JP2007534473A - コアセルベーションによるオイルのカプセル化 - Google Patents

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フリードマン,トーマス・イー
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J13/00Colloid chemistry, e.g. the production of colloidal materials or their solutions, not otherwise provided for; Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/02Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/06Making microcapsules or microballoons by phase separation
    • B01J13/10Complex coacervation, i.e. interaction of oppositely charged particles

Abstract

本発明は、コアセルベーションによる水不溶性オイルのカプセル化およびその後のマイクロカプセル化形態でのこれらオイルの酸化分解の減少を記載する。本発明の方法に有用な水不溶性オイルには、PUFAのような食用油、フレーバーオイル、ならびに農業的におよび薬学的に活性なオイルが含まれる。

Description

本発明はコアセルベーションによるオイルのマイクロカプセル化の分野にある。
コアセルベーションは、多くのタイプの活性成分のカプセル化に幅広い適用範囲を提供する。これらの活性成分には、例えば、PUFA(ポリ不飽和脂肪酸)油、他の食品成分(フレーバーオイル、ビタミンおよび他の疎水性成分)、農薬活性成分ならびにヘルスケア製品用の成分が含まれ得る。コアセルベート・シェルのバリア性の良好な理解および該シェルの熱的および機械的安定性の制御は、とりわけ、制御放出、味マスキングおよびカプセル化オイルの化学的劣化を防ぐ能力をはじめとする、様々な特定用途をこの技術に提供することができる。食品およびフレーバー・カテゴリー中の多くのオイルは、強いフレーバーおよび酸化に対する不安定性のような特性を有し、従って、それらを口当たりよくするためにおよび酸化分解の減少を与えるためにこれらのオイルをコア−シェル材料でカプセル化することはしばしば必要である。これを行うために用いることができる一技法は複合コアセルベーションである[ビー.ケー.グリーン(B.K.Green)、エル.シュライヒャー(L.Schleicher)、特許文献1、1957年]。これは、多数の商業用途で以前から用いられてきた確立された技法である[非特許文献1および非特許文献2]。本発明は、コアセルベーションによるオイルのマイクロカプセル化のための、製品だけでなく、改善された方法、ならびにコーティング性能を定量化するためのキャラクタリゼーション技法を提供する。
米国特許第2,800,457号明細書 ティー.ジー.ルント(T.G.Lunt)著、レザーヘッド食品RA研究報告(Leatherhead Food RA Research Reports)、No.181、1972年 アール.ディー.ハーディング(R.D.Harding)著、レザーヘッド食品RA研究報告、No.194、1973年
本発明は、水不溶性オイルのマイクロカプセル化方法であって、
(a)デンプンの存在下に該水不溶性オイルおよび複合多糖を含んでなる微細なエマルジョンを形成せしめる工程、
(b)工程(a)のエマルジョンに約40℃〜約50℃の温度でタンパク質を添加する工程、
(c)工程(b)の組成物のpHを該タンパク質の等電点未満のpHに調整する工程、
(d)工程(c)の組成物を、該組成物を40℃未満の温度に冷却することによって高密度化する工程、および
(e)工程(d)の組成物のpHを約pH10未満に調整する工程
を含んでなる方法を記載する。
本発明は、
(f)架橋剤を工程(e)の組成物に添加する工程、
(g)マイクロカプセル化組成物を濃縮する工程、および
(h)工程(g)の組成物を噴霧乾燥して乾燥したマイクロカプセル化オイル粒子を製造する工程
の追加の、任意の工程を含んでなる方法をさらに記載する。
本発明はさらに、記載される方法によって製造される製品、ならびにそれらの製品の組成物にも関する。
