JP2008022828A - 界面活性剤によるプロテアーゼ活性化制御 - Google Patents

界面活性剤によるプロテアーゼ活性化制御 Download PDF

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Abstract

【課題】界面活性剤を用いてスブチリシンファミリーに属するプロテアーゼの活性化を制御することによるプロテアーゼ製造方法及びプロテアーゼ活性化制御方法を提供する。
【解決手段】無細胞タンパク質合成系において、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼのプロペプチドと成熟タンパク質とを含むタンパク質を発現させ、プロペプチドと成熟タンパク質とを含むタンパク質を界面活性剤存在下でインキュベートする。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロテアーゼ製造方法及びプロテアーゼ活性化制御方法に関する。
スブチリシン(Subtilisin)ファミリーは、主にバチルス(Bacillus)属に属する細菌が産生する分泌型プロテアーゼの総称である。スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼの相同体は、原核生物及び真核生物にわたって広く見出されている。
バチルス属細菌における、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼの分泌・フォールディング機構(Yukihiro Yabutaら, the Journal of Biological Chemistry, vol. 276, No. 48, p.44427-44434, 2001)では、先ず、細胞中で、N末端より、プレペプチドとプロペプチドと成熟タンパク質とから成る前駆体が発現する。ここで、プレペプチドは、分泌シグナルペプチドである。また、プロペプチドは成熟タンパク質の正しいフォールディングを補助する機能を有しており、分子内シャペロンとも呼ばれる。さらに、成熟タンパク質は活性型プロテアーゼである。
分泌機構としては、上述の前駆体がプレペプチドにより細胞外に分泌される。そしてシグナルぺプチダーゼにより、前駆体からプレペプチドが切断され、プロペプチドと成熟タンパク質とになる。その後、成熟タンパク質は分子内シャペロンであるプロペプチドによって正しくフォールディングされ、活性化される。この際、プロペプチドは自己触媒活性により切断され、さらに完全に分解される。
一方、無細胞タンパク質合成系は、コムギ胚芽、ウサギ網状赤血球、大腸菌等の抽出物に、発現対象のタンパク質をコードする遺伝子を含むDNAを添加し、in vitroでタンパク質合成を行う系である。これら抽出物には、タンパク質合成に必要なリボソーム、翻訳因子群、酵素類等が含まれている。あるいは、このようなタンパク質合成に必要なタンパク質をin vitroで合成し、混合することで再構成した無細胞タンパク質合成系も存在する。
スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼを無細胞タンパク質合成系で発現させた場合には、無細胞タンパク質合成系に含まれるリボソームやその他のタンパク質合成に必要なタンパク質を分解してしまう可能性がある。また、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼは、上述した複雑な分泌・フォールディング機構により発現されるので、無細胞タンパク質合成系での発現が困難であると推測されていた。
これらの問題が存在し、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼを無細胞タンパク質合成系で発現させた例は、今まで知られていなかった。
一方、プロテアーゼを溶液中で安定に保存することは困難であり、通常、プロテアーゼを保存する際には、酵素造粒物のような粉末の形態をとる。溶液中でのプロテアーゼの失活の原因は、主として自己消化によるものと考えられている。従来では、プロテアーゼの活性を抑えるために可逆的なプロテアーゼ阻害剤を添加し、安定性を高めることが知られている。また、特許文献1には、プロテアーゼ等の酵素の安定剤として4-置換フェニルボロン酸が開示されている。しかしながら、このような阻害剤や安定剤を用いても、溶液中でのプロテアーゼの失活を完全に抑制できない。
特表平11-507680号公報
本発明は、上述した実情に鑑み、無細胞タンパク質合成系においてスブチリシンファミリーに属するプロテアーゼを発現させ、発現させたプロテアーゼの活性化を界面活性剤を用いて制御することによる、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼの製造方法及び活性化制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、無細胞タンパク質合成系において、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼのプロペプチドと成熟タンパク質とを含むタンパク質を発現させ、発現中又は発現後にプロペプチドと成熟タンパク質とを含むタンパク質を界面活性剤存在下でインキュベートすることで、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼの成熟タンパク質が活性化されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下を包含する。
(1)無細胞タンパク質合成系において、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼのプロペプチドと成熟タンパク質とを含むタンパク質を発現させる工程と、前記発現中又は発現後に前記プロペプチドと成熟タンパク質とを含むタンパク質を界面活性剤存在下でインキュベートする工程を含み、前記インキュベーションにより前記成熟タンパク質が活性化されることを特徴とする、プロテアーゼ製造方法。
(2)上記スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼが、プロテアーゼKP-43、プロテアーゼNP-1、プロテアーゼE-1、プロテアーゼFT、プロテアーゼHK及びプロテアーゼKSから成る群より選択されるプロテアーゼであることを特徴とする、(1)記載の方法。
