JP2008017715A - ブライオゾーア化石を使用した脱臭剤および家畜用飼料 - Google Patents

ブライオゾーア化石を使用した脱臭剤および家畜用飼料 Download PDF

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保 松本
Seigo Iriyama
成吾 入山
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Abstract

【課題】ブライオゾーア化石の粉末を利用して家畜が食べて排出する糞尿を脱臭する家畜用飼料を提供する。
【解決手段】ブライオゾーア化石は、天然資源であり、多孔質性を有する素材であり、一般的には人畜無害である。また、短時間での凝集沈降(急速凝集沈降)が可能である。このような特徴を生かして、家畜用飼料に含ませる脱臭剤として使用することができる。例えば、小麦粉を原料とした家畜用飼料に、ブライオゾーア化石の粉末などを脱臭剤として含ませる。これにより、その家畜用飼料を食べた動物が排出する糞尿を消臭することができる。
【選択図】なし

Description

この発明はブライオゾーア化石を使用した脱臭剤および家畜用飼料、詳しくは家畜の糞尿の脱臭に関しての家畜用飼料の改良技術に関する。
従来、活性炭を使用した脱臭剤が知られている。活性炭は、木材、褐炭、泥炭などを活性化剤で処理して乾溜したり、木炭を水蒸気で活性化処理したりして製造される。活性炭は普通20−40Åの多孔質で、その表面積は900−1300m/gもあり、脱色、吸湿、脱臭性が高い。この性質を利用して、活性炭は、気体の臭気物質を活性炭に吸着させて脱臭する吸着剤として使用されている。
例えば、特許文献1に記載の発明には、活性炭を使用した脱臭剤が開示されている。
特開平8−191879号公報
また、多孔質性を有する素材として、ブライオゾーア化石が知られている。ブライオゾーアは、約1000〜2500万年前に原生していた苔虫類の化石である。このブライオゾーア化石は、水質浄化および土壌改良分野において、有効とされる多孔質性に優れた素材であり、その苔虫類の化石が地殻変動により地上に現出して地層化したものが商品化されている。
ブライオゾーア化石は、上記活性炭に比べ、約1/5(体積比)という吸着力を備えている。上記活性炭は、アンモニアなどの臭気成分の吸着能力が比較的弱い。これに対して、ブライオゾーア化石は、アンモニアの防臭効果が得られることは実証済みである。具体的には、牛舎、豚舎、鶏舎などに敷いているおがくずの上に、ブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末とを所定量撒くと、アンモニア臭が消えることが実験により確認されている。また、ブライオゾーア化石の粉末などを食べても無害であることが実証済みである。
そこで、本願発明者は、鋭意努力した結果、ブライオゾーア化石の多孔質性を利用して、ペットフードにブライオゾーア化石の粉末またはブライオゾーア化石の粉末と貝化石との粉末を含ませれば、ペットの糞尿が脱臭できることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、ブライオゾーア化石が有する多孔質性を利用した脱臭剤を提供することを目的とする。
また、この発明は、ブライオゾーア化石が有する多孔質性を利用して、家畜が食べて排出する糞尿を脱臭する家畜用飼料を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、ブライオゾーア化石の粉末、またはブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末とが含まれる脱臭剤である。
ブライオゾーア化石の粉末、ブライオゾーア化石と貝化石との混合粉末の粒度は限定されない。好ましくは1mm以下の粉末であればよい。
本願発明ではブライオゾーア化石の粉末として、例えば環境技研アース・クラスター株式会社製の商品名モスナイト(登録商標)が使用される。また、ブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末としては、同社の商品名モスナイトネオ(登録商標)が使用される。
含有するブライオゾーア化石の粉末の量も限定されない。
請求項1に記載の発明によれば、ブライオゾーア化石は、天然資源であり、多孔質性の素材であり、一般的には人畜無害である。また、短時間での凝集沈降(急速凝集沈降)が可能である。このような特徴を生かして、家畜用飼料に含ませる脱臭剤として使用することができる。例えば、小麦粉を原料とした家畜用飼料に、ブライオゾーア化石の粉末などを脱臭剤として含ませる。これにより、その家畜用飼料を食べた動物が排出する糞尿を脱臭することができる。
または、トイレ、車の中を脱臭する脱臭剤として使用することができる。
