JP2007532211A - 骨形成マトリックス複合体、その製造方法および骨形成複合体マトリックスのコーティングを有する組織工学用のインプラントおよび骨組 - Google Patents

骨形成マトリックス複合体、その製造方法および骨形成複合体マトリックスのコーティングを有する組織工学用のインプラントおよび骨組 Download PDF

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Abstract

本発明はコラーゲンおよび細胞外マトリックス(ECM成分)である非コラーゲン性成分からなる骨形成マトリックス複合体、該マトリックスの製造方法、骨形成マトリックス複合体のコーティングを有し、骨におけるインプラントオッセオインテグレーションのような硬組織の形成を刺激し、加速するために用いられる、組織工学用のインプラントまたは骨組の製造方法に関する。本発明の骨形成マトリックス複合体はコラーゲンと少なくとも一つの非コラーゲン性ECM成分またはその誘導体を含み、コラーゲン成分が原繊維形成によって生成された非架橋コラーゲン繊維からなり、そして、非コラーゲン性のECM成分またはその誘導体が該コラーゲン繊維に組み込まれている。

Description

本発明はコラーゲンおよび細胞外マトリックス(ECM成分)である非コラーゲン性の成分の骨形成マトリックス複合体、その製造方法、骨形成マトリックス複合体のコーティングを有する組織工学用のインプラントまたは骨組の製造方法、および、例えば、インプラントの骨への骨結合の分野における、硬組織の刺激および加速された形成のための骨形成マトリックス複合体のコーティングを有する組織工学用のインプラントおよび骨組に関する。
組織において、細胞は天然の細胞外マトリックス(ECM)内に埋め込まれており、これは、細胞環境の重要な部分である。天然のECMはコラーゲン類、グリコプロテイン類、プロテオグリカン類およびグリコサミノグリカン類(GAG)からなる高度に配列された組織に特異的なネットワークである。ここでさまざまな組織および発達のさまざまな段階のための組成物はまったく異なり、それぞれのマトリックスは細胞および成長因子との相互作用に関して特異的な性質を有する。
天然の骨マトリックスの主たる構造タンパク質はコラーゲンタイプIであるが、プロテオグリカン類およびグリコプロテイン類などのような種々の他のマトリックスタンパク質類もコラーゲンと相互作用を持つことができ、マトリックスの構造および機能に影響することができる。これらの非コラーゲン性ECMタンパク質類はマトリックス内で特異的な機能を果たす。したがって、フィブロネクチンは、細胞を結合する性質に加えてコラーゲンをおよびGAGを結合する性質を有する[Stamatoglou and Keller, 1984, Biochim Biophys Acta. Oct 28; 719(1); 90−7]、一方、デコリンのような小さなロイシンを多く含むタンパク質類(SLRPs)は天然のECMの構造中で役割を果たす(デコリンがin vivoでの原繊維形成を調節する)だけでなくTGF‐βのような成長因子を結合し、またはシグナル分子としての役割も果たす[Kresse and Schonherr, 2001, J Cell Phys 189: 266−274]。
プロテオグリカン類およびグリコプロテイン類は糖化の程度、即ち、種々のグリコサミノグリカン類からなる、特に高度に糖化されたプロテオグリカン類の糖含量が異なる。これらの鎖の分布は、たとえば、デコリン(骨中のコンドロイチン硫酸塩、皮膚中のデルマタン硫酸塩)に関して、組織特異性である。グリコサミノグリカン類は、ジサッカライド類の繰り返しからなる、大きく非分岐のポリサッカライド類であり、それはたとえば、N‐アセチルガラクトサミン、N‐アセチルグルコサミン、種々の度合いで硫酸化されたグルクロネートまたはイズロネートからなる。糖鎖はin vivoでプロテオグリカン類と結合して存在し、これらのタンパク質の機能、即ち、成長因子の結合および調節に重要な役割を果たす[Bernfield et al, 1999, Annu Rev Biochem, 6B; 729−777]。
個々のECM構成成分、特にコラーゲンはすでに細胞の接着や組織の組み込みを向上させるために骨組やインプラントの生体適合性変性に利用されている。コラーゲンに加え、ポリサッカライド類のようなさらなるECM成分が種々の用途に用いられている。したがって、骨組織は組織培養での適用のための3次元的な骨組を製造するためにグリコサミノグリカン類で架橋した[WO 01/02030A2]。
