JP2007534363A5 - - Google Patents

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Description

モニタリング方法およびモニタリング装置
(技術分野)
本発明は、患者をモニタリングするための方法および装置に関する。
(背景)
心不全は、西欧諸国の一般人口の1.5〜2%に影響を及ぼす慢性の進行性疾患である。心不全の有病率および罹患率は、老齢人口、および心筋梗塞を切り抜けて生き残る患者数の増加によって次第に増加している。
臨床上、心不全は、息切れおよび疲労の徴候によって特徴付けられ、多くの場合、頚静脈圧および浮腫の上昇によって示される体液貯留を伴う。心不全の進行は、4つの段階において定義される。心不全という用語は、これらのすべての段階を指す。
ステージA − 危険:心不全を発現する危険性が高い患者(冠状動脈性心疾患、糖尿病、高血圧および/または心臓弁膜症の患者)
ステージB − 心不全以前:構造的な心疾患はあるが、臨床的な心不全の徴候はない患者。その多くは、収縮機能が低下している
ステージC − 心不全:心臓収縮または心臓拡張機能不全によって以前または現在症候性心不全を罹患し、治療に反応する患者
ステージD − 進行した心不全:末期または難治性患者。
心不全を正確かつ正常に診断、管理および治療するための試験および手順の多くは、複雑で費用がかかり、病院またはその他の医療環境でのみ利用可能である。家庭、さもなければ医療環境外で心不全を管理するための患者に対する方法は、それほどうまくいかない。
(要旨)
心不全前または心不全の患者は、家庭または病院環境外で管理することができる。患者が心不全を管理するのを支援するため、患者の状態を検出またはモニタリングする手段を提供する。このデバイスは、たとえば、急性代償不全の発症、急性代償不全の発現、低酸素状態の発現、心筋虚血の発現、心筋アポートシスまたは梗塞の発現、利尿薬療法に対する反応、水分摂取に対する反応、ナトリウム摂取に対する反応、一次薬剤(たとえば、ACE阻害薬、β遮断薬、アルドステロンII受容体拮抗薬)に対する反応、および二次薬剤(たとえば、ヒドララジン/イゾルビドジニトラート)に対する反応を検出またはモニタリングすることができる。心不全前段階の患者は、高血圧の存在によって特徴付けられることが多い。高血圧は、心不全と同じ多くの症状を示し、心不全と同じ方法で治療されることが多い。したがって、この方法およびデバイスは、高血圧患者にも適用される。このデバイスは、心筋梗塞の危険性がある患者、たとえば最初の心筋梗塞を切り抜けて、将来、心筋梗塞の危険性がある患者にも有用である。
デバイスは、患者が、1つまたは複数のバイオマーカーの測定を頻繁に実行し、ペーパーチャートまたは電子ダイアリによって、徴候および症状に関する情報を収集し、必要な場合、バイオマーカーの測定値を徴候および症状(たとえば、息切れ、咳、浮腫、運動耐容能の低下、説明できない錯乱状態または精神状態の変化、体重増加、疲労、腹水および肝臓鬱血に関する腹部症状または徴候、血圧、心拍数、心拍数の変動、並びに酸素飽和度)などのその他のパラメーターを用いて算出することを可能にする。このデバイスによって測定されるバイオマーカーとしては、心筋伸展、心筋アポートシスもしくは損傷、心筋虚血、貧血、腎機能、電解質マーカー、およびナトリウム平衡マーカーが挙げられるが、これらだけに限らない。この試験は非常に単純で患者の家庭内で実行することができるため、日常的に測定値を得ることができ、さもなければ可能性があると思われる患者の状態の有害な変化を早期に知らせることができる。したがって、患者または医療従事者は、患者の病態生理学的状態および治療に対する反応に関するリアルタイムのデータを調査することができる。
一態様では、本発明は、哺乳類対象の病態生理学的状態および治療反応を決定するための手段であって、対象から取得したサンプル中で、以下のマーカーレベルを測定するための検出器を備える:
左心室容積過負荷または心筋伸展、腎機能、心筋アポートシスまたは障害、心筋虚血、電解質平衡、ナトリウム貯留または炎症。
この検出器は、測定パラメーターの結果を表示するためのデバイス、およびその他の測定値もしくは観察結果、または危険要因からのデータを手動または自動的に入力するための手段に結合することができる。その他の測定値、観察結果または危険要因としては、息切れ、咳、浮腫、運動耐容能の低下、説明できない錯乱状態または精神状態の変化、体重増加、疲労、腹水および肝臓鬱血に関する腹部症状または徴候、血圧、心拍数、心拍数の変動、酸素飽和度、年齢、性別、肥満度指数、排尿頻度および量、空咳、口渇、吐き気、疼痛、水分摂取、塩分摂取、薬の投与、運動、体重管理、並びに生活の質の評価が挙げられる。
別の態様では、本発明は、各々のパラメーター(たとえば、ベースラインレベルおよび単一または複数活動レベル)に関する予め設定されたかまたは予め決められた一連のレベル(決定点)を入力する手段を提供する。
マーカーのベースラインレベルは、患者が安定している時に割り当てられ得る。ベースラインレベルは、正常または目標レベルであり得る。その結果、ベースライン値に対する相対的変化は、患者の状態の改善または悪化を反映し、患者、または必要な場合は医療従事者の介入を可能にする。
マーカーの活動レベルは、ベースラインレベルから十分に分離し、患者の状態の変化を指示するレベルである。その結果、患者、および必要な場合、医療従事者に状態の変化が警告される。適切であれば、活動の望ましいコースは、ディスプレイまたは別の通信手段を介して中継することができる。活動レベルに対する相対的な変化は、患者の状態の改善、または悪化の進行を指示する。
測定パラメーターの絶対レベル、変化度、または変化の大きさは、以前に記憶された測定値または予め設定された活動レベルなどの予め決められたレベルと比較することができる。
測定の結果は、記憶することができる。測定値は、生データまたは解釈されたデータ、たとえば絶対的なバイオマーカーの濃度、予め設定された活動レベルに対するバイオマーカーレベル、バイオマーカーの変化度、バイオマーカーの変化の大きさ、または手動もしくは自動的に入力されるパラメーターを含むことができる。
測定もしくは解釈されたパラメーター、または手動もしくは自動的に入力された何らかのパラメーターの結果は、その他の何らかのパラメーターの結果と比較することができる。
このデバイスは、上記の結果のいずれかの所見を表示し、メモリに記憶することができる。
このデバイスは、記憶されたデータを医療従事者またはその他の介護者に中継することができる。
このデバイスは、使用者がその他の何らかのパラメーターを試験または評価するべき時を決定するように構成することができる。
このデバイスは、使用者が試験を実行し、薬物もしくはその他の何らかの診療行為を行ったか、またはその他の何らかのパラメーターを評価したかどうかを決定するように構成することができる。
このデバイスは、データを器具からアップロードするか、またはデータを器具にダウンロードすることができる。
一態様では、心臓の健康状態をモニタリングするためのデバイスは、患者から取得したサンプル中で、以下からなる群より選択されるバイオマーカーレベルを測定するように構成された検出器を備える:左心室容積過負荷または心筋伸展のマーカー、心筋アポートシスまたは損傷のマーカー、心筋虚血のマーカー、炎症のマーカー、貧血のマーカー、腎機能のマーカー、電解質平衡のマーカー、およびナトリウム貯留のマーカー。
このデバイスは、出力を患者に提供するように構成することができる。この検出器は、第2バイオマーカーレベルを測定するように構成することができる。第2バイオマーカーは、左心室容積過負荷または心筋伸展のマーカー、心筋アポートシスまたは損傷のマーカー、心筋虚血のマーカー、炎症のマーカー、貧血のマーカー、腎機能のマーカー、電解質平衡のマーカー、またはナトリウム貯留のマーカーである可能性がある。第1バイオマーカーが左心室容積過負荷または心筋伸展のマーカーであり、ナトリウム利尿ペプチドを含む場合、第2バイオマーカーは腎機能のマーカーである可能性がある。
左心室容積過負荷または心筋伸展のマーカーは、ナトリウム利尿ペプチドを含むことができる。心筋アポートシスまたは損傷のマーカーは、トロポニン、ウロテンシン、またはウロテンシン関連ペプチドを含むことができる。心筋虚血のマーカーは、虚血変性アルブミン、酸素ストレスペプチド(RP150)、遊離脂肪酸、ノーリン−1、ウロテンシン、またはウロテンシン関連ペプチドを含むことができる。炎症のマーカーは、E−セレクチン、P−セレクチン、細胞内接着分子−1、血管細胞接着分子−1、ノーリン−1、インターロイキン−1β、インターロイキン−6、インターロイキン−8、インターロイキン−10、腫瘍壊死因子−α、高感度CRP、好中球、または白血球数を含むことができる。貧血のマーカーは、ヘモグロビンまたはヘマトクリットを含むことができる。腎機能のマーカーは、クレアチニンまたはシスタチンCを含むことができる。電解質平衡のマーカーは、NaまたはKを含むことができる。ナトリウム貯留のマーカーは、ウログアニリンを含むことができる。
特定の状況では、第1バイオマーカーは、左心室容積過負荷または心筋伸展のマーカーである可能性があり、第2バイオマーカーは腎機能のマーカーである可能性がある。
このデバイスは、患者のバイタルサインを測定するためのプローブを含むことができる。プローブは、患者の体重、心拍数、心拍数の変動、呼吸数、血圧、体温、血中酸素飽和度、または心電図を測定することができる。
このデバイスは、バイオマーカーレベルの測定結果を記憶することが可能なメモリを備えることができる。このデバイスは、バイオマーカーレベルの測定結果と記憶された結果とを比較するように構成することができる。メモリは、バイオマーカーレベルの閾値を記憶することができる。このデバイスは、バイオマーカーレベルの測定結果と閾値とを比較するように構成することができる。このデバイスは、測定値が上限または下限閾値を超えた場合、または2つ以上の測定値間におけるバイオマーカーレベルの変化度が上限または下限値を超えた場合、処置計画を開始、停止または変更するように、患者、または患者のための医療従事者に対して指示または表示することができる。処置計画は、利尿薬の使用を含むことができる。このデバイスは、腎機能のマーカーの測定値を取得するように患者にさらに指示することができる。この指示は、ディスプレイ上で視覚的に行い、出力媒体上に印刷または記録するか、あるいは音または音の組合せによって表すことができる。上限閾値は、バイオマーカーレベルが閾値より大きい場合に超えることになり、下限閾値は、バイオマーカーレベルが閾値未満の場合に超えることになる。
このデバイスは、測定結果、患者への質問、または患者への指示の結果を表示するためのディスプレイを備えることができる。このデバイスは、患者への質問に対する応答を提供するための入力デバイスを備えることができる。このデバイスは、測定結果に応じて患者に指示を与えるように構成することができる。指示は、個別化することができる。
別の態様では、患者をモニタリングする方法は、患者から取得したサンプル中で、以下からなる群より選択されるバイオマーカーのレベルを測定する工程を包含する:左心室容積過負荷または心筋伸展のマーカー、心筋アポートシスまたは損傷のマーカー、心筋虚血のマーカー、炎症のマーカー、貧血のマーカー、腎機能のマーカー、電解質平衡のマーカー、およびナトリウム貯留のマーカー。
この方法は、出力を患者に提供する工程を包含することができる。この方法は、患者から取得したサンプル中で、以下からなる群より選択される第2バイオマーカーのレベルを測定する工程を包含する:左心室容積過負荷または心筋伸展のマーカー、心筋アポートシスまたは損傷のマーカー、心筋虚血のマーカー、炎症のマーカー、貧血のマーカー、腎機能のマーカー、電解質平衡のマーカー、およびナトリウム貯留のマーカー。
