JP4952096B2 - 液体現像剤および画像形成装置 - Google Patents
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Description
乾式トナーを用いる方法は、固体状態のトナーを取り扱うので、取り扱い上の有利さはあるものの、粉体による人体等への悪影響が懸念されるほか、トナーの飛散による汚れ、トナーを分散した際の均一性等に問題がある。また、乾式トナーでは、粒子の凝集が起こり易く、トナー粒子の大きさを十分に小さくするのが困難であり、解像度の高いトナー画像を形成するのが困難であるという問題がある。また、トナー粒子の大きさを比較的小さなものとした場合には、上述したような粉体であることによる問題が更に顕著なものとなる。
しかしながら、従来の液体現像剤で用いられてきた絶縁性液体は、石油系の炭化水素を主とするものであるため、画像形成装置等の外に出た場合に、環境に悪影響を及ぼすことが懸念されていた。
さらに、液体現像剤を用いる方法では、乾式トナーで用いられるトナー粒子に比べ、粒径を小さくすることができ、解像度の高いトナー画像を形成することができる。しかし、通常、トナー粒子の粒径を小さくすると、粒径サイズに比例して解像度を高くすることができるのに対して、従来の液体現像剤では、粒径サイズから予期される解像度を得ることができなかった。
本発明の液体現像剤は、絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤であって、
前記絶縁性液体が、脂肪酸トリグリセリドと、脂肪酸モノエステルとを含み、
前記脂肪酸トリグリセリドは、脂肪酸成分として、不飽和脂肪酸を含むものであり、
前記脂肪酸モノエステルは、脂肪酸成分として、不飽和脂肪酸を含むものであり、
前記絶縁性液体中における前記脂肪酸トリグリセリドの含有量が、51〜80wt%であることを特徴とする。
これにより、記録媒体へのトナー粒子の定着特性に優れつつ、優れた保存性を有し、かつ、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
これにより、液体現像剤の保存性、長期安定性、および、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を特に優れたものとすることができる。
本発明の液体現像剤では、前記絶縁性液体中における前記脂肪酸トリグリセリド成分の含有率をX[wt%]、前記絶縁性液体中における前記脂肪酸モノエステル成分の含有率をY[wt%]としたとき、1.1≦X/Y≦3.0の関係を満足することが好ましい。
これにより、液体現像剤の保存性をさらに優れたものとしつつ、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を特に優れたものとすることができる。
これにより、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を特に優れたものとすることができる。
これにより、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を特に優れたものとすることができる。
これにより、液体現像剤の保存性、長期安定性、および、記録媒体へのトナー粒子の定着特性のいずれをも、特に優れたものとすることができる。
前記液体現像剤を貯留する液体現像剤貯留部と、
前記液体現像剤貯留部より供給された前記液体現像剤を用いて現像する現像部と、
前記現像部で形成された像を記録媒体上に転写し、転写像を形成する転写部と、
前記記録媒体上に形成された前記転写像を前記記録媒体上に定着させる定着部とを有することを特徴とする。
これにより、優れた耐久性を有するトナー画像を得ることができる画像形成装置を提供することができる。
《液体現像剤》
本発明の液体現像剤は、絶縁性液体中にトナー粒子が分散したものである。
<トナー粒子>
まず、トナー粒子について説明する。
本発明の液体現像剤を構成するトナー粒子(トナー)は、少なくとも、結着樹脂(樹脂材料)と着色剤とを含むものである。
1.樹脂材料
液体現像剤を構成するトナーは、主成分としての樹脂材料を含む材料で構成されている。
また、トナーは、着色剤を含んでいる。着色剤としては、例えば、顔料、染料等を使用することができる。このような顔料、染料としては、例えば、カーボンブラック、スピリットブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)、マグネタイト、チタンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、カルコオイルブルー、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ファイナルイエローグリーンG、ローダミン6G、キナクリドン、ローズベンガル(C.I.No.45432)、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー5:1、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー162、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、トナーは、上記以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、ワックス、帯電制御剤、磁性粉末等が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシン、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックス等の炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、キャンデリラワックス、綿ロウ、木ロウ、ミツロウ、ラノリン、モンタンワックス、脂肪酸エステル等のエステル系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド等のアミド系ワックス、ラウロン、ステアロン等のケトン系ワックス、エーテル系ワックス等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
また、混練物の構成材料(成分)としては、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、脂肪酸、脂肪酸金属塩等を用いてもよい。
上記のような材料で構成されたトナー粒子の平均粒径は、0.1〜5μmであるのが好ましく、0.1〜4μmであるのがより好ましく、0.5〜3μmであるのがさらに好ましい。トナー粒子の平均粒径が前記範囲内の値であると、各トナー粒子間での特性のばらつきを特に小さいものとし、液体現像剤全体としての信頼性を特に高いものとしつつ、液体現像剤(トナー)により形成される画像の解像度を十分に高いものとすることができる。
