JP2008008236A - 4サイクル多気筒ガスエンジンのシミュレーション方法と装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型の計算機を用いて、4サイクル多気筒ガスエンジンの性能を実エンジンの運転を模擬してリアルタイムでシミュレーション計算でき、それにより容易に制御機能の最適化ができる4サイクル多気筒ガスエンジンのシミュレーション方法と装置を提供する。
【解決手段】4サイクル多気筒ガスエンジンの各気筒のサイクルを吸気行程S1、圧縮行程S2、膨張行程S3、及び排気行程S4に区分して、サイクルタイムΔt毎の1気筒当りの性能を計算するシリンダモデルを用いる。また、4サイクル多気筒ガスエンジンの全気筒について、各気筒の行程順序に対応させて、シフト関数を用いてサイクルタイム分ずらして同時に各気筒分のエンジン性能を計算し、これを統合して4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン性能を計算し実現する。
【選択図】図1
【解決手段】4サイクル多気筒ガスエンジンの各気筒のサイクルを吸気行程S1、圧縮行程S2、膨張行程S3、及び排気行程S4に区分して、サイクルタイムΔt毎の1気筒当りの性能を計算するシリンダモデルを用いる。また、4サイクル多気筒ガスエンジンの全気筒について、各気筒の行程順序に対応させて、シフト関数を用いてサイクルタイム分ずらして同時に各気筒分のエンジン性能を計算し、これを統合して4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン性能を計算し実現する。
【選択図】図1
Description
本発明は、4サイクル多気筒ガスエンジンの性能をリアルタイムで計算するシミュレーション方法と装置に関する。
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関において、所定の内燃サイクルを完結するのに4行程(2回転)を要するものを4サイクルエンジンと呼ぶ。かかる4サイクルエンジンは長年にわたり詳細に研究されており、近年ではその性能を計算する種々のシミュレーション手段が提案されている(例えば、特許文献1,2)。
特許文献1の手段は、4サイクルエンジンのシミュレーションにおいて、図10に示すように、吸排気の流れをCFD(Computational Fluid Dynamics)により模擬する一方、化学反応SIMにより燃焼等を模擬する。気筒の吸気行程から圧縮行程への移行を模擬するときにはCFDを吸気弁の閉時期IVCまで行って、燃焼室に充填される吸気の状態(p,ρ,u,T)を正確に求める。その吸気の状態に基づいて、圧縮行程下死点BDCで燃焼室に充填されていると仮定したときの前記吸気の状態を推定し、この推定結果に対応するガス成分のデータを化学反応DB52から読み込んで、圧縮行程下死点BDCから膨張行程下死点まで化学反応SIM(化学反応シミュレーション)を行うようにするものである。
特許文献2の手段は、例えば4サイクルエンジンのシミュレーションにおいて、図11に示すように、吸気及び排気行程では吸排気の流れを1次元及び3次元のCFD演算により記述する。一方、圧縮及び膨張行程では少なくとも燃焼室の作動ガスを窒素、酸素、炭化水素、炭酸ガス等により模擬して、化学反応式の演算を行う(化学反応SIM)。吸気行程でのCFD演算の結果等に基づいて、化学反応DB52から化学反応SIMに用いる圧縮過程初期の作動ガスの成分を読み込む(結果処理1)。圧縮及び膨張行程での化学反応SIMの結果に基づいて、CFD演算における排気の初期状態を求める(結果処理2)ものである。
上述した特許文献1、2の手段は、液体燃料を燃料とするガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの4サイクルエンジンを主に対象としている。
これに対して、近年、気体燃料を燃料とするガスエンジンの開発が進められている。ガスエンジンは、吸気行程において空気と予混合された燃料をシリンダ(気筒)内に吸引する点ではガソリンエンジンと同じであるが、予混合ガスの均質性が高く、燃焼が容易であり、CFDや化学反応SIMのような複雑なシミュレーション計算をせずに膨張行程(爆発行程)におけるエンジン性能を計算できる特徴がある。
これに対して、近年、気体燃料を燃料とするガスエンジンの開発が進められている。ガスエンジンは、吸気行程において空気と予混合された燃料をシリンダ(気筒)内に吸引する点ではガソリンエンジンと同じであるが、予混合ガスの均質性が高く、燃焼が容易であり、CFDや化学反応SIMのような複雑なシミュレーション計算をせずに膨張行程(爆発行程)におけるエンジン性能を計算できる特徴がある。
また、4サイクルエンジンは、4気筒以上の多気筒であるのが普通であり、特に円滑性が要求される発電用では、6〜18気筒もの多気筒エンジンが必要となる。
この場合、上述した特許文献1、2の手段では、各気筒毎にCFDや化学反応SIMのような複雑なシミュレーション計算を必要とするため、大型計算機を必要とし、それにもかかわらず計算時間が長い問題点がある。
そのため、実際の4サイクルエンジンの運転を模擬するようなリアルタイムでのシミュレーションができなかった。