コアセルベーション法は一般に、多糖および可溶性タンパク質によって安定化される、水中油型エマルジョンの形成を伴う。これらの分子は、静電気的相互作用によって絡み合わせられて分散オイル小滴の周りにコア−シェル材料を形成する。以前の研究では、初期の水中油型エマルジョンは可溶性タンパク質(例えば、ゼラチン)によって安定化された[ダブリュ.エム.マックカーナン(W.M.McKernan)著、Flavour Industry、第4巻(2)、70−74頁、1973年]。分散系に多糖(例えば、アラビアゴム)を添加し、引き続きpHをタンパク質の等電点未満に下げると、分子間の強い静電気的相互作用を起こした。生じたシェルは冷却によって硬化し、架橋剤(例えばグルタルアルデヒド)の添加によってさらに安定化した。
しかしながら、オイル・カプセル化へのこの古典的コアセルベーション法の適用は、ゼラチンの存在下での不満足なエマルジョン安定性のために満足できないものであった。例えば、40℃で回転子−固定子ホモジナイザーを用いることによって形成された水中油型エマルジョンは、可溶性タンパク質(ゼラチン)よりも多糖(アラビアゴム)の存在下に安定であることが分かり、ワキシーコーンスターチ(高アミロペクチン含有率)の添加によってさらに安定化された。デンプンは安定化剤として一般に使用され、またコーティングの酸素バリア性にも貢献する[アール.ブッフォ(R.Buffo)、ジー.ライネクシウス(G.Reineccius)著、Perfumer & Flavorist、25(3)、37−51頁、2000年]。コアセルベーションは、ゼラチン溶液を40℃でエマルジョンに添加することによって進行する。ゼラチン、アラビアゴム、デンプンおよびPUFA油を含有する分散系の自然pHはおおよそ5.5である。pHが1.0Mのクエン酸を用いて4に下げられた時、ゼラチン分子上の電荷は負から正に変化し、それは、図1に示されるように、負に帯電したアラビアゴムとの相互作用を起こした。
生じたシェルは、5℃に45分間冷却することによって硬化させることができ、(1.0MのNaOH添加の後)pH9での、架橋反応でゼラチン分子上のアミノサイトに結合する、グルタルアルデヒドの添加によってさらに安定化させることができる。生じたコアセルベートは、2〜40μm(回転子−固定子の速度および成分の濃度に依存して)の直径の球状小滴を含有し、小滴は図2に示されるように研究された時間枠(少なくとも3ヶ月)内に合体しなかった。
文献は、シェルが一様な厚さのものではないが、コアセルベート・カプセルが連続シェルを有することを示唆している[ピー.ヴィルストラップ(P.Vilstrup)編、「食品成分のマイクロカプセル化(Microencapsulation of Food Ingredients)」、レザーヘッド、サリー州(Leatherhead,Surrey)、2001年]。パエツニック(Paetznick)[制御放出協会第30年会全体会議(Controlled Release Society 30th Annual General Meeting)、スコットランド、グラスゴー(Glasgow,Scotland)、2003年でのディー.ジェー.パエツニック(D.J.Paetznick)、ジー.エイ.ライネクシウス(G.A.Reineccius)、ティー.エル.ペッパード(T.L.Peppard)]は、商業的に入手可能であるほとんどのコアセルベートがラグビー(Rugby)−ボール形状モルホロジーを示すと報告している。この特定のモルホロジーは、活性物質の部分は薄層で保護されているにすぎないが、より大量のカプセル物質はラグビー・ボール形状粒子の先端に濃縮されているので、コーティング材料を効率的に利用していない。本発明のコアセルベートは球形状を示し、カプセル物質のより良好な利用を提供する。コアセルベーション・プロセス中の混合および分散状態は、最終カプセル形状に影響を及ぼすと考えられる。図2を参照されたい。
必要ならば、最終コアセルベートは、過剰の水を除去するために噴霧乾燥され、約25〜100μmの直径の粒子をもたらすことができる(図3)。
本発明では、コア−シェル材料の完全性は、表面オイル測定を用いてさらに特性化される。本実験では、コアセルベートは、いかなる非カプセル化または不満足カプセル化PUFA油も可溶化するために、ヘキサンと共に十分に撹拌された。ヘキサンは次に、いかなる残留PUFAも検出できないように分離され、蒸発乾固される。大部分のケースで、コアセルベート中の全オイルの1%未満が表面オイルであることが分かった。このように、マイクロカプセル化法は非常に効率的であることが分かる。