この方法は、測定したバイオマーカーレベルを記録する工程を包含することができる。この方法は、バイオマーカーレベルを後で測定し、記録された測定レベルと後で測定されたレベルと比較する工程を包含することができる。この方法は、患者が、心不全に関連する1つまたは複数の症状を表しているかどうかを決定する工程を包含することができる。この方法は、患者の体重、心拍数、心拍数の変動、呼吸数、血圧、体温、血中酸素飽和度、または心電図を測定する工程を包含することができる。
別の態様では、患者をモニタリングする方法は、左心室容積過負荷または心筋伸展の第1バイオマーカーのレベルの1回の測定または一連の測定を行い、第1バイオマーカーのレベルに応じて、利尿薬治療プログラムを開始、停止または変更するように個人または医療従事者に対して表示または指示を提供する工程を包含する。この方法は、腎機能のマーカーのレベルを測定するように、使用者(たとえば、患者または医療従事者)に対して表示する場合もある。第1バイオマーカーのレベル、および/または腎機能のマーカーのレベルの測定結果に応じて、この方法は、利尿薬処置計画を変更するための表示をさらに提供する場合もある。計画の変更は、利尿薬治療プログラムを継続または停止し、利尿薬治療プログラムの長さまたはレベルを増加または減少させ、および/または異なる効能を有するさらに他の利尿薬を使用して利尿薬治療プログラムを開始する工程を包含することができる。したがって、個人または医療従事者は、長期にわたって、第1バイオマーカーのレベルを制御することができる。腎機能のマーカーの測定は、個人の水分補給の程度または限度を表示し、個人が、利尿薬を摂取した結果として過度な脱水状態にはならないことを確認する。利尿薬治療プログラム開始の表示は、第1バイオマーカーのレベルが特定の上限閾値または変化度を超えた場合に与えられる。同様に、第1バイオマーカーのレベルが特定の下限閾値または変化度未満に低下した場合、利尿薬治療プログラムを停止または変更するように表示が与えられる。その結果、個人は、前記第1バイオマーカーのレベルのモニタリングを継続し、上限閾値および下限閾値内に留まっていることを確認し得る。第1バイオマーカーのレベルが増加し始めると、この方法は、利尿薬療法および腎機能のマーカーのモニタリングを再開することを表示する。上限閾値および下限閾値、並びに変化度の絶対値は一定であるか、または関連する個人に応じて異なる場合がある。上記の方法を実施するのに適するデバイスおよびキットも提供する。
別の態様では、ヘルスケアキットは、サンプルポートおよび第1アッセイを含むテストカートリッジであって、第1アッセイは、左心室容積過負荷または心筋伸展のマーカー、心筋アポートシスまたは損傷のマーカー、心筋虚血のマーカー、炎症のマーカー、貧血のマーカー、腎機能のマーカー、電解質平衡のマーカー、またはナトリウム貯留のマーカーを認識するテストカートリッジと、アッセイによって認識されるバイオマーカーレベルを測定するように構成された検出器を備えるデバイスとを備える。第1アッセイは、左心室容積過負荷または心筋伸展のマーカー、心筋アポートシスまたは損傷のマーカー、心筋虚血のマーカー、炎症のマーカー、貧血のマーカー、またはナトリウム貯留のマーカーを認識する抗体を含むことができる。
このキットは、サンプルポートおよび第2アッセイを含む第2テストカートリッジであって、第2アッセイが、左心室容積過負荷または心筋伸展のマーカー、心筋アポートシスまたは損傷のマーカー、心筋虚血のマーカー、炎症のマーカー、貧血のマーカー、腎機能のマーカー、電解質平衡のマーカー、またはナトリウム貯留のマーカーを認識する第2テストカートリッジを備えることができる。第2アッセイは、左心室容積過負荷または心筋伸展のマーカー、心筋アポートシスまたは損傷のマーカー、炎症のマーカー、心筋虚血のマーカー、貧血のマーカー、またはナトリウム貯留のマーカーを認識する抗体を含むことができる。
第1アッセイは、ナトリウム利尿ペプチドを認識する抗体を含むことができる。第2アッセイは、腎機能のマーカーを認識することができる。
1つまたは複数の実施態様の詳細は、図面および以下の明細書に記載されている。その他の特徴、目的および利点は、明細書、図面および請求の範囲から明らかになるであろう。
(詳細な説明)
心不全患者の場合、心拍出量は、安静時または運動時における人体の代謝的要求を満たすのに不十分である一般に、臓の充満圧または体積の増加も生じる。心不全は、最も一般的には、心筋が正常に収縮せず、一般に左心室が膨張する左心室収縮機能低下(LVSD)に起因する。疾患が進行すると、人体は、動脈血管収縮、ナトリウム再吸収の強化、および体積の膨張を生じるレニン−アンギオテンシン系(RAS)の活動による心拍出量の減少に応答する。交感神経の前シナプスシス性刺激が増加して、ノルエピネフリンの放出が強化され、これは、長期にわたると患者にとって有害である。AT 受容体に対するアンギオテンシンII結合によって媒介されるこうした影響は迅速であり、心拍出量を増加させ、重要臓器に対する潅流圧を増加させるために生じる代償的な変化である。これらの迅速な血流力学的効果のほかに、アンギオテンシンIIは、線維芽細胞および筋細胞増殖によって心臓のリモデリングも生じる。リモデリングは、左心室の体積および質量の増加、並びに最終的に心臓拡張および心臓収縮機能不全になる立体構造の変化を伴う。心不全患者に関連するアンギオテンシンIIのもう1つの直接的な影響は、体液貯留を激化させる可能性があるアルギニンバソプレシンの放出によって生じる口渇の増加である。
高血圧、心不全前(ステージB)または心不全(ステージCまたはD)の患者に対する全体的な処置計画は、薬理学的治療、食餌療法および生活様式の入念な管理を含む。主な目標は、進行状態を防止、減速、停止または逆転させ、患者の症状を緩和し、患者の生活の質を改善することによって、患者の生命を延長することである。
高血圧は、国立心肺血液研究所によって、収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上と定義されている。現在の治療法は、心臓血管の健康状態を改善して、高血圧合併症の発生および重大度を減少させる上で非常に効果的である。しかし、自身の疾患を適切に管理する高血圧患者は約4分の1に過ぎない。慢性高血圧は、連続的な治療の必要性に気付かせる症状がない「サイレントキラー」である。好ましい結果に対応する高血圧治療法は、治療の利益を継続的に強化することによって裏付けられる強力な初期教育によって決まる。残念ながら、これらの患者に広く使用されている動脈圧測定は、死亡率の予測材料としては劣ることが分かっている。上昇した血圧は、左心室肥大および最終的に心不全につながる過程の一部であるから、理想的な測定は左心室充満圧である。しかし、こうした測定は、日常的に実用的ではない。別法による方法は、心室圧力増加の徴候を示す左心室容積過負荷のマーカーを測定することである。
心不全の症状および徴候、並びに状態の悪化としては、息切れ、咳、下肢の浮腫、運動耐容能の低下、説明できない錯乱状態または精神状態の変化、体重増加、疲労、並びに腹水および肝臓鬱血に関連する腹部症状または徴候が挙げられる。
心不全の治療に使用される重要なクラスの薬物としては、ACE阻害薬、β遮断薬、アルドステロン受容体遮断薬および利尿薬が挙げられる。ACE阻害薬、β遮断薬、およびアルドステロン受容体遮断薬は罹患率/死亡率を減少させるが、利尿薬は患者の生活の質を改善する(主に、症状を減少させることによって)。患者の生活様式は、薬物投与を厳密に遵守せず、食餌療法が不十分であることによって、薬物処方計画の効果に大きく影響する可能性がある。たとえば、体液過剰は治療効果を鈍らせ、体液枯渇は、その他の薬物の悪影響を激化させる可能性がある。この状況は共に、危険な結果の原因になる可能性がある。
処置計画の段階は、治療の最適化および維持を含む。最適化段階では、体液過剰の徴候がある場合、患者を先ず安定させ、次に、適切な追加の薬物療法を導入しなければならない。
患者による体液平衡の管理は、利尿薬を使用し、必要な場合、塩分および水分摂取を制限することによって達成することができる。利尿薬は、電解質の変動、脱水症状、および過度な水分保持を追跡するためにモニタリングする必要がある。利尿薬の不適切な管理は、付随する薬物療法の効果に負の影響を与える。利尿薬療法は、患者が自己管理することができる。患者は、自身の体重を毎日モニタリングし、数日間で重大な体重増加が生じた場合、患者は、利尿薬の投与量を2倍にすることができ(たとえば、フロセミドを1日2回、40mgか1日2回、80mgに増加する)、必要なら、正常な乾燥体重に回復するまで、第2の利尿薬(たとえば、メトラゾン)を短期間追加することができる。この戦略は、患者が2日で3ポンドまたは1週間に5ポンドの体重増を経験するときはすぐに使用されるべきである。
患者の血液量が正常である場合、アンギオテンシンIIの活性度は、ACE阻害薬を使用して、アンギオテンシンIに対するACEの作用を妨げることによって減少させるべきである。別法によると、AT 受容体に対するアンギオテンシンIIの結合は、アンギオテンシン受容体遮断薬(ARB)を使用して遮断することができる。ACE阻害薬は、一般に、少量の投与量で開始され、次に、症候的または血流力学的に認められる2〜3週間の間隔で滴定量を増加させる。許容差を入念に注意していることは、検査室パラメーター(たとえば、血清クレアチニンおよび血清電解質、血圧、および症候性の副作用(たとえば、空咳の発生)によってモニタリングされる。
β遮断薬は、ノルエピネフリンの媒介効果を妨げるため、処置計画の追加の構成要素として広く使用されている。ノルエピネフリンは、心臓の細胞には有害であり、アポトーシスを刺激し、リモデリング過程の一部である筋細胞肥大および線維芽細胞の生成を刺激することによって、心臓の組織に対して負の影響を与える。β遮断薬は、特定の患者においては慎重に開始するべきである。許容差の評価は、通常、心拍数および血圧の測定によって行われる。
上記のとおり、疾患の進行を遅らせ、患者の生命を延長することができる効果的な薬理学的治療法が存在する。しかし、医師は、これらの薬物の増加した投与量効果を実証する方法を容易に利用できないため、これらの薬物は治療レベルでは滅多に使用されない。代わりに、副作用(利尿薬の服薬など、その他の薬物で入念に調節することによって管理可能)が、薬物を次善のレベルとして使用させる結果となることが多い。さらに、患者は、それぞれの薬物療法をあまり遵守しない場合が多い。自身の利尿薬療法を自己管理できる患者の場合でも、体重の追跡は、容積過負荷の増加の指標として感度が劣る。
患者が食餌療法(水分摂取および塩分摂取)並びに薬物療法をあまり守らないことは、患者が適切な薬理学的治療を受けているかどうかに関わらず、急性代償不全が発現する主な理由である。体液貯留時、血漿量は、代償不全が発現する時に70%も増加する可能性がある。このような生命に関わる事象は、入院および積極的な管理を必要とする。切迫している事象を検出すると(たとえば、バイオマーカーの変化を測定することによって)、利尿薬および食餌療法を入念に調節することによって、危険な事象を回避することができる。
体液貯留の場合、体液過剰は左心室容積過負荷を生じ、心臓に負担を与える。最終的には、心拍出量が減少すると、肺の中に体液が蓄積し、肺の鬱血を生じる。一方、体液枯渇時には、脱水症状の状態が生じる。いずれの場合も、その後の結果として、電解質レベルの好ましくない変化が考えられる。
理想的には、医療提供者は、左心室容積過負荷、体液貯留、体液枯渇、電解質平衡、および腎機能に関する情報を有する。徴候および症状に関する情報も、介護者が患者の治療を管理するのに役立つ。
左心室容積過負荷の測定値は、病院ベースの技術、たとえば胸部X線、心電図記録、エコー検査、放射性核種画像形成および希釈分析を用いて得ることができる。胸部X線は、心臓肥大、房室拡大を明らかにするであろう。心電図記録は、心室肥大、静脈性鬱血および心房拡大を明らかにするであろう。