この場合、上述した特許文献1、2の手段では、各気筒毎にCFDや化学反応SIMのような複雑なシミュレーション計算を必要とするため、大型計算機を必要とし、それにもかかわらず計算時間が長い問題点がある。
そのため、実際の4サイクルエンジンの運転を模擬するようなリアルタイムでのシミュレーションができなかった。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、小型の計算機を用いて、4サイクル多気筒ガスエンジンの性能を実エンジンの運転を模擬してリアルタイムでシミュレーション計算でき、それにより容易に制御機能の最適化ができる4サイクル多気筒ガスエンジンのシミュレーション方法と装置を提供することにある。
本発明によれば、4サイクル多気筒ガスエンジンの各気筒のサイクルを吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程に区分して、サイクルタイム毎の1気筒当りの性能を計算するシリンダモデルを用い、
サイクルタイム毎に、4サイクル多気筒ガスエンジンの全気筒について、各気筒の行程順序に対応させて、該当する数のサイクルタイム分ずらして同時に各気筒分のエンジン性能を計算し、これを統合して4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン性能を計算する、ことを特徴とする4サイクル多気筒ガスエンジンのシミュレーション方法が提供される。
サイクルタイム毎に、4サイクル多気筒ガスエンジンの全気筒について、各気筒の行程順序に対応させて、該当する数のサイクルタイム分ずらして同時に各気筒分のエンジン性能を計算し、これを統合して4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン性能を計算する、ことを特徴とする4サイクル多気筒ガスエンジンのシミュレーション方法が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記シリンダモデルは、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程の各行程のサイクルタイムをエンジン回転数から演算し、
吸気行程において、吸入する燃料流量として単位時間当たりの燃料流量を燃料噴射信号が入力されている時間の間積分して演算し求め、
膨張行程において、演算された燃料流量を用意された一時遅れモデルにステップ状に印加し応答をもとめ、その応答から予め設定した関係に基づき、前記燃料流量から各気筒分のエンジン性能を計算する。
吸気行程において、吸入する燃料流量として単位時間当たりの燃料流量を燃料噴射信号が入力されている時間の間積分して演算し求め、
膨張行程において、演算された燃料流量を用意された一時遅れモデルにステップ状に印加し応答をもとめ、その応答から予め設定した関係に基づき、前記燃料流量から各気筒分のエンジン性能を計算する。
前記各気筒分のエンジン性能は、エンジン出力、エンジン回転数、エンジントルク、排ガス温度、ノッキング振動の少なくとも1つである。
4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン出力とエンジントルクは、各気筒分のエンジン出力とエンジントルクのそれぞれ総和として求める。
また、4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン回転数と排ガス温度は、各気筒分のエンジン回転数と排ガス温度の高値選択又は平均として求める。
また、実際の4サイクル多気筒ガスエンジンを制御するエンジン制御装置から要求燃料流量に対応した継続時間をもつ燃料噴射信号と算出された要求燃料流量が最適空燃比となるよう決められる要求空気流量に相当する制御信号をリアルタイムに受信し、
実際の4サイクル多気筒ガスエンジンの運転を模擬してエンジン出力、エンジン回転数、エンジントルク、排ガス温度、ノッキング振動の少なくとも1つをリアルタイムで求める、ことが好ましい。
実際の4サイクル多気筒ガスエンジンの運転を模擬してエンジン出力、エンジン回転数、エンジントルク、排ガス温度、ノッキング振動の少なくとも1つをリアルタイムで求める、ことが好ましい。
また本発明によれば、要求燃料流量に対応した継続時間をもつ燃料噴射信号と算出された要求燃料流量が最適空燃比となるよう決められる要求空気流量に相当する制御信号を入力する入力装置と、
前記燃料噴射信号ならびに要求空気流量相当制御信号から4サイクル多気筒ガスエンジンの各気筒のサイクルを吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程に区分して、サイクルタイム毎の1気筒当りの性能を計算するシリンダモデルを記憶した演算装置とを備え、
該演算装置において、サイクルタイム毎に、4サイクル多気筒ガスエンジンの全気筒について、各気筒の行程順序に対応させて、該当数のサイクルタイム分ずらして同時に各気筒分のエンジン性能を計算し、これを統合して4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン性能を計算し実現する、ことを特徴とする4サイクル多気筒ガスエンジンのシミュレーション装置が提供される。