また、液体現像剤を構成するトナー粒子についての下記式(I)で表される円形度Rの平均値(平均円形度)は、0.85以上であるのが好ましく、0.90〜0.99であるのがより好ましく、0.92〜0.99であるのがさらに好ましい。
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
これにより、トナー粒子の粒径を十分に小さいものとしつつ、トナー粒子の転写効率、機械的強度を特に優れたものとすることができる。
また、液体現像剤を構成するトナー粒子間での平均円形度の標準偏差は、0.15以下であるのが好ましく、0.001〜0.10であるのがより好ましく、0.001〜0.05であるのがさらに好ましい。これにより、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等の特性のばらつきが特に小さくなり、液体現像剤全体としての信頼性がさらに向上する。
次に、絶縁性液体について説明する。
本発明において、絶縁性液体は、脂肪酸成分として不飽和脂肪酸を含んだ、脂肪酸トリグリセリド、および脂肪酸モノエステルを含むものである。
ところで、従来の液体現像剤では、使用時等における画像形成装置外への絶縁性液体の漏出(例えば、定着時における絶縁性液体の揮発等)や、使用済液体現像剤の廃棄等による絶縁性液体の環境に対する影響が懸念されていた。また、通常、液体現像剤では絶縁性液体が、トナー粒子表面に付着しており、さらには、トナー粒子内部に取り込まれることもある。このため、従来の液体現像剤では、トナー粒子の記録媒体への定着性が阻害される(定着強度が低下する)という問題点があった。
また、脂肪酸トリグリセリド、および脂肪酸モノエステルに含まれる不飽和脂肪酸成分は、トナー粒子の記録媒体への定着性向上に寄与することができる成分である。より詳しく説明すると、不飽和脂肪酸成分は、酸化されることにより(定着時に酸化されることにより)、重合反応が進行し、それ自体が硬化するため、記録媒体と、硬化した液体現像剤とのアンカー効果により、トナー粒子の定着性を向上させる機能を有する成分である。すなわち、従来の液体現像剤で用いられてきた石油系の炭化水素(主にイソパラフィン系溶剤)等で構成された絶縁性液体では、定着時に排除しなければ、記録媒体へのトナー粒子の定着特性は悪化するのに対して、本発明の液体現像剤で用いられる脂肪酸トリグリセリド、および脂肪酸モノエステルを含む絶縁性液体では、定着時に絶縁性液体自体が硬化することによって、記録媒体へのトナー粒子の定着特性をより優れたものとしている。
本発明において、絶縁性液体中の脂肪酸トリグリセリドは、脂肪酸とグリセリンとの間のトリエステル(トリグリセリド)であり、脂肪酸成分として不飽和脂肪酸を含むものである。
絶縁性液体を構成する脂肪酸トリグリセリドを含むことにより、記録媒体へのトナー粒子の定着特性を優れたものとしつつ、画像形成装置により得られる画像を、にじみ等の画質不良のない鮮明なものにすることができる。また、脂肪酸トリグリセリドと、後述する脂肪酸モノエステルを含む絶縁性液体を用いることにより、上記に挙げた効果をもたせながら、さらに、高速での画像形成に好適な液体現像剤とすることができる。
本発明において、絶縁性液体中の脂肪酸モノエステルは、脂肪酸とアルコールとの間のモノエステルであり、脂肪酸成分として不飽和脂肪酸を含むものである。
絶縁性液体中に脂肪酸モノエステルを含むことにより、記録媒体への液体現像剤の浸透は好適なものとなり、また高速での画像形成に好適に適応することができる。さらに、脂肪酸モノエステルと、前述した脂肪酸トリグリセリドとを含む絶縁性液体を用いることにより、記録媒体へのトナー粒子の定着特性は優れたものとなる。
絶縁性液体中における前記酸化防止剤の含有量は、絶縁性液体100重量部に対して、0.01〜15重量部であるのが好ましく、0.1〜10重量部であるのがより好ましく、1〜7重量部であるのがより好ましい。これにより、液体現像剤の保存時等における不飽和脂肪酸成分の酸化による劣化を、より確実に防止しつつ、必要時(定着時)において不飽和脂肪酸成分の硬化(酸化重合反応)を効率良く進行させることができる。
また、絶縁性液体の誘電率は、3.5以下であるのが好ましい。
また、絶縁性液体のヨウ素価は、特に限定されないが、50〜200であるのが好ましく、60〜190であるのがより好ましい。これにより、絶縁性液体の化学的な劣化を十分に防止しつつ、酸化重合反応を効率良く進行させることができ、トナー粒子を記録媒体に定着した際の定着強度をより向上させることができる。また、トナー材料との親和性をより高いものとすることができ、その結果、液体現像剤の保存性をより高いものとすることができる。
次に本発明の液体現像剤の製造方法の一例について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、水系乳化液の調製に用いる混練物を製造するための混練機、冷却機の構成の一例を模式的に示す縦断面図、図2は、本発明の液体現像剤の製造に用いられる乾燥微粒子製造装置の好適な実施形態を模式的に示す縦断面図、図3は、図2に示す乾燥微粒子製造装置のヘッド部付近の拡大断面図である。以下、図1中、左側を「基端」、右側を「先端」として説明する。
本実施形態では、分散液として、水系液体で構成された水系分散媒に分散質が分散した水系分散液を用いた場合について説明する。水系分散液を用いることにより、環境に優しい方法で液体現像剤を提供することができる。
なお、混練物の構成材料(成分)としては、前述したようなトナーを構成する材料の他に、例えば、無機溶媒、有機溶媒等の溶媒として用いられるような材料を用いてもよい。これにより、例えば、混練の効率を向上させることができ、各成分がより均一に混ざり合った混練物を容易に得ることができる。
次に、上記のようなトナー材料を含む原料K5を混練して、混練物K7を得る方法の一例について説明する。
混練物K7は、例えば、図1に示すような装置を用いて製造することができる。
[混練工程]
混練に供される原料K5は、前述したようなトナー材料を含むものである。特に、原料K5が着色剤を含むことにより、本工程で原料K5中に含まれる空気(特に着色剤が抱き込んだ空気)を効率よく除去することができ、トナー粒子の内部に気泡が混入(残存)するのを効果的に防止することができる。混練に供される原料K5は、これらの各成分が予め混合されたものであるのが好ましい。
混練機K1は、原料K5を搬送しつつ混練するプロセス部K2と、混練された原料(混練物K7)を所定の断面形状に形成して押し出すヘッド部K3と、プロセス部K2内に原料K5を供給するフィーダーK4とを有している。
プロセス部K2は、バレルK21と、バレルK21内に挿入されたスクリューK22、スクリューK23と、バレルK21の先端にヘッド部K3を固定するための固定部材K24とを有している。
