JP2007532649A - (4−アルキルピペラジニル)(フェニル)メタノン - Google Patents
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Abstract
【選択図】図1
Description
本出願は、35 U.S.C. 119(e)に則り、U.S. Provisional Application Serial No. 60/562,643(2004年04月15日出願)の優先権を主張する。
a) R1、R2、およびR3が、独立に、H、OH基、ハロ基、(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ基、(C3-C6)シクロアルキル基、(C3-C6)シクロアルキル((C1-C6)アルキル)基、(C2-C6)アルケニル基、(C2-C6)アルキニル基、(C1-C6)アルカノイル基、ハロ(C1-C6)アルキル基、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシカルボニル基、(C1-C6)アルキルチオ基、チオ(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルカノイルオキシ基、またはN(R6)(R7)であって、さらにここで、R6およびR7は、独立に、H、O、(C1-C6)アルキル基、(C3-C6)シクロアルキル基、(C3-C6)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基、フェニル基、もしくはベンジル基であるか、あるいは、R6とR7とが、それらが結合しているNと共になって、任意に1〜2個のS、N(R6)、もしくは過酸化物ではないOをその環に含むような五員環または六員環を形成するものであるか、;あるいは、R1とR2とが共にメチレンジオキシ基となっており、
b) YとZとが共になって、=O、-O(CH2)mO-、もしくは-(CH2)m-を形成する(ここでmは2〜4の数である)か、あるいは、YがHであってZがOR9もしくはSR9(ここでR9は、Hもしくは(C1-C4)アルキル基である)であり、
c) Xが、(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ基、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル基、(C3-C12)アルケニル基、(C2-C6)アルキニル基、カルボキシ基、(C1-C6)アルコキシカルボニル基、チオ(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルキルチオ基、(C3-C12)ヘテロシクロ基、(C3-C12)ヘテロシクロアルキル(C1-C6)アルキル基、アリール基、もしくはヘテロアリール基であって、任意に、1個、2個、もしくは3個のR1で置換されている)、
および、薬学的に許容されうるこれらの化合物の塩、の有効量を前記哺乳類に投与する方法を提供する。
〔スキームA〕
とする。化合物もしくは活性を持つ塩、またはそれらの誘導体の、処置における必要使用量は、選択した特定の塩によってのみ調節されるわけではなく、投与の経路、処置される症状の性質、ならびに、患者の年齢および症状に応じても調整することができ、最終的にはかかりつけの医師もしくは臨床医の裁量で決めることになる。
(i) 錠剤 1 mg/錠
SP008 100.0
乳糖 77.5
ポビドン 15.0
クロスカルメロースナトリウム 12.0
微細結晶セルロース 92.5
ステアリン酸マグネシウム 3.0
300.0
(ii) 錠剤 2 mg/錠
SP008 20.0
微細結晶セルロース 410.0
デンプン 50.0
デンプングリコール酸ナトリウム 15.0
ステアリン酸マグネシウム 5.0
500.0
(iii) カプセル mg/カプセル
SP008 10.0
コロイド二酸化珪素 1.5
乳糖 465.5
アルファ化デンプン 120.0
ステアリン酸マグネシウム 3.0
600.0
(iv) 注射液 1 (1mg/ml) mg/ml
SP008(遊離塩基) 1.0
リン酸水素二ナトリウム 12.0
リン酸二水素ナトリウム 0.7
塩化ナトリウム 4.5
1.0N 水酸化ナトリウム水溶液 適量
(pH 7.0〜7.5として調製)
注射用水 1mL程度
(v) 注射液 2 (10mg/ml) mg/ml
SP008(遊離塩基) 10.0
リン酸二水素ナトリウム 0.3
リン酸水素二ナトリウム 1.1
ポリエチレングリコール400 200.0
01N 水酸化ナトリウム水溶液 適量
(pH 7.0〜7.5として調製)
