JP2008007380A - 黒鉛質多孔体及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】開気孔率、気孔径の大きい開気孔が三次元的に貫通した構造を備え、無給油ベアリングなどの摺動材、空気清浄や水質浄化などのフィルター、触媒担体などとして好適な黒鉛質多孔体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】開気孔率が60〜85%で気孔径1〜5mmの開気孔が三次元的に貫通した構造からなることを特徴とする黒鉛質多孔体。その製造方法は黒鉛粉末100重量部、熱硬化性樹脂15〜100重量部、分散媒50〜300重量部、分散剤0.5〜5重量部からなる黒鉛スラリーを調製し、成形容器内に載置した粒径1〜6mmの球状造孔材からなるプリフォームに黒鉛スラリーを注入し、または石膏型内に注入して圧縮充填し、乾燥して分散媒を揮散除去した後、加熱して樹脂成分を硬化し、更に200〜250℃に加熱して造孔材を揮散して空孔を形成した後、焼成炭化、更に黒鉛化する。
【選択図】なし

Description

本発明は、開気孔率が高く、気孔径の大きい開気孔が三次元的に貫通した構造を備え、例えば、無給油ベアリングなどの摺動材、空気清浄や水質浄化などのフィルター、触媒担体などとして好適に利用可能な黒鉛質多孔体及びその製造方法に関する。
炭素材料は、非酸化性雰囲気において優れた耐熱性や高温強度を有し、また導電性、熱伝導性および化学的安定性も高く、各種工業材料として使用されている。また、炭素材料を多孔質化した炭素材は軽量であり、フィルター、触媒担体、断熱材あるいは電気化学的工業用部材などとして広く用いられている。
無給油ベアリングは摺動時に相手材を傷つけないように摩擦係数が低い材質が必要であり、黒鉛の多孔体に合金を侵入させた合金と黒鉛との複合体からなる無給油ベアリングが開発されている。この場合、溶融合金が黒鉛材の開気孔内に注入され円滑に侵入するためには開気孔の気孔径が1〜数mm程度であることが好ましいとされている。
また、空気清浄フィルターや水質浄化フィルター、触媒担体などには、圧損が低く、流体との接触効率の良い多孔体が求められており、高気孔率で気孔径が大きな開気孔を有するとともに強度の大きい多孔体が望まれている。更に、耐薬品性、高熱伝導性なども要求されるので多孔体の材質としては炭素質、特に黒鉛質の多孔体が好適である。
多孔質炭素材の製造技術としては、炭素繊維をパルプとともに抄紙して得たシートに熱硬化性樹脂溶液を含浸して積層成形し、焼成炭化する方法(例えば、特許文献1など)が知られている。しかし、この方法は高価な炭素繊維を使用するので製造コストが増大し、また気孔性状の制御が難しいという難点がある。
そこで、安価なα−セルロースを主成分とする有機物質の抄紙シートに熱硬化性樹脂溶液を含浸し、樹脂含浸シートを積層して熱圧成形する方法が開発されている。例えば特許文献2にはα−セルロースを主成分とする熱揮散性物質を抄紙してシート化する工程と、シートに熱硬化性樹脂溶液を含浸する工程と、含浸シートを加熱して半硬化する工程と、半硬化シートを積層し加熱しながら圧縮する工程と、焼成炭化する工程とからなる多孔質炭素材の製造方法が開示されている。
しかし、これらの方法では繊維が絡み合った空隙により多孔質体が形成されるので、板状成形体の面方向と厚さ方向では気孔構造が異なり、また曲げ強度などの強度特性も異方性が生じ、層間剥離し易くなるなどの欠点がある。更に、気孔率の高いものを得ようとすると強度が低くなり、気孔径の大きいものを得ることも困難である。
また、炭素多孔体を製造する方法として、メラミン、ウレタン、フェノール樹脂などの樹脂発泡体を焼成、炭化する方法も知られているが強度が低い難点がある。そこで、特許文献3には、連続気孔を有するとともにポリカルボジイミド樹脂が含浸したメラミン樹脂発泡体、ウレタン樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体などの樹脂発泡体を炭化した炭素多孔体が提案されている。
