請求項5記載のナノサイズに粉砕加工して使用する無機質系反応促進材としては、〔0003〕・〔0004〕・〔005〕記載で示されるように、元々多孔質な材料である硬化したコンクリート製品において、内部に含まれる水分やセメントから溶解して供給されるアルカリ物質やカルシウム化合物からなる物質と反応して、不溶性で劣化し難い、水酸化カルシウムと珪酸からなる水和物や弗化化合物を形成することを促進させるものから構成されている。
請求項6記載の繊維状のものを混合したものは、〔特許文献5〕記載のように、コンクリート材料に、有機系の例としては炭素繊維を混合したものがあり、この記載では長さが2mm以下、直径が10mm以下のものを混合することによって、強度の向上と剥離し難い性質が得られることが示されている。
従って、今回のナノサイズに粉砕加工した無機質系反応促進剤を積極的に混合することによって、〔特許文献5〕
特許公開2006−151769号公報
発明が解決しようとする課題
トンネル覆工面からの漏水は、坑口付近の冷却し易い区間では冬期間に、路面に流れ出た場合には、車のスリップ事故につながるとともに、又、ツララの落下も交通の障害となるために、その維持・管理上の問題となり、漏水対策のための導水工や亀裂の充填工等の防水工が実施されることになる。このような漏水対策が必要なトンネルは、道路トンネルのケースでは、その補修工の実施が迂回路の確保や片側通行等で比較的容易であり、さらに老朽化が進んだ道路トンネルでは、車両の通行料の増大や歩道の整備等の要請、あるいは路線線形の見直し等から、比較的容易に活線拡幅による改修や改築工事が実施されること等から、例えば戦前の現役の国道トンネルは、その数が少ないことから、改修や改築が頻繁に実施されていることが窺える。
しかしながら鉄道トンネルでは、主要な路線の多くは明治20年台から大正年間に施工されたものからなり、明治時代に施工されたトンネルはレンガ積みによる覆工が主体であり、大正〜昭和初期時代になるとコンクリートブロック積みによる覆工となり、覆工全面がコンクリートで施工されたのは昭和初期以降であり、このような古いトンネルでは既に1世紀を経過したものが多く含まれ、覆工面そのものの老朽化が進行している問題があった。
レンガ積み工やコンクリートブロック工によるトンネル覆工は、木製支柱式支保形式で切羽が進められ、レンガやブロック積みの背面には、積み上げた材料が固定されるように、掘削ズリが充填されている。このために、これらのトンネル覆工背面は地下水が容易に流化し易くなって、トンネルの老朽化が進行するとともに、モルタルによる接合材が溶出して、漏水が頻発している問題があり、さらにこれらの漏水は覆工面の劣化を促進させることから、効果的な漏水対策による防水工の実施が望まれていた。
コンクリート覆工による比較的新規の路線でもその殆どが昭和30年台までに施工されたものは、木製支柱式支保形式で施工されたものからなり、上記のレンガやブロック積み工のトンネル覆工背面と同様に、覆工背面には丸太や矢板が残され、この空隙を地下水が容易に流下し易いことから、覆工背面全体が漏水し易い状態となっている。又、このような木製支柱式支保形式のコンクリート覆工の打設には、木製型枠による人力での打設のものも含み、打設の中断が多いことから、この打設中断部で水密性不良部があるために、漏水が頻発し、漏水はコンクリート覆工面の劣化を進行させることから、効果的な漏水対策による防水工の実施が必要とされている。
このような漏水が頻発する鉄道トンネルでは、単線で施工されているものが多く、主要な鉄道では、昼間は客車を運行させているが、夜間は貨物車を運行させていることが多く、補修工の実施にあたっては時間の制約が大きいものとなっている。鉄道トンネルの補修工を検討する上で、道路トンネルの補修や改修・改築工等と根本的に異なるのは、殆どの線路は近傍に迂回路が無いために、その実施が困難であり、今後も老朽化したトンネル覆工を利用し続けなければならないことである。
ここに、JR東日本旅客鉄道管内のトンネル区間の総延長は約2,300kmであり、このうちレンガ積み、ブロック積み、石積み工等からなるトンネルの延長は、約90km程度存在すると言われており、〔0013〕記載の木製支柱式支保形式のコンクリート覆工のトンネルと合わせて、昭和25年頃までに共用されたトンネルの総延長は約200kmと言われている。
