JP2007532888A - 製造された歪みセンサ - Google Patents

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Abstract

歪みセンサをポリマ・フィルムから形成する方法は、ポリマの表面を高エネルギ放射でもって選択的に放射して、ポリマの組成を変え、且つ表面の選択された部分の導電率を増大するステップを含む。当該放射は、炭化した粒子又は金属性粒子をポリマ内に生成し、そしてポリマ内の導電性粒子間の粒子間ギャップの変化が、歪みに依存する電気特性を、処理されたポリマの中にもたらす。

Description

本発明は、歪みセンサに関し、詳細には、製造が容易で、且つ歪みを受ける構造の連続的モニタリングに用いることができる超小型歪みセンサに関する。
ポリマ歪みゲージが、提案されてきた。
WO96/19758は、歪みゲージのような圧力トランスデューサであって電気抵抗が印加された圧力を示す圧力トランスデューサの製造に用いることができる感圧インクの調製を開示する。インクは、弾性ポリマとこのポリマ・バインダの中に均一に分散された半導体ナノ粒子との合成を有する。
米国特許No.5581799は、導電性繊維を含むコンクリート構造物用歪みセンサを開示する。
米国特許No.6079277は、炭素フィラメントのマトリックスを有する高分子複合材料から成る歪み又は応力センサを開示する。
米国特許No.6276214は、導電性の粒子−高分子錯体を用いた歪みセンサを開示する。カーボン・ブラックが、エチレン酢酸ビニル共重合体の中に分散されて、導電性ポリマ・マトリックスを生成する。
これら全てのポリマ・センサは、導電性粒子を調製し、次いでフィルム製作が続く溶解又は溶融処理によりそれらの導電性粒子をポリマの中に組み込むことにより製造される。次いで、この構成材は、絶縁支持部材上に張り合わされ、そしてモニタリングすべき機械的構造体に埋め込まれる。電気的リード線をセンサに接続する必要がある。導電性フィルムの抵抗の変化に依拠するポリマ歪みゲージは、通常、満足できなく、そしてヒステリシスに起因して長い実用寿命を持たない。一般的に、金属の歪みゲージが好まれている。
WO0223962は、導電性パターンを絶縁基板上に形成するレーザ放射プロセスを開示する。
JP2000216521は、レーザ放射により印刷回路板の回路をパターニングすることを開示する。
米国特許No.5,900,443は、高エネルギ粒子ビームを用いた放射により生成される近表面(near surface)処理プロセスを扱う。当該プロセスは、パルス化されたイオン・ビームを用いて実行されるのが好ましい。当該プロセスが、ポリマ表面の化学的及び機械的特性を変える。イオン・ビーム放射は、処理された範囲におけるポリマの架橋、熱分解、エッチング又は研磨のような様々な効果を有することができる。しかしながら、ポリマの導電率に関する言及はない。
本発明の目的は、大量に生成される歪みセンサを容易に形成するための比較的少ない製造ステップを有するプロセスを開発することにある。
この目的のため、本発明は、歪みセンサをポリマ・フィルムから形成する方法であって、前記のポリマの表面を高エネルギ放射でもって選択的に放射して、導電性粒子を前記ポリマの中に形成して、前記表面の選択された部分の導電率を増大するステップを含む方法を提供する。
本発明は、ポリマの変化、特に、ポリマの中の導電性粒子間の粒子間ギャップの変化が、歪みが処理されたポリマの中の電気特性に依存することをもたらすという認識に部分的に基づいている。
マイクロエレクトロニクス・デバイスで通常用いられる適切なクラスのポリマは、ポリイミドである。ポリイミドが(1014から1017イオン/cmのオーダの)必要なフルエンスの放射を介して高エネルギイオン(例えば、12C、19F、32S、63Cu、Xe、He、N、Ne、Kr等のようなもの)を受けたとき、導電性炭素粒子が、ポリイミド・マトリックスの中にランダムに発生され、従って、炭素−ポリイミドのナノコンポジットが、直ぐに形成される。
3つの段階が、この放射プロセス中に生じる。
・最初の段階では、局在化されたポリマ分解が、ダングリング・ボンド及び遊離基を生成する。
・第2段階では、気体状生成物が、ダングリング・ボンドのπ共役型ボンド(π−conjugated bond)の或る種類の無秩序なネットワークへの再編成を伴ってポリマから遊離する。
・第3の段階では、残留物質を放射領域内で再結晶化し、金属黒鉛クラスタを形成する。