しかし、気孔率および気孔径が小さく、上記した無給油ベアリングなどの摺動材、空気清浄や水質浄化などのフィルター、触媒担体などに用いるには十分ではない。
特開昭61−236664号公報 特開平03−183672号公報 特開平06−032677号公報
そこで、発明者らは気孔率が高く、開気孔径の大きな多孔質性状を備え、強度特性にも優れた黒鉛質の多孔体を製造するために鋭意研究を行った結果、本発明の完成に至ったものである。
すなわち、本発明の目的は、開気孔率が高く、また気孔径の大きい開気孔が三次元的に貫通した構造を備え、例えば無給油ベアリングなどの摺動材、空気清浄や水質浄化などのフィルター、触媒担体などとして好適に利用可能な黒鉛質多孔体及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明による黒鉛質多孔体は、開気孔率が60〜85%で、気孔径1〜5mmの開気孔が三次元的に貫通した構造からなることを構成上の特徴とする。
また、この黒鉛質多孔体の骨格を形成する黒鉛の密度は1.0〜1.6g/cm、気孔率は10〜50%、気孔径は1〜5μmであることが望ましい。
本発明による黒鉛質多孔体の第1の製造方法は、黒鉛粉末100重量部に対して、熱硬化性樹脂15〜100重量部、分散媒50〜300重量部、分散剤0.5〜5重量部の割合で混合して黒鉛スラリーを調製し、成形容器内に載置した粒径1〜6mmの球状造孔材からなるプリフォームに黒鉛スラリーを注入し 乾燥して分散媒を揮散除去し、次いで120〜200℃に加熱して樹脂成分を硬化、更に200〜250℃に加熱して造孔材を揮散して空孔を形成した後、非酸化性雰囲気中800℃以上の温度で熱処理して焼成炭化、あるいは更に黒鉛化することを構成上の特徴とする。
本発明による黒鉛質多孔体の第2の製造方法は、黒鉛粉末100重量部に対して、熱硬化性樹脂15〜100重量部、分散媒50〜300重量部、分散剤0.5〜5重量部の割合で混合して黒鉛スラリーを調製し、粒径1〜6mmの球状造孔材を黒鉛スラリーに混合して石膏型内に圧縮充填し、乾燥して分散媒を揮散除去し、次いで120〜200℃に加熱して樹脂成分を硬化、更に200〜250℃に加熱して造孔材を揮散して空孔を形成した後、非酸化性雰囲気中800℃以上の温度で熱処理して焼成炭化、あるいは更に黒鉛化することを構成上の特徴とする。
また、上記の製造方法において、黒鉛粉末に予めシランカップリング剤をコーティングすることが好ましく、球状造孔材は発泡スチロールが好ましい。
本発明によれば、開気孔率が高く、気孔径の大きい開気孔が三次元的に貫通した構造を備えており、例えば無給油ベアリングなどの摺動材、空気清浄や水質浄化などをはじめ各種のフィルター、触媒担体などとして好適に使用することができる黒鉛質多孔体及びその製造方法が提供される。
無給油ベアリングなどの黒鉛摺動材では摺動面に露出する黒鉛部分の割合が30%程度は必要とされており、これは黒鉛質多孔体の気孔性状により左右される。また、気孔に吸蔵されたオイルが適度に表面に滲み出て摺動性を維持するためにも気孔性状が大きく影響する。
また、空気清浄や水質浄化などに使用するフィルターや触媒担体には流体抵抗が低く、流体との接触効率を上げるために、開気孔率が高く、開気孔径の大きい気孔性状を備えた多孔体が好適である。更に、耐食性および強度特性や熱伝導性などの材質特性から黒鉛質多孔体が有用されている。
本発明の黒鉛質多孔体は、これらの用途に好適な気孔性状として開気孔率が60〜85%であって、気孔径1〜5mmの開気孔が三次元的に貫通した構造を備えていることを特徴とする。
開気孔の気孔率が60%を下回ると例えば通気抵抗が大きくなり、一方85%を超えると強度が低くなり、使用時などに欠損し易くなる。また、開気孔の気孔径が1mmを下回ると多孔体を形成する骨格の壁が薄くなって強度が低下し、通気抵抗も大きくなる。しかし、気孔径が5mmを超えると骨格部分との接触面積が減少するために反応効率が低下することになる。