これら老朽化したトンネルを多数運用し、漏水によるトンネル内の施設の劣化進行や制動時のスリップ等の問題と、漏水による覆工面の劣化進行による剥離・落下の危険性、及び、漏水の凍結によるツララの落下や側氷の形成による内空断面の障害等から、保線作業の煩雑さを強いられている問題があった。
トンネル覆工面の補修工として実施される漏水対策では、漏水が発生している部分の導水工を実施し、漏水の十分な低減化をはかって、漏水が発生している亀裂等を樹脂系の接着材を塗布あるいは注入することで対応していることが多い。
これら樹脂系材料からなる接着材は、エポキシ樹脂系が最も多く使用され、ついでアクリル樹脂系が使用されている。アクリル樹脂系はエポキシ樹脂系に比して、低温化での施工が可能な点が特徴である。
しかしながら、これら樹脂系の材料は、施工面が湿潤や漏水が滲んでいる場合には、材料分離の発生の問題があり、又、注入工では小さい亀裂の間隙に浸透することは困難な特徴がある。さらに、これら有機系の樹脂は疎水性材料で水をはじくことから、硬化した後のコンクリート製品と物理特性が異なり、含水状態や温度変化による体積膨張率変化の違いや、凍結・融解においては表層部で硬化した樹脂系材料とコンクリートから剥離し易い問題があり、いわゆる「二次劣化」が発生する問題があった。
〔0016〕記載の問題例を挙げれば、旧国鉄信越線、碓氷峠のレンガトンネル覆工面の補修工において、同トンネル覆工面は、明治26年に完成したもので、重要文化財として鉄道遺構として整備されたものがある。レンガ覆工面は漏水によって劣化が進行し、レンガの目地となっているモルタルの欠損や凍結・融解による剥離・剥落が進行していたために、ポインチング工による多数の充填孔を設けた目地部からの注入工を実施している。このときの注入材の選定は、〔0016〕記載の「二次劣化」の問題からレンガそのものの損傷につながるとの判断をし、これまで多数の施工実績があったエポキシ樹脂系ではなく、「無機質系のセメント材料」による充填材を採用して補修。補強工を施工したことは注目すべきことと考える。
〔非特許文献2〕記載で示されるように、一般にコンクリートの劣化は、大気中に350ppm含有する炭酸ガスが漏水等から供給された水に溶解し、コンクリートの中性化を促すことが主な原因があると言われ、コンクリート製品の耐用年数は50年程度が目安とされ、50年経過したコンクリートの中性化深さは、10mm程度と言われている。従って、鉄筋コンクリート構造物では、コンクリートの被りが25mm程度であることから、この間構造物の安全が確保できることになる。
人類のコンクリート構造物の歴史をみれば、紀元1世紀〜2世紀に栄えたローマ帝国時代の遺跡には、コンクリート構造物が多く残されており、これらコンクリート構造物は2000年近い歳月を経ても現存していることから、実際の耐用年数は、良質なコンクリート製品を提供すれば、比較的劣化し難い構造物になるものであり、我が国での最も古い鉄筋コンクリート性のアーチ式橋梁は、JR東日本管内の只見線の大谷川橋梁で、昭和14年に完成したものであるが、施工後70年近く経過しても現役を保っているものがある。
しかしながら、我が国では昭和30年代中頃から高度成長時代に入り、建設ラッシュが続き、コンクリートの打設も効率的なポンプ打設となり、ポンプ圧送を容易にするために加水したり、骨材に含まれる塩分やアルカリ骨材反応等によって、コンクリート製品の性能低下が著しく進行している問題があり、最近の耐震基準の見直し等から、コンクリート構造物全般の効果的な補修工の開発が求められている。
コンクリートが危ない、小林一輔著、1999年5月20日第一刷発行、株式会社岩波新書
〔0003〕記載の無機質系反応促進材による「触媒性化合物」は、平均粒径:30.4μmであり、市販のセメント材料の粒径と大きな差が無いことを特徴としているが、これまでの施工実績から、付着不良で剥離し易いこと、結晶増殖の終了に数ヶ月を要し時間がかかることが難点であった。
〔0004〕記載の無機質系反応促進剤による結晶増殖材は、〔0003〕記載で示されるように、「触媒性化合物」を、ローラーミルによる粉砕・加工によって平均粒径:1.7μmで1.5μm〜3μmにしたことを特徴とし、この細粒化によって、剥離性の問題を改善し、結晶増殖時間の短縮となり、より小さい亀裂の充填やコンクリートそのものの多孔質部の充填が可能になったことかから、より防水性の向上とコンクリート強度そのものの向上につながった。
