JP2008010207A - 電極基板及びその製造方法 - Google Patents

電極基板及びその製造方法 Download PDF

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聡 渭原
Masao Ozeki
正雄 尾関
Yoshiki Otani
新樹 大谷
Hiroshi Eguchi
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Abstract

【課題】透明基板の両面に良好な状態で電極を形成した電極基板及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様にかかる電極基板13は、透明基板37と、透明基板37の視認側の面に設けられた第1電極31と、反視認側の面に設けられた第2電極32とを有し、透明基板37と第1電極31との間には絶縁層38が形成されている。また、第2電極32は透明基板37上に直接設けられており、透明基板37の反視認側の面には絶縁層38は形成されていない。
【選択図】図2

Description

本発明は電極基板及びその製造方法に関し、特に詳しくは、透明基板の両面に電極が形成された電極基板及びその製造方法に関する。
近年、表示装置の表示面の近傍に配置され、低温時において表示装置を温めるパネルヒータが用いられている。特に液晶表示パネルを有する表示装置においては、低温時における液晶の応答速度を改善するために、電圧印加によって液晶表示パネルを温めるパネルヒータが多用されている。
この前記パネルヒータは、例えば、ガラスからなる透明基板の両面に、透明導電膜からなる発熱用の電極が設けられた電極基板と、透明導電膜上に導電接続される可撓性配線板などの電圧印加用電極とから構成されている(例えば、特許文献1参照)。この可撓性配線板を介し外部電源よりパネルヒータに電力が供給されるようになっている。
電極基板上に透明導電膜からなる電極を形成する手段としては、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等の化学的成膜方法や、真空蒸着法、スパッタ法等の物理的成膜方法がある。近年においては、低抵抗膜を大面積に再現性よく成膜することが可能なスパッタ法が一般に使用されている。
特開平5−93904号公報
ところで、従来のパネルヒータや入力装置に使用される電極基板には、以下のような問題点があった。通常、ガラスなどからなる透明基板のイオン物質の浸出を抑制するため、透明基板上に透明導電膜を形成する前に、下地として全面にSiO膜などの絶縁膜を成膜する。従って、従来の電極基板の製造方法では、透明基板の一方の面の略全面に絶縁膜と透明導電膜とを順次積層形成して、その後、透明基板の他方の面にも同様に、絶縁膜と透明導電膜とを順次積層形成することがある。
一般に、このような絶縁膜は、電極間に高周波(RF)電圧を印加するRFスパッタ法を用いて成膜する。RFスパッタ法では、直流(DC)スパッタ法と異なり、電極間にRF電圧を印加して行う。従って、裏面側に透明導電膜が形成されている状態で、上述のRFスパッタ法により絶縁膜を形成することとなる。
このように裏面側に導電膜が形成された状態でRFスパッタ法により絶縁膜の成膜を行うと、異常放電が生じる場合がある。異常放電が生じると、放電のインピーダンスが変化し電力がターゲットに効率よく供給されなくなって、成膜速度が低下したり、膜にピンホールが生じるというように膜質へ悪影響を及ぼし、不具合が生じる。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は透明基板の両面に良好な状態で電極を形成した電極基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る電極基板は、透明基板と、前記透明基板の第1面に設けられた第1透明電極と、前記第1面の裏側の第2面に設けられた第2透明電極とを有する電極基板であって、前記第1面及び第2面の双方の面にスパッタ絶縁層が設けられていないか、又は、前記第1面若しくは第2面のいずれか一方の面にスパッタ絶縁層が設けられていることを特徴とするものである。これにより、透明基板の両面に良好な状態で電極を形成することができる。
