JP2008006859A - Bearing unit - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、例えば、自動車の車輪を支持する軸受ユニットに関し、特に、かかる軸受ユニットからの異音発生を防止するための軸受ユニット構造の改良に関する。 The present invention relates to a bearing unit that supports, for example, a vehicle wheel, and more particularly to an improvement in a bearing unit structure for preventing the generation of abnormal noise from the bearing unit.
この種の軸受ユニットには、例えば、図2(a),(b)に示すように、車体(懸架装置のナックル(図示しない))に固定される静止輪2と、車輪(ディスクホイール42)に固定されて当該ディスクホイール42とともに回転する回転輪4とが備えられている。すなわち、この場合、軸受ユニットは、外輪側が静止輪2となるように構成されているとともに、内輪側が回転輪4となるように構成されている。
また、かかる軸受ユニットには、複数の転動体(玉)18が、静止輪2及び回転輪4にそれぞれ形成された相互に対向する複列(2列)の軌道面間へ転動可能に組み込まれている。この場合、転動体(玉)18は、環状を成す保持器20に形成されたポケット内に1つずつ回転自在に保持された状態で、軌道面間を転動している。
This type of bearing unit includes, for example, as shown in FIGS. 2A and 2B, a stationary wheel 2 fixed to a vehicle body (a knuckle (not shown) of a suspension device) and a wheel (disc wheel 42). And a rotating
Also, in such a bearing unit, a plurality of rolling elements (balls) 18 are incorporated so as to be able to roll between the mutually opposing double-row (two rows) raceway surfaces formed on the stationary wheel 2 and the rotating
図2(a)に示す構成において、静止輪2には、その外周面2aから外方(径を拡大する方向)に向かって突出した固定フランジ2fが一体成形されており、当該固定フランジ2fを貫通する固定孔2hに固定用ボルト58を挿入し、これを車体側に締結することで、静止輪2を図示しない懸架装置(サスペンション)のナックルに固定することができる。
In the configuration shown in FIG. 2 (a), a stationary flange 2 is integrally formed with a
また、回転輪4には、略円筒形を成すハブ12が設けられており、当該ハブ12は、制動部材(ブレーキディスク40)を介して車輪のディスクホイール42に固定され、当該ディスクホイール42とともに回転するように構成されている。なお、かかるハブ12には、その軸方向(図2(a)の左右方向)の一方側(同図の左側)にディスクホイール42のディスク部42dを固定(外嵌)するためのハブフランジ12fが周方向に沿って連続して突設されている。
The rotating
この場合、ハブフランジ12fは、静止輪2を越えて外方(ハブ12の径方向外側)に向かって延出しており、その延出縁付近には、周方向に沿って複数の貫通孔(ボルト孔)12hが設けられている。また、ブレーキディスク40及びディスクホイール42のディスク部42dにも、それぞれ当該ボルト孔12hと連通可能な貫通孔40h,42hが周方向に沿って複数個(一例として、ボルト孔12hと同数個)設けられている。そして、複数のハブボルト14をボルト孔12hから貫通孔40h,42hへ挿通し、ハブナット76で締結することにより、ブレーキディスク40及びディスクホイール42をハブフランジ12fに対して位置決めして固定することができる。
In this case, the
また、図2(a)に示す構成において、軸受ユニットは、自動車の駆動輪(FR(前置エンジン後輪駆動)車及びRR(後置エンジン後輪駆動)車の後輪、FF(前置エンジン前輪駆動)車の前輪及び四輪駆動車の全輪)を支持する軸受ユニットとして構成されており、ハブ12には、その軸方向の一端側から他端側まで(図2(a)の左端側から右端側まで)を貫通する所定の大きさを成すスプライン孔12tが形成され、当該スプライン孔12tには、等速ジョイント92のスプライン軸92sが挿通されている。そして、ハブ12は、スプライン軸92sに外嵌されることで、当該スプライン軸92sとともに回転可能となる。
なお、ハブ12には、その軸方向(図2(a)の左右方向)の他方側(同図の右側)に環状の内輪構成体16(ハブ12とともに回転輪4を構成する部材)が外嵌されるようになっている。