注射用水 1mL程度
(vi) エアロゾル mg/缶
SP008 20.0
オレイン酸 10.0
トリクロロモノフルオロメタン 5,000.0
ジクロロジフルオロメタン 10,000.0
ジクロロテトラフルオロエタン 5,000.0
〔A. プロカイン誘導体のインシリコスクリーニング〕
Interbioscreen Databaseで、ISIS software(Information Systems, Inc., San Leandro, CA)を用いて、天然に産生する物質からプロカイン構造を含む化合物をスクリーニングした。同定された、酢酸=7-アセトキシ-3-(4-ベンゾイル-ピペラジン-1-イル-メチル)-5-ヒドロキシ-4a,8-ジメチル-2-オキソ-ドデカヒドロ-アズレノ[6,5-b]フラン-4-イルエステル acetic acid 7-acetoxy-3-(4-benzoyl-piperazin-1-yl-methyl)-5-hydroxy-4a,8-dimethyl-2-oxo-dodecahydro-azuleno[6,5-b]furan-4-yl ester(SP015)、酢酸=5-アセトキシ-3-(4-ベンゾイル-ピペラジン-1-イル-メチル)-4-ヒドロキシ-4a,8-ジメチル-2-オキソ-ドデカヒドロ-アズレノ[6,5-b]フラン-7-イルエステル acetic acid 5-acetoxy-3-(4-benzoyl-piperazin-1-yl-methyl)-4-hydroxy-4a,8-dimethyl-2-oxo-dodecahydro-azuleno[6,5-b]furan-7-yl ester(SP016)、および、3-(4-ベンゾイル-ピペラジン-1-イル-メチル)-6,6a-エポキシ-6,9-ジメチル-3a,4,5,6,6a,7,9a,9b-オクタヒドロ-3H-アズレノ[4,5-b]フラン-2-オン 3-(4-benzoyl-piperazin-1-yl-methyl)-6,6a-epoxy-6,9-dimethyl-3a,4,5,6,6a,7,9a,9b-octahydro-3H-azuleno[4,5-b]furan-2-one(SP017)化合物を、Interbioscreen(Moscow, Russia)から購入した(図1)。
PC12細胞(ラット褐色細胞腫)(ATCC, Manassas, VA)を、グルタミン酸を含まないRPMI 1640培地(ウシ血清 10%、ウマ血清5%、およびCO25%を含む)で培養した。これらの細胞は、ニューロン表現型の分化誘導によって、可逆的にNGFに応答した。PC12細胞を、プロカイン、プロカインアミド、リドカイン、テトラカイン、SP015、SP016、SP017、もしくはSP008の濃度を高めながら(1μM、10μM、および100μM)、九十六ウェルプレート内で24時間培養した(ひとつのウェルあたりの細胞数 5×104)。Aβ1-42を4℃で一晩インキュベートした後で細胞に加えて、24時間の期間の最終濃度が、0.1μM、1μM、もしくは10μMになるようにした。
Aβの細胞毒性を、公知の方法(Lecanu et al. (2004) Steroids, 69: 1-16)に従い、臭化3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウム(MTT)を用いたアッセイ(Trevigen, Gaithersburg, MD)を使って解析した。要約すると、100μlの培地で培養した細胞に10μlのMTT溶液を加えた。上述した文献と同一の条件下で4時間培養した後、100μlの洗浄剤を加えて、細胞を37℃で一晩培養した。600nmおよび690nmで青く発色したことを、Victor spectrophotometer(EGG-Wallac, Gaithersburg, MD)を用いて測定した。Aβ1-42の作用を、 (DO600 - DO690) で表した。実験した化合物の保護作用を比較するために、Aβ1-42と共に観察されたMTTのシグナルの減少を、NADPHジアホラーゼの活性を阻害した結果によるものを100%と見做して考え、また、実験した化合物の作用をこの比率の増減によって示した。
公知の方法(Lecanu et al., 上述したもの)と同様にして、ATPLite-MTM(商標)アッセイ(Packard BioSciences Co.)を使用し、ATP濃度を測定した。要約すると、細胞をblack 96-well View PlateTM(商標)で培養し、TopCount NXTTM(商標)counter(PackardBioSciences Co.)でATP濃度を製造者の薦めに従って測定した。Aβ1-42の作用は任意単位で表した。ATPの回復における実験した化合物の保護作用ポテンシャルを比較するために、Aβ1-42に起因するATP濃度の減少は、還元によるものが100%であると見做して考え、また、実験した化合物の作用をこの比率の変化によって示した。
