JP2008020323A - き裂形状同定方法およびき裂形状同定システム - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性の試験体に形成されたき裂の形状を精度良く同定できるようにする。
【解決手段】互いに形状が異なるき裂を設定し(工程S1)、それらのき裂が形成された複数の予備試験体のき裂を挟んだ電圧印加位置に電圧を印加して電流を流したときの、き裂を挟んで格子状に配列された複数の電位差測定位置の複数の組み合わせについての電位の差を評価し(工程S2)、電位差基準データを求める(工程S3)。その後、工程S2と同一に配置された電圧印加位置に電圧を印加して試験体に電流を流し、工程S2と同一に配置された電位差測定位置に対して、その電位差測定位置のき裂を挟んだ複数の組み合わせについての電位の差を測定して電位差実測データを求める(工程S4)。き裂形状の変化に関する、電位差実測データと電位差基準データとの、差の二乗およびそれらの総和の応答が、いずれも最小になるようにき裂形状を同定する。
【選択図】図1
【解決手段】互いに形状が異なるき裂を設定し(工程S1)、それらのき裂が形成された複数の予備試験体のき裂を挟んだ電圧印加位置に電圧を印加して電流を流したときの、き裂を挟んで格子状に配列された複数の電位差測定位置の複数の組み合わせについての電位の差を評価し(工程S2)、電位差基準データを求める(工程S3)。その後、工程S2と同一に配置された電圧印加位置に電圧を印加して試験体に電流を流し、工程S2と同一に配置された電位差測定位置に対して、その電位差測定位置のき裂を挟んだ複数の組み合わせについての電位の差を測定して電位差実測データを求める(工程S4)。き裂形状の変化に関する、電位差実測データと電位差基準データとの、差の二乗およびそれらの総和の応答が、いずれも最小になるようにき裂形状を同定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、導電性の試験体に形成されたき裂形状の同定方法およびき裂形状同定システムに関する。
原子力プラントの原子炉一次系冷却水に接する原子炉圧力容器炉内構造物や原子炉一次系配管などの構造物においては、高温水に晒されて応力腐食割れ(SCC)が発生する場合がある。このような構造物にSCCなどによるき裂が発生した場合には、その構造健全性を評価するために、き裂の進展寿命を精度良く評価し、寿命予測を行う必要がある。そのために、使用環境を模擬した環境条件下において、破壊力学型試験片や配管形状の試験体を用いてき裂進展特性評価試験を実施し、対象材料のSCCによるき裂進展特性データを採取する。
このような構造物にき裂が発生、進展する場合には、そのき裂は構造物表面に表面き裂の状態で形成されるため、このような形状のき裂が進展する際の形状変化を精度良く計測する必要がある。
ステンレス鋼などの導電性を有する平板状あるいは配管形状の試験体の表面に存在する半楕円状のき裂形状を検出する方法として、電位差法を用いる方法が知られている。この方法は、き裂の近傍に複数の電位差計測用プローブを設置して計測電位差の分布からき裂形状を計測する方法である(たとえば非特許文献1ないし3参照)。
また、特許文献1には、平板状試験体の表面き裂に対する電位差法によるき裂形状の簡易評価方法に関しては、電位差法による計測電位差から電位差比を求め、別途作成したき裂長さと電位差比の関係を示すマスターカーブとの関係からき裂深さ、き裂の表面長さを決定する方法が開示されている。
特開平10−300698号公報
林,外3名、「直流ポテンシャル法による表面き裂形状の検出」、材料、1984年、第33巻、第368号、p.602
林、外4名、「直流ポテンシャル法によるステンレス鋼パイプ内面疲労き裂形状の検出」、材料、1986年、第35巻、第395号、p.936
Y.Hashimoto,外4名、"Procedure of Crack Shape Determination by Reversing DC Potential Method"、Nuclear Engineering Design、1992年、138、p.259
構造物表面に発生するSCCによるき裂は一般的に半楕円形状であり、また、SCCによる進展は、疲労などとは異なり、き裂の進展量が小さい場合が多い。従来技術では、試験体表面の半楕円状のき裂が板厚方向に同様な形状で大きく変化していく状態に対する電位差法によるき裂形状検出方法は示されているものの、SCC進展のような微小な形状変化を精度良く計測する手段、方法については知られていない。