(3)上記発現をL-アルギニン存在下で行うことを特徴とする、(1)又は(2)記載の方法。
(4)上記L-アルギニンの終濃度が5mM〜50mMであることを特徴とする、(3)記載の方法。
(5)上記発現をさらに分子シャペロン存在下で行うことを特徴とする、(3)又は(4)記載の方法。
(6)上記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤であることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1記載の方法。
(7)上記アニオン性界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、N-ラウロイルサルコシン-ナトリウム塩、ドデシル硫酸リチウム、コール酸ナトリウム及びデオキシコール酸ナトリウムから成る群より選択される界面活性剤であることを特徴とする、(6)記載の方法。
(8)上記カチオン性界面活性剤が、塩化セチルピリジニウム又は臭化セチルトリメチルアンモニウムであることを特徴とする、(6)記載の方法。
(9)上記界面活性剤が、一般式(1):
Figure 2008022828
に示されるスルホベタインにおいて、nが12以上のスルホベタインであることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1記載の方法。
(10)上記界面活性剤の終濃度が1mM〜400mMであることを特徴とする、(1)〜(9)のいずれか1記載の方法。
(11)無細胞タンパク質合成系において発現させたスブチリシンファミリーに属するプロテアーゼのプロペプチドと成熟タンパク質とを含むタンパク質に界面活性剤を添加する工程を含み、前記添加により前記成熟タンパク質が活性化されることを特徴とする、プロテアーゼ活性化制御方法。
(12)上記スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼが、プロテアーゼKP-43、プロテアーゼNP-1、プロテアーゼE-1、プロテアーゼFT、プロテアーゼHK及びプロテアーゼKSから成る群より選択されるプロテアーゼであることを特徴とする、(11)記載の方法。
(13)上記発現をL-アルギニン存在下で行うことを特徴とする、(11)又は(12)記載の方法。
(14)上記L-アルギニンの終濃度が5mM〜50mMであることを特徴とする、(13)記載の方法。
(15)上記発現をさらに分子シャペロン存在下で行うことを特徴とする、(13)又は(14)記載の方法。
(16)上記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤であることを特徴とする、(11)〜(15)のいずれか1記載の方法。
(17)上記アニオン性界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、N-ラウロイルサルコシン-ナトリウム塩、ドデシル硫酸リチウム、コール酸ナトリウム及びデオキシコール酸ナトリウムから成る群より選択される界面活性剤であることを特徴とする、(16)記載の方法。
(18)上記カチオン性界面活性剤が、塩化セチルピリジニウム又は臭化セチルトリメチルアンモニウムであることを特徴とする、(16)記載の方法。
(19)上記界面活性剤が、一般式(1):
Figure 2008022828
に示されるスルホベタインにおいて、nが12以上のスルホベタインであることを特徴とする、(11)〜(15)のいずれか1記載の方法。
(20)上記界面活性剤の終濃度が1mM〜400mMであることを特徴とする、(11)〜(19)のいずれか1記載の方法。
本発明によれば、無細胞タンパク質合成系において、活性化されたスブチリシンファミリーに属するプロテアーゼを製造することができる。また、本発明によれば、無細胞タンパク質合成系において発現させたスブチリシンファミリーに属するプロテアーゼの活性化を制御することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るプロテアーゼ製造方法(以下、「プロテアーゼ製造方法」という)は、無細胞タンパク質合成系において、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼのプロペプチドと成熟タンパク質とを含むタンパク質(以下、「プロ-成熟タンパク質」という)を発現させること、及び発現中又は発現後にプロ-成熟タンパク質を界面活性剤存在下でインキュベートすることを含む。このインキュベーションにより、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼの成熟タンパク質が活性化されることとなる。
ここで、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼとは、主にバチルス属に属する細菌が産生する分泌型プロテアーゼを意味する。図1は、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼの系統樹による分類を示す。図1の系統樹は、bootstrapping neighbor-joining method(Sanderson, MJ and MJ Donoghue, Mol. Biol. Evol., 44, 406-425, 1989)に従いClustalX(Thompson et al, Nucleic Acids Res., 22, 4673-4680, 1994)を用いて作製されたものである。本発明において、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼとしては、例えば、図1の系統樹に示されるプロテアーゼのうち、プロテアーゼKP-43、プロテアーゼNP-1、プロテアーゼE-1、プロテアーゼFT、プロテアーゼHK及びプロテアーゼKSが挙げられる。
また、プロペプチドとは、成熟タンパク質の正しいフォールディングを補助する機能を有するペプチドを意味する。プロペプチドは分子内シャペロンとも呼ばれる。さらに、成熟タンパク質とは活性型プロテアーゼを意味する。
成熟タンパク質の活性化とは、成熟タンパク質がプロペプチドによって正しくフォールディングされ、プロテアーゼ活性を示すようになることを意味する。