プロセス部K2の全長は、50〜300cmであるのが好ましく、100〜250cmであるのがより好ましい。プロセス部K2の全長が前記下限値未満であると、原料K5中の各成分を十分均一に混ぜ合わせることが困難となる可能性がある。一方、プロセス部K2の全長が前記上限値を超えると、プロセス部K2内の温度、スクリューK22、スクリューK23の回転数等によっては、熱による原料K5の変性が起こり易くなり、最終的に得られる液体現像剤(トナー)の物性を十分に制御するのが困難になる可能性がある。
プロセス部K2で混練された混練物K7は、スクリューK22とスクリューK23との回転により、ヘッド部K3を介して、混練機K1の外部に押し出される。
ヘッド部K3は、プロセス部K2から混練物K7が送り込まれる内部空間K31と、混練物K7が押し出される押出口K32とを有している。
図示の構成では、内部空間K31は、押出口K32の方向に向って、その横断面積が漸減する横断面積漸減部K33を有している。このような横断面積漸減部K33を有することにより、押出口K32から押し出される混練物K7の押出量が安定し、また、後述する冷却工程における混練物K7の冷却速度が安定する。その結果、これを用いて製造されるトナーは、各トナー粒子間での特性のばらつきが小さいものとなり、全体としての特性に優れたものになる。
ヘッド部K3の押出口K32から押し出された軟化した状態の混練物K7は、冷却機K6により冷却され、固化する。
冷却機K6は、ロールK61、K62、K63、K64と、ベルトK65、K66とを有している。
ロールK61、K62、K63、K64は、それぞれ、回転軸K611、K621、K631、K641を中心として、図中e、f、g、hで示す方向に回転する。これにより、混練機K1の押出口K32から押し出された混練物K7は、ベルトK65−ベルトK66間に導入される。ベルトK65−ベルトK66間に導入された混練物K7は、ほぼ均一な厚さの板状となるように成形されつつ、冷却される。冷却された混練物K7は、排出部K67から排出される。ベルトK65、K66は、例えば、水冷、空冷等の方法により、冷却されている。冷却機として、このようなベルト式のものを用いると、混練機から押し出された混練物と、冷却体(ベルト)との接触時間を長くすることができ、混練物の冷却の効率を特に優れたものとすることができる。
また、図示の構成では、スクリューを2本有する構成の混練機について説明したが、スクリューは1本であってもよいし、3本以上であってもよい。また、混練装置にディスク(ニーディングディスク)部があってもよい。
また、本実施形態では、冷却機として、ベルト式のものを用いた構成について説明したが、例えば、ロール式(冷却ロール式)の冷却機を用いてもよい。また、混練機の押出口K32から押し出された混練物の冷却は、前記のような冷却機を用いたものに限定されず、例えば、空冷等により行うものであってもよい。
次に、上述したような冷却工程を経た混練物K7を粉砕する。このように、混練物K7を粉砕することにより、後述する水系分散液を、比較的容易に、より微小な分散質が分散したものとして得ることができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤においても、トナー粒子の大きさをより小さなものとすることができ、高解像度の画像形成に好適に用いることができる。
粉砕の工程は、複数回(例えば、粗粉砕工程と微粉砕工程との2段階)に分けて行ってもよい。また、このような粉砕工程の後、必要に応じて、分級処理等の処理を行ってもよい。分級処理には、例えば、ふるい、気流式分級機等を用いることができる。
次に、上記のような混練物K7を用いて、水系液体で構成された水系分散媒中に、トナー材料で構成された分散質が分散した水系分散液を調製する。
水系分散液の調製方法は、いかなるものであってもよい。例えば、上記混練物K7を、水系液体にそのまま加えて分散させたものでもよいし、混練物の少なくとも一部を溶解しうる溶媒に混練物K7を溶解した後、これを水系液体に分散させることにより、水系乳化液としてもよいし、さらに、この得られた水系乳化液から、乳化液の分散質を構成する溶媒を除去することにより、水系懸濁液としてもよい。いかなる方法で、水系分散液を調製しても、トナー材料の凝集を好適に防止し、最終的に生成される液体現像剤により得られる画像は、鮮明で、高解像度のものとなる。なお、上記の記載内容において、「水系液体」とは、少なくとも水(H2O)を含む液体のことを指し、好ましくは、主として水で構成されたものである。水系液体中に占める水の含有率は、50wt%以上であるのが好ましく、80wt%以上であるのが好ましく、90wt%以上であるのが好ましい。また、「水系乳化液」とは、水系液体で構成された水系分散媒中に、液状の分散質(分散粒子)が分散した分散液のことを指し、また「水系懸濁液」とは、水系液体で構成された水系分散媒中に、固体状(固体)の分散質(懸濁粒子)が分散した分散液(懸濁コロイドを含む)のことを指す。
次に、水系分散液から水系分散媒を除去することにより、水系分散液の分散質に対応する乾燥微粒子を得る(水系分散媒除去工程)。このようにして得られる乾燥微粒子は、液体現像剤のトナー粒子に相当するものである。
水系分散媒の除去は、いかなる方法で行ってもよいが、水系分散媒中に分散質が分散した分散液(水系分散液)の液滴を間欠的に吐出することにより行うのが好ましい。これにより、分散質の凝集等を効果的に防止しつつ、水系分散媒の除去をより効率良く行うことができ、液体現像剤の生産性が向上する。また、水系分散液の液滴を間欠的に吐出して水系分散媒の除去を行うことにより、前述した水系懸濁液の調製において、溶媒の一部が残存している場合であっても、この残存している溶媒を水系分散媒とともに効率良く除去することができる。
特に、本実施形態では、図2、図3に示すような乾燥微粒子製造装置(トナー粒子製造装置)を用いて、水系分散媒の除去を行う。
図2に示すように、乾燥微粒子製造装置(トナー粒子製造装置)M1は、上述したような水系懸濁液(水系分散液)3を、液滴9として間欠的に吐出するヘッド部M2と、ヘッド部M2に水系懸濁液3を供給する水系懸濁液供給部(水系分散液供給部)M4と、ヘッド部M2から吐出された液滴状(微粒子状)の水系懸濁液3(液滴9)を搬送しつつ分散媒32を除去し、乾燥微粒子(トナー粒子)4とする分散媒除去部M3と、製造された乾燥微粒子(トナー粒子)4を回収する回収部M5とを有している。
ヘッド部M2は、分散液貯留部M21と、圧電素子M22と、吐出部M23とを有している。
分散液貯留部M21には、水系懸濁液3が貯留されている。
分散液貯留部M21に貯留された水系懸濁液3は、圧電素子M22の圧力パルス(圧電パルス)により、吐出部M23から、液滴9として分散媒除去部M3に吐出される。
吐出部M23が略円形状のものである場合、その直径(ノズル径)は、例えば、5〜500μmであるのが好ましく、10〜200μmであるのがより好ましい。吐出部M23の直径が前記下限値未満であると、目詰まりが発生し易くなり、吐出される液滴9の大きさのばらつきが大きくなる場合がある。一方、吐出部M23の直径が前記上限値を超えると、分散液貯留部M21の負圧と、ノズルの表面張力との力関係によっては、吐出される水系懸濁液3(液滴9)が気泡を抱き込んでしまう可能性がある。