本発明は、上述の課題を解決するため、導電性の試験体に形成されたき裂形状を精度良く同定できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、導電性の試験体に形成されたき裂の形状を同定するき裂形状同定方法において、互いに形状が異なるき裂が形成された複数の予備試験体のき裂を挟んだ電圧印加位置に電圧を印加して電流を流したときの、き裂を挟んで格子状に配列された複数の電位差測定位置に対して、その電位差測定位置のき裂を挟んだ複数の組み合わせについての電位の差を評価して電位差基準データを求める電位差評価予備工程と、き裂を挟んで、前記電位差評価予備工程と同一に配置された前記電圧印加位置に電圧を印加して前記試験体に電流を流し、前記電位差評価予備工程と同一に配置された前記電位差測定位置に対して、その電位差測定位置のき裂を挟んだ複数の組み合わせについての電位の差を測定して電位差実測データを求める電位差測定工程と、き裂形状の変化に関する、前記電位差測定位置のき裂を挟んだ複数の組み合わせについての前記電位差実測データと前記電位差基準データとの、差の二乗およびそれらの総和の応答が、いずれも最小になるようなき裂形状を求めることにより、前記試験体の前記き裂の形状を同定する同定工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、導電性の試験体に形成されたき裂の形状を同定するき裂形状同定システムにおいて、電源と、前記電源に接続された一対の電流印加プローブと、電位差計と、前記電位差計に接続された複数対の電位差測定プローブと、互いに形状が異なるき裂が形成された複数の予備試験体のき裂を挟んだ電圧印加位置に電流印加プローブを用いて電圧を印加して電流を流したときの、き裂を挟んで格子状に配列された複数の電位差測定位置に対して、その電位差測定位置のき裂を挟んだ複数の組み合わせについての電位差測定プローブによって測定される電位の差を評価して電位差基準データ、および、き裂を挟んで、前記電位差評価予備工程と同一に配置された前記電圧印加位置に電圧を印加して電流印加プローブを用いて前記試験体に電流を流し、前記電位差評価予備工程と同一に配置された前記電位差測定位置に対して、その電位差測定位置のき裂を挟んだ複数の組み合わせについての電位の差を電位差測定プローブによって測定して電位差実測データを受け取り、き裂形状の変化に関する、前記電位差測定位置のき裂を挟んだ複数の組み合わせについての前記電位差実測データと前記電位差基準データとの、差の二乗およびそれらの総和の応答が、いずれも最小になるようなき裂形状を求めることにより、前記試験体の前記き裂の形状を同定するデータ収集・制御装置と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、導電性の試験体に形成されたき裂形状を精度良く同定できる。
本発明に係るき裂形状同定方法の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図2は、本発明に係る第1の実施の形態のき裂形状同定システムのブロック図である。
図2は、本発明に係る第1の実施の形態のき裂形状同定システムのブロック図である。
き裂形状同定システム9は、電位差計10、直流電源11、電流交番用スイッチ12およびデータ収集・制御装置13を有している。電位差計10、直流電源11および電流交番用スイッチ12は、それぞれデータ収集・制御装置13に接続されている。
直流電源11には電流印加プローブ16が電流印加線17を介して接続されている。直流電源11には、電流交番用スイッチ12が接続されていて、電流印加プローブ16に流す直流電流が交番できるようになっている。
電位差計10には、28個の電位差計測用プローブ14が4本の電位差計測線15を介して、それぞれ電気的には独立して接続されている。電位差計測用プローブ14で測定される電位は電位差計10を介して、データ収集・制御装置13に伝達されるようになっている。なお、電位差計測用プローブ14は28個の例で示したが、計測するき裂の長さによって増減が可能であり、また、電位差計測線15もそのき裂の広さによって2本または6本等増減させることができる。
次に、このき裂形状同定システム9を用いたき裂計測方法について説明する。
図1は、本発明に係る電位差法によるき裂形状同定方法の手順を示すフロー図である。
同定手順は、前段のデータベース作成部分Aと、後段のき裂形状同定部分Bの2つの部分に分けられる。