プロテアーゼ製造方法では、先ず、プロ-成熟タンパク質をコードするDNAを準備する。例えば、上述のプロテアーゼKP-43、プロテアーゼNP-1、プロテアーゼE-1、プロテアーゼFT、プロテアーゼHK及びプロテアーゼKSのプロ-成熟タンパク質をコードするDNAの塩基配列及びそれらの対応するアミノ酸配列は、以下の表1に示す配列番号に示される配列である。また、表1には、各配列番号に示されるアミノ酸配列におけるプロペプチドのアミノ酸配列箇所及び成熟タンパク質のアミノ酸配列箇所、並びに各プロテアーゼが由来するバチルス属細菌を示す。
Figure 2008022828
本発明において、プロ-成熟タンパク質をコードするDNAには、表1の各配列番号に示されるプロ-成熟タンパク質のアミノ酸配列又はスブチリシンファミリーに属する他のプロテアーゼにおけるプロ-成熟タンパク質のアミノ酸配列について、1又は数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、特に好ましくは1〜3個)のアミノ酸が置換、欠失または付加されたアミノ酸配列から成り、且つプロペプチド活性とプロテアーゼ活性とを有するタンパク質をコードするDNAも含まれる。さらに、プロ-成熟タンパク質をコードするDNAには、表1の各配列番号に示されるプロ-成熟タンパク質をコードするDNA又はスブチリシンファミリーに属する他のプロテアーゼのプロ-成熟タンパク質をコードするDNAと相補的な塩基配列から成るDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つプロペプチド活性とプロテアーゼ活性とを有するタンパク質をコードするDNAも含まれる。
ここで、ストリンジェントな条件とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成される条件をいう。より具体的にストリンジェントな条件は、例えば、ナトリウム濃度が300〜2000mM、好ましくは600〜900mMであり、温度が40〜75℃、好ましくは55〜65℃での条件をいう。
プロ-成熟タンパク質をコードするDNAは、スブチリシンファミリーに属する各プロテアーゼが由来するバチルス属細菌等のゲノムDNAを鋳型とし、特異的なプライマーセットを用いたPCRにより増幅し、単離することができる。
あるいは、一旦プロ-成熟タンパク質をコードするDNAの塩基配列が確定されると、その後は化学合成によって、又はクローニングされたプローブを鋳型としたPCRによって、あるいは該塩基配列を有するDNA断片をプローブとしてハイブリダイズさせることによって、プロ-成熟タンパク質をコードするDNAを得ることができる。さらに、部位特異的突然変異誘発法等によってプロ-成熟タンパク質をコードするDNAの変異型であって変異前のDNAによってコードされるプロ-成熟タンパク質と同等の機能を有するものをコードするDNAを合成することもできる。
なお、プロ-成熟タンパク質をコードするDNAに変異を導入するには、Kunkel法、Gapped duplex法等の公知の手法又はこれに準ずる方法を採用することができる。例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(例えばMutant-K(TAKARA社製)やMutant-G(TAKARA社製))などを用いて、あるいは、TAKARA社のLA PCR in vitro Mutagenesis シリーズキットを用いて変異の導入が行われる。
無細胞タンパク質合成系に使用するDNAとしては、例えば、上述したプロ-成熟タンパク質をコードするDNAを有するPCR産物等のDNA断片が挙げられる。
次いで、プロテアーゼ製造方法では、無細胞タンパク質合成系に、これらプロ-成熟タンパク質をコードするDNAを有するDNA断片を添加し、プロ-成熟タンパク質を発現させる。無細胞タンパク質合成系としては、例えば、PURESYSTEM Classic II(株式会社ポストゲノム研究所製)、RTSシステム(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製)、PROTEIOS(東洋紡績株式会社製)、Transdirect insect cell(株式会社島津製作所製)等の市販の無細胞タンパク質合成系が挙げられる。PURESYSTEM Classic IIは、コムギ胚芽、ウサギ網状赤血球、大腸菌等の抽出物を用いない、再構成無細胞タンパク質合成系である。
無細胞タンパク質合成系に対するプロ-成熟タンパク質をコードするDNAを有するDNA断片の添加量は、使用する無細胞タンパク質合成系により適宜調整することができる。例えば、PURESYSTEM Classic IIを用いる場合には、50μlの系において、DNA断片の添加量は、100ng〜2000ng(好ましくは300ng〜600ng)である。
無細胞タンパク質合成系におけるプロ-成熟タンパク質の発現条件としては、例えばPURESYSTEM Classic IIを用いた場合には、16〜37℃(好ましくは25〜30℃)の温度で、1〜24時間(好ましくは6〜12時間)である。
無細胞タンパク質合成系におけるプロ-成熟タンパク質の発現では、無細胞タンパク質合成系にL-アルギニンを添加し、発現を行うことで、産生された成熟タンパク質のプロテアーゼ活性が向上する。無細胞タンパク質合成系に対するL-アルギニンの添加量は、例えば、無細胞タンパク質合成系全体において終濃度1mM〜300mM(好ましくは5mM〜50mM)となるように添加する。
さらに、L-アルギニンと共に、分子シャペロンを無細胞タンパク質合成系に添加し、発現を行うことで、産生された成熟タンパク質のプロテアーゼ活性がL-アルギニン単独の添加と比較してより向上する。分子シャペロンとしては、例えば大腸菌由来のHsp70(DnaK)が挙げられる。DnaKは、補助因子であるDnaJ及びGrpEと共に使用される。DnaK、DnaJ及びGrpEから成るセットが、DnaK setとして株式会社ポストゲノム研究所から市販されており、プロテアーゼ製造方法では、分子シャペロンとして当該DnaK setを使用することができる。無細胞タンパク質合成系への分子シャペロンの添加量は、例えば、DnaK setを使用した場合、DnaKを終濃度0.1μM〜25μM(好ましくは2μM〜8μM)、DnaJを終濃度0.1μM〜25μM(好ましくは1μM〜4μM)、GrpEを終濃度0.1μM〜30μM(好ましくは1μM〜4μM)とする。
