JP2008019281A6 - ベータ−2−気管支拡張薬の改善使用 - Google Patents

ベータ−2−気管支拡張薬の改善使用 Download PDF

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Abstract

【課題】その化学構造中に部分式:
−CH(OH)−CHR−NR
[式中、R1は芳香環基であり、Rは水素または低級アルキル基であり、Rは水素であるか、RとRは一緒になって低級アルキレン基を表わす。]で表される基を有するベータ−2−気管支拡張薬を有効成分とする炎症性または閉塞性気道疾患の処置の改善用の医薬組成物における副作用を抑制すること。
【解決手段】有効成分である選択的ベータ−2−交感神経作用性気管支拡張薬として、そのR−またはR、R−エナンチオマー95%以上含有するものを使用すること。
【選択図】なし

Description

本発明は、閉塞性または炎症性気道疾病とりわけぜん息の治療における、選択的ベーター2−交感神経作用性気管支拡張薬の新規および改善使用に関する。
閉塞性または炎症性気道疾病、例えばぜん息に用いられる気管支拡張薬は3種の部類に分類できる:
1.アドレナリン作用性または交感神経作用性薬(「アドレナリン作用性」または「交換神経作用性」なる用語は、当業界で相互に置き換えて使用される);
2.抗コリン作用性薬;および
3.メチルキサンチン薬。
本発明はこれらの薬物の部類の一番めの部類に関する。
アドレナリン作用性または交感神経作用性薬は、機能的に3種の型、アルファー、ベーター1およびベーター2受容体に分けられる、身体のアドレナリン作用性受容体に作用して効果を奏すると理解されるが故に、そのような名前で称せられる。これらの3種の受容体型の相互作用に基づいて、アドレナリン作用性または交感神経作用性薬を3群に分類できる:
1.1 非選択的交感神経作用性薬;
1.2 非選択的ベーター−交感神経作用性薬;および
1.3 選択的ベーター2−交感神経作用性気管支拡張薬。
1.1群の薬物はアルファー−およびベーター−両方の交感神経作用性効果を奏する。薬物のアドレナリンおよびエフェドリンはこれらに含まれる。アドレナリンおよびエフェドリンは共に気管支拡張薬として臨床的に知られている。アドレナリンを、アルファー−交感神経作用性特性により誘起される副作用があるにもかかわらず、急性ぜん息の処置に用いる開業医も今だに居るが、アドレナリンおよびエピネフリンのぜん息治療におけるその地位は共にほとんど奪われてしまった。
1・2群の薬物はベーター1−およびベーター2−交感神経作用性活性の両方を有するが、アルファー−交感神経作用性活性はないかまたは限られた程度だけである。1・2群の薬物では、イソプレナリンが代表的なものとして最もよく知られている。イソプレナリンは、主にベーター1−活性の結果である。効果発現が速いが作用時間が短く、心臓の刺激効果があるという点で1・3群の薬物と異なる。イソプレナリンは以前は気管支拡張薬としてぜん息治療に広く用いられていたが、今日ではその使用は臨床的に制限されている。すなわち、英国では1960年代にぜん息による死亡率が上昇したが、これは特にイソプレナリンの使用に関連していると信じられており、イソプレナリンの臨床適用が中止される結果を招いた。
1・3群の選択的ベーター2−交感神経作用性気管支拡張薬(本明細書では以後便宜的に「1・3群薬」と総称する)は、その名称が意味するようにベーター2−アドレナリン作用性受容体に選択的に作用する。「1・3群薬」は例えば、薬物:
a)テルブタリン、b)アルブテロール(サルブタモールとしても既知)、c)フェノテロール、d)ヘキソプレナリン、e)リミテロール、f)イソエタリン、g)メタプロテレノール、h)レプロテロール、i)クレンブテロール、j)プロカテロール、k)カルブテロール、l)ツロブテロール、m)ピルブテロール、n)ビトルテロールおよび、さらに最近はいわゆる「長時間作用性選択的ベーター2−交感神経作用性気管支拡張薬物」であるo)フォルモテロール、p)バンブテロールおよびq)サルメテロール[(R,S)−1−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)−2−[6−(4−フェニルブトキシ)ヘキシルアミノ]エタノール]を含む。上記に列挙した「1・3群薬」は全て市販品として入手可能であり、一般的に医薬的に可能な塩の形態、例えば硫酸塩[(a)、(b)、(d)および(g)]、臭化水素酸塩[(c)および(e)]、塩酸塩[(f)、(h)−(l)および(p)]、二塩酸塩[(d)および(m)]、フマル酸塩[(o)]、メタンスルホン酸塩[(n)]、ヒドロキシナフトエ酸塩[(q)]または、適当な場合、それの1個またはその他の水和物の形態−例えばメルク・インデックス(Merk Index)第11版(1989年)、項目9089(a)、209(b)、3927(c)、4628(d)、8223(e)、5053(f)、5836(g)、8142(h)、2347(i)、7765(j)、1840(k)、9720(l)、7461(m)、1317(n)、4159(o)および963(p)およびそこに引用された参照文献、並びに(q)はアメリカン・レビュー・オブ・レスピレートリー・ディジーズ (Am.Rev.Resp.Dis.)137巻4;2/2号32頁(1988年)を参照―である。
さらに現在開発されている「1・3群薬」は、例えば薬物r)ブロキサテロール、s)エタンテロール、t)イモキシテロール、u)ナミンテロール、v)ピクメテロール、w)WP58802[ローン−プーラン]、x)RU42173[ヘキスト・ラッセル−ウクラフ]およびy)ZK90055「シェーリング]を含む。