Further, in the configuration shown in FIG. 2 (a), the bearing unit includes driving wheels (FR (front engine rear wheel drive)) and RR (rear engine rear wheel drive) rear wheels, FF (front Engine front wheel drive) is configured as a bearing unit that supports the front wheels of a vehicle and all wheels of a four-wheel drive vehicle. The
The
この場合、例えば、静止輪2と回転輪4との間に複数の転動体18を保持器20で保持した状態で、内輪構成体16をハブ12に形成された段部12sまで外嵌した後、等速ジョイント92のスプライン軸92sをハブ12のスプライン孔12tに車体の内側から外側(図2(a)の右側から左側)へ向けて挿通する。そして、スプライン軸92sの先端部(図2(a)の左端部)において、ハブ12のCVJナット座面12cよりも車体外側方向(図2(a)の左方向)へ突出した部分に設けられた雄ねじ部92tにCVJナット94を螺合させ、当該CVJナット94がハブ12のCVJナット座面12cと当接するように締結することで、ハブ12とスプライン軸92sとを位置決め固定することができる。この際、内輪構成体16は、その一端面(車体内側(図2(a)の右側)の端面)16aが等速ジョイント92の一端面(車体外側(図2(a)の左側)の端面)92aに当接し、当該等速ジョイント92の端面92aとハブ12の段部12sとの間で挟み込まれることで位置決め固定される。また、内輪構成体16が位置決め固定されることで、軸受ユニットに対して所定の予圧が付与される。
In this case, for example, after the
なお、図2(a)に示す構成においては、内輪構成体16は、等速ジョイント92の端面92aとハブ12の段部12sとの間で挟み込まれた状態で、ハブ12の一方側(車体外側(図2(a)の左側))からCVJナット94を締結することで、位置決め固定しているが、例えば、図2(b)に示す構成のように、ハブ12に対して加締固定してもよい。
In the configuration shown in FIG. 2A, the
この場合、内輪構成体16をハブ12の段部12sまで外嵌した後、ハブ12の一方側(車体内側(図2(b)の右側))の端部12dを加締めることにより、当該内輪構成体16をハブ12に固定することができるとともに、軸受ユニットに対して所定の予圧を付与することができる。なお、図2(b)は概念図であって、軸受ユニットの基本的な構成のみ示しているため、例えば、等速ジョイント、スプライン軸及びCVJナットなどの部材については、その記載を省略している。ただし、この場合であっても、図2(a)に示す構成の場合と同様に、ハブ12の一方側(車体外側(図2(a)の左側))からCVJナット94により、ハブ12と等速ジョイント92のスプライン軸92sとが位置決め固定されている。この状態においては、ハブ12の加締め後の端部12dが等速ジョイント92の一端面(図2(a)の端面92aに相当)に当接している(図示省略)。
In this case, after the inner
また、かかる軸受ユニットにおいて、静止輪2と回転輪4との間には、転動体(玉)18を挟んで、その両側(図2(a)の左側と右側)に軸受ユニットを密封するための密封板98がそれぞれ設けられている。このように密封板98を設けることで、軸受ユニットの外部から異物(例えば、泥水、塵埃)が内部に侵入することを防止しているとともに、内部に封入された潤滑剤(例えば、グリース、油)が外部へ漏洩することを防止している。
Further, in such a bearing unit, a rolling element (ball) 18 is sandwiched between the stationary wheel 2 and the rotating
ところで、このような軸受ユニットを構成するハブ12は、ブレーキディスク40及びディスクホイール42を位置決め固定するためのハブフランジ12fやパイロット部12p、及び転動体18を転動させるための軌道面(アウトボード側軌道面)4sが一体成形されている。このようにハブフランジ12f、パイロット部12p及び軌道面4sが一体成形されたハブ12は、軌道面4sの転がり疲れ寿命とハブフランジ12fの曲げ強度を確保するとともに、当該ハブフランジ12fに対して衝撃が加わった際における急進破壊を防ぐことが可能な剛性を有していることが必要とされる。
By the way, the
このため、軸受ユニットのハブ12には、その材料として機械用構造鋼が適用され、当該機械用構造鋼を熱間鍛造し、軌道面4sを形成した上で、当該軌道面4sに対して高周波処理(焼入れ処理)を施すことで、ハブ12が構成されている。これに対し、ハブ12のCVJナット座面12cには、焼入れ処理は施されておらず、ハブ12は、当該CVJナット座面12cが非焼入れ部として構成されている。
For this reason, structural steel for machinery is applied to the