データベース作成部分Aでは、それぞれの電位差計測用プローブ14の間での、様々なき裂形状に対応した電位差分布を求め、き裂形状と電位差に関する電位差分布基準データベースを作成する。このデータベース作成部分Aは、工程S1から工程S3に分けられる。
き裂形状同定部分Bでは、同定対象のき裂が形成された試験体において、電位差法による計測を行って電位差分布実測データを求め、電位差分布基準データベースとの関係から、応答曲面法によりき裂形状を同定する。このき裂形状同定部分Bは、工程S4および工程S5に分けられる。
まず、本実施の形態における、き裂計測方法のデータベース作成部分Aについて説明する。
図3は、き裂を模式的に示した断面図である。
工程S1では、図3に示すような、き裂深さa、き裂長さcの異なる複数の組み合わせの形状を有する試験体8に形成された表面き裂27の形状を設定する。この際、表面き裂27は、同定対象のき裂の形状を包含するように設定する。
工程S2では、工程S1で設定したき裂形状を有する複数の試験体8(予備試験体)を用い、電圧印加位置に電圧を印加して電流を流したときの電位差を評価する。
図4は、第1の実施の形態におけるき裂形状同定システムの電流印加プローブおよび電位差計測用プローブの試験体への取り付け方法を示す、図5におけるIV−IV矢視平面図である。図5は、図4におけるV−V矢視断面図である。
本実施の形態では、試験体8の表面に形成されたき裂27を挟んで格子状に配列された28点の電位差測定位置に電位差計測プローブ14を設置している。
電位差計測用プローブ14は、たとえばスポット溶接により試験体8の表面に取り付けられる。なお、電位差測定用プローブ14の個数は28個に限定されるものではなく、き裂の大きさや、目標とするき裂の同定精度などに応じて任意に設定することができる。
電位差計測プローブ14を挟む電圧印加位置には、一対の電流印加プローブ16が設けられている。電流印加プローブ16は、たとえばスポット溶接により試験体8の表面に取り付けられる。
その後、電流印加プローブ16の間に電圧を印加して、試験体8に電流を流し、電位差計測プローブ14によって、電位差法により、き裂を挟む電位差計測点の全ての組み合わせにおいて電位差法により電位差を計測する。
電位差法としては一般に、直流法と交流法の2種類の手法が知られており、いずれの手法も採用することができる。ここでは、交番型の直流電位差法による計測システムを用いている。
電位差測定位置は、き裂27が延びる方向に沿った座標i(i=1,2,3,4,5,6,7)、および、き裂27が延びる方向に垂直な方向の位置を示す符号(B−、A−,A+,B+)の組み合わせによって表す。たとえば、図4において、電流印加プローブ16に最も近い位置を、B−4およびB+4と表す。
また、それぞれの電位差測定位置の間での電位差は、電位差測定位置を表す符号を用いて表すこととし、たとえば電位差測定位置A+1における電位と電位差測定位置B−2における電位との電位差をV|A+1/B−2と表す。
また、工程S2では、それぞれの電位差測定位置の間での電位差を規格化するための固定値となる参照電位差を求める。
図6は、第1の実施の形態におけるき裂形状同定システムの電流印加プローブおよび電位差計測用プローブの参照電位差を求めるための試験体への取り付け方法を示す平面図である。
参照電位差は、参照電位差測定位置において測定する。この参照電位差測定位置は、き裂が形成されていない試験体28において、電位差測定位置と同じ配置を再現したものである。なお、参照電位差は、き裂が形成されていない試験体28で測定してもよいし、き裂27が形成された試験体8であっても、き裂の影響を無視できる場所であれば、そこで測定してもよい。
参照電位差測定位置は、電位差測定位置に対応して、座標i(i=1,2,3,4,5,6,7)、および、座標iが増える方向に垂直な方向の位置を示す符号(D−、C−,C+,D+)の組み合わせによって表す。たとえば、図6において、電流印加プローブ16に最も近い位置を、D−4およびD+4と表すこととする。
また、それぞれの電位差測定位置の間での電位差は、電位差測定位置を表す符号を用いて表すこととし、たとえば電位差測定位置D+7における電位と電位差測定位置C−1における電位との電位差をV|D+7/C−1と表す。
なお、工程S2では、試験体8,28を用いて実際に電位差法による計測を行う代わりに、き裂27の形状および試験体8,28の形状が同一の条件で、有限要素法などを用いた電位分布解析を行うことにより、各電位差測定位置の電位差を求めてもよい。