本発明の第2の態様に係る電極基板は、上記の電極基板において、前記透明基板は、アルカリガラス基板であるものである。このような場合においても、透明基板の両面に良好な状態で電極を形成することができる。
本発明の第3の態様に係る電極基板は、上記の電極基板において、前記透明基板は、化学強化されたガラス基板であるものである。このような場合においても、透明基板の両面に良好な状態で電極を形成することができる。
本発明の第4の態様に係る電極基板の製造方法は、透明基板と、前記透明基板の第1面に設けられた第1透明電極と、前記第1面の裏側の第2面に設けられた第2透明電極とを有する電極基板の製造方法であって、前記第1面に前記第1透明電極を形成する工程と、前記第1透明電極が形成された前記透明基板の前記第2面に、スパッタ絶縁層を形成せずに前記第2透明電極を形成する工程とを含む。これにより、透明基板の両面に良好な状態で電極を形成することができる。また、透明基板の第2面には、スパッタ絶縁層を形成しないため、製造工程を簡略化でき、生産性を向上させることができる。
本発明の第5の態様に係る電極基板の製造方法は、上記の製造方法において、前記第1面にスパッタ絶縁層を形成する工程と、前記スパッタ絶縁層上に前記第1透明電極を形成する工程とを含む。このような場合においても、透明基板の両面に良好な状態で電極を形成することができる。
本発明の第6の態様に係る電極基板の製造方法は、上記の製造方法において、前記透明基板を化学強化する工程を含む。このような場合においても、透明基板の両面に良好な状態で電極を形成することができる。
本発明によれば、透明基板の両面に良好な状態で透明導電膜を成膜した電極基板及びその製造方法を提供することができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施の形態について、図1を参照して説明する。図1は、実施の形態にかかる加温装置10を搭載した表示装置100の構成の一例を示す断面図である。本実施の形態にかかる表示装置100は、表示素子20と表示素子20の視認側に配置された加温装置10とを備えている。加温装置10は、例えば、パネルヒータであり、視認側から順にカバー11、接着層12、電極基板13、及び接着層14を備えている。また、本実施の形態において、表示素子20は、液晶表示素子であり、視認側から順に偏光板26、対向基板24、TFTアレイ基板23、偏光板25、及びバックライトユニット22を備えている。
まず、表示素子20の構成について説明する。ここでは、表示素子の一例として、アクティブマトリクス型の液晶表示素子について説明する。もちろん、表示素子20は、アクティブマトリクス型の液晶表示素子に限らず、パッシブマトリクス型の液晶表示素子であってもよい。さらには、表示素子20は、液晶表示素子に限らず、有機EL表示素子などの他の表示素子であってもよい。表示素子20は、入力される表示信号に基づいて画像表示を行う。表示素子20は、液晶表示パネル21とバックライトユニット22を有している。液晶表示パネル21は、対向基板24とTFTアレイ基板23との間に液晶を封入した構成を有している。対向基板24、及びTFTアレイ基板23は、例えば、透明なガラス基板から構成される。
TFTアレイ基板23には、複数の走査線が一定間隔を隔てて形成されている。また、走査線の上には、複数の信号線が一定間隔を隔てて形成されている。走査線と信号線とは、絶縁膜を介して交差するよう配置されている。そして、走査線と信号線との交差点近傍にスイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT)が配置される。このTFTを介して、画素電極に信号線から表示信号が供給される。画素電極は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜から形成されている。液晶表示パネル21の表示領域は複数の画素により構成されている。表示領域は通常、矩形状に形成される。さらに、液晶表示パネル21には、表示領域を囲むように設けられた額縁領域が配置される。