かかる軸受ユニットに対しては、自動車の走行中において、当該自動車が加減速する際に路面に付与した力に対する反力が当該路面から作用するとともに、当該反力に伴う変動モーメント荷重が車輪(図示しない)及びディスクホイール42を介して継続的に作用し、軸受ユニットのハブ12に歪み(曲げ)が変動して発生する場合がある。このようにハブ12に歪みが変動して発生すると、その歪みの程度によっては、ハブ12とスプライン軸92sとを位置決め固定するCVJナット94が緩んでしまう場合がある。この場合、例えば、図2(a)に示す構成においては、内輪構成体16の端面16aと等速ジョイント92の端面92aとが変則的に接触し、図2(b)に示す構成においては、ハブ12の加締め後の端部12dと等速ジョイント92の端面92aとが相互に変則的に接触し、軋みなどの異音が発生する虞がある。
For such a bearing unit, while the vehicle is running, a reaction force against the force applied to the road surface when the vehicle accelerates or decelerates acts from the road surface, and a variable moment load associated with the reaction force is applied to the wheel (illustrated). 2) and the
ここで、軸受ユニットに対して、変動モーメント荷重が継続して作用している状況下において、CVJナット94に緩みが生じる主な原因としては、以下のような3つが挙げられる。なお、以下の説明においては、便宜上、図2(a)に示す構成の軸受ユニットを一例として想定する。
まず、1つ目の原因としては、CVJナット94とハブ12のCVJナット座面12cとが相互に接触する(当接する)部分が摩擦により摩耗するとともに、ハブ12(内輪構成体16)とスプライン軸92sとが相互に接触する(突き合う)部分16a,92aが摩擦により摩耗することで、スプライン軸92sの軸力が低下してしまうことが挙げられる。
Here, there are three main causes for the looseness of the
First, as a first cause, a portion where the
次に、2つ目の原因としては、CVJナット94と接触する(当接する)ハブ12のCVJナット座面12cが高面圧により陥没するとともに、ハブ12(内輪構成体16)とスプライン軸92sとが相互に接触する(突き合う)部分16a,92aの一方側が高面圧により陥没することで、スプライン軸92sの軸力が低下してしまうことが挙げられる。
Next, as a second cause, the CVJ
そして、3つ目の原因としては、軸受ユニットのハブ12が継続的かつ変動的に歪む(曲がる)ことで、CVJナット94がラジアル方向(図2(a)の上下方向)に変位することで、当該CVJナット94の緩みトルクが発生してしまうことが挙げられる。
The third cause is that the
以上のような原因を踏まえ、上述したようなCVJナット94の緩みの発生を防止するための方策として、従来から、以下のような方策が知られている。
上述した1つ目の原因から生ずる緩みへの対処法として、CVJナット94とハブ12のCVJナット座面12cとが相互に接触する(当接する)部分に対し、例えば、潤滑剤を塗布することなどにより、当該当接部分の摩耗を防止する手段がある。一方、ハブ12(内輪構成体16)とスプライン軸92sとが相互に接触する(突き合う)部分16a,92aに対し、例えば、特許文献1には、ハブ12(内輪構成体16)の端面16aに周方向に沿って連続する凹溝を形成する手段が開示されている。
Based on the above causes, the following measures are conventionally known as measures for preventing the occurrence of loosening of the
For example, a lubricant is applied to a portion where the
次に、上述した2つ目の原因から生ずる緩みへの対処法として、CVJナット94と接触する(当接する)ハブ12のCVJナット座面12cに対し、例えば、その当接面積を大きくすることで、その面圧を低下させる手段や、その表面強度を高める手段がある。一方、ハブ12(内輪構成体16)とスプライン軸92sとが相互に接触する(突き合う)部分16a,92aについては、通常、その当接部分16a,92aの径が大きく、ハブ12のCVJナット座面12c側と比較して、大きな面圧とはならない。また、ハブ12(内輪構成体16)は、焼入れ処理されているため、陥没する虞は低い。
Next, as a countermeasure against the looseness caused by the second cause described above, for example, the contact area of the CVJ
そして、上述した3つ目の原因から生ずる緩みへの対処法として、例えば、CVJナット94と接触する(当接する)ハブ12のCVJナット座面12cの表面摩擦力(摩擦抵抗)を当該CVJナット94の緩みトルクよりも大きくなるように設定することで、当該CVJナット94がラジアル方向(図2(a)の上下方向)へ変位することを防止する手段がある。