心電図記録は、心室肥大および心房拡大を明らかにするであろう。エコー検査は、心臓収縮期および心臓拡張期の左心室の性能、房室のサイズおよび形状、壁厚、駆出分画(心拍出量)、並びに肺動脈および心室の充満圧を決定するために使用される。放射性核種の走査は、駆出分画のより正確な測定値を提供するが、放射性物質の静脈注射が必要である。体液貯留は、希釈分析を使用して評価することができる。患者は、トレーサ分子を注射され、その結果患者の血液中でトレーサが希釈されて、血漿量の概算を提供する。
これらのタイプの測定値を得るには、高価な機器、専門的な知識が必要であり、患者にとっては病院または診療所に通院する必要がある。したがって、患者の交通の便、長時間の順番待ち、および高い費用の点で、患者の状態を連続的に評価するために定期的に通院することは実際的ではない。
さらに、これらの測定値は、基礎となる巨視的生理機能に関する情報のみ提供し、神経ホルモン制御、交感神経伝達物質、および心臓のリモデリングの過程に関して細胞レベルで生じることに関する特定の情報は提供しない。
病院または診療所内で実施される上記の身体的測定を使用する以外、患者の状態は、ニューヨーク心臓会の4段階分類に従って評価することができ、患者の機能的能力は、以下のように分類される:
クラスI:患者は、激しい活動時にのみ症状を示す
クラスII:患者は、普通の活動で症状を示す
クラスIII:患者は、最小限の活動で症状を示す
クラスIV:患者は、安静時に症状を示す。
しかし、徴候、症状(たとえば、呼吸の短さ、非特異性の疲労および浮腫)、および基礎となる左心室機能不全の重大度間には弱い相関関係しかない。したがって、心臓内科医は、病院の紹介または入院時にのみ行われる不定期の身体的測定値を当てにすることが多い。患者に対する日常的なケアを行う万能の医師およびヘルスケアチームは、比較的少ない情報を入手し、その情報に基づいて患者のケアに関する臨床的な決定を行う。
血液の化学的性質の測定(たとえば、電解質、クレアチニン、ヘモグロビン、および血中尿素窒素)は、患者のケア計画の標準的な構成要素である。これらは検査室の試験であり、血液検体をケア地点で抽出する必要がある(つまり、医師の診察室、心不全診療所、または病院で)。その結果、検査室の試験は、比較的まれにしか実施されない(たとえば、予定された受診の間3ヶ月毎、または、状態悪化ゆえに患者が評価されるとき)。したがって、これらの検査室の試験は、急性代償不全などの悪影響を防止する点で十分に迅速に、患者の状態の変化を予測または検出しない。また、これらの検査室の試験は、最適な薬物滴定を可能にする上で十分に頻繁に行われるわけではない。
患者の状態の次善の制御結果は、殆どの場合、左心室容積過負荷の原因になる体液貯留の結果として、入院および再入院することになる場合が多い。
体液貯留の主な原因は、不十分な食餌療法の管理(塩分および水分摂取が管理されていない)、薬剤の次善の投与量の使用、および処置計画の不十分な遵守である。入院する結果になる事象の連鎖は、しばしば、家庭内、医療環境外、複雑な技術(たとえば、エコー検査)、検査室の試験、および介護者の専門的な目から離れた場所で生じる。
患者は、処置計画を遵守し、左心室容積過負荷の徴候を確認することによって、家庭で患者自身の状態をモニタリングするために、ある程度の責任を負うように促される。その結果、入院の結果を生じる事象の発生を減少させることができる。患者の家庭内での使用のために評価されている現在の唯一の客観的な測定は、日常的な体重、心拍数、および酸素飽和度である。
体重を日常測定するため、患者は、朝食前、薬剤または液体を摂取する前、排尿後、同じタイプの衣服を着用し、靴を履かない状態で(毎日同じ場所の平坦な硬質の表面上で)、同じ体重計において、自身の体重を毎朝計量するように指示される。毎日の体重は、ノートブックに記録し、体重が2日で3ポンド、または1週間で5ポンド増加した場合、患者は、自身の医療チームに知らせるように指示される。
Alere Medical Incorporated(米国、ネバダ州、リーノ)は、DayLink(登録商標)モニタを特徴とするAlere(登録商標)心臓モニタリングプログラムを開発した。Alere DayLink(登録商標)モニタは、対話式ディスプレイおよび通信装置を有する生体測定デバイスである。DayLink(登録商標)モニタは、患者の体重および心不全症状を収集する。DayLink(登録商標)モニタを使用するには、患者は単にプラットフォーム上に乗るだけである。患者の体重が捕捉されると、DayLink(登録商標)モニタは、可聴式音声および視覚ディスプレイを介して、患者の症状に関して医師が指定する質問を行う。患者は、YESまたはNoキーを押すことによって質問に回答する。
この方法の主な欠点は、体重測定の感度が劣ることである。制御された臨床検査では、日常的な体重は、体液過剰を識別し、患者が自身の処置計画を遵守するのを助ける上で合理的に効果があることが分かっている。しかし、実際上、日常的な体重は使用されないか、または非常に不正確であるため有用ではない。たとえば、体重の著しい変化が検出される時までに、患者は既に入院が必要になっている場合がある。
心不全患者は、低酸素状態、心筋虚血および心筋梗塞の確率が高い。現在、患者の家庭内でこれらの事象の発生を追跡する手段はない。これらの事象を早期の段階で検出できない場合、有害な結果が発生し、予後を悪化させ、資源の利用が増加することになる。
したがって、心不全患者に利用可能な医療の質、および結果として得られる予後は、より客観的および予測的な測定が家庭、または処置計画を指導する遠隔の医療環境で利用可能である場合と比べると劣る。
(左心室容積過負荷および心筋伸展のマーカー)
神経ホルモンの測定は、研究団体によって、数十年間にわたって調査されてきた。調査したバイオマーカーとしては、ナトリウム利尿ペプチド、Aタイプ(ANP)、Bタイプ(BNP)、およびCタイプ(CNP)ナトリウム利尿ペプチド、およびこれらのN末端プロホルモン(N−ANP、N−BNP、およびN−CNP)が挙げられる。ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチドとしても公知)およびその不活性形、N−ANPは、たとえば、Hall,Eur J Heart Fail、2001,3:395−397に記載されており、これは、引用することにより全体的に援用する。
BNP(活性ペプチド)およびN−BNP(不活性ペプチド)は、血液循環中に見られる。両方のペプチドは、左心室において心筋細胞から放出される不活性先駆物質(プロBNP)から誘導される。BNP(またはN−BNP;略語BNPは、本明細書全体を通してBタイプナトリウム利尿ペプチドのいずれかの形態を意味する)の生成の増大は、心筋伸展、心筋張、および心筋損傷によってトリガされる。研究によって、BNPの循環レベル、左心室容積過負荷(たとえば、左心室および心臓拡張圧力)の正相関、並びに左心室機能(たとえば、左心室駆出分画および左心室の質量指数)に対する逆相関が実証された。
ナトリウム利尿ペプチド、特にBNPの測定は、主に、病院環境内の救急部における心不全が疑われる患者の急性代償不全の診断に限られ、入院時に急性代償不全を示す患者に予後診断を提供し、退院前に急性代償不全を示す患者の治療を追跡する。最近の研究は、通院時にBNPの役割を調査し、BNPが患者の機能状態の改善と相関することを実証した。たとえば、Kohno M;Am J Med.1995 Mar;98(3):257−65参照。これは、引用することにより全体的に援用する。しかし、試験は頻繁に行われたのではなく、試験は、ベースライン時、6ヶ月および12ヶ月に実施された。同様に、Kawaiによる研究は(KawaiK;AmHeart J.2001年6月;141(6):925−32、引用することにより全体的に援用)、ベースライン時、ヶ月およびヶ月の試験間隔に限られた。Troughton、LatiniおよびMcKelvieによる研究も、4ヶ月以上の試験間隔を使用した(それぞれLancet 2000,355:1126−30;Circulation 2002年11月5日;106(19):2454−8;およびCirculation 1999年9月7日;100(10):1056−64参照。これらの各々は、引用することにより全体的に援用する)。
最短の試験間隔は、Murdoch(Murdoch DR;Am Heart J.1999年12月;138(6 Pt1):1126−32、これは、引用することにより全体的に援用する)によって使用された。Murdochは、2週間ごとの試験間隔を使用したが、この研究は、事象の検出、治療の安全な滴定(GFRマーカーを使用する;以下参照)、または外来患者もしくは家庭の医療環境を考慮しなかった。
比較的高度の試験頻度を使用した唯一の研究は(Braunschweig, F;J
CardiovascElectrophysiol.2002年1月;13(l Suppl):S68−72、引用することにより全体的に援用)、体重増加および血流力学に対するBNPの相関関係を調査した。この研究の主な制約は、毎週採決するという長期にわたる試験間隔、そしてやはり、家庭の医療環境におけるBNPおよびGFRマーカーの使用を考慮していないことであり、実際上、この研究の目的は、埋め込まれた血流力学的センサを評価して、結果を体重の追跡と比較することであった
患者または介護者は、BNPレベルのみに頼っていると、患者の脱水状態を推進することになるという危険性が存在する。さらに、ある患者の目標BNPレベルは、年齢、性別、肥満度指数、肥大の程度などの要因によって別の患者には適さない場合がある
上記の研究では、患者およびその介護者は、適切な試験間隔で客観的なデータを使用して、将来の事象(たとえば、急性代償不全)を防止し、薬物を迅速に最適化し(たとえば、ACE阻害薬、β遮断薬、アルドステロン受容体遮断薬)、患者を危険状態にすることなく、利尿薬の投与量調節を制御することができる。
(心筋のアポトーシスまたは損傷のマーカー)
心筋アポートシスのマーカーは、左心室容積過負荷の影響である心臓のリモデリングに関する情報を提供する。過度な心筋伸展、ノルエピネフリンの毒性、および提案されているその他のメカニズムから生じる筋細胞のアポトーシスの増加を測定すると、心臓リモデリングに関する情報が得られる。適切なマーカーとしては、心臓のトロポニン、たとえばイソ型トロポニンIおよびトロポニンT(それぞれTnIおよびTnT)、並びにあらゆる形態のウロテンシン、およびウロテンシン関連ペプチドが挙げられる。トロポニンの測定は、従来、アポトーシスの過程と違って、心筋の損傷または梗塞を診断するために使用されてきた。トロポニンイソ型の感度の良い免疫学的検定は、医療提供者が、上記のメカニズムによって誘発されるか、または心筋虚血および梗塞と一致する筋細胞のアポトーシスおよび筋細胞の損傷の程度に関する情報を取得することを可能にする。
心臓トロポニンレベルは、いくつかの疾患状態において上記の正常値を超えることが多く、この場合、心筋の壊死は、特に肺塞栓症、心不全、肝硬変、敗血症ショック、腎不全および動脈性高血圧の場合、目だった状況ではない。亜臨床的な心筋壊死および心筋アポートシスの増加は、この現象の原因であると主張されている。トロポニンレベルの増加は、心室の膨張または肥大の結果であり得る。トロポニンは、心筋緊張、傷害、およびアポトーシスの増加(たとえば、急性代償不全、または心不全前の慢性的な悪化、心不全、および高血圧の時など)のマーカーとして作用し得る。アポトーシスは、心臓疾患における心筋細胞の損失の一因となり、左心室(LV)リモデリングにおける病態生理学的役割を有し得る。心不全は、アポトーシス率の増加に関連し、進行性の左心室リモデリングのパラメーターと著しい相関関係がある。血液循環における低レベルのトロポニンは、アポトーシス率と相関関係がある。