このような液晶表示パネル21には、駆動回路(不図示)が接続される。そして、駆動回路は、外部から入力される表示信号に基づいて、画像の表示に必要な各種の制御信号、走査電圧及び表示電圧などを出力する。駆動回路はTFTアレイ基板23の端部上にCOG(Chip On Glass)実装されていてもよい。対向基板24は、例えば、カラーフィルタ基板である。対向基板24には、例えば、ブラックマトリクス(BM)、及びR、G、Bの着色層が形成されている。着色層はBMの間に形成され、画素に対応する。この着色層とBMの上には、ITO等の透明導電膜からなる対向電極が形成されている。画素電極と対向電極との間の電圧によって液晶の配向状態が変化する。これにより、液晶表示パネル21を透過する光の量が調整され、表示を行うことができる。
このような、TFTアレイ基板23と対向基板24とがシール材を介して貼り合わせられている。TFTアレイ基板23、及び対向基板24の外面には、偏光板25、26がそれぞれ貼り合わせられている。これにより、液晶表示パネル21が形成される。具体的には、TFTアレイ基板22の反視認側の面には、偏光板25が設けられている。また、対向基板24の視認側の面には、偏光板26が貼り合わせられている。偏光板26及び偏光板25は、それぞれ所定の方向に吸収軸を有している。従って、偏光板26又は偏光板25を通過した光は直線偏光になる。このように、表示素子20は、一般的な構成の液晶表示パネル21を有している。
液晶表示パネル21の背面側には、バックライトユニット22が備えられている。バックライトユニット22は、液晶表示パネル21の反視認側から液晶表示パネル21に対して面状の光を照射する。バックライトユニット22としては、例えば、光源、導光板、プリズムシートなどを備えた一般的な構成のものを用いる。
次に、表示素子20の視認側に配置された加温装置10の構成について説明する。加温装置10は、例えば、透明な両面パネルヒータである。表示素子20の視認側には、電極基板13が配置される。電極基板13の両面には、それぞれ透明電極が形成されている。この電極基板13の構成については、後述する。電極基板13と表示素子20との間には、接着層14が設けられている。接着層14は、例えば、両面接着テープや接着材であり、表示素子20と電極基板13とを貼り合わせる。接着層14は、例えば、厚さ125μmの透明な樹脂材料などによって形成されている。
電極基板13の視認側には、電極基板13などを保護するためのカバー11が配置されている。カバー11は、例えば、厚さ0.8mmのプラスチック板によって構成されている。カバー11と電極基板13との間には、接着層12が設けられている。
接着層12は、例えば、両面接着テープや接着材であり、カバー11と電極基板13とを貼り合わせる。接着層12は、例えば、厚さ125μmの透明な樹脂材料(住友スリーエム株式会社製9483)などによって形成されている。接着層12及び接着層14は、表示領域の全体に配置されている。
電極基板13の一端には、第1FPC(Flexible Printed Circuit)15と第2FPC16とが接続されている。第1FPC15は、電極基板13の視認側の面に取り付けられ、第2FPC16は電極基板13の反視認側の面に取り付けられている。この第1FPC15、及び第2FPC16によって電極基板13に対する信号の入出力が行なわれる。
次に、電極基板13の構成について図2〜図4を用いて説明する。図2は、電極基板13の構成を示す図である。図3は、電極基板13の一方の面に形成された電極のパターンを示す平面図である。図4は、電極基板13の他方の面に形成された電極パターンを示す平面図である。
図2〜4に示すように、電極基板13は、ガラスなどからなる透明基板37を有している。図3に示すように、透明基板37の一方の面上には、垂直方向に互いに平行に延設された複数の第1電極31が形成されている。また、図4に示すように透明基板37の他方の面上には、水平方向に互いに平行に延設された複数の第2電極32が形成されている。従って、図2に示すように、透明基板37には、第1電極31と第2電極32とが互いに交差するように形成されている。すなわち、第1電極31と第2電極32とは、透明基板37を介して直交するように配置されている。
第1電極31と第2電極32とが形成されている領域が発熱エリア33となる。この発熱エリア33は、表示素子20の表示領域に対応している。従って、発熱エリア33は、表示素子20の表示領域と同じ矩形状に形成される。この発熱エリア33の外側の枠状の領域が非発熱エリア34となる。