As a countermeasure against the looseness caused by the third cause described above, for example, the surface frictional force (friction resistance) of the CVJ
これらを考慮すれば、CVJナット94の緩みを防止するためには、CVJナット94に対し、その形状を加工して、当接するCVJナット座面12cにおける面圧を高めるとともに、当該CVJナット座面12cとの当接部分の摩耗を防止することが有効となる。一方、ハブ12に対しては、CVJナット94が当接するCVJナット座面12cの表面強度を高めるとともに、表面摩擦力(摩擦抵抗)を大きくすることが有効となる。
しかしながら、CVJナット94とハブ12のCVJナット座面12cとが相互に当接する部分に対し、例えば、潤滑剤を塗布した場合、当該当接部分の摩耗は防止することができるが、一方で、当該CVJナット座面12cの表面摩擦力(摩擦抵抗)は小さくなってしまう。このように、CVJナット94とハブ12のCVJナット座面12cとが相互に当接する部分において、摩耗を防止することと表面摩擦力(摩擦抵抗)を増大させることとは、いわゆるトレードオフの関係にあり、相矛盾するものであるため、これらを両立させることは困難であり、有効な両立策の実現が求められている。
However, for example, when a lubricant is applied to the portion where the
本発明は、このような課題を解決するためになされており、その目的は、CVJナットが当接するハブのCVJナット座面を硬化することで、CVJナットの緩みを抑制し、異音の発生を有効に防止することを可能とした軸受ユニットを提供することにある。 The present invention has been made to solve such problems, and its purpose is to harden the CVJ nut seating surface of the hub with which the CVJ nut abuts, thereby suppressing loosening of the CVJ nut and generating abnormal noise. It is an object of the present invention to provide a bearing unit that can effectively prevent the above-described problem.
このような目的を達成するために、本発明に係る軸受ユニットは、車体構成部材に固定される静止輪と、車輪構成部材及び車輪駆動軸構成部材に固定されてこれらとともに回転する回転輪と、当該静止輪及び当該回転輪にそれぞれ形成されて相互に対向する軌道面間へ転動可能に組み込まれた複数の転動体とを備えている。この場合、回転輪は、車輪駆動軸構成部材に外嵌された状態で、駆動軸の延出方向の一方側から締結部材により当該車輪駆動軸構成部材に対して固定されており、当該回転輪において、少なくとも当該締結部材が当接する部位には、近傍の部位よりもその硬度が大きくなるように設定された所定の硬化層が形成されている。 In order to achieve such an object, a bearing unit according to the present invention includes a stationary wheel fixed to a vehicle body component member, a rotating wheel fixed to a wheel component member and a wheel drive shaft component member, and rotating together therewith, And a plurality of rolling elements that are formed on the stationary wheel and the rotating wheel, respectively, so as to be able to roll between the mutually facing raceway surfaces. In this case, the rotating wheel is fixed to the wheel drive shaft constituent member by a fastening member from one side in the extending direction of the drive shaft in a state of being externally fitted to the wheel drive shaft constituent member. In at least a portion where the fastening member abuts, a predetermined hardened layer set so as to have a hardness higher than that of a nearby portion is formed.