前記燃料噴射信号ならびに要求空気流量相当制御信号から4サイクル多気筒ガスエンジンの各気筒のサイクルを吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程に区分して、サイクルタイム毎の1気筒当りの性能を計算するシリンダモデルを記憶した演算装置とを備え、
該演算装置において、サイクルタイム毎に、4サイクル多気筒ガスエンジンの全気筒について、各気筒の行程順序に対応させて、該当数のサイクルタイム分ずらして同時に各気筒分のエンジン性能を計算し、これを統合して4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン性能を計算し実現する、ことを特徴とする4サイクル多気筒ガスエンジンのシミュレーション装置が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記シリンダモデルは、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程の各行程のサイクルタイムをエンジン回転数から演算し、
吸気行程において、吸入する燃料流量として単位時間当たりの燃料流量を燃料噴射信号が入力されている時間の間積分して演算し求め、
膨張行程において、演算された燃料流量を用意された一時遅れモデルにステップ状に印加し応答をもとめ、その応答から予め設定した関係に基づき、各気筒分のエンジン性能を計算する。
吸気行程において、吸入する燃料流量として単位時間当たりの燃料流量を燃料噴射信号が入力されている時間の間積分して演算し求め、
膨張行程において、演算された燃料流量を用意された一時遅れモデルにステップ状に印加し応答をもとめ、その応答から予め設定した関係に基づき、各気筒分のエンジン性能を計算する。
また、実際の4サイクル多気筒ガスエンジンを制御するエンジン制御装置から燃料噴射信号と空気流量制御弁駆動信号を受信する信号変換器をさらに備え、
実際の4サイクル多気筒ガスエンジンの運転と並行して、エンジン出力、エンジントルク、排ガス温度、ノッキング振動の少なくとも1つをリアルタイムで求めることが好ましい。
実際の4サイクル多気筒ガスエンジンの運転と並行して、エンジン出力、エンジントルク、排ガス温度、ノッキング振動の少なくとも1つをリアルタイムで求めることが好ましい。
上記本発明の方法及び装置によれば、シリンダモデルで、4サイクル多気筒ガスエンジンの各気筒のサイクルを吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程に区分して、サイクルタイム毎の1気筒当りの性能を計算し、これをサイクルタイム毎に統合して4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン性能を計算するので、CFDや化学反応SIMのような複雑なシミュレーション計算を必要とせず、小型の計算機で高速演算が可能であり、リアルタイムで計算ができる。
また、実際の4サイクル多気筒ガスエンジンを制御するエンジン制御装置から燃料噴射信号と空気流量制御弁駆動信号をリアルタイムに受信することにより、4サイクル多気筒ガスエンジンの性能を実エンジンの運転を模擬してリアルタイムで計算でき、その結果により制御機能最適化と検証ができる。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明によるシリンダモデルのフロー図である。
このシリンダモデルでは、4サイクル多気筒ガスエンジンの各気筒のサイクルを吸気行程S1、圧縮行程S2、膨張行程S3、及び排気行程S4に区分して、サイクルタイム毎の1気筒当りの性能を計算する。
このシリンダモデルでは、4サイクル多気筒ガスエンジンの各気筒のサイクルを吸気行程S1、圧縮行程S2、膨張行程S3、及び排気行程S4に区分して、サイクルタイム毎の1気筒当りの性能を計算する。
このシリンダモデルでは、燃料噴射信号を外部から入力する。同様に、空気流量制御弁駆動信号を外部から入力し、それを演算装置の他の部分で空気流量Waを計算しシリンダモデルに入力するのがよい。
次に、各行程のサイクルタイムΔtをエンジン回転数Nから演算する。サイクルタイムΔtは、各行程の継続時間であり、式(1)で求めることができる。
Δt[s]=30/N[rpm]・・・(1)
なお、エンジンの始動時、停止時には、回転数(回転速度)が非常に小さく、サイクルタイムが長くなりすぎるので、Nの最小値を制限する(例えば240rpm)のがよい。
Δt[s]=30/N[rpm]・・・(1)
なお、エンジンの始動時、停止時には、回転数(回転速度)が非常に小さく、サイクルタイムが長くなりすぎるので、Nの最小値を制限する(例えば240rpm)のがよい。
吸気行程S1において、吸入する燃料流量として要求燃料流量に対応した継続時間をもつ燃料噴射信号がオンされている時間の間単位時間当たりの燃料流量ΔWfを積分して演算する。この演算により吸気行程のシリンダ(気筒)に供給される燃料流量Wfが確定する。また、空気流量Waは、燃料流量Wfから最適空燃費となるように求められる。
圧縮行程S2では、吸気行程で確定した燃料流量Wfを単に保持する。同様に、空気流量Waも保持する。従ってこの行程では、サイクルタイムΔtの時間経過(t=t+Δt)だけをカウントする。