コンドロイチン硫酸塩を含む混合物が骨の欠損の修復に用いられる;これは主にアミノ糖類の含有量およびそれによって増加したマトリックス製造により結合組織の治癒を促進する[WO 98/27988、 WO 99/39757]。コラーゲンと組み合わせて、植物性のポリサッカライド類が傷口の被覆材として用いられ[EP 0140569 A2]、キトサンおよびGAG類の組み合わせは硬組織の再生の刺激剤として記載されている[WO 96/02259]。ここで、コラーゲンとGAGの混合物は酸の共沈により生成され、構造を持たない沈殿が形成され、天然のECM中の原繊維と同等の、輪郭を有するコラーゲン原繊維が形成されない[US 4448717、US 5716411、US 6340369]。
組み換え型成長因子の入手可能性の急増とともに、インプラント類とそれを取り巻く組織との間の相互作用に積極的に影響する骨誘導因子のインプラント用途への関心が増大している[Anselme K (2000) Biomatetials 21, 667−68]。骨の治癒と関連して、骨形成タンパク質(BMP 2,4−7)は、軟骨細胞および骨芽細胞内の間葉幹細胞の分化および新しい骨の形成を誘導するので、特に興味深い[Celeste AJ, Taylor R, Yamaji N, Wang J, Ross J, Wozney JM (1994) J. Cell Biochem. 16F 100; Wozney JM, Rosen V (1993) Bone morphogenetic proteins in Mundy, GR, Martin TJ (Ed.) Physiology and pharmacology of bone. Handbook of experimental pharmacology, vol. 107. Springer Verlag, Berlin, 725−748]。これらの強力な骨誘導効果により、組み換え型BMP類は骨の再生を促進するためおよび改善するために種々の担体において用いられる。形成タンパク質に有効な担体はこれらを結合し、加水分解から守り、それに続く制御放出を可能にし、関連する細胞反応を促進させるものである。さらに、このような担体は生体適合性および生分解性を有さなければならない。BMP類のための好ましい担体は、たとえば、異種の骨マトリックス[WO 99/39757]またはGAG類で架橋される天然組織(WO 01/02030 A2)、またはHAP、コラーゲン、TCP、メチルセルロース、PLA、PGA、および種々の共重合体である(EP 0309241 A2、DE 19890329、EP 0309241 A2、DE 19890906、WO 8904646 A1、DE 19890601)。さらなる用途はGAG類、コラーゲンまたは生体活性な因子などの付加的な成分を含むことができる架橋合成ポリマー (WO 97/22371)、または、グリコサミノグリカン類および骨誘導因子と混合された架橋コラーゲン(WO 91/18558、WO 97/21447)を含む。コラーゲンとGAGの混合物はこの場合、同様に酸性共沈により得ることができる。
組み換え成長因子の使用は大きな不利益を伴う。組み換え因子は通常組織内に天然に存在する内因性の因子よりも活性が低いため、in vivoで効果を達成するためには生理的に正常でない高い投与量が必要である。組み換え因子の投与は単に内因性の因子の作用を大変不完全に真似できるに過ぎない。
BMP類(骨形成タンパク質)の作用を促進する因子を用いることにより、または、その場で成長因子を発現することができる細胞を用いることにより、この問題を最小にする、または逃れる試みがなされている(WO 97/21447、WO 98/25460)。BMP受容体が多くの異なる組織に存在する事実からさらなる問題が生じ得る;これらの成長因子の機能はしたがって、骨に限定されていない。
本発明の目的は、骨の蓄積および骨の成長を直に接している環境およびマトリックス複合体で被覆されたインプラント表面で、促進し、加速する生体適合性および生分解性のマトリックス複合体を特定することであり、該マトリックス複合体は特に合成の、金属の、またはセラミックのインプラントのコーティングに用いることができる。本発明のさらなる目的は組織工学用の担体(骨組)のコーティングであり、これはin vitro、ついでin vivoでの硬組織の生成を助けるものである。