コア−シェル材料の主要な一目的は、PUFA油小滴を酸化から保護することである。酸化は、その多くがプロパナールをはじめとする、異味および臭いを有する様々な分解生成物の形成につながる。この態様の試験は、連続撹拌下に高い温度および圧力での作業を可能にする、シー.−ピー.チャイ・カオ(C.−P.Chai Kao)、エム.イー.パウライティス(M.E.Paulaitis)、エイ.ヨコゼキ(A.Yokozeki)著、流体相平衡(Fluid Phase Equilibria)、127、191(1997年)に示されているような、VLEセル中で実施することができる。酸素の消費は、我々が実験の間中水相のGC分析によるプロパナール生成と直接相関することを示した(図5)、圧力低下を時間の関数として記録することによって測定することができる(図4)。コーティングされていないドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−安定化PUFAエマルジョンは6℃で6時間強で完全に分解することが分かった(図4)。対照的に、コアセルベートは同じ温度で2日後に分解し始める。同一のコアセルベート形成について、分解の速度は、70℃まで、そして再び80℃まで1℃だけ温度を上げることによってほぼ2倍になる。しかしながら、80℃でさえ、コアセルベートは60℃でのSDSエマルジョンより安定である。
図5で圧力低下は、SDS安定化PUFAエマルジョンについてプロパナール濃度の関数としてプロットされている。線形相関は、PUFA分解が酸素消費に直接比例することを裏付ける。
コーティング層を横切る分子のフラックスは、時間の関数として小滴の表面積当たり消費される酸素のモルをプロットすることによって測定することができる(図6)。表面積は、ハイドロ(Hydro)2000S提示装置付きマルベルン・マスターサイザー(Malvern Mastersizer)2000で測定された粒度分布から計算された。これらの線の勾配は、コーティングの品質の直接的な指標を与える。
低濃度の調合成分のコアセルベート(曲線D)は、コーティングの厚さが酸化を防ぐのに十分なほど高くないことを示唆する急勾配を示す。成分の濃度が増えた時(曲線A)、勾配は横ばい状態になり、コーティング厚さが酸化安定性において決定的に重要な因子であることを裏付ける。曲線Eは、SDS界面活性剤安定化エマルジョンを横切るフラックスを示す。これは、酸化に対する最低限のバリアを提供するので、小滴中へおよび小滴から外への高いフラックスがある。
シングル噴霧乾燥された粒子周りのコーティングの完全性は、図7に示されるように、粒子に加えられる荷重の関数として変位を測定する島津微小圧縮装置(MCTM−500、500μm先端付き)を用いて試験された。各圧縮実験の終わりに、粒子は破裂し、崩壊したシェルを遊離オイルの周りに見ることができる。
本明細書で用いるところでは、用語「エマルジョン」は、第2不混和性液体中の一液体の安定な分散系を意味する。
本明細書で用いるところでは、用語「乳化」は、一液体を第2不混和性液体中に分散させるプロセスを意味する。一般に、微細流動化装置、高圧ホモジナイザー、コロイド・ミル、回転子−固定子システム、微孔性膜、超音波装置、およびインペラー羽根を含むがそれらに限定されない様々な分散装置から発生させることができる剪断がエマルジョン小滴の形成のために必要とされる。
本明細書で用いるところでは、「水溶解度」は、平衡温度および圧力で溶解させることができる水1リットル当たりの溶質のモル数を意味する。
本明細書で用いるところでは、「水不溶性オイル」は、一般に水中約4重量パーセント未満の溶解度を有する当該オイルである。かかるオイルの非限定的な例には、キャリアオイル中の活性成分の液体としてかそれとも溶液としてかのいずれにしても、海産油(鯨油、アザラシ油、魚油、海藻油);植物起源の油(オリーブ油またはパーム油のような果肉油;ヒマワリ、大豆、綿実、菜種、ピーナツ、およびアマニ油のような種油);微生物起源の油;ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)油;フレーバーオイル(柑橘類、ベリー類、アルデヒド、アセテートなどを含む香味料;(R)−(+)−リモネン);医薬品(栄養補助食品を含む)および作物保護化学薬品(例えば、殺虫剤、除草剤および殺菌剤)が挙げられる。
本明細書で用いるところでは、「デンプン」は、貯蔵炭水化物として植物器官に広く分布した複合炭水化物を意味する。デンプンの典型的な原料は、トウモロコシ、ワキシーコーン、ジャガイモ、キャッサバ、小麦、米およびもち米である。デンプンは典型的には2つのグルカン(アミロースおよびアミロペクチン)の混合物であり、その特性は、変性デンプンを生み出すための物理的および化学的方法によって調整することができる。デンプンは、水中油型エマルジョンを安定化させるために、多糖と共に水溶液として使用された時に本発明で用途を見いだす。
