JP2008009194A - 液体現像剤および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トナー粒子を記録媒体に低温で、かつ、高速で定着させることができるとともに、記録媒体にトナー粒子を強固に定着させることができ、さらに、環境に優しい液体現像剤を提供すること、このような液体現像剤を用いた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】本発明の液体現像剤は、絶縁性液体中に、主として樹脂材料で構成されたトナー粒子が分散した液体現像剤であって、絶縁性液体は、脂肪酸モノエステルと、脂肪酸トリグリセリドとを含み、脂肪酸モノエステルおよび前記脂肪酸トリグリセリドは、脂肪酸成分として、不飽和脂肪酸を含むものであり、絶縁性液体中における脂肪酸モノエステルの含有量をX[wt%]、脂肪酸トリグリセリドの含有量をY[wt%]としたとき、0.01≦X/Y≦1.0の関係を満足するものであり、樹脂材料は、ガラス転移点Tgが15〜70℃、かつ、軟化温度Tfが80〜140℃のものであることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の液体現像剤は、絶縁性液体中に、主として樹脂材料で構成されたトナー粒子が分散した液体現像剤であって、絶縁性液体は、脂肪酸モノエステルと、脂肪酸トリグリセリドとを含み、脂肪酸モノエステルおよび前記脂肪酸トリグリセリドは、脂肪酸成分として、不飽和脂肪酸を含むものであり、絶縁性液体中における脂肪酸モノエステルの含有量をX[wt%]、脂肪酸トリグリセリドの含有量をY[wt%]としたとき、0.01≦X/Y≦1.0の関係を満足するものであり、樹脂材料は、ガラス転移点Tgが15〜70℃、かつ、軟化温度Tfが80〜140℃のものであることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、液体現像剤および画像形成装置に関するものである。
潜像担持体上に形成した静電潜像を現像するために用いられる現像剤には、顔料等の着色剤および結着樹脂を含む材料で構成されるトナーを乾式状態で用いる乾式トナーによる方法と、トナーを電気絶縁性の担体液(絶縁性液体)に分散した液体現像剤(例えば、特許文献1参照)を用いる方法とがある。
乾式トナーを用いる方法は、固体状態のトナーを取り扱うので、取り扱い上の有利さはあるものの、粉体による人体等への悪影響が懸念されるほか、トナーの飛散による汚れ、トナーを分散した際の均一性等に問題がある。また、乾式トナーでは、粒子の凝集が起こり易く、トナー粒子の大きさを十分に小さくするのが困難であり、解像度の高いトナー画像を形成するのが困難であるという問題がある。また、トナー粒子の大きさを比較的小さなものとした場合には、上述したような粉体であることによる問題が更に顕著なものとなる。
乾式トナーを用いる方法は、固体状態のトナーを取り扱うので、取り扱い上の有利さはあるものの、粉体による人体等への悪影響が懸念されるほか、トナーの飛散による汚れ、トナーを分散した際の均一性等に問題がある。また、乾式トナーでは、粒子の凝集が起こり易く、トナー粒子の大きさを十分に小さくするのが困難であり、解像度の高いトナー画像を形成するのが困難であるという問題がある。また、トナー粒子の大きさを比較的小さなものとした場合には、上述したような粉体であることによる問題が更に顕著なものとなる。
一方、液体現像剤を用いる方法では、液体現像剤中におけるトナー粒子の凝集が効果的に防止されるため、微細なトナー粒子を用いることが可能である。その結果、液体現像剤を用いる方法では、細線画像の再現性が良く、階調再現性が良好で、カラーの再現性に優れているという特徴を有している。また、乾式トナーに比べて、高速での画像形成方法としても優れているという特徴を有している。
しかしながら、従来の液体現像剤で用いられてきた絶縁性液体は、石油系の炭化水素を主とするものであるため、画像形成装置等の外に出た場合に、環境に悪影響を及ぼすことが懸念されていた。
また、通常、液体現像剤では、定着の際にトナー粒子の表面に絶縁性液体が付着している。従来の液体現像剤では、このトナー粒子の表面に付着した絶縁性液体が定着強度を低下させるという問題もあった。
また、トナーの定着強度を向上させるために、比較的高い温度で、長時間加熱してトナー粒子を定着させることも考えられるが、近年の画像形成のさらなる高速化、省エネルギー化という要望を満足させるのが困難であった。
また、通常、液体現像剤では、定着の際にトナー粒子の表面に絶縁性液体が付着している。従来の液体現像剤では、このトナー粒子の表面に付着した絶縁性液体が定着強度を低下させるという問題もあった。
また、トナーの定着強度を向上させるために、比較的高い温度で、長時間加熱してトナー粒子を定着させることも考えられるが、近年の画像形成のさらなる高速化、省エネルギー化という要望を満足させるのが困難であった。
本発明の目的は、トナー粒子を記録媒体に低温で、かつ、高速で定着させることができるとともに、記録媒体にトナー粒子を強固に定着させることができ、さらに、環境に優しい液体現像剤を提供すること、また、このような液体現像剤を用いた画像形成装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液体現像剤は、絶縁性液体中に、主として樹脂材料で構成されたトナー粒子が分散した液体現像剤であって、
前記絶縁性液体は、脂肪酸モノエステルと、脂肪酸トリグリセリドとを含み、
前記脂肪酸モノエステルおよび前記脂肪酸トリグリセリドは、脂肪酸成分として、不飽和脂肪酸を含むものであり、
前記絶縁性液体中における前記脂肪酸モノエステルの含有量をX[wt%]、前記脂肪酸トリグリセリドの含有量をY[wt%]としたとき、0.01≦X/Y≦1.0の関係を満足するものであり、
前記樹脂材料は、ガラス転移点Tgが15〜70℃、かつ、軟化温度Tfが80〜140℃のものであることを特徴とする。
これにより、トナー粒子を記録媒体に低温で、かつ、高速で定着させることができるとともに、記録媒体にトナー粒子を強固に定着させることができ、さらに、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
本発明の液体現像剤は、絶縁性液体中に、主として樹脂材料で構成されたトナー粒子が分散した液体現像剤であって、
前記絶縁性液体は、脂肪酸モノエステルと、脂肪酸トリグリセリドとを含み、
前記脂肪酸モノエステルおよび前記脂肪酸トリグリセリドは、脂肪酸成分として、不飽和脂肪酸を含むものであり、
前記絶縁性液体中における前記脂肪酸モノエステルの含有量をX[wt%]、前記脂肪酸トリグリセリドの含有量をY[wt%]としたとき、0.01≦X/Y≦1.0の関係を満足するものであり、
前記樹脂材料は、ガラス転移点Tgが15〜70℃、かつ、軟化温度Tfが80〜140℃のものであることを特徴とする。
これにより、トナー粒子を記録媒体に低温で、かつ、高速で定着させることができるとともに、記録媒体にトナー粒子を強固に定着させることができ、さらに、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
本発明の液体現像剤では、前記樹脂材料は、ポリエステル樹脂であることが好ましい。
これにより、液体現像剤中でのトナー粒子の分散性を非常に優れたものとしつつ、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を特に優れたものとすることができる。
本発明の液体現像剤では、前記脂肪酸モノエステルは、炭素数が16〜22である不飽和脂肪酸と、炭素数が1〜4であるアルコールとのモノエステルを含むものであることが好ましい。
これにより、記録媒体への液体現像剤の浸透は好適なものとなり、また、酸化重合反応により、液体現像剤がより好適に硬化するため、記録媒体へのトナー粒子の定着特性はより優れたものとなる。
これにより、液体現像剤中でのトナー粒子の分散性を非常に優れたものとしつつ、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を特に優れたものとすることができる。
本発明の液体現像剤では、前記脂肪酸モノエステルは、炭素数が16〜22である不飽和脂肪酸と、炭素数が1〜4であるアルコールとのモノエステルを含むものであることが好ましい。
これにより、記録媒体への液体現像剤の浸透は好適なものとなり、また、酸化重合反応により、液体現像剤がより好適に硬化するため、記録媒体へのトナー粒子の定着特性はより優れたものとなる。
本発明の液体現像剤では、前記脂肪酸モノエステルは、前記脂肪酸トリグリセリドと、炭素数が1〜4であるモノアルコールとのエステル交換反応により生成されたものであることが好ましい。
これにより、液体現像剤の化学的安定性は優れたものとなり、液体現像剤の保存性、長期安定性はさらに優れたものとなる。また、絶縁性液体の粘度を好適なものとし、記録媒体への液体現像剤の浸透をより好適なものとすることができる。
これにより、液体現像剤の化学的安定性は優れたものとなり、液体現像剤の保存性、長期安定性はさらに優れたものとなる。また、絶縁性液体の粘度を好適なものとし、記録媒体への液体現像剤の浸透をより好適なものとすることができる。
本発明の液体現像剤では、前記脂肪酸トリグリセリドは、不飽和脂肪酸成分として炭素数が16〜22である不飽和脂肪酸を含むものであることが好ましい。
これにより、液体現像剤の粘度は好適なものとなり、記録媒体への液体現像剤の定着性がより優れたものとなるとともに、高速での画像形成により好適に用することができる。
本発明の液体現像剤では、25℃において、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される粘度は、50〜1000mPa・sであることが好ましい。
これにより、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を特に優れたものとすることができる。
これにより、液体現像剤の粘度は好適なものとなり、記録媒体への液体現像剤の定着性がより優れたものとなるとともに、高速での画像形成により好適に用することができる。
本発明の液体現像剤では、25℃において、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される粘度は、50〜1000mPa・sであることが好ましい。
これにより、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を特に優れたものとすることができる。
本発明の画像形成装置は、本発明の液体現像剤を用いて、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
前記液体現像剤を貯留する液体現像剤貯留部と、
前記液体現像剤貯留部より供給された前記液体現像剤を用いて現像する現像部と、
前記現像部で形成された像を記録媒体上に転写し、転写像を形成する転写部と、
前記記録媒体上に形成された前記転写像を前記記録媒体上に定着させる定着部とを有することを特徴とする。
これにより、トナー粒子を記録媒体に低温で、かつ、高速で定着させることができるとともに、記録媒体にトナー粒子を強固に定着させることができる。
前記液体現像剤を貯留する液体現像剤貯留部と、
前記液体現像剤貯留部より供給された前記液体現像剤を用いて現像する現像部と、
前記現像部で形成された像を記録媒体上に転写し、転写像を形成する転写部と、
前記記録媒体上に形成された前記転写像を前記記録媒体上に定着させる定着部とを有することを特徴とする。
これにより、トナー粒子を記録媒体に低温で、かつ、高速で定着させることができるとともに、記録媒体にトナー粒子を強固に定着させることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
《液体現像剤》
本発明の液体現像剤は、絶縁性液体中にトナー粒子が分散したものである。
<トナー粒子>
まず、トナー粒子について説明する。
《液体現像剤》
本発明の液体現像剤は、絶縁性液体中にトナー粒子が分散したものである。
<トナー粒子>
まず、トナー粒子について説明する。
[トナー粒子の構成材料]
本発明の液体現像剤を構成するトナー粒子(トナー)は、少なくとも、結着樹脂(樹脂材料)と着色剤とを含むものである。
1.樹脂材料
本発明では、トナー粒子を構成する樹脂材料として、ガラス転移点が15〜70℃で、かつ、軟化温度が、80〜140℃であるものを用いる点に特徴を有している。
本発明の液体現像剤を構成するトナー粒子(トナー)は、少なくとも、結着樹脂(樹脂材料)と着色剤とを含むものである。
1.樹脂材料
本発明では、トナー粒子を構成する樹脂材料として、ガラス転移点が15〜70℃で、かつ、軟化温度が、80〜140℃であるものを用いる点に特徴を有している。
ところで、一般に、ガラス転移点、軟化温度が低い樹脂で構成されたトナー粒子を用いた場合、比較的低温でトナー粒子を定着させることが可能であるが、十分な定着強度を得るのが困難であった。また、このような樹脂材料で構成されたトナー粒子は、凝集しやすいため、十分な画質の画像を形成するのが困難であった。
しかしながら、後に詳述するような絶縁性液体と併用することにより、低温でトナー粒子を定着させることができるとともに、記録媒体へトナー粒子を強固に定着させることができ、かつ、高画質の画像を形成することができる。
しかしながら、後に詳述するような絶縁性液体と併用することにより、低温でトナー粒子を定着させることができるとともに、記録媒体へトナー粒子を強固に定着させることができ、かつ、高画質の画像を形成することができる。
なお、本発明において、トナー粒子を構成する樹脂材料のガラス転移点は、15〜70℃であるが、20〜55℃であるのが好ましく、25〜50℃であるのがより好ましい。これにより、本発明の効果がより顕著なものとなる。
また、本発明において、トナー粒子を構成する樹脂材料の軟化温度は、80〜140℃であるが、85〜130℃であるのが好ましく、90〜120℃であるのがより好ましい。これにより、本発明の効果がより顕著なものとなる。
なお、本明細書で、軟化温度とは、高化式フローテスター(島津製作所製)における測定条件:昇温速度:5℃/min、ダイ穴径1.0mmで規定される軟化開始温度のことを指す。
また、本発明において、トナー粒子を構成する樹脂材料の軟化温度は、80〜140℃であるが、85〜130℃であるのが好ましく、90〜120℃であるのがより好ましい。これにより、本発明の効果がより顕著なものとなる。
なお、本明細書で、軟化温度とは、高化式フローテスター(島津製作所製)における測定条件:昇温速度:5℃/min、ダイ穴径1.0mmで規定される軟化開始温度のことを指す。
本発明においては、樹脂(バインダー樹脂)は、上記のような性質を有するものであれば、特に限定されず、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられる。これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。上述した中でも、ポリエステル樹脂を用いた場合、液体現像剤中でのトナー粒子の分散性を特に優れたものとすることができる。これは、ポリエステル樹脂と、後に詳述する絶縁性液体との化学構造の類似性によるもののであると考えられる。
2.着色剤
また、トナーは、着色剤を含んでいる。着色剤としては、例えば、顔料、染料等を使用することができる。このような顔料、染料としては、例えば、カーボンブラック、スピリットブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)、マグネタイト、チタンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、カルコオイルブルー、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ファイナルイエローグリーンG、ローダミン6G、キナクリドン、ローズベンガル(C.I.No.45432)、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー5:1、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー162、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、トナーは、着色剤を含んでいる。着色剤としては、例えば、顔料、染料等を使用することができる。このような顔料、染料としては、例えば、カーボンブラック、スピリットブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)、マグネタイト、チタンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、カルコオイルブルー、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ファイナルイエローグリーンG、ローダミン6G、キナクリドン、ローズベンガル(C.I.No.45432)、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー5:1、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー162、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
3.その他の成分
また、トナーは、上記以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、ワックス、帯電制御剤、磁性粉末等が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシン、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックス等の炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、キャンデリラワックス、綿ロウ、木ロウ、ミツロウ、ラノリン、モンタンワックス、脂肪酸エステル等のエステル系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド等のアミド系ワックス、ラウロン、ステアロン等のケトン系ワックス、エーテル系ワックス等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、トナーは、上記以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、ワックス、帯電制御剤、磁性粉末等が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシン、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックス等の炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、キャンデリラワックス、綿ロウ、木ロウ、ミツロウ、ラノリン、モンタンワックス、脂肪酸エステル等のエステル系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド等のアミド系ワックス、ラウロン、ステアロン等のケトン系ワックス、エーテル系ワックス等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
帯電制御剤としては、例えば、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、ニグロシン染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩素化ポリエステル、ニトロフニン酸等が挙げられる。
磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
また、混練物の構成材料(成分)としては、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、脂肪酸、脂肪酸金属塩等を用いてもよい。
磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
また、混練物の構成材料(成分)としては、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、脂肪酸、脂肪酸金属塩等を用いてもよい。
[トナー粒子の形状]
上記のような材料で構成されたトナー粒子の平均粒径は、0.1〜5μmであるのが好ましく、0.1〜4μmであるのがより好ましく、0.5〜3μmであるのがさらに好ましい。トナー粒子の平均粒径が前記範囲内の値であると、各トナー粒子間での特性のばらつきを特に小さいものとし、液体現像剤全体としての信頼性を特に高いものとしつつ、液体現像剤(トナー)により形成される画像の解像度を十分に高いものとすることができる。
上記のような材料で構成されたトナー粒子の平均粒径は、0.1〜5μmであるのが好ましく、0.1〜4μmであるのがより好ましく、0.5〜3μmであるのがさらに好ましい。トナー粒子の平均粒径が前記範囲内の値であると、各トナー粒子間での特性のばらつきを特に小さいものとし、液体現像剤全体としての信頼性を特に高いものとしつつ、液体現像剤(トナー)により形成される画像の解像度を十分に高いものとすることができる。
また、液体現像剤を構成するトナー粒子間での粒径の標準偏差は、1.0μm以下であるのが好ましく、0.1〜1.0μmであるのがより好ましく、0.1〜0.8μmであるのがさらに好ましい。これにより、各トナー粒子間での特性のばらつきが特に小さくなり、液体現像剤全体としての信頼性がさらに向上する。
また、液体現像剤を構成するトナー粒子についての下記式(I)で表される円形度Rの平均値(平均円形度)は、0.85以上であるのが好ましく、0.90〜0.99であるのがより好ましく、0.92〜0.99であるのがさらに好ましい。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
これにより、トナー粒子の粒径を十分に小さいものとしつつ、トナー粒子の転写効率、機械的強度を特に優れたものとすることができる。
また、液体現像剤を構成するトナー粒子間での平均円形度の標準偏差は、0.15以下であるのが好ましく、0.001〜0.10であるのがより好ましく、0.001〜0.05であるのがさらに好ましい。これにより、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等の特性のばらつきが特に小さくなり、液体現像剤全体としての信頼性がさらに向上する。
また、液体現像剤を構成するトナー粒子間での平均円形度の標準偏差は、0.15以下であるのが好ましく、0.001〜0.10であるのがより好ましく、0.001〜0.05であるのがさらに好ましい。これにより、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等の特性のばらつきが特に小さくなり、液体現像剤全体としての信頼性がさらに向上する。
<絶縁性液体>
次に、絶縁性液体について説明する。
本発明において、絶縁性液体は、脂肪酸成分として不飽和脂肪酸を含んだ、脂肪酸モノエステル、脂肪酸トリグリセリドを含むものである。
ところで、従来の液体現像剤では、使用時等における画像形成装置外への絶縁性液体の漏出(例えば、定着時における絶縁性液体の揮発等)や、使用済液体現像剤の廃棄等による絶縁性液体の環境に対する影響が懸念されていた。また、従来の液体現像剤ではトナー粒子の表面に付着した絶縁性液体の存在により、トナー粒子の記録媒体への定着性が阻害される(定着強度が低下する)という問題点があった。