「1・3群薬」は特徴的に構造の一部として式I:
Figure 2008019281
[式中Rは芳香族である]
で示されるエタノールアミンまたは2−アミノ−エタノール部分を含む。
一般にRは、上記の「1・3群薬」(a)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)および(h)の場合は3,4−もしくは3,5−ジヒドロキシフェニル、または「1・3群薬」(b)および(q)の場合は4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニルである。Rはまた、「1・3群薬」(l)、(m)、(o)、(p)、(i)、(k)および(l)の場合、にみられるように、各々例えば2−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシ−6−ピリジル;3,4−ジトルオイルオキシフェニル;3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル;3,5−N,N−ジメチルカルバモイルオキシフェニル;4−アミノ−3,5−ジクロロフェニル;4−ヒドロキシ−3−ウレイドフェニル;または2−クロロフェニルであってもよい。
式IのRは一般にHである。この点に関して上記「1・3群薬」の(e)は例外である。この場合RおよびRは共に式−(CH) −の基である。
式IのRもまた一般にHである。この点に関して前述の「1・3群薬」(e)、並びに(f)および(j)は例外であり、(f)および(j)のRはエチルである。
式I部分は少なくとも1個の不斉炭素原子(式IではC1)を含むので、「1・3群薬」の全てに光学的に活性な異性体が存在し、上記の炭素原子には(R)または(S)配置がある[カーン・インゴールド−プレログシステムを用いて命名する(アンゲバンテ・ヘミー・インターナショナル・エディション(Angewandte Chemie International Edition)5巻385−415頁(1966年)]。上記炭素原子が存在する唯一の不斉炭素である場合、「1・3群薬」は従って、別個に(R)または(S)光学対掌体としてまたはラセミ体[(RS)]、すなわち(R)および(S)光学対掌体の50:50混合物として存在する。
式I部分中RがH以外であるかまたは分子の残りの部分に不斉炭素原子が含まれる「群1・3薬」の個々には、種々の異性体、すなわち個々の(R,R)、(S,S)、(R,S)および(S,R)異性体として、(R,R)+(S,S)および(R,S)+(S,R)光学対掌体対を含むラセミ[(RS,RS)および(RS,SR)]混合物として、並びに4種の異性体全てを含むジアステレオマー混合物の形態で存在する。例えば上記「1・3群薬」(c)、(d)、(e)、(f)および(o)の場合このようになる。
「1・3群薬」の個々の光学対掌体[例えば(R)もしくは(S)、または(R,R)もしくは(S,S)光学対掌体]は既知であり、文献に製造方法と共に報告されている。薬理試験および健常人を用いた臨床たとえば代謝研究も、「1・3群薬」の個々の光学対掌体を用いて実施された。さらに「1・3群薬」のベーター2−交感神経作用性/気管支拡張作用は、水酸基の付いた炭素原子、式I中C1が(R)配置である個々の光学対掌体に主として存在する。これに対して対応する(S)光学対掌体には気管支拡張作用がないかまたはほとんどない。[例えばムラセら、ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブレチン(Chemical and Pharmaceutical Bulletin)26巻4号1123−1129頁(1976年);ハートレイら、ジャーナル・オブ・メディシナール・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)14巻9号895−896頁(1971年);オカモトら、ジャーナル・オブ・リキッド・クロマトグラフィー.(J.Lig.Chromatogr.)11巻2147−2163頁(1988年)、コスターら、バイオケミカル・ファーマコロジー(Biochemical Pharmacology)35巻(12号)1981−1985頁(1986年)、ボルグストルームら、ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・クリニカル・ファーマコロジー(Br.J.Clin.Pharmac.27巻、49−56頁(1989年)およびそれらの参照文献を参照されたい。]
この知見にもかかわらず、「1・3群薬」はラセミ[(RS)]体で、すなわち気管支拡張作用のある(R)および不活性な(S)光学対掌体対の混合物として市販され、通常の臨床使用、例えば閉塞性または炎症性気道疾病の処置において、用いられている。[「1・3群薬」が2個の不斉炭素原子を含む場合、臨床的に用いられるラセミ混合物は、いわゆるフェノテロールの「混合ラセミ体」−メルク・インデックス(Merck Index)、上記引用箇所参照の場合のように共通して(R,R)+(S,S)光学対掌体対、すなわち(RS,RS)混合ラセミ体を含む。]
「1・3群薬」は経口、非経口または(最も一般的には吸入により例えば噴霧器もしくは計量エアロゾル装置を用いるかまたは吸入用粉末として投与できる。「1・3群薬」の吸入は今のところぜん息の全強度段階の処置用として気管支拡張薬治療の主流を成す。「1・3群薬」の多数に誘起される気管支拡張作用の持続時間は比較的短く、ぜん息発作時に発作を軽減するために用いられる。上記に示すように、最近になって導入された「1・3群薬」、例えば上記の(o)、(p)および(q)は作用時間が長いという特徴があり、従って必要な投与回数は、見かけは減少する。