なお、回転輪には、締結部材が当接する部位に対し、所定の表面処理が施されており、当該表面処理によって、硬化層が形成されている。また、調質により、又は熱間鍛造後の冷却速度の調整により回転輪を形成することで、硬化層が回転輪と同時に一体形成されていてもよい。また、これらの軸受ユニットにおいて、硬化層は、その硬度が、締結部材の硬度よりも大きく設定されている。 The rotating wheel is subjected to a predetermined surface treatment on a portion where the fastening member abuts, and a hardened layer is formed by the surface treatment. Further, the hardened layer may be formed integrally with the rotating wheel by forming the rotating wheel by tempering or by adjusting the cooling rate after hot forging. Moreover, in these bearing units, the hardness of the hardened layer is set larger than the hardness of the fastening member.
本発明の軸受ユニットによれば、CVJナットが当接するハブのCVJナット座面を硬化することで、当該CVJナットの緩みを抑制することができるとともに、異音の発生を有効に防止することができる。 According to the bearing unit of the present invention, by hardening the CVJ nut seat surface of the hub with which the CVJ nut abuts, it is possible to suppress loosening of the CVJ nut and to effectively prevent the generation of abnormal noise. it can.
以下、本発明の軸受ユニットについて、添付図面を参照して説明する。なお、本発明に係る軸受ユニットは、例えば、自動車や鉄道車両など、各種の車両の車輪を回転自在に支持する軸受ユニットとして適用することができるが、ここでは、自動車の車輪を支持する軸受ユニットを一例として想定する。特にこの場合、かかる軸受ユニットは、自動車の駆動輪(FR車及びRR車の後輪、FF車の前輪及び四輪駆動車の全輪)を支持する軸受ユニットを一例として想定し、以下、その構成について説明する。また、本実施形態に係る軸受ユニット及びその周辺部材の基本的構成は、上述した従来の軸受ユニット及びその周辺部材の構成(図2(a)参照)と同様であるため、以下では、これらと同一若しくは類似の構成には、図面上で同一符号を付して、その説明を省略若しくは簡略化する。 Hereinafter, a bearing unit of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings. The bearing unit according to the present invention can be applied as a bearing unit that rotatably supports the wheels of various vehicles such as automobiles and railway vehicles. Here, the bearing unit that supports the wheels of the automobile is used. Is assumed as an example. Particularly in this case, such a bearing unit is assumed as an example of a bearing unit that supports driving wheels of an automobile (rear wheels of FR and RR vehicles, front wheels of FF vehicles, and all wheels of four-wheel drive vehicles). The configuration will be described. Further, the basic configuration of the bearing unit and its peripheral members according to the present embodiment is the same as the configuration of the conventional bearing unit and its peripheral members (see FIG. 2 (a)) described above. The same or similar components are denoted by the same reference numerals in the drawings, and the description thereof is omitted or simplified.