このように、耐熱性、耐食性、熱伝導性、摺動性などの優れた黒鉛から構成し、その気孔性状を特定した本発明の黒鉛質多孔体は、無給油ベアリングなどの摺動材、空気清浄や水質浄化などのフィルター、触媒担体などとして極めて有用である。
この場合、黒鉛質多孔体の骨格部分を形成する黒鉛の密度が1.0〜1.6g/cmであることが好ましい。骨格部分の黒鉛の密度が1.0g/cmを下回ると強度が不足し、しかし密度が1.6g/cmより大きくなると例えば無給油ベアリングに必要なオイルの吸蔵、保持が十分に行えなくなる。同様の理由から骨格部分を形成する黒鉛の気孔率は10〜50%であり、その気孔径は1〜5μmであることが好ましい。
これらの気孔性状を備えた黒鉛質多孔体は、黒鉛スラリーを調製し、黒鉛スラリーを球状造孔材からなるプリフォームに注入成形した後、造孔材を揮散除去する方法、あるいは黒鉛スラリーに球状造孔材を混合して石膏型に充填成形した後、造孔材を揮散除去する方法により製造することができる。
黒鉛スラリーは黒鉛粉末100重量部に対して、熱硬化性樹脂15〜100重量部、分散媒50〜300重量部、分散剤0.5〜5重量部の割合で配合して、十分に混合することにより調製する。この混合時に巻き込んだ空気や発生する気泡を除去するために減圧脱泡して気泡を除去することが好ましい。
黒鉛粉末は天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、その混合粉末などいずれも用いることができるが、流動性の高いスラリーを得るためには数μmから数十μmの粒度分布をもつ黒鉛粉末が好ましく、鱗片状で産出される天然黒鉛粉末に比べて安価で粉砕が容易な等方性人造黒鉛の粉砕品が好適である。
密度および流動性の高い黒鉛スラリーを得て、球状造孔材間の空隙にスラリーを円滑に侵入させるためには黒鉛粉末を粒度調整することが好ましく、例えば、平均粒径が30〜70μm、5〜10μm、1〜3μmの黒鉛粉末を適宜な割合で混合した混合黒鉛粉末が用いられる。
この場合、黒鉛粉末は、エタノールなどの有機溶媒にシランカップリング剤を溶解した溶液と混合し、乾燥してシランカップリング剤をコーティングするとバインダーとなる熱硬化性樹脂との濡れ性が向上するので好ましい。
熱硬化性樹脂は、自己焼結性のない黒鉛粉末を結合するためのバインダーとして用いられ、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、、その混合樹脂、あるいはピッチなどが使用され、残炭率が高い、例えば残炭率40%以上のフェノール樹脂やピッチが用いられる。
黒鉛粉末と熱硬化性樹脂との混合割合は、黒鉛粉末100重量部に対して熱硬化性樹脂15〜100重量部の割合に設定する。熱硬化性樹脂量が15重量部を下回ると強度が不足し、100重量部を超えると黒鉛質多孔体の黒鉛骨格部が緻密化して、微細気孔が形成され難くなる。
黒鉛スラリーを調製するための分散媒は水あるいはアセトン、メチルエチルケトン、エタノール、メタノールなどの有機溶剤が用いられ、分散媒は黒鉛粉末100重量部に対して50〜300重量部の割合で混合して分散させる。
分散剤は黒鉛スラリーの流動性および黒鉛粉末の分散安定性のために用いられ、焼成時あるいは黒鉛化時の焼失による強度低下を考慮して、黒鉛粉末に対して0.5〜5重量部の割合で添加する。分散剤には界面活性剤が用いられ、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性界面活性剤いずれも用いることができる。なお、分散媒として水やケトン系溶媒を用いる場合はポリカルボン酸型高分子界面活性剤やポリオキシエチレン誘導体界面活性剤が好適である。
黒鉛スラリーは、上記の黒鉛粉末、熱硬化性樹脂、分散媒、分散剤を所定の量比で、攪拌機、万能混合機、捏合機などで十分に撹拌混合することにより調製する。この際、空気を巻き込んだり気泡を発生するので、脱泡処理することが好ましい。
このようにして調製した黒鉛スラリーを用いて、本発明による黒鉛質多孔体の第1の製造方法は、粒径1〜6mmの球状造孔材を接着剤あるいは熱圧着などで球状造孔材同士を接合して所望形状のプリフォームを作製し、成形容器内にこのプリフォームを載置して、そこに黒鉛スラリーを注入してプリフォームの空隙内によく侵入させる。