そのようなコンポジット(複合材料)が、可変レンジ・ホッピング(range hopping)/トンネリング・メカニズムを通して増強された導電率を示すことが知られている。導電率特性は、炭素粒子密度と炭素粒子間の距離とに依存し、それは、フルエンス、イオン電流及びイオン・エネルギのような放射パラメータをモニタリングすることにより制御されることができる。コンポジット構造の導電率は、絶縁範囲と金属範囲との間の広い範囲(10−18から10S/cm)で制御されることができる。
これらの導電性炭素−ポリイミド・コンポジットは、良好な安定性を有することが報告されており、そしてこれらのコンポジットの経年変化(エージング)は、殆ど変わらないことが分かっている。
そのようなシステムの導電率特性(温度依存性/変形依存性/電圧依存性等)は、炭素粒子サイズ、炭素粒子の濃度、及び粒子間距離に依存する。本発明においては、炭素−ポリイミド・ナノコンポジット・フィルムの電気特性の変形に依存した変化(それは、変形プロセス中に生じる粒子間ギャップの変化に決定的に依存する。)は、歪みセンサをこれらのフィルムの応用として達成するため活用される。
歪みゲージ・デバイス用の放射生成されたナノコンポジット・フィルムの構想は、多数の実質的な製品及び製造プロセスの利点を与える。
1.最も重要なことでは、処理ステップを相当低減することができる。もはや、ナノ粒子は、処理され、安定化され、ポリマに組み込まれ、薄いフィルムの中に分散される必要がない。導電性粒子が、放射で誘発された局在化された炭化プロセスに起因してその場所に形成される。粒子サイズ及びその濃度は、イオン・フルエンス及びイオン電流をモニタリングすることにより制御される。
2.ポリイミド・フィルム内の規定された厚さの層は、放射貫通深さを制御することにより放射され、残りのポリイミド・フィルムをその機械的及び電気的特性に関して影響を受けないままにしておくことができる。この特徴は、従来実行されているように、ナノ粒子をフィルム材料又は前駆体に組み込んで混合することによっては達成できない。ここに、導電性コンポジット・フィルム及び絶縁支持部材を1つの同じポリイミド・フィルムに有する利点がある。
3.放射による金属化合物及び複雑な分解を介して金属ナノ粒子をその場所に形成することが可能であり、それは、放射パラメータの選択を通して、ポリマ分解及び炭素ナノ粒子の形成なしに行うことができる。フィルム内の質量輸送機構を採用して、拡散及び粒子サイズの成長を制御することができる。
4.炭素又は金属のナノ粒子を形成する放射プロセス内で歪みセンサを直接にマイクロ・パターンニングすることが可能である。従って、ナノコンポジット・フィルム形成及びマイクロ・パターニングが、例えば、単一のステップの製造プロセス、マスクされた又は空間的に指向された放射とすることができる。
本発明で用いられる典型的なイオン・ビーム放射プロセスは、論文に報告されている。
1.ファンデグラフ・タンデム加速器からの30から60MeVのエネルギ範囲で12C、19F、32S、63Cu等のイオンを用いて、ポリイミド・フィルムを放射した。ビーム電流は、S及びCuイオンに対して30nAに、そしてC及びFイオンに対して100nAに制限された。イオンがサンプルを透過されるように、薄い7.5及び12.5μmのポリイミド・フィルムを用いた。イオンは、軌道に沿った電子の減速プロセスにより、当該イオンのエネルギをポリイミド・マトリックスへ放つ。達成された導電率は、最大10S/cmであった。(Salvetat他、物理学(Phys.)レビュー(Rev.)B55(1997年)6238)。
2.Xe、He、N、Ne、Krのイオンを100から700KeVのエネルギ範囲で且つ1016から1017の範囲のフルエンスで用いた。達成された導電率は、0.0005から350S/cmである。(Davenas他、UMR、CNRS(NIMB 32(1998年)136)。前の著者におり用いられた他のイオンは、イオン化されたB、Ne等である。
また、代替の放射源、UV(270−380nmのKrFレーザ)を用いるプロセスが本発明に適している。
用いた強度は、10−1000kW/cmの範囲であり、そして達成された導電率は、25S/cm程の大きさである。これらの研究グループからの結果は、次の通りである。
1.Feurer他(応用物理A:固体及び表面(Applied Physics A:Solid and Surfaces)56巻(1993年)275)はまた、KrFレーザで誘発された導電率について報告する。それらの実験では、著者が用いた典型的なレーザ・パラメータは、5Hzの繰り返し率で40−80mJ/cm−2のフルエンスであった。ショットの臨界数(critical number of shots)Nとほぼ1000ショット後に達成した導電率の大きさのオーダとの両方は、フルエンスに依存する。約40mJ/cmのフルエンスに対して、Nは、270である。飽和導電率は、1000ショットより上では、80mJ/cmのフルエンスに対して約0.1S/cm乃至10S/cmに達する。エキシマ・レーザは、ポリイミドの抵抗率(比抵抗)を16次の大きさで恒久的に変えることが可能である。