クレアチンキナーゼレベルが上昇せずにトロポニンのレベルが上昇するのは、心筋細胞原形質膜の裂を伴わない状態で、心筋細胞からトロポニンが放出されるためであると考えられる。
Chenは、心不全患者の血漿中におけるトロポニンを測定した。Chen YN,Ann ClinBiochem.1999年7月;36(Pt 4):433−7参照。これは、引用することにより全体的に援用する。血漿トロポニン濃度の上昇は、89%の心不全患者に見られ、血漿クレアチンキナーゼ−MB(CK−MB)は著しい差を示さなかった。追跡調査時には、心臓のTnIおよびCK−MBの連続的な測定を実施した。心不全患者の場合、臨床プロファイルの改善は、トロポニン濃度の減少に関連していたが、心機能の悪化は、トロポニン濃度の増加に密接に関連していた。心臓の損傷は、機能的に過負荷の筋細胞に関連し、トロポニンは、筋細胞の損傷を早期に検出するため、および心不全患者の機能および予後をモニタリングするための感度の良いマーカーであり得る。Chenは、心不全が十分に治療された患者の場合、正常に復帰した血漿トロポニンレベルは、トロポニンが上昇した状態を保っている患者の場合に比べて、結果が良好であることを実証した。
Horwichは、重度の心不全の場合はトロポニンが上昇し、不利な結果を予測し得ることを実証した(Horwich、TB;Circulation.2003年8月19日;108(7):833−8、引用することにより全体的に援用する)。これは、心不全が進行しており、初期の提示時点でトロポニンアッセイが抽出された238人の患者に関するデータを提示した。急性心筋梗塞または心筋炎患者は、分析から除外した。トロポニンは、117人(49.1%)の患者の血清中で検出可能だった(0.04ng/mL以上)。検出可能なトロポニンレベルの患者は著しく高いBNPレベルを有し、比較的高い肺動脈楔入圧および比較的低い心臓指数などの血流力学的プロファイルが比較的損なわれた。重要な相関関係は、検出可能なトロポニンと、長期にわたる駆出分画における進行する低下との間に見られた。
検出可能なトロポニンは、死亡の危険性の増加に関連していた。BNPに関連して使用されるトロポニンは、予後値を改善した。したがって、トロポニンは、心不全患者における血流力学の低下、BNPレベルの上昇、進行する左心室機能不全に関連する。
トロポニンをモニタリングして、虚血に関連する心筋梗塞を検出することは、既に認められた実務である(たとえば、Apple FS、欧州心臓協会および米国心臓学会の心筋梗塞の再定義に関するガイドライン:既存のアッセイを臨床上、および臨床試験にどのように使用するか;AmHeart J.2002年12月;144(6):981−6参照。引用することにより全体的に援用する)。
したがって、トロポニンを日常的に測定することは、心不全患者の管理に有用である。トロポニンの連続的な追跡は、患者の状態に関する情報(安定しているか、悪化しているか、または改善しているか)を決定して、今後の予後に関する情報も提供することを可能にする
(炎症のマーカー)
炎症のマーカーは、患者の状態に関する情報を提供することができる。炎症のマーカーは、予期しない突然死を予想するために使用される。このマーカーは非特異性(つまり、一般的な炎症のマーカー)、または特異性(つまり、心臓または血管炎症を指示するマーカー)で良い。マーカーは、可溶性接着分子(たとえば、E−セレクチン、P−セレクチン、細胞内接着分子−1、または血管細胞接着分子−1)、ノーリン−1、サイトカイン(たとえば、インターロイキン−1β、−6、−8および−10、または腫瘍壊死因子−α)、急性期反応物質(たとえば、高感度CRP、好中球および白血球数)で良い。
(貧血のマーカー)
貧血のマーカーも、心不全患者を追跡する上で有用である可能性がある。ある研究によると、ヘマトクリットが低い心不全患者は、ヘマトクリットが>42%の患者に比べて死亡の危険性が著しく高い(Kosiborod,M.等、Am. J.Med.2003年、114:112−119参照。引用することにより全体的に援用する)。たとえば、ヘモグロビンレベルまたはヘマトクリット測定値は、貧血のマーカーとして使用することができる。
(心筋虚血のマーカー)
心筋虚血のマーカーは、心拍出量、血栓形成および塞栓、並びに血管の血流に関する個々の情報を提供する。こうしたマーカー(たとえば、虚血変性アルブミン、酸素ストレスペプチド(ORP150)、遊離脂肪酸、ノーリン−1、あらゆる形態のウロテンシン、およびウロテンシン関連ペプチド、並びにその他の公知のマーカー)の測定は、虚血の発症、虚血の大きさ、および自然または誘発された再潅流の徴候を提供する。
(腎機能のマーカー)
糸球体濾過率(GFR)を測定する最も簡単な方法は、クレアチニンを使用することである(Robertshaw M、LaiKN、Swaminathan R.Br J Clin Pharmacol 1989年;28:275−280、引用することにより全体的に援用する)。人体に対するクレアチニン追加量は、人体の筋肉量に比例する。クレアチニン除去率は、血漿中の濃度、および糸球体濾過率に比例する。たとえば、GFRが120mL/分から60mL/分に減少すると、血漿クレアチニンが1.0mg/dLから2.0mg/dLに増加することになる。したがって、GFRの変化は、血清クレアチニンの相互変化によって描写される。GFRを乗算した血清クレアチニンは、クレアチニン生成率に等しいため、GFRが50%減少すると、血清クレアチニンは、定常状態で2の係数だけ増加する。血清または血漿クレアチニンの測定値のみを使用すると、mL/分におけるGFRは、以下の公式を使用して概算することができる:GFR=(140−年齢)×体重(kg)/0.825×血漿クレアチニン(μmol/L)。
腎機能のマーカーは、患者の体内において定期的に、ACE阻害薬、アンギオテンシンII受容体阻害剤、および利尿薬に関してモニタリングするべきである。クレアチニンレベルの限られた上昇(ベースラインを30%以下超える)は、ACE阻害薬またはアンギオテンシンII受容体阻害剤による治療の開始後に見られた。こうした増加は、通常、2週間の治療期間内に発生した。クレアチニン値に関係なく、腎不全の徴候は、GFRが30mL/分より十分に低くなるまで明らかではなかった。最高度の腎不全患者は、腎臓疾患の進行を最大限防護する経験をした。したがって、ACE阻害薬またはアンギオテンシンII受容体阻害剤の開始後、GFRをモニタリングするべきだが、減少は、治療を止める理由にならない。
Leeによる研究(Lee SW;Am JKidney Dis.2003年6月;41(6):1257−66、引用することにより全体的に援用する)は、BNPレベルが、血液透析中の患者の脱水状態に対して敏感ではないことを明らかにした。Leeは、積極的な血液透析を行っている患者の脱水状態を評価するために、BNPを使用するかどうかを評価した。これらの結論が、静脈内または口腔利尿薬療法を使用する利尿プロセスに適用される場合、BNPを使用して、生命を脅かし得る利尿過多状態を検出することはできないことが分かるであろう。したがって、糸球体濾過率マーカーの日常的な測定は、患者が、過度な利尿薬療法の使用によって脱水状態の危険があるかどうかを決定する必要がある。
GFRの測定には、いくつかの生化学的方法がある。一般に、これらは一定の割合で代され、その結果、検体の循環レベルの増加が腎不全を指示する検体のレベルを測定する。このような適切な検体としては、クレアチニンおよびシスタチンCが挙げられる。たとえば、Newman、DJ,Ann Clin Biochem.2002年3月;39(Pt 2):89−104;およびPerrone RD等、ClinCem.1992年10月;38(10):1933−53参照:引用することにより全体的に援用する)。クレアチニン(血漿または血清クレアチニン)によるGFRの測定は、CockroftおよびGaultの方程式を使用して年齢、体重および性別に関して調整して行うことができる。
GFRの別法による測定は、シスタチンCを使って行うことができる。シスタチンCは低分子量を有し、糸球体膜で自由に濾過される。シスタチンCは、血清クレアチニンに代わる優れたマーカーとして提案された。シスタチンCは、すべての有核細胞によって生成され、腎臓の尿細管細胞により異化される。その生成速度は一定であり、筋肉量、炎症によって影響されず、サーカーディアンリズムはない。
シスタチンCは、回帰直線周囲の値の比較的緻密な分布で腎機能を評価する場合、血清クレアチニンより特異的であることが分かった(Mussap,M;Kidney International,Vol 61(2001年),pp1453−1461、引用することにより全体的に援用する)。Mussapは、シスタチンCが、GFRが減少すると、血清クレアチニンより早く迅速に上昇し、シスタチンCは、血清クレアチニン、Cockroft−Gault方程式から導かれたGFRの両方より高感度を有することも報告した。血清シスタチンCの商用試験は、Dade Behringから使用可能である(比濁分析のアッセイ;N−ラテックスシスタチンCアッセイ;6分試験)。
(電解質平衡のマーカー)
電解質平衡は、患者の電解質(たとえば、NaおよびKなどの可溶性イオン)が正常濃度範囲である状態である。被験者は、安定した状態の心不全患者、不安定な状態の心不全患者、軽度、中度または高度の高血圧患者、または最近心筋梗塞を発症した患者であり得る。通常の流体および電解質平衡の代表的な値は以下のとおりであり、個人の年齢および性別に依存する。平均70kgの性の場合、総体内水分は、一般に42L(体重の60%)であり、28Lは細胞内区画、14Lは細胞外区画にある。血漿量は3Lであり、血管外の量は11Lである。全身Naは一般に4200mmol(細胞外液(ECF)50%、全身Kは一般に3500mmol(約50〜60mmolのECF)である。ECFの正常な重量オスモル濃度は280〜295mosmol/kgである。
低カリウム血症は、利尿薬療法の一般的な悪影響であり、ジギタリス中毒の危険性も増加させる。したがって、血漿または血清カリウムレベルは、心不全患者の場合は、このような望ましくない副作用を防止するために日常的に測定するべきである。カリウムは、一般に、イオン選択電極(たとえば、i−STAT、i−STAT Corp.)を使用して測定される。
(ナトリウム貯留のマーカー)
ナトリウム貯留または過剰ナトリウム摂取のマーカーは、ナトリウム貯留、電解質平衡、およびナトリウム消費量の概算を提供することができる。1つの適切なマーカーはウログアニリンであり、これは腸管ナトリウム排泄性ホルモンで、ナトリウムホメオスタシスの内分泌モジュレータとして機能する。鬱血性心不全患者の場合、尿中で測定されたウログアニリンのレベルは、対照中で測定した場合より実質的に高いことが公知である。心不全患者の場合、尿のウログアニリン排出の増加は、適応可能な反応であり得る。ウログアニリンの尿排出は、高塩分食餌療法を行っている場合より明らかに高く、尿中のナトリウムと明らかに相関関係がある。ウログアニリンの測定値は、ナトリウムホメオスタシスおよび患者の状態に関する一意的な情報を提供することができる。このような測定値は、不利な事象を防止するための液体およびナトリウムの摂取に関する決定を行うために使用される。
(診断デバイス)
在宅治療診断デバイスは、心不全患者および医療提供者が、処置計画を安全に最適化し、治療、食餌療法および生活様式に対する患者の反応を追跡および案内することができる。このデバイスは、1つまたは複数のバイオマーカーのレベルを測定および記録し、疾患の徴候および症状に関する患者の入力を記録し、患者にフィードバックして、記録された結果を医療提供者に提供することができる