「1・3群薬」は有効であり一般的に耐性が良いようであるが、安全性とりわけ高用量での安全性が何年にもわたって疑問視されており、「1・3群薬」治療の逆効果に関して膨大な報告が開示されている[例えばパテルソンら:「アメリカン・レビュー・オブ・レスピラトリー・ディジーズ」(「American Review of Respiratory Disease」)120巻844−1187頁とりわけ1165頁以降(1979年)参照]。さらに最近では、ぜん息死の持続的な増加が記録されているニュージーランドから、ランセット(Lancet)に報告された2例の対照実験では、ぜん息の死亡率の増加は「1・3群薬」のフェノテロールの使用に関係している−具体的には:論説「ぜん息におけるベーター2−アゴニスト:緩解、予防、病的状態」(“β2 agonist in asthma:relief,prevention,morbidity")ランセット(Lanset)336巻1411−1412頁(1990年)を参照されたい。それに続いて報告されたカナダでの研究では、吸入使用する「1・3群薬」、主にフェノテロールおよびアルブテロールの使用が「致命的および致命的に近いぜん息の組み合わさった結果の危険性並びに単独のぜん息による死の危険性の増加」を伴なうことが見出されている。スピッツァーら、ニュー・イングランド・ジェイ・オブ・メッド.(New England J. of Med.)326巻8号501−506頁(1992年)および同じ号の560頁の論説を参照されたい。
「1・3群薬」の使用、とりわけ長期間/高用量の使用に関係した気道閉塞の増強、動脈低酸素血症または「異常な」もしくは「不合理な」気管支収縮および病的状態の増強について観察された事柄に関する種々の考えられ得る説明が提示されてきた。
これらには、例えば活性ミオゲン性緊張、炎症による負担の増大、アドレナリン受容体のタキフィラキシー、気道の過反応性の誘導、およびスパスモーゲン性薬物代謝産物またはエアロゾルスプレー推進剤の長期の影響が含まれる。例えばパーテルソンら、上記引用箇所、およびモーレィら、ユーロ.レスピロ.ジェイ(Eur.Respir.J.)3巻1−5頁(1990年)を参照されたい。
既に記したように、ぜん息死の増加は、初期には「1・2群薬」のイソプレナリンの使用に関連していた。イソプレナリンは酵素カテコール−O−メチル−トランスフェラーゼにより部分代謝され、ベーター−アドレナリン作用性受容体、アンタゴニスト活性を有する3−メトキシ誘導体を生ずる。このことは、例えば、困難の原因はこの代謝物であることを示唆していた。さらに最近、イソプレナリン−誘起のぜん息の悪化は、イソプレナリンの(S)[または(+)]および(R)[または(−)]光学対掌体に共通する気道−過反応性または炎症状態の悪化によるものであるということが提示された[例えば:マゾニら、ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(British Journal of Pharmacology)91巻326頁(1987年);モーレイら、ジャーナル・オブ・フィジオロジー(Journal of Physiology)390巻180頁(1987年)およびランセット(Lancet)6月16日号160頁(1988年);並びにサンジャーら、ジャーナル・オブ・フィジオロジー(Journal of Physiology)425巻43−54頁(1990年)−イソプレナリン類似の「1・3群薬」を(RS)ラセミ[または(±)]体で臨床的に使用した−を参照]。しかしながらこの件に関して、科学界内では意見の一致に達しておらず、イソプレナリンによる経験を「1・3群薬」による経験に結びつけるような証拠は今までのところ提示されていない。
同時に医者達の間で、ぜん息治療における「1・3群薬」の使用の潜在的な危険性に関して懸念が増していった。すでに言及したランセット(Lancet)の論説を引用すると:
「これらの研究によりベーター2−アゴニスト[すなわち「1・3群薬」]の使用に関して重大な疑問が浮上してくる。シアーズらの知見は、漸増気管支拡張薬投与治療法に固執するよりもむしろ早期にコルチコステロイド類およびその他の抗炎症薬を[ぜん息の治療用に]使用する現在の傾向を支持するように解釈できる。ノッチンガムおよびデュネディンのグループの知見もまた、サルメテロールおよびフォルモテロールのような長時間作用型ベーター2−アゴニスト製剤を用いる前にぜん息の制御に通常的に用いるのに無制限に推挙できる方法もあることを示している。このような薬物に関連するコンプライアンス上の利点、および抗炎症活性の可能性は明白であるようだが、副作用の可能性も無視できない。「臨床研究者および製薬会社は、ぜん息におけるベーター2−アゴニストの使用の再限定を今試みるべきである」。[強調を付与。]
同じように、「1・3群薬に本来備わっているかまたは今までに用いられたような「1・3群薬」治療に関係するあらゆる問題を想定するに明白な無能または逡巡がある。参照:以下は以前にも言及したザ・ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(the New England Journal of Medicine)の論説から引用する:「・・・ベーター−アゴニスト[1・3群薬]はあまりにも信頼されているが、問題が吸入用ベーター・アゴニストのさらなる規則的な使用に直接的に関係していると信じるのは困難である。」