ここで、電極基板13の第1電極31が形成されている面を視認側の面、すなわち、接着層12側の面とし、第2電極32が形成されている面を反視認側の面、すなわち、接着層14側の面とする。もちろん、第1電極31及び第2電極32が形成されている面は、それぞれ反対であってもよい。
発熱エリア33に形成された第1電極31及び第2電極32は、例えば、ITOによって形成されている。また、導電膜はITOのみならず、IZO、ITZOなど他の透明導電膜でもよい。従って、加温装置10の発熱エリア33は透明であり、視認側から表示素子20に表示されている内容を加温装置10を介して確認することができる。
図3に示すように、電極基板13の視認側の面には、複数の第1電極31が一定の間隔で配置されている。そして、非発熱エリア34には、第1電極31と接続される第1接続配線35が形成されている。第1接続配線35は第1電極31とそれぞれ接続されている。図3では、6つの第1電極31に接続されるため、6本の第1接続配線35が形成されている。なお、第1電極31及び第1接続配線35の数はこれに限られるものではない。
第1接続配線35は、発熱エリア33の下端において第1電極31と接続されている。そして、第1接続配線35は発熱エリア33の下端から透明基板37の下端まで延設されている。この第1接続配線35は、例えば、第1電極31と同じ透明導電膜とその上に形成された金属膜によって構成される。すなわち、第1接続配線35は第1電極31から延在された透明導電膜と金属膜との積層構造を有している。なお、ここでは図示していないが、透明基板37の下端には、第1接続配線35と接続される第1FPC15が設けられている。
一方、図4に示すように電極基板13の反視認側の面には、複数の第2電極32が一定の間隔で配置されている。そして、非発熱エリア34には、第2電極32と接続される第2接続配線36が設けられている。第2接続配線36は第2電極32とそれぞれ接続されている。図4では、6つの第2電極32に接続されるため、6本の第2接続配線36が形成されている。なお、第2電極32、及び第2接続配線36の数はこれに限られるものではない。
第2接続配線36は、発熱エリア33の右端又は左端において第2電極32と接続されている。そして、第2接続配線36は発熱エリア33の右端又は左端から透明基板37の下端まで延設されている。この第2接続配線36は、透明導電膜と金属膜との積層構造を有している。例えば、第2電極32と同じ透明導電膜とその上に形成された金属膜によって、第2接続配線36を形成することができる。もちろん、第2接続配線35の構成はこれに限られるものではない。なお、ここでは図示していないが、透明基板37の下端には、第2接続配線36と接続される第2FPC16が設けられている。
また、図5に、図2のa−a断面図を示す。図5に示すように、本実施の形態においては、透明基板37の第1電極31が形成されている面の略全面にSiOからなる絶縁層38が形成されている。すなわち、透明基板37の視認側の面には、絶縁層38と第1電極31とが順に積層されている。つまり、透明基板37と第1電極31との間には、絶縁層38が形成されている。一方、透明基板37の第2電極32が形成されている面には、絶縁層は形成されていない。従って、透明基板37の反視認側の面には、直接第2電極32が形成されている。なお、絶縁層38としては、SiOこれに限定されず、Siなど他の絶縁材料を用いてもよい。
図6を参照して、本実施の形態に係る電極基板13を用いた表示装置100の製造方法について説明する。図6は、本実施の形態に係る表示装置100の製造方法を説明するためのフロー図である。また、本実施の形態においては、マザー基板の上に複数の電極基板13を形成した後に、個々の電極基板13に分断する。
まず、図6に示すように、透明基板37を化学強化する(ステップS101)。透明基板37としては、Naイオンを含むソーダガラスを用いた。透明基板37を400℃以上の硝酸カリウム(KNO)溶液中に約10時間浸漬して、透明基板37の表面層に存在するNaイオンをKイオンに置換する。これにより透明基板37の表面に圧縮応力を発生させ、透明基板37の強度を向上させる。