このデバイスを使用すると、患者の状態は、医師の診療所または病院など、専用の医療施設から離れた場所でモニタリングすることができる。患者の状態を適切に管理するための情報を提供することは、左心室容積過負荷を防止する上で役立つ。この情報は、左心室容積過負荷によって生じる急性代償不全の発症を予測し、早期の介入を可能にする点でも役立つ可能性がある。このデバイスを使用すると、液体量を減少させることを目的とした介入が過度な補償を行い、その結果、脱水症状が生じるのを確実に防止することができる。このデバイスは、医療提供者が、医療計画の薬理学的および非薬理学的側面の両方の効果を測定し、疾患の進行をモニタリングするのに役立てることができる。このデバイスは、患者が治療および予後診断を遵守しているかどうかを評価するのにも役立てる可能性がある。
このデバイスによって測定されるバイオマーカーとしては、左心室容積過負荷または心筋伸展のマーカー、心筋アポートシスまたは損傷のマーカー、心筋虚血のマーカー、炎症のマーカー、貧血のマーカー、腎機能のマーカー、電解質平衡のマーカー、またはナトリウム貯留のマーカーが挙げられる。さらに、このデバイスは、患者のバイタルサイン、たとえば体重、体温、心拍数、心拍数の変動、呼吸数、血圧、および血中酸素飽和度(たとえば、パルス酸素測定法により測定)を測定するためのプローブを備えることができる。このデバイスは、心電図などの電気的測定値を患者から記録することができる。このデバイスは、患者に対して質問を提示し、患者の反応を記録することができる。質問は、患者が症状を示しているかどうか、または薬剤をいつ摂取したかなど、患者の状態に関連付けることができる。
一般に、患者は、介護者が指示する定期的な基準でデバイスを使用する。たとえば、患者は、このデバイスを毎日、1日おき、毎週、または他の適切な間隔で使用することができる。特定の状況下では、使用可能なすべての試験のいくつかが実行される。たとえば、患者は、血圧測定を毎日実施するが、左心室容積過負荷または心筋伸展のマーカーは毎週基準で測定することができる。このデバイスは、試験結果に基づいて、患者への指示に応答することができる。この指示は、治療アルゴリズムに基づいて構成することができる。アルゴリズムは、患者の必要性に適合するように調節することができる。たとえば、医療提供者が、特定の患者に特有の情報(たとえば、バイオマーカーの閾値)をデバイスに入力することができる場合。
バイオマーカーは、サンプル中で測定することができる。サンプルは、患者から採取され、血液、血漿、血清、唾液または尿のサンプルで良い。一実施態様では、サンプルは血液サンプルである。このようなサンプルは、たとえば、適切なランスデバイスを使って皮膚に穿孔した後、1μL未満の量から数百μL以下の量を有する血液サンプルを収集することによって、患者が採取することができる。モニタリングされるバイオマーカーは、たとえば、免疫学的検定、バイオセンサ、イオン選択電極、またはその他の適切な技術を使用して検出することができる。
たとえば、マーカーは、免疫学的検定を使用して検出することができる。免疫学的検定は、マーカーが存在する場合、免疫学的に特有の結合が生じる状態で、適切な抗体に、試験される被験者のサンプルに接触させ、抗体による免疫学的に特有の結合の量を検出または測定することによって行われる。適切な免疫学的検定を使用することができ、たとえば、競合的および非競合的免疫学的検定システム、または当業者が周知しているリガンド結合システムを含むが、これらだけに限らない。
たとえば、マーカーは、1段階のサンドイッチアッセイによって、液体サンプル中で検出することができる。捕捉試薬(たとえば、マーカー抗体)は、マーカーを捕捉するために使用される。同に、直接または間接的にラベル付けされた検出試薬は、捕捉されたマーカーを検出するために使用される。一実施態様では、検出試薬は抗体である。こうした免疫学的検定、当業者に公知の別の構想を使用して、適切な体液中において上記のバイオマーカーのレベルを測定することができる。
GFRマーカー(たとえば、血清クレアチニン)は、バイオセンサ、酵素アッセイ、または電流測定器を使って測定することができる。たとえば、Erlenkotter A、AnalBioanal Chem.2002年1月;372(2):284−92;Leger F,Eur J Cancer.2002年1月;38(l):52−6;およびTombach B,Clin Cim Acta.2001年10月;312 1−2):129−34参照。各々、その全体が参考として援用される。
疫学的検定およびバイオセンサ(たとえば、比色分析)の両方によるバイオマーカーの測定は、Metrikaによって、特許を取得した自身のMODM TM (微小光学的検出法)技術を使って実証された。これは、小型ディジタル電子技術、微小光学および固体化学を使いやすく低価格の使い捨て式器具に統合する。MODM技術は、免疫診断的および一般的な化学的性質を10分以内で同時に測定するように設計される。Ostex International Inc.は、同じ技術を使用して、OSTEOMARK NTxポイントオブケア(POC)を開発した。これは、廃棄可能な使い捨て式デバイスであり、サンプル中のNTxおよびクレアチニンレベルを測定し、次に比率の結果を計算することにより、骨組織マーカー「Ntx」の測定を標準化する。POCは、医師の診察室で使用することを意図されており、処理に5分間を要する。
このデバイスは診断キットに含むことができ、診断キットは、以下の1つまたは複数を任意に含むことができる:事象を検出するためのキットの使用説明書、診断、予後診断、スクリーニング、治療のモニタリング、または心不全前、心不全もしくは高血圧患者を管理するためのこれらの組合せ;試験の実施に必要な試薬を含む使い捨て式試験カートリッジ;またはバイオマーカー試験の結果を測定し、任意にその他のパラメーターの手動または自動的入力、パラメーターの保存、および測定したバイオマーカーの評価と平行して行われるか、またはこうした評価とは別に行われる前記パラメーターの評価を可能にする器具またはデバイス。
このキットで供給される試験カートリッジ、または複数のカートリッジは、使用者が、少なくとも左心室容積過負荷または心筋伸展のマーカーを測定し、任意に、腎機能のマーカーの測定、心筋アポートシスのマーカーの測定、心筋虚血のマーカーの測定、心筋損傷のマーカーの測定、貧血のマーカーの測定、電解質平衡のマーカーの測定、およびナトリウム貯留のマーカーの測定を可能にする。
好ましくは、この試験カートリッジまたは複数の試験カートリッジは、左心室容積過負荷または心筋伸展のマーカーおよび腎機能のマーカーを順次または連続的に測定することを可能にする。
この試験カートリッジまたは複数の試験カートリッジは、左心室容積過負荷または心筋伸展のマーカーの順次または連続的測定、腎機能のマーカーの測定、心筋アポートシスまたは損傷のマーカーの測定、心筋虚血のマーカーの測定、炎症のマーカーの測定、貧血のマーカーの測定、電解質平衡のマーカーの測定、およびナトリウム貯留のマーカーの測定を可能にする。組合せカートリッジは、1つのサンプルの2つ以上の異なるマーカーを試験することができる。
器具(耐久性または使い捨て式)は、少なくともバイオマーカー試験の結果を測定し、任意に、その他のパラメーターの手動または自動的入力、前記パラメーターの記憶、および測定したバイオマーカーの評価と平行して行われるか、またはこうした評価とは別に行われる前記パラメーターの評価を可能にする。
図1を参照すると、診断デバイス100は、ディスプレイ120および入力領域140を備える。ディスプレイ120は、静止画像データ圧縮方式(JPEG)の形式、タグイメージファイル形式(TIFF)、画像交換フォーマット(GIF)またはビットマップなど、様々な形式の画像を表示するために使用される。ディスプレイ120は、テキストメッセージ、ヘルプメッセージ、指示、質問、試験結果および様々な情報を患者に対して表示するために使用することもできる。インプリメンテーションによっては、ディスプレイ120は、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)形式をサポートし、表示されるテキストは、追加の情報、イメージまたはフォーマットされたテキストに対するハイパーリンクを含む場合がある。ディスプレイ120は、たとえばムービングピクチャエキスパートグループ(MPEG)形式、AppleのQuickTime形式、またはDVD形式で記憶されたビデオのディスプレイためのメカニズムをさらに提供することができる。ディスプレイ120は、可聴指示、音声、音楽などを生成するための音源(たとえば、スピーカ)をさらに備えることができる。
入力領域140は、キー160を備えることができる。一実施態様では、入力領域140は、たとえば、ディスプレイ120がタッチセンシティブスクリーンである場合、ディスプレイ120上に表示される記号としてインプリメントすることができる。患者への指示および質問は、ディスプレイ120上で患者に対して提示される。患者は、入力領域を解して質問に回答することができる。
デバイス100は、カートリッジ読取装置180も備え、これは、読取り用の診断テストカートリッジを収容する。このカートリッジ読取装置180は、たとえばテストカートリッジ400上で生じる色の変化の大きさに基づくバイオマーカーのレベルを測定する。デバイス100はプローブ接続部200も備え、これは、プローブ(たとえば、体重、体温、心拍数、心拍数の変動、呼吸数、血圧、または血中酸素飽和度のプローブ)をデバイスに接続する。
デバイス100は、通信ポート220をさらに備える。通信ポート220は、たとえば電話線またはコンピュータネットワークに対する接続部で良い。デバイス100は、患者の試験の結果を離れた場所から医療提供者に伝達することができる。同様に、医療提供者は、デバイス100と通信することができる(たとえば、記憶された試験結果にアクセスする、デバイスパラメーターを調節する、またはメッセージを患者に送信する)。
カートリッジ400は、2つの試験領域420を使って示される。一般に、カートリッジは、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つ以上の試験領域を備えることができる。各々の試験領域420は、バイオマーカーのレベルを試験することができる。各々の試験領域420は、サンプル入力440、制御結果ウィンドウ460および試験結果ウィンドウ480を備える。一実施態様では、カートリッジ400は免疫クロマトグラフィテストカートリッジである。免疫クロマトグラフィ試験および試験結果読取り装置の例は、たとえば、米国特許第5,504,013号;第5,622,871号;第6,235,241号;および第6,399,398号に見られ、これらの各々は、その全体が参考として援用される
患者は、デバイス100を使用して、患者の健康に関する情報を提供する様々なバイオマーカーのレベルを試験および記録することができる。診断デバイス100の様々なインプリメンテーションは、記憶媒体(たとえば、ビデオカセットレコーダ(VCR)テープ、またはディジタルビデオディスク(DVD);コンパクトディスク(CD);またはフロッピー(登録商標)ディスク)上に記憶されたプログラムおよび/またはデータにアクセスすることができる。さらに、様々なインプリメンテーションは、直接ケーブル接続、コンピュータネットワーク、無線ネットワーク、衛星ネットワークを含むコミュニケーション媒体を介して、別のコンピュータシステム上に保存されたプログラムおよび/またはデータにアクセスすることができる。
診断デバイスを制御し、患者にフィードバックを提供するソフトウェアは、何らかの処理デバイス上で実行されるソフトウェアアプリケーション、たとえば汎用計算デバイス、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、特殊目的の計算デバイス、ラップトップコンピュータ、携帯コンピュータ、またはネットワークアプリアンスの形式で良い。