本発明は骨と接触しているインプラントに関しては、ほとんどの場合適量の内因性の骨形成因子が周囲の組織および血流によって存在するという科学的な観察に基づいている。BMP類の骨誘導効果はin vivoの生理学的な条件下で観られるものであるが、それはまたあらゆる可能性において個々の成長因子のタイプによるのではなく、多数の内因性の因子の相乗的な作用の結果によるものである。
この背景に対し、インプラントする場所に存在する内因性の骨形成因子を有利に活用するインプラントのコーティングが望ましい。
本発明によると、その目的はコラーゲンおよび少なくとも一つの非コラーゲン性のECM成分またはその誘導体の骨形成マトリックス複合体により達成され、そこでは、コラーゲン成分が原繊維形成によって生成された非架橋コラーゲン原繊維からなり、少なくとも一つの非コラーゲン性のECM成分またはその誘導体がコラーゲン成分に組み込まれている。
骨形成マトリックス複合体は、本発明によれば、骨の中で天然に生じるマトリックス成分に組成と形態で可能なかぎり類似し、生体適合性および生分解性であり、成長因子の結合と存在の両方において骨の組織に特異的な機能を有し、直接細胞の反応に影響できる細胞外マトリックス構成成分を用いる。その結果、in vivoでの条件にできるだけ近いミクロ環境を細胞に提示する。これは、細胞の機能や成長因子のような骨形成因子への反応に積極的に影響を与える。
コラーゲンという用語はすべての原繊維を形成するコラーゲンのタイプを含む。非架橋の、酸に可溶な、組み換え型又は組織由来のコラーゲンモノマー類を、テロペプチドを用いてあるいは用いないで産生するあらゆるコラーゲン源が好適である。
非コラーゲン性のECM成分という用語はグリコサミングリカン類および非コラーゲン性のタンパク質類の双方を含む。これらは天然のECMの既知の構成成分である。非コラーゲン性のタンパク質類という用語は非コラーゲン性の(プロテオグリカン類およびグリコプロテイン類)または部分的にコラーゲン性(FACITs)の構造を有するすべてのマトリックスタンパク質類を含む。
骨形成マトリックス複合体の主たる構成成分はタイプI、II、III、V、IX、XIのコラーゲン、またはこれらの組み合わせである。原則として、非架橋性で、酸に可溶なモノマー類を生成するすべての原繊維形成性のコラーゲンタイプを用いうるが、骨の中に主に存在するコラーゲンであるコラーゲンI、IIIおよびVが好ましい。
骨形成マトリックス複合体はGAG成分としてコンドロイチン硫酸塩A、C、D、E;デルマタン硫酸塩、ケラタン硫酸塩、ヘパラン硫酸塩、ヘパリン、ヒアルロン酸またはこれらの誘導体を個々にまたは混合して含み、コンドロイチン硫酸塩が好ましい。用いられる糖類は合成的に調製しても、生物源から分離して調製してもよい。
さらなる非コラーゲン性マトリックスタンパク質類として、骨形成複合体はフィブロネクチン、デコリン、ビグリカン、ラミニンまたはベルシカンを個々にまたは混合して含むことができ、デコリンおよびビグリカンが好ましい。用いられるタンパク質類は組み換えによってあるいは天然の形で生物源から分離して得られたものでもよい。
可能な限り骨に類似したマトリックスを作るためには好ましくはコラーゲンタイプI、デコリンおよびビグリカンおよび/またはコンドロイチン硫酸塩などのこれらのGAG鎖類が用いられる。ここで、デコリンまたはビグリカンは、マトリックス、成長因子および細胞間の結合または相乗作用を利用するために用いられる。好適とされるさらなる可能性はGAG鎖の使用であり、このGAG鎖は、内因性の成長因子を結合し、または、その作用を増強することができる。特に、コンドロイチン硫酸塩はしばしば骨中に生じる。コラーゲンとさらなるGAG類あるいはマトリックス構成成分との組み合わせにより、さらなる内因性の成長因子もまた、血管新生の促進のための、たとえば、ヘパラン硫酸塩によるVEGFのような治癒の促進に用いることができる。
本発明によると、コラーゲンおよび少なくとも一つの非コラーゲン性のECM成分またはその誘導体の骨形成マトリックス複合体が、コラーゲン原繊維が原繊維形成によって生成され、原繊維形成の前に少なくとも一つの非コラーゲン性のECM成分またはその誘導体が添加されるように調製される。
この方法で生成されたコラーゲン原繊維は、水または緩衝液系に再縣濁した後にコーティング溶液として利用することができ、または凍結乾燥することができる。
原繊維形成(即ち、コラーゲン原繊維の形成)は下記の条件下行なわれる:
温度範囲が4℃から40℃、好ましくは25℃から37℃、コラーゲン濃度が50から5000μg/ml、好ましくは250から1000μg/ml、pH4からpH9、好ましくはpH6からpH8、リン酸塩含量が500mmol/lまで、好ましくは30から60mmol/l、NaCl含量が1000mmol/lまで、好ましくは300mmolまで。