本明細書で用いるところでは、「多糖」は、グリコシド結合によって互いに結合した単糖類を意味する。これらは、水中油型エマルジョンを安定化させるためにデンプンと共に使用される。本発明で有用な多糖の非限定的な例には、アラビアゴム、カラギーナン、キサンタンガム、ペクチン、セルロース、セルロース誘導体、寒天、アルギネート、ファーセルラン、ガティガム、トラガカントゴム、グアーガム(guaran gum)、ローカストビーンガム、タマリンド粉およびアラビノガラクタンが挙げられる。
本明細書で用いるところでは、「タンパク質」は、ペプチド結合によって連結されたアミノ酸残基よりなり、炭素、水素、窒素、酸素、通常硫黄、および場合により他の元素(リンまたは鉄のような)を含有し、そして多くの不可欠な生物学的化合物(酵素、ホルモン、または免疫グロブリンのような)を含む、多数の天然起源の複合物質の任意のものを意味する。本発明では、それらは一般に水溶液として水中油型エマルジョンに添加される。非限定的な例には、ゼラチン、β−ラクトグロブリン、大豆およびカゼインが挙げられる。
本明細書で用いるところでは、「マイクロカプセル化」は、粒子から、または粒子中への分子の拡散を制御するという目的のための物質の粒子周りのシェルの形成を意味する。シェル厚さは必ずしも一様ではない。本発明では、シェルはカプセル化されたオイルを酸素分解から保護するために使用されてもよい。それはまた、フレーバーまたは作物保護活性成分の粒子からの放出を制御するために使用されてもよい。一般に、本発明のマイクロカプセル化粒子は、乳化中の剪断に依存して、直径が1〜100μmである。一般に、より高い剪断はより小さい粒子を提供する。
本明細書で用いるところでは、「架橋剤」は場合により用いられる。架橋剤は、アルデヒド部分のカルボキシル基とタンパク質部分のアミン基との間に結合を形成することによってシェル材料中のタンパク質分子を架橋するために使用される。多くの異なる架橋剤を使用することができようが、本発明に特に有用なものは、低濃度で特定食品用途での使用についてFDA認可されている、グルタルアルデヒドである(21CFR172.230を参照されたい)。
噴霧乾燥が場合により本発明で用いられる。これは、液体原料の小滴のスプレーへの噴霧および小滴を乾燥室中で熱風と接触させることを伴う。スプレーは一般に、回転(ホイール)噴霧器かノズル噴霧器かのどちらかで生み出される。小滴からの水分の蒸発および乾燥粒子の形成は、制御された温度および空気流条件下に進行する。ミルク粉末、インスタントコーヒー、大豆タンパク、ゼラチン、フレーバーおよびビタミンのような食品工業での多くの成分が噴霧乾燥される。乾燥の他の方法には、気流乾燥、真空凍結乾燥が含まれる。
下の実施例で、すべての化学薬品および試剤は、特に明記しない限り、アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WI)から受領したままの状態で使用された。
米国フレーバース、ニュージャージー州デイトン(USA Flavors,Dayton,NJ)からの「イチゴジャムのような」フレーバー(酢酸を含んでなるフレーバー化合物、003A422)。
米国フレーバース、ニュージャージー州デイトンからの「柑橘類」フレーバー(D−リモネン、酢酸メチルおよびプロピオンアルデヒドを含んでなるフレーバー化合物、48364)。
PUFA−RoPUFA「30」n−3食用油、ロッシュ(Roche)
ゼラチン−ポリプロ(Polypro)5000、米国リーナー−デイビス(Liener−Davis USA)。
アラビアゴム−TICプレテスティッド(Pretested)(登録商標)前水和アラビアゴム噴霧乾燥FCC粉末(Pre−hydrated Gum Arabic Spray Dry FCC Powder)、TICゴム、メリーランド州ベルキャンプ(TICGums,Belcamp,MD)。
デンプン−ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社、ニュージャージー州ブリッジウォーター(National Starch & Chemical Co.,Bridgewater,NJ)。
グルタルアルデヒド−イーエム・サイエンス(EM Science)、水中25%、ニュージャージー州ギブスタウン(Gibbstown,NJ)。
実施例1
1〜100μmの範囲の平均直径のマイクロカプセルを、ゼラチン、アラビアゴム、デンプンおよび架橋剤を含有する調合物から製造した。
(A)水溶液の調製