本発明により、「1・3群薬」の気管支拡張薬効果には1個の光学的に活性な光学対掌体が関与または主として関与しているが、気管支拡張活性が弱いかもしくは不活性な光学対掌体すなわちアンチポード(antipode)が、例えばぜん息で副作用を誘起することが見出された。(この知見はもちろん、気管支拡張効果を有する異性体も逆の薬理学的特性を有しているが、有益な気管支拡張効果に隠されているかまたは償われているという可能性を排除するものではない。)本発明は従って、驚くべきことに1・3群薬治療に本質的に備わっている、以前から解消されなかった問題が、「1・3群薬」を今までのラセミ混合物の形態ではなく、個々の気管支拡張薬の有効な光学対掌体(本明細書では以降、便宜的に「気管支拡張薬光学対掌体」と称する)の形態で投与するという比較的簡単な方策により解決されるかまたは改善されるということが教示される。
適性、とりわけ高用量または長期間の「1・3群薬」治療の適性は、長い間議論、およびさらに最近では痛烈な疑問の主題になっているが、この群の薬物をラセミ体で投与するという慣習は続けられている。この慣習は世界中の薬物登録の権威者により受け入れられており、さらに最近導入された「1・3群薬」でさえもラセミ混合物として臨床使用されるにまで発展している。
この慣習は、ラセミ混合物の非気管支拡張薬成分、すなわち「気管支拡張薬光学対掌体」の気管支拡張作用が少ないかもしくは不活性光学対掌体すなわちアンチポードは、あらゆる関連する薬物効果を欠き、従って「気管支拡張薬光学対掌体」と共に、根本的に不活性バラストとして、および患者に対して危険性がなく、投与できるという仮定または理解に基づくものである。本発明の教示は、従って、長く広く確立され、行われ続けてきた慣習に全く反するものである。
概念は簡単であるが、本発明はこのように当業界の学識に逆行するものである。「1・3群薬」は明らかにぜん息における気管支拡張薬の使用に相当な潜在的有益性を示すので、これらの使用に本来備わっている不都合を避け、改善または制限する手段を見出す必要性は緊急であり非常に重大である。この必要性に合致させることにより、本発明は医者および世界中のぜん息の人達の両方に測りしれない利益をもたらすことが予期できる。
前述に従って、本発明は以下のことを提供する:
A. 処置を必要とするヒト対象における、炎症性もしくは閉塞性気道疾患の改善された(例えばより安全な)処置方法、または有害な副作用を避け、改善もしくは制限した炎症性もしくは閉塞性気道疾患の処置方法であって、この方法は上記対象に「1・3群薬」を投与することを含み、上記「1・3群薬」は主に(predominantly)その「気管支拡張薬光学対掌体」の形態で投与される;またはそれの別法:
B. ヒトにおける炎症性もしくは閉塞性気道疾患の改善された(例えばより安全な)処置に使用するため、または有害な副作用を避け、改善しもしくは制限したヒトにおける炎症性もしくは閉塞性気道疾患の処置に用いるため、またはこのような処置に使用するための医薬組成物の調製において使用するための、主に「気管支拡張薬光学対掌体」の形態で用いられる「1・3群薬」。
本発明を適用する「1・3群薬」は、例えば上記で図示した式I[式中Rは芳香族である]のエタノールアミン部分、例えば上記で図示した式I[式R、RおよびRは個別にまたは集合的に本明細書の前記に列挙した意味を任意に1個またはそれ以上有する]の部分を含む、任意の選択的ベーター2−交感神経作用性気管支拡張薬を含む。
本発明を適用する具体的な1・3群薬は、本明細書の前記に定義した(a)から(y)、とりわけ(a)から(q)の任意の薬物、並びにとりわけ(b)アルブテロールおよび「長時間作用性1・3群薬」、とりわけ(o)フォルモテロール、(p)バンブテロールおよび(q)サルメテロールを含む。本発明は「1・3群薬」の遊離形態および医薬的に可能な酸付加塩の両方に、例えば本明細書前記の(a)から(q)の「1・3群薬」およびそれの水和物を含めたものに関すると理解すべきである。本明細書および添付の特許請求の範囲の両方において本発明に関係する、個別であろうとまたは集合的であろうと、およびどのような方法においてでも、「1・3群薬」に関する全ての言及は従ってこのような塩および水和物の形態を包含することを理解すべきである。
式Iに関して本明細書で前記したように、「1・3群薬」の「気管支拡張薬光学対掌体」のC1は特徴的に(R)配置である。「1・3群薬」が単1の不斉炭素原子を有する場合、「気管支拡張薬光学対掌体」は従って(R)光学対掌体になる。「1・3群薬」か2個の不斉炭素原子を有する場合、「気管支拡張薬光学対掌体」は(R,R)または(R,S)異性体になる。実際に、2個の不斉炭素を有する「1・3群薬」は、今まで臨床では一般に(RS,RS)ラセミ混合物の形態で用いられており、一般に最も強い気管支拡張作用を有するのは(R,R)光学対掌体である(例えばムラセら、上記の引用箇所参照)。したがって、2個の不斉炭素原子を有する「1・3群薬」の場合、「気管支拡張薬光学対掌体」は、通常(R,R)光学対掌体になる。
本発明の実施において、「1・3群薬」は主に「気管支拡張薬光学対掌体」の形態で用いられる。「1・3群薬」は純粋なまたは実質的に純粋な「気管支拡張薬光学対掌体」の形態で、すなわちその他の異性体とりわけ反対のキラルのアンチポード(「非気管支拡張薬」)を含まないかまたは実質的に含まないで、用いられるのが好ましい。「1・3群薬」は少なくとも>75%、好ましくは少なくとも90%、例えば>95%または>98%の「気管支拡張薬対掌体」を含むのが適当である。先に示したようのに、純粋なまたは実質的に純粋な異性体の「1・3群薬」は公知「ムラセら、およびハートレイら、上記引用箇所および本明細書前記に引用したメルク・インデックス(Merck Index)で言及したその他の参照文献を参照]であるか、または例えばジアステレオマーの塩の形態の分割/クロマトグラフィー技術により、同様に得ることができる。
