JP2007537122A - ウルトラマリン顔料の合成方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、空気の非存在下、ゼオライトA、場合により硫化ナトリウムおよび/またはイオウ、場合により水酸化物イオン、並びに組成式Na2n(nは1よりも大きい数である)のポリスルフィドを含む混合物を焼成する工程を含み、焼成反応により生じた物を、空気の非存在下冷却して、合成ウルトラマリン顔料、ポリスルフィド、および場合によりイオウを含む粗生成物を得る、ウルトラマリン顔料の製造方法に関する。焼成反応に加わるNa2nポリスルフィドの少なくとも一部は、前記粗生成物中に過剰に存在する、ポリスルフィドおよび場合によりイオウをリサイクルしたものである。
【選択図】図1

Description

ウルトラマリン顔料は、イオウ種を含有するソーダライト構造のケイ酸アルミニウムナトリウムである。式Na6(Al6Si624)のソーダライトは、ソーダライトかご(切頭八面体)が並列して形成されている。NaX塩は、このコンパクトな構造に入り込むことができる。ウルトラマリン顔料の発色団は、ポリスルフィドラジカルのS3 -(青)およびS2 -(黄)である。これらの発色団は、ソーダライトかごに、NaS3およびNaS2塩の形態で入り込む。この顔料の色調は、これらの発色団の濃度と関連している。
ウルトラマリンブルー顔料は、半貴石ラピスラズリの合成品である。何世紀にもわたって、青色顔料は、この石から作られてきた。しかし、この極めて高品質な顔料は、非常に高価であり、それ故にその化学合成法が探求された。J.B.ギメ(Guimet)によってウルトラマリンブルー顔料の合成方法が発見されたのは、1828年になってからのことであった。
現在のウルトラマリンブルー顔料の合成方法は、ギメの発見した方法に基づいており、メタカオリン、炭酸ナトリウム、イオウ、および還元剤の混合物を加熱することからなる。これらの試薬は、所望の割合で混合され、次いで炉内で焼成される。温度サイクルは、いくつか工程、例えば、空気の非存在下800℃での加熱工程、次いでより低い温度での酸化工程から構成される。
当該方法は良質のウルトラマリンブルー顔料を生産するものであるが、いくつかの欠点を有している。例えば、
― 高温での合成とその期間により、当該方法はエネルギー面でコストがかかる;
― 空気の非存在下での加熱中および冷却中、多量のガス、すなわち二酸化硫黄および二酸化炭素が放出される;当地の環境保護基準に準拠すべく、SO2を処理する必要があり、これにより、製造コストが上昇する;
― 未処理の顔料先浄水は、残留ポリスルフィドおよびチオ硫酸ナトリウムが原因で、高いCOD(化学的酸素要求量)を有する。当地の環境保護基準に準拠すべく、この水を、排出前に処理する必要がある;
― 合成した青色顔料の品質は、様々なパラメータの関数として変化し、また、特に酸化中の温度サイクルの関数として変化する。
ウルトラマリンブルー顔料の合成法の発見後すぐに、ウルトラマリンブルーと同じ構造を有し、イオウ種をも含む、ピンクおよびグリーンの顔料が合成された。
ウルトラマリングリーンは、ウルトラマリンブルーの製造に用いられるのと同様の原料を、空気の非存在下焼成することによって合成された。その製造時、多量のポリスルフィドを含む未処理の顔料洗浄水の排出に関する問題に直面した。
本発明は、既存のウルトラマリン顔料の合成方法が提示する欠点を克服できるものである。本発明の目的は、一工程で実施でき、汚染ガスを放出せず、焼成により、ウルトラマリングリーンおよびブルー顔料を合成する方法を提案することにある。
第一の側面では、本発明は、ゼオライトA、硫化ナトリウムおよびイオウを含む混合物を、空気の非存在下で焼成するウルトラマリン顔料の合成方法に関し、
― ゼオライトAが、10%未満、好ましくは1%未満(重量%)の水分含有量まで予め乾燥されていること、および
―反応媒体が水を含まないこと
を特徴とする。
種々の実施態様において、当該合成方法は、以下の特徴を、必要により組み合わせて、有する。
― 反応混合物が、無水硫化ナトリウムを含む;
― 焼成温度が500℃〜1000℃である;
― 乾燥ゼオライトが、焼成まで水分を避けて保管される;
― 反応混合物が以下の特徴を有する場合、
○ 0.87〜1.74の範囲の重量比S/Na*(Na*はNa2SのNaである);
○ 以下の重量百分率
・Na2S/ゼオライト>9%;
・S/ゼオライト>1%;
当該混合物を出発物質として当該方法を実施すれば、この場合にはウルトラマリングリーン顔料が得られる;
― 反応混合物が以下の特徴を有する場合、
○ 1.74より大きい重量比S/Na*