図3に示すように、圧電素子M22は、下部電極(第1の電極)M221、圧電体M222および上部電極(第2の電極)M223が、この順で積層されて構成されている。換言すれば、圧電素子M22は、上部電極M223と下部電極M221との間に、圧電体M222が介挿された構成とされている。
ヘッド部M2は、圧電素子駆動回路(図示せず)から所定の吐出信号が入力されていない状態、すなわち、圧電素子M22の下部電極M221と上部電極M223との間に電圧が印加されていない状態では、圧電体M222に変形が生じない。このため、振動板M24にも変形が生じず、分散液貯留部M21には容積変化が生じない。したがって、吐出部M23から水系懸濁液3は吐出されない。
このように、水系懸濁液3の吐出(噴射)を、圧電体M222の振動による圧力パルスで行うことにより、水系懸濁液3を一滴ずつ間欠的に吐出することができ、また、吐出される水系懸濁液3の液滴9の形状が安定する。その結果、各トナー粒子間での形状、大きさのばらつきを特に小さいものとすることができるとともに、製造されるトナー粒子を真球度の高いもの(幾何学的に完全な球形に近い形状)にすることが比較的容易にできる。
ヘッド部M2から分散媒除去部M3に吐出される水系懸濁液3(液滴9)の初速度は、例えば、0.1〜10m/秒であるのが好ましく、2〜8m/秒であるのがより好ましい。水系懸濁液3の初速度が前記下限値未満であると、トナーの生産性が低下する。一方、水系懸濁液3の初速度が前記上限値を超えると、最終的に得られるトナー粒子の真球度が低下する傾向を示す。
また、ヘッド部M2から吐出される液滴9の平均粒径は、水系懸濁液3中に占める分散質31の含有率等により若干異なるが、1.0〜100μmであるのが好ましく、5〜50μmであるのがより好ましい。液滴9の平均粒径をこのような範囲の値にすることにより、形成される乾燥微粒子4を適度な粒径のものにすることができる。
各ヘッド部M2は、ほぼ同時に水系懸濁液3(液滴9)を吐出するものであってもよいが、少なくとも隣り合う2つのヘッド部で、水系懸濁液3(液滴9)の吐出タイミングが異なるように制御されたものであるのが好ましい。これにより、隣接するヘッド部M2から吐出された液滴9から乾燥微粒子4が形成される前に、液滴9同士が衝突し、不本意な凝集が発生するのをより効果的に防止することができる。
また、ガス流供給手段M10には、熱交換器M11が取り付けられている。これにより、ガス噴射口M7から噴射されるガスの温度を好ましい値に設定することができ、分散媒除去部M3に吐出された粒状の水系懸濁液3から分散媒32を効率良く除去することができる。
ガス噴射口M7から噴射されるガスの温度は、水系懸濁液3中に含まれる分散質31、分散媒32の組成等により異なるが、通常、0〜70℃であるのが好ましく、15〜60℃であるのがより好ましい。ガス噴射口M7から噴射されるガスの温度がこのような範囲の値であると、得られる乾燥微粒子4の形状の均一性、安定性を十分に高いものとしつつ、液滴9中に含まれる分散媒32を効率良く除去することができる。
また、図示の構成では、ハウジングM31内の圧力は、圧力調整手段M12により調整される構成となっている。このように、ハウジングM31内の圧力を調整することにより、より効率良く乾燥微粒子4を形成することができ、結果として、液体現像剤の生産性が向上する。なお、図示の構成では、圧力調整手段M12は、接続管M121でハウジングM31に接続されている。また、接続管M121のハウジングM31と接続する端部付近には、その内径が拡大した拡径部M122が形成されており、さらに、乾燥微粒子4等の吸い込みを防止するためのフィルターM123が設けられている。
通常、乾燥微粒子4等は、正または負に帯電している。このため、乾燥微粒子4と異なる極性に帯電した帯電物があると、乾燥微粒子4は、当該帯電物に、静電的に引き付けられ付着するという現象が起こる。一方、乾燥微粒子4と同じ極性に帯電した帯電物があると、当該帯電物と乾燥微粒子4とは、互いに反発しあい、前記帯電物表面に乾燥微粒子4が付着するという現象を効果的に防止することができる。したがって、ハウジングM31の内面側に、粒状の乾燥微粒子4と同じ極性の電圧を印加することにより、ハウジングM31の内面に乾燥微粒子4が付着するのを効果的に防止することができる。これにより、異形状の乾燥微粒子4の発生をより効果的に防止することができるとともに、乾燥微粒子4の回収効率も向上する。
そして、上記のようにして形成された乾燥微粒子4は、回収部M5に回収される。
上記のようにして得られる乾燥微粒子4は、通常、各分散質31に対応する大きさ、形状を有するものである。これにより、最終的に得られる液体現像剤は、比較的小粒径で、円形度(球形度)が高く、各粒子間での形状、大きさのばらつきの小さいトナー粒子を含むものとなる。
得られた乾燥微粒子4は、そのまま、後述する分散工程に供してもよいし、熱処理等の各種処理を施してもよい。これにより、乾燥微粒子(トナー粒子)の機械的強度(形状の安定性)をさらに優れたものとしたり、乾燥微粒子中の含水量を低下させることができる。また、得られた乾燥微粒子4に対してエアレーション等の処理を施したり、乾燥微粒子4を減圧雰囲気下に放置すること等によっても、上記と同様に、含水量を低下させることができる。
また、上記のような乾燥微粒子4に対しては、必要に応じて、分級処理、外添処理等の各種処理を施してもよい。
上述したような絶縁性液体は、例えば、以下のようにして調製することができる。なお、以下の説明では、カプセル化した酸化重合促進剤を含む絶縁性液体の調製について説明する。
酸化重合促進剤のカプセル化は、例えば、以下のようにして行うことができる。
次に、酸化重合促進剤を溶媒に溶解させる。
このような溶媒としては、酸化重合促進剤が溶解するものであれば、特に限定されず、例えば、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、2−ヘプタノン等のケトン系溶媒、ペンタノール、n−ヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、アニソール等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、イソプレン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒、フラン、チオフェン等の芳香族複素環化合物系溶媒、クロロホルム等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、アクリル酸エチル等のエステル系溶媒、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
次に、溶液を吸着させた多孔質体とポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルとを加温しつつ混合する。
多孔質体とポリエーテルとの混合比は、重量比で、1:0.5〜1:10程度であるのが好ましく、1:1〜1:5程度であるのがより好ましい。