膨張行程S3において、S1で確定した燃料流量Wfと空気流量Waをそれぞれ一次遅れモデルにステップ状に印加し、この応答Wfrならびに空気流量Warから、予め設定した関係に基づき、各気筒分のエンジン性能を計算する。この計算は、圧縮行程で保持された燃料流量WfならびにWaを、ステップ状に与え、これからエンジン回転数N、エンジン出力P、エンジントルクT、排ガス温度T4、ノッキング振動Vnを予め設定した関係に基づき計算する。なお、ここでのあらかじめ設定した関係は簡易計算のため燃料流量から定常状態の性能を計算するものであるが、一時遅れのダイナミック特性を入れることにより、実際のエンジンの動きに近くする。
排気行程S4では、燃料流量Wfと空気流量Waを0にリセットし、サイクルタイムΔtの時間経過だけをカウントする。
以後、S1〜S4の各行程を基準時間tの経過に対応させて継続して計算する。
以後、S1〜S4の各行程を基準時間tの経過に対応させて継続して計算する。
上述した各行程における計算は、サイクルタイム毎に、4サイクル多気筒ガスエンジンの全気筒について、各気筒の行程順序に対応させて、サイクルタイム分ずらして同時に行い、各気筒分のエンジン性能を基準時間tの経過に対応させて計算する。
さらにサイクルタイム毎に、計算された各気筒分のエンジン性能を統合して、基準時間tの経過に対応させて4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン性能を計算する。基準時間tは、特定のシリンダ(基準シリンダ)の吸気開始として設定する。
さらにサイクルタイム毎に、計算された各気筒分のエンジン性能を統合して、基準時間tの経過に対応させて4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン性能を計算する。基準時間tは、特定のシリンダ(基準シリンダ)の吸気開始として設定する。
図2は、本発明による膨張行程における計算方法の説明図である。この図において、jは4サイクル多気筒ガスエンジンの各シリンダの番号であり、0は基準となる気筒、1は基準シリンダから1サイクルタイム分遅れるシリンダ、2,3,4・・・は、基準シリンダから2,3,4サイクルタイム分遅れるシリンダである。
図2において、伝達関数S21で空気供給の一次遅れτWa(例えば0.3s)を設定し、空気流量Waを実際のエンジンに近づけている。同様に、伝達関数S22で燃料供給の一次遅れτWf(例えば0.9s)を設定し、燃料流量Wfを実際のエンジンに近づけている。
変換関数S23では、予め設定した燃料流量Wfとエンジン出力Pの関係P=f1(Wf)に基づき、エンジン出力Pを求める。変換関数S24では、予め設定したエンジン出力Pとエンジン回転数Nの関係N=f2(P)に基づき、エンジン回転数Nを求める。さらに、演算関数S25において、エンジン出力Pとエンジン回転数NからエンジントルクTrqを求める(Trq=f4(P、N))。
なおエンジントルクTrqを演算する前に、膨張行程以外の行程におけるロス分をエンジン出力Pから減算することが好ましい。
さらに、変換関数S26では、予め設定したエンジン出力Pと排ガス温度T4の関係T4=f3(P)に基づき、排ガス温度T4を求める。
変換関数S23では、予め設定した燃料流量Wfとエンジン出力Pの関係P=f1(Wf)に基づき、エンジン出力Pを求める。変換関数S24では、予め設定したエンジン出力Pとエンジン回転数Nの関係N=f2(P)に基づき、エンジン回転数Nを求める。さらに、演算関数S25において、エンジン出力Pとエンジン回転数NからエンジントルクTrqを求める(Trq=f4(P、N))。
なおエンジントルクTrqを演算する前に、膨張行程以外の行程におけるロス分をエンジン出力Pから減算することが好ましい。
さらに、変換関数S26では、予め設定したエンジン出力Pと排ガス温度T4の関係T4=f3(P)に基づき、排ガス温度T4を求める。
また図2の演算関数S27において、空気流量Waと燃料流量Wfから空燃比A/F(=Wa/Wf)を求め、変換関数S28では、予め設定した空燃比A/Fとノッキング指数λの関係λ=f5(A/F)に基づき、ノッキング指数λを求める。さらに、演算関数S29において、ノッキング指数λとノッキング振動Vnの関係Vn=f6(λ)に基づきノッキング振動Vnを求めることができる。
なお、上述した各関係は、予め経験又は実測により求めてもよく、任意に入力してもよい。また各関係は、実エンジンとの比較により随時修正し最適化するのがよい。
図3は、本発明による全気筒とエンジン全体の計算方法の説明図であり、図4は別の計算方法の説明図である。
図3及び図4において、本発明では、シフト関数SHIFT(I)(I=0,1,2,3,…)を定義する。以下、シリンダ数が6(6気筒)の場合を説明する。
上述したように、jを4サイクル多気筒ガスエンジンの各気筒の行程順序番号とすると、j=0は基準となるシリンダ、j=1は基準シリンダから1サイクルタイム分遅れるシリンダ、j=2,3,4,5は、基準シリンダから2,3,4,5サイクルタイム分遅れるシリンダである。
これに対応して、SHIFT(0)は、基準時間tからサイクルタイムΔtの経過毎に図1に示した吸気行程S1、圧縮行程S2、膨張行程S3、及び排気行程S4の順でサイクルが進行することを意味する。
また、SHIFT(1)、SHIFT(2)、SHIFT(3)は、SHIFT(0)から1,2,3倍のサイクルタイム分の遅れで各行程が進行することを意味する。