蛍光プローブであるジヒドロキシジクロロフルオレセインジアセタート(di-hydroxy di-chlorofluorescein diacetate; 2,7-DCF)(Molecular Probes, Eugene, OR)を用いて、公知の方法(Lecanu et al., 上述したもの)で遊離ラジカルの生成を測定することによって酸化ストレスを解析した。これらの実験のために、ポリリシンで被覆したマイクロプレート上で細胞を培養した。細胞をRPMI 1640培地と共に一度洗浄した後、培地を100μlのRPMI 1640に交換した。細胞を暗室に置いて、室温で50μM 2,7-DCF 100μlで45分間培養した後、Victor multilabel counter(EGG-Wallac, Gaithersburg, MD)を用いて蛍光(励起波長λ=485nm 、放出波長λ=535nm)を測定した。
Jurkat細胞に発現させたヒト組換え体シグマ-1受容体(human recombinant sigma-1 receptor)を用いて、放射性リガンド結合実験を行った。3.0E-10Mから1.0E-05Mへとプロカインの濃度を高めながら、特異的シグマ-1受容体リガンドである[3H]-(+)-ペンタゾシンを8nMで加え、22℃で120分間培養して、プロカインのIC50値およびHill係数 nH を求めた。
六ウェルプレートで18時間培養したPC12細胞をプロカインの濃度を高めながら、示した時間をかけて処理した。処理後、細胞を1μMのAβ1-42に24時間曝露した。培養の終わりに、製造者の指示に従ってRNASTAT-60(Tel-Test, Inc., Friendswood, TX)を用いて、細胞のtotal RNAを抽出した。ABI Prism 7700 sequence detection system(Perkin-Elmer/Applied Biosystems, Foster, City, CA)を用いたQ-PCR法によって、HMG-CoA還元酵素mRNAを定量した。RT反応(逆転写酵素反応)を、公知の方法(Xu et al. (2003) J. Pharmacol. Ther., 307: 1148-57)に従って、それぞれの反応についてTaqMan(R) Reverse Transcription Reagentsに、1μgのtotal RNAと、プライマーとしてランダムヘキサマーとを併せて用いた。ラットのHMG-CoA還元酵素mRNAをQ-PCR法によって定量するために、プライマーおよびプローブの選択のために構成されたPE/AB Primer Express softwareを使用して、プライマーをGenBank Accession Number BC 019782に従って設計した。フォワードプライマーは、 5'-GAC TGT GGT TTG TGA AGC TGT CAT-3' (24 ヌクレオチド; 配列表の配列番号1)であり、逆転写プライマーは、 5'-AAT ACT TCT CTC ACC ACC TTG GCT-3' (24 ヌクレオチド; 配列表の配列番号2)であった。これらのプライマーは、BioSynthesis, Inc.(Lewisville, TX)が合成した。10μlのSYBR(R) Green PCR Master Mixおよび1μlのプライマー混合液(各5μM)に、2μlのcDNAを溶いたものを含んだ20μlの反応混合液中で、反応を行った。以下のサイクルの条件を用いた。即ち、初期ステップとして50℃で2分間および95℃で10分間、を行った後に、95℃で15秒間および60℃で1分間、を40サイクル行った。AmpliTaq Goldポリメラーゼは、95℃で10分間置いて活性化した。同時に18S RNAを増幅し、内部対照として用いた。プライマーダイマーなどの非特異的PCR産物による汚染を除くために、サイクルプロトコルの後に、すべての最終PCR産物に対して融解曲線分析を行った。また、ゲノムDNAの汚染を除くために、それぞれのサンプルに対してRT反応を起こさないPCR反応も行った。PCR産物を回収し、3%(w/v)アガロース/TAE電気泳動ゲル上で泳動させて産物の大きさを確認した。18S RNAおよびサンプルのCt値(threshold cycle values)をPE/AB computer softwareを用いて算出した。反応が最大の指数増殖期にあったところでCtを定量した。依存的転写量を x = 2ΔΔCt として計算し、ここで、 ΔΔCt = ΔE - ΔC であり、また ΔE = Ctexperiment - Ct18S 、 ΔC - Ctcontrol - Ct18S である。