これに対して、本発明の絶縁性液体で用いられる脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドは、いずれも環境にやさしい成分である。したがって画像形成装置外への絶縁性液体の漏出や、使用済液体現像剤の廃棄などによる絶縁性液体の環境への負荷を低減することができる。その結果、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
次に、絶縁性液体について説明する。
本発明において、絶縁性液体は、脂肪酸成分として不飽和脂肪酸を含んだ、脂肪酸モノエステル、脂肪酸トリグリセリドを含むものである。
ところで、従来の液体現像剤では、使用時等における画像形成装置外への絶縁性液体の漏出(例えば、定着時における絶縁性液体の揮発等)や、使用済液体現像剤の廃棄等による絶縁性液体の環境に対する影響が懸念されていた。また、従来の液体現像剤ではトナー粒子の表面に付着した絶縁性液体の存在により、トナー粒子の記録媒体への定着性が阻害される(定着強度が低下する)という問題点があった。
これに対して、本発明の絶縁性液体で用いられる脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドは、いずれも環境にやさしい成分である。したがって画像形成装置外への絶縁性液体の漏出や、使用済液体現像剤の廃棄などによる絶縁性液体の環境への負荷を低減することができる。その結果、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
また、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドに含まれる不飽和脂肪酸成分は、トナー粒子の記録媒体への定着性向上に寄与することができる成分である。より詳しく説明すると、不飽和脂肪酸成分は、酸化されることにより(定着時に酸化されることにより)、重合反応が進行し、それ自体が硬化することによって、トナー粒子の定着性を向上させる機能を有する成分である。したがって、前述したようなガラス転移点および軟化温度が低い樹脂材料で構成されたトナー粒子であっても、記録媒体に対して強固に定着させることができる。言い換えると、トナー粒子は、前述したようなガラス転移点および軟化温度が低い樹脂材料で構成されているため、比較的低い定着温度で定着させることができる。そして、トナー粒子とともに記録媒体上に移行した絶縁性液体(不飽和脂肪酸成分)が定着時の加熱で酸化重合反応して硬化し、定着したトナー粒子の表面を覆うため、前述したようなガラス転移点および軟化温度の低い樹脂材料で構成されたトナー粒子であっても、記録媒体上に強固に定着させることができる。また、不飽和脂肪酸成分が硬化することにより、定着したトナー画像に対して、水性ボールペンでの追記を容易かつ確実に行うことができる。
特に、本発明のように、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドを含む絶縁性液体を用いることにより、記録媒体に対してトナー粒子を低温で定着できるとともに、特に優れた定着強度を示すものとなる。これは、以下のように説明することができる。一般に、脂肪酸モノエステルと、脂肪酸トリグリセリドとでは、脂肪酸モノエステルのほうが、粘度が低い性質を有する。さらに、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドは、絶縁性液体中の脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドの含有比率を調整することにより、絶縁性液体、液体現像剤、ともに適度な粘度とすることができ、液体現像剤の記録媒体内への浸透を好適なものとすることができる。さらに、絶縁性液体中の不飽和脂肪酸成分の酸化により、トナー粒子を含んだ状態で、絶縁性液体が硬化するため、トナー粒子が前述したようなガラス転移点および軟化温度が低い樹脂材料で構成されたものであっても、硬化した液体現像剤と記録媒体とのアンカー効果により、トナー粒子を記録媒体へ強固に定着させることができる。
また、脂肪酸トリグリセリドは、グリセリン1分子と脂肪酸3分子とで構成されるトリエステルである。通常、脂肪酸モノエステルのみで、酸化重合により生成される重合生成物に比べ、脂肪酸モノエステルに脂肪酸トリグリセリドを加えたものの重合生成物の方が、より大きな分子量になりやすい。そのため、脂肪酸トリグリセリドを含む絶縁性液体では、重合生成物の分子量がより大きくなるため、記録媒体と、硬化した液体現像剤とのアンカー効果はより大きいものとなり、記録媒体へのトナー粒子の定着強度は優れたものとなる。また、脂肪酸モノエステルに脂肪酸トリグリセリドを加えたものの重合生成物は、硬化するまでの時間が短い。そのため、脂肪酸トリグリセリドを含む絶縁性液体では、脂肪酸エステルとして、脂肪酸モノエステルのみで構成された絶縁性液体よりも、液体状態から固体になる(硬化)までの時間が短くてすむため、高速での画像形成に好適に適用することができる。これに対して、絶縁性液体中、脂肪酸モノエステルを含まず、脂肪酸エステルとして、脂肪酸トリグリセリドのみで構成されたものである場合、重合生成物の分子量を大きくすることができるが、記録媒体内への液体現像剤の浸透が不十分となり、上記に挙げた、記録媒体へのトナー粒子の定着強度を優れたものとすることができない。また、高速での画像形成に適応することが困難となる。
さらに、脂肪酸モノエステルと、脂肪酸トリグリセリドとを含む絶縁性液体では、重合反応後に生成される重合生成物の機械的強度が増すため、記録媒体へのトナー粒子の定着強度は特に優れたものとなる。これは、酸化重合過程において、脂肪酸トリグリセリドが複数の脂肪酸成分を含むため、脂肪酸モノエステルの脂肪酸成分、および他の脂肪酸トリグリセリドの脂肪酸成分との絡み合いが起こり易くなるためだと考えられる。
また、脂肪酸モノエステルと、脂肪酸トリグリセリドとを含む絶縁性液体を使用することを特徴とする本発明の液体現像剤では、トナー粒子の分散性を特に高いものとし、液体現像剤の保存性、長期安定性を優れたものとすることができる。これは、以下のように説明することができる。脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドはトナー粒子の主成分である樹脂材料との親和性に優れている。特に、トリエステルである脂肪酸トリグリセリドは、粘度が高く、脂肪酸成分を複数もつ構造を有することから、トナー粒子表面への吸着性に優れており、トナー粒子の分散媒としての性格をもちつつも、分散剤としての効果も有していると考えられる。そのため、脂肪酸トリグリセリドの一部がトナー粒子表面に吸着した状態で、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドを含む絶縁性液体中に存在し、トナー粒子同士の凝集(ブロッキング)が効果的に防止されるので、上記の効果が得られると考えられる。
また、従来の液体現像剤で用いられてきた石油系の炭化水素(主にイソパラフィン系溶剤)等で構成された絶縁性液体では、定着時に排除しなければ、記録媒体へのトナー粒子の定着特性は悪化するのに対して、本発明の液体現像剤で用いられる脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドを含む絶縁性液体では、定着時に絶縁性液体自体が硬化することによって、記録媒体へのトナー粒子の定着特性をより優れたものとしている。
また、本発明に用いられるポリエステル、スチレン−アクリル共重合体等の樹脂材料に対しては、植物油を絶縁性液体として用いた場合、植物油を構成する脂肪酸成分(主として脂肪酸トリグリセリド)が、定着過程において樹脂粒子に浸透し、可塑剤効果を発現する。この可塑剤効果により、例えば、記録媒体として紙を用いた場合には、トナー粒子が紙繊維の隙間に入り込み易くなるため、紙とトナー粒子との定着特性が向上する。このような脂肪酸成分で構成される絶縁性液体の中でも、特に、脂肪酸モノエステルを含有する絶縁性液体は、定着特性に優れている。これは、一般的に、脂肪酸モノエステルの方が脂肪酸トリグリセリドに比べて、分子量が低く、定着過程で容易に樹脂粒子中に取り込まれるため、可塑剤効果を発現しやすくなるからであると考えられる。
また、トナー粒子を構成する樹脂材料として、ポリエステル樹脂を用いた場合、前述したように脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドを含む絶縁性液体との親和性が特に良好であるため、液体現像剤中でのトナー粒子の分散性を非常に優れたものとしながらも、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を特に優れたものとすることができる。
また、トナー粒子を構成する樹脂材料として、ポリエステル樹脂を用いた場合、前述したように脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドを含む絶縁性液体との親和性が特に良好であるため、液体現像剤中でのトナー粒子の分散性を非常に優れたものとしながらも、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を特に優れたものとすることができる。
また、本発明において、絶縁性液体は、絶縁性液体中に脂肪酸モノエステルの含有量をX[wt%]、脂肪酸トリグリセリドの含有量をY[wt%]としたとき、0.01≦X/Y≦1.0の関係を満足するものである。このような関係を満足することにより、絶縁性液体の粘度が適度なものとなり、絶縁性液体の記録媒体への浸透性が向上する。その結果、前述したような不飽和脂肪酸成分の硬化によるアンカー効果がより顕著に発揮され、記録媒体へトナー粒子の定着強度を特に優れたものとすることができる。これに対して、X/Yの値が前記下限値未満であると、液体現像剤の粘度を好適なものとすることができず、記録媒体中への液体現像剤の浸透が不十分となる。その結果、十分な定着強度を得るのが困難となる。一方、X/Yの値が前記上限値を超えると、液体現像剤を現像剤容器より塗布ローラで汲み出すことが困難となるため、記録媒体に対して、トナー粒子を均一に定着することができず、得られる画像がムラのあるものとなってしまう可能性がある。さらに、部材の構成材料によっては、画像形成装置内の液体現像剤と触れる部材が、膨潤し、画像形成装置の寿命が著しく低下する可能性がある。
このように、本発明において、絶縁性液体は、絶縁性液体中に脂肪酸モノエステルの含有量をX[wt%]、脂肪酸トリグリセリドの含有量をY[wt%]としたとき、0.01≦X/Y≦1.0の関係を満足するものであるが、0.1≦X/Y≦1.0の関係を満足するものであるのがより好ましく、0.25≦X/Y≦1.0の関係を満足するものであるのがさらに好ましい。これにより、本発明の効果をより顕著なものとすることができる。
[脂肪酸モノエステル]
本発明において、絶縁性液体中の脂肪酸モノエステルは、脂肪酸とアルコールとの間のモノエステルであり、脂肪酸成分として不飽和脂肪酸を含むものである。
絶縁性液体中に脂肪酸モノエステルを含むことにより、記録媒体への液体現像剤の浸透は好適なものとなり、また高速での画像形成に好適に適応することができる。さらに、脂肪酸モノエステルと、後述する脂肪酸トリグリセリドとを含む絶縁性液体を用いることにより、記録媒体へのトナー粒子の定着特性は優れたものとなる。
本発明において、絶縁性液体中の脂肪酸モノエステルは、脂肪酸とアルコールとの間のモノエステルであり、脂肪酸成分として不飽和脂肪酸を含むものである。
絶縁性液体中に脂肪酸モノエステルを含むことにより、記録媒体への液体現像剤の浸透は好適なものとなり、また高速での画像形成に好適に適応することができる。さらに、脂肪酸モノエステルと、後述する脂肪酸トリグリセリドとを含む絶縁性液体を用いることにより、記録媒体へのトナー粒子の定着特性は優れたものとなる。
このような脂肪酸モノエステルは、不飽和脂肪酸成分として、炭素数が16〜22である不飽和脂肪酸を含んでいるものが好ましい。これにより、記録媒体への液体現像剤の浸透は好適なものとなり、また、酸化重合反応により、液体現像剤がより好適に硬化するため、記録媒体へのトナー粒子の定着特性はより優れたものとなる。上記の条件を満たす不飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)や、これらの共役不飽和脂肪酸等が挙げられる。
また、脂肪酸モノエステルの脂肪酸成分は、主として不飽和脂肪酸であるが、一部に飽和脂肪酸を含んでいてもよい。このように飽和脂肪酸成分を含んでいる場合、絶縁性液体の保存性、長期安定性をさらに優れたものとすることができる。このような飽和脂肪酸としては、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等が挙げられる。
また、脂肪酸モノエステルは脂肪酸とアルコールとの間のモノエステルであるが、このアルコールは、炭素数が1〜4のアルキルアルコールであるのが好ましい。これにより、液体現像剤の化学的安定性は優れたものとなり、液体現像剤の保存性、長期安定性はさらに優れたものとなる。また、絶縁性液体の粘度を好適なものとし、記録媒体への液体現像剤の浸透をより好適なものとすることができる。このようなアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。
本発明の絶縁性液体は、上記のような脂肪酸、およびアルコールとのエステル交換反応により生成されるものから選択される1種または2種以上を組み合わせた脂肪酸モノエステルを含んでいる。
特に、絶縁性液体中における脂肪酸モノエステルが、後述する脂肪酸トリグリセリドと炭素数が1〜4であるモノアルコールとのエステル交換反応により生成されたものであるのが好ましい。これにより、脂肪酸モノエステルと後述する脂肪酸トリグリセリドとの親和性が、さらに高くなるため、絶縁性液体の粘度は好適なものとなり、記録媒体中への液体現像剤の浸透を、より優れたものとする。これにより、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を優れたものとし、高速での画像形成に適応した液体現像剤として、好適に適用することができる。
特に、絶縁性液体中における脂肪酸モノエステルが、後述する脂肪酸トリグリセリドと炭素数が1〜4であるモノアルコールとのエステル交換反応により生成されたものであるのが好ましい。これにより、脂肪酸モノエステルと後述する脂肪酸トリグリセリドとの親和性が、さらに高くなるため、絶縁性液体の粘度は好適なものとなり、記録媒体中への液体現像剤の浸透を、より優れたものとする。これにより、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を優れたものとし、高速での画像形成に適応した液体現像剤として、好適に適用することができる。
また、絶縁性液体中における脂肪酸モノエステルの含有量は、1.0〜50wt%であるのが好ましく、10〜50wt%であるのがより好ましく、20〜50wt%であるのがさらに好ましい。絶縁性液体中の脂肪酸モノエステルの含有量が前記下限値未満であると、液体現像剤の粘度を好適なものとするのが困難となる場合があり、記録媒体中への液体現像剤(絶縁性液体)の浸透が不十分となるとともに、絶縁性液体の酸化重合反応を好適に進行させることが困難となる場合がある。その結果、記録媒体へのトナー粒子の定着特性が不十分となる場合がある。一方、前記上限値を超えると、後述するような画像形成装置において、液体現像剤を現像剤容器より塗布ローラで汲み出すことが困難となる場合があり、記録媒体に対して、トナー粒子を均一に定着することができず、得られる画像がムラのあるものとなってしまう場合がある。さらに、部材の構成材料によっては、画像形成装置内の液体現像剤と触れる部材が、膨潤し、画像形成装置の寿命が著しく低下する可能性がある。
[脂肪酸トリグリセリド]
本発明において、絶縁性液体中の脂肪酸トリグリセリドは、脂肪酸とグリセリンとの間のトリエステル(トリグリセリド)であり、脂肪酸成分として不飽和脂肪酸を含むものである。
絶縁性液体中に脂肪酸トリグリセリドを含むことにより、記録媒体へのトナー粒子の定着特性は優れたものとなる。また、脂肪酸トリグリセリドと、前述した脂肪酸モノエステルを含む絶縁性液体を用いることにより、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を優れたものとしつつ、高速での画像形成に好適な液体現像剤を提供することができる。
本発明において、絶縁性液体中の脂肪酸トリグリセリドは、脂肪酸とグリセリンとの間のトリエステル(トリグリセリド)であり、脂肪酸成分として不飽和脂肪酸を含むものである。
絶縁性液体中に脂肪酸トリグリセリドを含むことにより、記録媒体へのトナー粒子の定着特性は優れたものとなる。また、脂肪酸トリグリセリドと、前述した脂肪酸モノエステルを含む絶縁性液体を用いることにより、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を優れたものとしつつ、高速での画像形成に好適な液体現像剤を提供することができる。
絶縁性液体中における脂肪酸トリグリセリドは、炭素数が16〜22である不飽和脂肪酸成分を含んでいることが好ましい。この条件を満たす脂肪酸トリグリセリドを含む絶縁性液体では、前述した脂肪酸モノエステルと、上記条件を満たす脂肪酸トリグリセリドとが所定の割合で含まれることにより、液体現像剤の粘度は好適なものとなり、記録媒体への液体現像剤の定着性がより優れたものとなるとともに、高速での画像形成により好適に用することができる。また、上記の条件を満たす不飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)や、これらの共役不飽和脂肪酸等が挙げられる。
上述したような不飽和脂肪酸成分を含む脂肪酸トリグリセリドは、前述した樹脂材料(特に、ポリエステル樹脂)、および脂肪酸モノエステル(特に、不飽和脂肪酸モノエステル)との親和性が高い。したがって、不飽和脂肪酸成分を含む脂肪酸トリグリセリドを含む絶縁性液体の粘度は好適なものとなり、記録媒体中への液体現像剤の浸透を、より好適なものとする。これにより、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を優れたものとし、高速での画像形成に適応した液体現像剤として、好適に適用することができる。
また、脂肪酸トリグリセリドが、脂肪酸成分として飽和脂肪酸を少なくとも1分子でも有するものを一部に含む場合、液体現像剤の化学的安定性や電気絶縁性を高く保つことができるため、液体現像剤の化学的変化を防止し、電気抵抗を高く維持することができ、液体現像剤の保存性、長期安定性を向上させることができる。このような飽和脂肪酸としては、例えば、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等が挙げられる。
上記のような脂肪酸トリグリセリドは、例えば、菜種油、大豆油、サフラワー油、ヒマワリ油、亜麻仁油、綿実油、脱水ひまし油等の植物由来の油脂や、ニシン油、イワシ油等の動物由来の油脂等、天然由来の油脂から効率良く得ることができる。
上記のような脂肪酸トリグリセリドは、例えば、菜種油、大豆油、サフラワー油、ヒマワリ油、亜麻仁油、綿実油、脱水ひまし油等の植物由来の油脂や、ニシン油、イワシ油等の動物由来の油脂等、天然由来の油脂から効率良く得ることができる。
絶縁性液体中における脂肪酸トリグリセリドの含有量は、50〜99wt%であるのが好ましく、50〜90wt%であるのがより好ましく、50〜80wt%であるのがさらに好ましい。絶縁性液体中における脂肪酸トリグリセリドの含有量が前記下限値未満であると、後述するような画像形成装置において、液体現像剤を現像剤容器より塗布ローラで汲み出すことが困難となる場合があり、記録媒体に対して、トナー粒子を均一に定着することができず、得られる画像がムラのあるものとなってしまう場合がある。一方、絶縁性液体中における脂肪酸トリグリセリドの含有量が前記上限値を超えると、記録媒体中への液体現像剤(絶縁性液体)の浸透が不十分となるとともに、絶縁性液体の酸化重合反応を好適に進行させることが困難となる場合がある。
前述したように、本発明においては、絶縁性液体中に、脂肪酸モノエステルと、脂肪酸トリグリセリドとを含む点に特徴を有し、これにより、優れた効果が得られる。これに対し、絶縁性液体中に、脂肪酸モノエステル、脂肪酸トリグリセリドのうちのいずれか一方のみしか含まれていない場合には、本発明の効果は得られない。すなわち、絶縁性液体中に脂肪酸モノエステルが含まれない場合には、絶縁性液体のトナー粒子に対する可塑剤効果が不十分となり、トナー粒子が紙繊維中に入り込みづらくなる。さらに、絶縁性液体の粘度が高くなるので、キャリア液(絶縁性液体)の紙への浸透が遅れ、酸化重合反応に必要な酸素を十分に取り込めない。結果として、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を十分なものとすることができない。また、液体現像剤中のトナー粒子の分散性が悪化するため、液体現像剤の安定性、長期保存性を十分なものとすることができない。一方、絶縁性液体中に脂肪酸トリグリセリドが含まれない場合には、記録媒体へのトナー粒子の定着特性は十分に保たれるが、一般的に、脂肪酸モノエステルの分子量は、脂肪酸トリグリセリドの分子量よりも低いため、絶縁性液体が現像ローラ、ブレード等の各種部材に浸透し、膨潤あるいは浸食をしやすくなり、液体現像剤装置の部材の選定が困難となる。また、粘度が低くなりすぎてしまい、画像形成装置において、液体現像剤を、現像剤容器より塗布ローラで汲み出すことが困難となり、得られる画像がムラのあるものとなってしまう。また、画像形成装置内の液体現像剤と触れる部材が、膨潤し、画像形成装置の寿命が著しく低下する可能性もある。
また、絶縁性液体は、上述した脂肪酸モノエステル、脂肪酸トリグリセリド以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、絶縁性液体中において、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドを構成する脂肪酸が独立して存在していてもよい。また、エチレングリコール、プロピレングリコール等に代表されるジオールと脂肪酸とのジエステル(ジグリセリド)を含むものであってもよい。さらに、グリセリン1分子と脂肪酸2分子とで構成されるジエステル(ジグリセリド)、または、グリセリン1分子に脂肪酸1分子とで構成されるモノエステル(モノグリセリド)を含むものであってもよい。絶縁性液体がこれらの成分を含んでいても、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を優れたものとしつつ、高速での画像形成に優れた液体現像剤を提供することができる。
また、液体現像剤(絶縁性液体)中には、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドに含まれる不飽和脂肪酸成分の酸化を防止・抑制する機能を有する酸化防止剤が含まれていてもよい。これにより、液体現像剤中における不飽和脂肪酸成分の不本意な酸化を防止することができる。その結果、液体現像剤(絶縁性液体)の経時的な劣化等を防止することができ、長期間にわたって、トナー粒子の分散性、記録媒体に対する定着性等を、特に優れたものとすることができる。すなわち、液体現像剤の長期安定性(保存安定性)を特に優れたものとすることができる。