本発明は炎症性の気道疾患の処置のための、とりわけ、例えば気道閉塞、とりわけ急性の気道閉塞、例えばこのような病気に起こるぜん息発作を軽減する手段として、気管支を拡張させるための方法または使用を提供する。本発明は従って、このような疾病のための予防的ではなく対症的な治療を提供する。
本発明の教示は、炎症性または閉塞性気道疾病の治療、とりわけ「1・3群薬」治療が通常的に実施されるこのような疾病の任意の疾病、例えば慢性閉塞性肺病、(例えば嚢胞性線維症の結果生ずる、気腫および、とりわけ慢性気管支炎およびことさらにはぜん息の治療に適用できる。
本発明は、例えば「1・3群薬」をラセミ混合物として通例的に臨床使用した結果、ぜん息の患者に結果的におこる、または観察される、本明細書前記の有害な副作用を避ける。とりわけ本発明は、有害な副作用、例えば気道に有害な副作用を避け、改善しまたは制限する手段を提供する。従って、本発明は、病態の悪化、例えば基礎疾患(例えば基礎ぜん息)状態の悪化を避け、改善しもしくは制限する、または肺機能が危うくなるすなわち機能低下または通例的な臨床使用に付随する任意のその他の副作用、例えば「異常な」、「再燃性の」または「逆説的な」気管支収縮およびとりわけ気道閉塞の増強、遅延ぜん息反応の悪化または非特異的気管支反応性もしくは動脈低酸素血症を避け、改善しまたは制限する手段を提供する。本発明を任意の特別の理論まで作用様式に限定するものではないが、本発明はとりわけ、気道過反応性の、および/または炎症もしくはその他の炎症性もしくは閉塞性気道疾病、例えばぜん息に関連したまたは病因学の要因である事象の悪化を避け、改善しまたは制限する手段を提供するものと理解すべきである。このような事象は、例えば肺または気道の炎症性細胞浸潤、結合組織沈着または肺もしくは気道内平滑筋の肥厚、またはぜん息状態に関連するその他の形態学的変化を含むと理解すべきである。本発明はまた、通常の例えば高用量または長期間の「1・3群薬」の使用に起因する病的状態、例えばぜん息の病的状態を防御または軽減する手段をも提供する。
本発明は特にどのような型または発生の気管支ぜん息の治療にも適用できる。これは特にアレルギー性またはアトピー性(すなわちIgE−中介)ぜん息もしくは非アトピー性ぜん息および運動誘起ぜん息、職業性ぜん息、細菌感染もしくは薬物たとえばアスピリン摂取の後に誘起されるぜん息、およびその他の非アレルギー性ぜん息の処置に適用できる。ぜん息の処置はまた、たとえば4もしくは5歳以下の慢性の咳またはぜん鳴症状がとりわけ夜に発現し、「ぜい鳴幼児」と診断されたかまたは診断され得る対象の処置を含む、すなわち「ぜい鳴幼児症候群」の治療を含むと理解すべきである。本発明がとりわけ適用できるその他の疾病には、例えば慢性閉塞性肺または気道疾病(COPDまたはCOAD)が含まれる。
前述のとおり、本発明は「1・3群薬」の「気管支拡張薬光学対掌体」はそれ自身、非気管支拡張薬アンチポードと共通した逆の薬理学的特性を示し得るが、これは気管支拡張作用に隠されているか、または償われている可能性があることを理解することも含む。これの直接的な結果として、および本発明に教示される上記の逆効果の理解にかんがみて、「気管支拡張薬光学対掌体」の治療上の利点は、気道の過反応性の発展を逆行させるかまたは阻害する能力のある薬物、注目すべき薬物はケトチフェン(メルク・インデックス(Merck Index)上記の引用箇所、項目5187参照)の併用によりさらにより一層改善できる。従って、さらなる様相において、本発明は以下のことを提案する:
C. 上記Aで定義される方法であって、さらにケトチフェンの投与を含む方法、または
D. 上記Bで定義される使用のための、主に「気管支拡張薬光学対掌体」の形態の「1・3群薬」であって、上記の使用が、ケトチフェンの使用と組み合わせた使用を含む、すなわちさらにケトチフェンを投与することを含む薬。
ケトチフェンは例えば医薬的に可能な酸付加塩の形態、例えば酸性フマル酸塩として、とりわけぜん息予防薬として用いられることが知られており、市販品として入手可能である。本明細書のケトチフェンに関する言及は、遊離塩基の形態または任意の医薬的に可能な酸添加塩の形態のケトチフェンを包含するものと理解すべきである。
上記の目的のために、ケトチフェンは一般的に抗ぜん息的に有効量で、すなわち、本明細書後記のように、ぜん息の予防のために通常投与される投与量で投与する。本発明の実施において、ケトチフェンは「1・3群薬」の「気管支拡張薬光学対掌体」に付随して、かまたは独立して、例えば「1・3群薬」の「気管支拡張薬光学対掌体」を用いる一連の段階的治療中、別々の1日の治療計画で投与できる。
[1・3群薬]の非気管支拡張薬光学対掌体例えば(S)−アルブテロールおよび(S)−テルブタリン[右旋性または(+)光学活性異性体]の有害な影響並びに本発明の適用から得られる利点は、例えば以下のような通常の動物モデルおよび臨床試験で示すことができる:
実施例1 「1・3群薬」の非気管支拡張薬光学対掌体のモルモットにおける気道過反応性に及ぼす影響