2〜10重量%アラビアゴムおよび2〜10重量%デンプンを含有する蒸留水中の溶液を、40℃で15分間の磁気撹拌によって調製した。蒸留水中の10〜20重量%ゼラチンの別個の溶液もまた40℃で調製した。
(B)乳化
45gのアラビアゴム/デンプン溶液を次に、6500〜13500rpmで5分間の機械撹拌によって5gのポリ不飽和脂肪酸(PUFA)油と共に乳化させた(ウルトラ−ツラックスT25ベーシック(Ultra−Turrax T25 Basic)−イカ・ヴェルケ(IKA Werke))。
(C)コアセルベーション
50gのゼラチン溶液を次に磁気撹拌されたエマルジョンに加え、1Mのクエン酸溶液を用いてpHを4に下げた。この分散系を次に、連続磁気撹拌しながら30分間水/氷浴中で5℃に冷却した。
(D)架橋
サンプルを氷浴から取り出し、1MのNaOH溶液を用いてpHを9に上げた。5mlの架橋剤を次に、連続磁気撹拌しながら、4〜8重量%水溶液として加えた。
(E)遠心分離
マイクロカプセル化粒子を次に、遠心分離機中2000Gで5分間濃縮し、濃縮したクリームを次に、上澄み除去によって、分離した水相から分離した。クリームは、1%未満の非カプセル化オイルがある状態で、35〜55%のカプセル化オイル含有率を有した。
マイクロカプセルの酸化バリア性能を、高い温度(70℃)および圧力(100psia)で酸素の消費およびプロパナールの発生を測ることによって測定した。酸素の消費はプロパナールの発生に正比例することが示された。カプセル化シェルを通る酸素のフラックスは、図6に示すように、時間の関数として小滴の表面積当たりの消費酸素のモルをプロットすることによって測定した。
実施例2
1〜100μmの範囲の平均直径のマイクロカプセルを、ゼラチン、アラビアゴム、デンプンおよび架橋剤を含有する調合物から製造した。
実施例1に記載したプロトコルを、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)油を(R)−(+)−リモネン、フレーバーオイルで置き換えて繰り返した。これは、フリーの非カプセル化オイルなしで、球形小滴を含有するクリーム状黄色の分散系を与えた。カプセル化小滴のサイズは少なくとも1週間は一定のままであった。
実施例3
1〜100μmの範囲の平均直径のマイクロカプセルを、ゼラチン、アラビアゴム、デンプンおよび架橋剤を含有する調合物から製造した。
実施例1に記載したプロトコルを、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)油を農業活性成分、例えばメチル化種油に溶解された、殺虫剤であるIN−KN128(商業的に入手可能なインドキサカルブ(Indoxacarb))で置き換えて繰り返した。これは、非カプセル化オイルなしで、球形小滴を含有する不透明な分散系を与えた。再び、滴サイズは少なくとも1週間は一定のままであった。
実施例4
実施例1のプロトコルを繰り返して、β−ラクトグロブリン(ゼラチンの代わりに)、アラビアゴムおよびデンプンを含有する調合物から製造された、1〜100μmの範囲の平均直径のPUFA油マイクロカプセルを形成する。架橋剤はこの調合物には全く使用しなかった。粒子を取り囲む連続水相を、コアセルベートをオーブン中60℃で4日間貯蔵した後にプロパナールについて分析した。プロパナールは全く検出されなかった。ゼラチン・コアセルベートもまた、同じ条件下でプロパナールの検出可能な発生を防いだ。プロパナールはPUFA油分解の認められた生成物である。
実施例5
実施例1のプロトコルを繰り返して、セルロース(アラビアゴムの代わりに)、デンプンおよびゼラチンを含有する調合物から製造された、1〜100μmの範囲の平均直径のPUFA油マイクロカプセルを形成した。最小限の表面オイルが検出され(<0.25%)、小滴は少なくとも1週間は安定であった。
実施例6および7
実施例1のプロトコルを繰り返して、5重量%フレーバーオイル(イチゴジャムのようなまたは柑橘類)、8重量%アラビアゴム、8重量%デンプンおよび20重量%ゼラチンを含有する調合物から製造された、1〜100μmの範囲の平均直径のフレーバーオイル・マイクロカプセルを形成した。架橋剤は全く使用しなかった。ホモジナイズ速度は9500rpmであった(ウルトラ−ツラックスT25ベーシック−イカ・ヴェルケ)。カプセルを2000Gでの遠心分離によって濃縮した後に単離し(ベックマン・コールター(Beckman Coulter)アレグラ(Allegra)(登録商標)21R)、噴霧乾燥した。
比較例A