本発明の調製方法を用い、天然のECM匹敵する輪郭を有する構造と組成を有する骨形成マトリックス複合体が形成される。
順序付けられ、相互に入れ替えられたコラーゲンモノマーの横方向の結合はin vivoのコラーゲン原繊維の特徴であり、64から67nmの周期を有する典型的バンドパターンとなる。この結合は、特に、モノマーの荷電のパターンによるものである。in vitroでの原繊維形成は、生理学的なパラメータの近くの値に設定された、冷たい、酸性のコラーゲン溶液のpH、温度およびイオン強度により誘導される。
グリコサミノグリカン類または他のマトリックス成分が原繊維形成の前にコラーゲンモノマーを含む溶液に添加され、これによって、後続の原繊維形成の工程に含まれる。原繊維形成中の非コラーゲン性のECM成分の存在により、これらは得られる原繊維の中に組み込まれ、用いられる成分、組成、および構造に関して天然のECMに対応するマトリックスが形成される。
in vitroでの原繊維形成の際に、コラーゲンはin vivoでの構造と類似の、その特徴的な横の線条原繊維を形成する。得られた原繊維の構造は工程パラメータ(pH、イオン強度、リン酸濃度)および反応溶液中に存在する非コラーゲン性の成分の性質や量に影響される。デコリンのようなin vivoでマトリックスを修飾するプロテオグリカン類に関し、天然の生物学的な機能への最も高い近似性がこのように得られる。これはこの方法により、それらがin vitro条件において得られる原繊維類の構造にも影響しうるからである。
構造形成と対照的に、原繊維形成による凝集の結果として コラーゲンの凝集はまたポリアニオンの添加により誘導することができる。これはグリコサミノグリカン類が原因となる酸性媒体中ではGAGとコラーゲンモノマーの間に存在する静電気的な相互作用を表わすからである。このような酸性沈殿の中でコラーゲンモノマーの結合はほぼ生理学的な条件下でのそれと比較することはできない。アモルファスな沈殿が形成されるか、または、適当な量比および荷電パターンの十分な一致があればセグメントロングスペーシング微結晶(segment long−spacing crystallites)のような多形の凝集物が形成される。
デコリンのようなグリコプロテイン類あるいはプロテオグリカン類については、酸性媒体から沈殿する可能性はない。
in vivoの条件にできるだけ近づけて維持するために、本発明によれば、コラーゲン原繊維は架橋されない。架橋は安定性を増大させるかもしれないが、内因性の骨形成因子と特異的結合しうる領域に影響を与えるという不利益がある。これは、特にGAG類の機能に重要である。これは、これらの成長因子との結合特性が架橋により制限される糖鎖の自由な運動性によるからである。従って同時に、糖類はマトリックスから放出されうるが、これは、成長因子の細胞表面への提示のために重要である。
本発明は本発明の骨形成複合体の組織工学用のインプラントあるいは骨組のコーティングへの使用を含む。
本発明の認識におけるインプラントはその表面の少なくとも一部が骨組織と接触しているすべての金属製、セラミック製およびポリマー製のインプラントまたは種々のグループの材料から構成されるインプラントを意味すると理解される。硬組織の組織工学用の骨組として働くすべての金属製、セラミック製およびポリマー製の構造物および種々のグループの材料からなる構造物も同様である。
前述の骨形成マトリックス複合体は特に骨と接触する非分解性のインプラントのコーティングに適している。このようなインプラントとしては、人工股関節、歯のインプラント、またはインプラントの骨への速やかで堅固な組み込みが必要な他の荷重のかかる用途が挙げられる。
骨形成マトリックスと3次元の分解可能なインプラントとの組み合わせは骨の代替材としてインプラントされるものであるが、これは、インプラントの組み込みおよび再構築とさらに新しい骨の形成を有利に促進できる。これらのインプラントは、たとえば、リン酸カルシウムだけでなくポリマー材からなる粒子あるいは3次元構造物を基本成分として含むことができる。
組織工学において、骨形成マトリックス組成物と骨組との組み合わせは骨形成細胞の増殖および分化に有用である。骨組としては、合成のおよび/または天然のポリマー(例えばコラーゲン)、セラミックまたは金属のすべての3次元の多孔構造を個々にあるいは組み合わせて用いることができ、ポリマーおよび/またはセラミックの生分解性の骨組が好ましい。