工程S3では、工程S2において求めた、全ての電位差測定位置の組み合わせに対する電位差を、それぞれの組み合わせに対応する全ての参照電位差測定位置の組み合わせに対する電位差で除することにより規格化する。たとえば、電位差測定位置A+1およびB−2における電位差V|A+1/B−2を、これらの位置に対応する参照電位差測定位置C+1およびD−2における参照電位差V|C+1/D−2で除することにより電位差を規格化し、規格化電位差を求める。
このようにして、き裂深さa、き裂長さcの様々な組み合わせのき裂形状について、電流印加側とき裂を挟む反対側の電位差計測点の全ての対に対する基準規格化電位差に基づいた電位差分布基準データベースを作成する。
次に、き裂形状決定部分Bについて説明する。
工程S4では、形状が未知で、同定対象である試験体8の表面のき裂を挟んで、工程S2と同一の電位差測定位置の全ての組み合わせにおいて、電位差法により電位差Pを計測する。ここで、それぞれの電位差測定位置の間での電位差Pは、電位差測定位置を表す符号を用いて表すこととし、たとえば電位差測定位置B+7における電位と電位差測定位置A−1における電位との電位差をP|B+7/A−1と表す。
また、工程S4では、規格化のための参照電位差も求める。規格化のための参照電位差は、試験体8のき裂27の影響を無視できる場所において、工程S3と同一の参照電位差測定位置のすべての組み合わせにおいて、電位差法により参照電位差Pを計測する。ここで、それぞれの参照電位差測定位置の間での参照電位差Pは、参照電位差測定位置を表す符号を用いて表すこととし、たとえば電位差測定位置D+7における電位と電位差測定位置C−1における電位との電位差をP|D+7/C−1と表す。
次に、電位差分布実測データベースを作成する。たとえば、電位差P|A+1/B−2を、これに対応する組み合わせの電位差測定位置における参照電位差P|C+1/D−2で除することにより電位差を規格化し、実測規格化電位差を求める。き裂を挟んだ電位差計測点の全ての組み合わせについて求めた実測規格化電位差を基に電位差分布実測データベースを作成する。
工程S5では、実測規格化電位差と基準規格化電位差との差の二乗の応答曲面と、全ての電位差計測点の組み合わせに対するそれらの二乗和の応答曲面を求める。これらの応答曲面から、いずれの応答も最小となるような、あるいは全電位差計測点に対する二乗の応答と二乗和の応答も最小となるような、き裂形状(a,c)を決定する。
このようにして、本実施の形態では、き裂を挟んで格子状に配列された電位差測定位置の間の複数の電位差を用いることにより、き裂を精度よく同定することができる。
また、本実施の形態のき裂同定方法の工程S4と工程S5を、定期的あるいは任意の時間が経過したときに、繰り返し実行することにより、き裂進展の時間変化を計測することができる。これにより、時間の経過とともに進展するき裂を、精度よく測定することができる。
[第2の実施の形態]
図7は、本発明に係る第2の実施の形態における、き裂形状同定システムの電流印加プローブおよび電位差計測用プローブの試験体への取り付け方法を示す断面図である。
図7は、本発明に係る第2の実施の形態における、き裂形状同定システムの電流印加プローブおよび電位差計測用プローブの試験体への取り付け方法を示す断面図である。
本実施の形態では、電流印加プローブおよび電位差計測用プローブは、試験体8のき裂が開口している表面と反対側の表面の電位差測定位置に取り付けられており、他の構成は前述した第1の実施の形態と同一である。このように電位差計測用プローブ14を取り付けることにより、たとえば配管の内面に開口するき裂を、配管の外部の電位差計測点における電位差の測定によって、同定することができる。
なお、以上の説明は単なる例示であり、本発明は上述の各実施の形態に限定されず、様々な形態で実施することができる。たとえば、参照電位差による規格化を行わず、計測した電位差値そのものを用いてもよい。また、電位差計測点の全組み合わせのうちの一部を用いて同定することも可能である。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
8,28…試験体、9…き裂形状同定システム、10…電位差計、11…直流電源、12…電流交番用スイッチ、13…データ収集・制御装置、14…電位差計測プローブ、15…電位差計測線、16…電流印加プローブ、17…電流印加線、27…き裂
Claims (10)
- 導電性の試験体に形成されたき裂の形状を同定するき裂形状同定方法において、