球状造孔材の材質はポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ナイロン、アクリルゴムなど熱可塑性であり、熱融着するとともに比較的低温で加熱揮散するものであれば適宜に使用可能であり、比較的低温低圧で加熱融着するとともに低温で熱揮散する発泡スチレンビーズが好適に用いられる。また、球状造孔材の粒度は製造する黒鉛質多孔体の気孔性状に影響するので、用途に応じて、1〜6mmの粒径範囲のものを適宜に混合して、粒度調整して用いられる。
黒鉛スラリーをプリフォームに侵入させた後、自然乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥など適宜な手段で分散媒を揮散除去した後、120〜200℃の温度で加熱して樹脂成分を硬化させ、次いで200〜250℃の温度に加熱して造孔材を揮散除去させることにより空孔が形成される。この場合、加熱して揮散除去する球状造孔材の粒径およびその分布を調整することにより、製造される黒鉛質多孔体の気孔性状を制御、調整することができる。
球状造孔材を揮散除去した後、非酸化性雰囲気中で800℃以上の温度で加熱処理して樹脂成分を焼成炭化し、あるいは更に3000℃程度の温度にまで加熱処理して黒鉛化することにより、黒鉛質多孔体を製造することができる。この製造プロセスにおいて、黒鉛粉末と熱硬化性樹脂との混合割合、プリフォームを形成する球状造孔材の粒度その体積割合などを設定することにより、開気孔率や開気孔径が制御された開気孔が三次元的に貫通した気孔性状を有する黒鉛質多孔体が製造される。
本発明による黒鉛質多孔体の第2の製造方法は、上記の方法で調製した黒鉛スラリー中に粒径1〜6mmの球状造孔材を体積混合割合を調節して添加混合し、この黒鉛スラリーを石膏型内に注入し、軽く圧縮して、スラリーから分散媒を石膏型に吸収および排出除去する。この圧縮により球状造孔材同士を密着させることができる
成形後、石膏型から取り出した成形体を更に乾燥して分散媒を揮散した後、第1の製造方法と同じ方法で樹脂成分を硬化し、加熱して造孔材を揮散して空孔を形成したのち、焼成炭化し、更に黒鉛化することにより黒鉛質多孔体が製造される。
以下、本発明の実施例を比較例と対比して具体的に説明するが、本発明はこの実施例に何ら制約されるものではない。
実施例1
黒鉛粉末として、等方性黒鉛を粉砕した後粒度調整して、平均粒径50μmの黒鉛粉末70重量部、平均粒径7μmの黒鉛粉末10重量部、平均粒径4μmの黒鉛粉末20重量部の黒鉛粉末を作製した。この黒鉛粉末100重量部とレゾールタイプのフェノール樹脂粉末25重量部を、分散媒として水70重量部、分散剤にノニオン系界面活性剤2重量部を混合して作製した分散液に入れて撹拌し、超音波分散機により十分に撹拌混合して分散させた。その後、減圧脱泡処理して分散時に巻き込んだ気泡を脱気して、黒鉛スラリーを調製した。
粒径3〜5mmの球状ポリスチレン発泡ビーズをφ50mm、高さ100mmのプラスチック成形容器内に50mmの高さになるようにタップ充填し、その上から軽く荷重を掛けて20vol%圧縮した。この圧縮体を110℃の乾燥炉中で1分間加熱して、ポリスチレンを融着させて、プリフォームを作製した。
このプリフォームを載置した成形容器内に黒鉛スラリーを注入して、プリフォームの空隙にスラリーを十分かつ均等に侵入させた後、50℃で1日乾燥した。次いで、150℃で2時間熱処理して樹脂分を硬化した後、250℃のオーブンに入れて30分間熱処理してポリスチレンビーズを揮散除去して空孔を形成させ、3〜5mm、平均4mmの開気孔を形成した。その後。窒素ガス雰囲気に保持した焼成炉に入れて1000℃の温度で焼成炭化して黒鉛質多孔体を製造した。
実施例2