なお、SHIFT(4)は、SHIFT(0)から4サイクルタイム分の遅れであり、SHIFT(0)と一致する。
上述したように、jを4サイクル多気筒ガスエンジンの各気筒の行程順序番号とすると、j=0は基準となるシリンダ、j=1は基準シリンダから1サイクルタイム分遅れるシリンダ、j=2,3,4,5は、基準シリンダから2,3,4,5サイクルタイム分遅れるシリンダである。
これに対応して、SHIFT(0)は、基準時間tからサイクルタイムΔtの経過毎に図1に示した吸気行程S1、圧縮行程S2、膨張行程S3、及び排気行程S4の順でサイクルが進行することを意味する。
また、SHIFT(1)、SHIFT(2)、SHIFT(3)は、SHIFT(0)から1,2,3倍のサイクルタイム分の遅れで各行程が進行することを意味する。
なお、SHIFT(4)は、SHIFT(0)から4サイクルタイム分の遅れであり、SHIFT(0)と一致する。
図3において、6気筒のシリンダ(#1〜#6)は、各気筒の行程順序から、SHIFT(0)、SHIFT(3)、SHIFT(2)、SHIFT(1)、SHIFT(0) SHIFT(3)にそれぞれ相当する。
本発明では、サイクルタイム毎に、4サイクル多気筒ガスエンジンの全気筒について、各気筒の行程順序に対応させて、サイクルタイム分ずらして同時に各気筒分のエンジン性能を計算し、これを統合して4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン性能を計算する。
本発明では、サイクルタイム毎に、4サイクル多気筒ガスエンジンの全気筒について、各気筒の行程順序に対応させて、サイクルタイム分ずらして同時に各気筒分のエンジン性能を計算し、これを統合して4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン性能を計算する。
演算関数S31において、4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン出力PとエンジントルクTは、各気筒分のエンジン出力とエンジントルクのそれぞれ総和として求める。
また、図3の演算関数S32、S33において、4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン回転数Nと排ガス温度T4は、各気筒分のエンジン回転数と排ガス温度の高値選択により求めている。
なお、図4は、図3の演算関数S32を別の演算関数S34に置き換えたものであり、4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン回転数Nを、各気筒分のエンジン回転数を平均して求めている。その他の構成は同一である。また図3と図4の相違による効果については後述する。
図5は、実エンジンを模擬したリアルタイム計算の説明図である。
この図において、本発明のシミュレーション装置10は、入力装置12と演算装置14を備える。
入力装置12は、燃料噴射信号、要求空気流量制御弁駆動信号を演算装置14に入力する機能を有する。入力装置12は、この例では演算装置14のインターフェースであるが、その他の入力装置(例えば、キーボード、入力端子)でもよい。
この図において、本発明のシミュレーション装置10は、入力装置12と演算装置14を備える。
入力装置12は、燃料噴射信号、要求空気流量制御弁駆動信号を演算装置14に入力する機能を有する。入力装置12は、この例では演算装置14のインターフェースであるが、その他の入力装置(例えば、キーボード、入力端子)でもよい。
演算装置14は、この例では、PC(コンピュータ)であり、燃料噴射信号のオン状態を認識し、この信号オンの間、単位時間当たりの燃料流量ΔWfの積分をおこない4サイクル多気筒ガスエンジンの各シリンダのサイクルを吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程に区分して、サイクルタイム毎の1気筒当りの性能を計算するシリンダモデルを記憶する。演算装置14はまた制御装置20から与えられる空気流量制御弁駆動信号からシリンダモデルに与えられる空気流量を計算する空気制御弁のモデルを記憶する。
このシリンダモデルは、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程の各行程のサイクルタイムΔtをエンジン回転数Nから演算し、
吸気行程S1において、吸入する燃料流量として燃料噴射信号がオンの間単位時間当たりの燃料流量ΔWfを積分して演算し、
膨張行程S3において、演算された燃料流量を用意された一時遅れモデルにステップ状に印加し応答をもとめ、その応答から予め設定した関係に基づき、各シリンダ分のエンジン性能を計算する。
また、演算装置14において、サイクルタイム毎に、4サイクル多気筒ガスエンジンの全シリンダについて、各シリンダの行程順序に対応させて、該当するサイクルタイム分ずらして同時に各気筒分のエンジン性能を計算し、これを統合して4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン性能を計算する。
このシリンダモデルは、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程の各行程のサイクルタイムΔtをエンジン回転数Nから演算し、