請求項2に記載の発明は、穀物粉および水からなる原料に、ブライオゾーア化石の粉末またはブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末とが添加された家畜用飼料である。
家畜用飼料とは、例えば、犬猫用に限定されたペットフードでもよい。または、養鶏場や養豚場で飼育されている鶏や豚用の飼料でもよい。
穀物粉は、例えば、トウモロコシの粉または小麦の粉である。この穀物粉に、肉粉や魚粉または野菜粉を混入してもよい。また、その他、香料または栄養剤を添加してもよい。
上記穀物粉と、ブライオゾーア化石の粉末またはブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末とに、水を添加してもよい。水は、水道水、自然水またはミネラルウォータが挙げられる。
請求項2に記載の発明によれば、穀物粉からなる原料とする家畜用飼料に、ブライオゾーア化石の粉末またはブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末とが添加されている。ブライオゾーア化石の粉末が有する多孔質性により、この家畜用飼料を食べた動物の糞尿を脱臭する効果が得られる。
請求項3に記載の発明は、上記家畜用飼料には、穀物粉が150g、水が300cc、ブライオゾーア化石の粉末またはブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末とが1kgの割合で添加された請求項2に記載の家畜用飼料である。
この割合で添加された家畜用飼料を、市販のペットフードに添加して、犬・猫などに食べさせる。添加する量は、犬・猫などの大きさによって決定される。
請求項3に記載の発明によれば、上記家畜用飼料には、穀物粉が150g、300cc水が300cc、ブライオゾーア化石の粉末またはブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末とが1kgの割合で添加されている。添加するブライオゾーア化石の粉末が1kg未満であると、家畜の糞尿の脱臭効果が得られない。また、添加するブライオゾーア化石の粉末が1kg以上であると、小麦粉や水の成分が落ち、動物が食欲を無くす場合が生じる。
この発明によれば、ブライオゾーア化石は、天然資源であり、多孔質性を有する素材であり、一般的には人畜無害である。また、短時間での凝集沈降(急速凝集沈降)が可能である。このような特徴を生かして、例えば、家畜用飼料などの脱臭剤として使用することができる。穀物粉などを主原料とする家畜用飼料に、ブライオゾーア化石の粉末またはブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末とが含まれている。この家畜用飼料を食べた動物から排出される糞尿を脱臭することができる。
以下、本発明の構成について詳述する。
まず、本発明において使用されるブライオゾーア化石の粉末、ブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末とについて説明する。
本実施例ではブライオゾーア化石の粉末としては、例えば環境技研アース・クラスター株式会社製の商品名モスナイト(登録商標)が使用される。モスナイトは、ブライオゾーア化石を1mm以下の粉末に粉砕し、無機質の添加剤を混入したものである。具体的に、モスナイトは、表1のような成分を有している。
Figure 2008017715
また、ブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末としては、例えば同社の商品名モスナイトネオ(登録商標)が使用される。モスナイトネオは、90%のブライオゾーア化石に貝化石を最高5mm以下の粉末に加工したものである。具体的に、そのモスナイトネオは、表2のような成分を有している。
Figure 2008017715
上記モスナイトネオ(商品名)は、牛舎、豚舎、鶏舎の防臭効果が得られることが実証されている。具体的には、鶏舎などの防臭として以下の利用方法を示す。(1)まず、ひなはすぐに綺麗にして「モスナイトネオ」の入った水(0.5%)を飲ませる。(2)敷いているオガクズの上に「モスナイトネオ」を1坪に対して1〜2kgを撒く。(3)27〜28日たったらもう一回、(2)と同じ量を撒く。
そして、「モスナイトネオ」を牛舎・豚舎・鶏舎に撒くことにより、次の効果が得られている。(1)臭いが改善される。(2)臭いが改善されることによりストレスが無くなり、性質がおとなしくなる。(3)肉は水っぽくなく、美味しい肉になる。(4)病気が流行っても「モスナイトネオ」を使用しない傾斜に比べ、抜群に良い成績が出ている。
上記効果は以下のような試験方法による。牛舎・バンクリーナー・尿桶・通路に「モスナイトネオ」を1頭当たり250g2回散布して、清掃後に2回手撒きをした。そして、アンモニア臭の変化を以下の表3に示す。
Figure 2008017715