実施例1と同じ方法で調製した黒鉛スラリーに、粒径3〜5mmの球状ポリスチレン発泡ビーズをバルク成形体の体積に対し4倍量の体積比で加えて混合し、φ50mm、高さ100mmの石膏型に流し込み、圧縮荷重を掛けた状態で50℃の温度で1日乾燥した。その後、石膏型から乾燥した成形体を取り出し、実施例1と同じ方法により樹脂成分の硬化、ポリスチレンビーズを揮散除去して空孔の形成、焼成炭化して黒鉛質多孔体を製造した。
実施例3
実施例1において、黒鉛粉末100重量部をアミン系シランカップリング剤1重量部をエタノールに溶解した溶液中に分散させ、濾過、乾燥してエタノールを除去した後、温度120℃で乾燥してアミン系シランカップリング剤で表面処理(コーティング)した黒鉛粉末を使用した他は、実施例1と同じ方法により黒鉛質多孔体を製造した。
比較例1、2
実施例1において、黒鉛スラリー中の樹脂量を10重量部(比較例1)、120重量部(比較例2)とした他は、実施例1と同じ方法で黒鉛質多孔体を製造した。
比較例3
実施例2において、球状ポリスチレン発泡ビーズに代えて、0.2〜0.8mmの粒度に破砕したポリスチレンを使用して黒鉛スラリーに添加混合した。この際、添加量は55%までしか混合できなかった。以後、実施例2と同じ方法で黒鉛質多孔体を製造した。
これらの黒鉛質多孔体について、圧縮強度、開気孔率、および開気孔径を測定した。また、黒鉛質多孔体の骨格部になる黒鉛の密度、気孔径、気孔率などを測定した。得られた結果を表1に示した。
Figure 2008007380
実施例1〜3の黒鉛質多孔体は圧縮強度が高く、開気孔率および開気孔径の気孔性状も良好で開気孔率が高く、気孔径の大きい開気孔が三次元的に貫通した構造を備えており、また骨格部の黒鉛も微細気孔を有しており、無給油ベアリングなどの摺動材、空気清浄や水質浄化などのフィルター、触媒担体などとして好適に利用可能である。
また、実施例3は黒鉛粉末がアミン系シランカップリング剤でコーティングされているので、樹脂との濡れ性が向上し、圧縮強度の向上が認められた。
これに対し、比較例1は樹脂量が10重量部と少ないために黒鉛質多孔体が脆く、著しく圧縮強度が低かった。一方、比較例2では樹脂量が120重量部と多いために開気孔径が小さく、また骨格部の気孔が少なく摺動材として使用できるものではなかった。比較例3は造孔材が不定形であり、黒鉛スラリー中に多く添加することができず、開気孔率、開気孔径とも小さかった。

Claims (6)

  1. 開気孔率が60〜85%で、気孔径1〜5mmの開気孔が三次元的に貫通した構造からなることを特徴とする黒鉛質多孔体。
  2. 黒鉛質多孔体の骨格を形成する黒鉛の密度が1.0〜1.6g/cm、気孔率が10〜50%、気孔径が1〜5μmである請求項1記載の黒鉛質多孔体。
  3. 黒鉛粉末100重量部に対して、熱硬化性樹脂15〜100重量部、分散媒50〜300重量部、分散剤0.5〜5重量部の割合で混合して黒鉛スラリーを調製し、成形容器内に載置した粒径1〜6mmの球状造孔材からなるプリフォームに黒鉛スラリーを注入し、乾燥して分散媒を揮散除去し、次いで120〜200℃に加熱して樹脂成分を硬化、更に200〜250℃に加熱して造孔材を揮散して空孔を形成した後、非酸化性雰囲気中800℃以上の温度で熱処理して焼成炭化、あるいは更に黒鉛化することを特徴とする黒鉛質多孔体の製造方法。
  4. 黒鉛粉末100重量部に対して、熱硬化性樹脂15〜100重量部、分散媒50〜300重量部、分散剤0.5〜5重量部の割合で混合して黒鉛スラリーを調製し、粒径1〜6mmの球状造孔材を黒鉛スラリーに混合して石膏型内に圧縮充填し、乾燥して分散媒を揮散除去し、次いで120〜200℃に加熱して樹脂成分を硬化、更に200〜250℃に加熱して造孔材を揮散して空孔を形成した後、非酸化性雰囲気中800℃以上の温度で熱処理して焼成炭化、あるいは更に黒鉛化することを特徴とする黒鉛質多孔体の製造方法。
  5. 黒鉛粉末にシランカップリング剤をコーティングする請求項3又は請求項4記載の黒鉛質多孔体の製造方法。
  6. 球状造孔材が発泡スチロールである請求項3又は請求項4記載の黒鉛質多孔体の製造方法。
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