モルモット(約500g)にフェノバルビトンナトリウム(100mg/kg)およびペントバルビトンナトリウム(30mg/kg)の腹腔内注射により麻酔し、次にガラミン(10mg/kg)の筋肉内注射により麻痺させる。空気と酸素の混合物(50:50、容量/容量)を用い、気管のカニューレを介して動物を換気(8ml/kg、1ヘルツ)する。換気を差動圧変換器(MP4514871型、バリディン、米国)に連結した呼吸流量器(0000型、フライッシュ、ザボナA.G.、スイス国)により気管支で監視する。気管支内カニューレを介して差動圧変換器(MP4524型、バリディン、米国)を用いると胸郭内に一致した圧変化が測定される;血圧および心拍数は圧変換器(P23Dd型、ゴウルド、米国)を用いて頸動脈から記録する。気流および気管支内圧の測定により、気道抵抗(RL)およびコンプライアンス(Cdyn)の両方を各呼吸循環においてデジタル電子肺監視システム(PMS、ムームド・リミテッド、ロンドン、英国)を用いて算出し記録する。血圧、気管支内圧に、気流並びに算出したRLおよびCdynを実時間でビジュアル・ディスプレイ・ユニット(モデルAT3、IBM、米国)に表示する。実験結果を電子工学的に記憶しておき、実験の軌跡または処理した結果をレーザー・プリンター(レーザー・ジェット・シリーズII、ヘウレット・パッカード、米国)で必要に応じて作図する。
1) 最初の一連の実験では、ヒスタミンの静脈内注射(10分間隔で0.56−1.8μg/kg)に対する気道の反応性を先に決定し、20分後、(S)−アルブテロールを1時間(全量で100μg/kg)静脈内還流する。1回の実験の工程で、ヒスタミン静脈内注射(0.56、1.0および1.8μg/kg)に続いておこる気道の抵抗性増大を(S)−アルブテロール還流(100μg/kg)前(10±1.8、41.03±9.14および223±69.91cmH2O/1/秒)および後(60.01±12.86、149.06±31.64および539±185.14cmHO/1/秒)に記録する。ヒスタミン連続投与により記録された増加の差は、50.1、108.03および316cmHO/1/秒である。比較すると、賦形薬(0.9%生理食塩水)の静脈内還流の前後で、ヒスタミンの静脈内注射(0.56、1.0および1.8μg/kg)に反応して、気道の抵抗性の増加が記録され(各々7.05±1.17、21.68±3.05、86.45±14.13および15.04±2.57、30.42±5.39、101±20)、その結果ヒスタミン連続投与による増加の差は7.94、8.74および14.75cmHO/1/秒になる。
2) 一連の2番めの実験では卵白アルブミンに対して能動的に感作したモルモットを用い[サンジャーら、ブリテッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(British Journal of Pharmacology)99巻679−686頁(1990年)に報告されている]、トラガント(0.2ml)を単独でまたは(S)−アルブテロール(10μg)もしくは(S)−テルブタリン(10μg)を含有して気管支内滴注する前後で、ヒスタミン静脈内注射(上記 1)のとおり)に対する気道の反応性を決定する。この試験モデルでは、(S)−アルブテロールおよび(S)−テルブタリンは共にトラガントのみを投与された動物に比べて、ヒスタミン静脈内注射に対して有意な気道抵抗性の増強を誘起するのが認められる。
「1・3群薬」の非気管支拡張薬光学対掌体、例えば本明細書前記の「1・3群薬」(c)から(q)の(S)または(S,S)光学対掌体を同一または同等の投与量速度で用いると、類似または同等の結果が得られる。
実施例2 「1・3群薬」の非気管支拡張薬光学対掌体の、ぜん息患者の肺機能に及ぼす影響
偽薬コントロール型の二重盲検試験を行う。対象は明らかに肺機能が危うくなっている、安定したぜん息患者である。典型的な患者には、アレルギー性ぜん息またはアトピーの徴候のない非アレルギー性(内因性ぜん息)で臨床的に安定しており、従来の噴霧「1・3群薬」治療を規則的に用いていたものを含む。ぜん息治療は試験の約12時間に中止し、試験物質または偽薬(賦形薬)投与の前後で一定の間隔で肺機能(FEV)を監視する。さらに試験物質/賦形薬の投与前0.5時間並びに後2.5および7.5時間にヒスタミン溶液のエアロゾール(0.0625−8mg/ml)吸入の影響を測定することにより、ヒスタミンのPD20を決定する。
試験物質は、従来の単一投与量水準のラセミ体(従来の慣習に準じて)かまたは従来の単一投与量水準の0.25−0.5倍の実質的に純粋な非気管支拡張薬光学対掌体の、吸入経路により投与される「1・3群薬」を含む。
従来の「1・3群薬」ラセミ体を投与されていた、例えば(R,S)−アルブテロール、(R,S)−テルブタリンまたは(RS,RS)−フェノテロールを投与されていた対象では、偽薬投与の患者と比較すると、投与量に相関する気流閉塞の低下が観察される、従って、結果は「1・3群薬」治療で従来観察されたことに一致する。
実質的に純粋な非気管支拡張薬光学対掌体の「1・3群薬」を投与されていた、例えば(S)−アルブテロール、(S)−テルブタリンまたは(S,S)−フェノテロールを投与されていた対象では、投与物質中に存在する任意の「気管支拡張光学対掌体」に寄与する気流閉塞が潜在的で一過性に低下した後、個々の対象は、偽薬投与の対象から得られた結果と比較して、FEVの持続した低下を示し、ぜい鳴および不快の増強を伴う。
本発明を実施する場合、「1・3群薬」の「気管支拡張薬光学対掌体」は、選択された「1・3群薬」の従来のラセミ体での使用に関連して知られていたまたは従来用いられていた任意の形態または任意の経路により、例えば錠剤、カプセル、シロップ、顆粒または微細顆粒等の形態で経口、注射可能な溶液の形態で静脈内、または肺経路により投与できる。「1・3群薬」の「気管支拡張薬光学対掌体」は、肺経路を介して、例えば適当な噴霧装置例えば本明細書前記で示すようなまたはその他の当業者に既知の装置から吸入することにより投与するのが好ましい。