その後、透明基板37上に透明導電膜を成膜し(ステップS102)、透明導電膜をパターニングして(ステップS103)、第1電極31、第2電極32等を形成する。本実施の形態においては、第1電極31を先に形成し、その後第2電極32を形成する。具体的には、まず、透明基板37の第1電極31を形成する面には、全面にわたってSiOなどの絶縁層38を形成する。絶縁層38の形成方法としては、RFスパッタ法を用いることができる。
その後、略全面に形成した絶縁層38の上に、第1電極31を形成するための透明導電膜を形成する。そして、透明基板37の裏面側に直接、第2電極32を形成するための透明導電膜を形成する。この透明導電膜の形成方法としては、DCスパッタ法を用いることができる。このように、先に第1電極31を形成する透明基板37の視認側の面には、絶縁層38と透明導電膜とを積層形成し、その後第2電極32を形成する反視認側の面には、透明導電膜のみを形成する。
すなわち、一方の面に導電性を有する透明導電膜を形成した後に、他方の面には絶縁層38を形成しない構成とする。これにより、透明導電膜を形成した透明基板37にRFスパッタにより絶縁層38を形成しないため、異常放電を抑制することができる。従って、透明基板37の両面にピンホール等の欠陥ない良好な成膜をすることができる。また、本実施の形態に係る電極基板13は、加温装置10に用いられるものであるため、絶縁層38がなくても加温装置10の動作には影響しない。
また、上記の構成により、透明基板37の一方の面には絶縁層38を形成しないため、製造工程を省略することができ、生産性を向上させることができる。また、製造コストを低減させることも可能となる。
そして、一方の面に絶縁層38と第1電極31となる透明導電膜とを、他方の面に第2電極32が形成された透明基板37の両面の透明導電膜を所定の形状にパターニングする。パターニングとしては、従来のフォトエッチング法を用いることができる。なお、第1電極31及び第2電極32の形成と同時に、第1接続配線35及び第2接続配線36もまた形成される。これにより、電極基板13が形成される。
その後、このように形成された電極基板13上において、配線抵抗を低減させるため、第1接続配線35および第2接続配線36上に金属膜を形成する。具体的には、第1電極31および第2電極32が形成された面に金属膜(不図示)を成膜し(ステップS104)、金属膜をパターニングして(ステップS105)、第2の接続配線36上に金属膜を成膜する。従って、第2接続配線36は、透明導電膜と金属膜との積層構造となる。
そして、マザー基板を切断し(ステップS106)、個々の電極基板13を得る。その後、個々の電極基板13において、第1接続配線35上には第1FPC15を、第2接続配線36上には第2FPC16をそれぞれ接続する(ステップS107)。ACF(Anisotropic Conductive Film)などを用いて熱圧着することにより、第1FPC15及び第2FPC16と電極基板13とを接続することができる。
そして、接着層12により、電極基板13にガラス等からなるカバー11を取り付ける(ステップS108)。これにより、加温装置10が完成する。そして、加温装置10と表示素子20とを接着層14により貼り合せ(ステップS109)、動作及び外観の検査を行い(ステップS110)、表示装置100が完成する。
以上説明したように、電極基板13において、第1電極31を形成した後に第2電極32を形成する面には、絶縁層38をRFスパッタにより形成しない。このため、裏面側の成膜時において、異常放電を抑制することができ、成膜不良を低減させることができる。
もちろん、第1電極31と第2電極32を形成する順番は逆であってもよい。この場合には、第2電極32を形成する面に絶縁膜39を形成し、第1電極を形成する面には絶縁膜39を形成しない。すなわち、先に形成する面側に絶縁膜39を形成することができる。
また、上述した実施の形態では、電極基板13を加温装置10に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、2層構造の液晶表示装置用の基板として用いることも可能である。この場合、透明基板37から液晶にイオン成分が浸入することにより、表示特性の劣化が問題となる。このため、絶縁層38を形成した面を液晶側の面とすることができる。これにより、表示特性の劣化を防止できる。