次に、得られた混合物を、石油系炭化水素中に十分に分散した後、冷却し、多孔質体の表面にポリエーテルを沈着させる。これにより、多孔質体の表面にポリエーテルの膜が形成される。
その後、ろ過して石油系炭化水素を除去することにより、カプセル化した酸化重合促進剤が得られる。
このようにして得られたカプセル化した酸化重合促進剤を、脂肪酸モノエステル、および脂肪酸トリグリセリドを含む液体中に分散することにより、絶縁性液体が得られる。
なお、酸化防止剤を含む液体現像剤を調製する場合、酸化防止剤は、例えば、酸化重合促進剤を分散する前に、脂肪酸トリグリセリド、および脂肪酸モノエステルとを含む液体中に含ませておいてもよいし、酸化重合促進剤を分散した後に、脂肪酸トリグリセリド、および脂肪酸モノエステルを含む液体中に加えてもよいし、酸化重合促進剤を分散させる際に、脂肪酸トリグリセリド、および脂肪酸モノエステルとを含む液体中に加えてもよい。
次に、上記のようにして得られた乾燥微粒子4を、前述したような絶縁性液体中に分散させる(分散工程)。これにより、乾燥微粒子4としてのトナー粒子が、絶縁性液体(担持液)中に分散した液体現像剤が得られる。
絶縁性液体中への乾燥微粒子4の分散は、いかなる方法で行うものであってもよいが、攪拌した状態の絶縁性液体中に乾燥微粒子4を加えることにより行うのが好ましい。これにより、液体現像剤の調整時における乾燥微粒子4の不本意な凝集を防止しつつ、得られた液体現像剤においては、トナー粒子の良好な分散状態を長期間にわたって安定的に保持することができる。また、最終的に液体現像剤の組成になれば、いかなる方法、及び手順で液体現像剤を調製してもよい。例えば、絶縁性液体の一部と、乾燥微粒子4とを混合し、その後、この混合物と絶縁性液体の残りとを混合、調製してもよい。ここで、始めに乾燥微粒子4と混合する液体現像剤の一部の組成と、後から加える液体現像剤の残りの組成は、同じでもよいし、異なってもよい。始めに加える液体現像剤の成分(成分1)と、後から加える液体現像剤の成分(成分2)が異なる例としては、次のようなものが挙げられる。
上記のようにして得られる液体現像剤は、トナー粒子の形状、大きさのばらつきが小さい。したがって、このような液体現像剤は、トナー粒子が絶縁性液体中(液体現像剤中)で泳動し易く、高速現像にも有利である。また、トナー粒子の形状、大きさのばらつきが小さく、さらに、前述したような絶縁性液体を用いているため、トナー粒子の分散性に優れており、液体現像剤中でのトナー粒子の沈降や浮遊等が効果的に防止される。したがって、このような液体現像剤は、保存性に特に優れたものとなる。
図4は、本発明の液体現像剤が適用される接触方式の画像形成装置の一例を示す図である。
画像形成装置P1は、液体現像剤を貯留する現像剤容器(液体現像剤貯留部)P11と、像(トナー像)を現像する円筒状の感光体(現像部)P2と、現像剤容器P11から感光体P2に液体現像剤を供給する現像器P10と、記録媒体に感光体P2で現像された像を転写する中間転写ローラ(転写部)P18と、後に詳述する定着装置(定着部)F40とを有している。
この感光体P2は、帯電器P3によりその表面が均一に帯電された後、レーザーダイオード等によって記録すべき情報に応じた露光P4が行なわれることにより、静電潜像が形成されるものである。
現像器P10は、現像剤容器P11中にその一部が浸漬された塗布ローラP12と、現像ローラP13とを有している。
また、塗布ローラP12は、現像ローラP13と対向して回転する。
また、塗布ローラP12の表面には、液体現像剤塗布層P14が形成され、メータリングブレードP15によってその厚さが一定に保持される。
そして、塗布ローラP12から現像ローラP13に対して液体現像剤が転写される。
また、現像ローラP13は、感光体P2と等速で回転して液体現像剤を潜像部に転写する。
また、感光体P2から中間転写ローラP18へのトナー画像の転写の後には、感光体P2は、除電光P21によって除電されるとともに、感光体P2上に残留した転写残りトナーは、ウレタンゴム等で構成されたクリーニングブレードP22によって除去される。
その後、紙等の記録媒体F5上に転写されたトナー画像(転写像)は、後述する定着装置(定着部)F40に搬送され、定着が行われる。
非接触方式にあっては、現像ローラP13にはリン青銅板で構成された帯電ブレードP24が設けられる。
帯電ブレードP24は液体現像剤層に接触して摩擦帯電させる機能を有すると共に、塗布ローラP12がグラビアロールであるために現像ローラP13上にはグラビアロール表面の凹凸に応じた現像剤層が形成されるので、その凹凸を均一に均す機能を果たすものであり、配置方向としては現像ローラの回転方向に対してカウンタ方向でもトレイル方向のいずれでもよく、また、ブレート形状ではなくローラ形状でもよい。
なお、図4、図5共に一色の液体現像剤による画像形成について説明したが、複数色のカラートナーを用いて画像形成する場合には、複数色の現像器を用いて各色の画像を形成してカラー画像を形成することができる。
定着装置(定着部)F40は、前述した現像部P2、転写部P18等において形成された未定着のトナー画像F5aを、記録媒体F5上に定着させるものである。
定着装置F40は、図6に示すように、熱定着ローラF1と、加圧ローラF2と、耐熱ベルトF3と、ベルト張架部材F4と、クリーニング部材F6と、フレームF7と、紫外線照射手段F8と、スプリングF9とを有している。
また、加圧ローラF2は、パイプ材で構成されたローラ基材F2bと、その外周を被覆する弾性体F2cとを有し、図に矢印で示す時計方向に回転可能になっている。
前述した熱定着ローラF1の弾性体F1cと加圧ローラF2の弾性体F2cとは、略均一な弾性変形をして、いわゆる水平ニップを形成する。また、熱定着ローラF1の周速に対して、後述する耐熱ベルトF3または記録媒体F5の搬送速度に差異が生じることもないので、極めて安定した画像定着が可能となる。
この耐熱ベルトF3は、0.03mm以上の厚みを有し、その表面(記録媒体F5が接触する側の面)をPFAで形成し、裏面(加圧ローラF2およびベルト張架部材F4と接触する側の面)をポリイミドで形成した2層構成のシームレスチューブで形成されている。なお、耐熱ベルトF3は、これに限定されず、ステンレス管やニッケル電鋳管等の金属管、シリコーン等の耐熱樹脂管等の他の材料で形成することもできる。
ベルト張架部材F4は、記録媒体F5が定着ニップ部を通過しない状態において、耐熱ベルトF3を熱定着ローラF1の接線方向に張架するように構成されている。記録媒体F5が定着ニップ部に進入する初期位置で定着圧力が大きいと進入がスムーズに行われなくて、記録媒体F5の先端が折れた状態で定着される場合があるが、このように耐熱ベルトF3を熱定着ローラF1の接線方向に張架する構成にすることで、記録媒体F5の進入がスムーズに行われる記録媒体F5の導入口部が形成でき、安定した記録媒体F5の定着ニップ部への進入が可能となる。