〔0012〕・〔0013〕記載の老朽化したトンネル覆工面の漏水対策のための防水工としては、漏水している多数のモルタル目地や微細な亀裂の充填が不可欠であり、又、〔0016〕・〔0017〕記載に示す樹脂系材料による「二次劣化」の問題から、使用される防水材としては、無機質系の親水性の反応促進材を選択する必要があり、〔0020〕記載で明らかなように、無機質系の反応促進材は、粉砕・加工してより細粒化することによって、コンクリート内部の微細な空隙に浸透して結晶を構成する重要な利点が備わることが明らかにされている。
本発明では、〔0020〕記載の粉砕・加工工程を見直して、ローラーミルから粉砕機種を選定し、無機質系反応促進材のより細粒化をはかる必要があった。
課題を解決するための手段
無機質系反応促進材を〔003〕記載のローラーミルから、ボールミルに変更することによって、より細粒化がはかれることを確認した。なお、ボールミルによる粉砕は、細粒化がある程度進行すると、生成したパウダーが凝集して粉砕効率が著しく滞ることも確認された。
このために、ボールミルによる粉砕過程で、パウダーが発生する乾燥したドライ状況での粉砕工程から、加水、ゲル状、潤滑油等の併用によって、ナノサイズの粒径の無機質系反応促進材を作成することができた。図.1には得られた無機質系反応促進材の粒度分布を加積曲線で示し、粒径が50nm(:0.050μm)から500nm(:0.50μm)であることを示し、図.2、図.3には、粒径を計測したときの電子顕微鏡撮影結果を示した。
なお、無機質系反応促進材の細粒化過程では、上記のボールミルによる粉砕工程の他に、ジェットミルによる粉砕・加工工程も有効であり、ジェットミルによる粉砕工程では、粉砕・加工した製品の粒度をより一定にコントロール可能である利点が挙げられ、又、1nm(:0.001μm)程度までのさらに細粒化を可能とすることを確認した。
〔0024〕・〔0024〕記載のナノサイズに加工した無機質系反応促進は、微粉末であることから、〔0003〕記載のようにパウダーの状態では、容易に凝集し易く、使用時に均一に溶解することが困難であったために、界面活性材等をはじめとする分散材を併用した溶液の状態で保存、運搬し、これを適宜、例えばセメント系材料にブレンドして利用することとした。
発明の実施形態
〔0026〕記載で示したように、ナノサイズに粉砕した無機質系反応促進材を、防水材として使用する形態は、微粉末であることからドライな状態では凝集し易く、コンクリート材料に投入しても均一に混入することは困難であり、分散材を併用した溶液として容器に密封して運搬し、セメント系材料の例では、特に指定はしないが0.1%〜10%重量程度ブレンドの範囲で既往のセメント系防水材と併用して使用することが効果的であった。
本発明のナノサイズに粉砕した無機質系反応促進材による防水工の施工では、施工範囲が小さいケースでは、直接施工対象範囲を塗布することができ、対象範囲が拾う場合には、吹付け工による施工が効果的である。塗布工の場合には漏水や劣化状況を勘案して1mm〜50mmの厚さで施工するものとし、吹付け工の場合には吹付け厚が30mm〜80mm程度の範囲で適宜施工するものとする。
防水対象地点を削孔して、削孔を利用してピンポイントで小規模範囲を注入したり、あるいは覆工面全体に防水対象が広範囲の場合には、背面を充填して、背面の地下水の流下部や浸潤箇所を防水することができる。
ナノサイズに粉砕した無機質系反応促進材を含む防水材は、粒径が微細であることから、コンクリートの微細な亀裂の深部に到達して、不溶性の結晶を生成できるが、既に劣化して中性化が進行した部分においても、微細で浸透性が高く、無機質系反応促進材はアルカリ性のものからなることを選択することによって、中性化した部分の再アルカリ化をはかることも可能となり、これまではこのような部分を補修するためにハツリ作業が必要であったが、このような煩雑な作業を低減することも可能となった。