骨形成マトリックス複合体を用いて、たとえば、in vivoに存在する成長因子のような骨形成因子を移植後インプラント表面に結合させ、その作用を増大させる。有利には、移植サイトに存在する様々な内因性の因子が骨形成マトリックス複合体で被覆したインプラントにより補給される。
組織工学用のインプラントあるいは骨組の製造については、骨形成マトリックス複合体を含むコーティング溶液が、骨形成マトリックス複合体をその表面に有利に固定するために、ディップコーティング法によって使用される。コーティング溶液のコラーゲン濃度は0.5mg/mlから5mg/ml、好ましい範囲は1mg/mlから2mg/mlとすることができる。骨形成マトリックス複合体はインプラントを室温で5から20分インキュベートして固定化し、ついで乾燥し、水洗される。得られる層の厚さはコーティング溶液の濃度および工程の繰り返し数に影響されうる。
前述の骨形成マトリックス複合体と組み合わした被覆された3次元の骨組の製造には、好ましくは、原繊維形成の開始前に、成分の混合物が金属製、セラミック製、および/またはポリマー起源であることができる骨組内に導入される。ついで、温度を上げて原繊維形成が誘導される。その場で形成される原繊維はコラーゲンゲルとして留まることも表面コーティングと同じように乾燥させることもできる。
このようにして調製されたインプラントまたは骨組は、好ましくは、エチレンオキサイドまたはガンマ線照射のような既知の非加熱法を用いて消毒し、室温で保存してもよい。
本発明にしたがって、骨形成マトリックス複合体で被覆されたインプラントまたは骨組は、従来の技術により知られている溶液に対し以下のような利点がある。
・天然の細胞環境に対応する製造条件および成分を使用したための、かなり生理学的な組成および構造による、製造されたマトリックスの良好な生体適合性および機能性、
・成分混合物中における用いることができる成分およびそれらの割合の高い可変性
・容易な保存および安定化条件
・内因性の骨誘導因子を用いることによる高い特異性および効率性
以下に実施例、比較試験および図を用いて本発明を詳細に説明する。
[実施例1]
[各種条件下で原繊維形成した後の原繊維の構造]
骨形成マトリックス複合体の製造のために、コラーゲンモノマーの0.01M酢酸溶液を、4℃で24時間撹拌することにより調製する。ついで非コラーゲン成分の存在下、pH中性、温度37℃でリン酸塩の水性緩衝液中で自己凝縮(原繊維形成)の工程によりコラーゲン原繊維を形成する。
原繊維形成の範囲はmlあたり0.5から5mgのコラーゲンとmlあたり0.1から5mgのグリコサミノグリカンであり、好ましい条件は、1mg/mlのコラーゲンおよび0.2mg/mlのGAGおよび30μg/mlのプロテオグリカンである。好ましい原繊維形成パラメータは135mmol/lのNaClを添加した、あるいは、NaClを添加しない、30mmol/lのpH7.0のリン酸塩緩衝液であった。
グリコサミノグリカン類あるいは他のマトリックス成分は原繊維形成の前にコラーゲンモノマーに添加され、それによって少なくとも部分的に後続の原繊維形成工程において得られる繊維の中に組み込まれる。
図1は原繊維形成により生じた溶液の濁度の経時的測定において、デコリン量(モル比で表される)の増加によって形成速度の遅延とODの最大値の減少が生じ、これは原繊維径の減少を示すことを表している。コンドロイチン硫酸塩では逆の効果が観察されるはずである。形成条件:250μg/mlのコラーゲン、37℃、135mmol/lのNaClを含むpH7.4の30mmol/lのリン酸塩緩衝液。
図2において、得られる原繊維の構造への形成条件の影響がAFM写真で示されている。すべての条件下でデコリンの添加は原繊維径を減少させる(aおよびd)。コンドロイチン硫酸塩については、特にイオン強度が低い条件下で平均原繊維径の増加と共に著しく不均一な原繊維径の分布が観察される(f)。一方、イオン濃度が高いときにはこの効果は明らかではない(c)。bとeは非コラーゲン性の添加物がない原繊維構造を表す。形成条件:250μg/mlのコラーゲン、37℃、pH7.4の30mmol/lのリン酸塩緩衝液(緩衝液A)または135mmol/lのNaClを含むpH7.4の30mmol/lのリン酸塩緩衝液(緩衝液B)。
しかし、すべての場合において、in vitroでの原繊維形成の際にコラーゲンモノマーはin vivoでの構造に類似の特徴的な横の線条原繊維を形成する。得られた原繊維の構造は工程パラメータ(pH、イオン強度、リン酸塩濃度)および添加された非コラーゲン性成分の性質および量の双方に影響される。グリコサミノグリカン類またはデコリンのような非コラーゲン性の構成成分を含むコラーゲン原繊維は比較的広範囲の質量比で生成されうる。この範囲内では、コラーゲンの原繊維内への組み込みが影響されないか、影響されてもごくわずかである。