図1には、本発明の一実施形態に係る軸受ユニットが示されており、当該軸受ユニットには、車体構成部材(例えば、懸架装置のナックル(図示しない))に固定される静止輪2と、車輪構成部材(例えば、ディスクホイール42(図2(a)参照))及び車輪駆動軸構成部材(例えば、等速ジョイント92のスプライン軸92s(図2(a)参照))に固定されてこれらとともに回転する回転輪4とが備えられている。すなわち、この場合、軸受ユニットは、外輪側が静止輪2となるように構成されているとともに、内輪側が回転輪4となるように構成されている。
FIG. 1 shows a bearing unit according to an embodiment of the present invention. The bearing unit includes a stationary wheel 2 fixed to a vehicle body component (for example, a knuckle (not shown) of a suspension device). These are fixed to wheel components (for example, disc wheel 42 (see FIG. 2A)) and wheel drive shaft components (for example,
また、かかる軸受ユニットには、複数の転動体(玉)18a,18bが、静止輪2及び回転輪4にそれぞれ形成された相互に対向する複列(2列)の軌道面2s,4s間及び軌道面2t,4t間へ転動可能に組み込まれている。この場合、転動体(玉)18a,18bは、環状を成す保持器20に形成されたポケット内に1つずつ回転自在に保持された状態で、軌道面2s,4s間及び軌道面2t,4t間を転動している。なお、本実施形態においては、転動体18a,18bとして玉を適用しているが、例えば、軸受ユニットの構成や種類などに応じて、各種のころ(円すいころ、円筒ころ及び球面ころなど)を適用してもよい。
Also, in such a bearing unit, a plurality of rolling elements (balls) 18a, 18b are formed between the double-row (two rows)
図1に示す構成において、静止輪2には、その外周面2aから外方(径を拡大する方向)に向かって突出した固定フランジ2fが一体成形されており、当該固定フランジ2fを貫通する固定孔2hに固定用ボルト(図示しない)を挿入し、これを車体側に締結することで、静止輪2を図示しない懸架装置(サスペンション)のナックルに固定することができる。
In the configuration shown in FIG. 1, a stationary flange 2 is integrally formed with a fixing
また、回転輪4には、略円筒形を成すハブ12が設けられており、当該ハブ12は、制動部材(例えば、ブレーキディスク40(図2(a)参照))を介して車輪のディスクホイール42(図2(a))に固定され、当該ディスクホイール42とともに回転するように構成されている。なお、かかるハブ12には、その軸方向(図1の左右方向)の一方側(同図の左側)にディスクホイール42のディスク部42d(図2(a))を固定(外嵌)するためのハブフランジ12fが周方向に沿って連続して突設されている。
The
また、図1に示す構成において、軸受ユニットは、自動車の駆動輪(FR(前置エンジン後輪駆動)車及びRR(後置エンジン後輪駆動)車の後輪、FF(前置エンジン前輪駆動)車の前輪及び四輪駆動車の全輪)を支持する軸受ユニットとして構成されており、ハブ12には、その軸方向の一端側から他端側まで(図1の左端側から右端側まで)を貫通する所定の大きさを成すスプライン孔12tが形成され、当該スプライン孔12tには、等速ジョイントのスプライン軸92s(図2(a))が挿通されている。そして、ハブ12は、スプライン軸92sに外嵌されることで、当該スプライン軸92sとともに回転可能となる。
なお、ハブ12には、その軸方向(図1の左右方向)の他方側(同図の右側)に環状の内輪構成体16(ハブ12とともに回転輪4を構成する部材)が外嵌されるようになっている。
Further, in the configuration shown in FIG. 1, the bearing unit includes driving wheels of an automobile (FR (front engine rear wheel drive) vehicle and RR (rear engine rear wheel drive) vehicle rear wheel, FF (front engine front wheel drive). ) It is configured as a bearing unit that supports the front wheels of the vehicle and all the wheels of a four-wheel drive vehicle, and the
The
軸受ユニットは、その回転輪4(ハブ12)が、車輪駆動軸構成部材(スプライン軸92s(図2(a)参照))に外嵌された状態で、駆動軸の延出方向(図1の左右方向)の一方側(同図の左側)から締結部材(CVJナット94(図2(a)参照))により当該スプライン軸92s(図2(a))に対して固定されている。
この場合、回転輪4を構成するハブ12には、スプライン孔12tの軸方向(図1の左右方向)の一方側(同図の左側)の端部に、周方向に沿って連続する平坦面状を成すCVJナット座面12cが設けられている。そして、CVJナット94(図2(a))を駆動軸方向(図1の左右方向)の一方側(同図の左側)から当該CVJナット座面12cに当接させて締め付けることで、回転輪4をスプライン軸92s(図2(a))に対して位置決め固定することができる。この際、回転輪4は、一例として、内輪構成体16が等速ジョイント92(図2(a))の一端面(車体外側(図1の左側)の端面)92a(図2(a))とハブ12の段部12sとの間で挟み込まれた状態で位置決め固定されている。