定着装置F40において、未定着のトナー画像F5aが形成された記録媒体F5は、上記ニップ初期位置から定着ニップ部に進入して耐熱ベルトF3と熱定着ローラF1との間を通過し、ニップ終了位置から抜け出ることで、記録媒体F5上に形成された未定着のトナー画像F5aが熱定着され、その後、熱定着ローラF1への加圧ローラF2の押圧部の接線方向Lに排出される。
このクリーニング部材F6は耐熱ベルトF3の内周面に摺接して耐熱ベルトF3の内周面の異物や摩耗粉等をクリーニングするものである。このように異物や摩耗粉等をクリーニングすることで、耐熱ベルトF3をリフレッシュし、前述の摩擦係数の不安定要因を除去している。また、ベルト張架部材F4に凹部F4fが設けられており、耐熱ベルトF3から除去した異物や摩耗粉等を収納するよう構成されている。
例えば、本発明の液体現像剤は、前述したような方法により製造されたものに限定されず、いかなる方法で製造されたものであってもよい。例えば、絶縁性液体中で、前述したような粉砕物を熱溶融して分散し、これを冷却することにより製造されたものであってもよい。このような場合、絶縁性液体中に酸化防止剤が含まれていると、製造工程においても、不飽和脂肪酸成分の酸化による劣化を防止することができる。なお、このような場合、必要に応じて、冷却した後にさらに酸化防止剤を加えてもよい。
また、本発明の液体現像剤は、前述したような画像形成装置に適用されるものに限定されない。
また、前述した実施形態では、水系分散媒除去工程で得られた乾燥微粒子を一旦回収した後、分散工程に供するものとして説明したが、乾燥微粒子を粉体として回収することなく、直接、分散工程に供してもよい。例えば、図示のような乾燥微粒子製造装置は、絶縁性液体を貯留し、かつ、製造された乾燥微粒子が供給される分散部を有するものであってもよい。これにより、液体現像剤をより効率良く製造することができるとともに、乾燥微粒子間での不本意な凝集等をより効果的に防止することができる。
このように、図示のような構成とすることにより、水系懸濁液3として、より粘度の高い材料や、凝集力の大きい材料を用いた場合であっても、乾燥微粒子4を所望の形状、大きさにコントロールすることができるので、材料選択の幅が特に広くなり、所望の特性を有するトナーをさらに容易に得ることができる。
さらに、図8〜図10に示すように、音響レンズM25と吐出部M23との間に、吐出部M23に向けて、収斂する形状を有する絞り部材M13等を配置してもよい。これにより、圧電素子M22が発生した圧力パルス(振動エネルギー)の収束を補助することができ、圧電素子M22が発生した圧力パルスをさらに効率よく利用することができる。
また、前述した実施形態では圧電パルスによりヘッド部から分散液(水系懸濁液)を間欠的に吐出するものとして説明したが、分散液の吐出方法(噴射方法)としては、他の方法を用いることもできる。例えば、分散液を吐出(噴射)する方法としては、スプレードライ法や、いわゆるバブルジェット(「バブルジェット」は登録商標)法等の方法のほか、「分散液を、ガス流で平滑面に押し付けて薄く引き伸ばして薄層流とし、当該薄層流を前記平滑面から離して微小な液滴として噴射するようなノズルを用いて、分散液を液滴状に噴射する方法(特願2002−321889号明細書に記載されたような方法)」等を用いてもよい。スプレードライ法は、高圧のガスを用いて、液体(分散液)を噴射(噴霧)させることにより、液滴を得る方法である。また、いわゆるバブルジェット(「バブルジェット」は登録商標)法を適用した方法としては、特願2002−169348号明細書に記載された方法等が挙げられる。すなわち、分散液を吐出(噴射)する方法として、「気体の体積変化によりヘッド部から分散液を間欠的に吐出する方法」を適用することができる。
また、前述した実施形態では、水系懸濁液中の各分散質に対応する大きさ、形状の乾燥微粒子を得るものとして説明したが、乾燥微粒子は、例えば、水系懸濁液の複数個の分散質に対応する微粒子が凝集(接合)してなる凝集体であってもよい。
また、水系乳化液、水系懸濁液の調製方法は、前述したような方法に限定されない。例えば、固体状態の分散質が分散した分散液を加熱することにより、分散質を一旦液状として水系乳化液を得、当該水系乳化液を冷却することにより水系懸濁液を得てもよい。
また、本発明で用いる脂肪酸トリグリセリド、および脂肪酸モノエステルは、化学合成(人工合成)されたものであってもよい。
(実施例1)
[乾燥微粒子の作製]
まず、結着樹脂としてのポリエステル樹脂(軟化温度:99℃):80重量部と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):20重量部とを用意した。
次に、この原料(混合物)を、図1に示すような2軸混練押出機を用いて、混練した。
2軸混練押出機のプロセス部の全長は160cmとした。
また、プロセス部における原料の温度が105〜115℃となるように設定した。
このような条件から求められる、原料がプロセス部を通過するのに要する時間は約4分間である。
なお、上記のような混練は、脱気口を介してプロセス部に接続された真空ポンプを稼動させることにより、プロセス部内を脱気しつつ行った。
このようにして2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を、図1中に示すような冷却機を用いて、冷却した。冷却工程直後の混練物の温度は、約45℃であった。
混練物の冷却速度は、9℃/秒であった。また、混練工程の終了時から冷却工程が終了するのに要した時間は、10秒であった。
次に、混練物の粗粉砕物:100重量部をトルエン:250重量部に添加し、超音波ホモジナイザー(出力:400μA)を用いて、1時間処理することにより、混練物のポリエステル樹脂が溶解した溶液を得た。なお、このよう溶液中において、顔料は均一に微分散していた。
前記水系液体をホモミキサー(特殊機化工業社製)で攪拌回転数を調整した。
このような攪拌状態の水系液体中に、上記溶液(混練物のトルエン溶液)を滴下した。これにより、平均粒径が3μmの分散質が均一に分散した水系乳化液が得られた。
また、分散媒除去部のハウジングには、その内表面側の電位が−200Vとなるように電圧を印加し、内壁に水系懸濁液(乾燥微粒子)が付着するのを防止するようにした。
分散媒除去部内において、吐出した水系懸濁液から分散媒が除去され、各分散質に対応する形状、大きさの多数の乾燥微粒子(トナー粒子)が形成された。
分散媒除去部で形成された乾燥微粒子をサイクロンにて回収し、乾燥微粒子を得た。
一方、以下のようにして、カプセル化された酸化重合促進剤を用意した。
まず、酸化重合促進剤としてのオクチル酸亜鉛:10gをアセトン15mlに溶解させ、得られた溶液を多孔質親水性シリカゲルに吸着させ、芯材を得た。
次に、得られた芯材10gとポリエチレングリコール(PEG)20gとを加温混合し、混合物を得た。
次に、この混合物を日石三菱社製AF6号ソルベント400ml中に入れ、ホモミキサーにて十分分散させた後、徐冷してPEGを沈着させた。
その後、ろ過により溶剤を除去してカプセル化された酸化重合促進剤を得た。