互いに形状が異なるき裂が形成された複数の予備試験体のき裂を挟んだ電圧印加位置に電圧を印加して電流を流したときの、き裂を挟んで格子状に配列された複数の電位差測定位置に対して、その電位差測定位置のき裂を挟んだ複数の組み合わせについての電位の差を評価して電位差基準データを求める電位差評価予備工程と、
き裂を挟んで、前記電位差評価予備工程と同一に配置された前記電圧印加位置に電圧を印加して前記試験体に電流を流し、前記電位差評価予備工程と同一に配置された前記電位差測定位置に対して、その電位差測定位置のき裂を挟んだ複数の組み合わせについての電位の差を測定して電位差実測データを求める電位差測定工程と、
き裂形状の変化に関する、前記電位差測定位置のき裂を挟んだ複数の組み合わせについての前記電位差実測データと前記電位差基準データとの、差の二乗およびそれらの総和の応答が、いずれも最小になるようなき裂形状を求めることにより、前記試験体の前記き裂の形状を同定する同定工程と、
を有することを特徴とするき裂形状同定方法。 - 前記電位差評価予備工程は、前記電位差測定位置き裂を挟んだ複数の組み合わせについての電位の差を電位分布解析により評価するものであることを特徴とする請求項1記載のき裂形状同定方法。
- 前記電位差評価予備工程は、模擬き裂が形成された予備試験体に電流を流し、前記電位差測定位置のき裂を挟んだ複数の組み合わせについての電位の差を測定するものであることを特徴とする請求項1記載のき裂形状同定方法。
- 前記電位差評価予備工程は、前記試験体の表面に沿ってき裂が延びる方向に対して対称な位置の組み合わせについての電位の差を評価するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のき裂形状同定方法。
- 前記電位差評価予備工程は、前記試験体の表面に沿ってき裂が延びる方向に対して非対称な位置の組み合わせについての電位の差を評価するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のき裂形状同定方法。
- 前記電位差基準データおよび前記電位差実測データは、前記電位差測定位置のき裂を挟んだ複数の組み合わせについての電位の差を所定の基準値で除して規格化したものであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のき裂形状同定方法。
- 前記所定の基準値は、前記電位差測定位置と同一の配置に対して、き裂の影響を受けないように求められた電位の差であることを特徴とする請求項6に記載のき裂形状同定方法。
- 前記電圧印加位置は、前記試験体の前記き裂が開口する表面と同一表面およびその反対面の少なくとも一方に位置することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のき裂形状同定方法。
- 前記電位差測定位置は、前記試験体の前記き裂が開口する表面と同一表面およびその反対面の少なくとも一方に位置することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のき裂形状同定方法。
- 導電性の試験体に形成されたき裂の形状を同定するき裂形状同定システムにおいて、
電源と、
前記電源に接続された一対の電流印加プローブと、
電位差計と、
前記電位差計に接続された複数対の電位差測定プローブと、
互いに形状が異なるき裂が形成された複数の予備試験体のき裂を挟んだ電圧印加位置に電流印加プローブを用いて電圧を印加して電流を流したときの、き裂を挟んで格子状に配列された複数の電位差測定位置に対して、その電位差測定位置のき裂を挟んだ複数の組み合わせについての電位差測定プローブによって測定される電位の差を評価して電位差基準データ、および、き裂を挟んで、前記電位差評価予備工程と同一に配置された前記電圧印加位置に電圧を印加して電流印加プローブを用いて前記試験体に電流を流し、前記電位差評価予備工程と同一に配置された前記電位差測定位置に対して、その電位差測定位置のき裂を挟んだ複数の組み合わせについての電位の差を電位差測定プローブによって測定して電位差実測データを受け取り、き裂形状の変化に関する、前記電位差測定位置のき裂を挟んだ複数の組み合わせについての前記電位差実測データと前記電位差基準データとの、差の二乗およびそれらの総和の応答が、いずれも最小になるようなき裂形状を求めることにより、前記試験体の前記き裂の形状を同定するデータ収集・制御装置と、
を有することを特徴とするき裂形状同定システム。
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