○ 以下の重量百分率
・Na2S/ゼオライト>9%;
・S/ゼオライト>5.6%;
○ 水酸化物イオンを含有する場合、0%〜5%の、水酸化物イオン/ゼオライトの重量百分率;
当該混合物を出発物質として当該方法を実施すれば、この場合にはウルトラマリンブルー顔料が得られる;
― 焼成時間が、ウルトラマリングリーン顔料では少なくとも10時間、ウルトラマリンブルー顔料では少なくとも12時間である;
― 焼成反応が、気密容器中で、真空下または不活性ガス下で行われる。
第二の側面では、本発明は、空気の非存在下、ゼオライトA、場合により硫化ナトリウムおよび/またはイオウ、場合により水酸化物イオン、並びに組成式Na2n(nは1よりも大きい数である)のポリスルフィドを含む混合物を焼成する工程を含み、焼成反応により生成した物を、空気の非存在下で冷却して、合成ウルトラマリン顔料、ポリスルフィド、および場合によりイオウを含む粗生成物を得るウルトラマリン顔料の製造方法に関する。この場合、当該合成方法は、以下の特徴を、必要により組み合わせて、有する。
― 焼成反応に加わるNa2nポリスルフィドの少なくとも一部は、前記粗生成物中に過剰に存在する、ポリスルフィドおよび場合によりイオウをリサイクルしたものである、
― 前記リサイクルは、好ましくは空気の非存在下で行われる以下の工程を含む。
○ 前記粗生成物を非水系溶媒で洗浄することによる、粗生成物中に存在するポリスルフィドおよび場合によりイオウの溶解;
○ ポリスルフィドおよび場合によりイオウに加えられた前記溶媒中に懸濁する合成ウルトラマリン顔料の分離;
○ 結晶化したポリスルフィドおよび場合によりイオウが得られる前記溶媒の蒸発。
― 粗生成物中に存在するポリスルフィドを溶解可能な溶媒が、アセトン、アセトニトリル、アンモニア、二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、エタノール、メタノール、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドおよびプロパノールからなる群より選ばれる;
― 前記溶媒は、好ましくは、無水の状態で使用される;
― 蒸発した溶媒は、回収され、当該方法において、再利用される。
前記溶媒中に懸濁して存在するウルトラマリン顔料を、ろ過またはその他の適当な方法により分離する。このようにして分離した顔料は、同じ方法で同じ溶媒により洗浄するか、または微量の溶媒を除去するために乾燥する。
第三の側面では、本発明は、説明した合成方法の実施により得られたウルトラマリン顔料であって、200ppm以下の鉄含有量を示すウルトラマリン顔料に関する。
これより、本発明を詳細に説明する。
本発明の合成方法の種々の工程は、空気の非存在下に行われる。他に取り得る実施態様では、当該合成方法は、気密容器中、不活性雰囲気下で行われる。別の他に取り得る実施態様では、当該合成方法は、開放容器中、不活性ガスの連続した気流下で行われる。また一方、当該方法の全工程を、密閉容器中、真空下または乾燥空気下で行うことも可能である。合成方法の全体を通して空気が存在しない作業環境にすれば、過剰のイオウが大部分ポリスルフィドに転化し、二酸化硫黄の生成が大幅に減少する。
反応混合物は、試薬として、以下を含む:
i)予め乾燥された市販のゼオライトA。好ましくはゼオライト4Aが使用される。未乾燥のゼオライトAは、約22%(重量%)の水を含むため、乾燥工程は必須である。本出願人が気づいたことであって、本発明の効果の一つなのであるが、10%未満の水、好ましくは1%未満の水(重量%)を含む乾燥ゼオライトを、本ウルトラマリン顔料合成方法に使用すれば、著しいガスの放出がなく、濃い色の顔料を得ることができる。
ii)市販の無水の硫化ナトリウム。本出願人が気づいたことであって、本発明のもう一つの効果なのであるが、今までウルトラマリン顔料の合成に用いられてきた水和物の代わりに無水硫化ナトリウムを使用すれば、反応媒体が水を含まない状態に保たれることにより、濃い色の顔料が得られ、放出されるガスの量が減少するようになる。
ポイントiおよびiiに記載した効果の本質的な原因を究明してはいないが、その理由は、加熱中、ゼオライトAに含まれる残留水が、ポリスルフィドの一部を加水分解する場所である反応媒体中の構造体から去ると、入り込み可能な発色団の量が減ることにあると推定される。水はまた、かご中の発色団をも加水分解し得る。逆に、焼成中反応媒体に水が存在しないと、発色団S3 -およびS2 -のゼオライトAへの入り込みが助長され、その結果、より高品質の顔料が得られる方に向かう。また、焼成媒体中に水が存在しないと、酸素が存在しないのと組み合わさって、各種ガス(SO2,H2S)の生成が防止される。