吸気行程S1において、吸入する燃料流量として燃料噴射信号がオンの間単位時間当たりの燃料流量ΔWfを積分して演算し、
膨張行程S3において、演算された燃料流量を用意された一時遅れモデルにステップ状に印加し応答をもとめ、その応答から予め設定した関係に基づき、各シリンダ分のエンジン性能を計算する。
また、演算装置14において、サイクルタイム毎に、4サイクル多気筒ガスエンジンの全シリンダについて、各シリンダの行程順序に対応させて、該当するサイクルタイム分ずらして同時に各気筒分のエンジン性能を計算し、これを統合して4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン性能を計算する。
図5において、本発明のシミュレーション装置10は、さらに信号変換器16を備える。信号変換器16は、実際の4サイクル多気筒ガスエンジンを制御するエンジン制御装置20から燃料噴射信号と空気流量制御弁駆動信号を受信する。
エンジン制御装置20は、以下の機能を有する。
(1)実際の4サイクル多気筒ガスエンジン(図示せず、以下「実エンジン」と呼ぶ)のエンジン回転数、エンジンに流入する空気流量、及び排ガス温度等を計測する。空気流量は代替センサなどで推定してもよい。
(2)実エンジンの要求出力に相当する燃料流量を噴射する。
燃料噴射は回転数信号とサイクルの開始を判定する位置信号により各シリンダの吸気時期を判定し、要求燃料流量に相当する時間だけ噴射する。噴射時間により燃料が決まる。
(3)噴射燃料流量が最適空燃比となるように空気流量を制御する。
(4)ノッキング状態をセンサにより検出し、ノッキングと判定されるときは燃料を絞る。
(5)その他の制御(スタータ、イグナイタ等)を行う。
(1)実際の4サイクル多気筒ガスエンジン(図示せず、以下「実エンジン」と呼ぶ)のエンジン回転数、エンジンに流入する空気流量、及び排ガス温度等を計測する。空気流量は代替センサなどで推定してもよい。
(2)実エンジンの要求出力に相当する燃料流量を噴射する。
燃料噴射は回転数信号とサイクルの開始を判定する位置信号により各シリンダの吸気時期を判定し、要求燃料流量に相当する時間だけ噴射する。噴射時間により燃料が決まる。
(3)噴射燃料流量が最適空燃比となるように空気流量を制御する。
(4)ノッキング状態をセンサにより検出し、ノッキングと判定されるときは燃料を絞る。
(5)その他の制御(スタータ、イグナイタ等)を行う。
信号変換器16は、以下の機能を有する。
(1)本発明のシミュレーション装置10から出力されるエンジン回転数、排ガス温度等の模擬信号を、エンジン制御装置20のインターフェースに合致した信号に変換し、エンジン制御装置20に入力する。
(2)エンジン制御装置20から出力される、燃料噴射信号(ディスクリート信号)、空気流量制御弁駆動信号等を、シミュレーション装置10のインターフェースに合致した信号に変換し、シミュレーション装置10に入力する。
(1)本発明のシミュレーション装置10から出力されるエンジン回転数、排ガス温度等の模擬信号を、エンジン制御装置20のインターフェースに合致した信号に変換し、エンジン制御装置20に入力する。
(2)エンジン制御装置20から出力される、燃料噴射信号(ディスクリート信号)、空気流量制御弁駆動信号等を、シミュレーション装置10のインターフェースに合致した信号に変換し、シミュレーション装置10に入力する。
シミュレーション装置10は、以下の機能を有する。
(燃料噴射弁モデル)
(1)エンジン制御装置20から信号変換器16を経て与えられるディスクリート信号によって与えられる噴射時間だけ単位燃料を積分し、エンジンモデルに与えられる燃料流量を計算する。
(空気制御弁モデル)
(2)エンジン制御装置20から信号変換器16を経て与えられる空気制御弁駆動信号により、エンジンモデルに与えられる空気流量を計算する。
(エンジンモデル)
(3)エンジンの動きをシミュレーションする。
(センサモデル)
(4)エンジンの計算値をシミュレーション装置10より出力する。
(燃料噴射弁モデル)
(1)エンジン制御装置20から信号変換器16を経て与えられるディスクリート信号によって与えられる噴射時間だけ単位燃料を積分し、エンジンモデルに与えられる燃料流量を計算する。
(空気制御弁モデル)
(2)エンジン制御装置20から信号変換器16を経て与えられる空気制御弁駆動信号により、エンジンモデルに与えられる空気流量を計算する。
(エンジンモデル)
(3)エンジンの動きをシミュレーションする。
(センサモデル)
(4)エンジンの計算値をシミュレーション装置10より出力する。
以下、本発明の実施例を説明する。
図6は、実施例1の全体ブロック図である。この図において、SPHASE_j=0は吸気行程、SPHASE_j=1は圧縮行程、SPHASE_j=2は膨張行程、SPHASE_j=3は排気行程を意味する。
この例において、シリンダjに対して噴射信号FUELON_jがON(=1)になると単位噴射量ΔWfが積分される。この積分値Wf_jが膨張行程での燃料入力となるので保持され、膨張行程(SPHASE_j=2)でシリンダモデル(シミュレーション装置10)にステップ入力される。このWf_jは、排気行程でリセットされる。
シリンダjに入力される空気流量Waは、この例では、全空気流量を気筒数Mで割った値とする。膨張行程(SPHASE_j=2)でシリンダモデル(シミュレーション装置10)で使用されるので、SPHASE_j=2のとき入力され、それ以外の行程でリセットされる。