上述したような酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール、d−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、酢酸−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、α−トコフェロール等のビタミンE、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩類、アスコルビン酸ステアリン酸エステル等のビタミンC、緑茶抽出物、生コーヒー抽出物、セサモール、セサミノール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述した中でも、ビタミンEを用いた場合、以下のような効果が得られる。すなわち、ビタミンEは、環境に優しい成分であるとともに、それ自身が酸化されて生じる物質の液体現像剤へ与える影響が小さい成分であるから、液体現像剤をより環境に優しいものとすることができる。また、ビタミンEは、前述した脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドへの分散性が高いことから、酸化防止剤として好適に用いることができる。また、ビタミンEと、前述した脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドとを併用することにより、絶縁性液体とトナー粒子との親和性をさらに向上させることができる。その結果、液体現像剤の保存性、記録媒体に対するトナー粒子の定着性等が特に優れたものとなる。
また、上述した中でも、ビタミンCを用いた場合、以下のような効果が得られる。すなわち、前述したビタミンEと同様に、ビタミンCは、環境に優しい成分であるとともに、それ自身が酸化されて生じる物質の液体現像剤へ与える影響が小さい成分であるから、液体現像剤をより環境に優しいものとすることができる。また、ビタミンCの分子量は、他の酸化防止剤よりも比較的低く、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドへの分散性をより高いものとし、酸化防止剤として好適に用いることができる。さらに、ビタミンCは、熱分解温度が比較的低いため、液体現像剤の保存時等(画像形成装置のアイドリング時等を含む)においては、酸化防止剤としての機能を十分に発揮させることができるとともに、定着時においては、酸化防止剤としての機能を低下させ、不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応を促進させることができる。
酸化防止剤の熱分解温度は、定着時における定着温度以下であるのが好ましい。これにより、液体現像剤の保存時等において、絶縁性液体の劣化を効果的に防止するとともに、定着時においては、トナー粒子の表面に付着した絶縁性液体中の酸化防止剤を熱分解させ、不飽和脂肪酸成分を効果的に硬化(酸化重合反応)させることができ、記録媒体に対するトナー粒子の定着性を十分に優れたものとすることができる。
酸化防止剤の熱分解温度は、具体的には、200℃以下であるのが好ましく、180℃以下であるのがより好ましい。これにより、酸化防止剤としての機能を十分に保持しつつ、トナー粒子の定着強度をより効果的に向上させることができる。
酸化防止剤の熱分解温度は、具体的には、200℃以下であるのが好ましく、180℃以下であるのがより好ましい。これにより、酸化防止剤としての機能を十分に保持しつつ、トナー粒子の定着強度をより効果的に向上させることができる。
絶縁性液体中における前記酸化防止剤の含有量は、絶縁性液体100重量部に対して、0.01〜15重量部であるのが好ましく、0.1〜7重量部であるのがより好ましく、1〜7重量部であるのがより好ましい。これにより、液体現像剤の保存時等における不飽和脂肪酸成分の酸化による劣化を、より確実に防止しつつ、必要時(定着時)において不飽和脂肪酸成分の硬化(酸化重合反応)を効率良く進行させることができる。
また、液体現像剤中には、上述した脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドに含まれる不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応(硬化反応)を促進する酸化重合促進剤(硬化促進剤)が含まれていてもよい。これにより、必要時(定着時)において、不飽和脂肪酸成分を効果的に酸化重合(硬化)させることができる。その結果、記録媒体へのトナー粒子の定着強度を特に優れたものとすることができる。
液体現像剤中に酸化重合促進剤が含まれる場合、当該酸化重合促進剤は、特に限定されないが、保存時等(画像形成装置のアイドリング時等を含む)においては、実質的に、不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応に寄与せず、必要時(定着時)において不飽和脂肪酸成分の酸化重合(硬化)反応に寄与するものであるのが好ましい。これにより、液体現像剤の保存性(長期安定性)を優れたものとしつつ、記録媒体へのトナー粒子の定着強度を特に優れたものとすることができる。
このような酸化重合促進剤としては、例えば、加熱条件下で不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応(硬化反応)を促進する機能を有し、室温付近では実質的に不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応(硬化反応)を促進する機能を有さない物質、すなわち、不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応(硬化反応)における活性化エネルギーが比較的高い物質を用いることができる。
このような物質(酸化重合促進剤)としては、例えば、各種の脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。このような物質(酸化重合促進剤)を用いることにより、保存時等における液体現像剤の安定性を保持しつつ、定着の際に効果的に不飽和脂肪酸成分の酸化重合を進行させることができる。特に、脂肪酸金属塩は、定着時に酸素を供給することにより、不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応を促進することができるため、定着時等の加熱時において酸化重合反応を効果的に促進することができる。したがって、保存時等においては酸化重合反応が生じるのをより確実に防止しつつ、定着時等において酸化重合反応をより効果的に促進することができる。また、脂肪酸金属塩は、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドへの分散性が高いから、絶縁性液体中において均一に分散させることができ、その結果、定着時において、酸化重合反応を全体的に効率良く進行させることができる。
このような脂肪酸金属塩としては、例えば、樹脂酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩等)、リノレン酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩等)、オクチル酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩、カルシウム塩等)、ナフテン酸金属塩(例えば、亜鉛塩、カルシウム塩等)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、酸化重合促進剤は、カプセル化された状態で、絶縁性液体中に含まれるものであってもよい。これにより、上記と同様に、酸化重合促進剤を、保存時等(画像形成装置のアイドリング時等を含む)においては、実質的に、不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応に寄与せず、必要時において脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドに含まれる不飽和脂肪酸成分の酸化重合(硬化)反応に寄与するものとすることができる。すなわち、液体現像剤の保存時等における酸化重合反応をより確実に防止するとともに、定着時においては、カプセルが定着時の圧力等によって潰れることにより、酸化重合促進剤と不飽和脂肪酸成分とが接触し、不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応を確実に進行させることができる。また、このような構成であると、酸化重合促進剤の材料の選択の幅が広がる。言い換えると、反応性の高い酸化重合促進剤(比較的低温で不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応に寄与する酸化重合促進剤)であっても好適に用いることができ、記録媒体へのトナー粒子の定着強度を特に優れたものとすることができる。
絶縁性液体中における酸化重合促進剤の含有量は、絶縁性液体100重量部に対して、0.01〜15重量であるのが好ましく、0.05〜7重量部であるのがより好ましく、0.1〜5重量部であるのがより好ましい。これにより、液体現像剤の保存時等における酸化重合反応を十分に防止しつつ、定着時において不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応をより確実に進行させることができる。
上述したような絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は、1×109Ωcm以上であるのが好ましく、1×1011Ωcm以上であるのがより好ましく、1×1013Ωcm以上であるのがさらに好ましい。
また、絶縁性液体の誘電率は、3.5以下であるのが好ましい。
上述したような絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は、1×109Ωcm以上であるのが好ましく、1×1011Ωcm以上であるのがより好ましく、1×1013Ωcm以上であるのがさらに好ましい。
また、絶縁性液体の誘電率は、3.5以下であるのが好ましい。
また、絶縁性液体のヨウ素価は、特に限定されないが、80〜220であるのが好ましく、90〜200であるのがより好ましい。これにより、絶縁性液体の化学的な劣化を十分に防止しつつ、酸化重合反応を効率良く進行させることができ、トナー粒子を記録媒体に定着した際の定着強度をより向上させることができる。また、トナー材料との親和性をより高いものとすることができ、その結果、液体現像剤の保存性をより高いものとすることができる。
なお、上述したような各成分で構成された液体現像剤(本発明の液体現像剤)の粘度(25℃において、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される粘度)は、50〜1000mPa・sであるのが好ましく、100〜900mPa・sであるのがより好ましく、150〜800mPa・sであるのがさらに好ましい。これにより、記録媒体中への液体現像剤の浸透はより好適なものとなるため、記録媒体へのトナー粒子の定着特性はより優れたものとなるとともに、記録媒体に得られる画像が、ムラのない鮮明なものとなり、かつ、高速での画像形成に適応した液体現像剤として、特に適したものとなる。しかしながら、脂肪酸モノエステルを含まない場合には、絶縁性液体の粘度が高くなりすぎてしまい、トナー粒子表面に多量の絶縁性液体が付着した状態で、記録媒体へと定着してしまう。このようにトナー粒子表面に多量に絶縁性液体が存在すると、粘度の高い絶縁性液体は、記録媒体中に浸透しにくいため、記録媒体へのトナー粒子の定着特性が悪化し、高速での画像形成も困難となる可能性がある。また、脂肪酸トリグリセリドを含まない場合には、絶縁性液体の粘度が低くなりすぎてしまい、例えば、後述するような画像形成装置において、液体現像剤を、現像剤容器より塗布ローラで汲み出すことが困難となり、記録媒体に対して、トナー粒子を均一に定着することができず、得られる画像にムラが生じ、また、画像濃度が薄いものとなり、さらには、記録媒体へのトナー粒子の定着特性が不十分なものとなってしまう可能性がある。
《液体現像剤の製造方法》
次に本発明の液体現像剤の製造方法の一例について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、水系乳化液の調製に用いる混練物を製造するための混練機、冷却機の構成の一例を模式的に示す縦断面図、図2は、本発明の液体現像剤の製造に用いられる乾燥微粒子製造装置の好適な実施形態を模式的に示す縦断面図、図3は、図2に示す乾燥微粒子製造装置のヘッド部付近の拡大断面図である。以下、図1中、左側を「基端」、右側を「先端」として説明する。
次に本発明の液体現像剤の製造方法の一例について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、水系乳化液の調製に用いる混練物を製造するための混練機、冷却機の構成の一例を模式的に示す縦断面図、図2は、本発明の液体現像剤の製造に用いられる乾燥微粒子製造装置の好適な実施形態を模式的に示す縦断面図、図3は、図2に示す乾燥微粒子製造装置のヘッド部付近の拡大断面図である。以下、図1中、左側を「基端」、右側を「先端」として説明する。
本発明の液体現像剤は、いかなる方法を用いて製造されたものであってもよいが、本実施形態に係る液体現像剤の製造方法は、分散媒中に前述したようなトナー材料で構成された分散質が分散した分散液を得る分散液調製工程と、分散媒を除去して、乾燥微粒子を得る分散媒除去工程と、乾燥微粒子を絶縁性液体中に分散させる分散工程とを有する。
本実施形態では、分散液として、水系液体で構成された水系分散媒に分散質が分散した水系分散液を用いた場合について説明する。水系分散液を用いることにより、環境に優しい方法で液体現像剤を提供することができる。
本実施形態では、分散液として、水系液体で構成された水系分散媒に分散質が分散した水系分散液を用いた場合について説明する。水系分散液を用いることにより、環境に優しい方法で液体現像剤を提供することができる。
水系分散液は、いかなる方法で調製されたものであってもよいが、本実施形態では、着色剤と樹脂材料とを含む混練物を用いて調製したものを用いる。
なお、混練物の構成材料(成分)としては、前述したようなトナーを構成する材料の他に、例えば、無機溶媒、有機溶媒等の溶媒として用いられるような材料を用いてもよい。これにより、例えば、混練の効率を向上させることができ、各成分がより均一に混ざり合った混練物を容易に得ることができる。
なお、混練物の構成材料(成分)としては、前述したようなトナーを構成する材料の他に、例えば、無機溶媒、有機溶媒等の溶媒として用いられるような材料を用いてもよい。これにより、例えば、混練の効率を向上させることができ、各成分がより均一に混ざり合った混練物を容易に得ることができる。
<混練物>
次に、上記のようなトナー材料を含む原料K5を混練して、混練物K7を得る方法の一例について説明する。
混練物K7は、例えば、図1に示すような装置を用いて製造することができる。
次に、上記のようなトナー材料を含む原料K5を混練して、混練物K7を得る方法の一例について説明する。
混練物K7は、例えば、図1に示すような装置を用いて製造することができる。
[混練工程]
混練に供される原料K5は、前述したようなトナー材料を含むものである。特に、原料K5が着色剤を含むことにより、本工程で原料K5中に含まれる空気(特に着色剤が抱き込んだ空気)を効率よく除去することができ、トナー粒子の内部に気泡が混入(残存)するのを効果的に防止することができる。混練に供される原料K5は、これらの各成分が予め混合されたものであるのが好ましい。
混練に供される原料K5は、前述したようなトナー材料を含むものである。特に、原料K5が着色剤を含むことにより、本工程で原料K5中に含まれる空気(特に着色剤が抱き込んだ空気)を効率よく除去することができ、トナー粒子の内部に気泡が混入(残存)するのを効果的に防止することができる。混練に供される原料K5は、これらの各成分が予め混合されたものであるのが好ましい。
本実施形態では、混練機として、2軸混練押出機を用いる構成について説明する。
混練機K1は、原料K5を搬送しつつ混練するプロセス部K2と、混練された原料(混練物K7)を所定の断面形状に形成して押し出すヘッド部K3と、プロセス部K2内に原料K5を供給するフィーダーK4とを有している。
プロセス部K2は、バレルK21と、バレルK21内に挿入されたスクリューK22、スクリューK23と、バレルK21の先端にヘッド部K3を固定するための固定部材K24とを有している。
プロセス部K2では、スクリューK22、スクリューK23が、回転することにより、フィーダーK4から供給された原料K5に剪断力が加えられ、均一な混練物K7が得られる。
混練機K1は、原料K5を搬送しつつ混練するプロセス部K2と、混練された原料(混練物K7)を所定の断面形状に形成して押し出すヘッド部K3と、プロセス部K2内に原料K5を供給するフィーダーK4とを有している。
プロセス部K2は、バレルK21と、バレルK21内に挿入されたスクリューK22、スクリューK23と、バレルK21の先端にヘッド部K3を固定するための固定部材K24とを有している。
プロセス部K2では、スクリューK22、スクリューK23が、回転することにより、フィーダーK4から供給された原料K5に剪断力が加えられ、均一な混練物K7が得られる。
プロセス部K2の全長は、50〜300cmであるのが好ましく、100〜250cmであるのがより好ましい。プロセス部K2の全長が前記下限値未満であると、原料K5中の各成分を十分均一に混ぜ合わせることが困難となる可能性がある。一方、プロセス部K2の全長が前記上限値を超えると、プロセス部K2内の温度、スクリューK22、スクリューK23の回転数等によっては、熱による原料K5の変性が起こり易くなり、最終的に得られる液体現像剤(トナー)の物性を十分に制御するのが困難になる可能性がある。
また、混練時の原料温度は、原料K5の組成等により異なるが、80〜260℃であるのが好ましく、90〜230℃であるのがより好ましい。なお、プロセス部K2内での原料温度は、均一であっても、部位により異なるものであってもよい。例えば、プロセス部K2は、設定温度の比較的低い第1の領域と、該第1の領域より基端側に設けられ、かつ、その設定温度が第1の領域より高い第2の領域とを有するようなものであってもよい。
また、原料K5のプロセス部K2での滞留時間(通過に要する時間)は、0.5〜12分であるのが好ましく、1〜7分であるのがより好ましい。プロセス部K2での滞留時間が、前記下限値未満であると、原料K5中の各成分を十分均一に混ぜ合わせることが困難となる可能性がある。一方、プロセス部K2での滞留時間が、前記上限値を超えると、生産効率が低下し、また、プロセス部K2内の温度、スクリューK22、スクリューK23の回転数等によっては、熱による原料K5の変性が起こり易くなり、最終的に得られる液体現像剤(トナー)の物性を十分に制御するのが困難になる可能性がある。
スクリューK22、スクリューK23の回転数は、バインダー樹脂の組成等により異なるが、50〜600rpmであるのが好ましい。スクリューK22、スクリューK23の回転数が、前記下限値未満であると、原料K5中の各成分を十分均一に混ぜ合わせることが困難となる可能性がある。一方、スクリューK22、スクリューK23の回転数が、前記上限値を超えると、剪断により、樹脂の分子鎖が切断され、樹脂の特性が劣化する場合がある。
また、本実施形態で用いる混練機K1では、プロセス部K2の内部は、脱気口K25を介して、ポンプPに接続されている。これにより、プロセス部K2の内部を脱気することができ、原料K5(混練物K7)が加熱されたり、発熱すること等によるプロセス部K2内の圧力の上昇を防止することができる。その結果、混練工程を安全かつ効率よく行うことができる。また、プロセス部K2の内部が脱気口K25を介してポンプPに接続されていることにより、得られる混練物K7中に気泡(特に、比較的大きな気泡)が含まれるのを効果的に防止することができ、最終的に得られる液体現像剤(トナー)の特性をより優れたものとすることができる。
[押出工程]
プロセス部K2で混練された混練物K7は、スクリューK22とスクリューK23との回転により、ヘッド部K3を介して、混練機K1の外部に押し出される。
ヘッド部K3は、プロセス部K2から混練物K7が送り込まれる内部空間K31と、混練物K7が押し出される押出口K32とを有している。
プロセス部K2で混練された混練物K7は、スクリューK22とスクリューK23との回転により、ヘッド部K3を介して、混練機K1の外部に押し出される。
ヘッド部K3は、プロセス部K2から混練物K7が送り込まれる内部空間K31と、混練物K7が押し出される押出口K32とを有している。
内部空間K31内での混練物K7の温度(少なくとも押出口K32付近での温度)は、特に限定されないが、原料K5中に含まれる樹脂材料の軟化温度以上の温度であるのが好ましい。これにより、トナー粒子を各構成成分がより均一に混ざり合ったものとして得ることができ、各トナー粒子間での特性(帯電特性、定着性等)のばらつきを特に小さくすることができる。
内部空間K31内での混練物K7の具体的な温度(少なくとも押出口K32付近での温度)は、特に限定されないが、80〜150℃であるのが好ましく、90〜140℃であるのがより好ましい。内部空間K31内での混練物K7の温度が上記範囲内の値であると、混練物K7が内部空間K31で固化せず、押出口K32から押し出しやすくなる。
内部空間K31内での混練物K7の具体的な温度(少なくとも押出口K32付近での温度)は、特に限定されないが、80〜150℃であるのが好ましく、90〜140℃であるのがより好ましい。内部空間K31内での混練物K7の温度が上記範囲内の値であると、混練物K7が内部空間K31で固化せず、押出口K32から押し出しやすくなる。
図示の構成では、内部空間K31は、押出口K32の方向に向って、その横断面積が漸減する横断面積漸減部K33を有している。このような横断面積漸減部K33を有することにより、押出口K32から押し出される混練物K7の押出量が安定し、また、後述する冷却工程における混練物K7の冷却速度が安定する。その結果、これを用いて製造されるトナーは、各トナー粒子間での特性のばらつきが小さいものとなり、全体としての特性に優れたものになる。
[冷却工程]
ヘッド部K3の押出口K32から押し出された軟化した状態の混練物K7は、冷却機K6により冷却され、固化する。
冷却機K6は、ロールK61、K62、K63、K64と、ベルトK65、K66とを有している。
ベルトK65は、ロールK61とロールK62とに巻掛けられている。同様に、ベルトK66は、ロールK63とロールK64とに巻掛けられている。
ヘッド部K3の押出口K32から押し出された軟化した状態の混練物K7は、冷却機K6により冷却され、固化する。
冷却機K6は、ロールK61、K62、K63、K64と、ベルトK65、K66とを有している。
ベルトK65は、ロールK61とロールK62とに巻掛けられている。同様に、ベルトK66は、ロールK63とロールK64とに巻掛けられている。
ロールK61、K62、K63、K64は、それぞれ、回転軸K611、K621、K631、K641を中心として、図中e、f、g、hで示す方向に回転する。これにより、混練機K1の押出口K32から押し出された混練物K7は、ベルトK65−ベルトK66間に導入される。ベルトK65−ベルトK66間に導入された混練物K7は、ほぼ均一な厚さの板状となるように成形されつつ、冷却される。冷却された混練物K7は、排出部K67から排出される。ベルトK65、K66は、例えば、水冷、空冷等の方法により、冷却されている。冷却機として、このようなベルト式のものを用いると、混練機から押し出された混練物と、冷却体(ベルト)との接触時間を長くすることができ、混練物の冷却の効率を特に優れたものとすることができる。