iii)市販のイオウ。
iv)ポリスルフィド、または他に取り得る実施態様では、ポリスルフィドおよびイオウの混合物。これらの化合物は、少なくとも一部は、焼成反応物の冷却後に生成する粗生成物中に過剰に存在する、ポリスルフィドおよび場合により硫化ナトリウムの非水系溶媒への溶解、次いで懸濁液中の顔料の除去工程、および前記溶媒の蒸発により得られるものである。得られる固体ポリスルフィド(室温で固体状態で存在し、最小限に還元された最高度数のポリスルフィドはNa25である;より高い化学量論の場合は、溶媒の蒸発の後、ポリスルフィドとイオウの混合物が得られる。)の性質を決定した後、それらは、新たな合成のために、ゼオライト並びに、場合により硫化ナトリウムおよび/またはイオウと混合される。
v)水酸化物イオン。ウルトラマリンブルー顔料の合成の場合には、水酸化物塩(例:NaOH、LiOH、KOH、Ca(OH)2、Mg(OH)2)の形態での水酸化物イオンの添加により、焼成時間を短縮するまたは焼成温度を低下させることができる。しかし、水酸化物イオンが多くなればなるほど、顔料の品質は低下する。使用される焼成混合物中の水酸化物イオン/ゼオライトの重量百分率は、0%〜5%である。例として、水酸化物イオン非存在下の700℃での混合物の焼成工程には、72時間より長い時間がかかるが、一方、同じ条件で焼成を行う前に、NaOHを前記混合物に添加すれば、焼成時間は24時間未満に短縮される。
当該合成方法によれば、一つの工程(焼成工程)で、良質のウルトラマリン顔料を得ることができる。
焼成の前に、ゼオライトAを真空条件下で乾燥し、10%未満、好ましくは1%未満の水の重量含有量を確保する。例えば、350℃よりも高温で12時間より長い時間、真空下(10-3トール(0.133Pa)未満の圧力)で乾燥すると、低水分含有量のゼオライトが得られる。
他の条件、例えば、空気下、より程度の低い真空下、または不活性ガス下での乾燥、およびゼオライトの水分含有量を10%未満に低減可能な他のいかなる乾燥手段の使用、もまた適する。
いったん乾燥した後は、ゼオライトは、水分を避けて保管する。
焼成混合物の組成の一部である試薬、すなわちゼオライト、硫化ナトリウムおよびイオウ(場合により水酸化物)を、空気の非存在下で混合する。必要により、試薬は、混合と同時に粉砕してもよい。
試薬の比は、得たい顔料がブルーであるかグリーンであるかに依存する。重量比S/Na*(Na*はNa2SのNaである)が0.87〜1.74、および重量百分率で、Na2S/ゼオライト>9%、S/ゼオライト>1%であれば、グリーンの顔料が得られる。重量比S/Na*が1.74より大きく、重量百分率でNa2S/ゼオライト>9%、S/ゼオライト>5.6%であれば、ブルーの顔料が得られる。比S/Na*が高いと、得られる顔料の品質は良いが、過剰のポリスルフィドの割合が増加する。
必要に応じ、試薬の混合物を、空気の非存在下で成形してもよい。
焼成工程は、空気の非存在下、容器中高温で、成形したまたはしていない前記混合物を加熱することからなる。焼成温度は、ウルトラマリンブルーおよびグリーン顔料を得るためには、500℃〜1000℃の間で変わる。例えば、水分含有量1%未満のゼオライトを用いて、ブルー顔料を得るためには、850℃で約12時間が必要であり、750℃で約48時間が必要であり、700℃で72時間〜96時間が必要である。グリーン顔料を得るためには、750℃で約10時間が必要であり、650℃で20時間〜30時間が必要である。温度が低いほど、時間は長くなる。
焼成終了時に得られた生成物を、空気の非存在下で冷却または放冷する。冷却後に得られる生成物が、粗生成物と称するものであり、グリーンまたはブルーの顔料、並びに過剰のポリスルフィドおよび場合によりイオウを含んでいる。
他に取り得る実施態様では、本合成方法において、焼成反応における試薬として、ゼオライトに加え、場合により硫化ナトリウムおよび/またはイオウ、場合により水酸化物イオン、並びに、少なくとも一部は、前記粗生成物中に過剰に存在する、ポリスルフィドおよび場合によりイオウをリサイクルして得られる、ポリスルフィドおよび場合によりイオウを用いてウルトラマリン顔料を得ることができる。
粗生成物中に存在するポリスルフィドおよび場合によりイオウのリサイクルは、図1に図示するように、以下の工程を含む。