実施例として、図.4・図.5に示す、明治30年に開通した鉄道トンネルのレンガ覆工において(現在は廃線となっている)、多数のモルタル目地からの漏水の滲み出しによる防水工において、覆工面から削工し、注入工により覆工背面の防水を行っている。〔0032〕同様に実施例として、図.6・図.7に示す、昭和30年代の鋼製支保工形式の在来工法(:矢板工法)で実施された、漏水が頻発してツララが大量に発生するコンクリート覆工のトンネルにおいて、〔0031〕記載の覆工背面からの防水工と、漏水により中性化が進んだ覆工面の再アルカリ化による改善効果の確認を実施した。
発明の効果
無機質系反応促進材をナノサイズに粉砕・加工したことにより、例えばトンネル覆工面からの微細な亀裂沿いから漏水の滲み出しが発生していたものが、比較的短時間に修復され、止水効果も高いことが確認された。
又、ナノサイズに粉砕・加工した無機質反応促進材は、その素材にアルカリ性物質(:例えば酸化カルシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、活性白土、カオリン、ベントナイト、沸石等)であり、劣化したコンクリート表面の微細な空隙を通過してアルカリ分を補充するために、コンクリートの劣化を抑止し、健全化もはかることが可能となった。
このことは、これまでは劣化して中性が進行したコンクリート部分は、ハツリ作業により除去し、新たにコンクリート打設や吹付け工等によって断面修復をし、煩雑で時間と経費がかかっていた工事が、本発明によるナノサイズに加工したアルカリ性の無機質系反応促進材の塗布や吹付け工あるいは注入工を実施することによって、簡単に改善がはかれることとなった。
ナノサイズに粉砕した反応促進剤の粒度分析結果。粒径は50nm(0.05μm)から500nm(0.5μm)で、d10(:10%粒径)は92.5nm、d50(:50%粒径)で224.1nm、d90(:90%粒径)で312.8nmである。 ナノサイズに粉砕した反応促進剤の電子顕微鏡写真(その1)。中央部のスケールは200nm(0.1μm)。 ナノサイズに粉砕した反応促進剤の電子顕微鏡写真(その2)。中央部のスケールは50nm(0.05μm)。 レンガ積み覆工内部をはつり、漏水箇所を確認した状況(1)。レンガを接着しているモルタル部(平均厚さ5mm程度)で、漏水箇所は褐色に変色し、水が滲んでいる。 レンガ積み覆工内部の漏水状況を示した状況(2)。レンガを接着しているモルタルに多数の漏水跡(ここでは褐色に変色)が確認され、防水対策には覆工面全体のモルタル部の止水が必要であることがわかる。 矢板工法のトンネル覆工面からの漏水状況(1)。覆工背面の矢板沿いに地下水が流下し易いため、覆工面から多数の漏水がある。このような漏水により、コンクリートの中性化が進行し、止水材による止水効果があまり期待できない問題があった。空隙が多数の漏水 矢板工法のトンネル覆工面からの漏水状況(2)。漏水の凍結状況を示し、ツララ等の形成は、通行車両の風圧による落下の危険性があり、維持管理上から確実な防水工が必要である。

Claims (7)

  1. セメント系材料に、粉砕加工して粒径が1nm〜1,000nmのナノサイズの無機質系反応促進材を含むことを特徴とする防水材。
  2. 水ガラス系材料に、粉砕加工して粒径が1nm〜1,000nmのナノサイズの無機質系反応促進材を含むことを特徴とする防水材。
  3. シリコン系材料に、粉砕加工して粒径が1nm〜1,000nmのナノサイズの無機質系反応促進材を含むことを特徴とする防水材。
  4. 樹脂系材料に、粉砕加工して粒径が1nm〜1,000nmのナノサイズの無機質系反応促進材を含むことを特徴とする防水材。
  5. ナノサイズに粉砕加工する無機質系反応促進材の素材として、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、シリカゲル、珪弗化マグネシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、活性白土、カオリン、ベントナイト、沸石等からなり、これらの無機質反応促進材を1又は複数使用することを特徴とする防水材。
  6. 請求項1に、ポリマーを混合することを特徴とする防水材。
  7. 請求項1・請求項6に、無機系及び有機系の繊維状のものを混合することを特徴とする防水材。
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