次いで、プロテアーゼ製造方法では、プロ-成熟タンパク質の発現中又は発現後に、プロ-成熟タンパク質を界面活性剤存在下でインキュベートする。発現中である場合には、上述の無細胞タンパク質合成系におけるプロ-成熟タンパク質の発現において、無細胞タンパク質合成系に界面活性剤を予め、又は発現の最中に添加する。あるいは、発現後である場合には、無細胞タンパク質合成系におけるプロ-成熟タンパク質の発現終了後の反応溶液に界面活性剤を混合し、インキュベートする。
使用する界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、N-ラウロイルサルコシン-ナトリウム塩、ドデシル硫酸リチウム、コール酸ナトリウム及びデオキシコール酸ナトリウムが挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化セチルピリジニウム及び臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)が挙げられる。
また、使用する界面活性剤としては、一般式(1):
Figure 2008022828
に示されるスルホベタインにおいて、nが12以上のスルホベタインが挙げられる。例えば、上記一般式(1)において、nが12のスルホベタインSB12、nが14のスルホベタインSB14、nが16のスルホベタインSB16をプロテアーゼ製造方法で使用することができる。
混合する界面活性剤は、例えば、終濃度0.5mM〜1000mM(好ましくは1mM〜400mM)となるように、無細胞タンパク質合成系又は発現終了後の反応溶液に添加する。
プロ-成熟タンパク質と界面活性剤とのインキュベーション条件としては、例えば、10〜50℃(好ましくは、16〜37℃)で、0〜1時間(好ましくは0〜15分)が挙げられる。
以上に説明したプロテアーゼ製造方法によれば、活性化されたスブチリシンファミリーに属するプロテアーゼ(すなわち、成熟タンパク質)を得ることができる。成熟タンパク質のプロテアーゼ活性は、例えば、成熟タンパク質を、基質であるglt-Ala-Ala-Pro-Leu-pNA(株式会社ペプチド研究所製)(配列番号13:ここで、「glt」はグルタリルを示し、「pNA」はp-ニトロアニリドを示す)(以下、「AAPL」という)と接触させ、次いで、吸光度変化を測定する方法が挙げられる。成熟タンパク質とAAPLとを接触させると、成熟タンパク質のプロテアーゼ活性によりAAPLが加水分解され、吸収波長が400〜405nmのpNAを遊離する。したがって、400〜405nmにおける吸光度変化に基づくプロテアーゼ活性が、陰性対照と比較して統計的に有意な差で見られた場合に、得られた成熟タンパク質は、プロテアーゼ活性を有すると判断することができる。
スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼは、例えば洗剤、洗浄剤、化粧品等といった製品の成分として、あるいは食品加工に用いられている。プロテアーゼ製造方法によれば、このような産業に必要な多量のスブチリシンファミリーに属するプロテアーゼを製造することができる。
一方、本発明に係るプロテアーゼ活性化制御方法(以下、「プロテアーゼ活性化制御方法」という)は、無細胞タンパク質合成系において発現させたスブチリシンファミリーに属するプロテアーゼのプロ-成熟タンパク質に界面活性剤を添加することを含む。この添加により、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼの成熟タンパク質が活性化されることとなる。
プロテアーゼ活性化制御方法では、先ず、上述したプロテアーゼ製造方法における、無細胞タンパク質合成系によるスブチリシンファミリーに属するプロテアーゼのプロ-成熟タンパク質の発現方法に準じて、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼのプロ-成熟タンパク質を発現させる。次いで、発現させたプロ-成熟タンパク質を含む反応溶液をそのまま、又は他の溶液(例えば、洗剤)等に添加し、保存する。あるいは、保存することなく、発現させたプロ-成熟タンパク質を含む反応溶液を、発現直後使用してもよい。
保存後、又は発現直後に、発現させたプロ-成熟タンパク質を含む反応溶液又はその反応溶液を含む溶液等に界面活性剤を添加し、インキュベートする。この添加とインキュベーションにより、成熟タンパク質が活性化されることとなる。界面活性剤の種類及び添加量並びにインキュベーション条件は、上述したプロテアーゼ製造方法の際のものと同様である。
以上説明したプロテアーゼ活性化制御方法によれば、不活性なプロ-成熟タンパク質として発現させたスブチリシンファミリーに属するプロテアーゼを安定に保存した後、界面活性剤と接触させることで、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼの成熟タンパク質を活性化させることができる。また、他の酵素(例えば、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ)が存在する溶液(例えば、洗剤)中に、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼの不活性なプロ-成熟タンパク質を共存させることができる。次いで、界面活性剤をこの溶液に添加することで、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼの成熟タンパク質が活性化されることとなる。このように、プロテアーゼ活性化制御方法によれば、従来においてプロテアーゼを安定に保存できなかった溶液中でも、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼを保存でき、且つ活性化を制御できる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例で用いたプライマーは、以下の表2に示すプライマーである。
Figure 2008022828
Figure 2008022828
〔実施例1〕アルカリプロテアーゼKP-43の成熟タンパク質又はプロ-成熟タンパク質の無細胞タンパク質合成系による発現
1. アルカリプロテアーゼKP-43の成熟タンパク質又はプロ-成熟タンパク質をコードする領域の単離