ところで、混練工程では、原料K5に剪断力が加わっているため、相分離(特に、マクロ相分離)等が十分防止されているが、混練工程を終えた混練物K7は、剪断力が加わらなくなるので、混練物の構成材料によっては、長期間放置しておくと再び相分離(マクロ相分離)等を起こしてしまう可能性がある。従って、上記のようにして得られた混練物K7は、できるだけ早く冷却するのが好ましい。具体的には、混練物K7の冷却速度(例えば、混練物K7が60℃程度まで冷却される際の冷却速度)は、3℃/秒以上であるが好ましく、5〜100℃/秒であるのがより好ましい。また、混練工程の終了時(剪断力が加わらなくなった時点)から冷却工程が完了するまでに要する時間(例えば、混練物K7の温度を60℃以下に冷却するのに要する時間)は、20秒以下であるのが好ましく、3〜12秒であるのがより好ましい。
本実施形態では、混練機として、連続式の2軸混練押出機を用いる構成について説明したが、原料の混練に用いる混練機はこれに限定されない。原料の混練には、例えば、ニーダーやバッチ式の三軸ロール、連続2軸ロール、ホイールミキサー、ブレード型ミキサー等の各種混練機を用いることができる。
また、図示の構成では、スクリューを2本有する構成の混練機について説明したが、スクリューは1本であってもよいし、3本以上であってもよい。また、混練装置にディスク(ニーディングディスク)部があってもよい。
また、図示の構成では、スクリューを2本有する構成の混練機について説明したが、スクリューは1本であってもよいし、3本以上であってもよい。また、混練装置にディスク(ニーディングディスク)部があってもよい。
また、本実施形態では、1つの混練機を用いる構成について説明したが、2つの混練機を用いて混練してもよい。この場合、一方の混練機と、他方の混練機とで、原料の加熱温度、スクリューの回転速度等が異なっていてもよい。
また、本実施形態では、冷却機として、ベルト式のものを用いた構成について説明したが、例えば、ロール式(冷却ロール式)の冷却機を用いてもよい。また、混練機の押出口K32から押し出された混練物の冷却は、前記のような冷却機を用いたものに限定されず、例えば、空冷等により行うものであってもよい。
また、本実施形態では、冷却機として、ベルト式のものを用いた構成について説明したが、例えば、ロール式(冷却ロール式)の冷却機を用いてもよい。また、混練機の押出口K32から押し出された混練物の冷却は、前記のような冷却機を用いたものに限定されず、例えば、空冷等により行うものであってもよい。
[粉砕工程]
次に、上述したような冷却工程を経た混練物K7を粉砕する。このように、混練物K7を粉砕することにより、後述する水系乳化液を、比較的容易に、より微小な分散質が分散したものとして得ることができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤においても、トナー粒子の大きさをより小さなものとすることができ、高解像度の画像形成に好適に用いることができる。
次に、上述したような冷却工程を経た混練物K7を粉砕する。このように、混練物K7を粉砕することにより、後述する水系乳化液を、比較的容易に、より微小な分散質が分散したものとして得ることができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤においても、トナー粒子の大きさをより小さなものとすることができ、高解像度の画像形成に好適に用いることができる。
粉砕の方法は、特に限定されず、例えばボールミル、振動ミル、ジェットミル、ピンミル等の各種粉砕装置、破砕装置を用いて行うことができる。
粉砕の工程は、複数回(例えば、粗粉砕工程と微粉砕工程との2段階)に分けて行ってもよい。また、このような粉砕工程の後、必要に応じて、分級処理等の処理を行ってもよい。分級処理には、例えば、ふるい、気流式分級機等を用いることができる。
粉砕の工程は、複数回(例えば、粗粉砕工程と微粉砕工程との2段階)に分けて行ってもよい。また、このような粉砕工程の後、必要に応じて、分級処理等の処理を行ってもよい。分級処理には、例えば、ふるい、気流式分級機等を用いることができる。
原料K5に対して上記のような混練を施すことにより、原料K5中に含まれる空気を効果的に除去することができる。言い換えると、上記のような混練により得られる混練物K7は、その内部に空気(気泡)をほとんど含まない。これにより、後述する水系分散媒除去工程において、異形粒子(中空粒子、欠落粒子、融合粒子等)が発生するのを効果的に防止することができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤においては、異形トナー粒子による転写性、クリーニング性等の低下等の問題が発生するのを効果的に防止することができる。
<水系分散液調製工程>
次に、上記のような混練物K7を用いて、水系液体で構成された水系分散媒中に、トナー材料で構成された分散質が分散した水系分散液を調製する。
水系分散液の調製方法は、いかなるものであってもよい。例えば、上記混練物K7を、水系液体にそのまま加えて分散させたものでもよいし、混練物の少なくとも一部を溶解しうる溶媒に混練物K7を溶解した後、これを水系液体に分散させることにより、水系乳化液としてもよいし、さらに、この得られた水系乳化液から、乳化液の分散質を構成する溶媒を除去することにより、水系懸濁液としてもよい。いかなる方法で、水系分散液を調製しても、トナー材料の凝集を好適に防止し、最終的に生成される液体現像剤により得られる画像は、鮮明で、高解像度のものとなる。なお、上記の記載内容において、「水系液体」とは、少なくとも水(H2O)を含む液体のことを指し、好ましくは、主として水で構成されたものである。水系液体中に占める水の含有率は、50wt%以上であるのが好ましく、80wt%以上であるのが好ましく、90wt%以上であるのが好ましい。また、「水系乳化液」とは、水系液体で構成された水系分散媒中に、液状の分散質(分散粒子)が分散した分散液のことを指し、また「水系懸濁液」とは、水系液体で構成された水系分散媒中に、固体状(固体)の分散質(懸濁粒子)が分散した分散液(懸濁コロイドを含む)のことを指す。
次に、上記のような混練物K7を用いて、水系液体で構成された水系分散媒中に、トナー材料で構成された分散質が分散した水系分散液を調製する。
水系分散液の調製方法は、いかなるものであってもよい。例えば、上記混練物K7を、水系液体にそのまま加えて分散させたものでもよいし、混練物の少なくとも一部を溶解しうる溶媒に混練物K7を溶解した後、これを水系液体に分散させることにより、水系乳化液としてもよいし、さらに、この得られた水系乳化液から、乳化液の分散質を構成する溶媒を除去することにより、水系懸濁液としてもよい。いかなる方法で、水系分散液を調製しても、トナー材料の凝集を好適に防止し、最終的に生成される液体現像剤により得られる画像は、鮮明で、高解像度のものとなる。なお、上記の記載内容において、「水系液体」とは、少なくとも水(H2O)を含む液体のことを指し、好ましくは、主として水で構成されたものである。水系液体中に占める水の含有率は、50wt%以上であるのが好ましく、80wt%以上であるのが好ましく、90wt%以上であるのが好ましい。また、「水系乳化液」とは、水系液体で構成された水系分散媒中に、液状の分散質(分散粒子)が分散した分散液のことを指し、また「水系懸濁液」とは、水系液体で構成された水系分散媒中に、固体状(固体)の分散質(懸濁粒子)が分散した分散液(懸濁コロイドを含む)のことを指す。
上記した水系分散液は、いずれの調製方法を用いても、最終的に生成される液体現像剤により得られる画像は、鮮明で、高解像度のものとなる。特に、混練物K7の水系分散液として、水系懸濁液に調製した場合、混練物K7の凝集が特に抑制され、かつ、本工程で分散質に含まれた有機溶剤を、効率良く除去、回収することができるため、環境への負荷も低減することができる。以下の説明では、混練物K7を水系懸濁液3に調製したものを用いるとして説明する。
<水系分散媒除去工程>
次に、水系分散液から水系分散媒を除去することにより、水系分散液の分散質に対応する乾燥微粒子を得る(水系分散媒除去工程)。このようにして得られる乾燥微粒子は、液体現像剤のトナー粒子に相当するものである。
水系分散媒の除去は、いかなる方法で行ってもよいが、水系分散媒中に分散質が分散した分散液(水系分散液)の液滴を間欠的に吐出することにより行うのが好ましい。これにより、分散質の凝集等を効果的に防止しつつ、水系分散媒の除去をより効率良く行うことができ、液体現像剤の生産性が向上する。また、水系分散液の液滴を間欠的に吐出して水系分散媒の除去を行うことにより、前述した水系懸濁液の調製において、溶媒の一部が残存している場合であっても、この残存している溶媒を水系分散媒とともに効率良く除去することができる。
特に、本実施形態では、図2、図3に示すような乾燥微粒子製造装置(トナー粒子製造装置)を用いて、水系分散媒の除去を行う。
次に、水系分散液から水系分散媒を除去することにより、水系分散液の分散質に対応する乾燥微粒子を得る(水系分散媒除去工程)。このようにして得られる乾燥微粒子は、液体現像剤のトナー粒子に相当するものである。
水系分散媒の除去は、いかなる方法で行ってもよいが、水系分散媒中に分散質が分散した分散液(水系分散液)の液滴を間欠的に吐出することにより行うのが好ましい。これにより、分散質の凝集等を効果的に防止しつつ、水系分散媒の除去をより効率良く行うことができ、液体現像剤の生産性が向上する。また、水系分散液の液滴を間欠的に吐出して水系分散媒の除去を行うことにより、前述した水系懸濁液の調製において、溶媒の一部が残存している場合であっても、この残存している溶媒を水系分散媒とともに効率良く除去することができる。
特に、本実施形態では、図2、図3に示すような乾燥微粒子製造装置(トナー粒子製造装置)を用いて、水系分散媒の除去を行う。
[乾燥微粒子製造装置]
図2に示すように、乾燥微粒子製造装置(トナー粒子製造装置)M1は、上述したような水系懸濁液(水系分散液)3を、液滴9として間欠的に吐出するヘッド部M2と、ヘッド部M2に水系懸濁液3を供給する水系懸濁液供給部(水系分散液供給部)M4と、ヘッド部M2から吐出された液滴状(微粒子状)の水系懸濁液3(液滴9)を搬送しつつ分散媒32を除去し、乾燥微粒子(トナー粒子)4とする分散媒除去部M3と、製造された乾燥微粒子(トナー粒子)4を回収する回収部M5とを有している。
図2に示すように、乾燥微粒子製造装置(トナー粒子製造装置)M1は、上述したような水系懸濁液(水系分散液)3を、液滴9として間欠的に吐出するヘッド部M2と、ヘッド部M2に水系懸濁液3を供給する水系懸濁液供給部(水系分散液供給部)M4と、ヘッド部M2から吐出された液滴状(微粒子状)の水系懸濁液3(液滴9)を搬送しつつ分散媒32を除去し、乾燥微粒子(トナー粒子)4とする分散媒除去部M3と、製造された乾燥微粒子(トナー粒子)4を回収する回収部M5とを有している。
水系懸濁液供給部M4は、ヘッド部M2に水系懸濁液3を供給する機能を有するものであればよいが、図示のように、水系懸濁液3を攪拌する攪拌手段M41を有するものであってもよい。これにより、例えば、分散質31が分散媒(水系分散媒)32中に分散しにくいものであっても、分散質31が十分均一に分散した状態の水系懸濁液3を、ヘッド部M2に供給することができる。
ヘッド部M2は、水系懸濁液3を微細な液滴(微粒子)9として、吐出する機能を有するものである。
ヘッド部M2は、分散液貯留部M21と、圧電素子M22と、吐出部M23とを有している。
分散液貯留部M21には、水系懸濁液3が貯留されている。
ヘッド部M2は、分散液貯留部M21と、圧電素子M22と、吐出部M23とを有している。
分散液貯留部M21には、水系懸濁液3が貯留されている。
分散液貯留部M21に貯留された水系懸濁液3は、圧電素子M22の圧力パルス(圧電パルス)により、吐出部M23から、液滴9として分散媒除去部M3に吐出される。
吐出部M23の形状は、特に限定されないが、略円形状であるのが好ましい。これにより、吐出される水系懸濁液3や、分散媒除去部M3内において形成される乾燥微粒子4の真球度を高めることができる。
吐出部M23の形状は、特に限定されないが、略円形状であるのが好ましい。これにより、吐出される水系懸濁液3や、分散媒除去部M3内において形成される乾燥微粒子4の真球度を高めることができる。
吐出部M23が略円形状のものである場合、その直径(ノズル径)は、例えば、5〜500μmであるのが好ましく、10〜200μmであるのがより好ましい。吐出部M23の直径が前記下限値未満であると、目詰まりが発生し易くなり、吐出される液滴9の大きさのばらつきが大きくなる場合がある。一方、吐出部M23の直径が前記上限値を超えると、分散液貯留部M21の負圧と、ノズルの表面張力との力関係によっては、吐出される水系懸濁液3(液滴9)が気泡を抱き込んでしまう可能性がある。
また、ヘッド部M2の吐出部M23付近(特に、吐出部M23の開口内面や、ヘッド部M2の吐出部M23が設けられている側の面(図中の下側の面))は、水系懸濁液3に対し撥液性(撥水性)を有するのが好ましい。これにより、水系懸濁液3が吐出部付近に付着するのを効果的に防止することができる。その結果、いわゆる、液切れの悪い状態になったり、水系懸濁液3の吐出不良が発生するのを効果的に防止することができる。また、吐出部付近への水系懸濁液3の付着が効果的に防止されることにより、吐出される液滴の形状の安定性が向上し(各液滴間での形状、大きさのばらつきが小さくなり)、最終的に得られるトナー粒子の形状、大きさのばらつきも小さくなる。
このような撥液性を有する材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂や、シリコーン系材料等が挙げられる。
このような撥液性を有する材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂や、シリコーン系材料等が挙げられる。
図3に示すように、圧電素子M22は、下部電極(第1の電極)M221、圧電体M222および上部電極(第2の電極)M223が、この順で積層されて構成されている。換言すれば、圧電素子M22は、上部電極M223と下部電極M221との間に、圧電体M222が介挿された構成とされている。
この圧電素子M22は、振動源として機能するものであり、振動板M24は、圧電素子(振動源)M22の振動により振動し、分散液貯留部M21の内部圧力を瞬間的に高める機能を有するものである。
この圧電素子M22は、振動源として機能するものであり、振動板M24は、圧電素子(振動源)M22の振動により振動し、分散液貯留部M21の内部圧力を瞬間的に高める機能を有するものである。
ヘッド部M2は、圧電素子駆動回路(図示せず)から所定の吐出信号が入力されていない状態、すなわち、圧電素子M22の下部電極M221と上部電極M223との間に電圧が印加されていない状態では、圧電体M222に変形が生じない。このため、振動板M24にも変形が生じず、分散液貯留部M21には容積変化が生じない。したがって、吐出部M23から水系懸濁液3は吐出されない。
一方、圧電素子駆動回路から所定の吐出信号が入力された状態、すなわち、圧電素子M22の下部電極M221と上部電極M223との間に所定の電圧が印加された状態では、圧電体M222に変形が生じる。これにより、振動板M24が大きくたわみ(図3中下方にたわみ)、分散液貯留部M21の容積の減少(変化)が生じる。このとき、分散液貯留部M21内の圧力が瞬間的に高まり、吐出部M23から粒状の水系懸濁液3が吐出される。
1回の水系懸濁液3の吐出が終了すると、圧電素子駆動回路は、下部電極M221と上部電極M223との間への電圧の印加を停止する。これにより、圧電素子M22は、ほぼ元の形状に戻り、分散液貯留部M21の容積が増大する。なお、このとき、水系懸濁液3には、水系懸濁液供給部M4から吐出部M23へ向かう圧力(正方向への圧力)が作用している。このため、空気が吐出部M23から分散液貯留部M21へ入り込むことが防止され、水系懸濁液3の吐出量に見合った量の水系懸濁液3が水系懸濁液供給部M4から分散液貯留部M21へ供給される。
上記のような電圧の印加を所定の周期で行うことにより、圧電素子M22が振動し、粒状の水系懸濁液3が繰り返し吐出される。
このように、水系懸濁液3の吐出(噴射)を、圧電体M222の振動による圧力パルスで行うことにより、水系懸濁液3を一滴ずつ間欠的に吐出することができ、また、吐出される水系懸濁液3の液滴9の形状が安定する。その結果、各トナー粒子間での形状、大きさのばらつきを特に小さいものとすることができるとともに、製造されるトナー粒子を真球度の高いもの(幾何学的に完全な球形に近い形状)にすることが比較的容易にできる。
また、分散液の吐出に圧電体の振動を用いることにより、より確実に分散液を所定間隔で吐出することができる。このため、吐出される液滴9同士が、衝突、凝集するのを効果的に防止することができ、異形状の乾燥微粒子4の形成をより効果的に防止することができる。
このように、水系懸濁液3の吐出(噴射)を、圧電体M222の振動による圧力パルスで行うことにより、水系懸濁液3を一滴ずつ間欠的に吐出することができ、また、吐出される水系懸濁液3の液滴9の形状が安定する。その結果、各トナー粒子間での形状、大きさのばらつきを特に小さいものとすることができるとともに、製造されるトナー粒子を真球度の高いもの(幾何学的に完全な球形に近い形状)にすることが比較的容易にできる。
また、分散液の吐出に圧電体の振動を用いることにより、より確実に分散液を所定間隔で吐出することができる。このため、吐出される液滴9同士が、衝突、凝集するのを効果的に防止することができ、異形状の乾燥微粒子4の形成をより効果的に防止することができる。
ヘッド部M2から分散媒除去部M3に吐出される水系懸濁液3(液滴9)の初速度は、例えば、0.1〜10m/秒であるのが好ましく、2〜8m/秒であるのがより好ましい。水系懸濁液3の初速度が前記下限値未満であると、トナーの生産性が低下する。一方、水系懸濁液3の初速度が前記上限値を超えると、最終的に得られるトナー粒子の真球度が低下する傾向を示す。
また、ヘッド部M2から吐出される水系懸濁液3の粘度は、特に限定されないが、例えば、0.5〜200[mPa・s]であるのが好ましく、1〜25[mPa・s]であるのがより好ましい。水系懸濁液3の粘度が前記下限値未満であると、吐出される水系懸濁液3の大きさを十分に制御するのが困難となり、最終的に得られるトナー粒子のばらつきが大きくなる場合がある。一方、水系懸濁液3の粘度が前記上限値を超えると、形成される粒子の径が大きくなり、水系懸濁液3の吐出速度が遅くなるとともに、水系懸濁液3の吐出に要するエネルギー量も大きくなる傾向を示す。また、水系懸濁液3の粘度が特に大きい場合には、水系懸濁液3を液滴として吐出できなくなる。
また、ヘッド部M2から吐出される水系懸濁液3は、予め冷却されたものであってもよい。このように水系懸濁液3を冷却することにより、例えば、吐出部M23付近における水系懸濁液3からの分散媒32の不本意な蒸発(揮発)を効果的に防止することができる。その結果、吐出部の開口面積が経時的に小さくなることによる水系懸濁液3の吐出量変化等を効果的に防止することができ、各粒子間での大きさ、形状のばらつきが特に小さいトナーを得ることができる。
また、水系懸濁液3の一滴分の吐出量は、水系懸濁液3中に占める分散質31の含有率等により若干異なるが、0.05〜500plであるのが好ましく、0.5〜50plであるのがより好ましい。水系懸濁液3の一滴分の吐出量をこのような範囲の値にすることにより、形成される乾燥微粒子4を適度な粒径のものにすることができる。
また、ヘッド部M2から吐出される液滴9の平均粒径は、水系懸濁液3中に占める分散質31の含有率等により若干異なるが、1.0〜100μmであるのが好ましく、5〜50μmであるのがより好ましい。液滴9の平均粒径をこのような範囲の値にすることにより、形成される乾燥微粒子4を適度な粒径のものにすることができる。
また、ヘッド部M2から吐出される液滴9の平均粒径は、水系懸濁液3中に占める分散質31の含有率等により若干異なるが、1.0〜100μmであるのが好ましく、5〜50μmであるのがより好ましい。液滴9の平均粒径をこのような範囲の値にすることにより、形成される乾燥微粒子4を適度な粒径のものにすることができる。
圧電素子M22の振動数(圧電パルスの周波数)は、特に限定されないが、1kHz〜500MHzであるのが好ましく、5kHz〜200MHzであるのがより好ましい。圧電素子M22の振動数が前記下限値未満であると、トナーの生産性が低下する。一方、圧電素子M22の振動数が前記上限値を超えると、粒状の水系懸濁液3の吐出が追随できなくなり、水系懸濁液3一滴分の大きさのばらつきが大きくなり、結果として、形成される乾燥微粒子(トナー粒子)4の大きさのばらつきが大きくなる可能性がある。
図示の構成の乾燥微粒子製造装置M1は、ヘッド部M2を複数個有している。そして、これらのヘッド部M2から、それぞれ、粒状の水系懸濁液3(液滴9)が分散媒除去部M3に吐出される。
各ヘッド部M2は、ほぼ同時に水系懸濁液3(液滴9)を吐出するものであってもよいが、少なくとも隣り合う2つのヘッド部で、水系懸濁液3(液滴9)の吐出タイミングが異なるように制御されたものであるのが好ましい。これにより、隣接するヘッド部M2から吐出された液滴9から乾燥微粒子4が形成される前に、液滴9同士が衝突し、不本意な凝集が発生するのをより効果的に防止することができる。
各ヘッド部M2は、ほぼ同時に水系懸濁液3(液滴9)を吐出するものであってもよいが、少なくとも隣り合う2つのヘッド部で、水系懸濁液3(液滴9)の吐出タイミングが異なるように制御されたものであるのが好ましい。これにより、隣接するヘッド部M2から吐出された液滴9から乾燥微粒子4が形成される前に、液滴9同士が衝突し、不本意な凝集が発生するのをより効果的に防止することができる。
また、図2に示すように、乾燥微粒子製造装置M1は、ガス流供給手段M10を有しており、このガス流供給手段M10から供給されたガスが、ダクトM101を介して、ヘッド部M2−ヘッド部M2間に設けられた各ガス噴射口M7から、ほぼ均一の圧力で噴射される構成となっている。これにより、吐出部M23から間欠的に吐出された液滴9の間隔を保ち、液滴9同士が衝突するのを効果的に防止しつつ、乾燥微粒子4を形成することができる。その結果、形成される乾燥微粒子4の大きさ、形状のばらつきをより小さくすることができる。
また、ガス流供給手段M10から供給されたガスをガス噴射口M7から噴射することにより、分散媒除去部M3において、ほぼ一方向(図中、下方向)に流れるガス流を形成することができる。このようなガス流が形成されると、分散媒除去部M3内で形成された乾燥微粒子4をより効率良く搬送することができる。これにより、乾燥微粒子4の回収効率が向上し、液体現像剤の生産性が向上する。
また、ガス噴射口M7からガスが噴射されることにより、各ヘッド部M2から吐出される液滴9の間に気流カーテンが形成され、例えば、隣り合うヘッド部から吐出された各液滴間での衝突、凝集をより効果的に防止することが可能となる。
また、ガス流供給手段M10には、熱交換器M11が取り付けられている。これにより、ガス噴射口M7から噴射されるガスの温度を好ましい値に設定することができ、分散媒除去部M3に吐出された粒状の水系懸濁液3から分散媒32を効率良く除去することができる。
また、ガス流供給手段M10には、熱交換器M11が取り付けられている。これにより、ガス噴射口M7から噴射されるガスの温度を好ましい値に設定することができ、分散媒除去部M3に吐出された粒状の水系懸濁液3から分散媒32を効率良く除去することができる。
また、このようなガス流供給手段M10を有すると、ガス流の供給量を調整すること等により、吐出部M23から吐出された水系懸濁液3からの分散媒32の除去速度等を容易にコントロールすることも可能となる。