データは、 平均値±標準偏差(mean±SD) で示した。得られたデータをone-way ANOVAおよび比較のために用いたDunnett's testによって、実験群間で評価した。p<0.05 のときに有意な差であったとした。
〔1. 物質および方法〕
溶媒を標準的な方法で精製した。MSを、VG Tribid, Varian CH7(EI)上で記録した。薄層クロマトグラフィー(TLC)分析を層の厚さ0.2mmのシリカゲル 60 F254上で行った。NMR分光法は、Bruker
AMX300を用いた。すべての共鳴はppm単位で取得し、残留溶媒のシグナル(CDCl3 :7.25ppm)を参照した。
2,3,4-トリメトキシ安息香酸(5.00g、23.6mmol)を、無水トルエン(2mL)に溶かした。触媒量のN,N-ジメチルホルムアミド(二滴)を加えた。この混合液に、蓚酸クロリド(4.27g、33.6mmol)のトルエン(11mL)溶液を滴下して加えた。室温で攪拌を3.5時間に亘って続けた。余剰の試薬と溶媒を、真空で除去した(産物の収量:5.13g、94%)。
1H NMR(CDCl3) δ7.82(D, 1h, 9Hz)、6.68(d, 1H, 9Hz)、3.89(s, 3H)、3.80(s, 1H)、MS(El) m/z 230(M+), 212, 195, 179, 152。
粗生成した塩化2,3,4-トリメトキシベンゾイル(0.93g、4.0mmol)を無水ジクロロメタン(40mL)に溶かした溶液に、0℃のN-エチルピペラジン(0.92g、8.1mmol)を滴下して加えた。攪拌を30分間に亘って続けた。混合液をNH4Cl飽和水溶液で洗った。水層を、ジクロロメタンで二回抽出した。有機層を併せて、塩水で洗い、無水(MgSO4)で洗って、濃縮した。粗生成物をエーテル/石油エーテルから再結晶して、SP008を固体として得た(0.63g、51%)。
〔実施例2. PC12細胞中の、Aβ1-42の神経毒性の、MTTアッセイ、ATP測定、および遊離ラジカルの生成による解析(図2)〕
Aβ1-42は、PC12細胞の生存率(p<0.001)(図2A)と、細胞内ATP濃度(p<0.001)(図2B)との、用量依存的な減少を誘発する。用量依存的な相関は、遊離ラジカルの生成においても観察され、濃度1μMおよび10μMのAβ1-42によって、酸化ストレスの有意な増大が誘発された(それぞれ、p<0.01、およびp<0.001)(図2C)。
〔実施例3. Aβ1-42に濃度を高めながら曝露させたPC12細胞の細胞生存率およびATP量へのSP008の作用〕
10μMのSP008は、Aβ1-42に因るATP貯蔵量の欠乏には保護作用を示さなかったが、その一方、0.1μMのAβ1-42に起因する細胞毒性に対しては、保護作用を示した(p<0.01, n=6)(図3A)。矛盾することに、1μMおよび100μMのSP008では、0.1μMのAβ1-42に起因するNADPHジアホラーゼの阻害を低減しなかったが(図3A)、その一方でATPの減少を抑止した(p<0.05)(図13D)。MTTアッセイを使った解析から、SP008は、1μM(p<0.05)、10μM(p<0.01)、および100μM(p<0.001)で用いた際に、1μMのAβ1-42に対して神経保護作用を示すことがわかった。この作用は、用量依存的なATP維持を伴った(図3E)。
n=6; 図3F)。
〔実施例4. PC12細胞におけるグルタマート起因の興奮毒性へのプロカインおよびSP008の作用〕
100μM のグルタマートは、PC12細胞の生存率を劇的に下げた(p<0.001, n=6; 図4)。プロカインは、このグルタマート起因の神経毒性を二相性的に抑制した。0.3μMと10μMにおいて、二つの最大の作用効果が得られた(対照群と比較して p<0.001, n=6)。また、SP008も二相性の作用を示し、保護作用のピークはグルタマートの濃度が3μMのときであって(対照群と比較してp<0.001, n=6)、それ以上の濃度のグルタマートが存在した場合には神経保護作用が減退した。SP008の神経保護作用は、同一の濃度におけるプロカインの作用よりも重みがあった(p<0.001, n=6)。
〔考察〕