― 空気の非存在下で非水系溶媒で洗浄することによる、前記ポリスルフィドおよび場合によりイオウの溶解。溶媒は、(懸濁液中に残存する)顔料の比色特性に害のないものでなければならず、また、溶媒と反応(溶媒和または酸化)することなく、(ソーダライトかごに入り込まなかった)過剰のポリスルフィドおよびイオウを溶解できるものでなければならない。全てのポリスルフィドおよびイオウを溶解させるには、数回の洗浄が必要な場合がある。非水系溶媒は、アセトン、アセトニトリル、アンモニア、二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、エタノール、メタノール、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドおよびプロパノールからなる群より選ばれる。無水溶媒を用い、洗浄中攪拌することが好ましい。
― ポリスルフィドおよびイオウに加えられた前記非水系溶媒中に懸濁して存在する取り込まれた顔料の分離。当該分離は、ろ過またはその他の適当な手法により行うことができる。好ましくは、空気の非存在下で行うべきである。
― 乾燥した、残留溶媒のない形態で結晶化したポリスルフィドおよび場合によりイオウが得られる前記溶媒の蒸発。選択する溶媒は、ポリスルフィドを酸化することなく、また溶媒和物を形成することなく、蒸発可能なものでなければならない。試薬量の調整のために前記残留物の平均還元度を決定した後、ポリスルフィドおよび場合によりイオウは、新たな合成のために、ゼオライト、場合により硫化ナトリウムおよび/またはイオウ、並びに場合により水酸化物と混合される。また、蒸発後回収した溶媒は、リサイクルして再利用される。
これとは別に、溶媒で湿った顔料を、必要に応じ同じ溶媒で再洗浄するか、または微量の溶媒を除くために直接乾燥する。
以下、実施態様の例により、ウルトラマリン顔料の合成方法をより詳細に説明するが、当該実施態様の例に制限されるものではない。
実施例1
ゼオライト4A50.6gを空気中、500℃で48時間加熱する。水分を保持していない乾燥ゼオライト40gを得る。乾燥ゼオライトA40g、無水Na2S11g、およびイオウ4.5gを空気の非存在下、混合する。この混合物を、アルゴンを充填した気密容器中、750℃で48時間加熱する。冷却後、得られる粗成生物をエタノールで洗浄する。洗浄した生成物は、濃いグリーンである。
実施例2
乾燥ゼオライトA50g、無水Na2S13.75g、およびイオウ28gを空気の非存在下、混合粉砕する。この混合物を、アルゴンを充填した気密容器中、750℃で48時間加熱する。冷却後、得られる粗成生物を水で洗浄する。洗浄した生成物は、濃い、グリーンがかったブルーである。
実施例3
乾燥ゼオライトA28g、無水Na2S7.7g、およびイオウ22.12gを空気の非存在下、混合粉砕する。この混合物を、窒素下の気密容器中、750℃で48時間加熱し、放冷する。粗成生物を水で洗浄した後、濃い、赤味がかったブルー顔料を得る。
実施例4
実施例2および3で得られた顔料のそれぞれについて、TiO22g、顔料0.4gおよび亜麻仁油0.7gを混ぜ合わせる。こうして得られる絵の具を、厚み無限大とみなすフィルム状の支持体上に広げ、CIELAB1976表色系に従い、比色パラメータを決定する。
Figure 2007537122
実施例5
実施例2と同じ操作を行い、粗生成物を、1kg/Lの割合の水で洗浄する。洗浄水のCODを測定する。346,700mg/LのO2が得られる。
実施例6
実施例2と同じ操作を行い、粗生成物をエタノールで3回洗浄する(エタノールの体積は、顔料に対し4L/kgよりも多い)。顔料は、真空下100℃で乾燥する。最後に水洗を1kg/Lの割合で行い、洗浄水のCODを測定する。1,990mg/LのO2が得られる。
実施例7
乾燥ゼオライトA50g、無水Na2S13.75g、イオウ28gおよびNaOH1.5gを空気の非存在下、混合粉砕する。この混合物を、真空下の気密容器中、600℃で96時間加熱する。冷却および水洗後、顔料は濃いブルーである。
第三の側面では、本発明は、説明した合成方法の実施により得られ、200ppm以下の鉄含有量を示すウルトラマリン顔料に関する。
公知のウルトラマリン顔料は、合成に用いられる原料の鉄含有量が比較的高いため、1000ppm近い鉄含有量であることが特徴である。
本発明のウルトラマリン顔料の合成方法は、以下に示す多くの利点を有する。
― 工業用顔料に匹敵する色調および着色力を有するウルトラマリンブルーおよびグリーン顔料を得ることができる。
― 試薬の比率を変化させるだけでグリーンまたはブルーの顔料を合成することができる。
― 原料を再利用でき、またそれをウルトラマリン顔料の合成に使用することができる。
― ガスまたは液体の形態で汚染物質を排出することなしにウルトラマリン顔料を製造することができる。
― 真空下、乾燥空気下または不活性雰囲気下で、一工程でウルトラマリンブルー顔料を合成することができる。