一方、脂肪酸トリグリセリドと脂肪酸モノエステルとを含む絶縁性液体を以下のようにして得た。
まず、脂肪酸トリグリセリドを含む液体の調製について説明する。
前述したように、脂肪酸トリグリセリドは、天然由来の油脂中に多く含まれており、未精製の油脂を沸騰した水と混合し、混合液が完全に3層に分離した後、冷凍庫内で凍結する成分を取り除くことにより(以下、この工程を「油脂の精製」ともいう)、未精製の油脂に含まれる不純物を排除することができる。本実施例(後述するすべての実施例、および比較例も含む)では、油脂の精製を数回、繰り返すことにより、より確実に、油脂に含まれる不純物を取り除いた。
主にオレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸等の不飽和脂肪酸成分と、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸成分とを有する、主として脂肪酸トリグリセリドで構成されたものであった(以下、「第1の液体」ともいう)。このようにして得られた第1の液体中に含まれる脂肪酸トリグリセリドの含有率は99.9wt%以上であった。
精製した菜種油とイソブタノールとのエステル交換反応を行い、この反応により生じたグリセリンを取り除くことにより、主として脂肪酸モノエステルで構成された液体を得た。さらに、この液体を精製することにより、脂肪酸モノエステルの含有率が99.9wt%以上の液体を得た。このようにして得られた脂肪酸モノエステルは、主にオレイン酸イソブチル、リノール酸イソブチル、α−リノレン酸イソブチル等の不飽和脂肪酸モノエステルと、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソブチル等の飽和脂肪酸モノエステルとを有する主として脂肪酸モノエステルで構成されたものであった(以下、「第2の液体」ともいう)。
上記のようにして得られた絶縁性液体:505重量部と、界面活性剤(ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド):1重量部と、カプセル化された酸化重合促進剤:1.25重量部(酸化重合促進剤として1重量部)と、上記乾燥微粒子:75重量部とを、ホモミキサー(特殊機化工業製)で10分間撹拌・混合することにより、液体現像剤を得た。また、このようにして得られた液体現像剤の粘度は160mPa・sであった。
絶縁性液体中における脂肪酸トリグリセリド、および脂肪酸モノエステルの含有量を調整し、脂肪酸トリグリセリドの含有率を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(実施例4)
前記実施例1における第2の液体を調製する際、イソブタノールの替わりに、メタノールを用いて、精製した菜種油とのエステル交換反応を起こさせ、脂肪酸モノエステルを主成分とする液体を得た以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。なお、本実施例での第2の液体中に含まれる脂肪酸モノエステルは、主にオレイン酸メチル、リノール酸メチル、α−リノレン酸メチル等の不飽和脂肪酸モノエステルと、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル等の飽和脂肪酸モノエステルとを有する脂肪酸モノエステルであった。
絶縁性液体の調製において、油脂として、菜種油の替わりに、大豆油を用いて、前記実施例1と同様の方法により第1の液体を調製し、また、第2の液体は、精製した大豆油にメタノールを加え、エステル交換反応により生成した液体から得た。これら第1の液体、および第2の液体を用いて、脂肪酸トリグリセリドの含有率を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
絶縁性液体中における脂肪酸モノエステルと、脂肪酸トリグリセリドの含有量を調整し、脂肪酸トリグリセリドの含有率を表1に示すようにした以外は、前記実施例5と同様にして液体現像剤を調製した。
(実施例8)
結着樹脂として、ポリエステル樹脂(軟化温度:99℃)の替わりに、エポキシ樹脂(軟化温度:128℃)を用いた以外は、前記実施例6と同様にして液体現像剤を調製した。
脂肪酸モノエステルとして、前記実施例8で用いたような脂肪酸モノエステルを用いた以外は、前記実施例2と同様にして液体現像剤を調製した。すなわち、本実施例の脂肪酸モノエステルは、本実施例の脂肪酸トリグリセリドをエステル交換反応させて得られる液体から調製されるものとは異なるものを使用した。
(実施例10)
脂肪酸トリグリセリドとして、前記実施例1で用いたような脂肪酸トリグリセリドで構成された第1の液体と、乾燥微粒子(トナー粒子)とをホモミキサーで20分間撹拌・混合した後、液体現像剤を構成するその他の成分を加え、さらにホモミキサーで10分間撹拌・混合し、表1に示すような液体現像剤を得た。
脂肪酸トリグリセリドとして、前記実施例5で用いたような脂肪酸トリグリセリドで構成された第1の液体と、乾燥微粒子(トナー粒子)とをホモミキサーで20分間撹拌・混合した後、液体現像剤を構成するその他の成分を加え、さらにホモミキサーで10分間撹拌・混合し、表1に示すような液体現像剤を得た。
脂肪酸モノエステルとして、前記実施例3で用いたような脂肪酸モノエステルで構成された第2の液体と、乾燥微粒子(トナー粒子)とをホモミキサーで10分間撹拌・混合した後、液体現像剤を構成するその他の成分を加え、さらにホモミキサーで10分間撹拌・混合し、表1に示すような液体現像剤を得た。
絶縁性液体として、前記実施例1で調製した第1の液体のみで構成されたものを用いた。すなわち、本実施例では、絶縁性液体中に脂肪酸モノエステルを主成分とする第2の液体、および酸化防止剤が含まれていないものを用いた。
(比較例2)
脂肪酸トリグリセリドと、脂肪酸モノエステルの含有量を調整し、脂肪酸トリグリセリドの含有量が90.0wt%になるような絶縁性液体を得た。なお、本比較例においても、絶縁性液体として酸化防止剤を含まないものを用いた。
絶縁性液体中における脂肪酸トリグリセリドと、脂肪酸モノエステルの含有量を調整し、脂肪酸トリグリセリドの含有率を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
(比較例5)
前記実施例1において、絶縁性液体として第2の液体:500重量部と、酸化防止剤としてのアスコルビン酸ステアリン酸エステル(熱分解温度:300℃以上):5重量部とを混合したものを使用した以外は、前記実施例1と同様に液体現像剤を調製した。すなわち、本実施例では、絶縁性液体中に脂肪酸トリグリセリドを主成分とする第1の液体が含まれていないものを用いた。
(比較例6)
絶縁性液体としてアイソパーGを用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を調製した。
なお、表1中の粘度、及び電気抵抗は以下の4段階の基準に従い表記した。
◎◎ :150mPa・s以上900mPa・s以下。