ガス噴射口M7から噴射されるガスの温度は、水系懸濁液3中に含まれる分散質31、分散媒32の組成等により異なるが、通常、0〜70℃であるのが好ましく、15〜60℃であるのがより好ましい。ガス噴射口M7から噴射されるガスの温度がこのような範囲の値であると、得られる乾燥微粒子4の形状の均一性、安定性を十分に高いものとしつつ、液滴9中に含まれる分散媒32を効率良く除去することができる。
ガス噴射口M7から噴射されるガスの温度は、水系懸濁液3中に含まれる分散質31、分散媒32の組成等により異なるが、通常、0〜70℃であるのが好ましく、15〜60℃であるのがより好ましい。ガス噴射口M7から噴射されるガスの温度がこのような範囲の値であると、得られる乾燥微粒子4の形状の均一性、安定性を十分に高いものとしつつ、液滴9中に含まれる分散媒32を効率良く除去することができる。
また、ガス噴射口M7から噴射されるガスの湿度は、例えば、50%RH以下であるのが好ましく、30%RH以下であるのがより好ましい。ガス噴射口M7から噴射されるガスの湿度が50%RH以下であると、後述する分散媒除去部M3において、水系懸濁液3に含まれる分散媒32を効率良く除去することが可能となり、乾燥微粒子4の生産性がさらに向上する。
分散媒除去部M3は、筒状のハウジングM31で構成されている。分散媒除去部M3内の温度を所定の範囲に保つ目的で、例えば、ハウジングM31の内側または外側に熱源、冷却源を設置したり、ハウジングM31を、熱媒体または冷却媒体の流路が形成されたジャケットとしてもよい。
分散媒除去部M3は、筒状のハウジングM31で構成されている。分散媒除去部M3内の温度を所定の範囲に保つ目的で、例えば、ハウジングM31の内側または外側に熱源、冷却源を設置したり、ハウジングM31を、熱媒体または冷却媒体の流路が形成されたジャケットとしてもよい。
また、図示の構成では、ハウジングM31内の圧力は、圧力調整手段M12により調整される構成となっている。このように、ハウジングM31内の圧力を調整することにより、より効率良く乾燥微粒子4を形成することができ、結果として、液体現像剤の生産性が向上する。なお、図示の構成では、圧力調整手段M12は、接続管M121でハウジングM31に接続されている。また、接続管M121のハウジングM31と接続する端部付近には、その内径が拡大した拡径部M122が形成されており、さらに、乾燥微粒子4等の吸い込みを防止するためのフィルターM123が設けられている。
ハウジングM31内の圧力は、特に限定されないが、150kPa以下であるのが好ましく、100〜120kPaであるのがより好ましく、100〜110kPaであるのがさらに好ましい。ハウジングM31内の圧力が前記範囲内の値であると、例えば、液滴9からの急激な分散媒32の除去(沸騰現象)等を効果的に防止することができ、異形状の乾燥微粒子4の発生等を十分に防止しつつ、より効率良く乾燥微粒子4を製造することができる。なお、ハウジングM31内の圧力は、各部位でほぼ一定であってもよいし、各部位で異なるものであってもよい。
また、ハウジングM31には、電圧を印加するための電圧印加手段M8が接続されている。電圧印加手段M8で、ハウジングM31の内面側に、乾燥微粒子4(液滴9)と同じ極性の電圧を印加することにより、これにより、以下のような効果が得られる。
また、ハウジングM31には、電圧を印加するための電圧印加手段M8が接続されている。電圧印加手段M8で、ハウジングM31の内面側に、乾燥微粒子4(液滴9)と同じ極性の電圧を印加することにより、これにより、以下のような効果が得られる。
通常、乾燥微粒子4等は、正または負に帯電している。このため、乾燥微粒子4と異なる極性に帯電した帯電物があると、乾燥微粒子4は、当該帯電物に、静電的に引き付けられ付着するという現象が起こる。一方、乾燥微粒子4と同じ極性に帯電した帯電物があると、当該帯電物と乾燥微粒子4とは、互いに反発しあい、前記帯電物表面に乾燥微粒子4が付着するという現象を効果的に防止することができる。したがって、ハウジングM31の内面側に、粒状の乾燥微粒子4と同じ極性の電圧を印加することにより、ハウジングM31の内面に乾燥微粒子4が付着するのを効果的に防止することができる。これにより、異形状の乾燥微粒子4の発生をより効果的に防止することができるとともに、乾燥微粒子4の回収効率も向上する。
また、ハウジングM31は、回収部M5付近に、図2中の下方向に向けて、その内径が小さくなる縮径部M311を有している。このような縮径部M311が形成されることにより、乾燥微粒子4を効率良く回収することができる。
そして、上記のようにして形成された乾燥微粒子4は、回収部M5に回収される。
上記のようにして得られる乾燥微粒子4は、通常、各分散質31に対応する大きさ、形状を有するものである。これにより、最終的に得られる液体現像剤は、比較的小粒径で、円形度(球形度)が高く、各粒子間での形状、大きさのばらつきの小さいトナー粒子を含むものとなる。
そして、上記のようにして形成された乾燥微粒子4は、回収部M5に回収される。
上記のようにして得られる乾燥微粒子4は、通常、各分散質31に対応する大きさ、形状を有するものである。これにより、最終的に得られる液体現像剤は、比較的小粒径で、円形度(球形度)が高く、各粒子間での形状、大きさのばらつきの小さいトナー粒子を含むものとなる。
また、上記のようにして得られる乾燥微粒子4は、水系懸濁液3の分散媒32が除去されることにより得られる粒状物であればよく、例えば、その内部に分散媒の一部が残存していてもよい。
得られた乾燥微粒子4は、そのまま、後述する分散工程に供してもよいし、熱処理等の各種処理を施してもよい。これにより、乾燥微粒子(トナー粒子)の機械的強度(形状の安定性)をさらに優れたものとしたり、乾燥微粒子中の含水量を低下させることができる。また、得られた乾燥微粒子4に対してエアレーション等の処理を施したり、乾燥微粒子4を減圧雰囲気下に放置すること等によっても、上記と同様に、含水量を低下させることができる。
また、上記のような乾燥微粒子4に対しては、必要に応じて、分級処理、外添処理等の各種処理を施してもよい。
また、上記のような乾燥微粒子4に対しては、必要に応じて、分級処理、外添処理等の各種処理を施してもよい。
<絶縁性液体の調製>
上述したような絶縁性液体は、例えば、以下のようにして調製することができる。なお、以下の説明では、カプセル化した酸化重合促進剤を含む絶縁性液体の調製について説明する。
酸化重合促進剤のカプセル化は、例えば、以下のようにして行うことができる。
上述したような絶縁性液体は、例えば、以下のようにして調製することができる。なお、以下の説明では、カプセル化した酸化重合促進剤を含む絶縁性液体の調製について説明する。
酸化重合促進剤のカプセル化は、例えば、以下のようにして行うことができる。
まず、酸化重合促進剤を用意する。
次に、酸化重合促進剤を溶媒に溶解させる。
このような溶媒としては、酸化重合促進剤が溶解するものであれば、特に限定されず、例えば、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、2−ヘプタノン等のケトン系溶媒、ペンタノール、n−ヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、アニソール等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、イソプレン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒、フラン、チオフェン等の芳香族複素環化合物系溶媒、クロロホルム等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、アクリル酸エチル等のエステル系溶媒、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
次に、酸化重合促進剤を溶媒に溶解させる。
このような溶媒としては、酸化重合促進剤が溶解するものであれば、特に限定されず、例えば、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、2−ヘプタノン等のケトン系溶媒、ペンタノール、n−ヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、アニソール等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、イソプレン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒、フラン、チオフェン等の芳香族複素環化合物系溶媒、クロロホルム等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、アクリル酸エチル等のエステル系溶媒、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
次に、得られた溶液に、親水性シリカ、親水性アルミナ、親水性酸化チタン等の多孔質体を加え、多孔質体に溶液を吸着させる。
次に、溶液を吸着させた多孔質体とポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルとを加温しつつ混合する。
多孔質体とポリエーテルとの混合比は、重量比で、1:0.5〜1:10程度であるのが好ましく、1:1〜1:5程度であるのがより好ましい。
また、多孔質体とポリエーテルとを混合する際の温度は、5〜80℃であるのが好ましく、20〜80℃であるのがより好ましい。
次に、溶液を吸着させた多孔質体とポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルとを加温しつつ混合する。
多孔質体とポリエーテルとの混合比は、重量比で、1:0.5〜1:10程度であるのが好ましく、1:1〜1:5程度であるのがより好ましい。
また、多孔質体とポリエーテルとを混合する際の温度は、5〜80℃であるのが好ましく、20〜80℃であるのがより好ましい。
次に、得られた混合物を、石油系炭化水素中に十分に分散した後、冷却し、多孔質体の表面にポリエーテルを沈着させる。これにより、多孔質体の表面にポリエーテルの膜が形成される。
その後、ろ過して石油系炭化水素を除去することにより、カプセル化した酸化重合促進剤が得られる。
その後、ろ過して石油系炭化水素を除去することにより、カプセル化した酸化重合促進剤が得られる。
以上のようにしてカプセル化した酸化重合促進剤は、絶縁性液体中での分散性がより高いものとなる。
このようにして得られたカプセル化した酸化重合促進剤を、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドを含む液体中に分散することにより、絶縁性液体が得られる。
なお、酸化防止剤を含む液体現像剤を調製する場合、酸化防止剤は、例えば、酸化重合促進剤を分散する前に、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドとを含む液体中に含ませておいてもよいし、酸化重合促進剤を分散した後に、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドを含む液体中に加えてもよいし、酸化重合促進剤を分散させる際に、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドとを含む液体中に加えてもよい。
このようにして得られたカプセル化した酸化重合促進剤を、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドを含む液体中に分散することにより、絶縁性液体が得られる。
なお、酸化防止剤を含む液体現像剤を調製する場合、酸化防止剤は、例えば、酸化重合促進剤を分散する前に、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドとを含む液体中に含ませておいてもよいし、酸化重合促進剤を分散した後に、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドを含む液体中に加えてもよいし、酸化重合促進剤を分散させる際に、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドとを含む液体中に加えてもよい。
<分散工程>
次に、上記のようにして得られた乾燥微粒子4を、前述したような絶縁性液体中に分散させる(分散工程)。これにより、乾燥微粒子4としてのトナー粒子が、絶縁性液体(担持液)中に分散した液体現像剤が得られる。
絶縁性液体中への乾燥微粒子4の分散は、いかなる方法で行うものであってもよいが、攪拌した状態の絶縁性液体中に乾燥微粒子4を加えることにより行うのが好ましい。これにより、液体現像剤の調製時における乾燥微粒子4の不本意な凝集を防止しつつ、得られた液体現像剤においては、トナー粒子の良好な分散状態を長期間にわたって安定的に保持することができる。また、最終的に液体現像剤の組成になれば、いかなる方法、及び手順で液体現像剤を調製してもよい。例えば、絶縁性液体の一部と、乾燥微粒子4とを混合し、その後、この混合物と絶縁性液体の残りとを混合、調製してもよい。ここで、始めに乾燥微粒子4と混合する液体現像剤の一部の組成と、後から加える液体現像剤の残りの組成は、同じでもよいし、異なってもよい。始めに加える液体現像剤の成分(成分1)と、後から加える液体現像剤の成分(成分2)が異なる例としては、次のようなものが挙げられる。
次に、上記のようにして得られた乾燥微粒子4を、前述したような絶縁性液体中に分散させる(分散工程)。これにより、乾燥微粒子4としてのトナー粒子が、絶縁性液体(担持液)中に分散した液体現像剤が得られる。
絶縁性液体中への乾燥微粒子4の分散は、いかなる方法で行うものであってもよいが、攪拌した状態の絶縁性液体中に乾燥微粒子4を加えることにより行うのが好ましい。これにより、液体現像剤の調製時における乾燥微粒子4の不本意な凝集を防止しつつ、得られた液体現像剤においては、トナー粒子の良好な分散状態を長期間にわたって安定的に保持することができる。また、最終的に液体現像剤の組成になれば、いかなる方法、及び手順で液体現像剤を調製してもよい。例えば、絶縁性液体の一部と、乾燥微粒子4とを混合し、その後、この混合物と絶縁性液体の残りとを混合、調製してもよい。ここで、始めに乾燥微粒子4と混合する液体現像剤の一部の組成と、後から加える液体現像剤の残りの組成は、同じでもよいし、異なってもよい。始めに加える液体現像剤の成分(成分1)と、後から加える液体現像剤の成分(成分2)が異なる例としては、次のようなものが挙げられる。
まず、脂肪酸モノエステルと、乾燥微粒子4とを混合して、後から脂肪酸トリグリセリドをはじめ、その他の絶縁性液体の構成成分とを混ぜ合わせる方法が挙げられる。この場合には、乾燥微粒子4の内部に、積極的に脂肪酸モノエステルを浸透させ、酸化重合反応により、トナー粒子を構成する樹脂材料、および硬化した絶縁性液体により、記録媒体へのトナー粒子の定着強度はさらに優れたものとすることができる。このような効果は、始めに混ぜ合わせる成分として脂肪酸モノエステルの代わりに、脂肪酸モノエステルと、脂肪酸トリグリセリドとが混在しており、脂肪酸モノエステルの方が含有比率の大きいものを用いた場合でも、成分1として脂肪酸モノエステルを用いたものと同様の効果が得られる。また、上記の方法とは逆に、脂肪酸トリグリセリドと、乾燥微粒子4とを混合して、後から脂肪酸モノエステルをはじめ、その他の絶縁性液体の構成成分とを混ぜ合わせる方法が挙げられる。この場合には、乾燥微粒子4の内部に脂肪酸トリグリセリドが浸透するのが抑制され、その表面を覆う状態となり、乾燥微粒子4の粒径を均一の状態に保つことができる。このため、液体現像装置により得られる画像をより鮮明な画像とすることができる。このような効果は、始めに混ぜ合わせる成分として、脂肪酸トリグリセリドの代わりに、脂肪酸トリグリセリドと、脂肪酸モノエステルとが混在しており、脂肪酸トリグリセリドの方が含有比率の大きいものを用いた場合でも、成分1として脂肪酸トリグリセリドを用いたものと同様の効果が得られる。また、調製された液体現像剤は、そのまま使用してもよいが、脱泡機による脱泡処理を行ってもよい。これにより、攪拌する過程で含まれた液体現像剤中の空気を効率良く排除することができ、酸化防止剤のみで酸化反応を抑止するよりも、より効果的に酸化を防止することができる。また、得られた液体現像剤に対して、衝突分散機による衝突分散処理を行ってもよい。これにより、液体現像剤中のトナー粒子の分散性はさらに優れたものとなり、トナー粒子の良好な分散状態をより長時間にわたって安定的に保持することができる。
<液体現像剤>
上記のようにして得られる液体現像剤は、トナー粒子の形状、大きさのばらつきが小さい。したがって、このような液体現像剤は、トナー粒子が絶縁性液体中(液体現像剤中)で泳動し易く、高速現像にも有利である。また、トナー粒子の形状、大きさのばらつきが小さく、さらに、前述したような絶縁性液体を用いているため、トナー粒子の分散性に優れており、液体現像剤中でのトナー粒子の沈降や浮遊等が効果的に防止される。したがって、このような液体現像剤は、保存性に特に優れたものとなる。
上記のようにして得られる液体現像剤は、トナー粒子の形状、大きさのばらつきが小さい。したがって、このような液体現像剤は、トナー粒子が絶縁性液体中(液体現像剤中)で泳動し易く、高速現像にも有利である。また、トナー粒子の形状、大きさのばらつきが小さく、さらに、前述したような絶縁性液体を用いているため、トナー粒子の分散性に優れており、液体現像剤中でのトナー粒子の沈降や浮遊等が効果的に防止される。したがって、このような液体現像剤は、保存性に特に優れたものとなる。
次に、上述したような本発明の液体現像剤が適用される画像形成装置の好適な実施形態について説明する。
図4は、本発明の液体現像剤が適用される接触方式の画像形成装置の一例を示す図である。
画像形成装置P1は、液体現像剤を貯留する現像剤容器(液体現像剤貯留部)P11と、像(トナー像)を現像する円筒状の感光体(現像部)P2と、現像剤容器P11から感光体P2に液体現像剤を供給する現像器P10と、記録媒体に感光体P2で現像された像を転写する中間転写ローラ(転写部)P18と、後に詳述する定着装置(定着部)F40とを有している。
図4は、本発明の液体現像剤が適用される接触方式の画像形成装置の一例を示す図である。
画像形成装置P1は、液体現像剤を貯留する現像剤容器(液体現像剤貯留部)P11と、像(トナー像)を現像する円筒状の感光体(現像部)P2と、現像剤容器P11から感光体P2に液体現像剤を供給する現像器P10と、記録媒体に感光体P2で現像された像を転写する中間転写ローラ(転写部)P18と、後に詳述する定着装置(定着部)F40とを有している。
感光体P2は、表面がアモルファスシリコン等の材料で被覆されたものである。これにより、液体現像剤中の絶縁性液体による、部材の劣化を最小限に抑えることができるため、感光体P2の寿命をより長くすることができ、また、記録媒体への現像精度を高い状態で、より長く維持することができる。
この感光体P2は、帯電器P3によりその表面が均一に帯電された後、レーザーダイオード等によって記録すべき情報に応じた露光P4が行なわれることにより、静電潜像が形成されるものである。
この感光体P2は、帯電器P3によりその表面が均一に帯電された後、レーザーダイオード等によって記録すべき情報に応じた露光P4が行なわれることにより、静電潜像が形成されるものである。
現像器P10は、現像剤容器P11中にその一部が浸漬された塗布ローラP12と、現像ローラP13とを有している。
塗布ローラP12は、例えば、ステンレス、真鍮等の金属製のグラビアロールである。これにより、液体現像剤中の絶縁性液体による、部材の劣化を最小限に抑えることができるため、塗布ローラP12の寿命をより長くすることができ、また、記録媒体への現像精度を高い状態で、より長く維持することができる。
塗布ローラP12は、例えば、ステンレス、真鍮等の金属製のグラビアロールである。これにより、液体現像剤中の絶縁性液体による、部材の劣化を最小限に抑えることができるため、塗布ローラP12の寿命をより長くすることができ、また、記録媒体への現像精度を高い状態で、より長く維持することができる。
また、塗布ローラP12は、現像ローラP13と対向して回転する。
また、塗布ローラP12の表面には、液体現像剤塗布層P14が形成され、メータリングブレードP15によってその厚さが一定に保持される。
そして、塗布ローラP12から現像ローラP13に対して液体現像剤が転写される。
現像ローラP13は、ステンレス等の金属製のローラ芯体P16上に低硬度シリコーンゴム層を有し、その最外層には導電性のPFA(ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体)等で構成されたフッ素樹脂層が形成されている。最外層にこのような材料で構成された層を有することにより、液体現像剤中の絶縁性液体による、部材の劣化を最小限に抑えることができるため、現像ローラP13の寿命をより長くすることができ、また、記録媒体への現像精度を高い状態で、より長く維持することができる。
また、塗布ローラP12の表面には、液体現像剤塗布層P14が形成され、メータリングブレードP15によってその厚さが一定に保持される。
そして、塗布ローラP12から現像ローラP13に対して液体現像剤が転写される。
現像ローラP13は、ステンレス等の金属製のローラ芯体P16上に低硬度シリコーンゴム層を有し、その最外層には導電性のPFA(ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体)等で構成されたフッ素樹脂層が形成されている。最外層にこのような材料で構成された層を有することにより、液体現像剤中の絶縁性液体による、部材の劣化を最小限に抑えることができるため、現像ローラP13の寿命をより長くすることができ、また、記録媒体への現像精度を高い状態で、より長く維持することができる。
また、現像ローラP13は、感光体P2と等速で回転して液体現像剤を潜像部に転写する。
感光体P2へ転写後に現像ローラP13に残った液体現像剤は、現像ローラクリーニングブレードP17によって除去されて現像剤容器P11内へ回収される。
また、感光体P2から中間転写ローラP18へのトナー画像の転写の後には、感光体P2は、除電光P21によって除電されるとともに、感光体P2上に残留した転写残りトナーは、ウレタンゴム等で構成されたクリーニングブレードP22によって除去される。
感光体P2へ転写後に現像ローラP13に残った液体現像剤は、現像ローラクリーニングブレードP17によって除去されて現像剤容器P11内へ回収される。
また、感光体P2から中間転写ローラP18へのトナー画像の転写の後には、感光体P2は、除電光P21によって除電されるとともに、感光体P2上に残留した転写残りトナーは、ウレタンゴム等で構成されたクリーニングブレードP22によって除去される。
同様に、中間転写ローラP18(転写部)から記録媒体F5へ転写後に中間転写ローラP18に残留した転写残りトナーは、ウレタンゴム等で構成されたクリーニングブレードP23によって除去される。
感光体P2上に形成されたトナー画像は、中間転写ローラP18に対して転写された後に、二次転写ローラP19に転写電流を通電して、両者の間を通過する紙等の記録媒体F5に画像が転写される。
その後、紙等の記録媒体F5上に転写されたトナー画像(転写像)は、後述する定着装置(定着部)F40に搬送され、定着が行われる。
感光体P2上に形成されたトナー画像は、中間転写ローラP18に対して転写された後に、二次転写ローラP19に転写電流を通電して、両者の間を通過する紙等の記録媒体F5に画像が転写される。