Claims (18)

  1. 空気の非存在下、ゼオライトA、硫化ナトリウム、およびイオウを含む混合物を焼成する、ウルトラマリン顔料の合成方法であって、
    ― ゼオライトAが、10%未満、好ましくは1%未満(重量%)の水分含有量まで予め乾燥されており、
    ― 反応媒体が水を含まない
    ことを特徴とするウルトラマリン顔料の合成方法。
  2. 前記混合物が、ゼオライトA、場合により硫化ナトリウムおよび/またはイオウ、並びに組成式Na2n(nは1よりも大きい数である)のポリ硫化ナトリウムを含み、
    焼成反応により生じた物を、空気の非存在下冷却または放冷して、合成ウルトラマリン顔料、ポリスルフィド、および場合によりイオウを含む粗生成物を得るものであり、
    焼成反応に加わるNa2nポリスルフィドの少なくとも一部は、前記粗生成物中に過剰に存在する、ポリスルフィドおよび場合によりイオウをリサイクルしたものである、請求項1に記載の方法。
  3. 反応混合物が、無水硫化ナトリウムを含む、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
  4. 焼成温度が500℃〜1000℃である、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 乾燥ゼオライトが、焼成まで水分を避けて保管される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. 反応混合物が以下の特徴を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
    ― 0.87〜1.74の範囲の重量比S/Na*(Na*はNa2SのNaである);
    ― 以下の重量百分率:
    ○ Na2S/ゼオライト>9%;
    ○ S/ゼオライト>1%。
  7. 焼成時間が、少なくとも10時間である請求項6に記載の方法。
  8. 請求項6または7のいずれかに記載の方法により得られたウルトラマリングリーン顔料。
  9. 反応混合物が以下の特徴を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
    ― 1.74より大きい重量比S/Na*
    ― 以下の重量百分率:
    ○ Na2S/ゼオライト>9%;
    ○ S/ゼオライト>5.6%。
  10. 焼成時間が少なくとも12時間である請求項9に記載の方法。
  11. 反応混合物が水酸化物イオンを含み、水酸化物イオン/ゼオライトの重量百分率が0%〜5%である請求項1〜5、9および10のいずれかに記載の方法。
  12. 請求項9〜11の方法により得られたウルトラマリンブルー顔料。
  13. 焼成反応が、真空下、不活性ガス下もしくは乾燥空気下の気密容器中で、または不活性ガスの連続した気流下の開放容器中で行われる請求項1〜7および9〜11のいずれかに記載の方法。
  14. 前記粗生成物中に存在する、ポリスルフィドおよび場合によりイオウのリサイクルが、好ましくは空気の非存在下で行われる以下の工程を含み、請求項2〜7、9〜11および13のいずれかに記載の方法。
    ― 前記粗生成物を非水系溶媒で洗浄することによる、粗生成物中に存在するポリスルフィドの溶解;
    ― ポリスルフィドに加えられた前記溶媒中に懸濁する合成ウルトラマリン顔料の分離;
    ― ポリスルフィドおよびイオウの混合物が固体で得られる前記溶媒の蒸発。
  15. 粗生成物中に存在するポリスルフィドを溶解可能な溶媒が、アセトン、アセトニトリル、アンモニア、二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、エタノール、メタノール、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドおよびプロパノールからなる群より選ばれる請求項14に記載の方法。
  16. 前記溶媒が無水の状態で使用される請求項15に記載の方法。
  17. 蒸発した溶媒が、回収され、当該方法において再利用される請求項14〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 請求項8もしくは12のいずれかに記載の、または請求項1〜7、9〜11および13〜17のいずれかの方法の実施により得られたウルトラマリン顔料であって、200ppm以下の鉄含有量を示すウルトラマリン顔料。
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