これまでの数十年を通して、ADに関連するコリン作動性神経系(cholinergic network)の機能障害の改善が科学コミュニティにおける主要な論点となっている。これを契機として、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(AchEI)が、タクリンを筆頭とした治療分類として創設されることになった。有望な臨床データにもかかわらず、タクリンの有用な作用効果は控えめなものであり、また、ガランタミン(galantamine)およびドネペジル(donezepil)に代表される新世代のAchEIは、症候の遅延について、タクリン以上には改善できていない。この1〜2年間程度の短期の遅延は、患者とその関係者にとってはかけがえのないものではあるけれども、おそらくはコリン作動性のニューロンの進行性変性(progressive degeneration)に因るものであって、AchEIの使用を制限するものとなってしまう。ADによって損なわれた患者のコリン作動性神経伝達を改善することが実際的な価値と必要性を有しているとは言え、これはこの病気の進行を食い止めるもしくは回復に向かわせるには、至って不充分であるのは確かなことである。近年、グルタマート作動性NMDAサブタイプ受容体のアンタゴニストであるメマンチン(memantine)が承認されて米国市場にリリースされてはいるが、AD薬の開発においては大きな進展がなされていないと言える。本発明は、プロカインを出発点としたデータベースのスクリーニングによって得られた天然化合物の相同系統から誘導された新しい種類の化合物を与えるものである。これらの分子は、ラット褐色細胞腫であるPC12細胞を、Aβ1-42の神経毒性から保護することができる。
chain)における活性を示唆している。ミトコンドリアの機能に対し、SP017はスクリーニングされた天然化合物の内で最大の保護作用を呈し(ミトコンドリアジアホラーセの活性の変化を根拠とする)、その作用範囲はAβ1-42の毒性を30〜70%阻害するものとなった。興味深いことに、SP015とSP016は化学的な類似性が高いにもかかわらず、SP016は1μMを投与しても、低濃度(0.1μM)のAβ1-42に対してのみ有意な効果を示しただけであったが、その一方で、SP015の1μMの投与は、実験したうちでの最高濃度のAβ1-42に対しても重みのある保護作用を示した。驚くべきことに、Aβ1-42曝露後のPC12細胞の生存率へのこれらの種々の化合物の作用は、ATP成分の復元において観察された作用とは完全には一致しない。特に、SP015は、1μMおよび10μMの濃度で10μMのAβ1-42に対してのみ神経保護作用を呈したが、その一方でSP016ではまったく作用効果が得られなかった。このような明らかな不一致からは、細胞内ATP貯蔵量の維持が、保護作用特性を呈するプロカインおよびプロカイン誘導体による機構だけに因るものではない、ということが示唆される。
Claims (27)
- アルツハイマー病に罹った疑いのあるもしくは罹った哺乳類を処置するための方法であって、前記哺乳類に以下の構造式Iの化合物
a) R1、R2、およびR3が、独立に、H、OH基、ハロ基、(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ基、(C3-C6)シクロアルキル基、(C3-C6)シクロアルキル((C1-C6)アルキル)基、(C2-C6)アルケニル基、(C2-C6)アルキニル基、(C1-C6)アルカノイル基、ハロ(C1-C6)アルキル基、ヒドロキシ(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシカルボニル基、(C1-C6)アルキルチオ基、チオ(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルカノイルオキシ基、またはN(R6)(R7)であって、さらにここで、R6およびR7は、独立に、H、O、(C1-C6)アルキル基、(C3-C6)シクロアルキル基、(C3-C6)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基、フェニル基、もしくはベンジル基であるか、あるいは、R6とR7とが、それらが結合しているNと共になって、任意に1〜2個のS、N(R6)、もしくは過酸化物ではないOを含むような五員環または六員環を形成するものであるか、;あるいは、R1とR2とが共にメチレンジオキシ基となっており、
b) YとZとが共になって、=O、-O(CH2)mO-、もしくは-(CH2)m-を形成する(ここでmは2〜4の数である)か、あるいは、YがHであってZがOR9もしくはSR9(ここでR9は、Hもしくは(C1-C4)アルキル基である)であり、