その後、紙等の記録媒体F5上に転写されたトナー画像(転写像)は、後述する定着装置(定着部)F40に搬送され、定着が行われる。
図5は、非接触方式の画像形成装置の一例を示す図である。
非接触方式にあっては、現像ローラP13にはリン青銅板で構成された帯電ブレードP24が設けられる。
帯電ブレードP24は液体現像剤層に接触して摩擦帯電させる機能を有すると共に、塗布ローラP12がグラビアロールであるために現像ローラP13上にはグラビアロール表面の凹凸に応じた現像剤層が形成されるので、その凹凸を均一に均す機能を果たすものであり、配置方向としては現像ローラの回転方向に対してカウンタ方向でもトレイル方向のいずれでもよく、また、ブレート形状ではなくローラ形状でもよい。
非接触方式にあっては、現像ローラP13にはリン青銅板で構成された帯電ブレードP24が設けられる。
帯電ブレードP24は液体現像剤層に接触して摩擦帯電させる機能を有すると共に、塗布ローラP12がグラビアロールであるために現像ローラP13上にはグラビアロール表面の凹凸に応じた現像剤層が形成されるので、その凹凸を均一に均す機能を果たすものであり、配置方向としては現像ローラの回転方向に対してカウンタ方向でもトレイル方向のいずれでもよく、また、ブレート形状ではなくローラ形状でもよい。
また、現像ローラP13と感光体P2との間は、200μm〜800μmの間隔が設けられると共に、現像ローラP13と感光体P2との間には直流電圧200〜800Vに重畳される500〜3000Vpp、周波数50〜3000Hzの交流電圧が印加されるのが好ましい。それ以外は、図4を参照しつつ説明した画像形成装置と同様である。
なお、図4、図5共に一色の液体現像剤による画像形成について説明したが、複数色のカラートナーを用いて画像形成する場合には、複数色の現像器を用いて各色の画像を形成してカラー画像を形成することができる。
なお、図4、図5共に一色の液体現像剤による画像形成について説明したが、複数色のカラートナーを用いて画像形成する場合には、複数色の現像器を用いて各色の画像を形成してカラー画像を形成することができる。
図6は、定着装置の一例を示す図である。
定着装置(定着部)F40は、前述した現像部P2、転写部P18等において形成された未定着のトナー画像F5aを、記録媒体F5上に定着させるものである。
定着装置F40は、図6に示すように、熱定着ローラF1と、加圧ローラF2と、耐熱ベルトF3と、ベルト張架部材F4と、クリーニング部材F6と、フレームF7と、紫外線照射手段F8と、スプリングF9とを有している。
定着装置(定着部)F40は、前述した現像部P2、転写部P18等において形成された未定着のトナー画像F5aを、記録媒体F5上に定着させるものである。
定着装置F40は、図6に示すように、熱定着ローラF1と、加圧ローラF2と、耐熱ベルトF3と、ベルト張架部材F4と、クリーニング部材F6と、フレームF7と、紫外線照射手段F8と、スプリングF9とを有している。
熱定着ローラ(定着ローラ)F1は、パイプ材で構成されたローラ基材F1bと、その外周を被覆する弾性体F1cと、ローラ基材F1bの内部に、加熱源としての柱状ハロゲンランプF1aとを有しており、図に矢印で示す反時計方向に回転可能になっている。
また、加圧ローラF2は、パイプ材で構成されたローラ基材F2bと、その外周を被覆する弾性体F2cとを有し、図に矢印で示す時計方向に回転可能になっている。
また、加圧ローラF2は、パイプ材で構成されたローラ基材F2bと、その外周を被覆する弾性体F2cとを有し、図に矢印で示す時計方向に回転可能になっている。
また、熱定着ローラF1の弾性体F1cの表層にはPFA層が設けられている。これにより、各弾性体F1c、2cの厚みは異なるが、両弾性体F1c、2cは略均一な弾性変形をして、いわゆる水平ニップが形成され、また、熱定着ローラF1の周速に対して、後述する耐熱ベルトF3または記録媒体F5の搬送速度に差異が生じることもないので、極めて安定した画像定着が可能となる。
また、熱定着ローラF1の内部に、加熱源を構成する2本の柱状ハロゲンランプF1a、F1aが内蔵されており、これらの柱状ハロゲンランプF1a、F1aの発熱エレメントはそれぞれ異なった位置に配置されている。そして、各柱状ハロゲンランプF1a、F1aが選択的に点灯されることにより、後述する耐熱ベルトF3が熱定着ローラF1に巻き付いた定着ニップ部位と、後述するベルト張架部材F4が熱定着ローラF1に摺接する部位との異なる条件下や、幅の広い記録媒体と幅の狭い記録媒体との異なる条件下等での温度コントローラが容易に行われるようになっている。
加圧ローラF2は、熱定着ローラF1と対向するように配されており、後述する耐熱ベルトF3を介して、未定着のトナー画像が形成された記録媒体F5に対して圧力を加えるよう構成されている。圧力を加えることにより、前述したような絶縁性液体を記録媒体F5中により効率良く浸透させることができる。その結果、熱や後述する紫外線照射等によって絶縁性液体に含まれる不飽和脂肪酸成分を記録媒体F5内部でより確実に硬化させることができ、アンカー効果により、記録媒体F5上にトナー画像F5aをより強固に定着させることができる。
また、加圧ローラF2は、パイプ材で構成されたローラ基材F2bと、その外周を被覆する弾性体F2cとを有し、図に矢印で示す時計方向に回転可能になっている。
前述した熱定着ローラF1の弾性体F1cと加圧ローラF2の弾性体F2cとは、略均一な弾性変形をして、いわゆる水平ニップを形成する。また、熱定着ローラF1の周速に対して、後述する耐熱ベルトF3または記録媒体F5の搬送速度に差異が生じることもないので、極めて安定した画像定着が可能となる。
前述した熱定着ローラF1の弾性体F1cと加圧ローラF2の弾性体F2cとは、略均一な弾性変形をして、いわゆる水平ニップを形成する。また、熱定着ローラF1の周速に対して、後述する耐熱ベルトF3または記録媒体F5の搬送速度に差異が生じることもないので、極めて安定した画像定着が可能となる。
耐熱ベルトF3は、加圧ローラF2とベルト張架部材F4の外周に張架されて移動可能とされ、熱定着ローラF1と加圧ローラF2との間に挟圧されるエンドレスの環状のベルトである。
この耐熱ベルトF3は、0.03mm以上の厚みを有し、その表面(記録媒体F5が接触する側の面)をPFAで形成し、裏面(加圧ローラF2およびベルト張架部材F4と接触する側の面)をポリイミドで形成した2層構成のシームレスチューブで形成されている。なお、耐熱ベルトF3は、これに限定されず、ステンレス管やニッケル電鋳管等の金属管、シリコーン等の耐熱樹脂管等の他の材料で形成することもできる。
この耐熱ベルトF3は、0.03mm以上の厚みを有し、その表面(記録媒体F5が接触する側の面)をPFAで形成し、裏面(加圧ローラF2およびベルト張架部材F4と接触する側の面)をポリイミドで形成した2層構成のシームレスチューブで形成されている。なお、耐熱ベルトF3は、これに限定されず、ステンレス管やニッケル電鋳管等の金属管、シリコーン等の耐熱樹脂管等の他の材料で形成することもできる。
ベルト張架部材F4は、熱定着ローラF1と加圧ローラF2との定着ニップ部よりも記録媒体F5搬送方向上流側に配設されるとともに、加圧ローラF2の回転軸F2aを中心として矢印P方向に揺動可能に配設されている。
ベルト張架部材F4は、記録媒体F5が定着ニップ部を通過しない状態において、耐熱ベルトF3を熱定着ローラF1の接線方向に張架するように構成されている。記録媒体F5が定着ニップ部に進入する初期位置で定着圧力が大きいと進入がスムーズに行われなくて、記録媒体F5の先端が折れた状態で定着される場合があるが、このように耐熱ベルトF3を熱定着ローラF1の接線方向に張架する構成にすることで、記録媒体F5の進入がスムーズに行われる記録媒体F5の導入口部が形成でき、安定した記録媒体F5の定着ニップ部への進入が可能となる。
ベルト張架部材F4は、記録媒体F5が定着ニップ部を通過しない状態において、耐熱ベルトF3を熱定着ローラF1の接線方向に張架するように構成されている。記録媒体F5が定着ニップ部に進入する初期位置で定着圧力が大きいと進入がスムーズに行われなくて、記録媒体F5の先端が折れた状態で定着される場合があるが、このように耐熱ベルトF3を熱定着ローラF1の接線方向に張架する構成にすることで、記録媒体F5の進入がスムーズに行われる記録媒体F5の導入口部が形成でき、安定した記録媒体F5の定着ニップ部への進入が可能となる。
ベルト張架部材F4は、耐熱ベルトF3の内周に嵌挿されて加圧ローラF2と協働して耐熱ベルトF3に張力fを付与する略半月状のベルト摺動部材(耐熱ベルトF3はベルト張架部材F4上を摺動する)である。このベルト張架部材F4は、耐熱ベルトF3が熱定着ローラF1と加圧ローラF2との押圧部接線Lより熱定着ローラF1側に巻き付けてニップを形成する位置に配置される。突壁F4aはベルト張架部材F4の軸方向一端または両端に突設されており、この突壁F4aは、耐熱ベルトF3が軸方向端の一方に寄った場合に、この耐熱ベルトF3がこの突壁F4aに当接することで耐熱ベルトF3の端への寄りを規制するものである。突壁F4aの熱定着ローラF1と反対側の端部とフレームとの間にスプリングF9が縮設されていて、ベルト張架部材F4の突壁F4aが熱定着ローラF1に軽く押圧され、ベルト張架部材F4が熱定着ローラF1に摺接して位置決めされる。
ベルト張架部材F4が熱定着ローラF1に軽く押圧される位置がニップ初期位置とされ、また、熱定着ローラF1に加圧ローラF2が押圧する位置がニップ終了位置とされる。
ベルト張架部材F4が熱定着ローラF1に軽く押圧される位置がニップ初期位置とされ、また、熱定着ローラF1に加圧ローラF2が押圧する位置がニップ終了位置とされる。
定着装置F40において、未定着のトナー画像F5aが形成された記録媒体F5は、上記ニップ初期位置から定着ニップ部に進入して耐熱ベルトF3と熱定着ローラF1との間を通過し、ニップ終了位置から抜け出ることで、記録媒体F5上に形成された未定着のトナー画像F5aが熱定着され、その後、熱定着ローラF1への加圧ローラF2の押圧部の接線方向Lに排出される。
紫外線照射手段F8は、上記のようにして排出された記録媒体F5のトナー画像F5aが形成されている面に対して、紫外線を照射する機能を有している。このような構成とすることにより、脂肪酸モノエステルおよび脂肪酸トリグリセリドに含まれる不飽和脂肪酸成分を熱と紫外線照射とにより、より強固に固化させることができ、その結果、トナー粒子を記録媒体上により強固に定着させることができる。また、紫外線の照射により、熱定着ローラF1によって特に高い温度に加熱しなくても、トナー粒子を記録媒体上に強固に定着させることができるため、本発明の液体現像剤を用いることによる効果との相乗効果により、トナー粒子を記録媒体により低温で、かつ、より高速で定着させることができるとともに、記録媒体にトナー粒子をより強固に定着させることができる。さらに、定着に大きな熱量を必要としないため、前述した定着ニップ部を通過する時間を比較的短いものとしても、紫外線照射によって十分にトナー粒子を記録媒体上に定着させることができる。すなわち、定着に時間がかからないため、印刷速度のさらなる高速化を図ることができる。また、定着に大きい熱量を必要としないため、省エネルギー化も図ることができる。その結果、環境に優しい定着装置を提供することができる。
クリーニング部材F6は、加圧ローラF2とベルト張架部材F4との間に配置されている。
このクリーニング部材F6は耐熱ベルトF3の内周面に摺接して耐熱ベルトF3の内周面の異物や摩耗粉等をクリーニングするものである。このように異物や摩耗粉等をクリーニングすることで、耐熱ベルトF3をリフレッシュし、前述の摩擦係数の不安定要因を除去している。また、ベルト張架部材F4に凹部F4fが設けられており、耐熱ベルトF3から除去した異物や摩耗粉等を収納するよう構成されている。
このクリーニング部材F6は耐熱ベルトF3の内周面に摺接して耐熱ベルトF3の内周面の異物や摩耗粉等をクリーニングするものである。このように異物や摩耗粉等をクリーニングすることで、耐熱ベルトF3をリフレッシュし、前述の摩擦係数の不安定要因を除去している。また、ベルト張架部材F4に凹部F4fが設けられており、耐熱ベルトF3から除去した異物や摩耗粉等を収納するよう構成されている。
なお、耐熱ベルトF3を加圧ローラF2とベルト張架部材F4とにより張架して加圧ローラF2で安定して駆動するには、加圧ローラF2と耐熱ベルトF3との摩擦係数をベルト張架部材F4と耐熱ベルトF3との摩擦係数より大きく設定するとよい。しかし、摩擦係数は、耐熱ベルトF3と加圧ローラF2との間あるいは耐熱ベルトF3とベルト張架部材F4との間への異物の侵入や、耐熱ベルトF3と加圧ローラF2およびベルト張架部材F4との接触部の摩耗などによって不安定になる場合がある。
そこで、加圧ローラF2と耐熱ベルトF3の巻き付け角よりベルト張架部材F4と耐熱ベルトF3の巻き付け角が小さくなるように、また、加圧ローラF2の径よりベルト張架部材F4の径が小さくなるように設定する。これにより、耐熱ベルトF3がベルト張架部材F4を摺動する長さが短くなり、経時変化や外乱などに対する不安定要因から回避でき、耐熱ベルトF3を加圧ローラF2で安定して駆動することができるようになる。
トナー粒子が定着ニップ部位を通過するのに要する時間(ニップ時間)は、0.02〜0.2秒であるのが好ましく、0.03〜0.1秒であるのがより好ましい。トナー粒子が定着ニップ部を通過するのに要する時間がこのように短い時間であっても、前述したような本発明の液体現像剤を用いることにより、十分に定着させることができ、印刷速度のさらなる高速化を図ることができる。
熱定着ローラF1により加える熱(定着温度)は、具体的には、80〜200℃であるのが好ましく、100〜180℃であるのがより好ましい。このような定着温度が前記範囲内の値であると、脂肪酸モノエステルおよび脂肪酸トリグリセリドに含まれる不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応(硬化反応)をより効果的に進行させることができる。また、酸化防止剤として前述したようなものが含まれる場合には、酸化防止剤の分解が容易となり、トナー粒子の定着強度をより効果的に向上させることができる。また、液体現像剤中に酸化重合促進剤が含まれる場合において、この傾向はより顕著に発揮される。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の液体現像剤は、前述したような方法により製造されたものに限定されず、いかなる方法で製造されたものであってもよい。例えば、絶縁性液体中で、前述したような粉砕物を熱溶融して分散し、これを冷却することにより製造されたものであってもよい。このような場合、絶縁性液体中に酸化防止剤が含まれていると、製造工程においても、不飽和脂肪酸成分の酸化による劣化を防止することができる。なお、このような場合、必要に応じて、冷却した後にさらに酸化防止剤を加えてもよい。
例えば、本発明の液体現像剤は、前述したような方法により製造されたものに限定されず、いかなる方法で製造されたものであってもよい。例えば、絶縁性液体中で、前述したような粉砕物を熱溶融して分散し、これを冷却することにより製造されたものであってもよい。このような場合、絶縁性液体中に酸化防止剤が含まれていると、製造工程においても、不飽和脂肪酸成分の酸化による劣化を防止することができる。なお、このような場合、必要に応じて、冷却した後にさらに酸化防止剤を加えてもよい。
また、乾燥微粒子製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮する任意のものと置換、または、その他の構成を追加することもできる。
また、本発明の液体現像剤は、前述したような画像形成装置に適用されるものに限定されない。
また、前述した実施形態では、水系分散媒除去工程で得られた乾燥微粒子を一旦回収した後、分散工程に供するものとして説明したが、乾燥微粒子を粉体として回収することなく、直接、分散工程に供してもよい。例えば、図示のような乾燥微粒子製造装置は、絶縁性液体を貯留し、かつ、製造された乾燥微粒子が供給される分散部を有するものであってもよい。これにより、液体現像剤をより効率良く製造することができるとともに、乾燥微粒子間での不本意な凝集等をより効果的に防止することができる。
また、本発明の液体現像剤は、前述したような画像形成装置に適用されるものに限定されない。
また、前述した実施形態では、水系分散媒除去工程で得られた乾燥微粒子を一旦回収した後、分散工程に供するものとして説明したが、乾燥微粒子を粉体として回収することなく、直接、分散工程に供してもよい。例えば、図示のような乾燥微粒子製造装置は、絶縁性液体を貯留し、かつ、製造された乾燥微粒子が供給される分散部を有するものであってもよい。これにより、液体現像剤をより効率良く製造することができるとともに、乾燥微粒子間での不本意な凝集等をより効果的に防止することができる。
また、図7に示すように、ヘッド部M2に、音響レンズ(凹面レンズ)M25が設置されていてもよい。このような音響レンズM25が設置されることにより、例えば、圧電素子M22が発生した圧力パルス(振動エネルギー)を、吐出部M23付近の圧力パルス収束部M26で収束させることができる。その結果、圧電素子M22が発生した振動エネルギーを、水系懸濁液3を吐出させるためのエネルギーとして、効率よく利用することができる。したがって、分散液貯留部M21に貯留された水系懸濁液3が比較的高粘度のものであっても、確実に吐出部M23から吐出させることができる。また、分散液貯留部M21に貯留された水系懸濁液3が凝集力(表面張力)の比較的大きいものであっても、微細な液滴として吐出することが可能となるため、容易かつ確実に、乾燥微粒子(トナー粒子)9の粒径を比較的小さい値にコントロールすることができる。
このように、図示のような構成とすることにより、水系懸濁液3として、より粘度の高い材料や、凝集力の大きい材料を用いた場合であっても、乾燥微粒子4を所望の形状、大きさにコントロールすることができるので、材料選択の幅が特に広くなり、所望の特性を有するトナーをさらに容易に得ることができる。
このように、図示のような構成とすることにより、水系懸濁液3として、より粘度の高い材料や、凝集力の大きい材料を用いた場合であっても、乾燥微粒子4を所望の形状、大きさにコントロールすることができるので、材料選択の幅が特に広くなり、所望の特性を有するトナーをさらに容易に得ることができる。
また、図示のような構成とした場合、収束した圧力パルスにより水系懸濁液3を吐出させるため、吐出部M23の面積(開口面積)が比較的大きい場合であっても、吐出する水系懸濁液3の大きさを比較的小さいものにすることができる。すなわち、乾燥微粒子4の粒径を比較的小さくしたい場合であっても、吐出部M23の面積を大きくすることができる。これにより、水系懸濁液3が比較的高粘度のものであっても、吐出部M23における目詰まりの発生等をより効果的に防止することができる。
音響レンズとしては、凹面レンズに限定されず、例えば、フレネルレンズ、電子走査レンズ等を用いてもよい。
さらに、図8〜図10に示すように、音響レンズM25と吐出部M23との間に、吐出部M23に向けて、収斂する形状を有する絞り部材M13等を配置してもよい。これにより、圧電素子M22が発生した圧力パルス(振動エネルギー)の収束を補助することができ、圧電素子M22が発生した圧力パルスをさらに効率よく利用することができる。
さらに、図8〜図10に示すように、音響レンズM25と吐出部M23との間に、吐出部M23に向けて、収斂する形状を有する絞り部材M13等を配置してもよい。これにより、圧電素子M22が発生した圧力パルス(振動エネルギー)の収束を補助することができ、圧電素子M22が発生した圧力パルスをさらに効率よく利用することができる。
また、前述した実施形態では、トナーの構成成分が固形成分として、分散質中に含まれるものとして説明したが、トナーの構成成分の少なくとも一部は、分散媒中に含まれていてもよい。
また、前述した実施形態では圧電パルスによりヘッド部から分散液(水系懸濁液)を間欠的に吐出するものとして説明したが、分散液の吐出方法(噴射方法)としては、他の方法を用いることもできる。例えば、分散液を吐出(噴射)する方法としては、スプレードライ法や、いわゆるバブルジェット(「バブルジェット」は登録商標)法等の方法のほか、「分散液を、ガス流で平滑面に押し付けて薄く引き伸ばして薄層流とし、当該薄層流を前記平滑面から離して微小な液滴として噴射するようなノズルを用いて、分散液を液滴状に噴射する方法(特願2002−321889号明細書に記載されたような方法)」等を用いてもよい。スプレードライ法は、高圧のガスを用いて、液体(分散液)を噴射(噴霧)させることにより、液滴を得る方法である。また、いわゆるバブルジェット(「バブルジェット」は登録商標)法を適用した方法としては、特願2002−169348号明細書に記載された方法等が挙げられる。すなわち、分散液を吐出(噴射)する方法として、「気体の体積変化によりヘッド部から分散液を間欠的に吐出する方法」を適用することができる。
また、前述した実施形態では圧電パルスによりヘッド部から分散液(水系懸濁液)を間欠的に吐出するものとして説明したが、分散液の吐出方法(噴射方法)としては、他の方法を用いることもできる。例えば、分散液を吐出(噴射)する方法としては、スプレードライ法や、いわゆるバブルジェット(「バブルジェット」は登録商標)法等の方法のほか、「分散液を、ガス流で平滑面に押し付けて薄く引き伸ばして薄層流とし、当該薄層流を前記平滑面から離して微小な液滴として噴射するようなノズルを用いて、分散液を液滴状に噴射する方法(特願2002−321889号明細書に記載されたような方法)」等を用いてもよい。スプレードライ法は、高圧のガスを用いて、液体(分散液)を噴射(噴霧)させることにより、液滴を得る方法である。また、いわゆるバブルジェット(「バブルジェット」は登録商標)法を適用した方法としては、特願2002−169348号明細書に記載された方法等が挙げられる。すなわち、分散液を吐出(噴射)する方法として、「気体の体積変化によりヘッド部から分散液を間欠的に吐出する方法」を適用することができる。
また、乾燥微粒子の形成は、分散液(水系懸濁液)の吐出により行うものでなくてもよい。例えば、水系懸濁液をろ過することにより、分散質に相当する微粒子を濾別し、これを乾燥微粒子としてもよい。
また、前述した実施形態では、水系懸濁液中の各分散質に対応する大きさ、形状の乾燥微粒子を得るものとして説明したが、乾燥微粒子は、例えば、水系懸濁液の複数個の分散質に対応する微粒子が凝集(接合)してなる凝集体であってもよい。
また、前述した実施形態では、水系懸濁液中の各分散質に対応する大きさ、形状の乾燥微粒子を得るものとして説明したが、乾燥微粒子は、例えば、水系懸濁液の複数個の分散質に対応する微粒子が凝集(接合)してなる凝集体であってもよい。
また、前述した実施形態では、混練物の粉砕物を用いて水系乳化液の調製を行うものとして説明したが、混練物の粉砕工程等は省略してもよい。
また、水系乳化液、水系懸濁液の調製方法は、前述したような方法に限定されない。例えば、固体状態の分散質が分散した分散液を加熱することにより、分散質を一旦液状として水系乳化液を得、当該水系乳化液を冷却することにより水系懸濁液を得てもよい。
また、水系乳化液、水系懸濁液の調製方法は、前述したような方法に限定されない。例えば、固体状態の分散質が分散した分散液を加熱することにより、分散質を一旦液状として水系乳化液を得、当該水系乳化液を冷却することにより水系懸濁液を得てもよい。
また、前述した実施形態では、水系乳化液を用いて一旦水系懸濁液を得た後、当該水系懸濁液を用いて乾燥微粒子を製造するものとして説明したが、水系懸濁液を介することなく、水系乳化液から直接乾燥微粒子を得る構成であってもよい。例えば、水系乳化液を液滴状に吐出し、当該液滴から分散媒中の溶媒とともに分散媒を除去することにより乾燥微粒子を得てもよい。