診断デバイスは、プロセッサ、1つまたは複数の入力デバイス、1つまたは複数の出力デバイス、コンピュータ可読媒体、およびコンピュータメモリデバイスなどのハードウェア構成を使用してインプリメントされる。プロセッサは、コンピュータ処理デバイス、たとえば汎用マイクロプロセッサまたは特定用途向け集積回路(ASIC)のいずれかを使用してインプリメントされる。プロセッサは、入力/出力(I/O)デバイスと一体化して、センサデータおよび/または入力データを受信するためのメカニズム、並びに質問および結果をサービス技術者に表示するか、さもなければ出力するためのメカニズムを提供することができる。入力デバイスは、たとえば、以下の1つまたは複数を備えることができる:マウス、キーボード、タッチスクリーンディスプレイ、ボタン、センサ、およびカウンタ。
ディスプレイ120は、液晶ディスプレイ(LCD)、テレビジョン、プリンタ、および発光ダイオード(LED)などの任意の出力技術を使用してインプリメントすることができる。コンピュータ可読媒体は、プログラムおよびデータを固定または取外し可能な媒体のいずれかに記憶するためのメカニズムを提供する。コンピュータ可読媒体は、従来のコンピュータハードドライブ、または上記などのその他の取り外し可能な媒体を使用してインプリメントすることができる。最終的に、このシステムは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのコンピュータメモリデバイスを使用して、診断デバイスの動作を支援する。
診断デバイスのインプリメンテーションは、デバイスを使用する時に患者に指示し、バイオマーカーの測定値を記憶し、試験したバイオマーカーレベルが、患者に対する医療上の注意を必要とするかどうかを決定し、治療法を調節または維持する場合に、患者に指示を与え、患者の介護者に患者情報を伝達するソフトウェアを備えることができる。たとえば心不全または高血圧を罹患している患者、または心筋梗塞の危険性がある患者は、このデバイスを使用することができる。
デバイス100は、患者の医療に使用される医療記録データベースまたはその他のシステムなどのアプリケーションに対するアクセスを提供することができる。一例では、このデバイスは、通信ポート220を介して医療記録データベースに接続する。デバイス100は、オンライン化し、既存のデータベースを統合し、その他のウェブサイトにリンクする能力も有することができる。オンラインアクセスは、患者が医療情報に、介護者が、患者の健康を反映する最新の試験結果に離れた場所からオンラインアクセスすることも可能にする。
このデバイスは、患者または付き添いの医療提供者が、病院、医師の診察室、診療所、および患者の家庭で使用することができる。一実施態様では、本発明は、患者の家庭内で実施され、患者が、最適化された自身の治療法をモニタリングし、入院を要する不利な事象を防止することを可能にする。
このデバイスは、患者の状態に関する情報を提供し、指示またはその他の実施可能な情報を医療従事者および/または患者に提供することができる。与えることができる指示の例としては、利尿薬投与量を変更する、利尿薬を控える、別の利尿薬を導入する、介護者に連絡する、必要な処置計画を変更しない、水分摂取を変更する、カリウム補足を控える、カリウム補足を増加することが挙げられるが、これらだけに限らない。その目的は、患者の状態を追跡し、患者または介護者が行う適切な介入を通して、患者を安定した状態に導くことである。治療の決定のためのアルゴリズムは公知である。治療アルゴリズムの集合の一例は、以下に見られる:Healthcare Guideline;Congestive Heart Failure in Adults、臨床システム改善研究所、2003年7月発行;およびSilver M,Pisano C,Cianci P,Outpatient management of Heart Failure:Program development and experience in clinical practice、アドヴォケイトクライストメディカルセンター、オークローン、イリノイ州、Post Graduate Institute for Medicine 2003年、これらの各々は、その全体が参考として援用される
(決定点)
このデバイスは、特に、バイオマーカーレベルが患者の健康状態の変化を指示する場合、バイオマーカーの測定レベルに反応するように構成することができる。たとえば、このデバイスは、試験結果を記憶し、長期にわたるマーカーレベルの変化を決定するように構成することができる。長期にわたる結果の変化は、急激な変化または慢性的な変化がある。急激な変化は、短期間のバイオマーカーレベルの著しい変化が考えられる。変化および期間の大きさは、バイオマーカーごとに異なって良い。このデバイスは、各々の新しい試験結果と、最近の試験結果の記憶された値(たとえば、前の1、2、3、4、5件以上の結果)、または最近の試験結果の測定値の総計(平均など)とを比較して、急激な変化が生じたかどうかを決定するように構成することができる。一例として、急激な変化は、前の結果からの試験結果の変化率によって検出される。
慢性的な変化も検出することができる。慢性的な変化は、長期にわたって生じるバイオマーカーレベルの変化である可能性がある。たとえば、慢性的な変化が生じると、急激な変化が検出されない状態で多くの試験間隔が経過し、しかもバイオマーカーのレベルが有意に異なる状態になり得る。慢性的な変化を検出するため、デバイスは、各々の新しい試験結果と、前の試験の記憶された結果、または前の試験の測定値の総計とを比較することができる。慢性的な変化を検出するため、前の試験は、たとえば、新しい試験結果の4〜12週前で良い。一例として、測定値の総計は、定期的平均、たとえば4週間、8週間または12週間の定期的平均で良い。
このデバイスは、試験結果と記憶された閾値または範囲とを比較するように構成することもできる。閾値は、値の上限もしくは下限、または範囲で良い。したがって、このデバイスは、マーカーの測定値、またはマーカー群が安全なレベルであるか、危険なレベルであるか、または、非常事態を知らせるかを決定することができる。このデバイスは、試験結果について患者に注意を促し、適切な場合、医療を求めることを患者に指示するように構成することができる。
このデバイスは、マーカーの組合せ、たとえば2つのマーカーの平均値、2つのマーカー間のレベルの差、2つのマーカーのレベルの比率、または2つ以上のマーカーがそれぞれの閾値を同時に超えているかどうかを追跡するように構成することもできる。このデバイスは、1つまたは複数のマーカーを患者の徴候および症状に関連して追跡するように構成することができる。
このデバイスは、ある患者に対して個人化することができる。各々のバイオマーカーの閾値およびその他のパラメーターは、(たとえば、医師またはその他の介護者によって)、たとえば年齢、性別または疾患の状態など、患者の状況に基づいて調節することができる。デバイスが患者に提示する質問および反応も調節することができる。
デバイスが、バイオマーカーレベルの変化をどのように記録および検出し、検出された変化に反応するかの例を以下に示す。以下で言及するバイオマーカーの閾値およびレベルは制限的ではなく、すべての患者に適するわけではなく、例示のみのためのものである。
(左心室容積過負荷および心筋伸展のマーカー)
一実施態様では、このデバイスは、患者サンプル中のバイオマーカーBNPを測定するように構成される。このデバイスは、患者のBNPレベルを時間の関数として追跡し、BNPレベルの変化を検出することができる。この変化は、急激または慢性的である。BNPレベルの変化が検出された場合、デバイスは、患者に対して追加の入力の要求、または患者への指示で応答することができる
このデバイスは、患者のBNPのベースラインレベルを決定することができ、そのベースラインレベルと、BNPのその後の測定値とが比較される。ベースラインレベルは、患者の性別、年齢、体重および肥大度の影響に関するデータに基づいて設定することができる。ベースラインは、疾患の合併症の程度および患者の予後診断を考慮に入れて、患者に対して合理的な治療目標を設定するように改良することもできる。一連のBNPの測定値は、患者のベースラインを設定するために使用することができる。
たとえば、ベースラインは、一番最近の2回の試験結果の平均として定義することができ、最後の4回の試験から最大10%増加する(前のベースラインと比較して)。以下の試験結果は、計算から除外される:
・ 試験結果に急性症状のフラグがある
・ 計算に使用した2回の試験のうちある試験が、過去28日以前である
・ 最後の4回の試験が、4日以内に実施された。
一定の条件では、たとえばデバイスを最初に使用する場合(つまり、試験結果は記録されていない);デバイスがリセットされた後;またはベースラインの計算に使用された試験結果が、28日以前である場合、ベースライン値は使用できない。少なくとも4日間で4回試験することによって、初期ベースラインを計算することができる。ベースラインがこのように規定される場合、デバイスは、この最初の4日間における急激な悪化について警告することはできない。計算に使用された2つの値の一方が28日以前の値だった場合、さらに1回の試験を行ってベースラインを計算すると十分であるだろう。ベースラインは、可変ベースラインであり、一番最近の試験結果の値が変化すると変化する可能性がある。
このデバイスは、BNPレベルの急激な変化を検出し、適切な反応をするように患者に助言することができる。適切な反応を決定する基準は、患者のリスク因子を反映する可能性がある患者の初期BNPレベル;BNPレベルの変化率;急性症状の有無;およびBNP値の展開を含み、傾向を確認し、アッセイ対アッセイ、生理学的および統計学的変動を排除することができる。BNPレベルの急性の増加がデバイスによって検出された場合、デバイスは、急性症状の存在を患者に質問することができる。BNPレベルの増加に対して取るべき反応を患者に助言する場合、1つまたは複数の急性症状の存在は、決定的な要因になる可能性がある。急性症状としては、胸部疼痛(AMI);締め付けられるか、または押しつぶされるような胸部の感覚(AMI);頚部、左腕に広がる疼痛(AMI);発汗、吐き気または嘔吐(AMI、脳卒中、肺TE);意識消失;急性呼吸困難(AMI、代償不全、肺血栓塞栓症);運動時以外の動悸;横たわっている時の呼吸困難(右心代償不全);突発的な頭痛(脳卒中);および突発的な視力障害(脳卒中)を挙げることができる。たとえば、Harrisson T.R.等、Principles of Internal Medicine.McGraw Hill,Inc.1983年,1432−34&1353−58&2038−39、その全体が参考として援用される。患者が、何らかの急性症状が存在することを示した場合、このデバイスは、直ちに医療を求めるように患者に助言することができる。
BNPレベルが急激に増加するが、患者は急性症状を示していない場合、デバイスの反応は、BNPレベルの変化率および絶対BNPレベルによって決まる可能性がある。一般に、BNPレベルの増加率が大きく、絶対レベルが高い場合、患者の状態の悪化を指示し、デバイスは、直ちに医療を求めるように患者に促すことによって応答することができる。変化率が比較的小さく、絶対レベルが比較的低い場合、即座に医療上の注意を払う必要はなく、第2試験によってBNPレベルの変化が確認される。一実施例では、患者の疾患の重大度は、絶対BNPレベルによって、以下のように分類することができる(たとえば、Clerico A,等、Clin Chem Lab Med2002年4月;40(4):371−7;およびNomura H,等.J Am Geriatr Soc2002年9月;50(9):1504−9、これらの各々は、その全体が参考として援用される)。