[実施例2]
[非コラーゲン性成分のコラーゲン原繊維への組み込み]
骨形成マトリックス複合体の製造のために、コラーゲンモノマーの0.01Mの酢酸溶液を4℃で24時間撹拌することにより調製する。ついで非コラーゲン成分の存在下、pH中性でリン酸塩の水性緩衝液中で自己凝縮(原繊維形成)の工程によりコラーゲン原繊維を形成する。形成条件:250μg/mlのコラーゲン、37℃、pH7.4の30mmol/lのリン酸塩緩衝液(緩衝液A)または135mmol/lのNaClを含むpH7.4の30mmol/lのリン酸塩緩衝液(緩衝液B)、コンドロイチン硫酸塩およびデコリンの濃度は異なる。
原繊維を洗浄し、500μlの6MのHCl中で105℃で6時間加水分解した後、原繊維に組み込まれたデコリンおよびコンドロイチン硫酸塩をPieper et al.の方法により測定した[Pieper JS, Hafmans T, Veerkamp JH, van Kuppevelt TH. Development of tailor−made collagen−glycosaminoglycan matrices: EDC/NHS crosslinking, and ultrastructural aspects. Biomaterials 2000; 21(6): 581−593]。
コンドロイチン硫酸塩については、組み込みの程度は用いられる緩衝系のイオン強度に依存する。用いた20μgの低いイオン強度(緩衝液A)では、約2.5μgのCSが250μgのコラーゲンに組み込まれる。イオン強度が高い場合(緩衝液B)は、この量の1/3のみである(図3)。
デコリンの組み込みもまた用いられる緩衝液系に依存する。緩衝液Aの場合は用いられた量の1/3が組み込まれ、一方緩衝液Bの値はここでも著しく低い。
[実施例3]
[骨形成マトリックス複合体を被覆したインプラントによる成長因子の補給]
本発明により構成され製造されたマトリックスは、内因性の成長因子を補給することにより、組み換え型成長因子を用いることなく骨の形成および蓄積を加速し、向上させることができる。本実験においては、このような結合挙動は組み換え型成長因子を用いてのみ示される。
10mm径の砂吹きした、柱状のTiAl6V4の試料をエタノール、アセトンおよび水で洗浄する。
1mg/mlのウシのコラーゲンタイプIの0.01Mの酢酸溶液を、4℃で一晩撹拌することにより生成する。非コラーゲン性ECM成分(グリコサミノグリカン30μg/ml、プロテオグリカン類15μg/ml)をこの溶液に加える。混合物を氷上で原繊維形成緩衝液(60mmol/lのリン酸塩、270mmol/lのNaCl、pH7.4)で処理し、37℃で18時間インキュベートする。得られた原繊維を遠心分離し、洗浄し、均一化し、再度縣濁して最終的な濃度を1mg/mlとする。
この溶液を用いて柱状の試料を室温で15分間被覆(ディップコーティング)し、水で洗浄して乾燥する。
ついで、成長因子(組み換え型BMP‐4またはTGF‐1β)を吸着工程(4℃、18時間、PBSから)によりこれらの表面に固定化し、ついでELISAを用いて測定する。
これらの組み換え型成長因子を用いたin vitroテストは、本発明による非コラーゲン性成分の添加により成長因子rhBMP‐4(特にコンドロイチン硫酸塩の添加による)またはrhTGF‐1β(特にデコリンの添加による)のマトリックスへの結合が増すことを示している。BMPは少量(2から20ng/cm)では影響はないが、より多量(50ng/cmから)では、純粋なコラーゲン層と比較して、コンドロイチン硫酸塩を含有した層に対して、約10%高い結合が生じる。用いた量を%で示す(図4)。
rhTGF‐1βは1ng/cmと10ng/cmの両方の場合でデコリン含有表面において結合の増加が検出できる。
マトリックスの形成条件:500μg/mlのコラーゲン、30μg/mlのデコリンおよび/またはコンドロイチン硫酸塩、37℃、135mmolのNaClを含むpH7.4の30mmol/lのリン酸塩緩衝液。
[実施例4]
[ラットの頭蓋冠の骨芽細胞を用いた種々のマトリックス複合体に関する研究]