バチルス・エスピーKSM-KP43株(FERM BP-6532)由来のアルカリプロテアーゼKP-43(以下、単に「KP-43」という)(国際公開第99/18218号パンフレット:GenBank accession no. AB051423)をコードする遺伝子(以下、単に「KP-43遺伝子」という)のプロ-成熟タンパク質をコードするDNA(配列番号1)に基づき、KP-43成熟タンパク質(配列番号2に示すKP-43プロ-成熟タンパク質のアミノ酸配列において、第176番目〜第609番目のアミノ酸配列)をコードする領域を増幅するプライマーKP43m-F及びKP43-R(配列番号14及び配列番号15)、あるいはプロペプチド(配列番号2に示すKP-43プロ-成熟タンパク質のアミノ酸配列において、第1番目〜第175番目のアミノ酸配列)と成熟タンパク質とを含むプロ-成熟タンパク質をコードする領域を増幅するプライマーKP43pm-F及びKP43-R(配列番号16及び配列番号15)を設計した。なお、プライマーKP43m-F及びKP43pm-Fの5'末端側には、Universal primer(配列番号17:株式会社ポストゲノム研究所製)の3'末端と相補的な塩基配列(表2において、下線を引いた塩基配列)及び翻訳開始コドンとしてATGを含むように設計した。Universal primerは、PURESYSTEM Classic II(株式会社ポストゲノム研究所製:以下、単に「PURESYSTEM」という)でタンパク質を発現する際に必要なシャイン-ダルガノ(Shine-Dalgarno)配列(SD配列)及びRBS(Ribosome Binding Site)を5’側に有しているプライマーである。
このように設計したプライマーを用いて、PURESYSTEMで発現するために必要な鋳型を作製するために、2段階のPCRを行った。PCRに使用するDNAポリメラーゼとしてKOD-plus-(東洋紡績株式会社製)を用いた。
1段階目のPCRは、KP-43遺伝子を鋳型とし、プライマーKP43m-F及びKP43-Rの組み合わせ、又はプライマーKP43pm-F及びKP43-Rの組み合わせを用いて行った。反応条件は、94℃で2分間熱処理後、94℃で30秒、65℃で30秒、68℃で30秒を1サイクルとし25サイクル反応させた。増幅したDNA断片をPCR product purification kit(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製)にて精製した後、2段階目のPCRの鋳型とした。
2段階目のPCRは、上述の精製したDNA断片を鋳型とし、Universal primer及びプライマーKP43-Rを用いて行った。PCR条件は、94℃で2分間熱処理後、94℃で30秒、68℃で1分を1サイクルとして、25サイクル反応させた。増幅したDNA断片をPCR product purification kitにて精製した。
2. 無細胞タンパク質合成系による発現
上記第1節における2段階のPCR後に精製した各DNA断片500ngを鋳型とし、PURESYSTEMを用いて50μlの系でタンパク質の発現を行った。反応温度は26℃で、反応時間は10時間とした。
以下、PURESYSTEMを用いて、KP43成熟タンパク質をコードする領域を鋳型に発現した産物を「KP43m」、KP43プロ-成熟タンパク質をコードする領域を鋳型に発現した産物を「KP43pm」と呼ぶ。すなわち、KP43mはKP43成熟タンパク質であり、一方、KP43pmはKP43プロ-成熟タンパク質である。
3. 発現したタンパク質のSDSによる活性化
KP43m及びKP43pmをそれぞれ発現した反応溶液25μlに等量の滅菌水又は100 mMのSDS(終濃度50 mM)を混合した。混合液を40℃で10分間処理した(インキュベーションに相当する)後、さらに、100 mMのホウ酸緩衝液(pH 10.5)に6mM AAPL(配列番号13)(株式会社ペプチド研究所製)を溶解した基質溶液50μlと混合した。
次いで、マイクロプレートリーダー(VersaMax : molecular devices社製)を用いて、40℃で15分間振盪しながら、405nmの吸光度を経時的に測定し、単位時間当たりの吸光度の変化(OD405 nm/分)を求めた。ブランクとしてPURESYSTEM反応溶液のみ(鋳型なし)を用いて、同様の手法により吸光度の変化(OD405 nm/分)を測定し、サンプルの吸光度変化との差を活性値とした。
また、比較のために、バチルス・エスピーKSM-KP43株で細胞外に分泌発現したKP-43を1.0 mg/mlとなるように、PURESYSTEMの反応溶液を用いて調整し、同様の操作によりプロテアーゼ活性の測定を行った。結果を図2に示す。
図2において、白抜きのバーは、上述の反応溶液に等量の滅菌水を混合した混合液についての結果を示し、一方、黒塗りのバーは、上述の反応溶液に等量の100mMのSDSを混合した混合液についての結果を示す。KP-43(1.0mg/ml)に滅菌水を混合した場合の活性値を100%とした。
図2に示す結果から判るように、バチルス・エスピーKSM-KP43株で細胞外に分泌発現したKP-43は、SDS存在下で活性が阻害された。一方、PURESYSTEMを用いてKP43pmを発現した場合には、SDS存在下でのみ活性が検出され、生細胞由来KP-43とは異なる挙動をし、SDSの添加により活性化することが見出された。
〔実施例2〕高濃度L-アルギニンによるKP43pmの活性向上
実施例1の方法に従い、KP43pmの発現を行った。発現の際には、DnaK set(株式会社ポストゲノム研究所製)、GroE set(株式会社ポストゲノム研究所製)及びL-アルギニン(関東化学株式会社製)を適宜添加することで、活性の向上を検討した。
具体的には、PURESYSTEM 50μlの反応系において、DnaK setの添加では、DnaKを2μl(終濃度4μM)、DnaJを1μl(終濃度2μM)、GrpEを1μl(終濃度2μM)添加した。また、GroE setの添加では、GroELを1μl(終濃度0.5μM)、GroESを1μl(終濃度1μM)添加した。さらに、PURESYSTEM 50μlの反応系において、L-アルギニンの添加では、50mM HEPESを用いてpH7.6に調整した500 mM L-アルギニンを3μl添加した(終濃度30mM)。
発現後のそれぞれの反応溶液を用いて、実施例1と同様の方法によりプロテアーゼ活性を測定した。具体的には、反応溶液と等量の100mM SDS(終濃度50 mM)とを混合し、40℃で10分間処理した後、AAPLを基質としてプロテアーゼ活性を測定した。結果を図3に示す。