・ <20pg/mL 健康
・ 20〜50pg/mL リスク因子1つ:高血圧または高齢
・ 50〜100pg/mL リスク因子2つ:高血圧、高齢、AMI後
・ >100pg/mL NYHAクラス1〜4の慢性心疾患患者。
BNPレベルの変化は、重大度ごとに分類することもでき、たとえば増加しない、10%未満の増加、10〜20%の増加、20〜30%の増加、30〜40%の増加、または40%以上の増加
第2試験は、アッセイ対アッセイまたは生理学的変動を排除することができ、その結果増加を確認する。第2試験は、予め決められた間隔後に行われ、増加の重大度に応じて異なってもよい(たとえば、第1試験の30分以内、60分以内、同日または24時間以内)。第2試験結果が、より低いBNP値である場合、第3試験を実行することができる。第3試験は、この場合の増加を確認するか、またはたとえば運動による20%を超える非病理学的な一時的上昇を排除することができる。
たとえば、BNPレベルが10%以下増加する場合(かつ、患者は急性症状を示さない場合)、デバイスは、第2試験を実行するように患者に促すことができる。第2試験は、翌日実施することができるか(たとえば、患者のBNPレベルが50pg/mL未満である場合)、またはそれ以前、たとえば30分後(たとえば、患者のBNPレベルが50pg/mL以上の場合)に実施することができる。BNPレベルが10〜20%増加した場合、デバイスは、たとえば第1試験から30分以内に第2試験を実行するように患者に促すことができる。BNPレベルが20%以上増加した場合、デバイスは、直ちに医療を求めるように患者に促すことができる。30%を超える増加は、虚血およびAMIまたは急性心臓代償不全を強く示しているものとみなすことができる。たとえば、Kyriakides ZS,等、ClinCardiol 2000年4月;23(4):285−8;およびNakamura T,等、J.Am.Coll.Cardiol.2002年5月15日;39(10):1657−63、これらの各々は、その全体が参考として援用される。患者のBNPレベルが増加しなかったか、または5%未満しか増加しなかった場合、デバイスは、予め決められた間隔、たとえば7日後に第2試験を実行するように患者に促すことができる。
デバイスは、第2試験の結果に応答することができる。第2試験が前の試験の翌日に実施される場合(たとえば、患者のBNPレベルが50pg/mL未満の場合)、デバイスは以下のように応答することができる。第2試験によって、BNPレベルがベースラインを20%超えることが明らかになる場合、患者は、直ちに医療を求めるように指示される。第2試験によって、BNPレベルがベースラインより0〜20%高いことが明らかになる場合、患者は、第3試験を実行するように指示される可能性がある。第3試験は、たとえば第2試験の翌日に実施することができる。第3試験が、患者のBNPレベルがベースラインより10%〜20%高いことを指示する場合、患者は、直ちに医療を求めるように指示される。しかし、第3試験によって、BNPレベルが、ベースラインより0〜10%高いことが明らかになる場合、ベースラインは、前のベースラインおよび第3試験の結果の平均に調節することができる。患者は、毎週1回など、定期的な試験計画を再開するように指示される。
第2試験が、前の試験から30分以内に実施される場合(たとえば、患者のBNPレベルが50pg/mL以上である場合)、デバイスは以下のように応答する可能性がある。第2試験結果が、ベースラインを20%以上超える場合、患者は直ちに医療を求めるように指示される。患者は、第2試験によって、BNPレベルがベースラインより0〜20%高いことが明らかになる場合、第3試験を実行するように指示される可能性がある。第3試験は、第2試験の30分以内に実施することができ(たとえば、第2試験結果がベースラインを10%〜20%超えた場合)、あるいは、第2試験の4時間以内に実施することができる(たとえば、第2試験結果がベースラインを0〜10%超えた場合)。第3試験が、患者のBNPレベルがベースラインより10%〜20%高いことを示す場合、直ちに医療を求めるように指示される。しかし、第3試験によって、BNPレベルがベースラインより0〜10%高いことが明らかになる場合、ベースラインは、前のベースラインおよび第3試験の結果の平均に調節することができる。患者は、たとえば毎週、定期的な試験計画を再開するように指示される。
(慢性的な変化)
このデバイスは、BNPレベルの慢性的な変化(つまり、患者の状態の変化を反映する、長期にわたって蓄積されるゆっくりとした変化)を検出することができる。慢性的な変化は、たとえばBNP値の定期的平均、たとえば定期的に2週間の平均の変化を観察することによって測定することができる。急性の増加を排除するため、または一時的な事象(たとえば、運動など)による変化を排除するため、増加が減少を上回っている少なくとも2週間にわたって明らかになる慢性的増加のみを慢性的増加として考慮することができる。慢性的増加は、長期にわたって(たとえば、1ヶ月)一貫している場合は小さく(たとえば、約10%)、あるいは、比較的短期(たとえば、2週間)の場合は大きい(たとえば、約20%)可能性がある。慢性的増加が発生したと結論する前に、アッセイ対アッセイの変動、生理学的上昇などによる増加を排除することは重要である可能性がある。そのためには、十分な試験結果を利用できなければならない。したがって、慢性的増加が疑われる場合、患者は、より多くの試験を実行するように指示される可能性がある。
定期的平均は、一定の時間枠内で実施された試験結果の平均である。たとえば、定期的2週間の平均は、前の15日間に記録された結果の平均であり、定期的4週間の平均は、前の29日間に記録された結果の平均であり、定期的12週間の平均は、前の85日間に記録された結果の平均であり得る。定期的平均を計算する場合、急性症状フラグで記録された何らかの試験結果(つまり、患者が試験の時点で急性の症状を示している試験結果)は排除することができる。一定の状況では、たとえばシステムを最初に使用する場合、システムをリセットした後、またはシステムが相当期間(たとえば、2、4または12週間)にわたって使用されていなかった場合、定期的平均を計算することはできない。少なくとも15日間にわたって毎週1回試験することによって(3つの試験結果)、最初の2週間の定期的平均を計算することができる。これは、デバイスが最初の2週間慢性的な悪化を警告できないことを意味する。
BNPレベルの慢性的増加が検出された場合、デバイスは、慢性症状の存在を患者に質問することができる。慢性症状の例は、一般に疲労の増加(心臓性能の低下);歩行距離または階段昇降の短縮(心臓性能の低下);慢性的な呼吸困難の悪化(右心代償不全、複数の肺血栓塞栓症);運動時以外の動悸;横たわっている時の呼吸困難の悪化(代償不全);両足または脚のむくみの悪化;または物忘れまたは麻痺または平衡障害を含む。患者が、いずれかの慢性症状の存在を示す場合、デバイスは、直ちに医療を求めるように患者に助言することができる。
BNPレベルが慢性的に増加するが、患者は慢性症状を示さない場合、デバイスの反応は、BNPレベルの変化率および絶対BNPレベルによって決まる。一般に、BNPレベルの増加率が大きく、絶対レベルが高い場合、デバイスは、患者の状態の悪化を示し、そして、直ちに医療を求めるように患者に促すことによって応答することができる。変化率が比較的小さく、絶対レベルが比較的低い場合、即座に医療上の注意を払う必要はなく、第2試験によってBNPレベルの変化が確認される。一実施例では、患者の疾患の重大度は、絶対BNPレベルによって、以下のように分類することができる。
・ <20pg/mL 健康
・ 20〜50pg/mL リスク因子1つ:高血圧または高齢
・ 50〜100pg/mL リスク因子2つ:高血圧、高齢、AMI後
・ >100pg/mL NYHAクラス1〜4の慢性心疾患患者。
BNPレベルの慢性的な変化は、変化の持続時間、たとえば2週間の定期的平均の変化、4週間の定期的平均の変化、またはより長期の変化、たとえば12週間の定期的平均の変化によって分類することもできる。これらの期間の各々では、BNPレベルの変化は、重大度ごとに分類することができ、たとえば増加しない、7.5%程度の増加、15%程度の増加、10%未満の増加、10〜30%の増加、30〜50%の増加、または50%を超える増加によって分類することができる。
たとえば、デバイスが、患者のBNPレベルの2週間定期的平均に小さい慢性的増加を検出し(たとえば、10%未満の増加)、患者は慢性症状を報告しない場合、デバイスは、予め決められた間隔、たとえば7日後に第2試験を実行するように患者に指示することができる。患者の2週間定期的平均BNPレベルに中度の増加(たとえば、10〜30%の増加)がある場合、デバイスは、予め決められた間隔の後、たとえば24時間または48時間以内に第2試験を実行するように患者に指示することができる。大きい増加(たとえば、30〜50%)、および小さい絶対BNPレベル(たとえば、50pg/mL未満)によって、デバイスは、予め決められた間隔の後、たとえば24時間または48時間以内に第2試験を実行するように患者に指示することができる。デバイスは、2週間定期的平均に著しい増加(たとえば、50%を超える)を検出した場合、直ちに医療を求めるように指示することができる。
第2試験結果が、前の2週間定期的平均より高いBNPレベルである場合、デバイスは、直ちに医療を求めるように患者に指示することができる。一方、第2試験結果が前の結果より低い場合、デバイスは、BNPレベルが前のレベルに戻るか、またはBNPレベルが増加し、その結果、直ちに医療を求めるように患者に促すまで、追加の試験を実行するように患者に指示することができる(たとえば、毎日1回の試験)。BNPレベルが前のレベルに戻らないか、または1週間以内に増加する場合、デバイスは、直ちに医療を求めるように患者に促すことができる。
4週間定期的平均に小さい増加(たとえば、15%未満の増加)が見られ、患者は慢性症状を報告していない場合、デバイスは、予め決められた間隔の後、たとえば7日後に第2試験を実行するように患者に指示することができる。4週間定期的平均に大きい増加(たとえば、15%以上の増加)が見られる場合、デバイスは、患者の医療提供者に報告するように患者に指示することができる。
12週間定期的平均に小さい増加(たとえば、7.5%未満の増加)が見られ、患者が慢性症状を報告していない場合、デバイスは、予め決められた間隔の後、たとえば7日後に第2試験を実行するように患者に指示することができる。4週間定期的平均に大きい増加(たとえば、7.5%以上の増加)が見られる場合、デバイスは、患者の医療提供者に報告するように患者に指示することができる。
デバイスが使用するパラメーター(すなわち、BNPレベルの変化率、絶対BNPレベルの値、患者のメッセージなど)は、変更することができる。たとえば、医師またはその他の医療提供者は、所望のレベルまで医療を求めるように患者に促す必要があるBNPレベルの急激な増加の値を調節することができる。このようにして、デバイスの動作は、医師の好みに応じるか、または特定の患者または患者群の必要性に応じて調整することができる。
(腎機能のマーカー)
以下は、一例として、バイオマーカーのクレアチニンを使用する。日常の医療に使用を認められた方法は、CockroftおよびGaultの方程式によ調節を使用したクレアチニン基準である。クレアチニンは、容量の状態に関する重要な情報を提供し、薬剤(たとえば、ACE阻害薬)の最適化場合に、理想的には患者の治療全体を通して患者内で追跡するべきである。試験は、患者または医療提供者が毎日、適切な試験間隔で、あるいは特定の徴候および症状が発症した時点で行われる。血清クレアチニンが0.05〜0.5mg/dL増加した場合、容量の状態の再評価を指示する。腎機能は年齢と共に低下し、多くの高齢患者の糸球体濾過率は50mL/分未満である。さらに、上記のとおり、クレアチニンの濃度が早期に<30%増加することは、患者がACE阻害薬を投与された場合に予想される。たとえばクレアチニンを使用したGFRのモニタリングは、これらの患者には重要である。