シミュレーション装置10で計算した回転数Nは慣性を持っていると考えられるので、各シリンダモデルで計算される値の最大値となる。その他は加算する。
出力Pには損出項を加え、膨張行程以外では損失のみとする。
この例において、シリンダjに対して噴射信号FUELON_jがON(=1)になると単位噴射量ΔWfが積分される。この積分値Wf_jが膨張行程での燃料入力となるので保持され、膨張行程(SPHASE_j=2)でシリンダモデル(シミュレーション装置10)にステップ入力される。このWf_jは、排気行程でリセットされる。
シリンダjに入力される空気流量Waは、この例では、全空気流量を気筒数Mで割った値とする。膨張行程(SPHASE_j=2)でシリンダモデル(シミュレーション装置10)で使用されるので、SPHASE_j=2のとき入力され、それ以外の行程でリセットされる。
シミュレーション装置10で計算した回転数Nは慣性を持っていると考えられるので、各シリンダモデルで計算される値の最大値となる。その他は加算する。
出力Pには損出項を加え、膨張行程以外では損失のみとする。
図7は、実施例1によるシミュレーション結果である。この図において、横軸は起動開始からの経過時間、縦軸はエンジン回転数である。
この例は、4気筒エンジンの場合であり、特別な制御は行わず一定の燃料を供給しつづけた場合の応答を示している。
図7において、加速曲線に山が4つづつでいるがこれは同じ条件で4つのシリンダが計算され出力されているためである。
この例は、4気筒エンジンの場合であり、特別な制御は行わず一定の燃料を供給しつづけた場合の応答を示している。
図7において、加速曲線に山が4つづつでいるがこれは同じ条件で4つのシリンダが計算され出力されているためである。
図8は、実施例2の全体ブロック図である。
この例では、シミュレーション装置10で計算した回転数Nを平均してエンジン回転数Nを求めている。その他は、図6と同一である。
この例では、シミュレーション装置10で計算した回転数Nを平均してエンジン回転数Nを求めている。その他は、図6と同一である。
図9は、実施例2によるシミュレーション結果である。この図は、4気筒エンジンの場合であり、特別な制御は行わず一定の燃料を供給しつづけた場合の応答を示しており、条件は図7と同一である。
図9では、図7のような加速曲線の4つの山が現れず、滑らかな曲線が得られている。
図9では、図7のような加速曲線の4つの山が現れず、滑らかな曲線が得られている。
上述したように、本発明は、システム全体のサイクルタイムΔt(クランク軸の半回転に相当する)を決め、メカニカルな構造より各シリンダ(気筒)の行程をシフト関数によりずらすものである。
各シリンダはシリンダモデルによる各行程を内部状態としてもち、各シリンダ毎の性能計算を行う。
各シリンダはシリンダモデルにより吸気、圧縮、膨張、排気の各行程を順番に経る。どのシリンダがどの行程にあるかは、機械的なリンクにより決まり、これをシフト関数で表現するものである。
各シリンダはシリンダモデルによる各行程を内部状態としてもち、各シリンダ毎の性能計算を行う。
各シリンダはシリンダモデルにより吸気、圧縮、膨張、排気の各行程を順番に経る。どのシリンダがどの行程にあるかは、機械的なリンクにより決まり、これをシフト関数で表現するものである。
上述した本発明の方法及び装置によれば、吸気行程S1において、吸入する燃料流量として、単位時間当たりの燃料流量を燃料噴射信号が入力されている時間の間、単位時間当たりの燃料流量ΔWfを積分して演算し、膨張行程S3において、演算された燃料流量を用意された一時遅れモデルにステップ状に印加し応答をもとめ、その応答から予め設定した関係に基づき、燃料流量ΔWfから各気筒分のエンジン性能を計算し、これをサイクルタイム毎に統合して4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン性能を計算するので、CFDや化学反応SIMのような複雑なシミュレーション計算を必要とせず、PCのような小型計算機を用いて高速演算が可能であり、リアルタイムで計算できる。
また、実際の4サイクル多気筒ガスエンジンを制御するエンジン制御装置20から燃料噴射信号と空気流量制御弁駆動信号をリアルタイムに受信することにより、4サイクル多気筒ガスエンジンの性能を実エンジンを模擬してリアルタイムで計算でき、その確認により制御機能の妥当性確認と最適化ができる。
なお本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
10 シミュレーション装置、
12 入力装置、14 演算装置(PC)、
16 信号変換器、20 エンジン制御装置
12 入力装置、14 演算装置(PC)、
16 信号変換器、20 エンジン制御装置
Claims (8)
- 4サイクル多気筒ガスエンジンの各気筒のサイクルを吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程に区分して、一つの行程に要する時間であるサイクルタイム毎の1気筒当りの性能を計算するシリンダモデルを用い、