図3において、+は添加を示し、−は非添加を示す。結果は、L-アルギニン、DnaK set及びGroE setの全ての試薬非添加で発現を行った場合の活性値を100%とした。
図3から判るように、L-アルギニン(終濃度30 mM)を添加した場合、2倍程度の活性の向上が確認された。さらにDnaK setを、L-アルギニンと併用すると3.5倍程度の活性の向上が確認された。
〔実施例3〕様々な濃度のSDSによるKP43pm活性化の検討
100 mMのSDSを、4倍、16倍、64倍、256倍、1024倍に希釈し、実施例1の方法に従い、それぞれ25μlをKP43pmが発現した後の反応溶液25μlと混合した。
次いで、混合液を40℃で10分間処理した後に、AAPLを基質としてプロテアーゼ活性の測定を行った。対照として、400 mMのKClを、4倍、16倍、64倍、256倍、1024倍、4096倍に希釈し、SDSの場合と同様に混合した後、プロテアーゼの活性を測定した。ブランクとして、滅菌水を混合した場合の活性を測定し、サンプルの値との差を活性値とした。結果を図4に示す。
図4において、白抜きの丸の折れ線グラフがSDSの結果を示し、一方、黒塗りの丸の折れ線グラフがKClの結果を示す。また、横軸に添加したKCl又はSDSの終濃度を示す。100 mMのSDSを混合した場合(終濃度50 mM)の活性値を100%とした。
図4から判るように、KClはどの濃度においてもKP43pmの活性化効果が確認されなかった。一方、SDSは、100 mMを64倍に希釈し、等量の反応溶液に添加した場合(終濃度0.78 mM)でも活性化効果が確認された。
〔実施例4〕様々な界面活性剤によるKP43pm活性化の検討
MEGA-8、Triton X-100、Tween 20、Tween 80、N-ラウロイルサルコシン-ナトリウム塩、ドデシル硫酸リチウム、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、SDS、塩化セチルピリジニウム、CTAB、CHAPS、CHAPSO、スルホベタインSB10及びスルホベタインSB16(全てMolBiTC社製)を各々2%(w/v)に調整した。
次いで、実施例1の方法に従い、KP43pmを発現した反応溶液25μlと調整した各界面活性剤25μlとをそれぞれ混合した。混合液を40℃で10分間処理した後、AAPLを基質としてプロテアーゼの活性を測定した。基質濃度及び測定機器は、全て実施例1と同様とし、40℃で3時間反応させた後の405nmの吸光度変化を測定した。また、ブランクとして、滅菌水を混合した場合の吸光度変化を測定し、サンプルの値とブランクの値との差を活性値とした。結果を図5に示す。
図5において、SDSと混合した場合の活性値を100%とした。
図5に示す結果より、アニオン性界面活性剤であるN-ラウロイルサルコシン-ナトリウム塩、ドデシル硫酸リチウム、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム及びSDS、並びにカチオン性界面活性剤である塩化セチルピリジニウム及びCTABにKP43pmに対する活性化効果があることがわかった。また、両性イオン界面活性剤では、スルホベタインSB16のみ活性化効果を示した。
そこで、様々なスルホベタインに関してKP43pmに対する活性化を検討した。
スルホベタインSB8、スルホベタインSB10、スルホベタインSB12、スルホベタインSB14及びスルホベタインSB16をそれぞれ50 mMに調整し、各々25μlと、KP43pmを発現した反応溶液25μlとを混合した。混合後、40℃で10分間処理した後、上記と同様の方法でAAPLを基質としてプロテアーゼ活性を測定した。結果を図6に示す。
図6において、スルホベタインSB12と混合した場合の活性値を100%とした。
図6に示す結果より、スルホベタインに関しては、SB12、SB14、SB16がKP43pmに対する活性化効果を有していた。従って、上記一般式(1)のスルホベタインの構造式を参照すると、疎水性部分の炭素数が12以上存在していることが活性化に必要であった。
〔実施例5〕バチルス属細菌が産生する他のスブチリシンファミリーに属するプロテアーゼのSDSによる活性化検討
1. バチルス属細菌が産生する他のスブチリシンファミリーに属するプロテアーゼのプロ-成熟タンパク質をコードする領域の単離
図1には、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼの系統樹による分類を示す。
図1の系統樹は、bootstrapping neighbor-joining method(Sanderson, MJ and MJ Donoghue, Mol. Biol. Evol., 44, 406-425, 1989)に従いClustalX(Thompson et al, Nucleic Acids Res., 22, 4673-4680, 1994)を用いて作製した。なお、下線を引いたプロテアーゼは、KP-43を含め、本実施例で実際にSDSによる活性化検討を行ったものである。他のプロテアーゼをコードする遺伝子(以下、「プロテアーゼ遺伝子」という)のGenBankにおける登録番号及び由来は、次のとおりである:Subtilisin E(GenBank accession no. P04189:枯草菌(Bacillus subtilis)168株由来)、Carlsberg(GenBank accession no. P00780:バチルス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)由来)、BPN'(GenBank accession no. Q44684:バチルス・アミロリクファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)由来)、YaB(GenBank accession no. P20724:バチルス・エスピーYaB株由来)、PB92(GenBank accession no. P27693:バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alcalophilus)PB92株由来)、H-221(GenBank accession no. P41362:バチルス・エスピー221株由来)、Vpr(GenBank accession no. M76590:枯草菌由来)、Bha(GenBank accession no. G83753:バチルス・ハロデュランス(Bacillus halodurans)C-215株由来)