In the bearing unit, the rotating wheel 4 (hub 12) is externally fitted to a wheel drive shaft constituent member (
In this case, the
また、これに代えて、例えば、図2(b)に示す構成のように、回転輪4は、内輪構成体16をハブ12の段部12sまで外嵌した後、ハブ12の一方側(車体内側(図2(b)の右側))の端部12dを加締めることで、当該内輪構成体16がハブ12の段部12sと端部12dとの間で挟み込まれた状態で位置決め固定してもよい。
なお、いずれの場合においても、回転輪4(ハブ12及び内輪構成体16)を位置決め固定することで、軸受ユニットに対して所定の予圧が付与される。
Alternatively, for example, as in the configuration shown in FIG. 2B, the
In any case, a predetermined preload is applied to the bearing unit by positioning and fixing the rotating wheel 4 (
また、かかる回転輪4において、少なくともCVJナット94(図2(a))が当接する部位には、近傍の部位よりもその硬度が大きくなるように設定された所定の硬化層が形成されている。本実施形態においては、一例として、ハブ12のCVJナット座面12cに対し、表面処理を施すことで、所定の硬化層Sを形成している。
Further, in the
例えば、ハブ12のCVJナット座面12cに対し、表面処理として焼入れ処理を施すことで、硬化層Sを形成することができる。なお、CVJナット座面12cに対して焼入れを行う場合、その方法としては、通常の焼入れ法の他、例えば、高周波焼入れ、浸炭焼入れなど各種の方法を適用することができる。この場合、焼入れ時の各種の条件(加熱する方法、時間、温度及び速度、並びに冷却する方法、時間、温度及び速度等)などは、例えば、ハブ12の組成や焼入れ後の設定硬度などに応じて具体的に設定されるため、ここでは特に限定しない。
For example, the hardened layer S can be formed by subjecting the CVJ
また、例えば、ハブ12のCVJナット座面12cに対し、表面処理としてショットピーニング加工を施すことで、硬化層Sを形成してもよい。この場合、噴射するショット材の種類や大きさ(粒径)などは、例えば、ハブ12の組成や焼入れ後の設定硬度などに応じて具体的に設定されるため、ここでは特に限定しない。
Further, for example, the hardened layer S may be formed by subjecting the CVJ
さらに、硬化層Sは、ハブ12の全体を成形した後、CVJナット座面12cに対し、上述した焼入れやショットピーニングなどの表面処理を施すことによって形成してもよいが、ハブ12と同時に一体形成してもよい。例えば、ハブ12の全体を調質することで、硬化層Sを形成してもよいし、ハブ12の全体を熱間鍛造した後、その冷却速度を調整することで、硬化層Sを形成してもよい。
Further, the hardened layer S may be formed by forming the
なお、硬化層Sの大きさ、形状及び深さなどは、例えば、ハブ12の大きさやCVJナット94(図2(a))の硬化層Sの当接面の形状などに応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。一例として、硬化層Sは、CVJナット座面12cにおいて、その内径がスプライン孔12tの径と略同一を成すとともに、その外径がCVJナット94(図2(a))の径よりも若干大きな径を成す円環状に形成すればよい。また、この場合、硬化層Sは、連続的な円環状を成すように形成してもよいし、断続的に環状を成すように形成してもよい。加えて、硬化層Sは、多重(例えば、2重)の同心円環状を成すように形成してもよい。
The size, shape, depth, and the like of the hardened layer S are arbitrarily set according to, for example, the size of the
ここで、本実施形態において、ハブ12には、CVJナット座面12cの硬化層Sと併せ、転動体(玉)18aを転動させるための軌道面(アウトボード側軌道面)4sに対しても、上述した硬化層Sと同様の各種の方法により、硬化層40sが形成されている。この場合、CVJナット座面12cの硬化層Sは、軌道面(アウトボード側軌道面)4sに形成された硬化層40sと一体化しない程度、すなわち、硬化層Sが当該硬化層40sまで達しない程度の所定の深さ(図1の左右方向の距離)で形成することが好ましい。
Here, in the present embodiment, the
例えば、ハブ12のCVJナット座面12cに対して焼入れ処理を施すことで硬化層Sを形成する場合、硬化層Sの深さが軌道面(アウトボード側軌道面)4sに形成された硬化層40sまで達しない程度となるように、焼入れ時の各種の条件(加熱する方法、時間、温度及び速度、並びに冷却する方法、時間、温度及び速度等)を設定し、ハブ12のCVJナット座面12cに対して焼入れ処理を施せばよい。なお、硬化層S及び硬化層40sは、同時に形成してもよいし、いずれか一方のみを先に形成しておいてもよい。
For example, when the hardened layer S is formed by quenching the CVJ