サイクルタイム毎に、4サイクル多気筒ガスエンジンの全気筒について、各気筒の行程順序に対応させて、該当サイクルタイム分ずらして同時に各気筒分のエンジン性能を計算し、これを統合して4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン性能を計算し実現する、ことを特徴とする4サイクル多気筒ガスエンジンのシミュレーション方法。 - 前記シリンダモデルは、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程の各行程のサイクルタイムをエンジン回転数から演算し、
吸気行程において、吸入する燃料流量として単位時間当たりの燃料流量を燃料噴射信号が入力されている時間の間積分して演算し求め、
膨張行程において、演算された燃料流量を用意された一時遅れモデルにステップ状に印加し応答をもとめ、その応答から予め設定した関係に基づき、前記燃料流量から各気筒分のエンジン性能を計算する、ことを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション方法。 - 前記各気筒分のエンジン性能は、エンジン回転数、エンジン出力、エンジントルク、排ガス温度、ノッキング振動の少なくとも1つである、ことを特徴とする請求項1記載のシミュレーション方法。
- 4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン回転数と排ガス温度は、各気筒分のエンジン回転数と排ガス温度の高値選択又は平均として求める、ことを特徴とする請求項1記載のシミュレーション方法。
- 実際の4サイクル多気筒ガスエンジンを制御するエンジン制御装置から要求燃料流量に対応した継続時間をもつ燃料噴射信号と算出された要求燃料流量が最適空燃比となるよう決められる要求空気流量に相当する制御信号をリアルタイムに受信し、
実際の4サイクル多気筒ガスエンジンの運転と並行して、エンジン出力、エンジン回転数、エンジントルク、排ガス温度、ノッキング振動の少なくとも1つをリアルタイムで求める、ことを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション方法。 - 要求燃料流量に対応した継続時間をもつ燃料噴射信号と空気流量制御信号を入力する入力装置と、
前記エンジン回転数、単位時間当たりの燃料流量から4サイクル多気筒ガスエンジンの各気筒のサイクルを吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程に区分して、サイクルタイム毎の1気筒当りの性能を計算するシリンダモデルを記憶した演算装置とを備え、
該演算装置において、サイクルタイム毎に、4サイクル多気筒ガスエンジンの全気筒について、各気筒の行程順序に対応させて、該当サイクルタイム分ずらして同時に各気筒分のエンジン性能を計算し、これを統合して4サイクル多気筒ガスエンジンのエンジン性能を計算する、ことを特徴とする4サイクル多気筒ガスエンジンのシミュレーション装置。 - 前記シリンダモデルは、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程の各行程に要するサイクルタイムをエンジン回転数から演算し、
吸気行程において、単位時間当たりの燃料流量を燃料噴射時間の間積分して演算し、
膨張行程において、演算された燃料流量を用意された一時遅れモデルに印加し、その応答を予め設定した関係に基づき、前記燃料流量から各気筒分のエンジン性能を計算する、ことを特徴とする請求項6に記載のシミュレーション装置。 - 実際の4サイクル多気筒ガスエンジンを制御するエンジン制御装置から要求燃料流量に対応した継続時間を持つ燃料噴射信号と空気流量制御信号を受信する信号変換器をさらに備え、
実際の4サイクル多気筒ガスエンジンの運転を模擬して、エンジン出力、エンジン回転数、エンジントルク、排ガス温度、ノッキング振動の少なくとも1つをリアルタイムで求める、ことを特徴とする請求項6に記載のシミュレーション装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006180929A JP2008008236A (ja) | 2006-06-30 | 2006-06-30 | 4サイクル多気筒ガスエンジンのシミュレーション方法と装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104537142A (zh) * | 2014-11-24 | 2015-04-22 | 哈尔滨工程大学 | 四冲程柴油机换气过程的热力参数计算方法 |
JP2018136215A (ja) * | 2017-02-22 | 2018-08-30 | 株式会社デンソー | 排気シミュレーション評価方法 |
JP2020165341A (ja) * | 2019-03-28 | 2020-10-08 | 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 | 燃焼機関の実時間性能予測方法及び実時間性能予測プログラム |
-
2006
- 2006-06-30 JP JP2006180929A patent/JP2008008236A/ja active Pending
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