バチルス属細菌が産生するKP-43以外の他のスブチリシンファミリーに属するプロテアーゼ(図1)に関して、同様の活性化機構が認められるか否かを確認するため、以下に示すプロテアーゼについてSDSによる活性化を検討した。
(1) KP-43と系統学的に同じグループのOxidatively Stable alkaline Proteases(OSPs)(Saeki et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 279, 313-319, 2000)に属するプロテアーゼNP-1(国際公開第88/01293号パンフレット:GenBank accession no. AB046406(バチルス・エスピーNCIB 12KS9株由来))及びプロテアーゼE-1(特開昭49-071191号公報:Genbank accession no. AB046402(バチルス・エスピーD-6株(FERM P-1592)由来))
(2) KP-43とは系統学的に異なるグループのHigh-Molecular-mass Subtilisins(HMSs)(Okuda et al., Extremophiles , 8, 229-235, 2004)に分類されるプロテアーゼFT(特開2004-154006号公報:GenBank accession no. AB096094(バチルス・エスピーKSM-KP43株由来))及びプロテアーゼHK(特開2004-201532号公報:GenBank accession no. AB100357(バチルス・エスピーD-6株由来))
(3) KP-43とは系統学的に異なるグループのhigh-alkaline protease(Siezen and Leunissen, Protein science, 6, 501-523, 1997)に分類されるプロテアーゼM-protease(GenBank accession no. Q99405(バチルス・エスピーKSM-K16株:微工研条寄第3376号由来))
(4) KP-43とは系統学的に異なるグループのtrue subtilisin(Siezen and Leunissen, Protein science, 6, 501-523, 1997)に分類されるプロテアーゼaprE(GenBank accession no. AAA22742(バチルス・エスピー168株由来))及びプロテアーゼKS(特開2004-313043号公報(バチルス・エスピーKSM-KP43株由来))
なお、各プロテアーゼ遺伝子のプロ-成熟タンパク質をコードする領域の塩基配列及び対応するアミノ酸配列の配列番号並びにプロペプチド及び成熟タンパク質のアミノ酸配列箇所を以下の表3に示す。
Figure 2008022828
表3に示す各配列番号の塩基配列に基づき、それぞれの構造遺伝子において、プロ-成熟タンパク質をコードする領域を増幅するプライマーを設計した(表2)。NP-F(配列番号18)、E-F(配列番号20)、FT-F(配列番号22)、HK-F(配列番号24)、M-F(配列番号26)、aprE-F(配列番号28)及びKS-F(配列番号30)の5’末端側には、Universal primerの3'末端と相補的な塩基配列(表2において、下線を引いた塩基配列)を含み、さらにその下流には開始コドンとしてATGを含むように設計した。
PURESYSTEMを用いて、それぞれのプロ-成熟タンパク質を発現するために必要な鋳型DNAを2段階のPCRで作製した。
1段階目のPCRは、NP-1についてはNP-1遺伝子を鋳型とし、プライマーNP-F及びNP-R(配列番号18及び配列番号19)の組み合わせ、E-1についてはE-1遺伝子を鋳型とし、プライマーE-F及びE-R(配列番号20及び配列番号21)の組み合わせ、FTについてはFT遺伝子を鋳型とし、プライマーFT-F及びFT-R(配列番号22及び配列番号23)の組み合わせ、HKについてはHK遺伝子を鋳型とし、プライマーHK-F及びHK-R(配列番号24及び配列番号25)の組み合わせ、M-proteaseについてはM-protease遺伝子を鋳型とし、プライマーM-F及びM-R(配列番号26及び配列番号27)の組み合わせ、aprEについてはaprE遺伝子を鋳型とし、プライマーaprE-F及びaprE-R(配列番号28及び配列番号29)の組み合わせ、KSについてはKS遺伝子を鋳型とし、プライマーKS-F及びKS-R(配列番号30及び配列番号31)の組み合わせで、KOD-plus-を用いて行った。PCRの反応条件は、全て94℃で2分間熱処理後、94℃で30秒、60℃で30秒、68℃で30秒を1サイクルとし25サイクル反応させた。増幅したDNA断片をPCR product purification kitにて精製した後、2段階目のPCRの鋳型とした。
2段階目のPCRは、上述の精製した各DNA断片を鋳型とし、Universal primerとプライマーNP-R(配列番号19)、プライマーE-R(配列番号21)、プライマーFT-R(配列番号23)、プライマーHK-R(配列番号25)、プライマーM-R(配列番号27)、プライマーaprE-R(配列番号29)又はプライマーKS-R(配列番号31)とをそれぞれの鋳型に対応するように用いて行った。用いたDNAポリメラーゼは1段階目のPCRと同様にKOD-plus-を用い、PCR反応条件は、HKに関するもの以外は、94℃で2分間熱処理後、94℃で30秒、68℃で1分を1サイクルとして、25サイクル反応させた。HKについては、94℃で2分間熱処理後、94℃で30秒、65℃で1分を1サイクルとして、25サイクル反応させた。PCR反応終了後、それぞれで増幅したDNA断片を、PCR product purification kitにて精製した。
なお、KP43pmコード領域のDNA断片は、実施例1と同様にして作製した。
2. 無細胞タンパク質合成系による発現
上記第1節における2段階のPCR後に精製した各DNA断片500ngを鋳型とし、L-アルギニン(終濃度 30mM)を混合したPURESYSTEMを用いて50μlの系でタンパク質の発現を行った。反応温度は26℃で、反応時間は10時間とした。
3. 発現したタンパク質のSDSによる活性化
上記第2節における反応後の反応溶液25μlに等量の滅菌水又は10 mMのSDS(終濃度5 mM)を混合し、40℃で10分間処理した後、AAPLを基質として実施例1と同様の方法を用いてプロテアーゼ活性の測定を行った。結果を図7に示す。