図5は初代ラットの頭蓋冠の骨芽細胞の種々のマトリックス上での挙動を示す。細胞の異なるマトリックス組成物に対する初期の接着を、細胞の形態、細胞骨格構造(ファロイジンによるアクチン染色)およびインテグリン受容体による接着斑複合体の形成(ビンキュリンに対する免疫染色)により分析した。接着は2時間後コラーゲン‐CSマトリックスにおいてもっとも顕著であり、次にコラーゲン‐デコリンであった。FACS(アクチン原繊維の端の緑黄色の点および赤味)の形成もまたデコリンおよび特にCSにより促進され、加速された。純粋なコラーゲンマトリックスを用いたコントロールは2時間後明らかに少ないFACSを示した。
マトリックスの組成の骨芽細胞の分化への影響を、蛍光活性化した細胞スキャニングを用いて、マーカータンパク質オステオポンチンの発現により調査した。骨芽細胞は8日後、コラーゲン‐CS表面上で純粋なコラーゲン表面(〜500蛍光単位)上の細胞に比べて、5倍のオステオポンチン(〜2500蛍光単位)を生成した。マトリックスの形成条件:500μg/mlのコラーゲン、30μg/mlのデコリンおよび/またはコンドロイチン硫酸塩、37℃、135mmol/lのNaClを含むpH7.4の30mmol/lのリン酸塩緩衝液。
ラットの頭蓋冠の骨芽細胞を用いたさらなる研究は、担体マトリックスの組成に依存するrhBMP‐4における異なる細胞反応を示した。図6は4pmol/cmのrhBMP‐4をラットの頭蓋冠細胞に加えた後の、1mgのタンパク質あたりの活性単位Uで表わしたアルカリホスファターゼの活性を示す。デコリンを含有したマトリックス上では、rBMPの活動は低く制限されるが、コンドロイチン硫酸塩を含有したマトリックス上では増加する。マトリックスの形成条件:500μg/mlのコラーゲン、30μg/mlのデコリンおよび/またはコンドロイチン硫酸塩、37℃、135mmol/lのNaClを含むpH7.4の30mmol/lのリン酸塩緩衝液。
[実施例5]
[動物実験]
動物実験においては、驚くべきことに、組み換え型成長因子を供給されたマトリックスは誘導された骨形成に関し、コラーゲンタイプIおよびコンドロイチン硫酸塩を基にした本発明の非架橋の骨形成マトリックス複合体よりも著しく不十分に機能することが見出された。
軸に対して直角の方向に環状切開を有し、したがって欠陥モデルに相当するTiインプラントを、1%トリトン X−100、アセトンおよび96%のエタノールで洗浄し、蒸留水ですすいでから乾燥する。
用いたインプラントは二つの連続するディップコーティング工程により以下のもので被覆する:
A.コラーゲンタイプIの原繊維、
B.実施例1による、コラーゲンタイプIおよびコンドロイチン硫酸塩を基にした本発明の骨形成マトリックス複合体
C.実施例1による、コラーゲンタイプIおよびコンドロイチン硫酸塩を基にした本発明の骨形成マトリックス複合体
インプラントを蒸留水で洗浄し、空気乾燥し、42℃で12時間、エチレンオキサイドで滅菌する。移植の直前に、表面条件Cを組み換え型BMP‐4(400ng/ml)で、4℃で一晩被覆し、ついで乾燥する。
インプラントをミニブタの下あごに用いる。骨とインプラントの接触は6ヵ月後に組織形態計測法で測定した。
この接触の最も高いパーセンテージは、コラーゲンとコンドロイチン硫酸塩を基にした本発明による骨形成マトリックスでコーティングしたインプラントに対して得られる(27.8%)。一方、同じコーティングと組み換え型BMP‐4および組み合わせを有するインプラントは約15%で、従って明らかに低かった。最低値は純粋なコラーゲンコーティングのものである(12.8%)。(図7)
本発明の記載において、以下の略号を用いている。
bFGF 塩基性繊維芽細胞成長因子
BMP 骨形態形成タンパク質
ECM 細胞外マトリックス
EGF 内因性の成長因子
FACITs 中断された三重らせんを伴う原繊維関連コラーゲン
FACS 接着斑接触
FGF 繊維芽細胞成長因子
GAG グリコサミノグリカン
HAP ヒドロキシルアパタイト
IGF−I インシュリン様成長因子
PGA ポリグリコール酸
PLA ポリ乳酸
SLRP 小さなロイシンリッチなタンパク質
TCP リン酸トリカルシウム相
TES (N‐[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]‐2‐アミノエタンスルホン酸‐
TGF−β トランスフォーミング増殖因子ベータ
VEGF 血管内皮成長因子
WF 成長因子