また、前述した実施形態では、カプセル化された酸化重合促進剤が絶縁性液体中に分散した構成について説明したが、酸化重合促進剤は、カプセル化されていないものであってもよい。また、酸化重合促進剤(特にカプセル化された酸化重合促進剤)は、例えば、トナー粒子中に含まれていてもよいし、トナー粒子表面に付着していてもよい。酸化重合促進剤がトナー粒子の表面に付着している場合、定着する際に不飽和脂肪酸成分をより確実に硬化させることができる。
また、本発明で用いる脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドは、化学合成(人工合成)されたものであってもよい。
また、本発明の液体現像剤に適用される画像形成装置は、前述した構成のものに限定されず、異なる構成のものであってもよい。また、画像形成装置の各部を構成する材料は、前述したものに限定されない。
また、本発明の液体現像剤に適用される画像形成装置は、前述した構成のものに限定されず、異なる構成のものであってもよい。また、画像形成装置の各部を構成する材料は、前述したものに限定されない。
[1]液体現像剤の製造
(実施例1)
[乾燥微粒子の作製]
まず、結着樹脂としてのポリエステル樹脂(ガラス転移点:45℃、軟化温度:95℃):80重量部と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):20重量部とを用意した。
これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
(実施例1)
[乾燥微粒子の作製]
まず、結着樹脂としてのポリエステル樹脂(ガラス転移点:45℃、軟化温度:95℃):80重量部と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):20重量部とを用意した。
これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
次に、この原料(混合物)を、図1に示すような2軸混練押出機を用いて、混練した。
2軸混練押出機のプロセス部の全長は160cmとした。
また、プロセス部における原料の温度が105〜115℃となるように設定した。
また、スクリューの回転速度は120rpmとし、原料の投入速度は20kg/時間とした。
このような条件から求められる、原料がプロセス部を通過するのに要する時間は約4分間である。
2軸混練押出機のプロセス部の全長は160cmとした。
また、プロセス部における原料の温度が105〜115℃となるように設定した。
また、スクリューの回転速度は120rpmとし、原料の投入速度は20kg/時間とした。
このような条件から求められる、原料がプロセス部を通過するのに要する時間は約4分間である。
なお、上記のような混練は、脱気口を介してプロセス部に接続された真空ポンプを稼動させることにより、プロセス部内を脱気しつつ行った。
プロセス部で混練された原料(混練物)は、ヘッド部を介して2軸混練押出機の外部に押し出した。ヘッド部内における混練物の温度は、130℃となるように調節した。
このようにして2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を、図1中に示すような冷却機を用いて、冷却した。冷却工程直後の混練物の温度は、約45℃であった。
混練物の冷却速度は、9℃/秒であった。また、混練工程の終了時から冷却工程が終了するのに要した時間は、10秒であった。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.5mmの粉末とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
プロセス部で混練された原料(混練物)は、ヘッド部を介して2軸混練押出機の外部に押し出した。ヘッド部内における混練物の温度は、130℃となるように調節した。
このようにして2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を、図1中に示すような冷却機を用いて、冷却した。冷却工程直後の混練物の温度は、約45℃であった。
混練物の冷却速度は、9℃/秒であった。また、混練工程の終了時から冷却工程が終了するのに要した時間は、10秒であった。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.5mmの粉末とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
次に、混練物の粗粉砕物:100重量部をトルエン:250重量部に添加し、超音波ホモジナイザー(出力:400μA)を用いて、1時間処理することにより、混練物のポリエステル樹脂が溶解した溶液を得た。なお、このよう溶液中において、顔料は均一に微分散していた。
一方、分散剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:1重量部と、イオン交換水:700重量部とを均一に混合した水系液体を用意した。
一方、分散剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:1重量部と、イオン交換水:700重量部とを均一に混合した水系液体を用意した。
前記水系液体をホモミキサー(特殊機化工業社製)で攪拌回転数を調整した。
このような攪拌状態の水系液体中に、上記溶液(混練物のトルエン溶液)を滴下した。これにより、平均粒径が3μmの分散質が均一に分散した水系乳化液が得られた。
その後、温度:100℃、雰囲気圧力:80kPaの条件下で、水系乳化液中のトルエンを除去し、さらに、室温まで冷却した後、所定量の水を加えて濃度調整することにより、固形微粒子が分散した水系懸濁液を得た。得られた水系懸濁液中には、実質的にトルエンは残存していなかった。得られた水系懸濁液の固形分(分散質)濃度は28.8wt%であった。また、懸濁液中に分散している分散質(固形微粒子)の平均粒径は1.4μmであった。なお、分散質の平均粒径の測定は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて行った。
このような攪拌状態の水系液体中に、上記溶液(混練物のトルエン溶液)を滴下した。これにより、平均粒径が3μmの分散質が均一に分散した水系乳化液が得られた。
その後、温度:100℃、雰囲気圧力:80kPaの条件下で、水系乳化液中のトルエンを除去し、さらに、室温まで冷却した後、所定量の水を加えて濃度調整することにより、固形微粒子が分散した水系懸濁液を得た。得られた水系懸濁液中には、実質的にトルエンは残存していなかった。得られた水系懸濁液の固形分(分散質)濃度は28.8wt%であった。また、懸濁液中に分散している分散質(固形微粒子)の平均粒径は1.4μmであった。なお、分散質の平均粒径の測定は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて行った。
上記のようにして得られた懸濁液を、図2、図3に示す構成の乾燥微粒子製造装置の水系懸濁液供給部内に投入した。水系懸濁液供給部内の水系懸濁液を攪拌手段で攪拌しつつ、定量ポンプによりヘッド部に供給し、吐出部から分散媒除去部に吐出(噴射)させた。吐出部は、直径:25μmの円形状をなすものとした。また、ヘッド部としては、吐出部付近に、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)コートによる疎水化処理が施されたものを用いた。なお、水系懸濁液供給部内における水系懸濁液の温度は、25℃になるように調節した。
水系懸濁液の吐出は、ヘッド部内における分散液温度を25℃、圧電体の振動数を10kHz、吐出部から吐出される分散液の初速度を3m/秒、ヘッド部から吐出される水系懸濁液の一滴分の吐出量を4pl(粒径:20.8μm)に調整した状態で行った。また、水系懸濁液の吐出は、複数個のヘッド部のうち少なくとも隣接しあうヘッド部で、水系懸濁液の吐出タイミングがずれるようにして行った。
また、水系懸濁液の吐出時には、ガス噴射口から温度:25℃、湿度:27%RH、流速:3m/秒の空気を鉛直下方に噴射した。また、ハウジング内の温度(雰囲気温度)は、45℃となるように設定した。また、ハウジング内の圧力は、約1.5kPaであった。分散媒除去部の長さ(搬送方向の長さ)は1.0mであった。
また、分散媒除去部のハウジングには、その内表面側の電位が−200Vとなるように電圧を印加し、内壁に水系懸濁液(乾燥微粒子)が付着するのを防止するようにした。
分散媒除去部内において、吐出した水系懸濁液から分散媒が除去され、各分散質に対応する形状、大きさの多数の乾燥微粒子(トナー粒子)が形成された。
分散媒除去部で形成された乾燥微粒子をサイクロンにて回収し、乾燥微粒子を得た。
また、分散媒除去部のハウジングには、その内表面側の電位が−200Vとなるように電圧を印加し、内壁に水系懸濁液(乾燥微粒子)が付着するのを防止するようにした。
分散媒除去部内において、吐出した水系懸濁液から分散媒が除去され、各分散質に対応する形状、大きさの多数の乾燥微粒子(トナー粒子)が形成された。
分散媒除去部で形成された乾燥微粒子をサイクロンにて回収し、乾燥微粒子を得た。
[酸化重合促進剤のカプセル化]
一方、以下のようにして、カプセル化された酸化重合促進剤を用意した。
まず、酸化重合促進剤としてのオクチル酸亜鉛:10gをアセトン15mLに溶解させ、得られた溶液を多孔質親水性シリカゲルに吸着させ、芯材を得た。
次に、得られた芯材10gとポリエチレングリコール(PEG)20gとを加温混合し、混合物を得た。
次に、この混合物を日石三菱社製AF6号ソルベント400mL中に入れ、ホモミキサーにて十分分散させた後、徐冷してPEGを沈着させた。
その後、ろ過により溶剤を除去してカプセル化された酸化重合促進剤を得た。
一方、以下のようにして、カプセル化された酸化重合促進剤を用意した。
まず、酸化重合促進剤としてのオクチル酸亜鉛:10gをアセトン15mLに溶解させ、得られた溶液を多孔質親水性シリカゲルに吸着させ、芯材を得た。
次に、得られた芯材10gとポリエチレングリコール(PEG)20gとを加温混合し、混合物を得た。
次に、この混合物を日石三菱社製AF6号ソルベント400mL中に入れ、ホモミキサーにて十分分散させた後、徐冷してPEGを沈着させた。
その後、ろ過により溶剤を除去してカプセル化された酸化重合促進剤を得た。
[絶縁性液体の調製]
一方、脂肪酸モノエステルと脂肪酸トリグリセリドとを含む絶縁性液体を以下のようにして得た。
脂肪酸トリグリセリドを含む第1の液体を、以下のようにして調製した。
まず、未精製の菜種油:130体積部をフラスコに投入し、その後、フラスコ内に沸騰した水:100体積部を注いでフラスコに栓をした。
一方、脂肪酸モノエステルと脂肪酸トリグリセリドとを含む絶縁性液体を以下のようにして得た。
脂肪酸トリグリセリドを含む第1の液体を、以下のようにして調製した。
まず、未精製の菜種油:130体積部をフラスコに投入し、その後、フラスコ内に沸騰した水:100体積部を注いでフラスコに栓をした。
次に、フラスコを振り、未精製の菜種油と沸騰した水とを混合した。
次に、フラスコ内の混合液が、3層に分離するまで、フラスコを静置した。
完全に分離が確認された後、フラスコを冷凍庫に移し、24時間放置した。
その後、凍結していない成分を別のフラスコに移した。
この凍結していない成分に対して、再度、上記と同様の操作を繰り返し、得られた凍結していない成分を取り出し、粗製油脂を得た。
次に、フラスコ内の混合液が、3層に分離するまで、フラスコを静置した。
完全に分離が確認された後、フラスコを冷凍庫に移し、24時間放置した。
その後、凍結していない成分を別のフラスコに移した。
この凍結していない成分に対して、再度、上記と同様の操作を繰り返し、得られた凍結していない成分を取り出し、粗製油脂を得た。
次に、フラスコ内に、前述のようにして得られた粗製油脂:100体積部と、主として含水ケイ酸アルミニウムで構成された活性白土:35体積部とを混合・撹拌した。
次に得られた混合物を加圧下(0.18MPa)で、48時間保存し、活性白土を完全に沈殿させた。
その後、沈殿物を除去し、主として脂肪酸トリグリセリドを含む第1の液体を得た。なお、第1の液体(精製した菜種油)は、主にオレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸等の不飽和脂肪酸成分と、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸成分とを有する、主として脂肪酸トリグリセリドで構成されたものであった。また、得られた第1の液体中に含まれる脂肪酸トリグリセリドの含有率は99.9wt%以上であった。また、得られた脂肪酸トリグリセリドが、脂肪酸トリグリセリドを構成する全脂肪酸成分における飽和脂肪酸を含む割合は、7.5mol%であった。
次に得られた混合物を加圧下(0.18MPa)で、48時間保存し、活性白土を完全に沈殿させた。
その後、沈殿物を除去し、主として脂肪酸トリグリセリドを含む第1の液体を得た。なお、第1の液体(精製した菜種油)は、主にオレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸等の不飽和脂肪酸成分と、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸成分とを有する、主として脂肪酸トリグリセリドで構成されたものであった。また、得られた第1の液体中に含まれる脂肪酸トリグリセリドの含有率は99.9wt%以上であった。また、得られた脂肪酸トリグリセリドが、脂肪酸トリグリセリドを構成する全脂肪酸成分における飽和脂肪酸を含む割合は、7.5mol%であった。
一方、脂肪酸モノエステルを含む第2の液体を、以下のようにして調製した。
まず、上記と同様にして、精製した菜種油を用意した。
次に、精製した菜種油に対して、触媒としての硫酸存在下で、過剰のイソブタノールを反応させ、エステル交換反応を行った。その後、過剰のイソブタノールと、反応により生じたグリセリンを取り除くことにより、主として脂肪酸モノエステルで構成された液体を得た。さらに、この液体を精製することにより、脂肪酸モノエステルの含有率が99.9wt%以上の第2の液体を得た。このようにして得られた脂肪酸モノエステルは、主にオレイン酸イソブチル、リノール酸イソブチル、α−リノレン酸イソブチル等の不飽和脂肪酸モノエステルと、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソブチル等の飽和脂肪酸モノエステルとを有する主として脂肪酸モノエステルで構成されたものであった。
まず、上記と同様にして、精製した菜種油を用意した。
次に、精製した菜種油に対して、触媒としての硫酸存在下で、過剰のイソブタノールを反応させ、エステル交換反応を行った。その後、過剰のイソブタノールと、反応により生じたグリセリンを取り除くことにより、主として脂肪酸モノエステルで構成された液体を得た。さらに、この液体を精製することにより、脂肪酸モノエステルの含有率が99.9wt%以上の第2の液体を得た。このようにして得られた脂肪酸モノエステルは、主にオレイン酸イソブチル、リノール酸イソブチル、α−リノレン酸イソブチル等の不飽和脂肪酸モノエステルと、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソブチル等の飽和脂肪酸モノエステルとを有する主として脂肪酸モノエステルで構成されたものであった。
このようにして得られた第1の液体と、第2の液体とを混合し、脂肪酸モノエステルと、脂肪酸トリグリセリドとを含む混合液を得た。その後、上記混合液:500重量部と、酸化防止剤としてのアスコルビン酸ステアリン酸エステル(熱分解温度:300℃以上):5重量部とを混合し、絶縁性液体を得た。なお、第1の液体と、第2の液体とを混合する際に、全絶縁性液体における脂肪酸モノエステルの含有量が、34.0wt%、脂肪酸トリグリセリドの含有量が、65.0wt%になるように調整した。また、得られた絶縁性液体のヨウ素価は、100であった。また、得られた絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は6.4×1014Ωcmであった。
[乾燥微粒子および酸化重合促進剤の分散]
上記のようにして得られた絶縁性液体:505重量部と、界面活性剤(ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド):1重量部と、カプセル化された酸化重合促進剤:1.25重量部(酸化重合促進剤として1重量部)と、上記乾燥微粒子:75重量部とを、ホモミキサー(特殊機化工業製)で10分間撹拌・混合することにより、液体現像剤を得た。また、このようにして得られた液体現像剤の粘度は160mPa・sであった。
上記のようにして得られた絶縁性液体:505重量部と、界面活性剤(ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド):1重量部と、カプセル化された酸化重合促進剤:1.25重量部(酸化重合促進剤として1重量部)と、上記乾燥微粒子:75重量部とを、ホモミキサー(特殊機化工業製)で10分間撹拌・混合することにより、液体現像剤を得た。また、このようにして得られた液体現像剤の粘度は160mPa・sであった。
(実施例2〜7)
トナー粒子を構成する樹脂材料として、表1に示すようなガラス転移点および軟化温度のポリエステル樹脂を用い、絶縁性液体中における脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドの含有量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(実施例8)
トナー粒子を構成する樹脂材料として、ガラス転移点が20℃および軟化温度が81℃のスチレン−アクリル酸エステル共重合体を用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
トナー粒子を構成する樹脂材料として、表1に示すようなガラス転移点および軟化温度のポリエステル樹脂を用い、絶縁性液体中における脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドの含有量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(実施例8)
トナー粒子を構成する樹脂材料として、ガラス転移点が20℃および軟化温度が81℃のスチレン−アクリル酸エステル共重合体を用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(実施例9)
第2の液体の調製において、イソブタノールの替わりに、メタノールを用いて、精製した菜種油とのエステル交換反応を起こさせ、脂肪酸モノエステルを主成分とする液体を得た以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。なお、本実施例での第2の液体中に含まれる脂肪酸モノエステルは、主にオレイン酸メチル、リノール酸メチル、α−リノレン酸メチル等の不飽和脂肪酸モノエステルと、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル等の飽和脂肪酸モノエステルとを有する脂肪酸モノエステルであった。
第2の液体の調製において、イソブタノールの替わりに、メタノールを用いて、精製した菜種油とのエステル交換反応を起こさせ、脂肪酸モノエステルを主成分とする液体を得た以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。なお、本実施例での第2の液体中に含まれる脂肪酸モノエステルは、主にオレイン酸メチル、リノール酸メチル、α−リノレン酸メチル等の不飽和脂肪酸モノエステルと、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル等の飽和脂肪酸モノエステルとを有する脂肪酸モノエステルであった。
(実施例10)
絶縁性液体の調製において、油脂として、菜種油の替わりに、大豆油を用いて、前記実施例1と同様の方法により第1の液体を調製し、また、第2の液体は、精製した大豆油にメタノールを加え、エステル交換反応により生成した液体から得た。これら第1の液体、および第2の液体を用いて、脂肪酸モノエステルおよび脂肪酸トリグリセリドの含有量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
絶縁性液体の調製において、油脂として、菜種油の替わりに、大豆油を用いて、前記実施例1と同様の方法により第1の液体を調製し、また、第2の液体は、精製した大豆油にメタノールを加え、エステル交換反応により生成した液体から得た。これら第1の液体、および第2の液体を用いて、脂肪酸モノエステルおよび脂肪酸トリグリセリドの含有量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(実施例11)
絶縁性液体の調製において、油脂として、菜種油の替わりに、脱水ひまし油を用いて、前記実施例1と同様の方法により第1の液体を調製し、また、第2の液体は、精製した脱水ひまし油にメタノールを加え、エステル交換反応により生成した液体から得た。これら第1の液体、および第2の液体を用いて、脂肪酸モノエステルおよび脂肪酸トリグリセリドの含有量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
絶縁性液体の調製において、油脂として、菜種油の替わりに、脱水ひまし油を用いて、前記実施例1と同様の方法により第1の液体を調製し、また、第2の液体は、精製した脱水ひまし油にメタノールを加え、エステル交換反応により生成した液体から得た。これら第1の液体、および第2の液体を用いて、脂肪酸モノエステルおよび脂肪酸トリグリセリドの含有量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(実施例12)
絶縁性液体の調製において、油脂として、菜種油の替わりに、桐油を用いて、前記実施例1と同様の方法により第1の液体を調製し、また、第2の液体は、精製した桐油にメタノールを加え、エステル交換反応により生成した液体から得た。これら第1の液体、および第2の液体を用いて、脂肪酸モノエステルおよび脂肪酸トリグリセリドの含有量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
絶縁性液体の調製において、油脂として、菜種油の替わりに、桐油を用いて、前記実施例1と同様の方法により第1の液体を調製し、また、第2の液体は、精製した桐油にメタノールを加え、エステル交換反応により生成した液体から得た。これら第1の液体、および第2の液体を用いて、脂肪酸モノエステルおよび脂肪酸トリグリセリドの含有量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(実施例13)
絶縁性液体の調製において、油脂として、菜種油の替わりに、アマニ油を用いて、前記実施例1と同様の方法により第1の液体を調製し、また、第2の液体は、精製したアマニ油にメタノールを加え、エステル交換反応により生成した液体から得た。これら第1の液体、および第2の液体を用いて、脂肪酸モノエステルおよび脂肪酸トリグリセリドの含有量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