◎ :100mPa・s以上1000mPa・s以下。(150mPa・s以上900mPa・s以下は除く)
○ :50mPa・s以上1200mPa・s以下。(100mPa・s以上1000mPa・s以下は除く)
△ :50mPa・s未満、もしくは、1200mPa・sより大きい。
◎ :1×1013Ωcm以上。
○ :1×1011Ωcm以上1×1013Ωcm未満。
△ :1×109Ωcm以上1×1011Ωcm未満。
× :1×109Ωcm未満。
上記のようにして得られた各液体現像剤について、定着強度、高速での画像形成に対する適応性、保存性、および長期安定性の評価を行った。
[2.1]定着強度
図4に示すような画像形成装置を用いて、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に形成した。その後、記録紙上に形成された画像について、オーブンによる熱定着を行った。この熱定着は、100℃×1分間という条件で行った。
◎ :画像濃度残存率が90%以上。
○ :画像濃度残存率が80%以上90%未満。
△ :画像濃度残存率が70%以上80%未満。
× :画像濃度残存率が70%未満。
図4に示すような液体現像方式の電子写真画像形成装置にて、定着機ヒートローラー設定温度:160℃、プリントスピード:50枚/分の条件で形成された画像における、かすれ等の画像不良の程度を目視で評価し、さらに、形成された画像の画像濃度について、それぞれ以下の4段階の基準に従い評価した。
◎ :形成された画像に、かすれ等の画像不良がまったく認められない。
○ :形成された画像に、かすれ等の画像不良がほとんど認められない。
△ :形成された画像に、かすれ等の画像不良がわずかに認められる。
× :形成された画像に、かすれ等の画像不良がはっきりと認められる。
◎ :画像濃度:1.5(単位があればご記入下さい)以上
○ :画像濃度:1.0以上1.5未満
△ :画像濃度:0.5以上1.0未満
× :画像濃度:0.5未満
前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤を、温度:40〜45℃の環境化に、6ヵ月間静置した。その後、液体現像剤中のトナーの様子を目視にて確認し、それぞれ以下の4段階の基準に従い評価した。
<保存温度:40〜45℃>
◎:トナー粒子の浮遊および凝集沈降がまったく認められない。
○:トナー粒子の浮遊および凝集沈降がほとんど認められない。
△:トナー粒子の浮遊または凝集沈降がわずかに認められる。
×:トナー粒子の浮遊および凝集沈降がはっきりと認められる。
前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤を、35℃、相対湿度70%の環境下に、6ヶ月間放置した。その後、液体現像剤の様子を観察し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:液体現像剤の増粘/変色がまったく認められない。
○:液体現像剤の増粘/変色がほとんど認められない。
△:液体現像剤の増粘/変色がわずかに認められる。
×:液体現像剤の増粘/変色がはっきりと認められる。
図4に示すような画像形成装置部材の一部を、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤に浸漬した状態で、温度:20〜28℃の環境下に、6ヶ月間静置した。その後、各部材の表面を目視にて確認し、それぞれ以下の4段階の基準に従い評価した。
評価には、画像形成装置部材として、ニトリルブタジエンゴムで構成された現像ローラを用いた。
◎:部材の表面付近に、膨潤あるいは侵食が認められない。
○:部材の表面付近に、膨潤あるいは侵食がほとんど認められない。
△:部材の表面付近に、膨潤あるいは侵食がわずかに認められる。
×:部材の表面付近に、膨潤あるいは侵食がはっきりと認められる。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象の粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象の粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
また、着色剤として、シアン系顔料の代わりに、ピグメントレッド122、ピグメントイエロー180、カーボンブラック(デグサ社製、Printex L)を用いた以外は、上記と同様に液体現像剤の製造、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
Claims (7)
- 絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤であって、
前記絶縁性液体が、脂肪酸トリグリセリドと、脂肪酸モノエステルとを含み、
前記脂肪酸トリグリセリドは、脂肪酸成分として、不飽和脂肪酸を含むものであり、
前記脂肪酸モノエステルは、脂肪酸成分として、不飽和脂肪酸を含むものであり、
前記絶縁性液体中における前記脂肪酸トリグリセリドの含有量が、51〜80wt%であることを特徴とする液体現像剤。 - 25℃において、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定される粘度は、50〜1200mPa・sである請求項1に記載の液体現像剤。
- 前記絶縁性液体中における前記脂肪酸トリグリセリド成分の含有率をX[wt%]、前記絶縁性液体中における前記脂肪酸モノエステル成分の含有率をY[wt%]としたとき、1.1≦X/Y≦3.0の関係を満足する請求項1または2に記載の液体現像剤。
- 前記絶縁性液体中における前記脂肪酸トリグリセリドは、不飽和脂肪酸成分として炭素数が16〜22である不飽和脂肪酸を含むものである請求項1ないし3のいずれかに記載の液体現像液。
- 前記絶縁性液体中における前記脂肪酸モノエステルは、不飽和脂肪酸成分として炭素数が16〜22である不飽和脂肪酸を含み、炭素数が1〜4であるアルコール成分を含むものである請求項1ないし4のいずれかに記載の液体現像剤。
- 前記脂肪酸モノエステルが、前記脂肪酸トリグリセリドと炭素数が1〜4であるモノアルコールとのエステル交換反応により生成されたものである請求項1ないし5のいずれかに記載の液体現像剤。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の液体現像剤を用いて、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
前記液体現像剤を貯留する液体現像剤貯留部と、
前記液体現像剤貯留部より供給された前記液体現像剤を用いて現像する現像部と、
前記現像部で形成された像を記録媒体上に転写し、転写像を形成する転写部と、
前記記録媒体上に形成された前記転写像を前記記録媒体上に定着させる定着部とを有することを特徴とする画像形成装置。
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