本発明の実施に用いられる「1・3群薬」の「気管支拡張薬光学対掌体」の投与量は、例えば選択した特定の「1・3群薬」、選択した投与経路、処置される特定の状態、処置される状態の重篤度および望まれる効果に依存して変えられる。しかしながら一般的に選択した「1・3群薬」の「気管支拡張薬光学対掌体」の投与量は、同一の「1・3群薬」を従来のラセミ体で用いた投与量の約40%−60%、例えば約50%のオーダになるであろう。この投与量の低下は容易に達成できる。例えば選択した「1・3群薬」の「気管支拡張薬光学対掌体」を活性成分として、従来、用いられた投与量形態の濃度と同じ濃度で含有する製剤を製造し、1日の必要投与量を約50%に減らして、または活性成分として「気管支拡張薬光学対掌体」を「1・3群薬」で従来用いられた濃度の約50%で含有する製剤を製造し、従来の1日の必要投与量を維持することにより達成できる。後者の場合、活性成分含量の50%の減少は、適当な不活性な医薬的に可能な希釈剤または担体を同等量添加することにより償えるであろう。
従って、吸入により投与するために、(R,S)−アルブテロールは従来通り投与する。例えば作動あたり100μgラセミ体動物を運ぶ投与量計量エアロゾルにより投与する。成人では、従来、各投与時に2回の作動で3−4回/日投与し、投与ごとに薬物200μgを与えている。送達装置に用いられるキャニスター(canisters)は約20mgの(R,S)−アルブテロールまたは200回の作動に十分量を含有する。
本発明による純粋なまたは実質的に純粋な(R)−アルブテロールを用いると、混合ラセミ体に用いたのと同一の投与計画だが、作動あたりの薬物50μgかまたは薬物100μgを3−4回/日の投与量を計量する約10mg(R)−アルブテロールを含有するキャニスターか、または作動あたり薬物100μgの投与量を計量し各投与で2回作動のかわりに1回作動を適用する約20mg(R)−アルブテロールを含有するキャニスターを用いて投与できる。
前記より、本発明を実施するのに適当な製剤は、従来のラセミ体の「1・3群薬」の配送に用いられたのと、全ての物質に関して同等であるが、必要な場合は活性成分量を減じた分を適当に償ったものであることがわかる。
前述のとおり、本発明の実施において、「1・3群薬」の「気管支拡張薬光学対掌体」は肺の経路から、例えば吸入により投与するのが好ましい。用いる組成物は従って肺経路による投与を許容する、可能にするまたは適用できるようにする形態であるのが好ましい。このような形態は、とりわけ、自由流、すなわち自由に流れることができ、分散できる形態、例えば液体または微細に分割した粉末の形態で吸入可能なスプレー、霧または例えば適当な、例えばエアロゾル、噴霧器、乾燥粉末ディスペンサーまたは同様の装置からの配送の結果生じる空気中の分散物として、配送が可能かまたはこれに適用できるものを含む。このような組成物で用いられる担体、賦形薬、希釈剤等は、同様に肺投与に適切であるとして知られているもの、用いられているものおよび/または認められているものから選択するのが好ましい。
以下の実施例は、本発明による使用に適切な組成物を説明する。
実施例3
3.1 錠剤またはカプセルは、有効成分を通常の医薬的に可能な賦形薬、たとえば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトースおよびタルクのような不活性希釈剤、顆粒化剤および崩解剤、例えばデンプンおよびアルギン酸、香料、着色料および甘味料、結合剤、例えばデンプン、ゼラチンおよびアラビアゴム、並びに滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルクを、例えば以下のように混合して含有できる:
成 分 重量/投与量
実質的に純粋な形態の(R)−メタプロテレノール 20.00mg
(硫酸塩として)
ラクトース(200メッシュ) 90.00mg
トウモロコシデンプン 35.00mg
シリコン・ジオキサイド(アエロシル200) 1.75mg
ステアリン酸マグネシウム 3.25mg
全量で150.00mg
成分は通常の製剤方法を用いて十分に混合し、ゼラチン硬カプセルに充填し、カプセルを封じる。カプセルは、本発明に従って、ぜん息治療において成人で1日2回、1日投与量は40mg/日/経口投与になるように投与するのに有用である。別法として、カプセルを成人1日4回投与用に10.00mg(R)−オルシプレナリン(硫酸塩)を含有するように製造できる。
同等の経口用組成物は、例えば本明細書前記で言及したようなその他の任意の「1・3群薬」の「気管支拡張薬光学対掌体」を、従来の投与率の50%で投与するための従来の薬物投与量単位の濃度*で、または従来の投与率*で投与するための従来の薬物投与量単位の50%濃度で含有して製造できる。[*薬物例えばフェルブタリン、フェノテロールおよびカルブテロールでは、1日2−4回投与で従来の経口投与量単位形態(ラセミ体を含有)は各々2.5または5.0mg;5.0または10.0mg;および2.3mgのラセミ体を含有する。]
3.2 吸入用水溶液も従来の方法、例えば所望によりエタノールを可溶化剤として添加して、および酸緩衝化剤として最終pH4.0になるように添加して製造できる。安定化剤および保存剤もまた、所望により添加できる。従来の計量送達装置から肺投与するための適当な組成物は、例えば以下のように作ることができる:
(R)−アルブテロールを硫酸塩としてミリリットルあたり(a)0.5、(b)1.0または(c)2.0mgを含有する水溶液を製造し、HSOを添加してpH約4.0に調整する。0.5%、1.0%および2.0%(R)−アルブテロールを含有する組成物を従来の計量装置への挿入用のプラスチック製アンプルに2.5mlの量で充填し、例えば組成物(a)に関しては(R)−アルブテロールを2回作動で1日2−4回、全量100μgを配送し、組成物(b)に関しては(R)−アルブテロールを1回作動で1日2−4回、全量100μgを配送し、または組成物(c)に関しては(R)−アルブテロールを1回作動で1日1−2回、全量で200μgを配送して使用される。
例えば本明細書中前記で言及したような任意のその他の「1・3群薬」の「気管支拡張薬光学対掌体」を、従来の投与量率の50%で投与するための従来の薬物単位濃度**で、かまたは従来の投与量率で投与するための従来の薬物単位の50%濃度で含有する同等の組成物が製造できる。
[**薬物例えばイソエタリン、メタプロテレノール、テルブタリン、フェノテロールおよびカルブテロールの通常の吸入量[1パフ(吹き)あたり]は各々混合ラセミ体350μg;650μg;250μg;200μgおよび100μgであり、一般的に1日2−4回または6回まで、2パフで用いられる。
前述より、本発明はまた以下のことを提供する:
E. 活性成分として「1・3群薬」を主に「気管支拡張薬光学対掌体」の形態で、医薬的に可能なそれの希釈剤または担体と共に含有する医薬組成物。
医薬組成物はとりわけ個々の成分を治療用に使用するのに適切または許容できるだけではなく、治療用に使用するのに適当なまたは必要とされる無菌状態の下で製造および加工される組成物であると理解すべきである。
本発明の方法をケトチフェン治療と組み合わせて実施する場合、用いるケトチフェンの量は一般的に、通常ぜん息の予防または制御に用いられるケトチフェンと同じまたは類似のオーダーである。すなわち1−4mg好ましくは2もしくは4mg/日/経口投与のオーダーで、1もしくは2mg量を好ましくは1日1もしくは2回、または液体例えばシロップの形態で適切に投与される。本発明の実施に用いられる、適切な経口投与量形態は、活性成分としてケトチフェンを含有する、例えば1mgおよび2mg錠剤、カプセルおよびシロップ製剤であって、公知であり市販により入手可能である。
本発明の有用性は、例えば以下のように行われる臨床試験ででも示すことができる。
臨床試験I
被験者は、ぜん息の臨床歴および実証可能な気道閉塞(例えばFEVが標準群から予期される値より小さい)を有する、すなわち「1・3群薬」の従来のラセミ体[例えば(R,S)−アルブテロールのラセミ体]を臨床適用量吸入することにより緩解される患者から選択する。被験者はまた吸入したヒスタミンまたはメタコリンに対する気道反応性において実証可能な上昇をも示す。選択した被験者の典型的なものは、若い成人(約15−25歳)で、花粉、動物障害、または家塵小動物のアレルギーで、従来のラセミ体「1・3群薬」の吸入治療を断続的に(例えば被験者の自覚症状により)受け、さらにステロイド、クロモグリク酸塩またはケトチフェンの吸入のような抗ぜん息治療を受けているかまたは受けていない。
被験者を、従来のラセミ体「1・3群薬」[例えば(R,S)−アルブテロール]を従来の投与量200μgで、かまたは「1・3群薬」の「気管支拡張薬光学対掌体」[例えば(R)−アルブテロール]を50%投与量すなわち100μgを投与する別々の群に分け、全量を吸入により規則的に、例えば1日2−4回、1−6か月間投与する。上記で記載するような随伴する付加的な治療が行われている場合はそれを続ける。被験者は一連の試験期間中1か月間隔で、気道の過反応性を、好ましくはロイコトリエンCまたはEを試験けいれん原物質として、例えば本明細書前記に言及した参照文献に報告されているように監視する。
気道の過反応性の増強は、従来のラセミ体「1・3群薬」を投与した被験者において明白である。それに対して「気管支拡張薬光学対掌体」を投与した被験者は、過反応性の増強を明らかに制限する傾向を示すが、悪化中の気管支拡張作用という見地から、同等の有益性を示す。ケトチフェンを併用した被験者は、過反応性の増強をさらに一層制限する傾向が観察される。
臨床試験II
被験者は試験Iで記載した患者群から選択する。被験者には従来のラセミ体「1・3群薬」[例えば(R,S)−アルブテロール200μgを吸入により]、または「1・3群薬」の「気管支拡張薬光学対掌体」[例えば(R)−アルブテロール100μgを吸入により]を投与する。別の治療を、無作為二重盲検法で個々の被験者に割り合てる。肺機能(例えばFEV)および気道過反応性試験(例えば吸入用エアロゾル・ヒスタミン)に対する感受性を薬物投与前および薬物投与後間欠的に(例えば2および5時間間隔で)決定する。
従来のラセミ体「1・3群薬」を投与した被験者の場合、観察される薬物の気管支拡張効果および過反応性の発現の抑制の間で明白な不適合が記録される。すなわち、実質的な気管支拡張反応は明らかに残っているにもかかわらず、過反応性の発現の防御は観察されない。「気管支拡張薬光学対掌体」を投与した被験者では、不適合の程度は、有意に低下するが、一方気管支拡張効果が維持されている。

Claims (1)

  1. R−アルブテロ−ルを有効成分とする、副作用としての気道抵抗の上昇が抑制された、ヒトにおける炎症性または閉塞性気道疾患の処置用医薬組成物。
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