絶縁性液体の調製において、油脂として、菜種油の替わりに、アマニ油を用いて、前記実施例1と同様の方法により第1の液体を調製し、また、第2の液体は、精製したアマニ油にメタノールを加え、エステル交換反応により生成した液体から得た。これら第1の液体、および第2の液体を用いて、脂肪酸モノエステルおよび脂肪酸トリグリセリドの含有量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(実施例14)
脂肪酸モノエステルとして、前記実施例11で用いたような脂肪酸モノエステルを用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。すなわち、本実施例の脂肪酸モノエステルは、本実施例の脂肪酸トリグリセリドをエステル交換反応させて得られる液体から調製されるものとは異なるものを使用した。
脂肪酸モノエステルとして、前記実施例11で用いたような脂肪酸モノエステルを用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。すなわち、本実施例の脂肪酸モノエステルは、本実施例の脂肪酸トリグリセリドをエステル交換反応させて得られる液体から調製されるものとは異なるものを使用した。
(実施例15)
脂肪酸モノエステルとして、前記実施例1で用いたような脂肪酸モノエステルで構成された第2の液体と、乾燥微粒子(トナー粒子)とをホモミキサーで20分間撹拌・混合した後、液体現像剤を構成するその他の成分を加え、さらにホモミキサーで10分間撹拌・混合し、表1に示すような液体現像剤を得た。
脂肪酸モノエステルとして、前記実施例1で用いたような脂肪酸モノエステルで構成された第2の液体と、乾燥微粒子(トナー粒子)とをホモミキサーで20分間撹拌・混合した後、液体現像剤を構成するその他の成分を加え、さらにホモミキサーで10分間撹拌・混合し、表1に示すような液体現像剤を得た。
(実施例16)
脂肪酸モノエステルとして、前記実施例9で用いたような脂肪酸モノエステルで構成された第2の液体と、乾燥微粒子(トナー粒子)とをホモミキサーで20分間撹拌・混合した後、液体現像剤を構成するその他の成分を加え、さらにホモミキサーで10分間撹拌・混合し、表1に示すような液体現像剤を得た。
脂肪酸モノエステルとして、前記実施例9で用いたような脂肪酸モノエステルで構成された第2の液体と、乾燥微粒子(トナー粒子)とをホモミキサーで20分間撹拌・混合した後、液体現像剤を構成するその他の成分を加え、さらにホモミキサーで10分間撹拌・混合し、表1に示すような液体現像剤を得た。
(実施例17)
脂肪酸トリグリセリドとして、前記実施例10で用いたような脂肪酸トリグリセリドで構成された第1の液体と、乾燥微粒子(トナー粒子)とをホモミキサーで10分間撹拌・混合した後、液体現像剤を構成するその他の成分を加え、さらにホモミキサーで10分間撹拌・混合し、表1に示すような液体現像剤を得た。
脂肪酸トリグリセリドとして、前記実施例10で用いたような脂肪酸トリグリセリドで構成された第1の液体と、乾燥微粒子(トナー粒子)とをホモミキサーで10分間撹拌・混合した後、液体現像剤を構成するその他の成分を加え、さらにホモミキサーで10分間撹拌・混合し、表1に示すような液体現像剤を得た。
(実施例18)
脂肪酸トリグリセリドとして、前記実施例11で用いたような脂肪酸トリグリセリドで構成された第1の液体と、乾燥微粒子(トナー粒子)とをホモミキサーで10分間撹拌・混合した後、液体現像剤を構成するその他の成分を加え、さらにホモミキサーで10分間撹拌・混合し、表1に示すような液体現像剤を得た。
脂肪酸トリグリセリドとして、前記実施例11で用いたような脂肪酸トリグリセリドで構成された第1の液体と、乾燥微粒子(トナー粒子)とをホモミキサーで10分間撹拌・混合した後、液体現像剤を構成するその他の成分を加え、さらにホモミキサーで10分間撹拌・混合し、表1に示すような液体現像剤を得た。
(実施例19)
脂肪酸トリグリセリドとして、前記実施例12で用いたような脂肪酸トリグリセリドで構成された第1の液体と、乾燥微粒子(トナー粒子)とをホモミキサーで10分間撹拌・混合した後、液体現像剤を構成するその他の成分を加え、さらにホモミキサーで10分間撹拌・混合し、表1に示すような液体現像剤を得た。
(実施例20)
脂肪酸トリグリセリドとして、前記実施例13で用いたような脂肪酸トリグリセリドで構成された第1の液体と、乾燥微粒子(トナー粒子)とをホモミキサーで10分間撹拌・混合した後、液体現像剤を構成するその他の成分を加え、さらにホモミキサーで10分間撹拌・混合し、表1に示すような液体現像剤を得た。
脂肪酸トリグリセリドとして、前記実施例12で用いたような脂肪酸トリグリセリドで構成された第1の液体と、乾燥微粒子(トナー粒子)とをホモミキサーで10分間撹拌・混合した後、液体現像剤を構成するその他の成分を加え、さらにホモミキサーで10分間撹拌・混合し、表1に示すような液体現像剤を得た。
(実施例20)
脂肪酸トリグリセリドとして、前記実施例13で用いたような脂肪酸トリグリセリドで構成された第1の液体と、乾燥微粒子(トナー粒子)とをホモミキサーで10分間撹拌・混合した後、液体現像剤を構成するその他の成分を加え、さらにホモミキサーで10分間撹拌・混合し、表1に示すような液体現像剤を得た。
(比較例1)
絶縁性液体として、前記実施例1で調製した第2の液体のみで構成されたものを用いた。すなわち、本実施例では、絶縁性液体中に脂肪酸トリグリセリドを主成分とする第1の液体、および酸化防止剤が含まれていないものを用いた。
(比較例2)
絶縁性液体として、前記実施例1で調製した第1の液体のみで構成されたものを用いた。すなわち、本実施例では、絶縁性液体中に脂肪酸モノエステルを主成分とする第2の液体、および酸化防止剤が含まれていないものを用いた。
絶縁性液体として、前記実施例1で調製した第2の液体のみで構成されたものを用いた。すなわち、本実施例では、絶縁性液体中に脂肪酸トリグリセリドを主成分とする第1の液体、および酸化防止剤が含まれていないものを用いた。
(比較例2)
絶縁性液体として、前記実施例1で調製した第1の液体のみで構成されたものを用いた。すなわち、本実施例では、絶縁性液体中に脂肪酸モノエステルを主成分とする第2の液体、および酸化防止剤が含まれていないものを用いた。
(比較例3、4)
絶縁性液体中における脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドの含有量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(比較例5)
トナー粒子を構成する樹脂材料として、ガラス転移点が80℃、軟化温度が143℃のポリエステル樹脂を用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(比較例6)
絶縁性液体としてアイソパーGを用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
絶縁性液体中における脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドの含有量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(比較例5)
トナー粒子を構成する樹脂材料として、ガラス転移点が80℃、軟化温度が143℃のポリエステル樹脂を用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(比較例6)
絶縁性液体としてアイソパーGを用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
以上の各実施例、および各比較例について、液体現像剤の構成、および粘度、電気抵抗の評価結果を表1に示す。なお、表1中における粘度の評価は、JIS Z8809に準拠して振動式粘度計(CBC(株)製VM−100A)を用いて、測定温度25℃の条件で行った。また、表1中には、絶縁性液体中における脂肪酸モノエステル成分の含有量をX[wt%]、絶縁性液体中における脂肪酸トリグリセリド成分の含有率をY[wt%]としたときのX/Yの値も示した。また、表中、ポリエステル樹脂をPEs、スチレン−アクリル酸エステル共重合体をst−ac、オレイン酸をOL、リノール酸をLN、α−リノレン酸をLL、エレオステアリン酸をES、イソブタノールをi−BuOH、メタノールをMeOHで示した。
なお、表1中の絶縁性液体の粘度、および電気抵抗は以下の4ないし3段階の基準に従い表記した。
<粘度>
◎◎ :150mPa・s以上800mPa・s以下。
◎ :100mPa・s以上900mPa・s以下。(150mPa・s以上800mPa・s以下は除く)
○ :50mPa・s以上1000mPa・s以下。(100mPa・s以上900mPa・s以下は除く)
× :50mPa・s未満、もしくは、1000mPa・sより大きい。
<粘度>
◎◎ :150mPa・s以上800mPa・s以下。
◎ :100mPa・s以上900mPa・s以下。(150mPa・s以上800mPa・s以下は除く)
○ :50mPa・s以上1000mPa・s以下。(100mPa・s以上900mPa・s以下は除く)
× :50mPa・s未満、もしくは、1000mPa・sより大きい。
<電気抵抗>
◎ :1×1013Ωcm以上。
○ :1×1011Ωcm以上1×1013Ωcm未満。
△ :1×109Ωcm以上1×1011Ωcm未満。
× :1×109Ωcm未満。
◎ :1×1013Ωcm以上。
○ :1×1011Ωcm以上1×1013Ωcm未満。
△ :1×109Ωcm以上1×1011Ωcm未満。
× :1×109Ωcm未満。
[2]評価
上記のようにして得られた各液体現像剤について、定着強度、高速での画像形成に対する適応性、保存性、および長期安定性の評価を行った。
[2.1]定着強度
図4に示すような画像形成装置を用いて、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に形成した。その後、記録紙上に形成された画像について、オーブンによる熱定着を行った。この熱定着は、100℃×1分間という条件で行った。
上記のようにして得られた各液体現像剤について、定着強度、高速での画像形成に対する適応性、保存性、および長期安定性の評価を行った。
[2.1]定着強度
図4に示すような画像形成装置を用いて、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に形成した。その後、記録紙上に形成された画像について、オーブンによる熱定着を行った。この熱定着は、100℃×1分間という条件で行った。
その後、非オフセット領域を確認した後、記録紙上の定着像を消しゴム(ライオン事務機社製、砂字消し「LION 261−11」)を押圧荷重1.0kgfで2回擦り、画像濃度の残存率をX−Rite Inc社製「X−Rite model 404」により測定し、以下の5段階の基準に従い評価した。
◎◎:画像濃度残存率が95%以上。
◎ :画像濃度残存率が90%以上95%未満。
○ :画像濃度残存率が80%以上90%未満。
△ :画像濃度残存率が70%以上80%未満。
× :画像濃度残存率が70%未満。
◎◎:画像濃度残存率が95%以上。
◎ :画像濃度残存率が90%以上95%未満。
○ :画像濃度残存率が80%以上90%未満。
△ :画像濃度残存率が70%以上80%未満。
× :画像濃度残存率が70%未満。
[2.2]高速での画像形成評価
図4に示すような液体現像方式の電子写真画像形成装置にて、熱定着ロールの設定温度:100℃、プリントスピード:50枚/分の条件で形成された画像における、かすれ等の画像不良の程度を目視で評価し、さらに、形成された画像の画像濃度について、それぞれ以下の4段階の基準に従い評価した。
図4に示すような液体現像方式の電子写真画像形成装置にて、熱定着ロールの設定温度:100℃、プリントスピード:50枚/分の条件で形成された画像における、かすれ等の画像不良の程度を目視で評価し、さらに、形成された画像の画像濃度について、それぞれ以下の4段階の基準に従い評価した。
<かすれ等の画像不良>
◎ :形成された画像に、かすれ等の画像不良がまったく認められない。
○ :形成された画像に、かすれ等の画像不良がほとんど認められない。
△ :形成された画像に、かすれ等の画像不良がわずかに認められる。
× :形成された画像に、かすれ等の画像不良がはっきりと認められる。
◎ :形成された画像に、かすれ等の画像不良がまったく認められない。
○ :形成された画像に、かすれ等の画像不良がほとんど認められない。
△ :形成された画像に、かすれ等の画像不良がわずかに認められる。
× :形成された画像に、かすれ等の画像不良がはっきりと認められる。
<画像濃度>
◎ :画像濃度:1.5(単位があればご記入下さい)以上
○ :画像濃度:1.0以上1.5未満
△ :画像濃度:0.5以上1.0未満
× :画像濃度:0.5未満
◎ :画像濃度:1.5(単位があればご記入下さい)以上
○ :画像濃度:1.0以上1.5未満
△ :画像濃度:0.5以上1.0未満
× :画像濃度:0.5未満
[2.3]保存性
前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤を、温度:20〜28℃の環境下に、6ヵ月間静置した。その後、液体現像剤中のトナーの様子を目視にて確認し、以下の5段階の基準に従い評価した。
◎◎:トナー粒子の浮遊および凝集沈降がまったく認められない。
◎ :トナー粒子の浮遊および凝集沈降がほとんど認められない。
○ :トナー粒子の浮遊または凝集沈降がわずかに認められるが、液体現像剤として
問題の無い範囲である。
△ :トナー粒子の浮遊または凝集沈降がはっきりと認められる。
× :トナー粒子の浮遊および凝集沈降が顕著に認められる。
前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤を、温度:20〜28℃の環境下に、6ヵ月間静置した。その後、液体現像剤中のトナーの様子を目視にて確認し、以下の5段階の基準に従い評価した。
◎◎:トナー粒子の浮遊および凝集沈降がまったく認められない。
◎ :トナー粒子の浮遊および凝集沈降がほとんど認められない。
○ :トナー粒子の浮遊または凝集沈降がわずかに認められるが、液体現像剤として
問題の無い範囲である。
△ :トナー粒子の浮遊または凝集沈降がはっきりと認められる。
× :トナー粒子の浮遊および凝集沈降が顕著に認められる。
[2.4]長期安定性
前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤を、35℃、相対湿度70%の環境下に、6ヶ月間放置した。その後、液体現像剤の様子を観察し、以下の5段階の基準に従い評価した。
◎◎:液体現像剤の増粘/変色がまったく認められない。
◎ :液体現像剤の増粘/変色がほとんど認められない。
○ :液体現像剤の増粘/変色がわずかに認められるが、液体現像剤として問題の無
い範囲である。
△ :液体現像剤の増粘/変色がはっきりと認められる
× :液体現像剤の増粘/変色が顕著に認められる。
前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤を、35℃、相対湿度70%の環境下に、6ヶ月間放置した。その後、液体現像剤の様子を観察し、以下の5段階の基準に従い評価した。
◎◎:液体現像剤の増粘/変色がまったく認められない。
◎ :液体現像剤の増粘/変色がほとんど認められない。
○ :液体現像剤の増粘/変色がわずかに認められるが、液体現像剤として問題の無
い範囲である。
△ :液体現像剤の増粘/変色がはっきりと認められる
× :液体現像剤の増粘/変色が顕著に認められる。
これらの結果を、トナー粒子の平均円形度R、円形度標準偏差、個数基準の平均粒径、粒径標準偏差とともに表2に示す。なお、円形度の測定は、フロー式粒子像解析装置(東亜医用電子社製、FPIA−2000)を用いて行った。ただし、円形度Rは、下記式(I)で表されるものとする。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象の粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象の粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象の粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象の粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
表2から明らかなように、本発明の液体現像剤は、低温定着性に優れるとともに、定着強度に優れたものであった。また、本発明の液体現像剤は、高速画像形成に対する適応性に優れていた。さらに、表2に示すように、保存性、長期安定性にも優れていた。
また、定着強度の評価において、定着温度を、95℃、90℃、85℃、80℃に変更し、上記と同様にして定着強度を評価したところ、同様の結果が得られた。このことからも、本発明の液体現像剤は、低温定着に適したものであることがわかる。
また、定着強度の評価において、定着温度を、95℃、90℃、85℃、80℃に変更し、上記と同様にして定着強度を評価したところ、同様の結果が得られた。このことからも、本発明の液体現像剤は、低温定着に適したものであることがわかる。
また、高速での画像形成評価において、定着装置の記録媒体の搬送速度を、50枚/分から、60枚/分、70枚/分、80枚/分と速くし、上記と同様にして定着強度を評価したところ、同様の結果が得られた。このことからも、本発明の液体現像剤は、高速印刷に適したものであることがわかる。
また、実施例15〜20で得られた液体現像剤は、保存性が特に優れていた。
これに対し、各比較例の液体現像剤では、満足な結果が得られなかった。
また、実施例15〜20で得られた液体現像剤は、保存性が特に優れていた。
これに対し、各比較例の液体現像剤では、満足な結果が得られなかった。
また、着色剤として、シアン系顔料の代わりに、ピグメントレッド122、ピグメントイエロー180、カーボンブラック(デグサ社製、Printex L)を用いた以外は、上記と同様に液体現像剤の製造、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
また、乾燥微粒子製造装置のヘッド部付近の構造を、図3に示すような構成のものから、図7〜図10に示すような構成のものに変更して、上記と同様に液体現像剤の製造、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。また、図7〜図10に示すようなヘッド部を備えた乾燥微粒子製造装置では、吐出部の径を小さくし、水系懸濁液の濃度を比較的高くした場合であっても、好適に吐出することができ、上記と同様に結果が得られた。また、高濃度の水系懸濁液を用いたことから、乾燥にかかる時間を短縮することができ、生産性が向上した。
また、乾燥微粒子製造装置のヘッド部付近の構造を、図3に示すような構成のものから、図7〜図10に示すような構成のものに変更して、上記と同様に液体現像剤の製造、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。また、図7〜図10に示すようなヘッド部を備えた乾燥微粒子製造装置では、吐出部の径を小さくし、水系懸濁液の濃度を比較的高くした場合であっても、好適に吐出することができ、上記と同様に結果が得られた。また、高濃度の水系懸濁液を用いたことから、乾燥にかかる時間を短縮することができ、生産性が向上した。
K1…混練機 K2…プロセス部 K21…バレル K22、K23…スクリュー K24…固定部材 K25…脱気口 K3…ヘッド部 K31…内部空間 K32…押出口 K33…横断面積漸減部 K4…フィーダー K5…原料 K6…冷却機 K61、K62、K63、K64…ロール K611、K621、K631、K641…回転軸 K65、K66…ベルト K67…排出部 K7…混練物 M1…乾燥微粒子製造装置(トナー粒子製造装置) M2…ヘッド部 M21…分散液貯留部 M22…圧電素子 M221…下部電極 M222…圧電体 M223…上部電極 M23…吐出部 M24…振動板 M25…音響レンズ M26…圧力パルス収束部 M3…分散媒除去部 M31…ハウジング M311…縮径部 M4…水系懸濁液供給部(水系分散液供給部) M41…攪拌手段 M5…回収部 M7…ガス噴射口 M8…電圧印加手段 M10…ガス流供給手段 M101…ダクト M11…熱交換器 M12…圧力調整手段 M121…接続管 M122…拡径部 M123…フィルター M13…絞り部材 P…ポンプ 3…水系懸濁液(水系分散液) 31…分散質 32…分散媒(水系分散媒) 4…乾燥微粒子(トナー粒子) 9…液滴 P1…画像形成装置 P2…感光体 P3…帯電器 P4…露光 P10…現像器 P11…現像剤容器 P12…塗布ローラ P13…現像ローラ P14…液体現像剤塗布層 P15…メータリングブレード P16…ローラ芯体 P17…現像ローラクリーニングブレード P18…中間転写ローラ P19…二次転写ローラ P21…除電光 P22…クリーニングブレード P23…クリーニングブレード P24…帯電ブレード F40…定着装置 F1…熱定着ローラ(加熱ローラ) F1a…柱状ハロゲンランプ F1b…ローラ基材 F1c…弾性体 F2…加圧ローラ F2a…回転軸 F2b…ローラ基材 F2c…弾性体 F3…耐熱ベルト F4…ベルト張架部材 F4a…突壁 F4f…凹部 F5…記録媒体 F5a…トナー画像 F6…クリーニング部材 F7…フレーム F8…紫外線照射手段 F9…スプリング
Claims (7)
- 絶縁性液体中に、主として樹脂材料で構成されたトナー粒子が分散した液体現像剤であって、
前記絶縁性液体は、脂肪酸モノエステルと、脂肪酸トリグリセリドとを含み、
前記脂肪酸モノエステルおよび前記脂肪酸トリグリセリドは、脂肪酸成分として、不飽和脂肪酸を含むものであり、
前記絶縁性液体中における前記脂肪酸モノエステルの含有量をX[wt%]、前記脂肪酸トリグリセリドの含有量をY[wt%]としたとき、0.01≦X/Y≦1.0の関係を満足するものであり、
前記樹脂材料は、ガラス転移点Tgが15〜70℃、かつ、軟化温度Tfが80〜140℃のものであることを特徴とする液体現像剤。 - 前記樹脂材料は、ポリエステル樹脂である請求項1に記載の液体現像剤。
- 前記脂肪酸モノエステルは、炭素数が16〜22である不飽和脂肪酸と、炭素数が1〜4であるアルコールとのモノエステルを含むものである請求項1または2に記載の液体現像剤。
- 前記脂肪酸モノエステルは、前記脂肪酸トリグリセリドと、炭素数が1〜4であるモノアルコールとのエステル交換反応により生成されたものである請求項1ないし3のいずれかに記載の液体現像剤。
- 前記脂肪酸トリグリセリドは、不飽和脂肪酸成分として炭素数が16〜22である不飽和脂肪酸を含むものである請求項1ないし4のいずれかに記載の液体現像剤。
- 25℃において、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される粘度は、50〜1000mPa・sである請求項1ないし5のいずれかに記載の液体現像剤。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の液体現像剤を用いて、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
前記液体現像剤を貯留する液体現像剤貯留部と、
前記液体現像剤貯留部より供給された前記液体現像剤を用いて現像する現像部と、
前記現像部で形成された像を記録媒体上に転写し、転写像を形成する転写部と、
前記記録媒体上に形成された前記転写像を前記記録媒体上に定着させる定着部とを有することを特徴とする画像形成装置。
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