さらに、BNPを使用して、薬理学的治療の最適化を案内する場合、GFRの概算は、脱水状態を防止する上で重要である。GFRの「活動レベル」(たとえば、腎灌流の著しい低下を規定するレベル)は、医療従事者および/または患者が、長期にわたるGFRの変化度および絶対レベルに応じて再定義された介入に従うことを要求する。介入は、利尿薬投与量を変更する、利尿薬を控える、別の利尿薬を導入する、水分摂取を変更する、カリウム補足を控える、カリウム補足を増加する、医療従事者に連絡する、救急部に紹介するなどを含む。上記のとおり、GFRの別法によるマーカー、たとえばシスタチンCを使用することができる。
腎機能は、予後診断マーカーとして使用して、長期間の患者の健康状態に関する情報を提供することもできる。腎機能の基準の予後値(たとえば、クレアチニンまたはシスタチンCの測定値によって決定されるGFR)は、腎機能の使用に関係なく、短期間(たとえば、利尿薬使用時)の水分補給をモニタリングすることができる。ある期間に関して決定された腎機能の平均的な基準は、予後診断目的に使用することができる。たとえば、Koenig W,等、Clin Chem.10.1373/clinchem.2004年.041889 2004年11月;およびGottlieb SS,等、J Card Fail.2002年6月;8(3):136−41参照。これらの各々は、その全体が参考として援用される
(心筋アポトーシスまたは損傷のマーカー)
離れた環境において頻繁な試験を行って、トロポニンなどの心筋アポートシスまたは損傷のマーカーを測定することは、臨床上有用である。試験は、患者または医療提供者が、適切な試験間隔で、または特定の徴候および症状が発症した時点で毎日実行する。
(炎症のマーカー)
離れた環境における炎症のマーカーの測定は、臨床上有用である。炎症のマーカーは、たとえばE−セレクチン、P−セレクチン、細胞内接着分子−1、血管細胞接着分子−1、ノーリン−1、インターロイキン−1β、インターロイキン−6、インターロイキン−8、インターロイキン−10、腫瘍壊死因子−α、高感度CRP、好中球、または白血球数を含むことができる。試験は、患者または医療提供者が、適切な試験間隔で、あるいは特定の徴候および症状が発症した時点で毎日実行する。
(貧血のマーカー)
離れた環境において頻繁な試験を行って、ヘモグロビンまたはヘマトクリットなどの貧血のマーカーを測定することは、臨床上有用である。試験は、患者または医療提供者が、適切な試験間隔で、あるいは特定の徴候および症状が発症した時点で毎日実行する。
(心筋虚血のマーカー)
慢性的な心筋虚血は、心筋収縮障害および心不全の主な原因である。虚血マーカー(たとえば、虚血変性アルブミン、酸素ストレスペプチド、および遊離脂肪酸)は、早期壊死マーカー(たとえば、ミオグロビンまたは脂肪酸結合タンパク質(H−FABP)よりも迅速な放出特性を有する。試験は、患者または医療提供者が、適切な試験間隔で、あるいは特定の徴候および症状が発症した時点で毎日実行する。
(電解質平衡のマーカーおよびナトリウム貯留のマーカー)
電解質平衡およびナトリウム貯留のレベルは、血清中のナトリウムおよびカリウムイオン濃度のレベルを測定して決定される。これは、イオン選択電極を使用して都合良く行われる。
(使用例)
診断キットは、離れた場所の医療環境(たとえば、患者の家庭、老人ホームなど)で使用することができる。
(1.治療の最適化)
(1.1 利尿薬を使用した患者の体液平衡の標準化)
BNPレベルは、患者の体液平衡が正常に戻ると低下する。1つの利尿薬(たとえば、ループ利尿薬)で適切な利尿が行われない場合、第2の利尿薬が必要である(たとえば、チアジド利尿薬)。腎機能および電解質平衡は、入念にモニタリングする必要がある。BNPレベルは、安全な体液平衡を達成する唯一のマーカーとして使用することはできない。
(1.2 ACE阻害薬の導入)
ACE阻害薬は、主に血管拡張効果により予後診断を改善する。患者は、腎機能不全および低血圧の高いリスクを有し、その結果、投与量不足および利用不足を生じる。
腎機能障害は、利尿薬投与量を元に戻すことによって逆転させることができ、ACE阻害薬投与量の用量設定を減少させる必要はない。
ACE阻害薬の用量設定を増加した場合に腎機能をモニタリングすることによって、医師は腎機能について妥協しないで済む。
投与量は、1〜4週間で用量設定を増加して、目標投与量を達成するべきである。利尿薬を減少させるか、または現在の投与量を長期にわたって維持することによって克服できない不利な事象が生じた場合、別法による薬物を使用するべきである(たとえば、アンギオテンシンII受容体遮断薬(ARB)および/またはヒドララジン/イソソルビドジニトラート)。
効果的な治療は、BNPを徐々に低下させる。GFRマーカーの測定は、腎臓の潅流の減少を特定するであろう。BNPの突然の増加は、容積過負荷を示す。
(1.3 β遮断薬の導入)
上記のとおり、β遮断薬は、心臓に対するアドレナリン活動の過度な連続的増加の有害な影響を低下させ、心室構造および機能を改善する。収縮性は、最初に一的に減少する。
しかし、β遮断薬は心拍数および血圧も低下させ、その結果、入念な導入および用量設定の増加が必要である。β遮断薬の用量設定の増加は、容積過負荷が見られる場合は遅らせる。
最初の投与量は、許容される場合、2〜4週間ごとに用量設定を増加する必要がある。患者は、低血圧、体液貯留および徐脈をモニタリングされなければならない。これらのいずれかが持続する場合、投与量は、許容されるまで減少させ、次に、再び、よりゆっくりと増加させる。
効果的な治療によって、BNPは緩やかに低下する。BNPの突然の増加は、容積過負荷を示す。
(2. 治療の維持)
目標薬物レベルが達成されたと仮定して、患者は、通常、体重を毎日追跡する責任を負い、適切な食餌療法に従うように要求される。患者によっては、利尿薬の責任が認められ、たとえば、急激な体重増加は、利尿薬投与量の用量設定を1日程度増加することで相殺することができる。診断は、以下のために使用される:
i)代償不全の発症を検出する
ii)利尿薬/水分/塩分を管理して、「正常な体液平衡」を維持する
iii)快適な生活を強化し、遵守を促進するために、ある「数」を患者に与える。
ACE阻害薬の導入によって生じる腎機能の変化は許容可能であり、実際、ACE阻害薬は腎臓に対して有利な影響を有する。しかし、GFRについては、i)ACE阻害薬が腎機能に与える影響を評価し、ii)利尿薬の過度な使用による脱水症状の徴候を追跡するために、厳密に追跡する必要がある。
合成BNP(たとえば、ネシリチド)を治療の一部として受ける患者は、モニタリングすることができる。合成BNPは、緊急の治療として(つまり、緊急の事象に応じて)投与されるか、または慢性的な治療(つまり、慢性的な状態の治療)として投与される。特に、患者固有のBNP生成は、患者のN−BNP(プロBNPの不活性のN末端部分)を測定することによって測定することができる。成BNPは、N−BNPを含まない。したがって、N−BNPは、患者のBNP生成のマーカーであり、合成BNPの投与による影響を受けない。
(3.運動トレーニングの追跡)
患者によっては、運動トレーニングは、心臓の健康を改善する。しかし、トレーニング計画は、過度の運動を防止するように調整しなければならない。このデバイスは、たとえば運動の頻度および期間を記録することによって、患者のトレーニング計画を追跡することができる。この記録は、患者によって、たとえば日付け、時間および運動の説明を含むログとして、またはデバイスは、運動機器の部分、たとえばトレッドミルに接続し、機器の部分から直接記録を作成することができる。
運動の追跡は、バイオマーカーを使用する実際の心臓機能の測定に関連して行われる。たとえば、短期および長期のバイオマーカーの変化は、患者が運動トレーニングにどのように首尾よく反応するかに関する情報を提供することができる。
このデバイスは、運動に対する指示および注意を患者に与えることができ、運動時および運動後の徴候および症状に関して、患者に質問することができる。たとえば、患者の症状が運動後に悪化した場合、このデバイスは、運動の頻度および強度を低下させるように提案するか、または医療提供者に知らせることができる。患者の健康状態が運動によって改善している場合、デバイスは、運動の頻度および強度を増加するように提案することができる。医療提供者は、患者の運動の記録をデバイスから取得することができる。
その他の実施態様は、以下の請求の範囲の範囲内である。
図1は、診断デバイスおよび関連のテストカートリッジを示す図面である。キット。

Claims (11)

  1. 病院環境外で患者の健康に関する情報を提供する1種以上のバイオマーカーのレベルを試験および記録するためのデバイスであって、該デバイスは、以下:
    a)患者からのサンプル中で、左心室容積過負荷もしくは心筋伸展のマーカー、心筋アポトーシスもしくは損傷のマーカー、心筋虚血のマーカーから選択される第1バイオマーカーと、腎機能のマーカーである第2バイオマーカーとを測定するように構成されたテストカートリッジ、
    b)該測定したバイオマーカーの試験結果を提供するための検出器、
    c)該患者に情報を提示するためのディスプレイ、
    d)該ディスプレイ上に提示される情報に応答して該患者がデータを入力することを可能にするための入力領域、および
    e)該試験結果の医療提供者への通信を可能にする通信ポート
    を備え、ここで、該デバイスは、該バイオマーカーのレベルが閾値を超えるか、または、該患者が急性症状が存在することを示す場合に、該患者に対して医療を求めるよう指示を提供するように構成され得る、デバイス。
  2. 前記第1バイオマーカーがナトリウム利尿ペプチドである、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記第2バイオマーカーがクレアチニンまたはシスタチンCである、請求項1または請求項2に記載のデバイス。
  4. 前記第1バイオマーカーおよび前記第2バイオマーカーのレベルの測定結果を記憶し得るメモリをさらに備える、請求項1、2または3に記載のデバイス。
  5. 前記デバイスが、前記第1バイオマーカーのレベルの測定結果と、記憶された結果とを比較するように構成される、請求項4に記載のデバイス。
  6. 前記メモリがさらに、前記第1バイオマーカーのレベルの閾値を記憶し得る、請求項4または請求項5に記載のデバイス。
  7. 前記デバイスが、前記第1バイオマーカーのレベルの測定の試験結果と前記閾値とを比較するように構成される、請求項6に記載のデバイス。
  8. 前記デバイスが、前記第1バイオマーカーのレベルが前記閾値を超える場合に、前記患者に対して処置計画を変更するよう指示するように構成される、請求項6または請求項7に記載のデバイス。
  9. 前記デバイスが、前記第1バイオマーカーのレベルが前記閾値を超える場合に、前記第2バイオマーカーを測定するように構成される、請求項6〜8のいずれか1項に記載のデバイス。
  10. 患者への質問に対する応答を提供するための入力デバイスをさらに備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載のデバイス。
  11. 前記通信ポートがさらに、前記医療提供者から情報を受信するように構成される、請求項1〜10のいずれか1項に記載のデバイス。

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