PUFA水中油型エマルジョンを、水中8mMのSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を用いて安定化させた。SDSは(アクロス・ケミカル(Acros Chemical)、ニュージャージー州)から購入したアニオン界面活性剤である。油滴は、乳化の速度に依存して、直径が1〜100μmである。これらの滴はコアセルベート粒子と同等の表面積を有するが、酸化に対するバリアを提供しない。
本発明の粒子の正規化表面電荷に対するpHの影響を示すグラフである。 14.6μmの平均直径のコアセルベートの光学顕微鏡写真である。 図2(a)のコアセルベート粒子の粒度分布を示すグラフである。 ゼラチン入り噴霧乾燥されたコアセルベート粒子の光学顕微鏡写真である。 時間の関数として圧力低下に対するVLE(蒸気−液体平衡)セル中の温度の影響を示すグラフである。 プロパナール濃度の関数として圧力低下を示すグラフである。 時間の関数としてコアセルベート小滴の表面積当たり消費される酸素の濃度を示すグラフである。 規定直径の噴霧乾燥されたコアセルベート粒子についてマイクロ圧縮データを示すグラフである。

Claims (17)

  1. (a)デンプンの存在下に水不溶性オイルおよび複合多糖を含んでなる微細なエマルジョンを形成せしめる工程、
    (b)工程(a)のエマルジョンにタンパク質を添加する工程、
    (c)工程(b)の組成物のpHを該タンパク質の等電点未満のpHに調整する工程、
    (d)工程(c)の組成物を高密度化する工程、および
    (e)工程(d)の組成物のpHを約pH10未満に調整する工程
    を含んでなる水不溶性オイルのマイクロカプセル化方法。
  2. 工程(b)でエマルジョンが約40℃〜約50℃の温度である請求項1に記載の方法。
  3. 工程(d)で高密度化を該組成物を約40℃未満の温度に冷却することによって行う請求項1に記載の方法。
  4. 架橋剤を工程(e)の組成物に添加する工程(f)をさらに含んでなる請求項1に記載の方法。
  5. 工程(e)または(f)のマイクロカプセル化組成物を濃縮する工程(g)をさらに含んでなる請求項4に記載の方法。
  6. 工程(e)、(f)または(g)の組成物を噴霧乾燥して乾燥したマイクロカプセル化オイル粒子を製造する工程(h)をさらに含んでなる請求項5に記載の方法。
  7. 工程(g)で組成物を遠心分離によって濃縮する請求項5に記載の方法。
  8. 水不溶性オイルが海産油、植物油、微生物油、ポリ不飽和脂肪酸油(PUFA)、フレーバーオイル、農業的に活性な成分を含んでなるオイルおよび医薬品を含んでなるオイルよりなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  9. 多糖がアラビアゴム、カラギーナン、キサンタンガム、ペクチン、セルロース、セルロース誘導体、寒天、アルギネート、ファーセルラン、ガティガム、トラガカントゴム、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンド粉およびアラビノガラクタンよりなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  10. タンパク質がゼラチン、β−ラクトグロブリン、大豆およびカゼインよりなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  11. 水不溶性オイルがPUFAであり、多糖がアラビアゴムであり、タンパク質がゼラチンであり、そして架橋剤がグルタルアルデヒドである請求項4に記載の方法。
  12. 水不溶性オイルがPUFAであり、多糖がセルロースであり、タンパク質がゼラチンであり、そして架橋剤がグルタルアルデヒドである請求項4に記載の方法。
  13. 水不溶性オイルがPUFAであり、多糖がアラビアゴムであり、タンパク質がゼラチンであり、そして架橋剤が使用されない請求項4に記載の方法。
  14. 水不溶性オイルがフレーバーオイルであり、多糖がアラビアゴムであり、タンパク質がゼラチンであり、そして架橋剤がグルタルアルデヒドである請求項4に記載の方法。
  15. 水不溶性オイルが農業的に活性な成分であり、多糖がアラビアゴムであり、タンパク質がゼラチンであり、そして架橋剤がグルタルアルデヒドである請求項4に記載の方法。
  16. 水不溶性オイルが医薬品であり、多糖がアラビアゴムであり、タンパク質がゼラチンであり、そして架橋剤がグルタルアルデヒドである請求項4に記載の方法。
  17. 請求項1に記載の方法によって製造された製品。
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