この表3の結果により、アンモニア臭が減少していることが確認されている。
また、商品名モスナイトネオは、家畜等用飼料としても効果が得られている。そして以下のような特長および効果を有している。すなわち、骨格、肉質を改善することができる。また、ストレス解消、脚弱、骨軟等を防止することができる。主飼料の養分吸収を促進し、給与飼料の効率を高めることができる。さらに、繁殖障害が無くなり、乳質を良くすることができる。さらに、尻尾かじり、酸体を防止することができる。さらに、赤肉と背筋脂肪の割合が良くなり、経済価値の高い肉を生産することができる。
なお、商品名モスナイトは、家畜が食べても無害であることが、環境技研アース・クラスター株式会社のヒメダカの生存率試験によって確認されている。すなわち、検体について、JIS K 0102:1998「工業排水試験方法」の魚類に対する急性毒性試験の項を参考にして、ヒメダカによる96時間の生存率試験を実施している。試験は、試験区および対照区について1区当たり10尾のヒメダカを用い、水温24℃±1℃、止水式で行っている。
その結果、検体濃度1000mg/lの試験水における96時間の生存率は100%であった。
上述のようにブライオゾーア化石の粉末について、防臭効果が得られたこと、家畜が食べても無害であることから、本願発明に係るペットフード(家畜用飼料)を得ることができた。
次に、ブライオゾーア化石の粉末、またはブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末とを使用したペットフードの製造方法について説明する。
まず、ブライオゾーア化石の粉末、またはブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末(天然鉱物)とを準備する。また、小麦粉(穀物粉)とミネラルウォータ(水)とを準備する。次いで、上記ブライオゾーア化石の粉末などに、小麦粉とミネラルウォータとを混合して混練する。そして、混練した後、例えば、直径数センチメートル、厚さが数センチメートルの円盤型に成形する。その後、例えば、縦数センチメートル、横数センチメートル、高さ数センチメートルの直方体状に切断して形を整える。そして、最後に、乾燥または自然乾燥させて、ペットフードを完成させる。
次に、ブライオゾーア化石の粉末、またはブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末とを添加してペットフード(家畜用飼料)について、その飼料を食べた家畜が排出した糞尿の脱臭効果を調査した。
ペットフードは上記製造方法により得られたものを使用した。なお、原料となるブライオゾーア化石の粉末は、環境技研アース・クラスター株式会社製の商品名モスナイトを使用した。また、小麦粉は日清製粉株式会社製の中力粉を使用した。その中力粉の成分を以下の表4に示す。
Figure 2008017715
さらに、ミネラルウォータは、市販のものを使用した。
また、モスナイト、小麦粉、ミネラルウォータを配合する分量を以下の表5に示す。また、上記モスナイト、小麦粉、ミネラルウォータに、自然のハーブの香りを加えた。
Figure 2008017715
そして、上記分量により製造したペットフード(モスナイト入ペットフード)を、例えば、犬5匹・猫5匹に食べさせ(1日3食の10日間)、その犬・猫が排出した糞尿の臭いを検出した。犬・猫に食べさせる量は、以下の通りである。
Figure 2008017715
また、比較例として、同じ犬5匹・猫5匹に、市販されている従来のペットフードを食べさせ、本願発明に係るペットフードと比較をした。その結果を表6に示す。なお、表中の数字は、テストで食べさせた犬・猫の数を示す。
Figure 2008017715
その結果、本願発明であるブライオゾーア化石の粉末を混合したペットフードを食べた犬・猫が排出した糞尿の臭いを検出したところ、市販のペットフードのみに比べて、脱臭効果が得られることが確認された。
本実施例において、ブライオゾーア化石の粉末を使用してペットフードを製造すると、ペットの糞尿の臭いが無くなることがわかった。

Claims (3)

  1. ブライオゾーア化石の粉末、またはブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末とが含まれる脱臭剤。
  2. 穀物粉からなる原料に、ブライオゾーア化石の粉末またはブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末とが添加された家畜用飼料。
  3. 上記家畜用飼料には、穀物粉が150g、水が300cc、ブライオゾーア化石の粉末またはブライオゾーア化石の粉末と貝化石の粉末とが1kgの割合で添加された請求項2に記載の家畜用飼料。
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