2.連続UV(275−363nm)は、その強度10−100kW/cmが最大90cm/sの速度でポリイミドのフィルムの表面に導通パターンを書くことができ、且つ20−25S/cmの導電率を達成するようにスポット上に焦点合わせされた(15マイクロメートルの細い線又は最大2cmの均一面積の線を生成することができる。導電率は、何月も劣化しなかった(合成金属(Synthetic Metals)66(1994年)301、Chem.Mater.6(1994年)888UV tech Associates(ニューヨーク)(Srinivassan他)。
3.Phillips他による1993年論文(App.Phys.Lett、62(1993年)2572)は、サブミクロン(サブマイクロメートル)の空間解像度を有する恒久的導通周期構造を作ることを示す最初の論文であると主張する。KrFレーザ(248nm)をこの研究で用いている。(或る一定のスレッショルド・フルエンス(約20mJ/cm)より上でのポリイミドのレーザ放射は、10nmあたりの平均直径を有する炭素リッチ材料(carbon rich material)の局在化されたクラスタを生成する。或る一定数のショット後に、これらのクラスタは、相互接続されるようになり、そして導電率は、金属絶縁物パーコレーション相転移を受ける。バルク・サンプルが、40mJ/cmの均一フルエンスで2100レーザ・ショット放射された。測定された抵抗は、15オーム・cm・マイクロメートルに対応する310キロオームであった。)。
用い得る他の種類の放射源は、次のとおりである。
ガンマ線 10から10
プロトン 1−10Gy/sで7.7MeV
電子ビーム 900keV。
現在提案されているプロセスによる歪みセンサの製造に必要とされるプロセス・ステップが、図1に示されている。
1.薄い非常に均一なポリイミド・フィルム(15−50マイクロメートル)の製造/又は商業的入手可能な予め製造されたフィルムの調達
2.ポリイミドを選択的に放射するための適切なマスクの設計
3.炭化がマスクされてない範囲のみで、且つフルエンス、エネルギ及びイオン電流により決定された深さまでに生じるようにフィルムを所定のフルエンス及びイオン電流でもって放射する。
4.また、電極形成のための導電路(conducting tarck)を、異なる組のフルエンス及びイオン電流値を用いた同じ放射プロセスにより達成することができる。
5.これを検査中の機械的構造体上に直接置くことができる。
従って、歪みセンサをポリイミド・フィルム上に製造するため、当該フィルムの上側表面は、導電性歪みセンサ・パターンの形成のため適切なマスクを通した放射プロセスを施すべきである。放射パラメータの制御は、ポリイミド・フィルムの下側部分が放射による影響を受けないようにすることを可能にする。フィルムのこの部分は、支持ベース(基部)として働く。これは、研究しなければならない機械的構造上に歪みセンサを直接埋め込むことを可能にする。
以下は、特定の値の導電率をもたらす特定の放射パラメータの例である。
1.Terai及びKobayashi(NIMB166−167(2000年)627)
ポリイミド(PI)フィルムを用いた: 14μm厚さのものを2×2cm正方形にカットし、1cm×1cmの範囲のみをアルミニウム・マスクを用いて放射した。
放射パラメータ: Ni3+が4MeVまで加速し、そしてビームは、フルエンスが全ての放射範囲で同じであるように走査された。放射フルエンスは、3.5×1012から1.0×1016cm−2で且つ10−5Pa下で電流密度100μAcm−2であった。試料の背面側の温度は、50℃未満であった。
導電率: それらのデータは、1015cm−2の典型的なフルエンスで、100−1000オームのシート抵抗を達成していることを示す。
Ni原子の深さ分布: ポリイミド試料での平均イオン・レンジは、3μmであった。
2.Davenas、Boiteux及びXu、NIMB32(1988年)136
PIフィルムを用いた: 詳細無し
放射パラメータ: 1.5MeVと500keVとの間の異なるエネルギで電流密度0.5μA/cmのXeビーム及びフルエンスが1015から1017Xe/cmのオーダで用いられた。
導電率: 得られたシート抵抗は、50オームと1000オームとの間であった。0.5MeVに対して、1000オームが得られた(1017Xe/cm)。0.7MeVに対して、100オームが得られた(1017Xe/cm)。