また、本発明に係る電極基板13を加温装置10に適用する場合には、透明基板37の両面とも、絶縁層38を形成しない構成としてもよい。これにより、更に製造工程を簡略化することができ、生産性を向上させることができる。
さらに、本発明に係る電極基板13を入力装置に適用することもできる。上述の実施形態において、加温装置10を入力装置10として適用する場合には、発熱エリア33を有効エリア33とし、非発熱エリア34を非有効エリア34とする。該入力装置10の動作について説明すると、以下の通りである。第1電極31と第2電極32の各交差点では固定容量が形成されている。使用者がカバー11の上から有効エリア33内の第1電極31に指等を接近させることによって、指先と第1電極31の間の寄生容量及び人体の寄生容量が固定容量に並列に接続されることとなる。これにより、合成容量の値が変化し、固定容量の両端の電圧が変化する。この電圧の変化を検出回路にて検出することにより、接触した位置を検出することができる。表示素子20が所定の表示を行なっている状態で、使用者が有効エリア33の任意の位置に接近すると、その表示に基づいた処理が実行される。
また、透明基板37としては、ソーダガラスや、ホウケイ酸ガラスなどのアルカリガラスでもよく、無アルカリガラスを使用してもよい。さらに、ガラス基板だけでなく、プラスチック基板を用いてもよい。
実施の形態に係る加温装置の構成を示す平面図である。 実施の形態に係る電極基板の構成を示す平面図である。 実施の形態に係る電極基板の一方の面の電極の構成を示す図である。 実施の形態に係る電極基板の他方の面の電極の構成を示す図である。 図2のa−a断面図である。 実施の形態に係る電極基板の製造方法を説明するフロー図である。
符号の説明
10 加温装置
11 カバー
12 接着層
13 電極基板
14 接着層
15 第1FPC
16 第2FPC
20 表示素子
21 液晶表示パネル
22 バックライトユニット
23 TFTアレイ基板
24 対向基板
25 偏光板
26 偏光板
31 第1電極
32 第2電極
33 発熱エリア
34 非発熱エリア
35 第1接続配線
36 第2接続配線
37 透明基板
38 絶縁層

Claims (6)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板の第1面に設けられた第1透明電極と、
    前記第1面の裏側の第2面に設けられた第2透明電極とを有する電極基板であって、
    前記第1面及び第2面の双方の面にスパッタ絶縁層が設けられていないか、又は、前記第1面若しくは第2面のいずれか一方の面にスパッタ絶縁層が設けられていることを特徴とする電極基板。
  2. 前記透明基板は、アルカリガラス基板である請求項1に記載の電極基板。
  3. 前記透明基板は、化学強化されたガラス基板である請求項1又は2に記載の電極基板。
  4. 透明基板と、前記透明基板の第1面に設けられた第1透明電極と、前記第1面の裏側の第2面に設けられた第2透明電極とを有する電極基板の製造方法であって、
    前記第1面に前記第1透明電極を形成する工程と、
    前記第1透明電極が形成された前記透明基板の前記第2面に、スパッタ絶縁層を形成せずに前記第2透明電極を形成する工程とを含む電極基板の製造方法。
  5. 前記第1面にスパッタ絶縁層を形成する工程と、
    前記スパッタ絶縁層上に前記第1透明電極を形成する工程とを含む請求項4に記載の電極基板の製造方法。
  6. 前記透明基板を化学強化する工程を含む請求項4又は5に記載の電極基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009238732A (ja) * 2008-03-25 2009-10-15 Samsung Electronics Co Ltd マイクロヒーターアレイ及びマイクロヒーターアレイを備えたpn接合、並びにその形成方法

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JP2009238732A (ja) * 2008-03-25 2009-10-15 Samsung Electronics Co Ltd マイクロヒーターアレイ及びマイクロヒーターアレイを備えたpn接合、並びにその形成方法

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