コラーゲン原繊維の形成に対するデコリンおよびコンドロイチン硫酸塩(CS)の影響、OD中の原繊維形成溶液の濁度の経時的増加として測定 原繊維構造のAFM写真 本発明の骨形成マトリックス複合体中に存在するコンドロイチン硫酸塩およびデコリン 組み換え型成長因子BMP‐4およびTGF‐1βに対する、本発明の骨形成マトリックス複合体の結合挙動 本発明の各種骨形成マトリックス複合体上での初代ラットの頭蓋冠の挙動‐接着およびオステオポンチン発現への影響 4pmol/cmのBMP‐4の添加後の、本発明の各種骨形成マトリックス複合体上でのラットの頭蓋冠細胞内のアルカリホスファターゼ活性 ミニブタのあごの中における、6ヵ月後のインプラント表面上の百分率で表した新しい骨の形成

Claims (13)

  1. コラーゲンおよび少なくとも一つの非コラーゲン性のECM成分またはその誘導体の骨形成マトリックス複合体であって、コラーゲン成分が原繊維形成によって生成された非架橋コラーゲン原繊維からなり、かつ少なくとも一つの非コラーゲン性のECMまたはその誘導体がコラーゲン成分に組み込まれていることを特徴とする骨形成マトリックス複合体。
  2. 前記非コラーゲン性のECM成分がグリコサミノグリカンを含むことを特徴とする請求項1に記載の骨形成マトリックス複合体。
  3. 前記非コラーゲン性のECM成分がタイプA、C、D、またはBのコンドロイチン硫酸塩、デルマタン硫酸塩、ケラタン硫酸塩、ヘパラン硫酸塩、ヘパリン、ヒアルロン酸およびそれらの誘導体を単独であるいは混合して含むことを特徴とする請求項2に記載の骨形成マトリックス複合体。
  4. 前記非コラーゲン性のECM成分が非コラーゲン性マトリックスタンパク質を含むことを特徴とする請求項1に記載の骨形成マトリックス複合体。
  5. 前記非コラーゲン性のECM成分が非コラーゲン性マトリックスタンパク質として、フィブロネクチン、デコリン、ビグリカン、ラミニン、ベルシカンを単独であるいは混合して含むことを特徴とする請求項4に記載の骨形成マトリックス複合体。
  6. 前記コラーゲン成分がコラーゲンI、II、III、V、IX、XIの一つまたはそれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項1から5の一項に記載の骨形成マトリックス複合体。
  7. コラーゲンおよび少なくとも一つの非コラーゲン性のECM成分またはその誘導体の骨形成マトリックス複合体の製造方法であって、コラーゲン原繊維が原繊維形成によって生成され、原繊維形成の前に少なくとも一つの非コラーゲン性のECM成分またはその誘導体が添加され、このように生成されたコラーゲン原繊維が水または緩衝液系に再度縣濁され、および場合によっては凍結乾燥されることを特徴とする骨形成マトリックス複合体の製造方法。
  8. 前記原繊維形成が温度範囲、4℃から40℃、好ましくは25℃から37℃、コラーゲン濃度、50から5000μml、好ましくは、250から1000μml、pH4からpH9、好ましくはpH6からpH8、リン酸塩濃度、500mmol/lまで、好ましくは、30から60mmol/l、NaCl濃度、1000mmol/lまで、好ましくは、300mmolまでの条件下で行なわれることを特徴とする請求項7に記載の骨形成マトリックス複合体の製造方法。
  9. 請求項1から8の一項に記載の骨形成マトリックス複合体の組織工学用のインプラントまたは骨組のコーティングのための使用。
  10. 請求項1から6の一項に記載の骨形成マトリックス複合体のコーティングを有する組織工学用のインプラントまたは骨組の製造方法であって、コラーゲン原繊維が原繊維形成によって生成され、原繊維形成の前に、前記少なくとも一つの非コラーゲン性のECM成分またはその誘導体を添加し、このように生成されたコラーゲン原繊維を水または緩衝液系に再度縣濁し、ついでインプラントまたは骨組の表面にティップ‐コーティング法で固定化することを特徴とする組織工学用のインプラントまたは骨組の製造方法。
  11. 請求項1から6の一項に記載の骨形成マトリックス複合体のコーティングを有する組織工学用の骨組の製造方法であって、コラーゲン原繊維が原繊維形成によって生成され、原繊維形成の前に、前記少なくとも一つの非コラーゲン性のECM成分またはその誘導体が原繊維の形成が骨組内で誘導されるように添加され、その場で形成された前記原繊維がゲルのままであるか、または乾燥されることを特徴とする組織工学用の骨組の製造方法。
  12. 請求項1から6の一項に記載の骨形成マトリックス複合体のコーティングを有する組織工学用のインプラントまたは骨組。
  13. 請求項1から6の一項に記載の骨形成マトリックス複合体を含むコーティング溶液。

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