c) Xが、(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ基、ヒドロキシル(C1-C6)アルキル基、(C3-C12)アルケニル基、(C2-C6)アルキニル基、カルボキシ基、(C1-C6)アルコキシカルボニル基、チオ(C1-C6)アルキル基、(C3-C12)ヘテロシクロ基、(C3-C12)ヘテロシクロアルキル(C1-C6)アルキル基、アリール基、もしくはヘテロアリール基であって、任意に、1個、2個、もしくは3個のR1で置換されているというものである)、ならびに、それらの薬学的に許容される塩の有効量を投与することによる方法であることを特徴とする、方法。 - 前記量が、Aβペプチドに起因する神経毒性を阻害する上で有効な量であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 前記量が、Aβ1-42神経毒性を阻害する上で有効な量であることを特徴とする、請求項1もしくは請求項2に記載の方法。
- 前記量が、グルタマートに起因する前記哺乳類内の神経毒性を阻害する上で有効な量であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記量が、前記哺乳類内の神経細胞中のATP量を維持する上で有効な量であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記細胞が、生体外で接触されることを特徴とする、請求項5記載の方法。
- 前記細胞が、生体内で接触されることを特徴とする、請求項5記載の方法。
- 構造式Iの前記化合物が、ヒトに投与されることを特徴とする、請求項1〜5または7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ヒトが、ADの初期段階にあることを特徴とする、請求項8記載の方法。
- 前記ヒトが、AD患者であることを特徴とする、請求項8記載の方法。
- R1、R2、もしくはR3が、N(R6)(R7)であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- R2が、(C1-C6)アルコキシ基であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
- R3が、(C1-C6)アルコキシ基であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
- R1、R2、およびR3が、(C1-C3)アルコキシ基であることを特徴とする、請求項1〜10または12〜13のいずれか一項に記載の方法。
- YとZとが共になって=Oとなっていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- YがHであり、ZがOHであることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- Xが、(C1-C6)アルキル基であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
- Xが、CH3であることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
- 構造式Iの前記化合物が、経口投与されることを特徴とする、請求項1〜5または請求項7〜18のいずれか一項に記載の方法。
- 構造式Iの前記化合物が、非経口投与されることを特徴とする、請求項1〜5または請求項7〜18のいずれか一項に記載の方法。
- 構造式(I)の前記化合物が、薬学的に許容される担体と組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
- 前記担体が、液体、懸濁液、もしくはゲルであることを特徴とする、請求項21記載の方法。
- 前記担体が、固体であることを特徴とする、請求項21記載の方法。
- 構造式Iの前記化合物が、[(2,3,4-トリメトキシ)フェニル]-[4-エチルピペラジン-1-イル]メタノンであることを特徴とする、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
- 薬学的に許容される担体と組み合わせた構造式(I)の化合物を含むことを特徴とする、組成物。
- グルタマート神経系もしくは経路の伝達亢進を含んだ神経障害を処置する治療方法であって、前記神経障害の徴候の観られるもしくは前記神経障害を患う哺乳類に、構造式(I)の化合物の有効量を投与するステップを含むことを特徴とする、治療方法。
- ADの少なくともひとつの症状を処置する医薬を調製するための、構造式(I)の化合物の使用方法。
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