3.DeBonis、Bearzotti及びMarletta、NIMB151(1999年)101
PIフィルムを用いた: 1.3マイクロメートルのフィルムが、5インチ・ウェーハ上にスピン・コーティングされた。
放射パラメータ: 高電圧イオン注入装置(ion implanter)により1014から1015で600keVのArイオンで放射した。イオン電流は、100nAより下であった。イオンの投射レンジは、0.7μmであった。
導電率: 電流電圧測定を行った。1015イオン/cm−2で放射したとき、380オームが得られた。
4.Feurer、Sauerbrey、Smayling及びStory、App.Phys.A56(1993年)275
PIフィルム: 50マイクロメートル厚のカプトン(Kapton)(登録商標)を用いた。
放射パラメータ: KrFレーザを放射プロセスのため用いた。注入を制御したKrFで放射し、当該KrFは、30ns(FWHM)パルスを0.5Hzと8Hzとの間の繰り返し率で両方向に放出した。また、サンプルを10回転/分の速度で回転した。
導電層の深さ:50nm厚の導電層が形成された。
導電率: 20mJ/cm−2のフルエンス・スレッショルドより上で、導電率は、臨界数のショット後に絶縁体−導体転移を呈する。40mJ/cm−2を5Hzのレーザ繰り返し率で用いた場合、10−4S/cmの導電率値(1000オーム−cmのオーダの抵抗率(比抵抗))が、1000ショット後に達成される。
製造事例
均一な厚さのポリイミドの薄いフィルム(thin film)の製造:
nメチル2ピロリドン(NMP)溶媒の中のベンゾフェノン・テトラカルボキシリック・ジアンヒドリド及び4,4’−オクシビスベンゼナミン(BPDA−ODA)のポリアミド酸をフィルム製造のため用いた。NMP溶媒中のポリアミック・アシドの薄いフィルムを、石英、ガラス又はシリコン・ウェーハのような平坦な基板上にスリップ・キャスティングして形成した。次いで、当該フィルムを100℃で乾燥し、そして180−300℃の温度範囲で且つ不活性雰囲気でキュア(養生)し、強固で応力が残留してないポリイミドの薄いフィルムを得た。その結果得られたフィルムは、平滑な表面及び均一な厚さを持った。これらのフィルムの厚さは、用いたポリアミック・アシド溶液の粘度を制御することにより50−100μmの範囲に調整された。
ポリイミド・フィルムの放射:
次いで、フィルムは、サンプル・ホルダに置かれ、そしてファンデグラフ・タンデム加速器の高エネルギ・イオン・ビームと交差するよう位置決めされた。サンプル・ホルダは、金属で作られており、放射プロセス中に発生した熱を一様に放散するのを可能にし、こうして局在化された熱により誘発される損傷を最小にする。スリット幅を適切に操作することにより、高エネルギ・イオンの並列ビームを所定の範囲内のポリイミド・フィルムの表面に衝突させることを可能にした。以下で説明する例では、暴露の範囲は、8mm×8mmの正方形であった。
採用した放射パラメータ:
これらのフィルムは、19Fのようなより軽い元素のイオン及び63Cuのような重いイオンを用いて放射を受けた。ポリイミド・フィルムを放射するため用いられたこれらのイオンのエネルギは、5MeVと60MeVとの間であった。従って、イオンの貫通深さは、低いエネルギのイオンに対する5マイクロメートルから高いエネルギのイオンに対する20マイクロメートルまで変わった。用いたビーム電流は、19Fのような軽い元素のイオンに対しては10から100nAの範囲であり、63Cuのような重い元素のイオンに対しては5から50nAの範囲であった。
放射されたポリイミドの薄いフィルムの電気特性について:
1.0mm幅で5mm長さの放射部分を含むポリイミド・フィルムのストリップ(細片)について電気測定を行った。これらのフィルム・ストリップに対するオーミック・コンタクト(オーム接触)には、スパッタリングされた金パッチが設けられた。
5.5MeVの63Cuイオンを採用したとき、室温(25℃)での電気抵抗値は、1.2×1014イオン/cmフルエンスに対する2×107オームから1×1015イオン/cmフルエンスに対する1×10オームまで変わった。図2は、放射されたポリイミドの薄いフィルム・ストリップについて25℃で測定されたフルエンス依存の電気抵抗値を示す。温度依存電気抵抗測定値は、フルエンスを1×1015イオン/cm未満に制限したとき半導性の挙動を持ったことを示す。図3は、5.38×1014イオン/cmのフルエンスで放射されたポリイミドの薄いフィルム・サンプルについての温度依存性の電気抵抗変動を示す。電荷輸送のための活性化エネルギが、このフィルムについて37.2MeVであると計算された(図4)。