また、硬化層Sの具体的な硬度は、例えば、当接するCVJナット94(図2(a)参照)の硬度などに応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。ただし、硬化層Sは、少なくともその硬度が、CVJナット94(図2(a))の硬度よりも大きな所定の硬度となるように設定することが好ましい。一例として、本実施形態において、CVJナット94は、ビッカース硬さ(Hv)に基づく硬度がHv500以上に設定されており、硬化層Sは、少なくとも当該CVJナット94の硬度であるHv500よりも大きな所定の硬度(Hv)となるように設定すればよい。これにより、相互に当接するCVJナット座面12cの硬化層SとCVJナット94(図2(a))の当接面との間に生じる摩耗を抑制することができる。
Further, the specific hardness of the hardened layer S is not particularly limited here because it is arbitrarily set according to, for example, the hardness of the CVJ nut 94 (see FIG. 2A) that abuts. However, it is preferable to set the hardened layer S so that at least the hardness thereof is a predetermined hardness larger than the hardness of the CVJ nut 94 (FIG. 2A). As an example, in the present embodiment, the
一方で、本実施形態においては、一例として、ハブ12とCVJナット94(図2(a))とは、同種の金属(例えば、同種の機械用構造鋼など)で構成されている。すなわち、相互に当接するハブ12のCVJナット座面12c(硬化層S)とCVJナット94(図2(a))の当接面とは、同種の金属(例えば、同種の機械用構造鋼など)で構成されている。これにより、当該当接部分における表面摩擦力(摩擦抵抗)を大きくすることができる。
On the other hand, in this embodiment, as an example, the
以上のように、ハブ12のCVJナット座面12cに対して硬化層Sを形成することで、CVJナット座面12cの硬化層SとCVJナット94(図2(a))とが相互に当接する部分において、摩耗を有効に防止することができると同時に、表面摩擦力(摩擦抵抗)を効果的に大きくすることができる。これにより、軸受ユニットにおいて、CVJナット94(図2(a))の緩みを抑制することができ、結果として、当該軸受ユニットから異音が発生することを有効に防止することができる。
As described above, by forming the hardened layer S on the CVJ
2 静止輪
2s,2t,4s,4t 軌道面
4 回転輪
12 ハブ
12c CVJナット座面
16 内輪構成体
18a,18b 転動体(玉)
S 硬化層
2
S Hardened layer
Claims (4)
回転輪は、車輪駆動軸構成部材に外嵌された状態で、駆動軸の延出方向の一方側から締結部材により当該車輪駆動軸構成部材に対して固定されており、当該回転輪において、少なくとも当該締結部材が当接する部位には、近傍の部位よりもその硬度が大きくなるように設定された所定の硬化層が形成されていることを特徴とする軸受ユニット。 A stationary wheel fixed to the vehicle body constituting member, a rotating wheel fixed to the wheel constituting member and the wheel drive shaft constituting member and rotating therewith, and a raceway surface formed on each of the stationary wheel and the rotating wheel and facing each other A plurality of rolling elements incorporated so as to be capable of rolling in between,
The rotating wheel is fixed to the wheel drive shaft constituent member by a fastening member from one side in the extending direction of the drive shaft in a state of being externally fitted to the wheel drive shaft constituent member. A bearing unit, wherein a predetermined hardened layer set so as to have a higher hardness than a nearby portion is formed at a portion where the fastening member abuts.
The bearing unit according to claim 1, wherein the hardened layer has a hardness greater than that of the fastening member.
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JP2006176467A JP2008006859A (en) | 2006-06-27 | 2006-06-27 | Bearing unit |
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