図7において、白抜きのバーは、上述の反応溶液に等量の滅菌水を混合した混合液についての結果を示し、一方、黒塗りのバーは、上述の反応溶液に等量の10 mMのSDSを混合した混合液についての結果を示す。それぞれのサンプルについて、SDSを添加した場合の活性値を100%とした。なお、発現させたタンパク質は、図7に示すプロテアーゼのプロ-成熟タンパク質である。
図7の結果より、KP-43、NP-1、E-1、FT、HK及びKSのプロ-成熟タンパク質は、SDSと混合することで、活性化することが確認された。一方、M-protease及びaprEのプロ-成熟タンパク質は、SDSを混合しない場合にも活性を有しており、SDSによる活性化は起こらないことが判明した。
図1は、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼの系統樹による分類を示す。 図2は、無細胞タンパク質合成系で発現させたKP43pmのSDSによる活性化を示す。 図3は、L-アルギニンによるKP43pmの活性向上を示す。 図4は、様々な濃度のSDSによるKP43pm活性化を示す。 図5は、様々な界面活性剤によるKP43pm活性化を示す。 図6は、スルホベタインSB8、スルホベタインSB10、スルホベタインSB12、スルホベタインSB14及びスルホベタインSB16によるKP43pm活性化を示す。 図7は、バチルス属細菌が産生する様々なスブチリシンファミリーに属するプロテアーゼのSDSによる活性化を示す。

Claims (20)

  1. 無細胞タンパク質合成系において、スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼのプロペプチドと成熟タンパク質とを含むタンパク質を発現させる工程と、
    前記発現中又は発現後に前記プロペプチドと成熟タンパク質とを含むタンパク質を界面活性剤存在下でインキュベートする工程を含み、前記インキュベーションにより前記成熟タンパク質が活性化されることを特徴とする、プロテアーゼ製造方法。
  2. 上記スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼが、プロテアーゼKP-43、プロテアーゼNP-1、プロテアーゼE-1、プロテアーゼFT、プロテアーゼHK及びプロテアーゼKSから成る群より選択されるプロテアーゼであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 上記発現をL-アルギニン存在下で行うことを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  4. 上記L-アルギニンの終濃度が5mM〜50mMであることを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. 上記発現をさらに分子シャペロン存在下で行うことを特徴とする、請求項3又は4記載の方法。
  6. 上記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 上記アニオン性界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、N-ラウロイルサルコシン-ナトリウム塩、ドデシル硫酸リチウム、コール酸ナトリウム及びデオキシコール酸ナトリウムから成る群より選択される界面活性剤であることを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. 上記カチオン性界面活性剤が、塩化セチルピリジニウム又は臭化セチルトリメチルアンモニウムであることを特徴とする、請求項6記載の方法。
  9. 上記界面活性剤が、一般式(1):
    Figure 2008022828
    に示されるスルホベタインにおいて、nが12以上のスルホベタインであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  10. 上記界面活性剤の終濃度が1mM〜400mMであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. 無細胞タンパク質合成系において発現させたスブチリシンファミリーに属するプロテアーゼのプロペプチドと成熟タンパク質とを含むタンパク質に界面活性剤を添加する工程を含み、前記添加により前記成熟タンパク質が活性化されることを特徴とする、プロテアーゼ活性化制御方法。
  12. 上記スブチリシンファミリーに属するプロテアーゼが、プロテアーゼKP-43、プロテアーゼNP-1、プロテアーゼE-1、プロテアーゼFT、プロテアーゼHK及びプロテアーゼKSから成る群より選択されるプロテアーゼであることを特徴とする、請求項11記載の方法。
  13. 上記発現をL-アルギニン存在下で行うことを特徴とする、請求項11又は12記載の方法。
  14. 上記L-アルギニンの終濃度が5mM〜50mMであることを特徴とする、請求項13記載の方法。
  15. 上記発現をさらに分子シャペロン存在下で行うことを特徴とする、請求項13又は14記載の方法。
  16. 上記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤であることを特徴とする、請求項11〜15のいずれか1項記載の方法。
  17. 上記アニオン性界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウム、N-ラウロイルサルコシン-ナトリウム塩、ドデシル硫酸リチウム、コール酸ナトリウム及びデオキシコール酸ナトリウムから成る群より選択される界面活性剤であることを特徴とする、請求項16記載の方法。
  18. 上記カチオン性界面活性剤が、塩化セチルピリジニウム又は臭化セチルトリメチルアンモニウムであることを特徴とする、請求項16記載の方法。
  19. 上記界面活性剤が、一般式(1):
    Figure 2008022828
    に示されるスルホベタインにおいて、nが12以上のスルホベタインであることを特徴とする、請求項11〜15のいずれか1項記載の方法。
  20. 上記界面活性剤の終濃度が1mM〜400mMであることを特徴とする、請求項11〜19のいずれか1項記載の方法。
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