放射されたポリイミドの薄いフィルムのマイクロメカニカル及び電気機械特性について:
放射されたポリイミド・フィルムは、最大7000マイクロストレイン値(微少歪み値)(microstrain values)の優秀な再現性のあるマイクロメカニカル特性を示した。図5は、放射されたポリイミドの薄いフィルムについて得られた静的応力−歪みのプロットを示す。マイクロメカニカル測定は、ヤング率値が放射されてないフィルムについて得られた2.4から2.5GPaと比較して、これらの放射されたポリイミドの薄いフィルム・サンプルについては3.1GPaまで増大したことを示した。
マイクロメカニカル測定を3mm長さで1mm幅の寸法の放射されたポリイミドのストリップ・サンプルについて行った。フィルムの厚さが100マイクロメートルであることを測定した。これらのフィルムについて得られた典型的なゲージ率は、歪みの印加と共に前進的に上昇し、例えば、ゲージ率は、500マイクロストレインの値に対して200であり、そして2000マイクロストレインの値に対して400まで前進的に上昇した。図6は、4.0×1014イオン/cmのフルエンスで放射されたポリイミド・フィルム・ストリップについての典型的な電気機械応答を示す。この歪みセンサ素子について得られたゲージ率は、約400である。当該ストリップの電気抵抗は、21キロオーム(歪まされていない状態に対して)から2000マイクロストレインが印加されたときの38キロオームまで増大した。
放射されたポリイミドの薄いフィルムについての電子顕微鏡調査:
エネルギ5.5MeVを有する63Cuイオンを採用したとき、放射により誘発された効果を、走査電子顕微鏡調査から確認されたように最大10マイクロメートルの深さまで見ることができた。この10マイクロメートルの値は、7−8マイクロメートルであるポリイミド・フィルムでの5.5MeV63Cuの計算された貫通深さに近い。
現在既知の製造プロセスにおいては、導電性コンポジット歪みセンサを変形特性を調査すべきである構造上に埋め込むことができる前に当該導電性コンポジット歪みセンサを絶縁性の支持部材上に載置しなければならないので、この新しく提案された方法は、歪みセンサの製造を単純化する。
図1は、本発明の一実施形態で用いられる製造ステップを示す。 図2は、フルエンス値を増大した場合の放射されたポリイミドの薄いフィルムの25℃における電気抵抗の変動を示す。 図3は、5.5MeVのCu3+イオンの5.38×1014イオン/cmのフルエンスで放射されたポリイミドの薄いフィルムの温度依存性の電気抵抗の変動を示す。 図4は、5.5MeVのCu3+イオンの5.38×1014イオン/cmで放射されたサンプルに関する活性化エネルギのプロットを示す。 図5は、5.5MeVのCu3+イオンで放射されたサンプルについて得られた典型的な静的応力−歪みのプロットを示す。 図6は、5.5MeVのCu3+の5.38×1014イオン/cmで放射されたサンプルの典型的な電気機械的挙動を示す。

Claims (8)

  1. ポリマの表面の一部分を1×1015イオン/cm未満で放射された当該ポリマから成る歪みセンサであって、
    導電路が、前記歪みセンサを外部の電気回路に接続するのを可能にするため前記の処理された一部分上に被着されている、歪みセンサ。
  2. 前記ポリマが、ポリイミド・フィルムである請求項1記載の歪みセンサ。
  3. 歪みセンサをポリマ・フィルムから形成する方法であって、
    前記ポリマの表面を高エネルギ放射でもって選択的に放射して、前記ポリマの組成を変え、且つ前記表面の選択された部分の導電率を増大するステップを含む方法。
  4. 前記高エネルギ放射が、前記のポリマを炭化させて、導電性粒子を前記のポリマ中に形成する請求項3記載の方法。
  5. 高エネルギ・イオンが、前駆体金属化合物を含むポリマ・フィルムに当たり、それにより前記前駆体の被着が、導電性金属粒子の核生成となる請求項3記載の方法。
  6. 前記ポリマが、ポリイミドである請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 導電路が、前記のデバイスを外部の電気回路に接続するのを可能にするため前記の処理されたポリマ上に被着される請求項3から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 請求項3から7のいずれか一項に記載の方法により作られる歪みセンサ。
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